JPH07184892A - 超音波画像処理装置及び方法 - Google Patents

超音波画像処理装置及び方法

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JPH07184892A
JPH07184892A JP33361793A JP33361793A JPH07184892A JP H07184892 A JPH07184892 A JP H07184892A JP 33361793 A JP33361793 A JP 33361793A JP 33361793 A JP33361793 A JP 33361793A JP H07184892 A JPH07184892 A JP H07184892A
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tissue
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ultrasonic image
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Takeshi Mochizuki
剛 望月
Masanori Hirose
昌紀 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波画像においての異なる組織の境界の抽
出精度を向上する。 【構成】 参照領域に含まれる複数のエコデータの平均
値μと分散値σ2 が演算される。平均値μと分散値σ2
とに基づき、組織差強調処理のためのファジー推論が実
行される。準備段階において、メンバーシップ関数を決
定するパラメータの組合せを変えて分離度Jが演算さ
れ、分離度Jを最大にするパラメータに基づきメンバー
シップ関数の最適化が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波画像処理装置、
特に組織間の境界を抽出するための超音波画像の前処理
に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波画像は、生体への超音波の送受波
により取り込まれたエコーデータに基づき形成される。
例えば二次元断層画像を形成する場合、二次元エコーデ
ータ取り込み領域内で取り込まれたエコーデータのレベ
ルが画素値に変換される。また、三次元超音波画像を形
成する場合、三次元エコーデータ取り込み領域内で取り
込まれたエコーデータを利用して、まず特定組織の輪郭
抽出が三次元的に行われ、その後、例えば組織表面が濃
淡処理され、これにより立体的な組織像が形成される。
【0003】さて、二次元超音波画像内で特定組織の断
面積を演算する場合、あるいは三次元超音波画像の形成
や特定組織の体積を演算する場合等においては、組織の
輪郭(組織間の境界)を抽出する必要がある。
【0004】その場合、人為的にその抽出を行うのは煩
雑であるので、従来から画像解析技術を利用した自動的
な境界抽出が行われている。従来の境界抽出方法として
は、例えば、ソベル(sobel) オペレータ等のフィルタを
画像内で走査させ、当該オペレータの出力値が最大にな
った位置を境界とする方法が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の方法を
含む従来の境界抽出方法においては、画像の濃度(輝
度)差を主に検出しているため、境界の両側の組織画像
の平均濃度値(エコーデータの平均値)に差がある場合
は良いが、その平均濃度値が等しい場合には境界を検出
することが困難であるという問題があった。
【0006】すなわち、例えばある種の肝臓癌の場合、
正常組織と癌組織とでは、濃度値が近似しているため、
組織境界を抽出できず、その結果、従来方法では癌の大
きさ等を計測できない。
【0007】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、組織画像についての複数の特
徴量を基礎として、組織境界の抽出を精度良く行うこと
ができる超音波画像処理装置及び方法を提供することに
ある。
【0008】また、本発明は、組織境界抽出の精度を向
上させるための前処理を超音波画像に施すことができる
超音波画像処理装置及び方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、超音波画像を形成するため
のエコーデータを処理する装置であって、注目エコーデ
ータを中心とする参照領域に含まれる複数のエコーデー
タの平均値を演算する平均値演算部と、前記参照領域に
含まれる複数のエコーデータの分散値を演算する分散値
演算部と、前記平均値及び分散値に基づいて組織差強調
演算を行い、前記注目エコーデータの新たな値を出力す
る組織差強調演算部と、を含むことを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、前記組織差強調演
算部はファジー推論部で構成されたことを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、前記ファジー推論
部の出力から組織分離度を演算する分離度演算部と、前
記ファジー推論部が有するメンバーシップ関数を決定す
るためのパラメータを設定する手段であって、パラメー
タを順次変更して得られる複数の組織分離度に基づき、
前記メンバーシップ関数を最適化するパラメータ設定部
と、を有し、メンバーシップ関数の最適化をフィードバ
ックループにより行うことを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明は、組織差強調後の画
像に対して境界抽出を行う境界抽出部が含まれることを
特徴とする。
【0013】請求項5記載の発明は、超音波画像に対
し、複数の画像特徴量に基づき組織差強調処理を行う組
織差強調処理工程と、組織差強調処理がされた超音波画
像に対して境界抽出を行う境界抽出工程と、を含むこと
を特徴とする。
【0014】
【作用】上記請求項1記載の構成によれば、注目エコー
データ毎に組織差強調演算が行われ、これにより超音波
画像に対する組織差強調処理を行える。すなわち、注目
エコーデータを中心とする参照領域内でエコーデータの
平均値及び分散値が求められ、それらの平均値及び分散
値に基づいて組織差強調演算が行われる。
【0015】従って、そのような処理が行われた超音波
画像に対して、従来から行われている境界抽出を行うこ
とにより、境界抽出精度を向上させることができる。
【0016】図15には、上述したある種の肝臓癌を含
む超音波画像の輝度値ヒストグラムが示されている。こ
こで、領域1は正常組織内に設定され、領域2は癌組織
内に設定されている。図15に示されるように、各領域
における輝度値の平均値はほぼ同じであり、輝度値の平
均値を利用して組織間の差を認識することはできない。
【0017】一方、図16には、分散値ヒストグラムが
示されており、領域1についての分散値と領域2につい
ての分散値とは大きく異なる。
【0018】すなわち、画像の平均値及び分散値を総合
勘案することにより組織差を認識でき、すなわち組織差
強調処理を行うことができる。
【0019】なお、本発明によれば分散値が同じで平均
値が異なる場合においても、組織差を強調することがで
き、超音波画像特有の性質に基づいた新しい画像処理技
術を提供できる。
【0020】請求項2記載の構成によれば、組織差強調
演算がファジー推論により実行され、組織差強調演算の
ための繁雑なテーブルの作成が不要となり、かつ膨大な
規模のテーブルの作成が不要となる。また、このような
ファジー推論によれば、その入出力特性を容易に変える
ことができるという利点がある。
【0021】請求項3記載の発明によれば、ファジー推
論部に設けられるメンバーシップ関数の最適化がフィー
ドバックループにより達成される。すなわち、メンバー
シップ関数を決定するパラメータを順次変更しつつ組織
分離度を演算し、その組織分離度に基づき最適なパラメ
ータを設定できる。従って、このようなメンバーシップ
関数の最適化を実際の画像処理の前段階に行っておくこ
とにより、各種の組織に対応した最も適切な条件下で組
織差強調処理を行うことができる。
【0022】このように組織差強調処理がなされた後の
画像に対しては、例えば従来同様、境界抽出が行われ
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。
【0024】図1には、本発明に係る超音波画像処理装
置の基本的な概念が示されている。本発明に係る超音波
画像処理装置は組織差を強調する画像処理を行うことを
特徴とし、このため組織差強調演算手段を有する。
【0025】図1においては、そのための手段が組織差
強調テーブル10として示されている。すなわち、図1
に示される装置は、参照領域内の複数のエコーデータの
平均値を求める平均値演算部12と、参照領域内の複数
のエコーデータの分散値を求める分散値演算部14と、
上述した組織差強調テーブル10と、境界値抽出を行う
境界値検出部16と、で構成される。
【0026】ここで、参照領域は、処理対象となる注目
エコーデータを中心として二次元あるいは三次元に一定
の広がりをもって設定される領域である。
【0027】組織差強調テーブル10は、平均値μと分
散値σ2 の2つの入力に対応する値を出力するテーブル
である。ちなみに、入力値は0〜255の間をとり、組
織差強調テーブル10の出力値も0〜255の間をと
る。
【0028】従って、この図1のような構成によれば、
平均値μ及び分散値σ2 の両者を基礎として組織差強調
処理を行えるので、上述した肝臓癌などの場合に正常組
織と癌組織とを識別させた画像を出力することができ、
ひいては精度の良い境界値検出を行うことができる。
【0029】図1に示した組織差強調テーブル10によ
っても組織差強調処理を行うことができるが、以下に説
明するようにファジー推論によって組織差強調処理を実
行することもできる。ファジー推論によれば、繁雑かつ
膨大なテーブルの作成を回避できるという利点があり、
また後述するように単に2つのパラメータの変更によっ
て入出力特性を容易に変えられるという利点がある。
【0030】図2には、そのようなファジー推論を用い
た超音波画像処理装置の全体構成が示されている。ま
ず、この装置の構成について説明する。
【0031】メモリ20は、エコーデータdを格納する
メモリであり、超音波三次元画像を形成する場合、この
メモリ20内には三次元データ取り込み領域内の各エコ
ーデータが格納される。一方、超音波二次元画像が形成
される場合には、1フレーム分のエコーデータが順次格
納される。
【0032】読出し制御部22は、このメモリ20に対
する読出し制御を行うものであり、具体的には、処理対
象となる注目エコーデータを中心とした参照領域内の複
数のエコーデータ毎に読出し制御を行っている。
【0033】なお、この読出し制御部22に接続され
た、関心領域設定部24は、組織差強調を処理の対象と
なる関心領域(Volume Of Interes
t:VOI)を設定するためのものであり、この関心領
域については後述する。
【0034】メモリ20の出力はそれぞれ平均値演算部
12及び分散値演算部14に送られている。平均値演算
部12は、参照領域内の複数のエコーデータについての
平均値μを演算するものであり、分散値演算部14はこ
れと同様に参照領域内の複数のエコーデータについての
分散値σ2 を演算するものである。
【0035】そして、平均値演算部12の出力である平
均値μは、切換器26を介してファジー推論部28に送
られている。また、分散値演算部14の出力である分散
値σ2 も切換器30を介してファジー推論部28に送ら
れている。
【0036】平均化部32は、前記関心領域内で求めら
れる複数の平均値μに対して更に平均値μ´を求めるも
のであり、一方、平均化部34は、関心領域内で求めら
れる複数の分散値σ2 についての平均値σ2 ´を求める
ものである。
【0037】ファジー推論部28は、組織差強調演算を
実行するものであり、平均値用前推論部36、分散値用
前推論部38、推論実行部40、合成部42、及び重心
演算部44で構成される。
【0038】平均値用前推論部36は、図3(A)に示
される平均値用前件部メンバーシップ関数集合を有し、
分散値用前推論部38は、図3(B)に示す分散値用前
件部メンバーシップ関数集合を有する。また、推論実行
部40は、図3(C)に示す後件部メンバーシップ関数
集合を有する。なお、各メンバーシップ集合を構成する
メンバーシップ関数は、図3においては、三角形を基本
形として構成されているが、もちろんこれには限られな
い。平均値用前件部メンバーシップ関数集合を決定する
座標値A〜Eは後述するパラメータKで設定され、ま
た、分散値用前件部メンバーシップ関数集合を決定する
座標値A´〜E´はパラメータKによって設定され
る。本実施例において、後件部メンバーシップ関数の座
標値O〜Sは固定設定されている。
【0039】推論実行部40は、図4に示した推論ルー
ルに基づきファジー推論を実行するものである。図4に
示す例においては、各前件部メンバーシップ関数集合が
それぞれ5つのメンバーシップ関数で構成されているこ
とに対応して、25通りのルールが定められている。例
えば、次のようなルールである。
【0040】(ルール1)平均値及び分散値が共に小さ
い(SA)場合には、出力を小さな値(SA)にする。
【0041】(ルール2)平均値が小さく(SA)かつ
分散値が大きい(LA)場合には、出力を中位の値(M
M)にする。
【0042】(ルール3)平均値が大きく(LA)かつ
分散値が小さい(SA)場合には、出力を中位の値(M
M)にする。
【0043】(ルール4)平均値及び分散値が共に大き
い(LA)場合には、出力を大きな値(LA)にする。
【0044】ここで、具体的にファジー推論部の動作に
ついて図5を用いて説明する。平均値演算部12の出力
がμの場合、前推論部36においては、図3(A)に
示した前件部メンバーシップ関数集合にそのμを対応
させて、各メンバーシップ関数毎にそれに該当する度合
い(一致度)を求める。例えば、0.2,0.8等のよ
うに求める。
【0045】一方、前推論部38においても同様に、分
散値σ1 2 を各メンバーシップ関数に対応させて一致度
を0.4,0.6等のように求める。
【0046】そして、各ルール毎にいずれの一致度の方
が小さいかが判断され、その小値をとる一致度の大きさ
により後件部の各メンバーシップ関数が頭切りされる。
例えば、後件部のメンバーシップ関数(ML)は0.2
で頭切りされる。このようなことが25通りのルールの
すべてについて行われる。
【0047】そして、図2に示した合成部42におい
て、各ルールの結果が形として合成され、図5の右側に
示すファジー集合Fが求められる。次に、重心演算部4
4は、そのファジー集合Fにおける重心を演算し、それ
を注目画素についての新たな値Dとして出力する。
【0048】従って、注目画素を中心とする参照領域内
の複数のエコーデータについての平均値及び分散値か
ら、組織間の差を強調する出力値を得ることができる。
図2において、出力値Dは、切換器46を介してメモリ
48内に順次格納される。
【0049】そして、処理対象となる領域内のすべての
エコーデータについて上述した組織差強調処理が実行さ
れた後、メモリ48からエコーデータが読み出されて境
界検出部50において境界の検出が行われる。ここで、
境界検出手法としては、従来から行われている、例えば
差分法や微分法などの手法を適用させることができる。
すなわち、本実施例ではそのような境界値抽出を前提と
して、抽出精度向上のために組織差強調処理が行われて
いる。
【0050】後に詳述するように重心演算部44の出力
Dは、切換器46を介して分離度演算部52に送られて
おり、そこで演算された分離度Jがパラメータ設定部5
4に送られている。このパラメータ設定部54は、メン
バーシップ関数を決定するためのパラメータK,K
を設定するものである。
【0051】図6には、最適なメンバーシップ関数を設
定した場合におけるファジー推論部28の入出力特性が
示されている。図示されるように、平均値μと分散値σ
2 とにより出力値が特定されている。ROMなどを用い
てこのような入出力特性を設定する場合、記憶容量が膨
大となり、また書換えが極めて困難であるという問題が
生じるが、本実施例のファジー推論部28によればその
ような問題は生じない。
【0052】図7には、組織差強調を行う前のエコーデ
ータの分布が示されており、一方、図8には、本実施例
の組織差強調処理を行った後の新たなエコーデータの分
布が示されている。これらの図から明らかなように、処
理前においては境界位置がほとんど明らかでなかった
が、組織差強調処理後においては2つの組織の差、すな
わち境界を明瞭にすることができる。従って、境界検出
を前提としない場合、例えばそのまま超音波画像を表示
する際においても組織差強調処理の効果がある。
【0053】次に、図3に示した平均値用前件部メンバ
ーシップ関数集合及び分散値用前件部メンバーシップ関
数集合の決定法について説明する。本実施例において
は、実際の超音波画像を処理する前提として、メンバー
シップ関数の最適化が行われており、それについて具体
的に説明する。
【0054】図9には、三次元エコーデータ空間100
が示されている。このエコーデータ空間100は、領域
1及び領域2で構成され、その間が境界面102となっ
ている。例えば、領域1は正常組織であり、例えば領域
2は癌組織である。
【0055】メンバーシップ関数の最適化を行うために
は、各領域内に個別に関心領域104,106が設定さ
れる。ただし、各関心領域104,106は、境界面1
02を含まないように設定する。
【0056】図9において、関心領域104,106内
には、検索箱としての参照領域108,110が示され
ている。すなわち、この参照領域108,110は、注
目エコーデータを中心として一定な広がりをもった領域
であり、関心領域104,106内において、参照領域
108,110は、1エコーデータずつシフトされて、
各位置において平均値μ及び分散値σ2 が計算される。
そして、このような演算が関心領域104,106内の
全域にわたって実行される。
【0057】図2に示した関心領域設定部24は、図9
に示す関心領域104,106を人為的に設定するため
のものであり、例えば三次元的に座標指定を行うことの
できる複数のダイアルやキーボードなどで構成される。
【0058】読出し制御部22は、関心領域設定部24
で設定された関心領域104,106内に参照領域10
8,110を順次移動させる読出し制御を行う。
【0059】従って、このようなメモリ20からのエコ
ーデータの読出しが行われると、平均値演算部12にお
いて、参照領域における平均値μが演算され、それらの
平均値μは平均化部32において平均化され、平均値μ
の平均値μ´が求められる。
【0060】これと同様に、分散値演算部14において
も参照領域の各位置における分散値σ2 が求められ、そ
れらの分散値σ2 から平均化部34において、分散値σ
2 の平均値σ2 ´が求められる。
【0061】ここで、領域1における平均値の平均値を
A1とし、分散値の平均値をV1とする。また、領域2
における平均値の平均値をA2とし、分散値の平均値を
V2とする。
【0062】上述したように、各前推論部36,38
は、図3(A)及び(B)に示した前件部メンバーシッ
プ関数集合を有する。ここで、平均値用前件部メンバー
シップ集合を構成する各メンバーシップ関数を決定する
座標値A〜Eは、次の式により求められる。
【0063】A=C−(C−A1)×2K B=C−(C−A1)×K C=(A1+A2)/2 D=C+(A2−C)×K E=C+(A2−C)×2K また、分散値用前件部メンバーシップ関数集合を構成す
る各メンバーシップ関数を決定するための座標値A´〜
E´は、次の式により求められる。
【0064】A=C−(C−V1)×2K B=C−(C−V1)×K C=(V1+V2)/2 D=C+(V2−C)×K E=C+(V2−C)×2K ここにおいて、k及びkは、各メンバーシップ関数
の横方向の伸び縮み状態を定めるパラメータであり、パ
ラメータ設定部54にて設定される。パラメータk
びkは、2つの領域の分離度Jが最大になるように最
終的に選ばれる。
【0065】ここにおいて、分離度Jは、分離度演算部
52によって演算されるものであり、境界をどの程度精
度よく検出できるかを示す指標値である。例えばJの値
が大きければ境界を検出する能力が高い。分離度Jは、
次の式により定義される。
【0066】J=(A1−A2)2 /(V1+V2) すなわち、2つの領域においてA1とA2との差が大き
いほど、又はV1とV2の和が大きいほど分離度Jは大
きくなる。
【0067】図11には、μの平均値であるμ´が示さ
れ、図12には、分散値σ2 の平均値であるσ2 ´が示
されている。すなわちこのデータは、境界の両側で平均
濃度値が同じで分散値が異なる性質をもつ場合を示して
いる。
【0068】このような場合、分離度Jは、パラメータ
及びkとの関係で図13のように示される。この
図から明らかなように、あるkとあるkとが設定さ
れた場合、分離度Jは最大値をとる。従って、分離度J
が最大値をとるときのパラメータk及びkが最適な
メンバーシップ関数を与えるパラメータの組合せといえ
る。
【0069】従って、平均値の平均値μ´及び分散値の
平均値σ2 ´が求められた後において、パラメータk
とパラメータkのすべての組合せについてファジー推
論を実行して新たな値Dを求め、かつ分離度Jを演算す
れば、図13に示すような2つのパラメータと出力分離
度Jとの関係を求めることができ、結果として、分離度
Jを最大にする2つのパラメータの値を特定することが
できる。
【0070】そして、その特定されたパラメータk
びkから前件部の各メンバーシップ関数を決定すれ
ば、前件部メンバーシップ関数の最適化が行われたこと
になる。
【0071】従って、このようなフィードバックループ
に基づくパラメータ設定により実際のファジー推論の準
備を容易に行うことができる。すなわち、組織差強調演
算テーブルを設けた場合にはそのテーブル内容を簡単に
書き換えることは困難であるが、本実施例のファジー推
論部28によればその入出力特性を容易に最適化するこ
とが可能である。
【0072】次に、図14を参照しながら、本実施例の
装置の全体的な動作について説明する。
【0073】超音波診断装置において、生体に対する超
音波の送受波により得られたエコーデータが図2に示し
たメモリ20に格納された後、図14に示す各工程が実
行される。
【0074】まず、S101では、関心領域設定部24
を用いて図9に示したように2つの関心領域104及び
106が設定される。上述したように、このように2つ
の関心領域を設定するのは、分離度Jを最大にするパラ
メータを決定するためであり、2つの関心領域はそれぞ
れ異なる組織中に境界を含むことなく設定されなければ
ならない。なお、予め、超音波画像が画像表示されてい
る場合、オペレータはその画像を見ながら関心領域の設
定を行う。
【0075】S102では、図9に示したように、設定
された関心領域内にとりあえず参照領域(SB)が初期
設定される。そして、S103において、平均値μ及び
分散値σ2 が計算される。次に、S104において、す
べての位置において平均値μ及び分散値σ2 が計算され
たか否かが判断され、終了していない場合には、S10
5において参照領域が1データ分だけシフトされる。そ
して、設定された関心領域内のすべてにわたって平均値
μ及び分散値σ2 が演算されることになる。なお、これ
らの演算は各関心領域毎に行われる。
【0076】S106においては、関心領域内の複数の
平均値μ及び分散値σ2 を用いて平均値の平均値μ´及
び分散値の平均値σ2 ´を計算する。
【0077】S107では、パラメータ設定部54によ
ってパラメータk及びkが初期設定される。そし
て、S108では、各メンバーシップ関数を決定する座
標値A〜E,A´〜E´が計算され、その結果、前件部
の各メンバーシップ関数集合が設定される。
【0078】S109では、ファジー推論部28におい
てすでに求められた平均値の平均値μ´及び分散値の平
均値σ2 ´を用いてファジー推論が実行される。そし
て、S110において、分離度Jが計算され、S111
においてすべてのパラメータの組合せで分離度Jの計算
が行われたか否かが判断され、すべてについて行われて
いない場合にはS112においてパラメータが1つ変更
され、上述した各工程が繰り返される。
【0079】従って、S113の前に、図13に示した
2つのパラメ−タと分離度Jとの関係が求められること
になり、S113では、分離度Jを最大にするパラメー
タk及びkが決定され、その結果、前件部の各メン
バシップ関数が決定されることになる。
【0080】以上のS101〜S113の工程は準備工
程であり、すなわち以上の各工程が実行されることによ
ってファジー推論部28の入出力特性が予め最適化され
る。S114においては、関心領域設定部24を用い
て、図10に示すように三次元エコー空間内に関心領域
112が設定される。すなわち、境界抽出を行いたい範
囲に対して関心領域112が設定される。
【0081】そして、S115においては、その関心領
域112内に参照領域(SB)が初期設定される。そし
て、S116においては、設定された参照領域内の複数
のエコーデータを用いて平均値μ及び分散値σ2 が計算
される。
【0082】なお、図1において切換器26,30及び
46は、上述した準備段階においては、それがA側に切
り換えられ、一方、実際の組織差強調処理を行う場合に
はB側に切り換えられる。
【0083】S117では、最適化されたメンバーシッ
プ関数を用いてファジー推論が実行され、これにより注
目エコーデータについての新たな値Dが求められる。S
118においては、すべての注目エコーデータについて
組織差強調処理が行われたか否かが判断され、すべてに
ついて行われていない場合、S119において参照領域
が1つ移動され、上述した各工程が繰り返される。
【0084】その結果、最終的に、メモリ48内に組織
差強調処理が行われた後の超音波画像すなわち三次元エ
コーデータが格納されることになる。従って、境界検出
部50は、かかるエコーデータに対して境界検出を実行
する。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
平均値と分散値とに基づいて組織差強調処理を行うこと
ができ、この結果、正常組織と異常組織との識別が明瞭
化された画像を形成でき、ひいては境界抽出の精度を向
上できる。
【0086】また、本発明によればファジー推論によっ
て組織差強調演算を行うことにより、各種の組織に対し
て最適な入出力特性を容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波画像処理装置の基本構成を
示すブロック図ある。
【図2】本発明に係る超音波画像処理装置の全体構成を
示すブロック図である。
【図3】メンバーシップ関数集合を示す説明図である。
【図4】ファジー推論ルールを示す説明図である。
【図5】ファジー推論の具体的な流れを示す説明図であ
る。
【図6】ファジー推論部の入出力特性を示す説明図であ
る。
【図7】組織差強調処理を行う前のエコーデータ分布を
示す説明図である。
【図8】組織差強調処理を行った後のエコーデータ分布
を示す説明図である。
【図9】関心領域の設定を示す説明図である。
【図10】三次元エコー空間内に設定される関心領域を
示す説明図である。
【図11】複数の平均値μの平均値μ´の分布を示す説
明図である。
【図12】複数の分散値σ2 の平均値σ2 ´の分布を示
す説明図である。
【図13】2つのパラメータと分離度Jとの関係を示す
説明図である。
【図14】本実施例の装置の動作を示すフローチャート
である。
【図15】正常組織と異常組織の輝度値のヒストグラム
を示す説明図である。
【図16】正常組織と異常組織の分散値のヒストグラム
を示す説明図である。
【符号の説明】
10 組織差強調テーブル 12 平均値演算部 14 分散値演算部 16 境界値検出部 28 ファジー推論部 52 分離度演算部 54 パラメータ設定部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波画像を形成するためのエコーデー
    タを処理する装置であって、 注目エコーデータを中心とする参照領域に含まれる複数
    のエコーデータの平均値を演算する平均値演算部と、 前記参照領域に含まれる複数のエコーデータの分散値を
    演算する分散値演算部と、 前記平均値及び分散値に基づいて組織差強調演算を行
    い、前記注目エコーデータの新たな値を出力する組織差
    強調演算部と、 を含むことを特徴とする超音波画像処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記組織差強調演算部はファジー推論部で構成されたこ
    とを特徴とする超音波画像処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の装置において、 前記ファジー推論部の出力から組織分離度を演算する分
    離度演算部と、 前記ファジー推論部が有するメンバーシップ関数を決定
    するためのパラメータを設定する手段であって、パラメ
    ータを順次変更して得られる複数の組織分離度に基づ
    き、前記メンバーシップ関数を最適化するパラメータ設
    定部と、 を有し、 メンバーシップ関数の最適化をフィードバックループに
    より行うことを特徴とする超音波画像処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の装置におい
    て、 組織差強調後の画像に対して境界抽出を行う境界抽出部
    が含まれることを特徴とする超音波画像処理装置。
  5. 【請求項5】 超音波画像に対し、複数の画像特徴量に
    基づき組織差強調処理を行う組織差強調処理工程と、組
    織差強調処理がされた超音波画像に対して境界抽出を行
    う境界抽出工程と、を含むことを特徴とする超音波画像
    処理方法。
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