JPH07211634A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法

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JPH07211634A
JPH07211634A JP6319166A JP31916694A JPH07211634A JP H07211634 A JPH07211634 A JP H07211634A JP 6319166 A JP6319166 A JP 6319166A JP 31916694 A JP31916694 A JP 31916694A JP H07211634 A JPH07211634 A JP H07211634A
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昭治 宮永
Kouyuu Chiyou
宏勇 張
Naoaki Yamaguchi
直明 山口
Atsunori Suzuki
敦則 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶化を助長する触媒元素を用いて、550
℃程度、4時間程度の加熱処理で結晶性珪素を得る方法
において、触媒元素の導入量を精密に制御する。 【構成】 下地の酸化珪素膜12が形成されたガラス基
板11上にニッケル等の触媒元素を10〜200ppm
(要調整)添加した酢酸塩溶液等の水溶液13を滴下す
る。この状態で所定の時間保持し、スピナー15を用い
てスピンドライを行なう。そして、非晶質珪素膜14を
プラズマCVD法で形成し、550℃、4時間の加熱処
理を行なうことにより、結晶性珪素膜を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶性を有する半導体を
用いた半導体装置およびその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜半導体を用いた薄膜トランジスタ
(以下TFT等)が知られている。このTFTは、基板
上に薄膜半導体を形成し、この薄膜半導体を用いて構成
されるものである。このTFTは、各種集積回路に利用
されているが、特に電気光学装置特にアクティブマトリ
ックス型の液晶表示装置の各画素の設けられたスイッチ
ング素子、周辺回路部分に形成されるドライバー素子と
して注目されている。
【0003】TFTに利用される薄膜半導体としては、
非晶質珪素膜を用いることが簡便であるが、その電気的
特性が低いという問題がある。TFTの特性向上を得る
ためには、結晶性を有するシリコン薄膜を利用するばよ
い。結晶性を有するシリコン膜は、多結晶シリコン、ポ
リシリコン、微結晶シリコン等と称されている。この結
晶性を有するシリコン膜を得るためには、まず非晶質珪
素膜を形成し、しかる後に加熱によって結晶化さればよ
い。
【0004】しかしながら、加熱による結晶化は、加熱
温度が600℃以上の温度で10時間以上の時間を掛け
ることが必要であり、基板としてガラス基板を用いるこ
とが困難であるという問題がある。例えばアクティブ型
の液晶表示装置に用いられるコーニング7059ガラス
はガラス歪点が593℃であり、基板の大面積化を考慮
した場合、600℃以上の加熱には問題がある。
【0005】〔発明の背景〕本発明者らの研究によれ
ば、非晶質珪素膜の表面にニッケルやパラジウム、さら
には鉛等の元素を微量に堆積させ、しかる後に加熱する
ことで、550℃、4時間程度の処理時間で結晶化を行
なえることが判明している。
【0006】上記のような微量な元素(結晶化を助長す
る触媒元素)を導入するには、プラズマ処理や蒸着、さ
らにはイオン注入を利用すればよい。プラズマ処理と
は、平行平板型あるいは陽光柱型のプラズマCVD装置
において、電極として触媒元素を含んだ材料を用い、窒
素または水素等の雰囲気でプラズマを生じさせることに
よって非晶質珪素膜に触媒元素の添加を行なう方法であ
る。
【0007】しかしながら、上記のような元素が半導体
中に多量に存在していることは、これら半導体を用いた
装置の信頼性や電気的安定性を阻害するものであり好ま
しいことではない。
【0008】即ち、上記のニッケル等の結晶化を助長す
る元素(触媒元素)は、非晶質珪素を結晶化させる際に
は必要であるが、結晶化した珪素中には極力含まれない
ようにすることが望ましい。この目的を達成するには、
触媒元素として結晶性珪素中で不活性な傾向が強いもの
を選ぶと同時に、結晶化に必要な触媒元素の量を極力少
なくし、最低限の量で結晶化を行なう必要がある。そし
てそのためには、上記触媒元素の添加量を精密に制御し
て導入する必要がある。
【0009】また、ニッケルを触媒元素とした場合、非
晶質珪素膜を成膜し、ニッケル添加をプラズマ処理法に
よって行ない結晶性珪素膜を作製し、その結晶化過程等
を詳細に検討したところ以下の事項が判明した。 (1)プラズマ処理によってニッケルを非晶質珪素膜上
に導入した場合、熱処理を行なう以前に既に、ニッケル
は非晶質珪素膜中のかなりの深さの部分まで侵入してい
る。 (2)結晶の初期核発生は、ニッケルを導入した表面か
ら発生している。 (3)蒸着法でニッケルを非晶質珪素膜上に成膜した場
合であっても、プラズマ処理を行なった場合と同様に結
晶化が起こる。
【0010】上記事項から、プラズマ処理によって導入
されたニッケルが全て効果的に機能していないというこ
とが結論される。即ち、多量のニッケルが導入されても
十分に機能していないニッケルが存在していると考えら
れる。このことから、ニッケルと珪素が接している点
(面)が低温結晶化の際に機能していると考えられる。
そして、可能な限りニッケルは微細に原子状に分散して
いることが必要であることが結論される。即ち、「必要
なのは非晶質珪素膜の表面近傍に低温結晶化が可能な範
囲内で可能な限り低濃度のニッケルが原子状で分散して
導入されればよい」ということが結論される。
【0011】非晶質珪素膜の表面近傍のみに極微量のニ
ッケルを導入する方法、言い換えるならば、非晶質珪素
膜の表面近傍のみ結晶化を助長する触媒元素を極微量導
入する方法としては、蒸着法を挙げることができるが、
蒸着法は制御性が悪く、触媒元素の導入量を厳密に制御
することが困難であるという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒元素を
用いた600℃以下の熱処理による結晶性を有する薄膜
珪素半導体の作製において、 (1)触媒元素の量を制御して導入し、その量を最小限
の量とする。 (2)生産性の高い方法とする。 といった要求を満たすことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を満
足するために以下の手段を用いて結晶性を有した珪素膜
を得る。非晶質珪素膜に接して該非晶質珪素膜の結晶化
を助長する触媒元素単体または前記触媒元素を含む化合
物を保持させ、前記非晶質珪素膜に前記触媒元素単体ま
たは前記触媒元素を含む化合物が接した状態において、
加熱処理を施し、前記非晶質珪素膜を結晶化させる。具
体的には、触媒元素を含む溶液を非晶質珪素膜が形成さ
れる基板(表面に保護膜糖が形成されていても本明細書
では単に基板という)の表面に塗布し、この状態で基板
表面に非晶質珪素膜を形成し、さらに加熱処理すること
で、非晶質珪素膜を結晶化が実現できる。特に本発明に
おいては、非晶質珪素膜の表面に接して触媒元素が導入
されることが特徴である。このことは、触媒元素の量を
制御する上で極めて重要である。
【0014】さらにこの結晶性珪素膜を用いて半導体装
置のPN、PI、NIその他の電気的接合を少なくとも
1つ有する活性領域を構成することを特徴とする。半導
体装置としては、薄膜トランジスタ(TFT)、ダイオ
ード、光センサを用いることができる。
【0015】本発明の構成を採用することによって以下
に示すような基本的な有意性を得ることができる。 (a)溶液中における触媒元素濃度は、予め厳密に制御
である。従って結晶性をより高めかつその元素の量をよ
り少なくすることが可能である。 (b)溶液と非晶質珪素膜の表面とが接触していれば、
触媒元素の非晶質珪素への導入量は、溶液中における触
媒元素の濃度によって決まる。 (c)非晶質珪素膜の表面に接触する触媒元素が主に結
晶化に寄与することとなるので、必要最小限度の濃度で
触媒元素を導入できる。
【0016】非晶質珪素膜が形成される基板上に結晶化
を助長する元素を含有させた溶液を塗布するにおいて、
溶液として水溶液、有機溶媒溶液等を用いることができ
る。ここで含有とは、化合物として含ませるという意味
と、単に分散させることにより含ませるという意味との
両方を含む。
【0017】触媒元素を含む溶媒としては、極性溶媒で
ある水、アルコール、酸、アンモニアから選ばれたもの
を用いることができる。
【0018】触媒としてニッケルを用い、このニッケル
を極性溶媒に含ませる場合、ニッケルはニッケル化合物
として導入される。このニッケル化合物としては、代表
的には臭化ニッケル、酢酸ニッケル、蓚酸ニッケル、炭
酸ニッケル、塩化ニッケル、沃化ニッケル、硝酸ニッケ
ル、硫酸ニッケル、蟻酸ニッケル、ニッケルアセチルア
セトネ−ト、4−シクロヘキシル酪酸ニッケル、酸化ニ
ッケル、水酸化ニッケルから選ばれたものが用いられ
る。
【0019】また触媒元素を含む溶媒として、無極性溶
媒であるベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、
クロロホルム、エーテルから選ばれたものを用いること
ができる。
【0020】この場合はニッケルはニッケル化合物とし
て導入される。このニッケル化合物としては代表的に
は、ニッケルアセチルアセトネ−ト、2−エチルヘキサ
ン酸ニッケルから選ばれたものを用いることができる。
【0021】また、触媒元素としてFe(鉄)を用いる
場合には、その化合物として鉄塩として知られている材
料、例えば臭化第1鉄(FeBr2 6H2 O)、臭化第
2鉄(FeBr3 6H2 O)、酢酸第2鉄(Fe(C2
32)3xH2 O)、塩化第1鉄(FeCl2 4H2
O)、塩化第2鉄(FeCl3 6H2 O)、フッ化第2
鉄(FeF3 3H2 O)、硝酸第2鉄(Fe(NO3)3
9H2 O)、リン酸第1鉄(Fe3 (PO4)2 8H2
O)、リン酸第2鉄(FePO4 2H2 O)から選ばれ
たものを用いることができる。
【0022】触媒元素としてCo(コバルト)を用いる
場合には、その化合物としてコバルト塩として知られて
いる材料、例えば臭化コバルト(CoBr6H2 O)、
酢酸コバルト(Co(C232)2 4H2 O)、塩化
コバルト(CoCl2 6H2O)、フッ化コバルト(C
oF2 xH2 O)、硝酸コバルト(Co(No3)2 6H
2 O)から選ばれたものを用いることができる。
【0023】触媒元素としてRu(ルテニウム)を用い
る場合には、その化合物としてルテニウム塩として知ら
れている材料、例えば塩化ルテニウム(RuCl32
O)を用いることができる。
【0024】触媒元素してRh(ロジウム)を用いる場
合には、その化合物としてロジウム塩として知られてい
る材料、例えば塩化ロジウム(RhCl3 3H2 O)を
用いることができる。
【0025】触媒元素としてPd(パラジウム)を用い
る場合には、その化合物としてパラジウム塩として知ら
れている材料、例えば塩化パラジウム(PdCl2 2H
2 O)を用いることができる。
【0026】触媒元素としてOs(オスニウム)を用い
る場合には、その化合物としてオスニウム塩として知ら
れている材料、例えば塩化オスニウム(OsCl3 )を
用いることができる。
【0027】触媒元素としてIr(イリジウム)を用い
る場合には、その化合物としてイリジウム塩として知ら
れている材料、例えば三塩化イリジウム(IrCl3
2O)、四塩化イリジウム(IrCl4 )から選ばれ
た材料を用いることができる。
【0028】触媒元素としてPt(白金)を用いる場合
には、その化合物として白金塩として知られている材
料、例えば塩化第二白金(PtCl4 5H2 O)を用い
ることができる。
【0029】触媒元素としてCu(銅)を用いる場合に
は、その化合物として酢酸第二銅(Cu(CH3 CO
O)2 )、塩化第二銅(CuCl2 2H2 O)、硝酸第
二銅(Cu(NO3)2 3H2 O)から選ばれた材料を用
いることができる。
【0030】触媒元素として金を用いる場合には、その
化合物として三塩化金(AuCl3xH2 O)、塩化金塩
(AuHCl4 4H2 O)、テトラクロロ金ナトリウム
(AuNaCl4 2H2 O)から選ばれた材料を用いる
ことができる。
【0031】また触媒元素を含有させた溶液に界面活性
剤を添加することも有用である。これは、被塗布面に対
する密着性を高め吸着性を制御するためである。この界
面活性剤は予め被塗布面上に塗布するのでもよい。
【0032】触媒元素としてニッケル単体を用いる場合
には、酸に溶かして溶液とする必要がある。
【0033】以上述べたのは、触媒元素であるニッケル
が完全に溶解した溶液を用いる例であるが、ニッケルが
完全に溶解していなくとも、ニッケル単体あるいはニッ
ケルの化合物からなる粉末が分散媒中に均一に分散した
エマルジョンの如き材料を用いてもよい。
【0034】なおこれらのことは、触媒元素としてニッ
ケル以外の材料を用いた場合であっても同様である。
【0035】結晶化を助長する触媒元素としてニッケル
を用い、このニッケルを含有させる溶液溶媒として水の
如き極性溶媒を用いた場合において、非晶質珪素膜が形
成される基板となる表面にこれら溶液を直接塗布する
と、溶液が弾かれてしまうことがある。この場合は、1
00Å以下の薄い酸化膜をまず形成し、その上に触媒元
素を含有させた溶液を塗布することで、均一に溶液を塗
布することができる。また、界面活性剤の如き材料を溶
液中に添加する方法により濡れを改善する方法も有効で
ある。なお、ガラス基板上に形成されるTFTの構造に
おいて、ガラス基板表面に下地膜として酸化珪素膜や窒
化珪素膜を形成する手法が知られているが、この場合は
直接溶液を塗布することが可能である。
【0036】また、溶液として2−エチルヘキサン酸ニ
ッケルのトルエン溶液の如き無極性溶媒を用いること
で、下地の酸化膜を形成することなしに溶液を塗布する
ことができる。この場合にはレジスト塗布の際に使用さ
れている密着剤の如き材料を予め塗布することは有効で
ある。
【0037】溶液に含ませる触媒元素の量は、その溶液
の種類にも依存するが、概略の傾向としてはニッケル量
として溶液に対して1ppm〜200ppm、好ましく
は1ppm〜50ppm(溶液全体に対する触媒元素の
重量比率)とすることが望ましい。これは、結晶化終了
後における膜中のニッケル濃度や耐フッ酸性に鑑みて決
められる値である。
【0038】また、触媒元素を含んだ溶液を選択的に塗
布することにより、結晶成長を選択的に行なうことがで
きる。特にこの場合、溶液が塗布されなかった領域に向
かって、溶液が塗布された領域から珪素膜の面に概略平
行な方向に結晶成長を行なわすことができる。この珪素
膜の面に概略平行な方向に結晶成長が行なわれた領域を
本明細書中においては横方向に結晶成長した領域という
こととする。
【0039】またこの横方向に結晶成長が行なわれた領
域は、触媒元素の濃度が低いことが確かめられている。
半導体装置の活性層領域として、結晶性珪素膜を利用す
ることは有用であるが、活性層領域中における不純物の
濃度は一般に低い方が好ましい。従って、上記横方向に
結晶成長が行なわれた領域を用いて半導体装置の活性層
領域を形成することはデバイス作製上有用である。
【0040】また本発明においては、被形成面と該被形
成面上に形成された薄膜珪素半導体との界面に結晶化を
助長する触媒元素が導入されるので、結晶化された薄膜
珪素半導体の表面における触媒元素の濃度を低く抑える
ことができる。
【0041】一般にTFTは絶縁ゲイト型電界効果トラ
ンジスタの構成を有するが、絶縁ゲイト型電界効果トラ
ンジスタにおいては、チャネル形成領域とゲイト絶縁膜
との界面およびその近傍領域が重要である。
【0042】絶縁ゲイト型電界効果半導体装置におい
て、チャネル形成領域とゲイト絶縁膜との界面やその近
傍領域に準位が存在すると、絶縁ゲイト型電界効果トラ
ンジスタの特性が大きく阻害される。このような準位を
形成する要因としては、可動イオンや不純物が考えられ
る。従って、珪素薄膜上にゲイト絶縁膜を形成する構成
を採用したTFTを作製する場合には、珪素薄膜表面に
不純物等が極力存在しないことが望ましい。
【0043】さらに本発明は、結晶化した珪素薄膜の全
域において、結晶化を助長する触媒元素の濃度を極力少
なくすることができるので、極めて有用である。
【0044】また本発明の方法を採用した場合、プラズ
マ処理を利用した場合に見られる被処理面の深さ方向に
おける触媒元素の濃度分布が見られないので、加熱処理
の際に触媒元素が不要に拡散するようなことがない。
【0045】前述のように本発明においては、結晶化さ
れた珪素薄膜表面に存在する触媒元素の濃度を可能な限
り少なくすることができるので、これら触媒元素の影響
を極力受けないTFTを形成することができる。すなわ
ち、珪素薄膜の下面に接して結晶化を助長する触媒元素
が導入されることで、結晶性珪素膜表面を用いる電子デ
バイスの特性に触媒元素の影響の少ない構成を実現する
ことができる。
【0046】本発明においては、触媒元素としてニッケ
ルを用いた場合に最も顕著な効果を得ることができる
が、その他利用できる触媒元素の種類としては、好まし
くはNi、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、In、S
n、Pd、Sn、Pd、P、As、Sbを利用すること
ができる。また、VIII族元素、IIIb、IVb、Vb元素から
選ばれた一種または複数種類の元素を利用することもで
きる。
【0047】また、触媒元素の導入方法は、水溶液やア
ルコール等の溶液を用いることに限定されるものではな
く、触媒元素を含んだ物質を広く用いることができる。
例えば、触媒元素を含んだ金属化合物や酸化物を用いる
ことができる。
【0048】
【実施例】
〔実施例1〕
【0049】本実施例では、結晶化を助長する触媒元素
を水溶液に含有させて、ガラス基板上に塗布し、しかる
後に非晶質珪素膜を形成し、加熱処理することにより結
晶化させる例である。
【0050】本実施例においては、基板としてコーニン
グ7059ガラスを用いる。またその大きさは100m
m×100mmとする。
【0051】図1に本実施例の作製工程を示す。まず、
ガラス基板11上に下地の酸化珪素膜12をスパッタ法
によって2000Åの厚さに形成する。そして、汚れ及
び自然酸化膜を取り除くためにフッ酸処理を行う。汚れ
が無視できる場合には、この工程を省略しても良いこと
は言うまでもない。
【0052】つぎに、酢酸塩溶液中にニッケルを添加し
た酢酸塩溶液を作る。ニッケルの濃度は25ppmとす
る。そしてこの酢酸塩溶液を酸化珪素膜12の表面に5
ml滴下し、この状態を5分間保持する。そしてスピナ
ーを用いてスピンドライ(2000rpm、60秒)を
行う。(図1(A))
【0053】酢酸溶液中におけるニッケルの濃度は、1
ppm〜50ppmの範囲で用いるのが好ましい。
【0054】このニッケル溶液の塗布工程を、1回〜複
数回行なうことにより、スピンドライ後の酸化珪素膜1
2の表面に数Å〜数百Åの平均の膜厚を有するニッケル
を含む層を形成することができる。この場合、この層の
ニッケルがその後の加熱工程において、非晶質珪素膜に
拡散し、結晶化を助長する触媒として作用する。なお、
この層というのは、完全な膜になっているとは限らな
い。
【0055】上記溶液の塗布の後、プリベークを窒素雰
囲気中において400℃の温度で行なう。この工程は、
酸化珪素膜12の表面に吸着した溶液を分解するために
行なう。この工程を行なうことによって、後に形成され
る非晶質珪素膜14の膜質が荒れることを防ぐことがで
きる。このプリベークの温度は、塗布工程の際に用いる
溶液の種類によって変更されることはいうまでもない。
【0056】次に非晶質珪素膜14をプラズマCVD法
やLPCVD法によって100〜1500Åの厚さに形
成する。ここでは、プラズマCVD法によって非晶質珪
素膜12を1000Åの厚さに成膜する。
【0057】そして、加熱炉を用い、窒素雰囲気中にお
いて550度、4時間の加熱処理を行う。この結果、基
板11上に形成された結晶性を有する珪素薄膜14を得
ることができる。
【0058】上記の加熱処理は450度以上の温度で行
うことができるが、温度が低いと加熱時間を長くしなけ
らばならず、生産効率が低下する。また、550度以上
とすると基板として用いるガラス基板の耐熱性の問題が
表面化してしまう。
【0059】〔実施例2〕本実施例は、触媒元素である
ニッケルを非水溶液であるアルコールに含有させ、非晶
質珪素膜上に塗布する例である。本実施例では、ニッケ
ルの化合物としてニッケルアセチルアセトネートを用
い、該化合物をアルコールに含有させる。ニッケルの濃
度は必要とする濃度になるようにすればよい。
【0060】後の工程は、実施例1に示したのと同様で
ある。また作製工程の概要は図1に示すにと同様であ
る。以下に具体的な条件を説明する。まず、ニッケル化
合物として、ニッケルアセチルアセトネートを用意す
る。この物質は、アルコールに可溶であり、分解温度が
低いため、結晶化工程における加熱の際に容易に分解さ
せることができる。
【0061】また、アルコールとしてはエタノールを用
いる。まずエタノールに前記のニッケルアセチルアセト
ネートをニッケルの量に換算して50ppmになるよう
に調整し、ニッケルを含有した溶液を作製する。
【0062】そしてこの溶液を下地膜である酸化珪素膜
12上に塗布する。下地の酸化珪素膜上への溶液の塗布
は、実施例1の水溶液を用いた場合より、少なくてす
む。これは、アルコールの接触角が水のそれよりも小さ
いことに起因する。ここでは、100mm角の面積に対
し、2mlの滴下とする。
【0063】そして、この状態で5分間保持する。その
後、スピナーを用い乾燥を行う。この際、スピナーは1
500rpmで1分間回転させる。この後、非晶質珪素
膜を形成し、550℃、4時間の加熱処理を行ない結晶
化を行う。こうして結晶性を有する珪素膜を得る。
【0064】〔実施例3〕本実施例は、触媒元素である
ニッケル単体を酸に溶かし、このニッケル単体が溶けた
酸を非晶質珪素膜の下地の酸化膜12上に塗布する例で
ある。なお、作製工程の概要は、図1に示すのと同様で
ある。
【0065】本実施例においては、酸として0.1mo
l/lの硝酸を用いる。この硝酸の中にニッケルの濃度
が50ppmとなるように、ニッケルの粉末を溶かし、
これを溶液として用いる。この後の工程は、実施例1の
場合と同様である。
【0066】〔実施例4〕本実施例は、本発明の方法を
利用して作製した結晶性珪素膜を用いて、アクティブマ
トリックス型の液晶表示装置の各画素部分に設けられる
TFTを作製する例を示す。なお、TFTの応用範囲と
しては、液晶表示装置のみではなく、一般に言われる薄
膜集積回路に利用できることはいうまでもない。
【0067】図2に本実施例の作製工程の概要を示す。
まずガラス基板上に下地の酸化珪素膜(図示せず)を2
000Åの厚さに成膜する。この酸化珪素膜は、ガラス
基板からの不純物の拡散を防ぐためと、触媒元素を導入
する際に濡れ特性を高める機能を有する。
【0068】そして10ppmのニッケルを含有した酢
酸塩溶液を塗布し、5分間保持し、スピナーを用いてス
ピンドライを行う。その後窒素雰囲気中においてプリベ
ークを行なう。
【0069】このニッケルを導入する工程は、実施例2
または実施例3に示した方法によってもよい。
【0070】そして、非晶質珪素膜を実施例1と同様な
方法で1000Åの厚さに成膜し、550度、4時間の
加熱処理によって結晶化を行なう。この工程によって結
晶性珪素膜が得られる。
【0071】次に、結晶化した珪素膜をパターニングし
て、島状の領域104を形成する。この島状の領域10
4はTFTの活性層を構成する。そして、厚さ200〜
1500Å、ここでは1000Åの酸化珪素105を形
成する。この酸化珪素膜はゲイト絶縁膜としても機能す
る。(図2(A))
【0072】上記酸化珪素膜105の作製には注意が必
要である。ここでは、TEOSを原料とし、酸素ととも
に基板温度150〜600℃、好ましくは300〜45
0℃で、RFプラズマCVD法で分解・堆積した。TE
OSと酸素の圧力比は1:1〜1:3、また、圧力は
0.05〜0.5torr、RFパワーは100〜25
0Wとした。あるいはTEOSを原料としてオゾンガス
とともに減圧CVD法もしくは常圧CVD法によって、
基板温度を350〜600℃、好ましくは400〜55
0℃として形成した。成膜後、酸素もしくはオゾンの雰
囲気で400〜600℃で30〜60分アニールした。
【0073】この状態でKrFエキシマーレーザー(波
長248nm、パルス幅20nsec)あるいはそれと
同等な強光を照射することで、シリコン領域104の結
晶化を助長さえてもよい。特に、赤外光を用いたRTA
(ラピットサーマルアニール)は、ガラス基板を加熱せ
ずに、珪素のみを選択的に加熱することができ、しかも
珪素と酸化珪素膜との界面における界面準位を減少させ
ることができるので、絶縁ゲイト型電界効果半導体装置
の作製においては有用である。
【0074】その後、厚さ2000Å〜1μmのアルミ
ニウム膜を電子ビーム蒸着法によって形成して、これを
パターニングし、ゲイト電極106を形成する。アルミ
ニウムにはスカンジウム(Sc)を0.15〜0.2重
量%ドーピングしておいてもよい。次に基板をpH≒
7、1〜3%の酒石酸のエチレングリコール溶液に浸
し、白金を陰極、このアルミニウムのゲイト電極を陽極
として、陽極酸化を行う。陽極酸化は、最初一定電流で
220Vまで電圧を上げ、その状態で1時間保持して終
了させる。本実施例では定電流状態では、電圧の上昇速
度は2〜5V/分が適当である。このようにして、厚さ
1500〜3500Å、例えば、2000Åの陽極酸化
物109を形成する。(図2(B))
【0075】その後、イオンドーピング法(プラズマド
ーピング法ともいう)によって、各TFTの島状シリコ
ン膜中に、ゲイト電極部をマスクとして自己整合的に不
純物(燐)を注入した。ドーピングガスとしてはフォス
フィン(PH3 )を用いた。ドーズ量は、1〜4×10
15cm-2とする。
【0076】さらに、図2(C)に示すようにKrFエ
キシマーレーザー(波長248nm、パルス幅20ns
ec)を照射して、上記不純物領域の導入によって結晶
性の劣化した部分の結晶性を改善させる。レーザーのエ
ネルギー密度は150〜400mJ/cm2 、好ましく
は200〜250mJ/cm2 である。こうして、N型
不純物(燐)領域108、109を形成する。これらの
領域のシート抵抗は200〜800Ω/□であった。
【0077】この工程において、レーザーを用いるかわ
りに、フラッシュランプを使用して短時間に1000〜
1200℃(シリコンモニターの温度)まで上昇させ、
試料を加熱する、いわゆるRTA(ラピッド・サーマル
・アニール)(RTP、ラピット・サーマル・プロセス
ともいう)を用いてもよい。
【0078】その後、全面に層間絶縁物110として、
TEOSを原料として、これと酸素とのプラズマCVD
法、もしくはオゾンとの減圧CVD法あるいは常圧CV
D法によって酸化珪素膜を厚さ3000Å形成する。基
板温度は250〜450℃、例えば、350℃とする。
成膜後、表面の平坦性を得るため、この酸化珪素膜を機
械的に研磨する。さらに、スパッタ法によってITO被
膜を堆積し、これをパターニングして画素電極111と
する。(図2(D))
【0079】そして、層間絶縁物110をエッチングし
て、図1(E)に示すようにTFTのソース/ドレイン
にコンタクトホールを形成し、クロムもしくは窒化チタ
ンの配線112、113を形成し、配線113は画素電
極111に接続させる。
【0080】プラズマ処理を用いてニッケルを導入した
結晶性珪素膜は、酸化珪素膜に比較してバッファフッ酸
に対する選択性が低いので、上記コンタクトホールの形
成工程において、エッチングされてしまうことが多かっ
た。
【0081】しかし、本実施例のように10ppmの低
濃度で水溶液を用いてニッケルを導入した場合には、耐
フッ酸性が高いので、上記コンタクトホールの形成が安
定して再現性よく行なうことができる。
【0082】最後に、水素中で300〜400℃で0.
1〜2時間アニールして、シリコンの水素化を完了す
る。このようにして、TFTが完成する。そして、同時
に作製した多数のTFTをマトリクス状に配列せしめて
アクティブマトリクス型液晶表示装置として完成する。
このTFTは、ソース/ドレイン領域108/109と
チャネル形成領域114を有している。また115がN
Iの電気的接合部分となる。
【0083】本実施例の構成を採用した場合、活性層中
に存在するニッケルの濃度は、3×1018cm-3程度あ
るいはそれ以下の、1×1016atoms cm-3〜3×10
18atoms cm-3であると考えられる。
【0084】〔実施例5〕図3に本実施例の作製工程の
断面図を示す。まず、基板(コーニング7059)50
1上にスパッタリング法によって厚さ2000Åの酸化
珪素の下地膜502を形成する。基板は、下地膜の成膜
の前もしくは後に、歪み温度よりも高い温度でアニール
をおこなった後、0.1〜1.0℃/分で歪み温度以下
まで徐冷すると、その後の温度上昇を伴う工程(本発明
の熱酸化工程およびその後の熱アニール工程を含む)で
の基板の収縮が少なく、マスク合わせが容易となる。コ
ーニング7059基板では、620〜660℃で1〜4
時間アニールした後、0.03〜1.0℃/分、好まし
くは、0.1〜0.3℃/分で徐冷し、400〜500
℃まで温度が低下した段階で取り出すとよい。
【0085】次に、実施例1で示した方法により非晶質
珪素膜の結晶化を行なった。即ち、下地の酸化珪素膜5
02上にニッケルを含んだ溶液を塗布し、非晶質珪素膜
502の表面にニッケルを吸着させる。
【0086】次に、プラズマCVD法によって、厚さ5
00〜1500Å、例えば1000Åの真性(I型)の
非晶質珪素膜を成膜する。そして窒素雰囲気(大気
圧)、600℃、48時間アニールして結晶化させ、珪
素膜を10〜1000μm角の大きさにパターニングし
て、島状の珪素膜(TFTの活性層)503を形成す
る。(図3(A))
【0087】その後、70〜90%の水蒸気を含む1気
圧、500〜750℃、代表的には600℃の酸素雰囲
気を水素/酸素=1.5〜1.9の比率でパイロジェニ
ック反応法を用いて形成する。かかる雰囲気中におい
て、3〜5時間放置することによって、珪素膜表面を酸
化させ、厚さ500〜1500Å、例えば1000Åの
酸化珪素膜504を形成する。注目すべきは、かかる酸
化により、初期の珪素膜は、その表面が50Å以上減少
し、結果として、珪素膜の最表面部分の汚染が、珪素−
酸化珪素界面には及ばないようになることである。すな
わち、清浄な珪素−酸化珪素界面が得られることであ
る。酸化珪素膜の厚さは酸化される珪素膜の2倍である
ので、1000Åの厚さの珪素膜を酸化して、厚さ10
00Åの酸化珪素膜を得た場合には、残った珪素膜の厚
さは500Åということになる。
【0088】一般に酸化珪素膜(ゲイト絶縁膜)と活性
層は薄ければ薄いほど移動度の向上、オフ電流の減少と
いう良好な特性が得られる。一方、初期の非晶質珪素膜
の結晶化はその膜厚が大きいほど結晶化させやすい。し
たがって、従来は、活性層の厚さに関して、特性とプロ
セスの面で矛盾が存在していた。本発明はこの矛盾を初
めて解決したものであり、すなわち、結晶化前には非晶
質珪素膜を厚く形成し、良好な結晶性珪素膜を得る。そ
して、次にはこの珪素膜を酸化することによって珪素膜
を薄くし、TFTとしての特性を向上させるものであ
る。さらに、この熱酸化においては、再結合中心の存在
しやすい非晶質成分、結晶粒界が酸化されやすく、結果
的に活性層中の再結合中心を減少させるという特徴も有
する。このため製品の歩留りが高まる。
【0089】熱酸化によって酸化珪素膜504を形成し
たのち、基板を一酸化二窒素雰囲気(1気圧、100
%)、600℃で2時間アニールする。(図3(B))
引き続いて、減圧CVD法によって、厚さ3000〜8
000Å、例えば6000Åの多結晶珪素(0.01〜
0.2%の燐を含む)を成膜する。そして、珪素膜をパ
ターニングして、ゲイト電極505を形成する。さら
に、この珪素膜をマスクとして自己整合的に、イオンド
ーピング法(プラズマドーピング法とも言う)によっ
て、活性層領域(ソース/ドレイン、チャネルを構成す
る)にN導電型を付与する不純物(ここでは燐)を添加
する。ドーピングガスとして、フォスフィン(PH3
を用い、加速電圧を60〜90kV、例えば80kVと
する。ドーズ量は1×1015〜8×1015cm-2、例え
ば、5×1015cm-2とする。この結果、N型の不純物
領域506と507が形成される。
【0090】その後、レーザー光の照射によってアニー
ル行う。レーザー光としては、KrFエキシマレーザー
(波長248nm、パルス幅20nsec)を用いた
が、他のレーザーであってもよい。レーザー光の照射条
件は、エネルギー密度が200〜400mJ/cm2
例えば250mJ/cm2 とし、一か所につき2〜10
ショット、例えば2ショット照射する。このレーザー光
の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱すること
によって、効果を増大せしめてもよい。(図3(C))
【0091】また、この工程は、近赤外光によるランプ
アニールによる方法でもよい。近赤外線は非晶質珪素よ
りも結晶化した珪素へは吸収されやすく、1000℃以
上の熱アニールにも匹敵する効果的なアニールを行うこ
とができる。その反面、ガラス基板(遠赤外光はガラス
基板に吸収されるが、可視・近赤外光(波長0.5〜4
μm)は吸収されにくい)へは吸収されにくいので、ガ
ラス基板を高温に加熱することがなく、また短時間の処
理ですむので、ガラス基板の縮みが問題となる工程にお
いては最適な方法であるといえる。
【0092】続いて、厚さ6000Åの酸化珪素膜50
8を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成す
る。この層間絶縁物としてはポリイミドを利用してもよ
い。さらにコンタクトホールを形成して、金属材料、例
えば、窒化チタンとアルミニウムの多層膜によってTF
Tの電極・配線509、510を形成する。最後に、1
気圧の水素雰囲気で350℃、30分のアニールを行
い、TFTを完成する。(図3(D))
【0093】上記に示す方法で得られたTFTの移動度
は110〜150cm2 /Vs、S値は0.2〜0.5
V/桁であった。また、同様な方法によってソース/ド
レインにホウ素をドーピングしたPチャネル型TFTも
作製したところ、移動度は90〜120cm2 /Vs、
S値は0.4〜0.6V/桁であり、公知のPVD法や
CVD法によってゲイト絶縁膜を形成した場合に比較し
て、移動度は2割以上高く、S値は20%以上も減少し
た。また、信頼性の面からも、本実施例で作製されたT
FTは1000℃の高温熱酸化によって作製されたTF
Tにひけをとらない良好な結果を示した。
【0094】
【効果】触媒元素を導入して低温で短時間で結晶化させ
た結晶性珪素膜を用いて、半導体装置を作製すること
で、生産性が高く、特性のよいデバイスを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の作製工程を示す
【図2】 実施例の作製工程を示す。
【図3】 実施例の作製工程を示す。
【符号の説明】
11・・・・ガラス基板 12・・・・酸化珪素膜 13・・・・ニッケルを含有した酢酸溶液膜 14・・・・珪素膜 104・・・活性層 105・・・酸化珪素膜 106・・・ゲイト電極 109・・・酸化物層 108・・・ソース/ドレイン領域 109・・・ドレイン/ソース領域 110・・・層間絶縁膜(酸化珪素膜) 111・・・画素電極(ITO) 112・・・電極 113・・・電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/336 31/10 (72)発明者 山口 直明 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 鈴木 敦則 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性を有する珪素膜を利用して活性領
    域が絶縁表面を有する基板上に構成された半導体装置で
    あって、 前記活性領域は、非晶質珪素膜の下面に接して該珪素膜
    の結晶化を助長する触媒元素を溶媒に解かして保持さ
    せ、加熱処理を施すことにより形成されたものであるこ
    とを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 触媒元素として、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、A
    u、In、Sn、Pd、P、As、Sbから選ばれた一
    種または複数種類の元素が用いられたことを特徴とする
    半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 触媒元素として、VIII族、IIIb族、IVb族、Vb族元素か
    ら選ばれた一種または複数種類の元素が用いられたこと
    を特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 活性領域に形成された半導体装置は、薄膜トランジスタ
    またはダイオードまたは光センサーであることを特徴と
    する半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記活性層領域中における触媒元素の濃度が、1×10
    16atoms cm-3〜1×1019atoms cm-3であることを
    特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 活性領域はPI、PN、NIで示される接合を少なくと
    も一つ有することを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 非晶質珪素膜の下面に接して該非晶質珪
    素膜の結晶化を助長する触媒元素単体または前記触媒元
    素を含む化合物を保持させ、前記非晶質珪素膜に前記触
    媒元素単体または前記触媒元素を含む化合物が接した状
    態において、加熱処理を施し、前記非晶質珪素膜を結晶
    化させることを特徴とする半導体装置作製方法。
  8. 【請求項8】 絶縁表面を有する基板表面に非晶質珪素
    膜の結晶化を助長する触媒元素単体を溶解あるいは分散
    させた溶液を塗布する工程と、 前記基板上の非晶質珪素膜を形成する工程と、 前記非晶質珪素膜を加熱処理することにより結晶化させ
    る工程と、 を有する半導体装置作製方法。
  9. 【請求項9】請求項7または請求項8において、 触媒元素として、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、A
    u、In、Sn、Pd、Sn、Pd、P、As、Sbか
    ら選ばれた一種または複数種類の元素が用いられること
    を特徴とする半導体装置作製方法。
  10. 【請求項10】請求項7または請求項8において、 触媒元素として、VIII族、IIIb族、IVb族、Vb族元素か
    ら選ばれた一種または複数種類の元素が用いられること
    を特徴とする半導体装置作製方法。
  11. 【請求項11】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜
    の結晶化を助長する触媒元素を含む化合物を極性溶媒に
    溶解あるいは分散させた溶液を塗布する工程と、 前記基板上に非晶質珪素膜を形成する工程と、 前記非晶質珪素膜を加熱処理することにより結晶化させ
    る工程と、 を有する半導体装置作製方法。
  12. 【請求項12】請求項11において、極性溶媒として、
    水、アルコール、酸、アンモニア水から選ばれた1つま
    たは複数が用いられることを特徴とする半導体装置作製
    方法。
  13. 【請求項13】請求項11において、触媒元素としてニ
    ッケルを用い、該ニッケルはニッケル化合物として用い
    られることを特徴とする半導体装置作製方法。
  14. 【請求項14】請求項13において、ニッケル化合物と
    して、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、蓚酸ニッケル、炭
    酸ニッケル、塩化ニッケル、沃化ニッケル、硝酸ニッケ
    ル、硫酸ニッケル、蟻酸ニッケル、ニッケルアセチルア
    セトネ−ト、4−シクロヘキシル酪酸ニッケル、酸化ニ
    ッケル、水酸化ニッケルから選ばれた少なくとも1種類
    が用いられることを特徴とする半導体装置作製方法。
  15. 【請求項15】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜
    の結晶化を助長する触媒元素を含む化合物を無極性溶媒
    に溶解あるいは分散させた溶液を塗布する工程と、 前記基板上に非晶質珪素膜を形成する工程と、 前記非晶質珪素膜を加熱処理することにより結晶化させ
    る工程と、 を有する半導体装置作製方法。
  16. 【請求項16】請求項15において、無極性溶媒とし
    て、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロ
    ロホルム、エ−テルから選ばれた少なくとも一つが用い
    られることを特徴とする半導体装置作製方法。
  17. 【請求項17】請求項15において、触媒元素としてニ
    ッケルを用い、該ニッケルはニッケル化合物として用い
    られることを特徴とする半導体装置作製方法。
  18. 【請求項18】請求項17において、ニッケル化合物と
    してニッケルアセチルアセトネ−ト、4−シクロヘキシ
    ル酪酸ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、2−
    エチルヘキサン酸ニッケルから選ばれた少なくとも1種
    類が用いられることを特徴とする半導体装置作製方法。
  19. 【請求項19】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜
    の結晶化を助長する触媒元素単体を溶解あるいは分散さ
    せた溶液に界面活性剤を混合し塗布する工程と、 前記基板上に非晶質珪素膜を形成する工程と、 前記非晶質珪素膜を加熱処理することにより結晶化させ
    る工程と、 を有する半導体装置作製方法。
  20. 【請求項20】非晶質珪素膜の下面に接して該非晶質珪
    素膜の結晶化を助長する触媒元素を含む溶液と保持さ
    せ、前記非晶質珪素膜に前記触媒元素が接した状態にお
    いて、加熱処理を施し、前記非晶質珪素膜を結晶化させ
    ることを特徴とする半導体装置作製方法。
  21. 【請求項21】請求項20において、触媒元素を含む溶
    液として、臭化第1鉄(FeBr2 6H2 O)、臭化第
    2鉄(FeBr3 6H2 O)、酢酸第2鉄(Fe(C2
    32)3xH2 O)、塩化第1鉄(FeCl2 4H2
    O)、塩化第2鉄(FeCl3 6H2 O)、フッ化第2
    鉄(FeF3 3H2 O)、硝酸第2鉄(Fe(NO3)3
    9H2 O)、リン酸第1鉄(Fe3 (PO4)2 8H2
    O)、リン酸第2鉄(FePO4 2H2 O)から選ばれ
    たものを用いることを特徴とする半導体装置作製方法。
  22. 【請求項22】請求項20において、触媒元素を含む溶
    液として、臭化コバルト(CoBr6H2 O)、酢酸コ
    バルト(Co(C232)2 4H2 O)、塩化コバル
    ト(CoCl2 6H2 O)、フッ化コバルト(CoF2
    xH2 O)、硝酸コバルト(Co(No3)2 6H2 O)
    から選ばれたものを用いることを特徴とする半導体装置
    作製方法。
  23. 【請求項23】請求項20において、触媒元素を含む溶
    液として、塩化ルテニウム(RuCl32 O)を用い
    ることを特徴とする半導体装置作製方法。
  24. 【請求項24】請求項20において、触媒元素を含む溶
    液として、塩化ロジウム(RhCl3 3H2 O)を用い
    ることを特徴とする半導体装置作製方法。
  25. 【請求項25】請求項20において、触媒元素を含む溶
    液として、塩化パラジウム(PdCl2 2H2 O)を用
    いることを特徴とする半導体装置作製方法。
  26. 【請求項26】請求項20において、触媒元素を含む溶
    液として、塩化オスニウム(OsCl3 )を用いること
    を特徴とする半導体装置作製方法。
  27. 【請求項27】請求項20において、触媒元素を含む溶
    液として、三塩化イリジウム(IrCl3 3H2 O)ま
    たは四塩化イリジウム(IrCl4 )を用いることを特
    徴とする半導体装置作製方法。
  28. 【請求項28】請求項20において、触媒元素を含む溶
    液として、塩化第二白金(PtCl4 5H2 O)を用い
    ることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  29. 【請求項29】請求項20において、触媒元素を含む溶
    液として、酢酸第二銅(Cu(CH3 COO)2 )、塩
    化第二銅(CuCl2 2H2 O)、硝酸第二銅(Cu
    (NO3)2 3H2 O)から選ばれた材料を用いることを
    特徴とする半導体装置作製方法。
  30. 【請求項30】請求項20において、触媒元素を含む溶
    液として、三塩化金(AuCl3 xH2 O)、塩化金塩
    (AuHCl4 4H2 O)、テトラクロロ金ナトリウム
    (AuNaCl4 2H2 O)から選ばれた材料を用いる
    ことを特徴とする半導体装置作製方法。
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