JPH071955Y2 - 農業用縫代付フィルム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、農作物栽培用の温室、ハウス、トンネル、降
雨防止施設などに使用される農業用被覆資材に関し、さ
らに詳しくは、ハウスの外張り・内張り、カーテン、露
地トンネルおよび雨よけ施設などに使用される農業用フ
ィルムに関するものである。

〔従来の技術〕 従来、農業用フィルムは、軟質ポリ塩化ビニル、エチレ
ン―酢酸ビニル共重合体などを基材としており、保温、
降雨防止、光量調整、光線選択、保水・除湿、風よけな
どの栽培環境制御を目的として使用されている。

これらの農業用フィルムとしては、一般的に、一枚でフ
ラットな形状のものと、一枚で二つ以上に折りたたまれ
た形状のものが市販されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

一枚で二つ以上に折りたたまれた形状のフィルムは、一
枚でフラットな形状のフィルムにくらべ、定尺の紙管な
どに巻いた場合、紙管の長さの２倍以上の幅のフィルム
を巻き付けることができ幅広の製品をコンパクトな幅の
巻き姿で得られるという特長を有する。しかしながら、
一枚で二つ以上に折りたたまれた形状のフィルムは、一
般に、インフレーションフィルム加工法によってチュー
ブ状フィルムを得て、その一端をスリット加工により製
造されるために、折りたたまれたフィルム端面が完全に
揃って重ねられた状態のものであった。二つ以上に折り
たたまれた形状のフィルムは、使用時にはフラットな状
態に広げて使用するが、端面が完全に揃った状態である
ため広げるのに手間がかかり、作業性が非常に悪いとい
う問題があった。

〔課題を解決するための手段〕

上記事情に鑑み、本考案者らは検討を続けた結果、本考
案に到達した、すなわち、本考案は、折り重ねたフィル
ム（１）に二枚以上重ねた部分（２）と一枚の部分
（３）を設けた農業用縫代付フィルムである。

本考案の農業用縫代付フィルムは、二枚以上折りたたま
れたものであるが、スリット加工した一端の重なった部
分を手で剥離して、フラットな一枚ものに広げる場合に
は、一枚の部分すなわち（３）の斜線部（以下、「縫
代」という）の（Ａ）部と重なった（Ｂ）部を手で把ん
で（Ａ）と（Ｂ）とを引き剥がすことにより容易に開
き、広げることができる。

また、本考案の農業用縫代付フィルムと他のフィルム
を、高周波シールやヒートシールなどの方法でつなぎ合
わせる場合も、折りたたまれたフィルムをフラットに広
げる必要がなく縫代部分でつなぎ合わせればよく、一枚
でフラットなフィルム同士のつなぎ合わせの場合と同様
に容易に作業することができる。

本考案の農業用縫代付フィルムの縫代（３）は、フィル
ムの流れ方向に設けるものであり、その巾は、通常5mm
〜100mmであるが、フィルムの広げやすさ、つなぎ合わ
せの作業性、ロール巻フィルムの経時収縮によるしわ発
生防止などの点から、10mm〜50mmとするのが好ましい。

本考案で使用されるフィルムは、農業用被覆資材として
使用されるフィルムであればいずれでも適用が可能であ
り、ポリエチレン樹脂、エチレンーαオレフィン共重合
体など、いわゆる農ポリ、農サクビあるいは特殊ポリオ
レフィンと呼ばれているフィルムあるいは軟質ポリ塩化
ビニル樹脂からなる農ビと呼ばれているフィルムなどを
例示することができるが、特に限定されるものではな
い。

また、本考案の農業用縫代付フィルムの製造方法は、特
に限定されるものではなく、段違いカット法、折りたた
み法などいずれの方法で製造されても差し支えない。

〔考案の効果〕

本考案の農業用縫代付フィルムは、縫代を手で引っ張る
ことにより容易に開くことができる。また、他のフィル
ムとのつなぎ合わせも縫代を利用することにより簡単に
行うことができ、作業性が大幅に向上する。

【図面の簡単な説明】

図１は、本考案にかかわる農業用縫代付フィルムを示す
斜視図である。 （１）縫代付フィルム （２）二枚以上に折りたたまれ、重なった部分 （３）一枚の部分（縫代） （Ａ）引き剥がす部分 （Ｂ）同上

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】折り重ねたフィルム（１）に二枚以上重ね
   た部分（２）と一枚の部分（３）を設けた農業用縫代付
   フィルム。
2. 【請求項２】一枚の部分（３）の巾が、5mm〜100mmであ
   ることを特徴とする請求項１記載の農業用縫代付フィル
   ム。