JPH07207366A - AlまたはAl合金の製造方法 - Google Patents
AlまたはAl合金の製造方法Info
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- JPH07207366A JPH07207366A JP327094A JP327094A JPH07207366A JP H07207366 A JPH07207366 A JP H07207366A JP 327094 A JP327094 A JP 327094A JP 327094 A JP327094 A JP 327094A JP H07207366 A JPH07207366 A JP H07207366A
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- Japan
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- alloy
- oxide
- oxygen
- mgo
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 AlまたはAl合金溶湯中からPを除去し得
る方法を提供し、高純度なAlまたはAl合金を製造す
る。 【構成】 不純物としてPを含むAlまたはAl合金溶
湯中に、MgOと共に酸素を添加し、不純物Pの酸化物
および/またはPとMgとの複合酸化物を形成させてこ
れを分離する工程を含むAlまたはAl合金の製造方
法。
る方法を提供し、高純度なAlまたはAl合金を製造す
る。 【構成】 不純物としてPを含むAlまたはAl合金溶
湯中に、MgOと共に酸素を添加し、不純物Pの酸化物
および/またはPとMgとの複合酸化物を形成させてこ
れを分離する工程を含むAlまたはAl合金の製造方
法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、AlまたはAl合金を
製造する方法に関し、詳細にはAlまたはAl合金溶湯
から不純物であるPを除去する方法に関するものであ
る。
製造する方法に関し、詳細にはAlまたはAl合金溶湯
から不純物であるPを除去する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】AlまたはAl合金は、軽量性、加工
性、表面美麗性等の特徴を有することから種々の用途に
利用されている。しかし、不純物元素の混入によって、
共晶化合物が粗大化する等の不都合が生じ、強度、靭
性、表面処理性等が著しく劣るという問題がある。近
年、省資源・省エネルギーの観点から、AlまたはAl
合金製品のリサイクルが必要とされているが、不純物元
素を極力低減しなければリサイクルによって得られるA
lまたはAl合金が使用に耐えないものとなってしま
う。
性、表面美麗性等の特徴を有することから種々の用途に
利用されている。しかし、不純物元素の混入によって、
共晶化合物が粗大化する等の不都合が生じ、強度、靭
性、表面処理性等が著しく劣るという問題がある。近
年、省資源・省エネルギーの観点から、AlまたはAl
合金製品のリサイクルが必要とされているが、不純物元
素を極力低減しなければリサイクルによって得られるA
lまたはAl合金が使用に耐えないものとなってしま
う。
【0003】不純物のなかでもPについては、これまで
あまり効果的な除去方法が開示されておらず、特開平4
−276031号に、750℃以下の溶湯を濾過するこ
とによるP除去方法が開示されている程度である。しか
し、この方法はPをAlPとして除去しているため、メ
タルロスが起こる。従って、AlまたはAl合金中のP
不純物を、安価でかつ生産性良好に除去し得る方法はま
だ得られていないのが現状である。
あまり効果的な除去方法が開示されておらず、特開平4
−276031号に、750℃以下の溶湯を濾過するこ
とによるP除去方法が開示されている程度である。しか
し、この方法はPをAlPとして除去しているため、メ
タルロスが起こる。従って、AlまたはAl合金中のP
不純物を、安価でかつ生産性良好に除去し得る方法はま
だ得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題を解決し、AlまたはAl合金溶湯中からP不
純物を安価でしかも生産性良好に除去し得る方法を提供
し、高純度なAlまたはAl合金を製造することを目的
とする。
術の問題を解決し、AlまたはAl合金溶湯中からP不
純物を安価でしかも生産性良好に除去し得る方法を提供
し、高純度なAlまたはAl合金を製造することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のAlまたはAl
合金の製造方法は、不純物としてPを含むAlまたはA
l合金溶湯中に、MgOと共に酸素を添加し、Pの酸化
物および/またはPとMgとの複合酸化物を形成させて
これを分離する工程を含むところに要旨を有する。Mg
Oと酸素は、不活性ガス中に混入させてノズルから溶湯
中へ吹き込むことが好ましい実施態様である。複合酸化
物を耐火性フィルターを介して除去する方法も好ましく
採用できる。
合金の製造方法は、不純物としてPを含むAlまたはA
l合金溶湯中に、MgOと共に酸素を添加し、Pの酸化
物および/またはPとMgとの複合酸化物を形成させて
これを分離する工程を含むところに要旨を有する。Mg
Oと酸素は、不活性ガス中に混入させてノズルから溶湯
中へ吹き込むことが好ましい実施態様である。複合酸化
物を耐火性フィルターを介して除去する方法も好ましく
採用できる。
【0006】
【作用】AlまたはAl合金は極めて酸化し易く、かつ
その酸化傾向はP酸化物より大きい。従って、Alまた
はAl合金溶湯から通常の酸化法によるP酸化物除去は
不可能であることが知られている。しかし、本発明者ら
が鋭意検討した結果、P 2 O5 、(MgO)3 P2 O5
は、メタルロスを起こすことなくAlまたはAl合金溶
湯中に晶析もしくは半溶融状態で存在し、ろ過によって
分離除去し得ることを見出し本発明に到達した。これ
は、(MgO)3 P2 O5 が、Alの酸化物であるAl
2 O3 よりも生成自由エネルギーが低く安定に溶湯中で
存在し得ることと、P2 O5 はAlと同程度以上に活性
が高いため溶湯中に酸化物として存在し得るためである
と考えられる。このことから本発明では、AlまたはA
l合金溶湯中にMgと酸素源を存在させ、Pとの酸化物
および複合酸化物を形成させてこれを除去することとし
たのである。
その酸化傾向はP酸化物より大きい。従って、Alまた
はAl合金溶湯から通常の酸化法によるP酸化物除去は
不可能であることが知られている。しかし、本発明者ら
が鋭意検討した結果、P 2 O5 、(MgO)3 P2 O5
は、メタルロスを起こすことなくAlまたはAl合金溶
湯中に晶析もしくは半溶融状態で存在し、ろ過によって
分離除去し得ることを見出し本発明に到達した。これ
は、(MgO)3 P2 O5 が、Alの酸化物であるAl
2 O3 よりも生成自由エネルギーが低く安定に溶湯中で
存在し得ることと、P2 O5 はAlと同程度以上に活性
が高いため溶湯中に酸化物として存在し得るためである
と考えられる。このことから本発明では、AlまたはA
l合金溶湯中にMgと酸素源を存在させ、Pとの酸化物
および複合酸化物を形成させてこれを除去することとし
たのである。
【0007】本発明では、AlまたはAl合金溶湯中に
MgOおよび酸素を添加するが、酸素を過剰に存在させ
ると溶湯酸化が激しくなってメタルロスが起きるため、
メタルロスが5%以内に納まる様に、キャリヤガス中の
酸素濃度は100ppmを上限とすることが好ましい。
MgOの添加量は、溶湯中に混入している不純物Pの量
および吹込み酸素量に応じて適宜増減させることが好ま
しい。すなわち、MgO3モルに対してPが2モル反応
するので、溶湯中のPの全てをMgとの複合酸化物にす
る場合は、Pを1とした時の重量比で、MgOは1.9
5となるが、実際にはP2 O5 のままで除去されるPも
あるため酸素量に応じて適宜変更させるとよい。MgO
と酸素は、窒素、アルゴン、ネオン、He等の不活性ガ
ス中に混入させて溶湯内に吹き込むことが好ましく推奨
される。
MgOおよび酸素を添加するが、酸素を過剰に存在させ
ると溶湯酸化が激しくなってメタルロスが起きるため、
メタルロスが5%以内に納まる様に、キャリヤガス中の
酸素濃度は100ppmを上限とすることが好ましい。
MgOの添加量は、溶湯中に混入している不純物Pの量
および吹込み酸素量に応じて適宜増減させることが好ま
しい。すなわち、MgO3モルに対してPが2モル反応
するので、溶湯中のPの全てをMgとの複合酸化物にす
る場合は、Pを1とした時の重量比で、MgOは1.9
5となるが、実際にはP2 O5 のままで除去されるPも
あるため酸素量に応じて適宜変更させるとよい。MgO
と酸素は、窒素、アルゴン、ネオン、He等の不活性ガ
ス中に混入させて溶湯内に吹き込むことが好ましく推奨
される。
【0008】本発明では、AlまたはAl合金溶湯中か
ら、Pの酸化物および/または複合酸化物を分離するこ
とによって、不純物Pの除去が達成できる。除去方法は
特に限定されない。「溶湯鎮静」として溶湯を静置して
複合酸化物を沈降もしくは浮上させた後、耐火性の多孔
体フィルターで溶湯濾過する等の方法で除去することが
好ましい。また酸化物は溶湯中に浮遊しているものも多
いため、窒素、アルゴン、He、ネオン等の不活性ガス
を微細な気泡状に溶湯中に吹込み、気泡の浮上と共に複
合酸化物を浮上させて除滓する等の分離方法も好ましく
採用できる。この場合は脱水素も同時に達成することが
できる。
ら、Pの酸化物および/または複合酸化物を分離するこ
とによって、不純物Pの除去が達成できる。除去方法は
特に限定されない。「溶湯鎮静」として溶湯を静置して
複合酸化物を沈降もしくは浮上させた後、耐火性の多孔
体フィルターで溶湯濾過する等の方法で除去することが
好ましい。また酸化物は溶湯中に浮遊しているものも多
いため、窒素、アルゴン、He、ネオン等の不活性ガス
を微細な気泡状に溶湯中に吹込み、気泡の浮上と共に複
合酸化物を浮上させて除滓する等の分離方法も好ましく
採用できる。この場合は脱水素も同時に達成することが
できる。
【0009】本発明におけるAlまたはAl合金の溶解
温度としては、通常の700〜900℃でよく、酸化物
を形成させて濾過した後は、公知の方法で精錬を行うこ
とによって、高純度なAlまたはAl合金を製造するこ
とができる。
温度としては、通常の700〜900℃でよく、酸化物
を形成させて濾過した後は、公知の方法で精錬を行うこ
とによって、高純度なAlまたはAl合金を製造するこ
とができる。
【0010】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
【0011】原料として、P100ppmを含むJIS
の1100の純Al系スクラップを用いた。溶解温度は
750℃、溶解炉は10トンの反射型溶解炉(LNG炊
き)を用い、大気溶解とした。窒素ガスに表1に示した
濃度の酸素とMgO(20ppmに統一)を混入させて
溶湯中に20分間20Nリットル/分で吹き込んだ。溶
湯中のP濃度とAlロス分を表1に示した。
の1100の純Al系スクラップを用いた。溶解温度は
750℃、溶解炉は10トンの反射型溶解炉(LNG炊
き)を用い、大気溶解とした。窒素ガスに表1に示した
濃度の酸素とMgO(20ppmに統一)を混入させて
溶湯中に20分間20Nリットル/分で吹き込んだ。溶
湯中のP濃度とAlロス分を表1に示した。
【0012】
【表1】
【0013】酸素濃度が20〜100ppmのときに、
Alロス率を低く抑えながらPの除去ができることがわ
かる。
Alロス率を低く抑えながらPの除去ができることがわ
かる。
【0014】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、A
lまたはAl合金中の不純物Pを安価にかつ効率よく除
去することができ、高純度なAl、Al合金を製造する
ことができた。
lまたはAl合金中の不純物Pを安価にかつ効率よく除
去することができ、高純度なAl、Al合金を製造する
ことができた。
Claims (3)
- 【請求項1】 不純物としてPを含むAlまたはAl合
金溶湯中に、MgOと共に酸素を添加し、不純物Pの酸
化物および/またはPとMgとの複合酸化物を形成させ
てこれを分離する工程を含むことを特徴とするAlまた
はAl合金の製造方法。 - 【請求項2】 前記MgOおよび酸素の添加方法が、不
活性ガス中に酸素とMgOを混入してノズルから吹き込
むものである請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 AlまたはAl合金溶湯中の前記酸化物
および/または複合酸化物を、耐火性フィルターを介し
て分離除去するものである請求項1または2に記載の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP327094A JPH07207366A (ja) | 1994-01-17 | 1994-01-17 | AlまたはAl合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP327094A JPH07207366A (ja) | 1994-01-17 | 1994-01-17 | AlまたはAl合金の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07207366A true JPH07207366A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11552766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP327094A Withdrawn JPH07207366A (ja) | 1994-01-17 | 1994-01-17 | AlまたはAl合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07207366A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1167557A1 (en) * | 2000-06-22 | 2002-01-02 | Kabushiki Kaisha Daiki Aluminium Kogyosho | Method of eliminating phosphorus and/or antimony from molten aluminum |
JP2012197510A (ja) * | 2011-03-04 | 2012-10-18 | Kobe Steel Ltd | 溶湯酸化抑制アルミニウム−マグネシウム合金 |
WO2014091936A1 (ja) | 2012-12-10 | 2014-06-19 | 昭和電工株式会社 | ケイ素含有アルミニウム合金鋳塊の製造方法 |
WO2014091939A1 (ja) | 2012-12-10 | 2014-06-19 | 昭和電工株式会社 | ケイ素含有アルミニウム合金鋳塊の製造方法 |
-
1994
- 1994-01-17 JP JP327094A patent/JPH07207366A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1167557A1 (en) * | 2000-06-22 | 2002-01-02 | Kabushiki Kaisha Daiki Aluminium Kogyosho | Method of eliminating phosphorus and/or antimony from molten aluminum |
JP2012197510A (ja) * | 2011-03-04 | 2012-10-18 | Kobe Steel Ltd | 溶湯酸化抑制アルミニウム−マグネシウム合金 |
WO2014091936A1 (ja) | 2012-12-10 | 2014-06-19 | 昭和電工株式会社 | ケイ素含有アルミニウム合金鋳塊の製造方法 |
WO2014091939A1 (ja) | 2012-12-10 | 2014-06-19 | 昭和電工株式会社 | ケイ素含有アルミニウム合金鋳塊の製造方法 |
CN104838023A (zh) * | 2012-12-10 | 2015-08-12 | 昭和电工株式会社 | 含硅的铝合金铸块的制造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010403 |