JPH0719246U - リボン状体の積込み装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 箱形パレットに多数本のリボン状体を多列、
多段に、かつ自動的に積み込んで省力化を可能にし、更
に積込み本数を自動的にカウントして積込み本数の過不
足を解消する。 【構成】 箱形パレット１０におけるリボン状体１１の
長さ方向および幅方向の水平２方向に移動可能な水平摺
動台２２上に箱形パレット１０の多数個を重ねて乗せ、
かつ最上段の箱形パレットを所定の高さに制御すること
ができるパレット台２５を設置し、最上段の箱形パレッ
トの上方にリボン状体の搬入用ベルトコンベヤ１５およ
び最上段の箱形パレットの搬出用押出し装置３０を箱形
パレット内のリボン状体と平行に並設し、搬出用押出し
装置の排出端部下方にパレット台から搬出された箱形パ
レットを載せるためのパレット受け台３５を設置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、一定幅、一定長のゴムの薄板、ゴムチューブ、布チューブ、布テ ープ等のリボン状体を方形のパレットに多数列に並べて積載するための積込み装 置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ゴムを押出し成形して得られた長尺のチューブ、薄板等のリボン状体を所定長 に切断し、次いで加硫に先立つ熟成工程に搬送する際、従来は、切断装置からベ ルトコンベヤで送られる所定長のリボン状体を作業員が手作業で１本ずつ取上げ 、これを方形の箱形パレットに多数列、多数段に千鳥積みしていた。すなわち、 図４において、１０は箱形パレット、１１は定長のゴムチューブであり、下から １段目のゴムチューブ１１は、隣接するゴムチューブ１１との間に一定の間隙を 空けて配列され、２段目以上のゴムチューブ１１は、下段で隣接する２本のゴム チューブ１１にまたがるように積込まれる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のゴムチューブは、加硫前であるため、積込みに際しては隣のゴムチュー ブと接触したり、重なったりしないように、隣のゴムチューブとの間に隙間を設 けながら積込む必要があり、また１個のパレットが満杯になると、このパレット を空のものと手作業で交換しなければならず、この積込み作業は精神的にも、肉 体的にも辛い作業であった。また、上記のように千鳥積みするため、１段目と２ 段目とでは配列本数が異なり、そのため積込み本数の計算が面倒で、積込み本数 の過不足が生じ易かった。

【０００４】 この考案は、上記ゴムチューブのように一定の幅、一定の長さを有するリボン 状体をパレットに多数列、多数段に整然と、かつ自動的に積込むことができる積 込み装置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、箱形パレットに一定幅、一定長のリボン状体を多数列、多数段に 配列して積込むための積込み装置であり、上記箱形パレットにおけるリボン状体 の長さ方向および幅方向の水平２方向に移動可能な水平摺動台上に上記箱形パレ ットの多数個を重ねて乗せ、かつ最上段の箱形パレットを所定の高さに制御する ことができるパレット台を設置し、上記最上段の箱形パレットの上方に上記リボ ン状体の搬入用ベルトコンベヤおよび最上段の箱形パレットの搬出用押出し装置 を上記箱形パレット内のリボン状体と平行に並設し、上記搬出用押出し装置の排 出端部下方に上記のパレット台から搬出された箱形パレットを載せるためのパレ ット受け台を設置したことを特徴とするリボン状体の積込み装置である。

【０００６】

【作用】

搬入用ベルトコンベヤの排出端の下に箱形パレットの前端を位置させ、上記搬 入用ベルトコンベヤからリボン状体の先端が垂下状に排出されるとき、水平摺動 台を駆動してパレット台を搬入用ベルトコンベヤと同方向に等しい速度で前進さ せると、最上段の箱形パレットに上記のリボン状体が真っ直ぐに載せられる。次 いで、上記の水平摺動台によってパレット台を幅方向にリボン状体の配列ピッチ だけ幅方向に変位させながら、搬入用ベルトコンベヤの排出端下に任意の速度で 後退させ、次のリボン状体の到来と共に、再びパレット台を上記同様に前進させ ることにより、最初のリボン状体の横に設定間隔だけ空けて２本目のリボン状体 が載せられる。以下、上記の繰返しにより、箱形パレットの１段目に設定本数の リボン状体が積込まれる。

【０００７】 １段目の積込みが終了すると、次はパレット台を幅方向反対向きにリボン状体 の配列ピッチの１／２だけ変位させて２段目の最初のリボン状体が１段目の２本 のリボン状体の上にまたがる形で、すなわち千鳥状に重ねられる。そして、２段 目の２本目以降は、リボン状体の配列ピッチずつパレット台を幅方向に変位させ て積込むことにより、２段目のリボン状体が１段目に対して千鳥状に重ねられな がら積込まれる。こうして、所定段数の積込みが終了すると、搬出用押出し装置 が作動し、満杯になった最上段の箱形パレットがパレット台上に押出され、その 押出し終了と共に、上記最上段の箱形パレットが２段目の箱形パレットで置換さ れる。

【０００８】

【実施例】

図１および図２において、１５は前記リボン状体（ゴムチューブ）１１の搬入 用ベルトコンベヤであり、この搬入用ベルトコンベヤ１５は矢印Ｐ方向に回転し 、上記のリボン状体１１を長さ方向の１列に載せて搬送する。この搬入用ベルト コンベヤ１５の下方の床上に４本のＹ軸レール１６が搬入用ベルトコンベヤ１５ の幅方向と平行に敷設され、このＹ軸レール１６にＹ軸摺動台１７が下面の摺動 ブロック１８を介して摺動自在に載せられる。そして、上記のＹ軸レール１６と 平行にネジシャフト１９が設けられ、このネジシャフト１９をＹ軸摺動台１７の 下面に固定されているナット２０に嵌合し、ネジシャフト１９をサーボモータ（ 図示されていない）で回転することにより、Ｙ軸摺動台１７を所定のプログラム に従って摺動させる。

【０００９】 上記のＹ軸摺動台１７上に上記の搬入用ベルトコンベヤ１５と平行に２本のＸ 軸レール２１が敷設され、このＸ軸レール２１にＸ軸摺動台２２が下面の摺動ブ ロック２３を介して摺動自在に載せられる。このＸ軸摺動台２２の下面中央には 、Ｘ軸レール２１と平行にラック（図示されていない）が下向きに固定され、こ のラックがＹ軸摺動台１７の上面中央に取付けたピニオン（図示されていない） と噛合い、このピニオンをサーボモータで回転することによりＸ軸摺動台２２が Ｘ軸レール２１上を前後に摺動するようになっている。

【００１０】 上記のＸ軸摺動台２２の上面には、昇降装置２４を介してパレット台２５が設 けられ、このパレット台２５上に多数個の箱形パレット１０が重ねて積まれる。 そして、最上段の箱形パレット１０と上記搬入用ベルトコンベヤ１５の下面との 間に箱形パレット１０の１個分の空間が形成される程度に上記最上段の箱形パレ ット１０の高さが上記の昇降装置２４によって制御される。また、Ｘ軸摺動台２ ２の上面には、パレット台２５上の箱形パレット１０の落下を防止するための柵 ２６、２７がパレット台２５を囲むように植設される。ただし、搬入用ベルトコ ンベヤ１５の搬送方向に対して前後の柵２６の高さが最上段の箱パレット１０の 上面と同じ高さに、また側面の柵２７の上端がそれよりも若干高く設定されてい る。

【００１１】 上記搬入用ベルトコンベヤ１５の側方に上記箱形パレット１０の搬出用押出し 装置としてロッドレスエアシリンダ３０が搬入用ベルトコンベヤ１５と平行に設 置される。このロッドレスエアシリンダ３０は、下面の摺動ブロック３１を介し て幅方向に長い押圧板３２を備えおり、最上段の箱形パレット１０がリボン状体 １１で満杯になり、その高さの分だけ押上げられたとき、その後板１０ａに上記 の押圧板３２が係合するようになっている。

【００１２】 上記のロッドレスエアシリンダ３０の前端は、Ｙ軸摺動台１７の前端よりも前 方に延びており、この前端の下方に満杯の箱形パレット１０を受け取るためのパ レット受け台３５がベース３６上に昇降装置３７を介して昇降自在に設けられ、 最上段の箱形パレット１０がＸ軸摺動台２２のパレット台２５における最上段の 箱形パレット１０と同じ高さとなるように昇降装置３７によって高さを制御され る。そして、上記のベース３６にパレット受け台３５の後端（Ｙ軸摺動台１７に 面する側）以外の三方を囲む柵３８が固定される。

【００１３】 上記の構造において、Ｙ軸摺動台１７が幅方向の進退ストロークの右端（図１ の上端）にあり、Ｘ軸摺動台２２が後退位置（図１の鎖線２２ａ参照）にあって 箱形パレット１０の前端が搬入用ベルトコンベヤ１５の前端（排出端）下方に位 置するとき、上記搬入用ベルトコンベヤ１５からリボン状体１１の先端が垂下状 に排出されて最上段の箱形パレット１０の底板に接すると、Ｘ軸摺動台２２が搬 入用ベルトコンベヤ１５と等しい速度で前進を始め、最上段の箱形パレット１０ の左端に上記のリボン状体１１が真っ直ぐに横たえられる（図３参照）。そして 、１本のリボン状体１１が上記の箱形パレット１０に移し終わると、Ｙ軸摺動台 １７が左方（図１の下方）にリボン状体１１の配列ピッチだけ変移し、同時にＸ 軸摺動台２２が進退ストロークの後端まで後退する。

【００１４】 次いで、２本目のリボン状体１１が搬入用ベルトコンベヤ１５で搬入され、そ の先端が上記最上段の箱形パレット１０に垂下して底板に接すると、上記同様に Ｘ軸摺動台２２が前進して１本目のリボン状体１１の右横（図１の上方）に移載 される。以下、上記の繰返しにより、箱形パレット１０の１段目に設定本数のリ ボン状体が積込まれる。なお、図１は、箱形パレット１０に左端（図１の下端） から５本目のリボン状体１１の積込んでいる状態であり、右下の鎖線２２ｂは、 １段目の最後のリボン状体１１の積込みが開始されるときのＸ軸摺動台２２の位 置を示す。

【００１５】 １段目の積込みが終了すると、Ｘ軸摺動台２２の後退に際し、Ｙ軸摺動台１７ は、右方（図１の上方）にリボン状体１１の配列ピッチの１／２だけ変位し、し かるのち２段目の最初のリボン状体１１が１段目の左端で隣接する２本のリボン 状体１１の上にまたがる形で、すなわち千鳥状に重ねられる。そして、２段目の ２本目以降は、Ｙ軸摺動台１７を右方にリボン状体１１の配列ピッチずつ変位さ せながらＸ軸摺動台２２を後退させ、しかるのちＸ軸摺動台２２を前進させてリ ボン状体１１を移載する。

【００１６】 所定段数の積込みが終了したとき、Ｙ軸摺動台１７は幅方向の進退ストローク の左端（図１の下端）に、Ｘ軸摺動台２２は前後方向の進退ストロークの前端（ 図１の左端）にそれぞれ位置している。そして、上記積込みの終了と共に、Ｘ軸 摺動台２２上の昇降装置２４が作動し、パレット台２５が箱形パレット１０の１ 個分の高さだけ押し上げられ、最上段の箱形パレット１０が前後の柵２６の上に 押出され、しかるのちロッドレスエアシリンダ３０が作動し、その下面の摺動ブ ロック３１が前進を始め、押圧板３２が最上段の箱形パレット１０を押出してパ レット受け台３５上に移載し、この移載の終了と共に押圧板３２が後退して元に 復帰する。

【００１７】

【考案の効果】

以上に説明したように、この考案は、箱形パレットにおけるリボン状体の長さ 方向および幅方向の水平２方向に移動可能な水平摺動台上に上記箱形パレットの 多数個を重ねて乗せ、かつ最上段の箱形パレットを所定の高さに制御することが できるパレット台を設置し、最上段の箱形パレットの上方に上記リボン状体の搬 入用ベルトコンベヤおよび最上段の箱形パレットの搬出用押出し装置を上記箱形 パレット内のリボン状体と平行に並設し、上記搬出用押出し装置の排出端部下方 に上記のパレット台から搬出された箱形パレットを載せるためのパレット受け台 を設置したものであるから、搬入用ベルトコンベヤによるリボン状体の搬入速度 に同期して水平摺動台を設定プログラムに従って水平２方向に移動させることに より、最上段の箱形パレットに多数本のリボン状体を多数列、多数段に整然と配 列して積込むことができ、かつ上記最上段の箱形パレットが満杯になると、搬出 用押出し装置を駆動することにより、この満杯の箱形パレットをパレット受け台 上に搬出することができる。したがって、箱形パレットに対するリボン状体の積 込み作業を自動化して省力化することができ、かつ積込み本数を自動的にカウン トして積込み本数の過不足を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の平面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】リボン状体の移載時の箱形パレットの縦断面図
である。

【図４】箱形パレットの横断面図である。

【符号の説明】

１０：箱形パレット １１：リボン状体（ゴムチューブ） １５：搬入用ベルトコンベヤ １６：Ｙ軸レール １７：Ｙ軸摺動台 １９：ネジシャフト ２１：Ｘ軸レール ２２：Ｘ軸摺動台（水平摺動台） ２４、３７：昇降装置 ２５：パレット台 ３０：ロッドレスエアシリンダ（搬出用押出し装置） ３１：摺動ブロック ３２：押圧板 ３５：パレット受け台 ３６：ベース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱形パレットに一定幅、一定長のリボン
   状体を多数列、多数段に配列して積込むための積込み装
   置であり、上記箱形パレットにおけるリボン状体の長さ
   方向および幅方向の水平２方向に移動可能な水平摺動台
   上に上記箱形パレットの多数個を重ねて乗せ、かつ最上
   段の箱形パレットを所定の高さに制御することができる
   パレット台を設置し、上記最上段の箱形パレットの上方
   に上記リボン状体の搬入用ベルトコンベヤおよび最上段
   の箱形パレットの搬出用押出し装置を上記箱形パレット
   内のリボン状体と平行に並設し、上記搬出用押出し装置
   の排出端部下方に上記のパレット台から搬出された箱形
   パレットを載せるためのパレット受け台を設置したこと
   を特徴とするリボン状体の積込み装置。