JPH07199530A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法

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JPH07199530A
JPH07199530A JP5348971A JP34897193A JPH07199530A JP H07199530 A JPH07199530 A JP H07199530A JP 5348971 A JP5348971 A JP 5348971A JP 34897193 A JP34897193 A JP 34897193A JP H07199530 A JPH07199530 A JP H07199530A
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toner
fine powder
powder
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JP5348971A
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Hitoshi Kanda
仁志 神田
Youko Goka
洋子 五箇
Kazuyuki Miyano
和幸 宮野
Satoshi Mitsumura
聡 三ッ村
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉砕効率の良好なトナーの製造方法を提供
し、且つ流動性に優れたトナーの製造方法を提供するこ
と。 【構成】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する混
合物を溶融混練し、混練物を冷却し、冷却物を粉砕手段
によって粉砕して粉砕物を得、得られた粉砕物を気流分
級手段で粗粉と細粉とに分級し、分級された粗粉を衝突
式気流粉砕手段により微粉砕して微粉体を生成し、生成
した微粉体に低衝撃処理を行った後、第2気流分級手段
で微粉を分級し、分級された細粉から静電荷像現像用ト
ナーを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷等における静電荷像を現像する為のトナーの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法、静電写真法、静電印刷法の
如き画像形成方法では静電荷像を現像する為にトナーが
使用される。近年、複写機やプリンター等の高画質化及
び高精細化に伴い、現像剤としてのトナーに要求される
性能も一段と厳しくなってきており、トナーの粒径は小
さくなり、トナーの粒度分布としては、粗粒子が無く且
つ微粉の少ないシャープな粒度分布を有するものが要求
される様になってきている。
【0003】静電荷像現像用トナーの一般的な製造方法
としては、被転写材に定着させる為の結着樹脂、トナー
としての色味を出させる各種着色剤、粒子に電荷を付与
させる為の荷電制御剤、又、特開昭54−42141号
公報や特開昭55−18656号公報に示される様ない
わゆる一成分現像法においては、トナー自身に搬送性等
を付与する為の各種磁性材料を用い、他に必要に応じて
離型剤や流動性付与剤を乾式混合し、しかる後にロール
ミル、エクストルーダー等の汎用混練装置にて溶融混練
し、冷却固化した後にジェット気流式粉砕機、機械衝撃
式粉砕機等の各種粉砕装置により微砕化し、各種風力分
級機により分級を行うことにより、トナーとして必要な
粒径を揃える。これに必要に応じて流動化剤や滑剤、等
々を乾式混合しトナーとする。又、二成分現像方法に用
いる場合は、各種磁性キャリアとトナーとを混ぜ合せた
後、画像形成に供する。
【0004】上述の如く、微細粒子であるトナー粒子を
得る為には、従来、図17のフローチャートに示される
方法が一般的に採用されている。粉砕原料であるトナー
粗砕物は、第1分級手段に連続的又は逐次供給されて分
級され、分級された規定粒度以上の粗粒子群を主成分と
する粗粉は粉砕手段に送って粉砕された後、再度第1分
級手段に循環される。
【0005】他の規定粒径範囲内の粒子及び規定粒径以
下の粒子を主成分とするトナー微粉砕品は第2分級手段
に送られ、規定粒度を有する粒子群を主成分とする中粉
体と規定粒度以下の粒子群を主成分とする細粉体とに分
級される。粉砕手段としては、各種粉砕装置が用いられ
るが、結着樹脂を主とするトナー粗粉砕物の粉砕には、
図18に示す如きジェット気流を用いたジェット気流式
粉砕機、特に衝突式気流粉砕機が用いられている。
【0006】ジェット気流の如き高圧気体を用いた衝突
式気流粉砕機は、ジェット気流で粉体原料を搬送し、加
速管の出口より噴射し、粉体原料を加速管の出口の開口
面に対向して設けた衝突部材の衝突面に衝突させて、そ
の衝撃力により粉体原料を粉砕している。例えば、図1
8に示す衝突式気流粉砕機では、高圧気体供給ノズル4
7を接続した加速管46の出口45に対向して衝突部材
43を設け、前記加速管46に供給した高圧気体によ
り、加速管46の中途に連通させた粉体原料供給口48
から加速管46内に粉体原料を吸引し、粉体原料を高圧
気体と共に噴出して衝突部材43の衝突面49に衝突さ
せ、その衝撃によって粉砕している。
【0007】しかしながら、図18の衝突式気流粉砕機
では、被粉砕物の供給口48が加速管46の中途に設け
られている為、加速管46内に吸引導入された被粉砕物
は、被粉砕物供給口48を通過直後に、高圧気体供給ノ
ズル47より噴出する高圧気流により加速管出口方向に
向かって流路を変更しながら高圧気流中に分散され急加
速される。この状態において被粉砕物の比較的粗粒子
は、慣性力の影響から加速管内の底流部を流れ、又、比
較的微粒子は、加速管内の高流部を流れるので、高圧気
流中に十分に均一に分散されずに、被粉砕物濃度の高い
流れと低い流れに分離したまま、被粉砕物が対向する衝
突部材43に部分的に集中して衝突することになり、粉
砕効率が低下し易く、処理能力の低下を引き起こし易
い。
【0008】衝突面49は、その近傍において、局部的
に被粉砕物及び粉砕物からなる粉塵濃度の高い部分が発
生し易い為、被粉砕物が樹脂等の低融点物質を含有する
場合は、被粉砕物の融着、粗粒化及び凝集等が発生し易
い。又、被粉砕物に摩耗性がある場合は、衝突部材の衝
突面や加速管に局部的な粉体摩耗が起こり易く、衝突部
材の交換頻度が多くなり、トナーを連続的に安定に生産
するという面では改良すべき点があった。
【0009】衝突部材の衝突面の先端部分が、頂角11
0〜175°を有する円錐形状のもの(特開平1−25
4266号公報)や、衝突面が衝突部材の中心軸の延長
線と直角に交わる平面上に突起を有した衝突板形状(実
開平1−148740号公報)が提案されている。これ
らの粉砕機では、衝突面近傍での局部的な粉塵濃度の上
昇を抑えることが出来る為に、粉砕物の融着、粗粒化及
び凝集等を多少柔げることが出来、粉砕効率も若干向上
するが、更なる改良が望まれている。又、上記ジェット
気流を用いた衝突式気流粉砕機でトナー原料を粉砕する
と、トナーは微視的に見ると鋭く角張った突起部分をそ
の表面に有していることが知られている。
【0010】これらの突起部分がトナーの流動性を阻害
する場合があり、流動性が悪いと複写機、ファクシミ
リ、レーザービームプリンター等のトナーホッパー中で
のブリッジ、トナー表面の帯電性不均一、或は複写機、
ファクシミリ、レーザービームプリンター等の長時間使
用時の画像濃度低下等の現象が発生することが知られて
おり、この様な現象の一因がトナーの流動性の悪さにあ
ることが知られている。この問題点を解決する手段とし
て、特開昭61−61627号公報及び特開昭63−2
49155号公報に提案されている様に、トナーを粉砕
しながら球形化する方法が知られている。
【0011】しかしながら、これらの方法は、高速回転
するローターとライナー間における衝突により粉砕する
方式であるが、この方法では、粉砕の限界粒子径がジェ
ット気流を利用した衝突式気流粉砕機に較べて大きく、
その為に細かい粉砕粒子径を所望する場合には効率の低
下が著しい。特に重量平均粒子径が9μm以下のトナー
微粉体を得ようとする場合には効率の低下が著しい。そ
の為、粉砕の効率が良好で、且つ品質に優れた静電荷像
現像用トナーの製造方法が望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、上
述のトナーの製法上の問題点を克服したトナーの製造方
法を提供することにある。即ち、本発明の目的は、粉砕
効率の良好なトナーの製造方法を提供し、且つ流動性に
優れたトナーの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
よって達成される。即ち、本発明は、結着樹脂及び着色
剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練し、混練物を
冷却し、冷却物を粉砕手段によって粉砕して粉砕物を
得、得られた粉砕物を気流分級手段で粗粉と細粉とに分
級し、分級された粗粉を衝突式気流粉砕手段により微粉
砕して微粉体を生成し、生成した微粉体から気流分級手
段で微粉を分級し、分級された細粉から静電荷像現像用
トナーを製造する方法において、前記衝突式気流粉砕手
段は、高圧気体により供給された粗粉を搬送し加速する
為の加速管と、粗粉を微粉砕する為の粉砕室とを有し、
加速管の後端部には粗粉を加速管内に供給する為の粗粉
供給口を有し、粉砕室内には、加速管の出口の開口面に
対向して設けた衝突面を有する衝突部材が具備されてお
り、粉砕室は、衝突部材で粉砕された粗粉の粉砕物を衝
突により更に粉砕する為の側壁を有し、側壁と衝突部材
の縁端部との最近接距離11 は、衝突面に対向する粉砕
室前壁と衝突部材の縁端部との最近接距離12 よりも短
く、粉砕室内においては衝突部材の衝突面と側壁におい
て粗粉の粉砕及び粗粉の粉砕物の更なる粉砕を行った
後、第1気流分級手段に循環し、第1気流分級手段で分
級された微粉体に、この微粉砕工程とは別に、該衝突式
気流粉砕手段より比較的低い衝撃を短時間与えた後、第
2分級手段により粒度を調整することを特徴とする静電
荷像現像用トナーの製造方法である。
【0014】
【作用】静電荷像現像用トナーを製造する方法におい
て、衝突式気流粉砕手段を、高圧気体により供給された
粗粉を搬送し加速する為の加速管と、粗粉を微粉砕する
為の粉砕室とを有する様にし、且つ加速管の後端部に粗
粉を加速管内に供給する為の粗粉供給口を設け、粉砕室
内には、加速管の出口の開口面に対向して設けた衝突面
を有する衝突部材が具備させ、粉砕室を、衝突部材で粉
砕された粗粉の粉砕物を衝突により更に粉砕する為の側
壁を有する様にし、側壁と衝突部材の縁端部との最近接
距離11 を、衝突面に対向する粉砕室前壁と衝突部材の
縁端部との最近接距離12 よりも短く、粉砕室内におい
ては衝突部材の衝突面と側壁において粗粉の粉砕及び粗
粉の粉砕物の更なる粉砕を行った後、第1気流分級手段
に循環し、第1気流分級手段で分級された微粉体に、こ
の微粉砕工程とは別に、該衝突式気流粉砕手段より比較
的低い衝撃を短時間与えた後、第2分級手段により粒度
を調整することによって、粉砕効率及び流動性に優れた
トナーを提供することが出来る。
【0015】
【好ましい実施態様】次に好ましい好ましい実施態様を
示す添付図面を参照しながら本発明を更に具体的に説明
する。第1図は、本発明の製造方法の概要を示すフロー
チャートの一例である。本発明において、粉砕原料は、
先ず第1分級手段に供給され、第1分級手段において粗
粉と細粉に分級される。規定内粒度以上の粗粉は衝突式
気流粉砕手段に導入されて粉砕され、粉砕後に第1分級
手段に循環及び導入される。細粉は、低衝撃処理手段に
より処理された後、第2分級手段によって分級され、少
なくとも規定粒度内の粒度を有する中粉体と規定粒度以
下の粒子からなる微粉体とに分級される。分級された中
粉体は、そのままトナーとして使用されるか、又は疎水
性コロイダルシリカの如き添加剤と混合された後にトナ
ーとして使用される。一方、分級された微粉体は、粉砕
原料を生成する為の溶融混練工程に供給して、再利用す
るのが望ましい。
【0016】本発明に用いられる衝突式気流粉砕手段と
して、図2〜図7に示す形式の衝突式気流粉砕機を例示
する。図2において、被粉砕物供給管5より供給された
被粉砕物80は、加速管1の加速管スロート部2の内壁
と、高圧気体噴出ノズル3の外壁との間で形成された被
粉砕物供給口4(スロート部分でもある)から加速管1
へ供給される。高圧気体噴出ノズル3の中心軸と、加速
管1の中心軸とは実質的に同軸上にあることが好まし
い。
【0017】一方、高圧気体は高圧気体供給口6より導
入され、高圧気体チャンバー7を経由して、好ましくは
複数本の高圧気体導入管8を通り、高圧気体噴出ノズル
3より加速管出口9方向に向かって急激に膨張しながら
噴出する。この時、加速管スロート部2の近傍で発生す
るエゼクター効果により、被粉砕物80は、被粉砕物8
0と共存している気体に同伴されながら、被粉砕物供給
口4より加速管出口9方向に向かって加速管スロート部
2において高圧気体と均一に混合されながら急加速さ
れ、加速管出口9に対向した衝突部材10の衝突面16
に、粉塵濃度の偏りがなく均一な固気混合流の状態で衝
突する。衝突時に発生する衝撃力が、十分分散した個々
の粒子(被粉砕物80)に与えられる為、非常に効率の
良い粉砕が実施される。
【0018】衝突部材10の衝突面16にて粉砕された
粉砕物は、更に粉砕室12の側壁14と二次衝突(又は
三次衝突)し、衝突部材10の後方に配設された粉砕物
排出口13より排出される。又、衝突部材10の衝突面
16が、図2に示す如く錐体形状や図11及び図12に
示す如く、衝突面16が錐体状の突起を有する衝突面で
あることが、粉砕室12内における粉砕物の分散を均一
に行い、側壁14との二次衝突を効率良く行う上で好ま
しい。更に、粉砕物排出口13が衝突部材10よりも後
方にある場合も粉砕物の排出を円滑に行うことが出来
る。
【0019】図3は粉砕室の拡大図を示す。図3におい
て、衝突部材10の縁端部15と側壁14との最近接距
離11 は、前壁17と衝突部材10の縁端部15との最
近接距離12 よりも短いことが、加速管出口9の近傍の
粉砕室内の粉体濃度を高くしない為に重要である。更
に、最近接距離11 が最近接距離12 より短いので、側
壁での粉砕物の二次衝突を効率良く行うことが出来る。
又、衝突部材10は、加速管の長軸に対して90°より
も小さい傾きθ1 (より好ましくは55°〜87.5
°、更に好ましくは60°〜85°の傾きθ1 )を有す
る斜面を衝突面として有することが、粉砕物を均一に分
散し且つ側壁14で二次衝突を効率よく行う為には好ま
しい。
【0020】図18に示す如く、衝突面49が加速管4
6に対して、90°の平面状の衝突部材である粉砕機に
比べ、傾斜した衝突面を有する粉砕機は、樹脂や粘着性
のある物質を粉砕する場合、被粉砕物の融着、凝集及び
粗粒化が発生しにくく、高い粉塵濃度での粉砕が可能に
なる。又、摩耗性のある被粉砕物においては、加速管内
壁や衝突部材の衝突面に発生する摩耗が局部的に集中す
ることがなく長寿命化が図れ、安定的な運転が可能にな
る。又、加速管1の長軸方向の傾きは、好ましくは鉛直
方向に対して0〜45°の範囲内であれば、被粉砕物8
0が被粉砕物供給口4で閉塞することなく処理可能であ
る。
【0021】被粉砕物の流動性が良好でないものは、被
粉砕物供給管5の下方にコーン状部材を有する場合に
は、小量ではあるが、コーン状部材の下部に滞留する傾
向があり、加速管1の傾きとしては、鉛直方向に対し
て、0〜20°(より好ましくは0〜5°)範囲内であ
れば、下方コーン状部での被粉砕物の滞留もなく、被粉
砕物をスムーズに加速管に供給し得る。図4は、図2に
おけるA−A´断面図を示す。図4からは被粉砕物80
が加速管1へ円滑に供給されることが理解される。
【0022】加速管中心軸の延長と直角に交わる、加速
管出口9の面と対向する衝突部材10の衝突面16の最
外周端部15との距離12 は、衝突部材10の直径の
0.2倍から2.5倍の範囲が粉砕効率的に好ましく、
0.4倍から1.0倍の範囲内であればより良好であ
る。距離12 が0.2倍未満では、衝突面16近傍の粉
塵濃度が異常に高くなる場合があり、又、2.5倍を超
える場合は衝撃力が弱まり、その結果、粉砕効率が低下
する傾向がある。
【0023】衝突部材10の最外周端部15と側壁14
との最短距離11 は、衝突部材10の直径の0.1倍か
ら2倍の範囲が好ましい。0.1倍未満では、高圧気体
の通過時の圧力損失が大きく、粉砕効率が低下し易く、
粉砕物の流動状態がスムーズにいかない傾向があり、2
倍を超える場合は、粉砕室内壁14での被粉砕物の二次
衝突の効果が減少し、粉砕効率が低下する傾向がみられ
る。
【0024】より具体的には、加速管の長さは50〜5
00mmが好ましく、衝突部材10の直径は30〜30
0mmを有することが好ましい。図5は、図2における
B−B´断面図を示す。図5において、被粉砕物供給口
4を通過する、被粉砕物供給口4の鉛直方向に対する垂
直面内の被粉砕物の粒度分布状態は、加速管1の鉛直方
向に対する傾きが大きい程粒度分布上に偏りがある為、
傾きが小さい程粒度分布はより均一化される。加速管1
の傾きとしては、0〜5°の範囲内が最も良好であるこ
とが、加速管1を透明なアクリル樹脂製の内部観察用加
速管に変えることにより確認された。
【0025】図6は、図2におけるC−C´断面図を示
す。図6において、衝突部材支持体11と側壁14との
間の粉砕室12を通って粉砕物は後方に排出される。図
7は、図2におけるD−D´断面図を示す。図7におい
ては、2本の高圧気体導入管8が設置されているが、場
合により高圧気体導入管8は1本であっても3本以上で
あってもよい。図8〜図10は、本発明の衝突式気流粉
砕機の他の具体例を示す概略図である。図8において、
図2と同一の番号は同一部材を示す。
【0026】図8に示す衝突式気流粉砕機において、鉛
直線を基準にして、加速管1の長軸方向の傾きが好まし
くは0〜45°(より好ましくは0〜20°、更に好ま
しくは0〜5°)となる様に設置された被粉砕物供給口
20より加速管スロート部4を通過して被粉砕物80は
加速管1に供給される。加速管1には圧縮空気の如き圧
縮気体が該スロート部内壁と該被粉砕物供給口外壁から
導入されており、加速管1に供給された被粉砕物80は
瞬時に加速されて高速度を有する様になる。そして、高
速度で加速管出口9から粉砕室12に噴出された被粉砕
物80は、衝突部材10の衝突面16に衝突して粉砕さ
れる。
【0027】被粉砕物80を加速管1のスロート4の中
央部から投入し、加速管1内の被粉砕物80を分散し、
加速管出口9から被粉砕物80を均一に噴出させ、対向
する衝突部材10の衝突面16に効率よく衝突させるこ
とで、粉砕効率を従来より向上させることが出来る。
又、衝突部材10の衝突面16が、図8に示す様な錐体
形状や図11及び図12に示す様な、衝突面上に円錐状
の突起を有した形状であると、衝突後の分散も良好とな
り、被粉砕物の融着、凝集及び粗粒化が発生せず、高粉
塵濃度での粉砕が可能であり、又、摩耗性のある被粉砕
物においては、加速管内壁や衝突部材の衝突面に発生す
る摩耗が局部的に集中することがなく長寿命化が図れ、
従って安定的な運転が可能になる。
【0028】図9は、図8におけるG−G´断面図を示
す。被粉砕物供給ノズル20から被粉砕物80が加速管
1に供給され、スロート部4を通って高圧気体が加速管
1に供給される。図10は、図8におけるH−H´断面
図を示す。図2に示す粉砕機と同様に、加速管1の長軸
方向の傾きは0〜45°の範囲内であれば、被粉砕物8
0が、被粉砕物供給口20で閉塞することなく処理する
ことが出来るが、被粉砕物80の流動性が良好でないも
のは、被粉砕物供給管5の下部で滞留する傾向があり、
加速管1の傾きとしては、0〜20°(更に好ましく
は、0〜5°)の範囲であれば、被粉砕物80の滞留も
なく、被粉砕物80がスムーズに加速管1内に供給され
る。
【0029】図2に示す粉砕機と、図8に示す粉砕機と
を比較した場合、図2に示す粉砕機の方が、被粉砕物8
0が加速管内に良好に分散されて供給されるので粉砕効
率が良好であった。この様な衝突式気流粉砕手段で粉砕
することにより、粉砕機での粉砕能力及び粉砕効率は、
著しく向上する。特に、所望の粒子径が小さい程この効
果は顕著になる。特に重量平均粒子径9μm以下のトナ
ー微粉体を製造する場合に有効である。
【0030】本発明に用いられる第1分級手段として
は、公知の気流分級機が用いられる。有効な気流分級機
としては、例えば、日本ニューマチック工業社製DS型
分級機、ホソカワミクロン社製ミクロンセパレター、日
清エンジニアリング社製ターボクラシフアイアー、日本
ドナルドソン社製ドナセレック等が挙げられる。又、低
衝撃処理手段としては、回転するローター、ブレード又
はハンマーとそれに相対峙するライナーとの間で衝撃を
与えるか、又は多数の回転ピン間で衝撃を与える様な方
法を例示し得る。
【0031】図13は、ローターとーライナーの組み合
わせによる低衝撃処理装置の概略断面図である。図中3
1は回転軸、32はケーシング、33はライナー、34
は送風羽根、35はローター(ブレード付き)、36は
出口、37は製品取出口、38はリターン路、39は原
料投入口、40は入口、41はジャケット、42はリタ
ーン閉鎖弁である。回転するローターの先端部の周速は
50〜200m/sec、好ましくは70〜150m/
secであり、又、処理温度は、処理原料のガラス転移
点−5℃からガラス転移点−30℃の温度範囲での処理
が望ましい。処理温度が高過ぎると装置内で被粉砕物が
溶融してしまい、低過ぎると粉砕処理が不充分となり好
ましくない。斯かる温度範囲にコントロールする為に、
ジャケット構造として冷却或は加熱を行う。又は投入す
る処理原料と共に冷風或は熱風を導入して温度をコント
ロールしてもよい。
【0032】図14は図13に示した低衝撃処理装置の
ライナー33と回転するローター35の位置関係を示し
た図である。ライナーとローターの間隔とはライナーの
内周への突出部の先端を結んで得られる円周とローター
の突出部の軌跡の2つの円周の半径の差を言う。このロ
ーターの代わりにブレードやハンマーでも同様である。
ローター、ブレード又はハンマーとライナーとの間隔
は、0.5〜10mm程度、好ましくは0.5〜3mm
のものでよい結果が得られている。
【0033】図15は別のタイプの低衝撃処理装置の概
略断面図である。該装置は、円筒状のケーシング51と
このケーシング51内にケーシング軸と同軸に配置され
てローター52とを備えている。ローター52には複数
のブレード53が設けられている。ライナー54とロー
ターブレード53との間には適度の広さ(0.5〜10
mm、好ましくは0.5〜3mmの間隙)の空間が存在
し処理領域55を形成している。ケーシング51の上流
側には、トナー処理物56及び流入空気57の投入口5
8が設けられている。この投入口58の下部には渦巻室
59が設けられている。この渦巻室59近傍のローター
ブレード53には投入処理物56及び/又は流入空気5
7を処理領域55内に均等に分配する為のディストリビ
ューター60が適宜設けられている。
【0034】ケーシング51の下流側には排出口61が
設けられ、例えば、系外のサイクロン捕集機或はバグフ
ィルター等に接続されている。上記第15図の装置にお
いて、高速回転するローターブレード53の周速及び処
理温度は、図13の装置と同様の範囲で行うことが好ま
しい。図13及び図15の装置での低衝撃処理におい
て、処理は一過性で行ってもよいし、又、滞留時間をコ
ントロール出来るリサイクルで行ってもよい。これは、
処理原料の物性及び処理の度合いにより適宜設定すれば
よいが、生産性を考慮すると、出来るだけ一過性で行え
る様に条件設定をすることが好ましい。この様な装置と
しては、川崎重工業(株)製「クリプトロン」やターボ
工業社製の「ターボミル」等が採用され得る。
【0035】本発明の低衝撃処理の目的は、粒子の球形
化ではなく表面特性の改質であるので、装置内における
粒子の滞留時間は極めて短く、その時間は、夫々のトナ
ー処理原料の性質及びローターの周速によって異なる
が、例えば、周速200m/secで0.01秒〜2秒
であり、条件により0.01〜3分程度の間で選択す
る。従って、形状やトナーの表面への影響も少なく、粉
砕時にトナーの短径と長径の比が0.60〜0.70の
ものが、処理後に0.65〜0.85程度に変化する程
度である。処理後のトナー表面の状態を走査型電子顕微
鏡で観察すると、処理前に比較して形状に大きな変化は
見えないが、角張った突起部分が減少しているのが認め
られる。
【0036】この低衝撃処理時間(滞留時間)を前述の
時間より長くしすぎるとトナーの球形化が促進され、ト
ナー消費量の増加やクリーニング性の低下に伴うカブリ
の増加等の現象が強くなり、逆に短すぎると表面特性の
改質の効果が弱くなり、流動性が悪くなると言う傾向が
見られる。本発明に用いられる第2分級手段としては前
述の公知の気流分級機が使用される。特に好ましく用い
られるのは、例えば、図16(断面図)に示す多分割分
級機を具体例の1つとして例示し得る。
【0037】図16において、側壁は122及び124
で示される形状を有し、下部壁は125で示される形状
を有し、下部壁123と下部壁125には夫々ナイフエ
ッヂ型の分級エッヂ117及び118を具備し、この分
級エッヂ117及び118により、分級ゾーンは3分画
されている。側壁122の下の部分に分級室に開口する
原料供給ノズル116を設け、該ノズルの底部接線の延
長方向に対して下方に折れ曲がって長楕円弧を描いたコ
アンダブロック126を設ける。分級室上部壁127
は、分級室下部方向にナイフエッヂ型の入気エッヂ11
9を具備し、更に分級室上部には分級室に開口する入気
管114及び115を設けてある。入気管114及び1
15にはダンパの如き第1気体導入調節手段120、第
2気体導入調節手段121及び静圧計128及び129
を設けてある。分級エッヂ117及び118、及び入気
エッヂ119の位置は、細粉の種類により、又、所望の
粒径により異なる。分級室底面には夫々の分画域に対応
させて、室内に開口する排出口111、112及び11
3を設けてある。排出口111、112及び113に
は、夫々バルブ手段の如き開閉手段を設けてもよい。
【0038】細粉供給ノズル116は直角筒部と角錐筒
部とから成り、直角筒部の内径と角錐筒部の最も狭まっ
た箇所の内径の比を20:1〜1:1に設定すると、良
好な導入速度が得られる。以上の様に構成してなる多分
割分級域における分級操作は、例えば、次の様にして行
う。排出口111、112及び113の少なくとも1つ
を介して分級域内を減圧し、分級域内に開口する原料供
給ノズル116中を該減圧によって流動する気流によっ
て流速50〜300m/秒の速度で細粉を細粉供給ノズ
ル116を介して分級域に供給する。
【0039】流速50m/秒未満の速度で細粉を分級域
に供給すると、細粉の凝集を充分にほぐすことが出来に
くく、分級収率及び分級精度の低下を引き起こし易い。
流速300m/秒を超える速度で細粉を分級域に供給す
ると、粒子同士の衝突により粒子が粉砕され易く、微粒
子を生成し易い為に分級収率の低下を引き起こす傾向が
ある。
【0040】供給された細粉はコアンダ効果によりコア
ンダブロック126の作用と、その際流入する空気の如
き気体の作用とにより湾曲線130を描いて移動し、夫
々の粒径の大小及び重量の大小に応じて分級される。粒
子の比重が同一であるとすると、大きい粒子(粗粉体)
は気流の外側(即ち分級エッヂ118の左側の第1分画
域)に分級され、中粉体(規定内の粒径の粒子)は分級
エッヂ118と117の間の第2分画域に分級され、微
粉体(規定粒径以下の粒子)は分級エッヂ117の右側
の第3分画域に分級される。分級された粗粉体は排出口
111より排出され、中粉体は排出口112より排出さ
れ、微粉体は排出口113より夫々排出される。
【0041】分級域への細粉の導入については、サイク
ロンの吸引力を利用して吸引導入する方法、細粉供給ノ
ズルにインジェクションの如きエアー搬送手段を設け、
サイクロンからの吸引力とインジェクションからの圧縮
空気の力により導入する方法、或は加圧式導入等があ
る。吸引導入或はインジェクションの如きエアー搬送手
段を用いた導入方法の方が、装置システムのシール性が
加圧式導入よりも要求されないので好ましい。
【0042】第2分級機である多分割分級機としては、
日鉄鉱業社製エルボージェットの如きコアンダブロック
を有し、コアンダ効果を利用した分級手段が挙げられ
る。多分割分級機101の分級域を構成する大きさは通
常[10〜50cm]×[10〜50cm]なので、細
粉は0.1〜0.01秒以下の瞬時に3種以上の粒子群
に分級し得る。多分割分級機101が3分画されている
場合、多分割分級機101により、細粉は粗粉体(規定
粒径以上の粒子)、中粉体(規定内の粒子径の粒子)及
び微粉体(規定粒径以下の粒子)に分割される。
【0043】その後、粗粉体は排出導管111を通っ
て、捕集サイクロン(図示なし)を介して捕集される。
捕集された粗粉体は、粉砕工程に戻して再度粉砕に処す
のが生産効率向上のうえで好ましい。中粉体は、排出導
管112を介して系外に排出され捕集サイクロンで捕集
されトナー製品となるべく回収される。微粉体は、排出
導管113を介して系外に排出され捕集サイクロンで捕
集され、次いで規定外粒径の微小粉として回収される。
捕集サイクロンは細粉をノズル116を介して分級域に
吸引導入する為の吸引減圧手段としての働きもしてい
る。回収された微粉体は、粉砕原料を生成する為の溶融
混練工程に供給して再利用するのが望ましい。
【0044】本発明において、図1のフローチャートに
示す粉砕工程はこれに限定されるものではなく、例え
ば、粉砕手段が1つに対して第1分級手段が2つ或は粉
砕手段、第1分級手段が各々2つ以上であってもよい。
どういう組み合わせで粉砕工程を構成するかは、所望の
粒径やトナー粒子の構成材料等により適宜設定すればよ
い。この場合、粉砕工程に戻される粗粉体をどの場所に
戻すかは、適宜設定すればよい。第2分級手段としての
多分割分級機は、図16に示す形状に限定されるもので
はなく、粉砕原料の粒子径、所望の中粉体の粒子径及び
粉体の真比重等により最適な形状のものを採用すればよ
い。
【0045】本発明のトナーの製造方法は、静電荷像を
現像する為に使用されるトナー粒子の生成に好ましく使
用することが出来る。静電荷像現像用トナーを作製する
には、着色剤又は磁性粉及びビニル系や非ビニル系の熱
可塑性樹脂、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤
等をヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機に
より充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクスト
ルーダーの如き熱混練機を用いて熔融、捏和及び練肉し
て樹脂類を互いに相溶せしめた中に顔料又は染料を分散
又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナ
ーを得ることが出来る。粉砕工程及び分級工程で本発明
の製造方法が使用される。
【0046】次にトナーの構成材料について説明する。
トナーに使用される結着樹脂としては、オイルを塗布す
る装置を有する加熱加圧定着装置又は加熱加圧ローラ定
着装置を使用する場合には、下記トナー用結着樹脂の使
用が可能である。
【0047】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置
換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合
体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビ
ニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天
然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル
樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、
エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、
テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が
使用出来る。
【0048】オイルを殆ど塗布しないか又は全く塗布し
ない加熱加圧定着方式又は加熱加圧ローラ定着方式にお
いては、トナー像支持体部材上のトナー像の一部がロー
ラに転移するいわゆるオフセット現象、及びトナー像支
持部材に対するトナーの密着性が重要な問題である。よ
り少ない熱エネルギーで定着するトナーは、通常保存中
若しくは現像器中でブロッキング若しくはケーキングし
易い性質があるので、同時にこれらの問題も考慮しなけ
ればならない。これらの現象には、トナー中の結着樹脂
の物性が最も大きく関与しているが、本発明者らの研究
によれば、トナー中の磁性体の含有量を減らすと、定着
時にトナー像支持体に対するトナーの密着性は良くなる
が、オフセットが起こり易くなり、又、ブロッキング若
しくはケーキングも生じ易くなる。それ故、本発明にお
いてオイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定着方式を
用いる時には、結着樹脂の選択がより重要である。好ま
しい結着物質としては、架橋されたスチレン系共重合体
若しくは架橋されたポリエステルがある。
【0049】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリニトリル、アクリルアミド等の様な二重
結合を有するモノカルボン酸若しくはその置換体;例え
ば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジメチル等の様な二重結合を有するジカ
ルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、安息香酸ビニル等の様なビニルエステル類;例え
ば、エチレン、プロピレン、ブチレン等の様なエチレン
系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニル
ヘキシルケトン等の様なビニルケトン類;例えば、ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテル等の様なビニルエーテル類;等のビニル
単量体が単独若しくは2つ以上用いられる。
【0050】ここで架橋剤としては主として2個以上の
重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の様な芳
香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等の様な二重
結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリ
ン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニル
スルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基
を有する化合物;が単独若しくは混合物として用いられ
る。
【0050】ここで架橋剤としては主として2個以上の
重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の様な芳香
族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,
3−ブタンジオールジメタクリレート等の様な二重結合
を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、
ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスル
ホン等んもジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を
有する化合物;が単独若しくは混合物として用いられ
る。
【0051】又、加圧定着方式又は軽加熱加圧定着方式
を用いる場合には、圧力定着トナー用結着樹脂の使用が
可能であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、アイオノマー樹脂、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエ
ステル、パラフイン等がある。
【0052】又、トナーには、荷電制御剤をトナー粒子
に配合して用いることが好ましいが、荷電制御剤によっ
て、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが
可能となり、特に本発明では粒度分布と荷電とのバラン
スを更に安定したものとすることが可能であり、荷電制
御剤を用いることで先に述べたところの粒径範囲毎によ
る高画質化の為の機能分離及び相互補完性をより明確に
することが出来る。正荷電制御剤としては、ニグロシン
及び脂肪酸金属塩による変性物:トリブチルベンジルア
ンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸
塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート
等の四級アンモニウム塩;を単独で或は2種類以上組み
合わせて用いることが出来る。これらの中でも、ニグロ
シン系化合物や四級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が
特に好ましく使用される。
【0053】又、下記一般式
【化1】 (上記式中のR1 はH又はCH3 であり、R2 又はR3
は置換又は未置換のアルキル基(好ましくはC1 〜C
4 ))で表されるモノマーの単重合体又は前述した様な
スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル
等の重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤とし
て用いることが出来、この場合にはこれらの荷電制御剤
は結着樹脂(の全部又は一部)としての作用をも有す
る。
【0054】負帯電性制御剤としては、例えば、有機金
属錯体やキレート化合物が有効であり、その例としては
アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチ
ルアセトンナート、3,5−ジターシャリーブチルサリ
チル酸クロム又は亜鉛等があり、特にアセチルアセトン
金属錯体又は塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体
又はサリチル酸系金属塩が好ましい。上述した荷電制御
剤(結着樹脂としての作用を有しないもの)は、微粒子
状として用いることが好ましい。この場合にはこの荷電
制御剤の個数平均粒径は、具体的には4μm以下(更に
は好ましくは3μm以下)が好ましい。
【0055】トナーに内添する際、この様な荷電制御剤
は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部
(更には好ましくは0.2〜10重量部)用いることが
好ましい。トナーが磁性トナーの場合には、磁性トナー
中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、γ−酸
化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;
鉄、コバルト、ニッケルの様な金属或はこれらの金属と
アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、
亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウ
ム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングス
テン、バナジウムの様な金属との合金及びその混合物等
が挙げられる。
【0056】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜1
μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが望ま
しく、磁性トナー中に含有される量としては樹脂成分1
00重量部に対して60〜110重量部、好ましくは樹
脂成分100重量部に対して65〜100重量部であ
る。
【0057】トナーに使用される着色剤としては、従来
より知られている染料及び/又は顔料が使用可能であ
る。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブル
ー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレ
ッド、ローダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマネン
トイエロー、ベンジジンイエロー等を使用することが出
来る。その含有量としては、結着樹脂100重量部に対
して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜20重量
部、更にトナー像を定着したOHPフイルムの透過性を
良くする為には12重量部以下が好ましく、更に好まし
くは0.5〜9重量部である。
【0058】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。 実施例1 ・スチレン−ブチルアクリレート−ジビニルベンゼン共重合体(モノマー重合 重量比80.0/19.0/1.0、重量平均分子量Mw35万) 100重量部 ・磁性酸化鉄(平均粒径0.18μm) 100重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 4重量部
【0059】上記処方の材料をヘンシェルミキサー(F
M−75型、三井三池化工機(株)製)で良く混合した
後、温度150℃に設定した2軸混練機(PCM−30
型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物
を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、ト
ナー製造用の粗粉物を得た。得られたトナー粉砕原料を
図1に示す製造方法で、粉砕低衝撃処理及び分級を行な
った。
【0060】衝突式気流粉砕機は図2に示す構成の装置
を用い、鉛直線を基準とした加速管の長軸方向の傾き
(以下、加速管傾きとする)が約0°(即ち、実質的に
鉛直に設置)であり、衝突部材は衝突面が頂角の160
°の円錐形状で外径(直径)100mmのものを使用
し、加速管中心軸と直角に交わる加速管出口面と対向す
る衝突部材の衝突面の最外周端部との最短距離12 は5
0mmであり、粉砕室の形状は内径150mmの円筒状
粉砕室を用いた。従って最短距離11 は25mmであ
る。第1分級機は、強制渦型の気流分級機を用いた。
【0061】テーブル式の定量供給機にて粉砕原料を3
6.0Kg/hの割合でインジェクションフィーダーに
て、気流分級機に供給し分級された粗粉は該衝突式気流
粉砕機の被粉砕物供給管5より供給され、圧力6.0K
g/cm2 (G)、6.0Nm3 /minの圧縮空気
を用いて粉砕された後、原料導入部にて供給されている
トナー粉砕原料と混合されながら、再び該気流分級機に
循環し、閉回路粉砕を行い分級された細粉を得た。尚、
この時の細粉の重量平均径は9.0μmであり、16.
0μm以上の粒子が実質的に含まれていないシャープな
粒度分布を有していた。トナーの粒度分布は種々の方法
によって測定出来るが、本実施例ではコールターカウン
ターを用いて行った。
【0062】測定装置としてコールターカウンターTA
−II型(コールター社製)を用い、個数分布及び体積
分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX
−1パーソルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電
解液は1級塩化ナトリウムを用いて1重量%NaCl水
溶液を調製する。測定法としては前記電解水溶液100
〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは
アルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、
更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電
解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前
記コールターカウンターTA−II形により、アパチャ
ーとして100μmアパチャーを用いて、個数を基準と
して2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、それか
ら重量平均粒径及び個数平均径等の値を求めた。
【0063】この得られた細粉を図13に示す低衝撃処
理装置にて、ローターの回転速度が130m/sec、
ライナーとローターのクリアランスが2mm、装置の出
口側温度が40℃に制御された条件下で処理を行った。
処理後のトナーを走査型電子顕微鏡(日立製作所S−8
00形)で観察したところ、処理前に較べ形状に大きな
変化は見られなかったが、角張った部分が減少している
のが確認された。尚、処理後の重量平均径は8.8μm
であった。
【0064】この処理された細粉を、図16に示す多分
割分級機で分級した。多分割分級機への導入に際して
は、排出口111、112及び113に連通している捕
集サイクロンの吸引減圧による系内の減圧から発生する
吸引力と原料供給ノズル116に取り付けたインジェク
ションからの圧縮空気を利用した。
【0065】導入された細粉は0.01秒以下の瞬時に
分級された。分級された粗粉体は捕集サイクロンで捕集
した後、前記粉砕機に再度導入した。分級された中粉体
は重量平均粒径が8.3μm(粒径4.0μm以下の粒
子を0.8体積%含有し、粒径12.7μm以上の粒子
を1.0体積%含有する)のシャープな分布を有してお
り、トナー用として優れた性能を有していた。尚、分級
された微粉体は混練工程に戻し再利用した。この時、投
入された粉砕原料の全量に対する最終的に得られた中粉
体との比率(即ち、分級収率)は87重量%であった。
最終的に得られた中粉体を光学顕微鏡で観察し、短径と
長径の比を測定したところ0.75であった。
【0066】実施例2 実施例1と同様のトナー粉砕原料を用いて、同様の製造
装置で粉砕、低衝撃処理及び分級を行った。即ち、図2
の衝突式気流粉砕機に、26.0Kg/hの割合で粉砕
原料を供給し、重量平均粒径7.0μmの細粉を得た。
この細粉を図13に示す低衝撃装置にて、ローターの回
転速度が130m/sec 、ライナーとローターのク
リアランスが1mm、装置の出口側温度45°で処理し
た。処理後のトナーを走査型電子顕微鏡(日立製作所S
−800形)で観察したところ、処理前に較べて形状に
大きな変化は見られなかったが、角張った部分が減少し
ているのが確認された。
【0067】尚、処理後の重量平均径は6.8μmであ
った。この処理された細粉を図16の多分割分級機に導
入し分級された中粉体として、重量平均粒径が6.5μ
m(粒径4.0μm以下の粒子を3.0体積%含有し、
粒径10.08μm以上の粒子を1.0体積%含有す
る)のシャープな分布を有するトナーを分級収率84重
量%で得た。尚、分級された粗粉は粉砕工程に循環し、
微粉は混練工程に戻して再利用した。この中粉体を光学
顕微鏡で観察し、短径と長径の比を測定したところ0.
80であった。
【0068】実施例3 実施例1と同様にして得た重量平均粒径9.0μmの細
粉を図15に示す低衝撃処理装置にて、ローターブレー
ドの回転速度が110m/sec、ライナーとローター
ブレードのクリアランス2mm及び装置の出口側温度4
0°の条件下で処理を行った。処理後のトナーを走査型
電子顕微鏡(日立製作所S−800形)で観察したとこ
ろ、処理前に較べ形状に大きな変化は見られなかった
が、角張った部分が減少しているのが確認された。
【0069】尚、処理後の重量平均径は8.9μmであ
った。この処理された細粉を実施例1と同様に多分割分
級機で分級し、分級された中粉体は重量平均粒径が8.
3μmのシャープな分布を有しており、トナーとして優
れた性能を有していた。尚、この時の分級収率は86重
量%であり、得られた中粉体を光学顕微鏡で観察し、短
径と長径の比を測定したところ0.73であった。
【0070】実施例4 実施例1と同様のトナー粉砕原料を図1に示す製造方法
で粉砕、低衝撃処理及び分級を行った。衝突式気流粉砕
機は、図8に示す構成のものを用い、加速管の傾きは約
0°、衝突部材は衝突面が頂角160°の円錐形状で外
径100mmの円柱状のものを使用し、衝突板距離12
は50mmであり、粉砕室形状は内径150mmの円筒
状粉砕室を用いた。最短距離11 は25mmであった。
又、第1分級機、低衝撃処理装置及び多分割分級装置は
実施例1と同様の装置を用いた。
【0071】粉砕原料を26.Kg/hの割合で衝突式
気流粉砕機に供給し、重量平均粒径9.0μmの細粉を
図13に示す低衝撃処理装置にて、ローターの回転速度
が130m/sec、ライナーとローターのクリアラン
スが2mm及び装置の出口側温度が40°に制御された
条件下で処理を行った。処理後のトナーを走査型電子顕
微鏡(日立製作所S−800形)で観察したところ、処
理前に較べ形状に大きな変化は見られなかったが、角張
った部分が減少しているのが確認された。
【0072】尚、処理後の重量平均径は8.8μmであ
った。この処理された細粉を図16の多分割分級機に導
入し、分級された中粉体として重量平均粒径が8.4μ
m(粒径4.0μm以下の粒子を0.9体積%含有し、
粒径12.7μm以上の粒子を1.2体積%含有する)
のシャープな分布を有するトナーを分級収率86重量%
で得た。最終的に得られた中粉体を光学顕微鏡で観察
し、短径と長径の比を測定したところ0.75であっ
た。
【0073】比較例1 実施例1と同様のトナー粉砕原料を用いて、図17に示
す製造方法で粉砕及び分級を行った。衝突式気流粉砕機
として図18に示した粉砕機(圧力6.0Kg/cm2
(G)、6.0Nm3 /minの圧縮空気使用)を使用
し、第1分級手段及び第2分級手段として、ディスパー
ジョンセパレーターDS5UR(日本ニューマチック工
業社製)を使用した。粉砕原料を15.0Kg/hの割
合で供給し、重量平均径7.8μmの細粉を得た。この
細粉を走査型電子顕微鏡(日立製作所S−800形)で
観察したとろ、角張った突起部分が多く見受けられた。
【0074】この細粉を第2分級手段であるDS−5U
Rに15.0Kg/hの割合で供給し、重量平均粒径
8.4μm(粒径4.0μm以下の粒子を2.0体積%
含有し、粒径12.7μm以上の粒子を3.2体積%含
有する)のややブロードな粒度分布を有する中粉体を分
級収率68重量%で得た。最終的に得られた中粉体を光
学顕微鏡で観察し、短径と長径の比を測定したところ
0.65であった。実施例1の場合に比較し、粉砕処理
量及び分級収率が劣っており、又、トナーの表面状態が
鋭利な突起部分を有していた。
【0075】比較例2 実施例1と同様のトナー粉砕原料を用いて、図17に示
す製造方法で粉砕及び分級を行った。衝突式気流粉砕機
として図18に示した粉砕機(圧力6.0Kg/cm2
(G)、6.0Nm3 /minの圧縮空気使用)を使用
し、第1分級手段及び第2分級手段として、ディスパー
ジョンセパレーターDS5UR(日本ニューマチック工
業社製)を使用した。粉砕原料を8.0Kg/hの割合
で供給し、重量平均径6.4μmの細粉を得た。この細
粉を走査型電子顕微鏡(日立製作所S−800形)で観
察したとろ、角張った突起部分が多く見受けられた。
【0076】この細粉を第2分級手段であるDS−5U
Rに8.0Kg/hの割合で供給し、重量平均粒径8.
4μm(粒径4.0μm以下の粒子を2.0体積%含有
し、粒径12.7μm以上の粒子を3.2体積%含有す
る)のややブロードな粒度分布を有する中粉体を分級収
率68重量%で得た。最終的に得られた中粉体を光学顕
微鏡で観察し、短径と長径の比を測定したところ、0.
65であった。実施例1の場合に比較し、粉砕処理量及
び分級収率が劣っており、又、トナーの表面状態が鋭利
な突起部分を有していた。
【0077】実施例5 ・不飽和ポリエステル樹脂 100重量部 ・銅フタロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue 15) 4.5重量部 ・荷電制御剤(サリチル酸クロム錯体) 4.0重量部 上記処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、
三井三池化工機(株)製)で良く混合した後、温度10
0℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工
(株)製)にて混練分散を行った。得られた混練物を冷
却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー
製造用の粗粉物を得た。得られたトナー粉砕原料を図1
に示す製造方法で、粉砕低衝撃処理及び分級を行なっ
た。
【0078】衝突式気流粉砕機は図2に示す構成の装置
を用い、鉛直線を基準とした加速管の長軸方向の傾きが
約0°(即ち、実質的に鉛直に設置)であり、衝突部材
は衝突面が頂角の160°の円錐形状で外径(直径)1
00mmのものを使用し、加速管中心軸と直角に交わる
加速管出口面と対向する衝突部材の衝突面の最外周端部
との最短距離12 は50mmであり、粉砕室の形状は内
径150mmの円筒状粉砕室を用いた。従って、最短距
離11 は25mmである。第1分級機は、強制渦型の気
流分級機を用いた。
【0079】テーブル式の定量供給機にて粉砕原料を3
4.0Kg/hの割合でインジェクションフィーダーに
て、気流分級機に供給し分級された粗粉は該衝突式気流
粉砕機の被粉砕物供給管5より供給され、圧力6.0K
g/cm2 (G)及び6.0N m3 /minの圧縮空
気を用いて、粉砕した後、原料導入部にて供給されてい
るトナー粉砕原料と混合しながら、再び該気流分級機に
循環し、閉回路粉砕を行い分級された細粉を得た。尚、
この時の細粉の重量平均径は8.0μmであった。この
得られた細粉を図13に示す低衝撃処理装置にて、ロー
ターの回転速度が130m/sec、ライナーとロータ
ーのクリアランスが2mm及び装置の出口側温度が40
°に制御された条件下で処理を行った。
【0080】処理後のトナーを走査型電子顕微鏡(日立
製作所S−800形)で観察したところ、処理前に較べ
形状に大きな変化は見られなかったが、角張った部分が
減少しているのが確認された。尚、処理後の重量平均径
は7.8μmであった。この処理された細粉を、図16
に示す多分割分級機で分級した。多分割分級機への導入
に際しては、排出口111、112、113に連通して
いる捕集サイクロンの吸引減圧による系内の減圧から発
生する吸引力と原料供給ノズル116に取り付けたイン
ジェクションからの圧縮空気を利用した。
【0081】導入された細粉は0.01秒以下の瞬時に
分級された。分級された粗粉体は捕集サイクロンで捕集
した後、前記粉砕機に再度導入した。分級された中粉体
は重量平均粒径が8.2μm(粒径4.0μm以下の粒
子を0.6体積%含有し、粒径12.7μm以上の粒子
を1.5体積%含有する)のシャープな分布を有してお
り、トナー用として優れた性能を有していた。尚、分級
された微粉体は混練工程に戻して再利用した。この時、
投入された粉砕原料の全量に対する最終的に得られた中
粉体との比率(即ち、分級収率)は80重量%であっ
た。最終的に得られた中粉体を光学顕微鏡で観察し、短
径と長径の比を測定したところ0.75であった。
【0082】比較例3 実施例5におけると同様のトナー粉砕原料を用いて、図
17に示す製造方法で粉砕及び分級を行った。衝突式気
流粉砕機として図18に示した粉砕機(圧力6.0Kg
/cm2 (G)、6.0Nm3 /minの圧縮空気を使
用)を使用し、第1分級手段及び第2分級手段として、
ディスパージョンセパレーターDS5UR(日本ニュー
マチック工業社製)を使用した。粉砕原料を18Kg/
hの割合で供給し、重量平均径7.5μmの細粉を得
た。この細粉を走査型電子顕微鏡(日立製作所S−80
0形)で観察したとろ、角張った突起部分が多く見受け
られた。
【0083】この細粉を第2分級手段であるDS−5U
Rに18.0Kg/hの割合で供給し、重量平均粒径
8.0μm(粒径4.0μm以下の粒子を1.5体積%
含有し、粒径12.7μm以上の粒子を3.3体積%含
有する)のややブロードな粒度分布を有する中粉体を分
級収率62重量%で得た。最終的に得られた中粉体を光
学顕微鏡で観察し、短径と長径の比を測定したところ
0.65であった。実施例1に比較し、粉砕処理量及び
分級収率が劣っており、又、トナーの表面状態が鋭利な
突起部分を有していた。
【0084】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用トナーの製造方
法は、高衝撃の粉砕効率の良好な特定のジェットミルに
より、粒子径の小さいトナーを効率良く製造することが
出来、且つ低衝撃処理工程により、流動性に優れた良品
質のトナーを得ることが出来る。又、トナーの製造工程
におけるトナー粉砕物の融着、凝集及び粗粒化の発生を
防止し、トナー成分による装置的摩耗を防ぎ、連続して
安定した生産が行える利点がある。又、本発明のトナー
製造方法を用いることにより、従来法に比べ、画像濃度
が安定して高く、耐久性が良く、カブリ及びクリーニン
グ不良等の画像欠陥のない優れた所定の粒度を有する静
電荷像現像用トナーが低コストで得られる。特に重量平
均粒径が9μm以下のトナーを効果的に得ることが出来
ると云う利点がある。
【0085】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明する為のフローチャー
トである。
【図2】本発明の製造方法を実施する為の衝突式気流粉
砕手段の一具体例の概略断面図である。
【図3】図2における粉砕室の拡大図である。
【図4】図2におけるA−A´断面図である。
【図5】図2におけるB−B´断面図である。
【図6】図2におけるC−C´断面図である。
【0086】
【図7】図2におけるD−D´断面図である。
【図8】本発明の製造方法を実施する為の衝突式気流粉
砕手段の他の具体例を示す概略断面図である。
【図9】図8におけるG−G´断面図である。
【図10】図8におけるH−H´断面図である。
【図11】中央部に突起を有する円錐衝突部材の正面図
である。
【図12】中央部に突起を有する円錐衝突部材の平面図
である。
【0087】
【図13】本発明の製造方法を実施する為の低衝撃処理
装置の具体例を示す概略断面図である。
【図14】図13の装置のライナーとローターの位置関
係を示した図である。
【図15】本発明の製造方法を実施する為の低衝撃処理
装置の他の具体例を示す概略断面図である。
【図16】本発明に用いられる分級装置の一具体例の断
面図を示す。
【図17】従来の製造方法を説明する為のフローチャー
ト図を示す。
【図18】従来の製造方法に用いられる衝突式気流粉砕
手段の概略断面図を示す。
【0088】
【符号の説明】
1:加速管 2:加速管スロート部 3:高圧気体噴出ノズル 4:被粉砕物供給口 5:被粉砕物供給管 6:高圧気体供給口 7:高圧気体チャンバー 8:高圧気体導入管 9:加速管出口
【0089】10:衝突部材 11:衝突部材支持体 12:粉砕室 13:粉砕物排出口 14:側壁 15:衝突部材の縁端部 16:衝突面 17:前壁 20:被粉砕物供給口 21:高圧気体供給口 22:高圧気体チャンバー
【0090】31:回転軸 32:ケーシング 33:ライナー 34:送風羽根 35:ローター 36:出口 37:製品取出口 38:リターン路 39:原料投入口 40:入口 41:ジャケット 42:リターン閉鎖弁
【0091】48:被粉砕物供給口 49:衝突面 50:出口 51:ケーシング 52:ローター 53:ブレード 54:ライナー 55:処理領域 56:投入原料 57:流入空気 58:投入口
【0092】59:渦巻室 60:ディストリビューター 61:排出口 80:被粉砕物 111:排出口 112:排出口 113:排出口 114:入気管 115:入気管 116:原料供給ノズル 117:分級エッジ
【0093】118:分級エッジ 119:入気エッジ 120:第1気体導入調節手段 121:第2気体導入調節手段 122:側壁 123:下部壁 124:側壁 125:下部壁 126:コアンダブロック 127:上部壁 128:静圧計 129:静圧計 130:粒子の軌跡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三ッ村 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有す
    る混合物を溶融混練し、混練物を冷却し、冷却物を粉砕
    手段によって粉砕して粉砕物を得、得られた粉砕物を気
    流分級手段で粗粉と細粉とに分級し、分級された粗粉を
    衝突式気流粉砕手段により微粉砕して微粉体を生成し、
    生成した微粉体から気流分級手段で微粉を分級し、分級
    された細粉から静電荷像現像用トナーを製造する方法に
    おいて、 前記衝突式気流粉砕手段は、高圧気体により供給された
    粗粉を搬送し加速する為の加速管と、粗粉を微粉砕する
    為の粉砕室とを有し、加速管の後端部には粗粉を加速管
    内に供給する為の粗粉供給口を有し、粉砕室内には、加
    速管の出口の開口面に対向して設けた衝突面を有する衝
    突部材が具備されており、粉砕室は、衝突部材で粉砕さ
    れた粗粉の粉砕物を衝突により更に粉砕する為の側壁を
    有し、側壁と衝突部材の縁端部との最近接距離11 は、
    衝突面に対向する粉砕室前壁と衝突部材の縁端部との最
    近接距離12 よりも短く、粉砕室内においては衝突部材
    の衝突面と側壁において粗粉の粉砕及び粗粉の粉砕物の
    更なる粉砕を行った後、第1気流分級手段に循環し、第
    1気流分級手段で分級された微粉体に、この微粉砕工程
    とは別に該衝突式気流粉砕手段より比較的低い衝撃を短
    時間与えた後、第2分級手段により粒度を調整すること
    を特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 加速管は、鉛直線を基準にして該加速管
    の長軸方向の傾きが0〜45°となる様に設置されてい
    る請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 加速管は、鉛直線を基準にして該加速管
    の長軸方向の傾きが0〜20°となる様に設置されてい
    る請求項1に記載のトナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 加速管は、鉛直線を基準にして加速管の
    長軸方向の傾きが0〜5°となる様に設置されている請
    求項1に記載のトナーの製造方法。
JP5348971A 1993-12-28 1993-12-28 静電荷像現像用トナーの製造方法 Pending JPH07199530A (ja)

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