JPH07201001A - 3次元磁化モ−ド解析方法 - Google Patents

3次元磁化モ−ド解析方法

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JPH07201001A
JPH07201001A JP35321893A JP35321893A JPH07201001A JP H07201001 A JPH07201001 A JP H07201001A JP 35321893 A JP35321893 A JP 35321893A JP 35321893 A JP35321893 A JP 35321893A JP H07201001 A JPH07201001 A JP H07201001A
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Japan
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vector
magnetization
magnetic field
medium
head
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JP35321893A
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Toshikazu Nishihara
敏和 西原
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 媒体の磁化モ−ドを短時間に計算できるよう
にし、それにより効率の良い3次元磁化モ−ド解析方法
を提供する。 【構成】 外部磁界により磁化された磁気記録媒体につ
いて、媒体内部の磁化状態を3次元的に解析する3次元
磁化モ−ド解析方法において、磁化容易軸方向ベクトル
eと実効磁界の方向ベクトルhとの成す角をφとしたと
きに、磁化方向ベクトルmは、前記ベクトルeと前記ベ
クトルhとで形成される面内にあるとして、前記ベクト
ルmと前記ベクトルhとの成す角をθとし、 ベクトルeとベクトルmの内積=cos(φ−θ)
(1) ベクトルmとベクトルhの内積=cosθ
(2) の2式により、前記θの得られるべき値を限定して計算
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部磁界により磁化さ
れた磁気記録媒体の磁化モ−ドを3次元的に解析する3
次元磁化モ−ド解析方法に係わり、特に、磁化過程の動
的挙動を計算処理することなく、しかも物理的に妥当な
結論を得ることの出来る3次元磁化モ−ド解析方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、磁気記録の分野では、電子計算機
の発展と共に、磁界解析の研究が盛んに行われており、
例えば、磁気ヘッドに関しては、3次元的な解析処理も
行われている。一方、磁気記録媒体に関しては、外部磁
界により磁化された媒体内部の磁化モ−ドを解析する事
は、磁気ヘッドの磁界解析と同程度に重要であるにもか
かわらず、磁気ヘッドの磁界解析ほどは進展していな
い。この理由は、磁気ヘッド(以下、単に、ヘッドとも
言う)の場合には、加工変質層の効果を無視して、ヘッ
ドコア材料の軟磁気特性を一様と見なし、マクスウェル
の方程式又はポアソンの方程式を、有限要素法を用いて
解くことによって、簡単に磁界解析を行なうことがで
き、比較的良好な結果が得られるのに対し、磁気記録媒
体(以下、単に、媒体とも言う)の磁化モ−ドを解析す
るためには、媒体内部において、主に磁化容易軸分布に
起因する特性分布があり、また、磁気特性がヒステリシ
スを有し、これらの扱いが問題となり、確定的でないた
めである。
【0003】媒体の磁化モ−ド解析は、ヘッド磁界解析
と比較して、それ程進んではいないとは言え古くから行
われている。岩崎、中村、鈴木等は、文献「媒体の反作
用磁界を考慮した磁化領域の計算方法について」(電子
通信学会磁気記録研究会資料 MR67−15(196
7−09))において、外部磁界により磁化された媒体
内部の磁化により発生する反磁界を考慮して、逐次反復
計算により、媒体内磁化をセルフコンシステントに求め
る方法を述べている。すなわち、外部磁界Hにより媒体
がM1 に磁化されると、この磁化M1 により、反磁界H
d1が発生する。次に、この反磁界Hd1と外部磁界Hの和
である有効磁界Hd1+Hによって媒体の磁化が決まると
しこの磁化M2 を求め、次にこの磁化M2 による反磁界
d2を求める。次に、有効磁界Hd2+Hによる磁化M3
を求める。この計算を、磁化の値が許容値以内になるま
で反復して行い、最終的に安定した磁化を求める方法で
ある。
【0004】また、比較的最近では、田河、中村等によ
る「媒体磁化モデルを組み込んだ有限要素法による垂直
磁気記録機構の解析法」(電子通信学会磁気記録研究会
資料MR88−33(1988))がある。これは、媒
体を磁性粒子の集合体と見なし、この粒子集合体の異方
性磁界ベクトルhK の分布を設定し、ヘッド磁界によ
り、粒子集合体が磁化反転する確率分布を求めて、媒体
内磁化モ−ドを求めるものである。しかし、これらはい
ずれも媒体断面のみで解析を行っており、特に面内配向
した媒体では、媒体ノイズ解析等の正確な解析が困難で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、最近では、磁気
解析の分野で米国を中心にMicro−Magneti
csという分野が誕生している。これは、先の岩崎等の
手法では、演算単位が粒子集合体であるのに対し、この
場合は、演算単位が個々の磁性粒子となっており、個々
の磁性粒子に対し磁気異方性特性の適当な確率分布を設
定し、結果としての磁化変化を解析している。
【0006】代表的な研究論文として J.Zhu a
nd N.H.Bertramの「Micro−Mag
netics studies of thin me
tallic films」(J.A.P.63
(8),1988 pp.3248〜3253)が挙げ
られる。彼等は、この論文中において、媒体の磁化モ−
ドを、磁界、磁化容易軸及び磁化を3次元ベクトルで表
現し、求めている。ここで、まず、媒体を厚さδ、粒径
Dの六方晶粒子(以下、単に粒子とも言う)が、粒間隔
dで六方晶列(すなわち、格子定数a=d+D)に配列
しているとする。各粒子は一軸異方性をもつ単結晶であ
り、その磁化容易軸ベクトルk及び磁化ベクトルMの分
布が初期値として与えられている。
【0007】磁気エネルギ−として考慮されているの
は、各粒子の磁気異方性エネルギ−、各粒子間の静磁エ
ネルギ−及び交換エネルギ−、各粒子の外部磁界による
ゼ−マンエネルギ−である。次に、1個1個の粒子に付
きこれらのエネルギ−の和を求め、これより、この粒子
に働く有効磁界ベクトルHを求める。次いで、この磁界
ベクトルHを、以下のランダウ・リフシッツの運動方程
【0008】
【数1】
【0009】に代入し(ここで、γは磁気回転比を、λ
は減衰定数を、HはベクトルHの大きさをそれぞれ示
す)、全粒子についてのこの方程式の組を、アダムス法
によって解き、磁化ベクトルMの分布を算出している。
ところで、ここで問題になるのは運動方程式の解法であ
る。彼等は、26個×30個の粒子からなる媒体の磁化
モ−ドとして、典型的なヒステリシスル−プを求めるの
に、X−MP Super Computer(商品
名、CRAY社製)を使用して20分の長時間を要した
と述べている。
【0010】そこで、本発明は上記の点に着目してなさ
れたものであり、媒体の磁化モ−ドを短時間に計算でき
るようにし、それにより効率の良い3次元磁化モ−ド解
析方法を提供する事を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部磁界によ
り磁化された磁気記録媒体について、前記磁気記録媒体
の内部の磁化状態を3次元的に解析する3次元磁化モ−
ド解析方法において、前記磁気記録媒体を構成する磁気
記録の記録単位となる磁性粒子の磁化の方向ベクトルを
m、磁化容易軸の方向ベクトルをe、前記外部磁界と前
記磁性粒子間の相互作用による磁界との和である実効磁
界の方向ベクトルをhとし、前記磁化容易軸の方向ベク
トルeと前記実効磁界の方向ベクトルhとの成す角をφ
としたときに、前記磁化の方向ベクトルmは、前記磁化
容易軸の方向ベクトルeと前記実効磁界の方向ベクトル
hとで形成される面内にあるとして、前記磁化の方向ベ
クトルmと前記実効磁界の方向ベクトルhとの成す角を
θとし、 ベクトルeとベクトルmの内積=cos(φ−θ) (1) ベクトルmとベクトルhの内積=cosθ (2) の2式により、前記θの得られるべき値を限定して計算
したことにより、上述の目的を達成するものである。
【0012】
【作用】媒体内の各磁性粒子の磁化容易軸はそれぞれ所
定の方向を有する。外部磁場が各磁性粒子に印加される
と、各磁性粒子の磁化は、外部磁場により所定の方向に
向こうとする。同時に、各磁性粒子間の磁化には周囲の
所定の範囲の磁性粒子から、静磁相互作用、交換相互作
用等の各種の相互作用が働く。従って、磁化の方向が安
定するまで、磁化の方向は複雑な運動をする。外部磁場
及び相互作用と等価な磁場による磁化の方向に与える効
果には、重ね合わせの原理が適用される。故に、動的過
程を表す運動方程式を解くことなく、外部磁場及び相互
作用と等価な磁場を実効磁界とすると、磁化は、実効磁
界と磁化容易軸によって決定される。磁化ベクトルは、
実効磁界ベクトルと磁化容易軸ベクトルとで形成される
面内に含まれる。動的過程を表す運動方程式を解くため
の計算を省略できる。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の一実施例
を説明する。 <実施例1>相対運動する磁気ヘッド(以下、ヘッドと
も言う)により磁化される磁気記録媒体(以下、媒体と
も言う)の磁化モ−ドの解析は、概略、次の手順に従っ
て行われる。 [1].ヘッドの条件設定。 [2].媒体の条件設定。 [3].磁化反転の有無の判定。 [4].相互作用を考慮せず磁化の安定点を求める。 [5].相互作用を考慮して磁化の安定点を求める。 [6].収束するまで繰返し磁化を求める。 [7].ヘッドを移動して[3]〜[6]を繰返す。 [8].ヘッドを取去って[3]〜[6]を繰返す。 以上で、媒体の磁化モ−ドが求まる [9].再生波形を求める。
【0014】次に、各項目に付き詳細に説明する。 [1].ヘッドの条件設定。図2は、本発明の3次元磁
化モ−ド解析方法の第1実施例における媒体と磁気ヘッ
ドの関係を示す概念図である。図2において、1は媒体
を、2は磁性粒子を、6はヘッドコアを、6a、6bは
媒体対向面を、7はギャップを、7a、7bはギャップ
対向面を、10はヘッドをそれぞれ示す。媒体1は、平
面上に間隔Lで配置された磁性粒子2の一層より構成さ
れている。ヘッド10は媒体対向面6a、6bを媒体1
に向け、配置されているとする。座標の中心Oは、媒体
対向面6a、6bと、ギャップ対向面7bに平行でギャ
ップ7の中心を通る面との交線上のヘッドコア6のトラ
ック幅方向の中心にとる。座標軸は、ギャップ幅方向を
x軸、トラック幅方向をy軸、媒体方向をz軸ととる。
【0015】初期設定値として、ヘッドギャップ長T
g、ヘッド中心磁界Hg(座標の中心Oにおける磁界強
度)、ヘッドトラック幅Twを設定する。同時にヘッド
−媒体間スペ−シングFhを設定する。ヘッド10によ
り与えられる媒体1の任意の位置における外部磁界(今
の場合、ヘッド磁界である)ベクトルHex(方向ベクト
ルhexと磁界の強さHexとの積)を求める式として、例
えばKarlquistの式(O.Karlquis
t:Trans.Royal Inst.Tech.,
Stockholm,Nr.86(1954))を用い
る(この場合、座標軸成分ごとに計算される)。なお、
外部磁界強度分布式は、Karlquistの式である
必然性はなく、他の方法によって求めた強度分布であっ
ても何等問題はない。
【0016】[2].媒体の条件設定。次に、媒体定数
として、磁化の大きさM(以下、磁化Mと言う)、磁気
異方性定数Ku、磁化容易軸方向ベクトルe(以下、ベ
クトルeと言う)、粒子間隔L、交換結合積分Jを設定
する。これらのうち、特にベクトルe(e、e、e
)は、1個1個の粒子につき解析したい媒体条件に基
づいて、磁化容易軸の軸方向の角度分布を考慮して設定
する。他の定数は一定値であっても構わない。次に、個
々の粒子の磁化の方向ベクトルm(m、m、m
(以下、ベクトルmと言う。これにより、磁化ベクトル
Mは、ベクトルmと磁化Mとの積になる)を設定する。
【0017】また、ベクトルeは一軸磁気異方性として
計算しているが、磁化ベクトルMの向き(ベクトルmの
向き)にリンクしてベクトルeの向きを定めることとす
る。即ち、ベクトルmとベクトルeの成す角が鋭角にな
る向きに、正負を定める。また磁化Mは初期状態として
磁場強度が0の場合の値を与えておく必要がある。なお
本実施例では、媒体1は記録単位としての粒子2の25
個×25個(媒体進行方向すなわちx方向に25個)の
マトリックスから構成されるとして設定した。
【0018】[3].磁化の反転の有無の判定。次に、
媒体1内の各粒子2について、各粒子2に与えられたヘ
ッド磁界ベクトルHexとベクトルeより、初期値として
与えられた磁化ベクトルMの磁化反転の有無をCuri
ng Model(扱い方は、上述の田河、中村等の文
献)により計算する。
【0019】[4].相互作用を考慮せず磁化の安定点
を求める。図1は、本発明の3次元磁化モ−ド解析方法
の一実施例における磁化ベクトルM、磁化容易軸ベクト
ルe及び磁界ベクトルHの関係を示す立体図である。図
1において、x、y、zは直交座標軸を、ベクトルeは
磁化容易軸ベクトルを、ベクトルH(又は、ベクトルH
ex)は方向ベクトルh(h、h、h)(又は、方
向ベクトルhex(hexx、hexy、hexz))と有効磁
界の大きさH(又は、ヘッド磁界の大きさHex)との積
である有効磁界ベクトル(又は、ヘッド磁界ベクトル)
を、ベクトルMは方向ベクトルmと磁化Mとの積である
磁化ベクトルをそれぞれ示す。
【0020】ここで、ヘッド磁界ベクトルHex及びベク
トルeより、磁化ベクトルMの安定点すなわちベクトル
mを求める。図1に示すように、個々の粒子のベクトル
mは、ヘッド磁界ベクトルHex及びベクトルeより定ま
るので、ベクトルmは、ヘッド磁界ベクトルHexの回り
で歳差運動を行う動的過程を経て安定するが、安定した
ときは、ヘッド磁界ベクトルHex及びベクトルeを含む
面内に必ず含まれる。ベクトルeとヘッド磁界ベクトル
ex(すなわち、方向ベクトルhex)との成す角をφと
し、ベクトルmとヘッド磁界ベクトルHex(すなわち、
方向ベクトルhex)との成す角をθとすると、φは既知
である。θは、このときの粒子2の持つ異方性磁界エネ
ルギ−Eが最小になるように定まる。すなわち、次に示
すStoner−Wholfarthの関係を満たす。
【0021】
【数2】
【0022】ここで、Msは設定した粒子の磁化の大き
さMと等価である。この(4)式において、エネルギ−
最小の条件は次のようになる。
【0023】
【数3】
【0024】また、ベクトルe、ベクトルhex及びベク
トルmの間には、
【0025】
【数4】
【0026】
【数5】
【0027】
【数6】
【0028】の関係が成立するので、(4)〜(8)式
を連立して解いて、θを定める。以上により、粒子間に
磁気的相互作用がないとしたときの、磁化の安定点が求
まる(すなわち、ベクトルmが求まり、磁化ベクトルM
が定まる)。
【0029】[5].相互作用を考慮して磁化の安定点
を求める。上述した磁化の計算では、着目した粒子と隣
接粒子との相互作用が考慮されていないため、次に、上
述の計算で求められた磁化ベクトルMをもとに、最隣接
粒子から第7隣接粒子によるダイポ−ルダイポ−ル相互
作用と、際隣接粒子による交換相互作用を計算し、これ
らを磁界の式として表し、ヘッド磁界ベクトルHexに加
え、これを有効磁界ベクトルHとする。すなわち、
【0030】
【数7】
【0031】ここで、ベクトルHはダイポ−ルダイポ
−ル相互作用による有効磁界を、ベクトルHは交換相
互作用による有効磁界をそれぞれ示す。この有効磁界ベ
クトルHを、(4)式に代入し、粒子間の相互作用を考
慮した新規な磁化ベクトルMを求めていく。またダイポ
−ル・ダイポ−ル相互作用(静磁相互作用とも言う)は
一般に磁界形式で、
【0032】
【数8】
【0033】の形で表される。ここで、μ0 は真空透磁
率を、ベクトルMの下添字jは隣接粒子の番号を、ベク
トルrj は相互作用を受ける粒子から番号jの隣接粒子
までの位置ベクトルをそれぞれ示す。また、交換相互作
用は、
【0034】
【数9】
【0035】の形で表される。ここで、ベクトルMの下
添字kは隣接粒子の番号を示す。
【0036】[6].収束するまで繰返し磁化を求め
る。粒子間の相互作用は磁化ベクトルMの変化により変
化していくため、全体の計算値が一定の値に収束するま
で行う。以上により、ヘッドにより最初に磁化したとき
の各構成粒子の磁化ベクトルMが定まり媒体の磁化モ−
ドが算出される。
【0037】[7].ヘッドを移動して[3]〜[6]
を繰返す。次に、ヘッドを走行方向に所定の距離移動し
て、上述の[3]〜[6]の計算を繰り返し、ヘッドが
移動したことによる媒体の磁化モ−ドの変化を含めた磁
化モ−ドを計算する。所定の距離移動に応じてこの計算
を繰り返す。
【0038】[8].ヘッドを取去って[3]〜[6]
を繰返す。次に、ヘッド磁界の影響のない位置までヘッ
ドを移動して、上述の[3]〜[6]の計算を繰り返
し、媒体の磁化分布を計算し、記録媒体磁化モ−ド安定
点を求める。
【0039】[9].再生波形を求める。再生波形は、
相反定理を用いて求めた。即ち、図2に示す座標系(媒
体1の走行方向をx、ヘッドトラック幅方向をyとして
ある)において、ある位置xでの出力値v(x)は、磁
化Mのx成分及びy成分をトラック幅方向について平均
したものをそれぞれMx、Myとして、
【0040】
【数10】
【0041】により求められる。再生波形は、始めに孤
立波を求め、次いで重ね合わせにより高周波波形を求め
ることが出来る。
【0042】ここで、具体的な解析の結果を示す。ヘッ
ドについては、ヘッドギャップ長Tgを0.3μm、ヘ
ッド−媒体間スペ−シングFhを0.06μmとし、媒
体については、磁化Mを4000G、磁気異方性定数K
uを4×106 erg/ccとし、磁化容易軸は平均値
が媒体面の法線方向に20°、媒体面内より立ってお
り、その面内方向はランダムとし、静磁相互作用と所定
の大きさの交換相互作用が働くとして、25個×25個
の粒子層からなる媒体について、ヘッド磁界を印加され
た時の磁化モ−ドを[1]〜[8]までの手順で計算を
行い解析した。
【0043】図3は、本発明の3次元磁化モ−ド解析方
法の第1実施例を示す媒体の磁化モ−ド図であり、図3
(a)は上面図を、図3(b)は図3(a)中で上下方
向の磁化の平均値を示す断面図(もちろん、特定の左右
方向の粒子列についての表現もできる)をそれぞれ示
し、丸印についたひげの中心部が粒子の位置を表し、ひ
げの向きは磁化ベクトルの方向を示し、○印は磁化ベク
トルが図中左方向きであり、●印は磁化ベクトルが図中
右方向きであることを示している。図4は、図3に示す
媒体の磁化モ−ドにおける磁化Mのx方向の成分Mxと
媒体位置との関係を示すグラフ図である。
【0044】<実施例2>上述の[1]〜[8]までの
手順のうち、[1].ヘッドの条件設定において、ヘッ
ド中心磁界Hgを設定する代わりに、媒体全体に対し
て、空間的に一様な外部磁界Hexを設定し、[7].ヘ
ッドを移動して[3]〜[6]を繰り返すにおいて、ヘ
ッドを移動する代わりに、空間的に一様な外部磁界Hex
の大きさを変化させ、[8].ヘッドを取り去って
[3]〜[6]を繰り返す計算を省略したこと以外は、
実施例1と同様にして、媒体の磁化モ−ドを解析した。
【0045】図5は、本発明の3次元磁化モ−ド解析方
法の第2実施例におけるヘンケル・プロット図である。
図5において、縦軸はDCイレ−ズ磁界Md(H)を、
横軸はACイレ−ズ磁界Mr(H)をそれぞれ示す。媒
体については、交換相互作用の程度を3種類設定した。
すなわち、交換相互作用がないとしたときを交換結合
0、強いときを交換結合1、中間のときを0.5とし、
図5にそれぞれ示す。ヘンケル・プロットは媒体内の粒
子間の相互作用を表現するものとして、近年、媒体のノ
イズ特性を評価するためには欠かせない手段となってい
る(例えば、J.A.P.69(8),1991 p
p.4496〜4498)。図5に示すように、相互作
用の程度(本実施例では、交換相互作用のみについて着
目しているが、これに限らない)を設定することによ
り、簡単に磁化モ−ドを解析する事ができる。
【0046】また、ヘンケル・プロットの解析と媒体条
件を同一にして、媒体のヒステリシス曲線を求めた。図
6は、本発明の3次元磁化モ−ド解析方法の第2実施例
におけるヒステリシス・ル−プ図である。図6におい
て、縦軸は磁化Mを、横軸は磁場Hをそれぞれ示し、ヒ
ステリシス曲線については、交換相互作用がないとした
ときを交換結合0、強いときを交換結合1、中間のとき
を0.5としてある。図6に示すように、相互作用の程
度(本実施例では、交換相互作用のみについて着目して
いるが、これに限らない)を設定することにより、簡単
に磁化モ−ドを解析する事ができる。
【0047】以上の解析は、全て、パ−ソナルコンピュ
−タ−のPC9801(商品名、日本電気(株)製)に
よって行った。解析に要した処理時間は、いずれの解析
においても、概ね30分〜2時間程度であった。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明の3次元磁化
モ−ド解析方法によれば、外部磁界により磁化された磁
気記録媒体について、前記磁気記録媒体の内部の磁化状
態を3次元的に解析する3次元磁化モ−ド解析方法にお
いて、前記磁気記録媒体を構成する磁気記録の記録単位
となる磁性粒子の磁化の方向ベクトルをm、磁化容易軸
の方向ベクトルをe、前記外部磁界と前記磁性粒子間の
相互作用による磁界との和である実効磁界の方向ベクト
ルをhとし、前記磁化容易軸の方向ベクトルeと前記実
効磁界の方向ベクトルhとの成す角をφとしたときに、
前記磁化の方向ベクトルmは、前記磁化容易軸の方向ベ
クトルeと前記実効磁界の方向ベクトルhとで形成され
る面内にあるとして、前記磁化の方向ベクトルmと前記
実効磁界の方向ベクトルhとの成す角をθとし、 ベクトルeとベクトルmの内積=cos(φ−θ) (1) ベクトルmとベクトルhの内積=cosθ (2) の2式により、前記θの得られるべき値を限定して計算
したことにより、媒体の磁化モ−ドを短時間に計算でき
るので、それにより効率の良い3次元磁化モ−ド解析方
法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3次元磁化モ−ド解析方法の一実施例
における磁化ベクトル、容易軸ベクトル及び磁界ベクト
ルの関係を示す立体図である。
【図2】本発明の3次元磁化モ−ド解析方法の第1実施
例における媒体と磁気ヘッドの関係を示す概念図であ
る。
【図3】本発明の3次元磁化モ−ド解析方法の第1実施
例を示す媒体の磁化モ−ド図である。
【図4】図3に示す媒体の磁化モ−ドにおける磁化Mの
x方向の変化Mxと媒体位置との関係を示すグラフ図で
ある。
【図5】本発明の3次元磁化モ−ド解析方法の第2実施
例におけるヘンケル・プロット図である。
【図6】本発明の3次元磁化モ−ド解析方法の第2実施
例におけるヒステリシス・ル−プ図である。
【符号の説明】
1 媒体 2 磁性粒子 6 ヘッドコア 6a 媒体対向面 6b 媒体対向面 7a ギャップ対向面 7b ギャップ対向面 10 磁気ヘッド
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】[5].相互作用を考慮して磁化の安定点
を求める。上述した磁化の計算では、着目した粒子と隣
接粒子との相互作用が考慮されていないため、次に、上
述の計算で求められた磁化ベクトルMをもとに、最隣接
粒子から第7隣接粒子によるダイポールダイポール相互
作用と、最隣接粒子による交換相互作用を計算し、これ
らを磁界の式として表し、ヘッド磁界ベクトルHex
加え、これを有効磁界ベクトルHとする。すなわち、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部磁界により磁化された磁気記録媒体に
    ついて、前記磁気記録媒体の内部の磁化状態を3次元的
    に解析する3次元磁化モ−ド解析方法において、 前記磁気記録媒体を構成する磁気記録の記録単位となる
    磁性粒子の磁化の方向ベクトルをm、磁化容易軸の方向
    ベクトルをe、前記外部磁界と前記磁性粒子間の相互作
    用による磁界との和である実効磁界の方向ベクトルをh
    とし、前記磁化容易軸の方向ベクトルeと前記実効磁界
    の方向ベクトルhとの成す角をφとしたときに、前記磁
    化の方向ベクトルmは、前記磁化容易軸の方向ベクトル
    eと前記実効磁界の方向ベクトルhとで形成される面内
    にあるとして、前記磁化の方向ベクトルmと前記実効磁
    界の方向ベクトルhとの成す角をθとし、 ベクトルeとベクトルmの内積=cos(φ−θ) (1) ベクトルmとベクトルhの内積=cosθ (2) の2式により、前記θの得られるべき値を限定して計算
    したことを特徴とする3次元磁化モ−ド解析方法。
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