JPH0719788U - ギター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ギター胴の甲板部と側板部との接合を簡単か
つ確実に行なうことができ、この種ギター胴の組み付け
を極めて効率よく行ない生産性を大幅に向上させること
のできるギターを提供する。 【構成】 ギター胴１１を構成する甲板部１３と側板部
１４が、横方向に連続し前記甲板部の端縁１６に嵌着す
る横側嵌着溝２１と縦方向に連続し前記側板部の端縁１
７に嵌着する縦側嵌着溝２２を一体に有する所定の曲線
形状に形成された帯状取付部材２１によって組み付けら
れてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はギターに関し、そのギター胴における甲板部と側板部の組付構造に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般的なギターは、共鳴箱を構成するギター胴とネック部とからなる。前記ギ ター胴は天然の木板やプラスチック板などからなり、ギター胴の正面形状に形成 された甲板部と側面の曲面形状に形成された側板部とが接着されて略箱状に形成 されている。 前記側板部内側には、ジャバラと呼ばれる木材が配される。このジャバラは、 前記側板部の略内周長を有する適宜幅の木片よりなり、ギター胴の厚み方向に設 けられた多数の平行な切込みが所定間隔で設けられている。前記ジャバラは側板 部の内周面形状に沿って湾曲させて取り付けられ、その上面に甲板部が固着され ている。

【０００３】 しかしながら、側板部形状に沿ってジャバラを取り付けるという作業は極めて 煩雑であり、かかるギター胴の生産性を向上させることが困難であった。 また、ギター胴の甲板部外周に、いわゆるバインディングと呼ばれる装飾が施 されることがあるが、このバインディングは、甲板部と側板部とが組み付けされ た後、ギター胴の所定位置に切削などにより設けられるものである。 しかるに、前記バインディングの作業は手間がかかるとともに、後で前記ギタ ー胴を前記バインディング面を含めて塗装しなければならず、工程が煩雑となっ ていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案はこのような問題点に鑑み提案されたものであって、ギター胴の甲板 部と側板部との接合を簡単かつ確実に行なうことができ、この種ギター胴の組み 付けを極めて効率よく行ない生産性を大幅に向上させることのできるギターを提 供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわち、この考案は、ギター胴を構成する甲板部と側板部が、横方向に連続 し前記甲板部の端縁に嵌着する横側嵌着溝と縦方向に連続し前記側板部の端縁に 嵌着する縦側嵌着溝を一体に有する所定の曲線形状に形成された帯状取付部材に よって組み付けられてなることを特徴とするギターに係る。

【０００６】

【実施例】

以下添付の図面に従ってこの考案を詳細に説明する。 図１はこの考案のギターの一例を示す斜視図、図２はその断面図、図３はその 要部を示す拡大断面図、図４は帯状取付部材の一例を示す斜視図、図５はこの考 案の他の例を示す断面図である。

【０００７】 図１および図２に示されるように、この考案のギター１０は、木板またはガラ ス繊維強化プラスチックなどからなり、ギター胴１１とネック部１２とから構成 されている。

【０００８】 前記ギター胴１１は、当該ギター胴１１の正面形状に形成される甲板部１３と 、ギター胴１１の側面部を構成する側板部１４とからなる。図２から理解される ように、この実施例において、前記側板部１４は、ギター１０の背部分を構成す る曲面状のボウル状本体１５の側部から一体に形成された側板部よりなる。 これらの甲板部１３と側板部１４は、帯状取付部材２０を介して所定のギター 胴形状に組み付けられている。

【０００９】 図３および図４に示されるように、帯状取付部材２０は所定のギター胴の外周 曲線形状に形成された合成樹脂または金属の押出成形品よりなり、その長手方向 に設けられた横側嵌着溝２１と縦側嵌着溝２２とを有している。

【００１０】 図のように、横側嵌着溝２１は、前記甲板部１３の端縁１６が挿入されて嵌着 されるためのもので、前記帯状取付部材２０の横面に適宜の深さで連続して設け られている。 また、縦側嵌着溝２２は前記帯状取付部材２０の下面または上面から縦方向に 、同様に適宜の深さで連続して設けられており、側板部１４の端縁１７が挿入さ れ嵌着される。

【００１１】 なお、この例において、前記ギター胴１１は二本の帯状取付部材２０によって 左右から組み付けられているが、必要に応じて一本とすることもできる。

【００１２】 この構造によれば、甲板部１３と側板部１４とは組付け前に塗装仕上げを行な っておき、帯状取付部材２０の横側嵌着溝２１を、前記甲板部１３の外周端縁１ ６形状に沿って嵌着させる。次に、前記帯状取付部材２０の縦側嵌着溝２２を側 板部１４の端縁１７に沿って嵌着する。この帯状取付部材２０はあらかじめ所定 のギター胴の外周曲線形状に形成されているので、組み付け作業は簡単かつ確実 で生産性が高い。

【００１３】 なお、前記帯状取付部材２０の表面に模様などの装飾部を設けてもよい。それ によって、従来、バインディングによって行なっていたギター胴外周の装飾工程 を省略することができる。

【００１４】 図５にこの考案の他の例を示す。この例において、ギター胴３０は表甲板部３ １と裏甲板部３２と側板部材３３とからなり、帯状取付部材３４，３５によって 一体に組み付けられている。 帯状取付部材３４は、下面に縦側嵌着溝３６を有しており、表甲板部３１と側 板部材３３とを接合している。符号３７は横側嵌着溝である。もう一方の帯状取 付部材３５の縦側嵌着溝３８は、横側嵌着溝３９の上側に縦方向に設けられてい て、図から理解されるように、縦側嵌着溝３８を側板部材３３の端縁に、横側嵌 着溝３９を裏甲板部３２の端縁にそれぞれ嵌着結合されている。

【００１５】

【考案の効果】

以上図示し説明したように、この考案のギターによれば、ギター胴の甲板部と 側板部との組み付けが簡単かつ確実で、かかる作業を効率よく行って生産性を大 幅に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のギターの一例を示す斜視図である。

【図２】その断面図である。

【図３】その要部を示す拡大断面図である。

【図４】帯状取付部材の一例を示す斜視図である。

【図５】この考案の他の例を示す断面図である。

【符号の説明】

１０ ギター １１ ギター胴 １２ ネック部 １３ 甲板部 １４ 側板部 １５ ボウル状本体 １６ 甲板部端縁 １７ 側板部端縁 ２０ 帯状取付部材 ２１ 横側嵌着溝 ２２ 縦側嵌着溝

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ギター胴を構成する甲板部と側板部が、
   横方向に連続し前記甲板部の端縁に嵌着する横側嵌着溝
   と縦方向に連続し前記側板部の端縁に嵌着する縦側嵌着
   溝を一体に有する所定の曲線形状に形成された帯状取付
   部材によって組み付けられてなることを特徴とするギタ
   ー。
2. 【請求項２】 請求項１において、側板部が一方の甲板
   部と一体化されたギター。
3. 【請求項３】 請求項１において、側板部が側板部材で
   あるギター。