JPH07201681A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ

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JPH07201681A
JPH07201681A JP5338384A JP33838493A JPH07201681A JP H07201681 A JPH07201681 A JP H07201681A JP 5338384 A JP5338384 A JP 5338384A JP 33838493 A JP33838493 A JP 33838493A JP H07201681 A JPH07201681 A JP H07201681A
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JP
Japan
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polarizable electrode
double layer
electric double
layer capacitor
polarizable
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JP5338384A
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Shinichi Fukada
晋一 深田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓄電容量を大幅に改善すると共に内部抵抗も
小さくし高速充放電に対応可能であり、しかも経時的な
蓄電容量の減少を抑制し、二次電池に代替可能な電気二
重層キャパシタを提供すること。 【構成】 多孔質絶縁性基板1,2上に分極性電極3,4を固
定し、その上に集電体5,6が順に重なった電極構造とす
る。分極性電極が、その周囲を全て集電体及び基板に覆
われた構造とする。 【効果】 分極性電極を固体基板上に形成し、分極性電
極の支えとする。それにより活性炭素繊維の付賦量を最
適化でき、又従来以上に厚い分極性電極が形成可能とな
り蓄電容量を大幅に向上できる。基板表面を加工して凹
凸を設けることができ、この凹凸により電解質イオンの
移動を促し充放電を高速化できる。分極性電極を基板の
片面のみに形成することによりキャパシタの製造を容易
にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二次電池代替用の電気
二重層キャパシタ、特に容量密度が高く、容量の経時的
減少の小さい電気二重層キャパシタ及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気二重層キャパシタとしては、
炭素No.132 pp 57-71(1988)に記載のように、樹脂系繊
維を炭化賦活して形成した活性炭素繊維、もしくはこの
活性炭素繊維を繊維状物質と混合、抄造して形成した活
性炭紙を分極性電極に用い、この分極性電極の背面にア
ルミニウム等の導電性材料よりなる集電体を形成し、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等の合成繊維不織布もしく
はガラス繊維布等より成るセパレータで正負の分極性電
極を隔て電解液中に浸し形成したものが知られている。
【0003】また、分極性電極及び集電体の構造につい
ては、特開昭61-214419号公報に記載のように活性炭素
繊維布に孔をあけ、孔内に導電層を形成したもの、特開
平3-203215号公報に記載のようにセパレータ表面を粗面
化したもの、特開昭63-265414号公報に記載のようにセ
パレータが部分的に電子伝導性を有する構造であるも
の、特開昭61-203618号公報もしくは特開平2-78213号公
報に記載のように分極性電極が導電性金属層で覆われた
ものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記炭素No.
132 pp 57-71(1988)に記載のものでは、以下の問題が残
されている。(1)分極性電極に活性炭紙を用いる場合
に機械的強度を持たせるためセルロ−ス等の繊維状物質
を加える必要があり、そのため分極性電極中の活性炭素
繊維量を減らしてしまい容量密度が上がらない。(2)
活性炭素繊維の表面積を大きくするために繊維を細くし
すぎたり付活時間を長くしすぎると繊維の機械的強度が
落ち、その後の製造工程で問題となるため、分極性電極
の集電特性の向上に限界がある。(3)セパレータであ
るガラス繊維等の不織布の空隙より小さい活性炭素繊維
片は、充蓄電中に起こる電気泳動現象により集電体から
離れていくことを抑えきれず、そのため使用を繰り返す
につれ蓄電容量が減少することが避けられない。
【0005】また、上記従来の分極性電極及び集電体の
構造については以下の問題点が残されている。(1)従
来法では分極性電極に孔をあけ集電体との接触面積増加
を図っても、電極自体が薄い紙状であるため孔側面によ
る電極面積の増加が少なく、孔が打ち抜き孔になること
による電極面積の減少と相殺して、接触面積を増す上で
十分な効果を得ることができない。(2)セパレータが
合成繊維不織布もしくはガラス繊維布等で形成されるた
め、その表面にそれ程大きな凹凸を設けることができ
ず、電気二重層キャパシタの性能向上には十分でない。
(3)従来技術でセパレータに部分的に電子伝導性を具
有させるためにはセパレータを導電層と絶縁層の積層構
造にする必要があり、セパレータ全体の厚さが大きくな
ってしまい、目的とするセパレータの低抵抗化には十分
な効果を生むことができない。(4)従来技術で分極性
電極を導電性金属層で覆われたものとするためにはこの
導電性金属層が多孔質でなければならず、その形成法が
非常に制約される。さもなければ、分極性電極に対する
導電性金属被覆は完全なものではなく、どこかにセパレ
ータにも導電性金属層にも覆われない分極性電極表面が
現われる。
【0006】本発明の目的は、分極性電極を殆ど活性炭
もしくは活性炭素繊維紙のみで形成可能であり、かつ使
用する活性炭素繊維に機械的強度を要求しない電気二重
層キャパシタ及び製造方法を提供することを目的とす
る。セパレータの空隙より小さい活性炭素繊維片が充蓄
電中に電気泳動現象により集電体から離れていくことを
抑制できる電気二重層キャパシタ及び製造方法を提供す
ることも目的とする。
【0007】更に本発明は、従来に比べ蓄電容量を大幅
に改善するとともに内部抵抗も小さくし高速充放電に対
応可能であり、しかも経時的な蓄電容量の減少を抑制
し、二次電池にも代替可能な電気二重層キャパシタの構
造及び製造方法を提供することを目的とする。また、こ
の目的に好適な分極性電極及び集電体の構造を提供する
ことも目的の一つとする。製造の容易な電気二重層キャ
パシタの構造を提供することも目的とする。また、キャ
パシタの内部抵抗を調整可能とし、充放電及び蓄電時に
それぞれ好適な内部抵抗値を設定可能な電気二重層キャ
パシタの構造を提供することも目的の一つとする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、正負の電荷を蓄積する一対の分極性電極と、
この一対の分極性電極を区切ると共に電解質の正負両分
極性電極間の移動を可能ならしめ且つ該分極性電極が固
定される絶縁性基板より成るセパレータと、導電性材料
よりなり前記分極性電極に接触する集電体と、前記分極
性電極、セパレータ及び集電体が浸漬する電解液とを備
えた電気二重層キャパシタである。
【0009】また本願他の発明は、前記発明において、
分極性電極及び集電体がセパレータの片面にのみ形成さ
れ、2枚のセパレータが分極性電極膜及び集電体膜が形
成されていない面を接して対向し設置されることを特徴
とするものである。また本願他の発明は、前記発明にお
いて、両分極性電極は、その周囲をセパレータ及び部分
的にセパレータに密着した集電体に覆われたことを特徴
とするものである。また本願他の発明は、前記発明にお
いて、集電体は、その外周を保護絶縁膜に覆われたこと
を特徴とするものである。
【0010】また本願他の発明は、前記発明において、
セパレ−タの一部が電子伝導性を有することを特徴とす
るものである。また本願他の発明は、前記発明におい
て、両分極性電極とセパレータは凹凸面にて互いに接合
していることを特徴とするものである。また本願他の発
明は、前記発明において、両分極性電極と集電体は凹凸
面にて互いに接合していることを特徴とするものであ
る。また本願他の発明は、前記発明において、分極性電
極は炭素及び分極性電極膜形成時に混入する1重量%以
下の不純物より成ることを特徴とするものである。また
本願他の発明は、前記発明において、2枚のセパレ−タ
が孔径の異なる多孔質絶縁体であることを特徴とするも
のである。また本願他の発明は、前記発明において、対
向して設置される2枚のセパレ−タの間に空隙を有し、
その空隙に電解質を透過しない絶縁性膜を入出可能に設
けたことを特徴とするものである。また本願他の発明
は、前記発明において、電解液が電解質濃度の異なる互
いに相分離した2相の溶液よりなることを特徴とするも
のである。
【0011】また本願他の発明は、セパレータとなる絶
縁性の多孔質基板上に炭素又は有機化合物を含む膜を所
定の形状及び膜厚に形成した後、この膜を熱もしくはプ
ラズマ処理により炭化もしくは賦活処理して活性炭化す
ることにより分極性電極を形成する工程と、その分極性
電極の上に該分極性電極を覆う集電体を所定の形状に形
成する工程と、その集電体側の表面上に保護絶縁膜を形
成する工程と、正負の前記分極性電極を形成された前記
セパレータを電解液に浸漬する工程と、を含むことを特
徴とする電気二重層キャパシタの製造方法である。
【0012】また本願他の発明は、絶縁性の多孔質物質
より成るセパレータの一部に電子伝導性を付与する工程
と、このセパレータ上に炭素又は有機化合物を含む膜を
所定の形状及び膜厚に形成した後、この膜を熱もしくは
プラズマ処理により炭化もしくは賦活処理して活性炭化
することにより分極性電極を形成する工程と、その分極
性電極の上に該分極性電極を覆う集電体を所定の形状に
形成する工程と、その集電体側の表面上に保護絶縁膜を
形成する工程と、正負の前記分極性電極を形成された前
記セパレータを電解液に浸漬する工程と、を含むことを
特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法である。
【0013】すなわち上記目的は、電気二重層キャパシ
タの電極を一部が多孔質セパレ−タである絶縁性基板上
に分極性電極、集電体が順に重なった構造とすることに
より達せられる。この時、分極性電極を電極形成時に混
入する1重量%以下の不純物と炭素のみで形成すること
により、更に蓄電容量は大幅に改善される。
【0014】基板上に予め凹凸を設け、その上に分極性
電極を形成することにより、また分極性電極上に凹凸を
設け、その上に集電体を形成することによりキャパシタ
の内部抵抗を小さくすることができる。基板もしくは分
極性電極に凹凸を設ける場合には、孔径≦凹部深さの深
い凹凸でなければ十分な効果は発揮されない。このよう
な深い凹凸を形成するためには、分極性電極を十分な強
度を有する基板上に形成すること、あるいはセパレータ
が十分な強度を有することが必須であり、これらの条件
は本発明の電気二重層キャパシタの構造及び製造方法に
より達せられる。また、分極性電極が、その周囲を全て
集電体及び基板あるいは集電体、保護絶縁層及び基板に
覆われた構造とし、外部に電極表面を接しないことによ
り経時的な蓄電容量の減少が抑制される。
【0015】分極性電極及び集電体を基板の片面にのみ
形成し、2枚の基板の分極性電極膜及び集電体膜が形成
されていない面を接して対向させ設置する構造とするこ
とにより、本発明の電気二重層キャパシタは容易に製造
可能となる。また、2枚の基板間に入出可能な絶縁性膜
を導入し、この膜の入出によりキャパシタの内部抵抗を
制御することができる。相分離した2相の溶液を電解液
に用い、2相の界面に垂直に2枚の基板を設置し、相界
面を上下することでもやはりキャパシタの内部抵抗を制
御可能である。正負分極性電極を形成する2枚の基板で
多孔質セパレ−タの孔径を異なったものとすることによ
り、キャパシタの内部抵抗を小さくすることができ、高
速充放電に対応できる。
【0016】
【作用】本発明に従い、分極性電極をセパレ−タすなわ
ち多孔質絶縁物より成る基板上に形成する場合には従来
の活性炭紙を分極性電極に用いる場合と異なり、基板が
支えとなるため分極性電極自体に対する強度的な要求は
殆ど生まれない。分極性電極に機械的な強度が要求され
ないことから、活性炭素繊維の太さや賦活時間を集電特
性が最大となるよう選択可能となる。また、従来に比べ
厚い分極性電極を形成可能であり蓄電容量を向上でき
る。また従来と異なり機械的な強度を持たせるための補
強材も不要であり、活性炭素繊維あるいは活性炭繊維
と、有機バインダー材料が炭化され、形成される不定形
炭素のみで分極性電極を形成可能であり、蓄電容量を大
幅に向上できる。さらに分極性電極の周囲を集電体もし
くは集電体及び保護絶縁層で覆い基板上に固定した構造
とすることにより強度的に補強され、内側にある分極性
電極を構成する活性炭素繊維を密閉固定することができ
る。活性炭素繊維を密閉固定することにより、経時的な
蓄電容量変化も効果的に抑制できる。
【0017】ここで、電極の形成されるのが強度のない
フィルムや不織布の上でなく固体で変形しない絶縁性基
板上であることから、多孔質セパレータを含む基板表面
を加工して、孔径≦凹部深さの関係を満たす深い凹凸を
設けることができる。上に分極性電極が形成される多孔
質セパレータ部分の表面に凹凸があると、分極性電極の
奥まで電解質イオンが到達しやすくなり、充放電の高速
化に効果がある。また、分極性電極下面が基板に支えら
れ、上面が集電体及び保護絶縁層で覆われ固定されるた
め、電極表面を加工し、孔径≦凹部深さの関係を満たす
深い凹凸パターンを設けても、このパターンを破壊する
ことなくキャパシタの形成が可能である。分極性電極表
面に凹凸パターンを形成した場合にはその上の集電体と
セパレータの平均距離を小さくし、分極性電極に起因す
る内部抵抗を小さくし、やはり充放電の高速化に効果が
ある。
【0018】キャパシタ形成時には、分極性電極形成後
の基板は電解液に浸した際にその空孔部が電解液で充填
される必要があるが、基板の両面に分極性電極を形成す
ることは基板の露出面積を減らすことを意味し、空孔部
を電解液で充填する上で妨げとなる。そのため、分極性
電極を基板の片面のみに形成することがキャパシタの製
造を容易にする上で有効である。この場合には、正負の
分極性電極の間には2枚の基板が存在することになり、
キャパシタの内部抵抗を上げることになる。これを避け
るため、基板の一方の孔径を大きくし孔の内部まで分極
性電極を構成する活性炭素繊維等が入り込む構造とし、
正負両電極間の距離を実質的に狭め内部抵抗を小さくす
ることが有効である。また、基板の少なくとも一部に電
子伝導性を付与することによっても電極の抵抗を小さく
することができ、キャパシタの内部抵抗を小さくでき
る。基板に電子伝導性を付与する工程を導入することに
より、特開昭63-265414号公報のようにセパレータを多
層構造にしなくとも、セパレータに部分的に電子伝導性
を持たせることができる。
【0019】また、2枚の基板が存在することを利用
し、キャパシタの内部抵抗を制御することができる。2
枚の基板間に入出可能な絶縁性膜を導入し、この膜で電
解質イオンの移動を妨げ多孔質セパレ−タの有効面積を
変化させることによりキャパシタの内部抵抗を制御する
ものである。相分離した2相の溶液を電解液に用い、2
相の界面に垂直に2枚の基板を設置し、相界面を上下す
ることでも同様にキャパシタの内部抵抗を制御可能であ
る。この場合には電解液の2相で電解質の溶解度が異な
り、溶解度の大きな電解液が多孔質セパレ−タの広い面
積を覆うほどキャパシタの内部抵抗が小さくなる。内部
抵抗の小さな状態で充電し、蓄電時は内部抵抗の大きな
状態で保存し、放電時には内部抵抗を制御して所望の放
電特性を得ることができる。
【0020】以上のように本発明によれば、従来に比べ
蓄電容量を大幅に改善するとともに内部抵抗も小さくし
高速充放電に対応可能であり、しかも経時的な蓄電容量
の減少を抑制し、二次電池にも代替可能な電気二重層キ
ャパシタを得ることができる。
【0021】
【実施例】
実施例1 以下、本発明の実施例を図により説明する。図1は本発
明による電気二重層キャパシタの構成を示す概略図であ
る。2枚の多孔質セラミック基板1,2に活性炭素繊維
より成る正負分極性電極3,4、アルミニウムより成る
集電体5,6が形成され、それが密閉容器7中のイオン
性物質を溶解した有機溶媒より成る電解液8に浸されて
いる。多孔質セラミック基板1,2はそのまま使用する
ことも可能だが、通常はセパレ−タとして機能する領域
以外を絶縁膜13,14で覆った後基板として使用す
る。この基板上に正負分極性電極3,4を、セパレ−タ
領域を完全に覆うように形成する。9,10は保護絶縁
膜である。キャパシタの充放電は集電体5,6から取り
出した端子11,12よりおこなう。
【0022】図2は本発明の電気二重層キャパシタの製
造フロ−を示す図である。図2に従い本発明の電気二重
層キャパシタの作製法を説明する。予め、上に分極性電
極3の形成される領域以外を絶縁膜13で覆った孔径2
μm〜5μmの多孔質セラミック基板1上にバインダ−
材となる少量の可溶性繊維を含む繊維径10μmの活性
炭素繊維ゲルより成る分極性電極原材を、押し型を用い
形成する。分極性電極原材をセラミック基板ごと真空排
気しながら加熱し、分極性電極3を得る。分極性電極3
の厚さは2mmである。この方法により分極性電極形成
時にバインダ−材として添加する可溶性繊維も加熱炭化
させ、1重量%以下の不純物以外全て炭素とすることが
できる(a)。
【0023】真空を保ったままスパッタチャンバに搬送
し、セラミック基板上に集電体5となるアルミニウム膜
を100μmスパッタ法で形成する。アルミニウム膜の
形成は蒸着法によっても良い。アルミニウム膜をスパッ
タもしくは蒸着法で形成することにより、集電体5の低
抵抗化が図れるとともに、分極性電極3の奥までアルミ
ニウム粒子が到達し膜を形成するため、充放電特性を向
上できる。ここで、アルミニウム膜の形成時にはマスク
材15を用い、集電体5のパタ−ン形成も同時に達成す
る。集電体5は分極性電極3を側壁部分も含め完全に覆
うように形成される。膜厚が小さいとアルミニウム膜に
不連続部が発生するが集電体5の機能を損なうことはな
い。しかし、経時安定性の上から膜厚を大きくしアルミ
ニウム膜に不連続部を生じさせない方が好ましい
(b)。
【0024】集電体5を覆うようにポリイミドワニスを
塗布し、保護絶縁膜9とする。保護絶縁膜9の膜厚は1
mmである。この際、保護絶縁膜9の不要な領域は予め
カバ−テ−プ17で覆い、ポリイミドワニスがかからな
いようにしておく(c)。ポリイミドワニスを塗布した
後、カバ−テ−プ17を剥がし、集電体端部等の保護絶
縁膜9の不要な領域を露出させた後、350℃〜400
℃の温度で熱硬化処理する(d)。集電体端部よりリ−
ド線11を引き出し、分極性電極構造体18を完成する
(e)。
【0025】この分極性電極構造体18を一対電解液に
浸し、電極の形成されていない面を接して対向させ固定
する。電解液にはγ−ブチロラクトンとプロピレンカ−
ボネ−トの混合溶媒に1モル/lのテトラエチルアンモ
ニウムパ−クロレ−トを溶解したものを用いた。これを
正負のリ−ド線11,12のみで外部と電気的に接続さ
れる電解液8の入った密閉容器7中に封入し、図1に示
す電気二重層キャパシタを得た。本キャパシタ使用時に
振動が加わる場合には、内部の電解液8が振動するのを
防ぐために電解液8を高吸水性高分子に吸わせゲル化し
ておくと良い。
【0026】表1は、本発明より成る電気二重層キャパ
シタの電荷容量、内部抵抗、及び毎日充放電を繰返しな
がら、60℃で6ヶ月保存後の容量の初期容量との比
(容量維持率)を同量の活性炭素繊維を抄造してつくる
活性炭紙を用いる従来の電気二重層キャパシタと比較し
たものである。本発明により、従来法と同量の活性炭素
繊維を使用しながら20%以上の容量増加を達成でき
た。また、キャパシタ自体の大きさも従来より小さくな
っており、容量密度を大幅に向上させることができた。
容量維持率についても従来より保存後の容量の減少率は
小さく、特に分極性電極3,4を集電体5,6で覆った
構造で高い容量維持率を得ることができた。
【0027】
【表1】
【0028】本発明の構造では基板厚さの内部抵抗に及
ぼす影響が大きく、実効的な基板厚さを小さくすること
が重要である。正負いずれか一方の基板として孔径20
μm〜50μm、板厚0.5mmの多孔質セラミック基
板を用いた場合には活性炭素繊維ゲルが基板内部まで侵
入し、実質的に正負の分極性電極間距離を短くできる。
これは、基板の板厚を小さくしたことと同等であり、キ
ャパシタの内部抵抗を小さくでき充放電の高速化に効果
がある。
【0029】本発明の他の効果として、分極性電極構造
体18が再利用可能となる点を挙げることができる。長
期間の使用により自然放電が激しくなる等のキャパシタ
特性の劣化は、主に電解液の電気分解、活性炭微粒子の
流出等が原因である。この場合、電解液を交換すること
により、キャパシタ特性を使用開始時に近い値まで回復
することが可能である。本発明では活性炭素繊維の固定
が不十分で破損しやすい従来のキャパシタ構造と異なり
分極性電極構造体18が基板1及び絶縁膜9に覆われた
強固な構造である。そのためキャパシタ本体から分極性
電極構造体18を取り出し、電解液8を交換した後、再
度使用することが可能であり、部品の有効利用の点から
も効果が大きい。
【0030】実施例2 以下、本発明の別の実施例を図により説明する。図3は
本発明による電気二重層キャパシタの一部を示す概略図
である。前記実施例1では分極性電極に2mmの厚さが
あり、集電体側まで電解質イオンが拡散していきにくく
なっている。そのため本実施例では実施例1で使用した
基板19に深さ1mm、ピッチ1mmの凹凸21を列状
に設け、この上に分極性電極20を形成した。この場合
には分極性電極20の最深部と多孔性基板19の距離は
1.4mmまで縮めることができる。
【0031】また、本発明では更に厚い分極性電極20
も形成可能であり、実施例1(厚さ2mm)以上の厚さ
とすることもできる。ただしこの場合、分極性電極自体
の抵抗が大きくなり、そのためにキャパシタの内部抵抗
が上昇してしまい問題である。そのため分極性電極表面
に凹凸を設け、集電体−セパレ−タ間の平均距離を小さ
くすることが有効である。図4(a)には分極性電極2
2の厚さを5mmとし、その表面に深さ2mm、ピッチ
2mmの凹凸23を列状に設け、その上に集電体24、
保護絶縁膜25を順次形成したものの断面図を示す。図
4(b)に示すように、基板101上に絶縁体膜102
を厚く形成し、できた凹部23に分極性電極22を埋め
込む構造とすることも厚い分極性電極22を形成する上
で有効である。
【0032】表2は上記構造の電気二重層キャパシタの
電荷容量及び内部抵抗を、基板面積の等しい実施例1の
構造の電気二重層キャパシタ及び従来の電気二重層キャ
パシタと比較したものである。基板表面に凹凸を設ける
ことにより実施例1及び従来技術に比べ内部抵抗を小さ
くできた。また分極性電極表面に凹凸を設けることによ
り、基板面積を変えずに実施例1に比べ内部抵抗をそれ
ほど増加させることなく電気容量の大幅な増加を図るこ
とができた。
【0033】
【表2】
【0034】実施例3 以下、本発明の更に別の実施例を図5により説明する。
図5は本発明による電気二重層キャパシタの構成を示す
概略図である。2枚の多孔質セラミック基板31,32
に活性炭素繊維より成る正負分極性電極33,34、ア
ルミニウムより成る集電体35,36が形成され、それ
が密閉容器37中のイオン性物質を溶解した有機溶媒よ
り成る電解液38に浸されている。39,40は保護絶
縁膜である。キャパシタの充放電は集電体35,36か
ら取り出した端子41.42よりおこなう。多孔質セラ
ミック基板31,32は上に正負分極性電極3,4の形
成される領域以外を絶縁膜43,44で覆った後基板と
して使用する。実施例1とは2枚の多孔質セラミック基
板31,32のうちの一方の基板32が表面処理され電
子伝導性を有し、他の基板31も分極性電極33側の一
部分が電子伝導性を有する電子伝導性表面層55であ
り、電子伝導性のないセパレ−タ部が基板31の一部分
に限られる点が異なっている。
【0035】図6は本発明の電気二重層キャパシタの製
造フロ−を示す図である。図6に従い本発明の電気二重
層キャパシタの作製法を説明する。予め分極性電極の形
成される領域以外を絶縁膜50で覆った孔径20μm〜
50μm、板厚0.5mmの多孔質セラミック基板51
を無電解メッキ液52に浸し、孔内を含め表面に薄く金
メッキし、電子伝導性を付与する(a)。
【0036】予め分極性電極の形成される領域以外を絶
縁膜53で覆った孔径2μm〜5μm、板厚0.3mm
の多孔質セラミック基板54上にスパッタ法もしくは蒸
着法により、平坦な基板上に換算して100〜200n
mのアルミニウム膜を形成する。この処理により多孔性
を失うことなく基板表面から50μm程度の深さの部分
まで電子伝導性を付与することができ、すなわち前記電
子伝導性表面層55ができる(b)。
【0037】前記の2枚の多孔質セラミック基板51,
54上に少量の可溶性繊維を含む繊維径10μmの活性
炭素繊維ゲルより成る分極性電極原材を押し型を用い形
成する。分極性電極原材をセラミック基板ごと真空排気
しながら加熱し、分極性電極58を得る。分極性電極5
8の厚さは2mmである(c)。
【0038】真空を保ったままスパッタチャンバに搬送
し、セラミック基板上に集電体59となるアルミニウム
膜を100μmスパッタ法で形成する。アルミニウム膜
の形成は蒸着法によっても良い。アルミニウム膜の形成
時にはマスク材60を用い、集電体59のパタ−ン形成
も同時に達成する。集電体59は分極性電極58を覆う
ように形成する(d)。
【0039】集電体59を覆うようにポリイミドワニス
を塗布し、保護絶縁膜62とする。保護絶縁膜62の膜
厚は1mmである。この際、保護絶縁膜62の不要な領
域は予めカバ−テ−プ63で覆い、ポリイミドワニスが
かからないようにしておく(e)。ポリイミドワニスを
塗布した後、カバ−テ−プ63を剥がし、集電体端部等
の保護絶縁膜の不要な領域を露出させた後、350℃〜
400℃の温度で熱硬化処理する(f)。集電体端部よ
りリ−ド線65を引き出し、分極性電極構造体64を完
成する(g)。
【0040】51,54を基板とする分極性電極構造体
一対を電解液に浸し、電極の形成されていない面を接し
て対向させ固定する。電解液にはγ−ブチロラクトンと
プロピレンカ−ボネ−トの混合溶媒に1モル/lのテト
ラエチルアンモニウムパ−クロレ−トを溶解したものを
用いた。これを正負のリ−ド線のみで外部とつながる電
解液のはいった密閉容器中に封入し図5に示した電気二
重層キャパシタを得た。
【0041】表2には上記構造の電気二重層キャパシタ
の電荷容量及び内部抵抗も、電極面積の等しい実施例
1,2の構造の電気二重層キャパシタ及び従来の電気二
重層キャパシタと比較してある。基板の一部に電子伝導
性を付与することにより実施例1及び従来技術に比べ内
部抵抗を大幅に減少できた。実施例2の基板表面に凹凸
を設ける方法に比べても内部抵抗を小さくでき、高速充
放電に好適な電気二重層キャパシタといえる。
【0042】実施例4 以下、本発明の別の実施例を図7により説明する。図7
は本発明による電気二重層キャパシタの構成を示す概略
図である。前記実施例1で作製される一対の分極性電極
構造体71,72を0.2mmの間隙を設けて固定し、
その間隙を膜厚0.1mmのプラスチックフィルム製の
シャッタ−73が水平に移動可能な構造となっている。
これらの分極性電極構造体71,72及びシャッタ−7
3は容器74内の電解液75中に設置される。
【0043】図7は概念図であり、実際には上記の分極
性電極構造体及びシャッタ−は密閉容器内に納められ、
シャッタ−の移動は外部から制御可能な構造となってい
る。また、対向する分極性電極構造体間の側面は図8
(a)に示す様にシャッタ−79の厚さと摺りあわせ部
78を残して埋められ、分極性電極構造体76,77間
の電解質イオンの移動がシャッタ−79が分極性電極構
造体76,77間を遮ることにより、殆ど遮断されるよ
うになっている。図8には分極性電極構造体間に設ける
ことの可能な各種のシャッタ−の構造も合わせて示し
た。図8(b)はスダレ型のシャッタ−79、図8
(c)は合わせ式のシャッタ−79、図8(d)は巻き
取り式シャッタ−79であり、いずれもシャッタ−79
の導入による容積の増加を抑える上で効果がある。また
シャッタ−は必ずしも図8(a)〜(d)のような基板
に平行な移動により開閉する必要はない。図8(e)に
示すように、シャッタ−90に設けられた貫通孔92の
孔径がシャッタ−90に外部から印加される電圧により
変化し、それにより分極性電極構造体76,77間の電
解質の移動を制御し、内部抵抗を調節するシャッタ−の
開閉機構も可能である。
【0044】本実施例では、シャッタ−位置によりキャ
パシタの内部抵抗を制御可能であり、シャッタ−全開時
に内部抵抗最小、シャッタ−が閉じた時に内部抵抗無限
大となる。これにより、キャパシタの充放電時に最適な
内部抵抗値を選択可能となる。また、シャッタ−が閉じ
た時に内部抵抗が無限大となることを利用すれば、従来
問題となっていた漏れ電流による自然放電を抑え、長期
間充電状態を保持することが可能であるとともに、放電
後にキャパシタに残っている電荷を自然放電させること
を防止し、蓄積電荷を有効に利用できる。
【0045】図9は電解液として、電解質濃度の異なる
互いに相分離した2相の溶液を用いることにより、内部
抵抗を制御可能な電気二重層キャパシタの構造を示した
図である。ここでは相互に殆ど溶解度のない水−四塩化
炭素系を用い、電解質にテトラエチルアンモニウムパ−
クロレ−トを使用した。2相になった溶液の上相の電解
液II84は媒体が水であり前記電解質が溶けている。一
方、下相の電解液I83は四塩化炭素であり、殆ど電解
質は溶けず電解液としての機能はない。そのため、分極
性電極構造体80,81を下げて下相83に浸した場合
には、分極性電極構造体80,81間の間隙は水から四
塩化炭素に替わり、キャパシタの内部抵抗が大きくな
る。これによりキャパシタの内部抵抗を調整可能とな
る。82は容器である。
【0046】実施例5 以下、前記実施例4に従い作製した電気二重層キャパシ
タの特性、及び実用上の利点を従来の電気二重層キャパ
シタと比較し説明する。図10に実施例4(図8(a)
の構造)により作製したシャッタ−付キャパシタにおけ
るシャッタ−開口率とキャパシタの内部抵抗の関係を示
す。シャッタ−開口率によりキャパシタの内部抵抗が大
きく変わり、特にシャッタ−全開時の内部抵抗値からそ
の4倍付近までの範囲での制御が効果的にできる。図1
1に実施例4(図8(a)の構造)により作製したシャ
ッタ−付キャパシタの自然放電防止効果を従来技術と比
較して示した。端子間電圧が自然放電により充電時の7
0%に減少するまでの時間が従来の5倍以上に延び、顕
著な自然放電防止効果が認められた。
【0047】図12はこのシャッタ−付キャパシタを二
次電池と並列に設置した電源装置の構成を示した図であ
る。ハッチングされた部分が本実施例の電源装置87で
あり、スイッチSW1を介して二次電池86と電気二重
層キャパシタ85が並列に設置され、負荷RLを駆動す
る。A,Bは外部から本電源装置87に充電するための
端子である。
【0048】前記キャパシタ85は外部の充電装置と、
キャパシタ85に並列に設置された二次電池86の双方
から充電が可能である。充電装置からの充電時には内部
抵抗を小さくして高速充電し、負荷RLを駆動中の二次
電池86から充電する時は内部抵抗の高い状態で実施
し、二次電池86への負担を小さくする。また、充電完
了後にシャッタ−を閉じることにより自然放電を防止
し、また、負荷RLに対する放電によりキャパシタ端子
間が電源として機能するのに必要な所定の電圧以下とな
った時点でもシャッタ−を閉じ、その後の自然放電及び
内部抵抗の低い状態での二次電池86からの充電を防止
する。電池に対する負担をさらに軽減するためには、短
時間の大電流放電時は内部抵抗の小さい状態のキャパシ
タからのみ放電し、大電流放電後キャパシタの内部抵抗
を大きくし、再度電池を回路に接続することが有効であ
る。
【0049】本実施例にある電源装置を使用するのが好
適な電気機器の一つに電気自動車が挙げられる。自動車
においては、始動時や急加速時に大電流が必要であり、
また逆にブレ−キからの回生エネルギ−で発電し、充電
するためには高速充電の必要がある。これらの目的には
電気二重層キャパシタが好適だが、従来の二重層キャパ
シタでは自動車用バッテリ−と並列に接続して使用する
ことは困難であった。これは、キャパシタの自然放電の
ためエネルギ−効率が悪いこと、及びキャパシタの内部
抵抗が小さいため放電後のキャパシタをバッテリ−から
直接充電できず、専用の充電装置が必要なことが原因で
ある。本実施例の電源装置ではこの2点を解決してお
り、電気自動車用電源装置として好適である。また、大
容量のキャパシタがバッテリ−に並列に設置されている
ことから、自動車の走行時の負荷変動に対してキャパシ
タの平滑効果によりバッテリ−にかかる負担が平均化さ
れ、バッテリ−の寿命を延ばす効果もある。自動車では
負荷変動が激しいため、この電源装置のキャパシタはバ
ッテリ−の蓄電容量の100分の1以上の容量であるこ
とが望ましい。
【0050】さらに、本電源装置は一般に負荷変動のあ
る電動機に対する電源として使用することができる。特
に、内部抵抗の大きい小電流用の電池を本発明の電気二
重層キャパシタと組み合わせることにより、従来は使用
に適さなかった負荷変動のある電気機器にも電源として
使用することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、分極性電極をセパレー
タすなわち多孔質セラミック基板等の固体上に形成する
ため、基板が分極性電極の支えとなるため分極性電極自
体に機械的な強度が要求されず、活性炭素繊維の太さや
賦活時間を集電特性が最大となるよう選択可能となる。
また、従来に比べ厚い分極性電極を形成可能であり蓄電
容量を向上できる。また機械的な強度を持たせるための
補強材も不要であり、活性炭素繊維のみあるいは活性炭
繊維と有機バインダ−材料に由来する不定形炭素のみで
分極性電極を形成可能であり、蓄電容量を大幅に向上で
きる。さらに分極性電極の周囲を集電体もしくは集電体
及び保護絶縁層で覆った構造とすることにより強度的に
補強され、内側にある分極性電極を構成する活性炭素繊
維を密閉固定し、経時的な蓄電容量変化も効果的に抑制
できる。
【0052】基板表面を加工してその後のプロセスで変
形することのない丈夫な凹凸を設けることができ、この
凹凸により電解質イオンの拡散を促し充放電の高速化に
効果がある。基板上に形成された分極性電極表面に凹凸
パタ−ンを設けることが可能であり、この場合、分極性
電極に起因する内部抵抗を小さくし充放電の高速化に効
果がある。また基板としてその細孔径が分極性電極に用
いられる活性炭素繊維径より小さいものを選択し、さら
に分極性電極の周囲を完全に集電体膜で覆った構造とす
ることにより、キャパシタ容量の経時的な減少を効果的
に抑制できる。分極性電極を基板の片面のみに形成する
ことがキャパシタの製造を容易にする上で有効である。
この場合には、正負の分極性電極の間には2枚の基板が
存在することになるため、基板の一方の孔径を大きく
し、孔の内部まで分極性電極を構成する活性炭素繊維等
が入り込む構造とすることがキャパシタの内部抵抗を下
げるために効果がある。
【0053】基板の少なくとも一部に電子伝導性を付与
することによっても電極の抵抗を小さくすることがで
き、キャパシタの内部抵抗を小さくできる。2枚の基板
間に入出可能な絶縁性膜を導入し、この膜で電解質イオ
ンの移動を妨げ多孔質セパレ−タの有効面積を変化させ
キャパシタの内部抵抗を制御できる。相分離した2相の
溶液を電解液に用い、2相の界面に垂直に2枚の基板を
設置し、相界面を上下することでもキャパシタの内部抵
抗を制御できる。充電時は内部抵抗の小さな状態にし短
時間で充電可能とし、蓄電時は内部抵抗の大きな状態で
保存し自己放電を防止し、放電時には内部抵抗を制御し
て所望の放電特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よりなる電気二重層キャパシタの断面図
である。
【図2】(a)〜(e)は図1の電気二重層キャパシタ
の製造フロ−を示す図である。
【図3】本発明よりなる電気二重層キャパシタ電極の構
造を示す断面図である。
【図4】(a)及び(b)はそれぞれ本発明よりなる異
なる電気二重層キャパシタ電極の構造を示す断面図であ
る。
【図5】本発明よりなる電気二重層キャパシタの断面図
である。
【図6】(a)〜(g)は図5の電気二重層キャパシタ
の製造フロ−を示す図である。
【図7】本発明よりなる別の電気二重層キャパシタの構
成を示す図である。
【図8】(a)乃至(e)はそれぞれ本発明よりなる電
気二重層キャパシタの電極構造体及びシャッタ−の構造
を示す断面図である。
【図9】本発明よりなる別の電気二重層キャパシタ電極
の構造を示す図である。
【図10】シャッタ−開口率とキャパシタの内部抵抗の
関係を示す図である。
【図11】シャッタ−付キャパシタの自然放電防止効果
を示す図である。
【図12】本発明よりなる電気二重層キャパシタを用い
た電源装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,2 セパレータ(多孔質セラミック基板) 3,4 分極性電極 5,6 集電体 8 電解液 9,10 保護絶縁膜 11,12 端子 13,14 絶縁膜 18 分極性電極構造体 19 セパレータ(多孔質セラミック基板) 20 分極性電極 21 基板に設けられた凹凸 22 分極性電極 23 分極性電極に設けられた凹凸 24 集電体 25 保護絶縁膜 31,32 セパレータ(多孔質セラミック基板) 33,34 分極性電極 35,36 集電体 38 電解液 39,40 保護絶縁膜 43,44 絶縁膜 50,53 絶縁膜 51,54 多孔質セラミック基板 52 無電解金メッキ液 55電子伝導性表面層(基板表面から50μm程度の深
さまでの領域) 58 分極性電極 59 集電体 62 保護絶縁膜 64 分極性電極構造体 71,72 分極性電極構造体 73 シャッタ− 74 容器 75 電解液 76,77 分極性電極構造体 78 摺りあわせ部 79−シャッタ− 80、81 分極性電極構造体 83 電解液I(電解質濃度低) 84 電解液−II(電解質濃度高) 85 本発明よりなるキャパシタ 86 二次電池 87 電源装置 90 貫通孔付シャッタ− 91 シャッタ−開閉制御電源 101 多孔質セラミック基板 102−絶縁膜

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正負の電荷を蓄積する一対の分極性電極
    と、この一対の分極性電極を区切ると共に電解質の正負
    両分極性電極間の移動を可能ならしめ且つ該分極性電極
    が固定される絶縁性基板より成るセパレータと、導電性
    材料よりなり前記分極性電極に接触する集電体と、前記
    分極性電極、セパレータ及び集電体が浸漬する電解液と
    を備えた電気二重層キャパシタ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、分極性電極及び集電
    体がセパレータの片面にのみ形成され、2枚のセパレー
    タが分極性電極膜及び集電体膜が形成されていない面を
    接して対向し設置されることを特徴とする電気二重層キ
    ャパシタ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、両分極性電極
    は、その周囲をセパレータ及び部分的にセパレータに密
    着した集電体に覆われたことを特徴とする電気二重層キ
    ャパシタ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、集
    電体は、その外周を保護絶縁膜に覆われたことを特徴と
    する電気二重層キャパシタ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、セ
    パレ−タの一部が電子伝導性を有することを特徴とする
    電気二重層キャパシタ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかにおいて、両
    分極性電極とセパレータは凹凸面にて互いに接合してい
    ることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかにおいて、両
    分極性電極と集電体は凹凸面にて互いに接合しているこ
    とを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかにおいて、分
    極性電極は炭素及び分極性電極膜形成時に混入する1重
    量%以下の不純物より成ることを特徴とする電気二重層
    キャパシタ。
  9. 【請求項9】 請求項2において、2枚のセパレ−タが
    孔径の異なる多孔質絶縁体であることを特徴とする電気
    二重層キャパシタ。
  10. 【請求項10】 請求項2において、対向して設置され
    る2枚のセパレ−タの間に空隙を有し、その空隙に電解
    質を透過しない絶縁性膜を入出可能に設けたことを特徴
    とする電気二重層キャパシタ。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかにおい
    て、電解液が電解質濃度の異なる互いに相分離した2相
    の溶液よりなることを特徴とする電気二重層キャパシ
    タ。
  12. 【請求項12】 セパレータとなる絶縁性の多孔質基板
    上に炭素又は有機化合物を含む膜を所定の形状及び膜厚
    に形成した後、この膜を熱もしくはプラズマ処理により
    炭化もしくは賦活処理して活性炭化することにより分極
    性電極を形成する工程と、その分極性電極の上に該分極
    性電極を覆う集電体を所定の形状に形成する工程と、そ
    の集電体側の表面上に保護絶縁膜を形成する工程と、正
    負の前記分極性電極を形成された前記セパレータを電解
    液に浸漬する工程と、を含むことを特徴とする電気二重
    層キャパシタの製造方法。
  13. 【請求項13】 絶縁性の多孔質物質より成るセパレー
    タの一部に電子伝導性を付与する工程と、このセパレ-
    タ上に炭素又は有機化合物を含む膜を所定の形状及び膜
    厚に形成した後、この膜を熱もしくはプラズマ処理によ
    り炭化もしくは賦活処理して活性炭化することにより分
    極性電極を形成する工程と、その分極性電極の上に該分
    極性電極を覆う集電体を所定の形状に形成する工程と、
    その集電体側の表面上に保護絶縁膜を形成する工程と、
    正負の前記分極性電極を形成された前記セパレータを電
    解液に浸漬する工程と、を含むことを特徴とする電気二
    重層キャパシタの製造方法。
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