JPH07181191A - 原子間力探針プローブを用いた物質間の親和性の測定方法 - Google Patents

原子間力探針プローブを用いた物質間の親和性の測定方法

Info

Publication number
JPH07181191A
JPH07181191A JP32723793A JP32723793A JPH07181191A JP H07181191 A JPH07181191 A JP H07181191A JP 32723793 A JP32723793 A JP 32723793A JP 32723793 A JP32723793 A JP 32723793A JP H07181191 A JPH07181191 A JP H07181191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
affinity
reaction
substances
antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32723793A
Other languages
English (en)
Inventor
Mamoru Tsukada
護 塚田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP32723793A priority Critical patent/JPH07181191A/ja
Publication of JPH07181191A publication Critical patent/JPH07181191A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗原・抗体反応や核酸におけるハイブリダイ
ゼーション反応等の生物学的な特異的反応を行う物質間
の親和性を簡便に測定、評価して、測定された物質の各
種測定系での応用等における親和性に関する指標を得る
ことのできる方法を提供すること。 【構成】 抗原・抗体反応や核酸におけるハイブリダイ
ゼーション反応等の生物学的な特異的反応を行う物質の
一方をプローブとして探針の先端に固定し、他方を基板
の平滑面に固定し、これらを徐々に近づけたときに探針
にかかる力の変化を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査型プローブ顕微鏡、
特に原子間力顕微鏡を用いた物質間の親和性の測定方
法、及びそれに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡は、原子や分子サ
イズの分解能を有する観察方法として近年多くの注目を
集めている。中でも原子間力顕微鏡AFMは、STM
(走査型トンネル顕微鏡)のようにプローブと試料間に
貫く電流を必要としないので、生体試料への応用性が高
いものとして注目されており、各種生体試料の分析への
応用が期待されている。
【0003】しかしながら、従来の原子間力顕微鏡では
試料とプローブ間に働く力が一定となるように制御しな
がら試料表面を走査してゆくだけであるので、これによ
って得られる情報は、生体試料に存在する微小器官等の
形状、凹凸によるものが主体であって、ある特定の蛋白
や核酸の局在を示すような情報は得られないという問題
がある。また、例えばDNA断片を用いて試料の染色体
とハイブリダイズさせた上で同じように走査した場合、
ハイブリダイズしたところが凸情報として得られること
が知られている(Cytometry 14:p356-361,1993)が、蛍
光標識や酵素標識を用いる方法と同様に長時間の操作
(例えば一晩程度)ハイブリダイゼーションを行うこと
に変わりはなく、操作的に簡便とはいいがたい。またD
NA断片にかぎらず、抗体を用いて蛋白分子の局在を得
ようとしても同様のことが言える。一方、従来より、様
々な生体試料の微量定量法が考案されてきた。たとえば
抗原・抗体反応を利用した微量アッセイ系では、使用す
る(または作製した)抗体の特異性や親和性が、検出感
度や反応時間といったその系の性能を左右する重要な要
素であった。従来この様な親和性を測定する方法として
は、免疫拡散法を利用したベッカー法や、ラジオアイソ
トープ標識による反応沈降物をカウントする反応速度定
数決定法(Scatchard 解析)が知られている。しかしな
がら、ベッカー法では、抗体・抗原複合物が寒天板内に
てリングを形成するためにはかなりの量が必要なことに
加え、都合よく沈降リングを形成するためには、抗体が
ポリクローナル抗体でなければならないといった制約が
ある。また反応速度定数決定法のような抗原と抗体双方
が溶液中を拡散、衝突を繰り返す状況が想定された上で
親和性を評価する方法により得られた指標は、近年盛ん
に見られるELISA法(酵素免疫測定法)などの固相
−液相反応系に適用する良好な指標とは必ずしもなり得
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗原
・抗体反応や核酸におけるハイブリダイゼーション反応
等の生物学的な特異的反応を行う物質間の親和性を簡便
に測定、評価して、測定された物質の各種測定系での応
用等における親和性に関する指標を得ることのできる方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の親和性の測定方
法は、生物学的な特異的反応を行う物質の一方を平坦な
基板面に固定し、他方を探針の先端にプローブとして固
定し、これらを徐々に近づけたときの該探針プローブに
加わる力を測定することによって、これら物質間の親和
性を測定することを特徴とする。
【0006】本発明の方法によれば、従来のようなハイ
ブリダイゼーションや抗原抗体反応を行わずしかも短時
間に分子間の相互作用に関わる情報を簡単に引き出すこ
とができるので、例えば、生物学的反応による試料の微
量アッセイ法に用いる試薬の適性を評価する上で有用な
試料と試薬との親和性に関する指標を簡便な操作で得る
ことが可能となる。また、本発明によって、試薬を評価
する上での試料との親和性に関する新しい指標が提供さ
れる。
【0007】また、本発明の方法によれば、ベッカー法
のように沈降リングの形成を必要とせず、また反応速度
定数決定法のように抗原と抗体双方が溶液中を拡散、衝
突を繰り返す状況が自ずと想定されていないので、本発
明の方法により得られた情報は、ELISA法などの固
相−液相反応系に用いる試薬の適性(試料との親和性)
を評価する上で良好な指標を提供するものとなる。ま
た、反応速度論的、統計的指標の域を出なかった従来法
と異なり、本発明の方法においては、分子間あるいは分
子集団間の吸引・結合力に関する親和性を直接評価した
指標が得られる。そればかりか、通常抗体のFab部ポ
ケットの複数の水素結合と考えられている抗原抗体反応
が、溶液のpHや塩濃度を徐々に変化させることによっ
てどのように結合力に変化を生じて行くのかといった情
報がリアルタイムに観測できる。
【0008】また、別の応用例として、細胞表面にある
受容体(リセプター)とこれに特異的に反応するタンパ
ク質等の関係においても、受容体の結合力に関する親和
性の指標が得られることや、さらに、pHや塩濃度変化
による細胞内シクナル伝達に関連する情報も含めて、新
しい解析方法を提示することもできる。
【0009】本発明における生物学的な特異的反応に
は、例えば抗原・抗体反応、受容体が関与する反応、核
酸間のハイブリダイゼーション反応等が含まれる。この
ような生物学的な特異的反応を行う物質の一方を探針の
先端に固定して探針プローブを構成し、走査型プローブ
顕微鏡や原子間顕微鏡にセットして、本発明の装置を構
成することができる。
【0010】探針先端や基板への測定対象物質の固定に
は、抗原、抗体、受容体と特異的に反応するタンパク質
などの物質、核酸等の固相への固定に用いられている公
知の方法が利用できる。
【0011】例えば、抗体の固相化については酵素免疫
測定法(医学書院、石川栄治著)に、核酸の固相化につ
いては遺伝子工学ハンドブック(実験医学別冊、第80
頁〜)などに記載されている。
【0012】測定は、例えば生理食塩水や各種緩衝液等
の生物学的な特異的反応が可能な適当な液媒体中で基板
と探針プローブを徐々に近ずけた際の探針に加わる力の
変化、すなわち相互作用の特性曲線(フォースカーブ)
を測定する。測定に際しては従来のAFMが利用でき
る。液媒体の種類や測定条件は測定対象物の特性等に応
じて選択される。
【0013】この様にすれば、例えば、ELISA法な
どの試薬開発において必要な、抗原と抗体の特異性、結
合力といった、親和性の評価が短時間で行える。この他
にも、例えば抗体側をモノクローナル抗体にして、いく
つかの抗原認識部位の異なるモノクローナル抗体を組み
合わせて固相化した場合と単独で固相化した場合に結合
力にどの様な違いが見られるとか、最適な組み合わせは
どれがよいかとかいったことが評価できたり、また基板
上の抗体感作密度を変化させてみて、結合力がこの様に
変化するので最適な感作濃度はどうであるとかいったこ
とが予測でき、アッセイ系を組む上での有用な情報を得
ることができる。
【0014】
【実施例】
実施例1 (1)基板へのヒトIgEの固相化 平坦なシリコン基板を純水にひたし、超音波洗浄器にて
2分間洗浄後、アセトンにて再度洗浄した。次に、アセ
トンに溶解した2%3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン溶液に浸して、室温で30分間シェイカー上にて静
かに反応させる。純水で洗浄した反応液を除き、デシケ
ータ中で乾燥させた後、10%グルタルアルデヒド溶液
と室温3時間反応させ、純水で充分洗浄した。次に、予
めアレルギー患者のプール血清から、アフィニティーカ
ラムを用いて精製したヒトIgEをPBS緩衝液pH
7.8に5mg/dlの濃度になるように調整してお
き、さきほどの基板と4度Cで一晩、シェイカー上にて
反応させた。反応後、上記PBS緩衝液にて洗浄後、
0.5%BSAを含む0.1Mトリス塩酸緩衝液pH
8.0と室温で反応させ、上記PBSに0.1%BSA
および0.1%NaN3 を含む緩衝液に保存した。 (2)探針への抗ヒトIgE抗体の固相化 窒化シリコン製AFM探針プローブを水酸化ナトリウム
溶液pH12に5時間浸し、表面に水酸基を導入した。
以降、1)と同様の方法で探針先端へ抗ヒトIgE抗体
を固相化した。 (3)フォースカーブ測定 (1)及び(2)で作製した探針と基板を使い、実際に
AFMにてフォースカーブを測定し、抗ヒトIgE抗体
の親和性の評価を行った。尚、この抗ヒトIgE抗体
は、先ほど基板に固相化したヒトIgEをウサギに免疫
して作製したものである。また対照として、ダコ社製抗
ヒトIgEマウスモノクローナル抗体を同様の方法にて
探針に固相化し、両者の比較を行った。以下に結果を示
す。
【0015】まず、試料間のZ軸方向の距離を制御する
ために10Hzの三角波をピエゾ素子に印加し、周期的
にZ軸方向の距離を変化させた(図1および図6)。次
に、作製したヒトIgEについて、予め定めた点A0
中心に図1の電圧波形をピエゾ素子に与え、AFMにあ
るPSD(ポジションセッティングデバイス)の出力よ
り、Z軸方向の距離を周期的に変化させたときの探針に
働く力、フォースカーブを測定した(図2)。これによ
り、作製した抗ヒトIgEウサギモノクロナール抗体の
親和性の指標を、探針に力の働かなくなる点A0を基準
にFAとした。
【0016】図3は、ダコ社製抗ヒトIgEマウスモノ
クローナル抗体について、図2同様にフォースカーブよ
り見積もった親和性の指標をFBとしたものである。さ
らに両者の比較を行うために、このフォースカーブ測定
を、X軸方向に移動しながら約5μm繰り返し行った。
この結果を図4、図5に示す。
【0017】以上の結果より、マウスモノクローナル抗
体を用いた場合では、ウサギポリクローナル抗体を用い
た場合に比べ、その結合力は弱く、一方吸着力に周期性
がみられることから、ある特定のヒトIgEと強く相互
作用することがわかり、その特異性の高さを示唆した。
【0018】
【発明の効果】本発明は生体分子を使った検査試薬開発
において、その試薬として用いる物質の試料への特異性
や結合力を評価する上で重要なデータを得ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Z軸方向を制御するエゾ素子を制御するための
電圧波形を示す図である。
【図2】作製した抗ヒトIgE抗体におけるフォースカ
ーブを示す図である。
【図3】対照とした抗ヒトIgEマウスモノクローナル
抗体におけるフォースカーブを示す図である。
【図4】作製した抗ヒトIgE抗体におけるX軸方向の
親和性を示す図である。
【図5】対照とした抗ヒトIgEマウスモノクローナル
抗体におけるX軸方向の親和性を示す図である。
【図6】試料と探針の位置関係の制御について説明する
ための図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物学的な特異的反応を行う物質がプロ
    ーブとして探針の先端に固定されていることを特徴とす
    る走査型プローブ顕微鏡探針プローブ。
  2. 【請求項2】 生物学的な特異的反応を行う物質が、抗
    原、抗体、受容体または核酸である請求項1に記載の探
    針プローブ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の探針プローブ
    を有する走査型プローブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】 生物学的な特異的反応を行う物質の一方
    を平坦な基板面に固定し、他方を探針の先端にプローブ
    として固定し、これらを徐々に近づけたときの該探針プ
    ローブに加わる力を測定することによって、これら物質
    間の親和性を測定することを特徴とする親和性の測定方
    法。
  5. 【請求項5】 生物学的な特異的反応が、抗原・抗体反
    応、受容体が関与する反応、または核酸のハイブリダイ
    ゼーション反応である請求項4に記載の親和性の測定方
    法。
JP32723793A 1993-12-24 1993-12-24 原子間力探針プローブを用いた物質間の親和性の測定方法 Pending JPH07181191A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32723793A JPH07181191A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 原子間力探針プローブを用いた物質間の親和性の測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32723793A JPH07181191A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 原子間力探針プローブを用いた物質間の親和性の測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07181191A true JPH07181191A (ja) 1995-07-21

Family

ID=18196865

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32723793A Pending JPH07181191A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 原子間力探針プローブを用いた物質間の親和性の測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07181191A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005512032A (ja) * 2001-11-30 2005-04-28 ノースウエスタン ユニバーシティ 直接書き込み式ナノリソグラフィーによるナノスケールチップからの核酸の沈着方法
JP2007139681A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 National Agriculture & Food Research Organization 抗原抗体反応の検出方法と抗原抗体反応検出用キット
CN106248573A (zh) * 2016-06-14 2016-12-21 上海航天设备制造总厂 真空环境下材料与月尘之间粘附力的测试方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005512032A (ja) * 2001-11-30 2005-04-28 ノースウエスタン ユニバーシティ 直接書き込み式ナノリソグラフィーによるナノスケールチップからの核酸の沈着方法
JP2007139681A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 National Agriculture & Food Research Organization 抗原抗体反応の検出方法と抗原抗体反応検出用キット
CN106248573A (zh) * 2016-06-14 2016-12-21 上海航天设备制造总厂 真空环境下材料与月尘之间粘附力的测试方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6586232B2 (en) Substrate preparation for chemical-species-specific binding
JP3364537B2 (ja) 非競合結合検定方法
US6682648B1 (en) Electrochemical reporter system for detecting analytical immunoassay and molecular biology procedures
CN102859359A (zh) 固定有抗原的免疫荧光载片的制备方法和由该方法制备的免疫荧光载片
US20070161042A1 (en) Methods for characterizing molecular interactions
EP2210103A1 (en) Method for the immobilization of a capture molecule on a solid support
CA2300268A1 (en) Electrochemical reporter system for detecting analytical immunoassay and molecular biology procedures
US20040023309A1 (en) Immunoassay and kit for an early and simultaneous detection of biochemical markers in a patient's sample
Schlichtiger et al. Covalent attachment of functionalized cardiolipin on a biosensor gold surface allows repetitive measurements of anticardiolipin antibodies in serum
NL2017204B1 (en) Solid substrate comprising antigens immobilised thereto, biosensor comprising said solid substrate and method for detecting the presence of mycobacterial material in a sample
WO2017211314A1 (en) Method for detecting presence of mycobacterial material in sample using immobilised mannosyl phosphoketide antigen
EP0416730B1 (en) Substrate preparation for chemical-species-specific binding
JPH07181191A (ja) 原子間力探針プローブを用いた物質間の親和性の測定方法
WO1992015709A1 (en) Scanning probe microscopy immunoassay
JPH0326787B2 (ja)
WO1998040739A1 (en) Biosensor for cells
JP3779798B2 (ja) Ca125の測定方法
Holazová Bioanalytical Methods
NL2016913B1 (en) Solid substrate comprising antigens immobilised thereto and use thereof in a method for detecting the presence of mycobacterial material in a sample
AU2002346529B2 (en) Immunoassay and kit for an early and simulataneous detection of biochemical markers in a patient's sample
US20100304398A1 (en) novel diagnostic sensor for rapid and reproducible ro52 protein domain detection
Niu et al. Approach to quantitative detection of CD146 with a label-free protein biosensor based on imaging ellipsometry
JPH04363663A (ja) 物質検出法
CN115605758A (zh) 使用蛋白质-精氨酸脱亚胺酶1(pad1)自身抗原诊断和评估类风湿性关节炎的组合物和方法
CN117545767A (zh) 嵌合的免疫球蛋白