JPH07177167A - ネットワークノード装置 - Google Patents

ネットワークノード装置

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JPH07177167A
JPH07177167A JP32259093A JP32259093A JPH07177167A JP H07177167 A JPH07177167 A JP H07177167A JP 32259093 A JP32259093 A JP 32259093A JP 32259093 A JP32259093 A JP 32259093A JP H07177167 A JPH07177167 A JP H07177167A
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network
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JP32259093A
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Harufusa Kondo
晴房 近藤
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リングネットワークにおけるデータ転送の遅
延を防止したネットワークノード装置を得ることを目的
とする。 【構成】 リング入力に接続されるアドレス弁別器1
は、セル有無検出器2およびバッファ付スイッチ3に接
続されている。セル有無検出器2は制御器4およびセレ
クタ5に接続され、セレクタ5はリング出力に接続され
る。バッファ付スイッチ3は、制御器4との間でREQ
信号およびACK信号の通信を行う。 【効果】 ノード内に通過データが滞留してリングネッ
トワークにおけるデータ転送速度が実効的に遅くなるこ
とを回避する効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリングネットワークを構
成するネットワークノード装置に関し、特にATMリン
グネットワークのネットワークノード装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
<ATMとは>ATM(非同期転送モード:Asynchrono
us Transfer Mode)技術は、ISDN(サービス総合デ
ィジタル網)をより高速化、広帯域化したB−ISDN
(高速広帯域ISDN:Broadband Aspects of ISD
N)を実現するための基盤技術である。
【0003】図26は、電子情報通信学会1993年春
季全国大会予稿集B−609(以後文献1と呼称)に示
されたATMリングネットワークの構成例を簡略化して
示した図である。図26においてノード装置A、B、C
間は光ファイバなどの高速の通信媒体(以後リングと呼
称)で接続され、各ノード装置には複数の端末あるいは
サブネットワークなどが接続されている。端末は音声、
映像、データなどを入出力する装置であり、電話、ファ
クシミリ、CATV、ISDNなどがこれに該当する。
なお、サブネットワークはリングネットワークに従属す
る規模の小さいネットワークである。
【0004】各端末から他の端末への通信は、ノード装
置を介してリングへデータを送出し、目的の端末を従え
ているノード装置はデータを受けて目的の端末へ必要な
データをスイッチすることによって実行される。一方、
他のノード装置に与えるべきデータは単に通過するだけ
である。
【0005】このようなリングネットワークを構成する
ノード装置の一例は、電子情報通信学会1993年春季
全国大会予稿集B−497(以後文献2と呼称)に示さ
れている。この例を簡略化した図を図27に示す。図2
7において、ポート0〜7はノード装置に接続される端
末およびサブネットワークとノード装置との接続に用い
られる端子を表し、リング0および1は、リングとノー
ド装置との接続に用いられる端子を表す。図27では保
守性を考慮して2系統のリングに接続できる構成となっ
ている。
【0006】図27において、端末からのデータもリン
グからのデータも多重器10に入力され多重化されてメ
モリ20に蓄えられる。この際、データに付加されデー
タの行き先を示すヘッダ情報は制御装置30に与えられ
る。制御装置30はヘッダ情報に基づいて、ヘッダ書換
器40によりヘッダ情報を書き換えて、分離器50によ
りデータごとに分離されてポートあるいはリングに出力
される。ここで、メモリ20は出力先が同じデータが多
数存在する場合に、多数のデータが1つの出力に集中す
るデータの競合を緩和するために備えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】リングネットワークを
構成する従来のノード装置は以上のように構成されてい
るので、自らの端末からのデータもリングからのデータ
も全て一度はメモリ20に蓄えられるため、他のノード
に与えられるべきデータも、メモリ20において待ち合
わせを受けることになり、リングネットワークにおける
データ転送速度が実効的に遅くなるという問題があっ
た。また、データ転送の遅延は各ノード装置で生じるた
め、リングネットワークの規模が大きくなったときに顕
著になり、音声通信などのリアルタイムでの通信が要求
される場合に特に問題となる。
【0008】本発明は上記のような問題を解消するため
になされたもので、リングネットワークにおけるデータ
転送の遅延を防止したネットワークノード装置を得るこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るネットワー
クノード装置の第1の態様は、通信ネットワークのノー
ドを構成するネットワークノード装置において、入力さ
れた通信データが、前記ノードを通過するだけの通過デ
ータであるか、前記ノードに接続される端末あるいはサ
ブネットワークに与えられる自ノードデータであるかを
判定する判定手段と、この判定手段にて通過データと判
定された通信データを扱う第1の経路と、 前記判定手
段にて自ノードデータと判定された通信データを扱う第
2の経路とを有する出力手段とを備えている。
【0010】本発明に係るネットワークノード装置の第
2の態様は、通信ネットワークのノードを構成するネッ
トワークノード装置において、入力された通信データ
が、前記ノードを通過するだけの通過データであるか、
前記ノードに接続される端末あるいはサブネットワーク
に与えられる自ノードデータであるかを判定する判定手
段と、この判定手段にて通過データと判定された通信デ
ータを優先的にノード出力として出力させる出力手段と
を備えている。
【0011】本発明に係るネットワークノード装置の第
2の態様は、通信ネットワークのノードを構成するネッ
トワークノード装置において、入力された通信データ
が、前記ノードを通過するだけの通過データであるか、
前記ノードに接続される端末あるいはサブネットワーク
に与えられる自ノードデータであるかを判定する判定手
段と、この判定手段にて自ノードデータと判定された通
信データ及び前記ノードに接続される端末あるいはサブ
ネットワークからのデータを受けるとともに、ノード出
力として通信データを出力するスイッチ手段と、前記判
定手段にて通過データと判定された通信データと前記ス
イッチ手段からの通信データとを受け、制御信号に基づ
いて両通信データの一方の通信データを選択的にノード
出力として出力する選択手段とを備えている。
【0012】本発明に係るネットワークノード装置の第
3の態様は、通信ネットワークのノードを構成するネッ
トワークノード装置において、入力された通信データ
が、前記ノードを通過するだけの通過データであるか、
前記ノードに接続される端末あるいはサブネットワーク
に与えられる自ノードデータであるかを判定する判定手
段と、この判定手段にて通過データと判定された通信デ
ータを記憶する記憶手段と、前記判定手段にて自ノード
データと判定された通信データ及び前記ノードに接続さ
れる端末あるいはサブネットワークからのデータを受け
るとともに、ノード出力として通信データを出力するス
イッチ手段と、前記記憶手段に記憶された通信データと
前記スイッチ手段からの通信データとを受け、制御信号
に基づいて両通信データの一方の通信データを選択的の
ノード出力として出力する選択手段とを備えている。
【0013】本発明に係るネットワークノード装置の第
5の態様は、通信ネットワークのノードを構成するネッ
トワークノード装置において、入力された通信データ
が、前記ノードを通過するだけの通過データであるか、
前記ノードに接続される端末あるいはサブネットワーク
に与えられる自ノードデータであるかを判定する判定手
段と、この判定手段にて通過データと判定された通信デ
ータを記憶するとともに、記憶容量の使用率を示す第1
の使用率信号を出力する記憶手段と、前記判定手段にて
自ノードデータと判定された通信データ及び前記ノード
に接続される端末あるいはサブネットワークからのデー
タを受けるとともに、ノード出力として通信データを出
力し、記憶容量の使用率を示す第2の使用率信号を出力
するするスイッチ手段と、前記記憶手段に記憶された通
信データと前記スイッチ手段からの通信データとを受
け、制御信号に基づいて両通信データの一方の通信デー
タを選択的のノード出力として出力する選択手段と、前
記第1及び第2の記憶手段からの前記第1及び第2の使
用率を受けて、これら第1及び第2の使用率信号に基づ
いた制御信号を前記選択手段の制御信号として出力する
制御手段とを備えている。
【0014】本発明に係るネットワークノード装置の第
6の態様は、通信ネットワークのノードを構成するネッ
トワークノード装置において、入力された通信データ
が、前記ノードを通過するだけの通過データであるか、
前記ノードに接続される端末あるいはサブネットワーク
に与えられる自ノードデータであるかを判定する判定手
段と、この判定手段にて通過データと判定された通信デ
ータを記憶する第1の記憶手段と、前記判定手段にて自
ノードデータと判定された通信データ及び前記ノードに
接続される端末あるいはサブネットワークからのデータ
を受けるとともに、ノード出力として通信データを出力
するスイッチ手段と、このスイッチ手段から出力された
通信データを記憶する第2の記憶手段と、これら第1及
び第2の記憶手段に記憶された通信データを受け、制御
信号に基づいて両通信データの一方の通信データを選択
的にノード出力として出力する選択手段とを備えてい
る。
【0015】本発明に係るネットワークノード装置の第
7の態様は、通信ネットワークのノードを構成するネッ
トワークノード装置において、入力された通信データ
が、前記ノードを通過するだけの通過データであるか、
前記ノードに接続される端末あるいはサブネットワーク
に与えられる自ノードデータであるかを判定する判定手
段と、この判定手段にて通過データと判定された通信デ
ータを記憶するとともに、記憶容量の使用率を示す第1
の使用率信号を出力する第1の記憶手段と、前記判定手
段にて自ノードデータと判定された通信データ及び前記
ノードに接続される端末あるいはサブネットワークから
のデータを受けるとともに、ノード出力として通信デー
タを出力するスイッチ手段と、このスイッチ手段から出
力された通信データを記憶するとともに、記憶容量の使
用率を示す第2の使用率信号を出力する第2の記憶手段
と、これら第1及び第2の記憶手段に記憶された通信デ
ータを受け、制御信号に基づいて両通信データの一方の
通信データを選択的にノード出力として出力する選択手
段と、前記第1及び第2の記憶手段からの前記第1及び
第2の使用率を受けて、これら第1及び第2の使用率信
号に基づいた制御信号を前記選択手段の制御信号として
出力する制御手段とを備えている。
【0016】本発明に係るネットワークノード装置の第
8の態様は、通信ネットワークのノードを構成するネッ
トワークノード装置において、入力された通信データ
が、前記ノードを通過するだけの通過データであると、
その通信データに優先度の高い優先度情報を付加して出
力する情報付加手段と、この情報付加手段にて優先度情
報を付加された通信データを、優先度情報の高い通信デ
ータを優先的にノード出力として出力させる出力手段と
を備えている。
【0017】本発明に係るネットワークノード装置の第
9の態様は、通信ネットワークのノードを構成するネッ
トワークノード装置において、入力された通信データ
が、前記ノードを通過するだけの通過データであると、
その通信データに通過データであることを示す通過デー
タ情報を付加して出力する情報付加手段と、この情報付
加手段にて通過データ情報を付加された通信データを、
優先的にノード出力として出力させる出力手段とを備え
ている。
【0018】
【作用】本発明に係るネットワークノード装置の第1の
態様によれば、入力された通信データが、ノードを通過
するだけの通過データであるか、ノードに接続された端
末あるいはサブネットワークのうち少なくとも一方に与
えられるべき自ノードデータであるかを判定し、出力手
段において各々のデータと第1の経路、第2の経路で取
り扱うことにより、ノード内に通過データが滞留するこ
とを回避できる。
【0019】本発明に係るネットワークノード装置の第
2の態様によれば、入力された通信データが、ノードを
通過するだけの通過データであるか、ノードに接続され
た端末あるいはサブネットワークのうち少なくとも一方
に与えられるべき自ノードデータであるかを判定し、出
力手段において通過データを優先的にノード出力として
出力することにより、ノード内に通過データが滞留する
ことを回避できる。
【0020】本発明に係るネットワークノード装置の第
3の態様によれば、判定手段によって自ノードデータと
判定された通信データはスイッチ手段に与えられ、ま
た、通過データと判定された通信データは、選択手段に
与えられ、該選択手段において、通過データと判定され
た通信データと、スイッチ手段からの端末あるいはサブ
ネットワークからの通信データのうち、一方の通信デー
タを選択的にノード出力として出力することができるの
で、通過データと判定された通信データをスイッチ手段
からの端末あるいはサブネットワークからの通信データ
に優先して出力することで、ノード内に通過データが滞
留することを回避できる。
【0021】本発明に係るネットワークノード装置の第
4の態様によれば、判定手段により通過データと判定さ
れた通信データは記憶手段に与えられ、該手段に記憶さ
れる。一方、自ノードデータと判定された通信データは
スイッチ手段に与えられる。選択手段において、記憶手
段に記憶された、通過データと判定された通信データ
と、スイッチ手段を介して与えられる端末あるいはサブ
ネットワークからの通信データのうち、一方の通信デー
タを選択的にノード出力として出力することができるの
で、通過データと判定された通信データをスイッチ手段
からの端末あるいはサブネットワークからの通信データ
に優先して出力することで、ノード内に通過データが滞
留することを回避できる。
【0022】本発明に係るネットワークノード装置の第
5の態様によれば、判定手段により通過データと判定さ
れた通信データは記憶手段に与えられ、該手段に記憶さ
れる。一方、自ノードデータと判定された通信データは
スイッチ手段に与えられる。選択手段において、記憶手
段に記憶された、通過データと判定された通信データ
と、スイッチ手段を介して与えられる端末あるいはサブ
ネットワークからの通信データのうち、第1および第2
の使用率信号に基づいて一方の通信データを選択的にノ
ード出力として出力することができるので、両通信デー
タの出力バランスを調整することができる。
【0023】本発明に係るネットワークノード装置の第
6の態様によれば、判定手段により通過データと判定さ
れた通信データは第1の記憶手段に記憶され、該手段に
記憶される。一方、自ノードデータと判定された通信デ
ータはスイッチ手段に与えられる。また、端末あるいは
サブネットワークからの通信データはスイッチ手段を介
して、第2の記憶手段に記憶される。選択手段におい
て、第1の記憶手段に記憶された、通過データと判定さ
れた通信データと、第2の記憶手段に記憶されたスイッ
チ手段を介して与えられる端末あるいはサブネットワー
クからの通信データのうち、一方の通信データを選択的
にノード出力として出力することができるので、通過デ
ータと判定された通信データをスイッチ手段からの端末
あるいはサブネットワークからの通信データに優先して
出力することで、ノード内に通過データが滞留すること
を回避できる。
【0024】本発明に係るネットワークノード装置の第
7の態様によれば、判定手段により通過データと判定さ
れた通信データは、記憶容量の使用率を示す第1の使用
率信号を出力する第1の記憶手段に記憶され、該手段に
記憶される。一方、自ノードデータと判定された通信デ
ータはスイッチ手段に与えられる。また、端末あるいは
サブネットワークからの通信データはスイッチ手段を介
して、記憶容量の使用率を示す第2の使用率信号を出力
する第2の記憶手段に記憶される。選択手段において、
第1の記憶手段に記憶された、通過データと判定された
通信データと、第2の記憶手段に記憶されたスイッチ手
段を介して与えられる端末あるいはサブネットワークか
らの通信データのうち、第1および第2の使用率信号に
基づいて一方の通信データを選択的にノード出力として
出力することができるので、両通信データの出力バラン
スを調整することができる。
【0025】本発明に係るネットワークノード装置の第
8の態様によれば、入力された通信データがノードを通
過するだけの通過データである場合には、情報付加手段
により、その通信データに優先度の高い優先度情報を付
加して出力し、この優先度情報の高い通信データを出力
手段により、優先的にノード出力として出力すること
で、通過データの滞留時間を減縮することができる。
【0026】本発明に係るネットワークノード装置の第
9の態様によれば、入力された通信データがノードを通
過するだけの通過データである場合には、情報付加手段
により、その通信データに優先度の高い優先度情報を付
加し、さらに、通過データであることを示す通過データ
情報を付加して出力し、優先度情報および通過データ情
報を付加された通信データを、出力手段により優先的に
ノード出力として出力することで、通過データの滞留時
間を減縮することができ、また、通過データの扱いをよ
り細く指定することができる。
【0027】
【実施例】
<実施例1> <A.実施例1の構成>図1は本発明に係るネットワー
クノード装置の実施例1を説明するためのブロック図で
ある。図1において、リング入力に接続されるアドレス
弁別器1は、セル有無検出器2およびバッファ付スイッ
チ3に接続されている。セル有無検出器2は制御器4お
よびセレクタ5に接続され、セレクタ5はリング出力に
接続される。バッファ付スイッチ3は、ポートから入力
データが与えられ、またポートへ出力データを与え、制
御器4との間で送信要求(以後REQと略記)信号およ
び確認(以後ACKと略記)信号の通信を行う。各々の
ポートには従来例で説明したような端末やサブネットワ
ークなどが接続される。
【0028】上記のネットワークノード装置を構成する
個々の構成要素について以下に説明する。
【0029】<A−1.ATMセル>ATMでは、音
声、映像、データの通信メディアによらず、全ての情報
を「セル」と呼ばれる固定長のブロックに入れて運ぶ。
セルの構成は、行き先などを示すセルヘッダと通信すべ
き内容が入っているペイロードから成り、セルヘッダ内
の情報、例えばVCI(仮想チャネル識別子:Virtual
Channel Identifier)やVPI(仮想パス識別子:Virt
ual Path Identifier )に基づいてスイッチングを行
う。UNIにおけるセルの構成の一例を図2に示す。
【0030】図2において、ATMセルは53オクテッ
トで構成され、セルヘッダにはそのうちの第1から第5
オクテットまでの5オクテットが割り当てられる。セル
ヘッダの構成は、第1オクテットの8ビット目から5ビ
ット目までの4ビットが、セル同士の衝突を制御するG
FC(一般的フロー制御)に割り当てられている。続い
て第2オクテットの5ビット目までの8ビットがVPI
に割り当てられ、続いて第4オクテットの5ビット目ま
での16ビットがVCIに割り当てられている。第4オ
クテットの4ビット目から2ビット目までの3ビット
が、ペイロード内の情報の種別を示すPT(ペイロード
タイプ表示)に割り当てられ、残る1ビットがセルの優
先度を示すセル損失優先表示(CLP)に割り当てられ
ている。第5オクテットは、セルヘッダの誤り検出およ
び訂正のためのHEC(ヘッダ誤り制御)に割り当てら
れている。
【0031】<A−2.アドレス弁別器>図1における
アドレス弁別器1は入力されたセルが、自らのノードに
接続されているポートに与えられるべきセル(以後自ノ
ードセルと呼称)なのか、あるいは、他のノードに与え
られるべきセル(以後通過セルと呼称)なのかを判定す
るように構成される。なお、前述したようにセルの行先
はVPIまたはVCIに示されている。
【0032】図3にアドレス弁別器の構成の一例を示
す。図3においてリング入力からのセルは直列入出力の
シフトレジスタ1a(RAMによってシフトレジスタを
実現したものでも良い)に与えられ、アドレスの弁別に
要する時間だけ滞留する。シフトレジスタ1aに与えら
れたセルのセルヘッダ位置にあたるデータ、つまりVP
IまたはVCIの値は、トリガ信号TRG1に同期して
パラレルにキャプチャ用のS/P変換回路1bに取り込
まれてS/P変換される。
【0033】通常、シリアルデータとしてセルが入力さ
れる際に、セルの先頭を示すパルス信号が並走して入力
されている。トリガ信号TRG1は、先頭を示すパルス
信号に対して、セルヘッダの終端を示す信号として与え
られる。また、後述するトリガ信号TRG2と同様に、
シーケンサ等によりセルの先頭を示すパルス信号に同期
して与えられる。
【0034】S/P変換回路1bによって、S/P変換
されたVPIあるいはVCIのデータは、あらかじめ、
ネットワークとノード装置のあいだで取り決められた翻
訳表を有するCAM1cに与えられる。この翻訳表は例
えば図4に示すように、入力されたセルとそれが出力さ
れるべきポートのポート番号とが対応形式で示されてい
る。
【0035】CAM1cでは、実際に与えられたVPI
およびVCIのデータと翻訳表とを比較してマッチ動作
を行い、整合性を確認する。VPIおよびVCIのデー
タが翻訳表にマッチした場合、そのデータを有するセル
は自ノードセル、つまり自らのノードに接続されている
ポートに与えられるべきセルと判断され、アドレス弁別
器1内の内部スイッチ1eを介してバッファ付スイッチ
3に与えられる。
【0036】一方、VPIおよびVCIのデータが翻訳
表にマッチしない場合、そのデータを有するセルは通過
セル、つまり他のノード行きのセルと判断され内部スイ
ッチ1eを介してリング出力に向かって送出される。
【0037】例えば図4では、ポート番号#2、#4な
どに対応するVPIあるいはVCIのデータを有するセ
ルは自ノードセルとしてポート番号#2、#4のポート
に与えられ、その他、この翻訳表にないポート番号、例
えばポート番号#1、#3などに対応するVPIあるい
はVCIのデータを有するセルは通過セルと判断され
る。
【0038】マッチ動作で得られたマッチ信号は、CA
M1cに接続されたマッチ出力回路(ラッチ回路で構
成)1dに与えられ、シフトレジスタ1aに滞留してい
るセルの、先頭を示すパルス信号に同期したトリガ信号
TRG2により、内部スイッチ1eに与えられてセルの
切れ目(シリアルデータの切れ目)で内部スイッチ1e
を切り替える。この処理はCAM1cを用いることによ
り並列に処理されるので、高速にアドレスを弁別するこ
とが可能になる。
【0039】また、CAM1cはエクストラヘッダ生成
回路1fに接続され、自ノードセルに対しては、バッフ
ァ付スイッチ3内での処理を容易にするためのエクスト
ラヘッダ(ルーチングヘッダ)の付加作業が行われ、そ
の後P/S変換回路1gによりシリアルデータに変換さ
れ、自ノードセルに付加されてバッファ付スイッチ3に
与えられる。
【0040】エクストラヘッダは、セルヘッダとペイロ
ードで構成される本来のセルに追加されるセルであっ
て、スイッチのどのポートにセルを交換すべきかという
情報を実際の出力ポート番号で与える。ハードウェアで
あるスイッチでスイッチングするような場合には、出力
先が実際の出力ポート番号で与えられる方が処理が容易
である。このように、スイッチを用いてハードウェア的
に交換を行う点が従来のパケット交換に比べてATMが
優れている点である。このエクストラヘッダの付加作業
に要する時間は、レジスタ1iに自ノードセルが滞留す
ることによって確保される。
【0041】なお、出力されない側には、空セル生成回
路1hから空セル(アイドルセル)のパターン(アイド
ルパターン)が与えられる。
【0042】<A−3.アドレス弁別器の他の構成例>
ここで、バッファ付スイッチ3からセレクタ5に向けて
のセルには、自らのノードに接続された端末からのセル
が主体となるが、場合によってはリング入力からの同報
セルも含まれることになる。同報セルとは放送形態のセ
ルで、自らのノードに接続されている端末の全てあるい
は一部分と、自らのノード以外の他のノードに接続され
ている端末にも通信されるべきセルである。
【0043】自ノードに与えられ、かつ、通過して他ノ
ードにも与えられるような同報セルの処理は、アドレス
弁別器1にコピー機能を持たせてコピーを行い、アドレ
ス弁別器の2つの出力に同じセルを出力させる。
【0044】例えば、バッファ付スイッチ3が4対4の
スイッチである場合のノード装置の構成を図5に示す。
図5において、バッファ付スイッチ3には4つのポート
入力と、#1〜#4の番号を有する4つのポート出力が
備えられている。
【0045】リング入力からの同報セルの行先きが
「次、#3、#4」となっている場合、アドレス弁別器
1で付加されるエクストラヘッダ(ルーチングヘッダ)
の内容は、バッファ付スイッチ3における「#3、#
4」のポート出力に与えられるようにビット構成され
る。また、「次」というのは次のノード行きのセルを示
し、図5では、#1のポートがセレクタへのポート出力
である。同報先に「#1」が含まれていた場合、これを
検出して、アドレス弁別器内の内部スイッチ1eでセル
のコピーを行い、セレクタ5に向けて送出する。このと
き、エクストラヘッダ生成回路1fでは「#1」は設定
しないようにする必要がある。
【0046】図6にコピー判定機能を有したアドレス弁
別器の他の構成例を示す。基本的な構成は図3で説明し
たアドレス弁別器1と同様であり、図6には変更部分に
ついてのみ示す。CAM1cにはマッチ回路1dの代わ
りにCOPY判定回路1jが接続されている。COPY
判定回路1jによる判定結果は、制御信号CNTLとコ
ピー信号COPYとして内部スイッチ1kに与えられ
る。内部スイッチ1kでは、制御信号CNTLとコピー
信号COPYに応じてセルのコピーを行う。
【0047】例えば、図6に示すように同報セルの行先
きが、#1〜#mまでのバッファ付スイッチ3の出力ポ
ートのポート番号で与えられる場合、CAM1cから
は、#1〜#mまでの各々のポート番号について1ビッ
トずつ、計mビットのデータが与えられる。
【0048】ここで、#1のビットだけが1の場合は、
空きセルはバッファ付スイッチ3に与えられ、シフトレ
ジスタ1aに滞留するセルは出力1、すなわちセル有無
検出器2に与えられる。
【0049】また、#1のビットが0で、他の#2〜#
mまでのビットの何れもが0である場合には、空きセル
はセル有無検出器2に与えられ、シフトレジスタ1aに
滞留するセルはバッファ付スイッチ3に与えられる。ま
た、 #1のビットが1で、他の#2〜#mまでのビッ
トの何れかが1である場合には、シフトレジスタ1aに
滞留するセルがコピーされて、セル有無検出器2および
バッファ付スイッチ3に与えられる。コピー判定回路1
jおよび内部スイッチ1kの構成、動作については以下
に説明する。
【0050】<A−3−1.コピー判定回路>コピー判
定回路1jの構成例の一例を図7に示す。図7におい
て、同報セルの行先きを示すために、#1〜#mまでの
バッファ付スイッチ3の出力ポートごとにmビットが用
意される。#2〜#mまでのビットは各々Nチャネルト
ランジスタN1〜Nmのゲート電極に接続され、いずれ
か1つでも1となるビットがある場合にはコピー信号C
OPYとして1を出力する。また、#1のビットはコピ
ー信号COPYと共に論理回路に与えられて制御信号C
NTLを出力する。PチャネルトランジスタP1は電位
固定のため抵抗の代わりに設けられている。
【0051】<A−3−2.内部スイッチ>内部スイッ
チ1kの構成例を図8に示す。図8において、各々出力
端が接続された2つのOR論理回路が、各々AND論理
回路を備え、コピー判定回路1jからの制御信号CNT
Lとコピー信号COPYを受けて、セルのコピーおよび
スイッチを行うように構成されている。
【0052】図8において、入力1および入力2は、図
3に示す空セル生成回路1hおよびシフトレジスタ1a
に接続され、COPY信号およびCNTL信号は、図6
に示すコピー判定回路1kに接続されている。CNTL
信号はインバータI1を介してAND回路A1およびA
2に接続され、また直接EXNOR回路EXN1にも接
続されている。COPY信号はインバータI2を介して
AND回路A2に接続され、また直接EXNOR回路E
XN1およびAND回路A6に接続されている。
【0053】入力1および入力2は、各々AND回路A
3、A5およびA4、A6に接続されている。また、A
ND回路A1、A2の出力は各々AND回路A3、A5
に接続され、EXNOR回路EXN1の出力はAND回
路A4に接続される。
【0054】AND回路A3、A4の出力はOR回路O
R1に、AND回路A5、A6の出力はOR回路OR2
に接続され、OR回路OR1の出力は出力1、すなわち
セル有無検出器2に接続され、OR2の出力は出力2、
すなわちバッファ付スイッチ3に接続されることにな
る。
【0055】動作は、COPY信号およびCNTL信号
が共に0で与えられた場合、つまり図7に示したコピー
判定回路1jにおいて、#1のビットが1で、他の#2
〜#mまでのビットの何れかが1である場合には、入力
信号1(空きセル)は出力2、すなわちバッファ付スイ
ッチ3に与えられ、入力信号2(シフトレジスタ1aに
滞留するセル)は出力1、すなわちセル有無検出器2に
与えられる。
【0056】COPY信号およびCNTL信号が各々、
1および0で与えられた場合は、つまりコピー判定回路
1jにおいて、#1のビットが0で、他の#2〜#mま
でのビットの何れもが0である場合には、入力信号1
(空きセル)は出力1、すなわちセル有無検出器2に与
えられ、入力信号2(シフトレジスタ1aに滞留するセ
ル)は出力2、すなわちバッファ付スイッチ3に与えら
れる。
【0057】また、COPY信号およびCNTL信号が
共に1で与えられた場合、つまりコピー判定回路1jに
おいて、#1のビットが1で、他の#2〜#mまでのビ
ットの何れかが1である場合には、入力信号2(シフト
レジスタ1aに滞留するセル)がコピーされて、出力1
および出力2の両方、すなわちセル有無検出器2および
バッファ付スイッチ3に与えられる。
【0058】<A−4.バッファ付スイッチ>バッファ
付スイッチ3の構成は、例えば、文献2や電子情報通信
学会1992年SEE91−158・IN91−168
(以後文献3と呼称)に示されている。文献3に記載の
バッファ付スイッチを簡略化した図を図9に示す。
【0059】図9において、バッファ付スイッチ3は、
アドレスの変換、読出しなどアドレス管理を行う制御部
3aと、入力したセルを処理する入力セル処理部3b
と、出力されるセルを処理する出力セル処理部3cと、
2つの空間スイッチと、その間に設けられたバッファメ
モリとを有するバッファ・スイッチ部3dで構成されて
いる。
【0060】入力されたセルは入力セル処理部3bでア
ドレス弁別器1で付加されたルーチングヘッダ(エクス
トラヘッダ)が分離され、制御部3aでその宛て先を解
析され、ストアアドレスの割り当てと、割り当てられた
アドレスを出口ごとに用意されたFIFO(制御部が有
する)にストアする制御が行われる。FIFOの先頭か
ら出力されるアドレスをひとつ読みだしては、バッファ
・スイッチ部3dのこのアドレスに対応するバッファか
らセルを読みだすことでスイッチングが行われ、セルが
出力される。
【0061】<A−5.セル有無検出器>セル有無検出
器2の構成例を図10に示す。図10において、アドレ
ス弁別器1から与えられた通過セルまたは空きセルは直
列入出力のシフトレジスタ10aに与えられ、セル有無
の判定に要する時間だけ滞留する。ここで、空きセルと
は、図3で示した空セル生成回路1hから与えられるセ
ルであって、他のノードに与えられるべきセルである通
過セルが存在しないことを示すための、ダミーのセルで
ある。この空きセルは、特定のパターン(空きセルパタ
ーン)を有している。
【0062】セル有無検出器2には、通過セルが与えら
れる場合と、上述した空きセルが与えられる場合とがあ
る。空きセルが与えられる場合とは、アドレス弁別器1
に入力されたセルが、自ノードセルとであると判断さ
れ、通過セルが存在しない場合に、図3で示した空セル
生成回路1hからセル有無検出器2に向けて空きセルが
出力される。つまり、セル有無検出器2には通過セルが
存在しない場合にも特定のパターンを有する空きセルが
ダミーとして与えられるので、通過セルまたは空きセル
が常に与えられることになる。
【0063】シフトレジスタ10aに与えられたセル
(通過セルまたは空きセル)のセルヘッダ位置にあたる
データは、トリガ信号TRG1に同期して別のレジスタ
10bにパラレルロードされ、コンパレータ10cによ
り、レジスタ10dにあらかじめ用意された空きセルを
示すパターンと比較される。パターンが一致した場合は
レジスタ10aに滞留しているセルは空きセルと判定さ
れ、セル有無検出器2には通過させるべきセルは存在し
ないことになる。一方、パターンが一致しない場合はレ
ジスタ10aに滞留しているセルは通過セルと判定さ
れ、セル有無検出器2には通過させるべきセルが存在す
ることになる。
【0064】判定結果は判定出力回路(ラッチ回路で構
成)10eによりトリガ信号TRG3に同期して判定出
力回路から制御器4に向かって出力され、通過させるべ
きセルが存在する場合はセレクタ5に向かって出力され
る。ここで、トリガ信号TRG3は前述したTRG2と
同様に、シーケンサ等によりセルの先頭を示すパルス信
号に同期して与えられる。
【0065】<A−6.制御器>制御器4はセル有無検
出器2からの、セル有無についての信号を受け、バッフ
ァ付スイッチ3との間でセル送出に関する信号の授受を
行い、セレクタ5の制御を行う機器である。
【0066】制御器4の動作の特徴は、セル有無検出器
2において通過セルが検出されている限り、バッファ付
スイッチ3からREC信号を受けてもACK信号をバッ
ファ付スイッチ3に与えることはなく、ACK信号を与
えなければ、バッファ付スイッチ3はバッファ内部にセ
ルを待機させたままである。一方、通過セルが検出され
なくなれば、直ちにACK信号を与えてセレクタ5の切
り替えを行う。
【0067】セレクタ5の切り替えは同期的におこなわ
れるので、バッファ付スイッチ3からのセルを出力して
いる最中に、通過セルがくるようなことにならないよう
に設計される。
【0068】<A−7.セレクタ>図11にセレクタ5
の構成例を示す。図に示すように、セレクタ5はリング
出力に接続されたOR回路OR21の入力端に各々AN
D回路A21、A22が接続され、AND回路A21の
入力端の1つにはセル有無検出器2が接続され、他方に
はインバータI21を介して制御器4からの切り替え信
号SELが与えられ、AND回路A22の入力端の1つ
にはバッファ付スイッチ3が接続され、他方には制御器
4からの切り替え信号SELが直接与えられる。
【0069】動作は、制御器4からの切り替え信号SE
Lが1である場合にバッファ付スイッチ3からの処理セ
ルがリング出力に出力され、切り替え信号SELが0で
ある場合にセル有無検出器2からの通過セルがリング出
力に出力される。
【0070】<B.実施例1の動作>次に、図12およ
び図13を用いて実施例1の動作について説明する。図
12は書き込み動作を、図13は読み出し動作を説明す
るためのフローチャートである。
【0071】図12において、リング入力から与えられ
たセルはアドレス弁別器1により、自ノードセルなの
か、あるいは通過セルなのかを判定され、自ノードセル
であると判定された場合はルーチングヘッダ(エクスト
ラヘッダ)を付加されて、バッファ付スイッチ3に与え
られ、通過セルと判定された場合にはセル有無検出器2
に与えられる(ステップS1)。
【0072】次に図13において、制御器4はセル有無
検出器2から通過セルの有無に関する信号を受け(ステ
ップS2)、通過セルの有無について判定を行う(ステ
ップS3)。通過セルが存在する場合は、リング入力か
らリング出力への単純なバイパス経路を選択するように
セレクタ5を操作し(ステップS4)、セルをリング出
力に出力して動作を終了する。
【0073】要するに、図3に示したアドレス弁別器1
のシフトレジスタ1aに保持されたセルが、通過セルで
あると判断された場合には、内部スイッチ1eを介し
て、セル有無検出器2に与えられ、セル有無検出器2か
ら通過セル有りとの信号を受けて、セレクタ5によりリ
ング出力として出力されることになる。従ってリング入
力からリング出力へはバイパス経路が用意されているこ
とになり、遅延が小さくなり、例えばリング規模が大き
くなった場合でもリング内をセルが移動する速度を早め
ることができ、通信効率が向上するものである。
【0074】一方、通過セルが存在せず自ノードセルが
存在する場合は、自ノードセルにルーチングヘッダ(エ
クストラヘッダ)を付加して、バッファ付スイッチ3に
与え、バッファ付スイッチ3からのREQ信号の有無に
ついて判定を行う(ステップS5)。REQ信号は、バ
ッファ付スイッチ3のポート入力から入力され、バッフ
ァ付スイッチ3を介してリング出力に出力されるべきセ
ル(以後処理セルと呼称)が存在する場合に、制御器4
に与えられる信号である。
【0075】ステップS5において制御器4がREQ信
号を受けた場合、すなわち処理セルが存在する場合に
は、制御器4はバッファ付スイッチ3にACK信号を返
送し(ステップS6)、バッファ付スイッチ3を経由す
る経路を選択するようにセレクタ5を操作し(ステップ
S7)、バッファ付スイッチ3のポート入力から入力さ
れ、処理セルを出力して動作を終了する。
【0076】なお、制御器4は前述したように、ステッ
プS3において通過セルが存在する場合には、バッファ
付スイッチ3からREC信号を受けてもACK信号をバ
ッファ付スイッチ3に与えることはなく、ACK信号を
与えなければ、バッファ付スイッチ3はバッファ内部に
処理セルを待機させたままである。一方、通過セルが検
出されなくなれば、直ちにACK信号を与えてセレクタ
5の切り替えを行う。
【0077】また、通過セルが存在せず、かつ、バッフ
ァ付スイッチ3がREQ信号を送信しない場合は、処理
セルも存在せず、リング出力に送出すべきセルがない状
態である。
【0078】このように、本実施例のような構成のノー
ド装置を用いれば、リング入力からリング出力へは単純
なバイパス経路が用意されていることになり、遅延を小
さくすることができる。これによって、例えばリング規
模が大きくなった場合でもリング内をセルが移動する速
度を早めることができ、通信効率が向上する。
【0079】また、特定のポート行きの自ノードセルが
大量に到着した場合に、1つのポートからの送出速度に
は限度があるので、バッファ付スイッチ3のバッファが
満杯状態になって、セル廃棄が起こるようないわゆる輻
輳状態に陥いることがある。この状態に陥ったときに通
過セルが到着した場合、従来であれば、処理不能として
通過セルが廃棄される場合があった。しかし、実施例1
のような構成のノード装置を用いれば、このような場合
にも、通過セルはバッファ付スイッチ3を介することな
く、優先的にセレクタ5から送出されるので廃棄されな
いというメリットがある。つまり、ローカルに生じた不
具合が全体の性能低下につながらないという特徴を有す
る。
【0080】<実施例2> <A.実施例2の構成>図14は本発明に係るネットワ
ークノード装置の実施例2を説明するためのブロック図
である。図14において、リング入力からセルが入力さ
れるアドレス弁別器1は、例えばFIFOからなるバッ
ファメモリ6およびバッファ付スイッチ3に接続されて
いる。バッファメモリ6は制御器4およびセレクタ5に
接続され、制御器4との間でREQおよびACKの通信
および、制御器4にバッファ容量(メモリ容量)の使用
率を示すFull信号を与える。セレクタ5はリング出
力に接続されている。
【0081】バッファ付スイッチ3は、アドレス弁別器
1およびポート入力からセルが与えられ、ポート出力お
よびセレクタ5にセルを与え、制御器4との間でREQ
およびACKの通信を行い、バッファ容量(メモリ容
量)の使用率を示すFull信号を与える。
【0082】図1を用いて説明した実施例1と異なる部
分は、セル有無検出器2の代わりにバッファメモリ6を
配置したことである。第1の実施例で説明したネットワ
ークノード装置ではノードを通過するだけの通過セルが
必ず優先されるため、回線が込み合って通過セルが増加
すると、バッファ付スイッチ3のポート入力から入力さ
れ、バッファ付スイッチ3を介してリング出力に出力さ
れる処理セルは、スイッチ3内のバッファ・スイッチ部
3dで待機することになりスループットが低下すること
がある。このような込み合った場合には、通過セルと処
理セルとのバランスを取ることを考慮する必要がある。
そのために、図14に示すようにセレクタ5の前にバッ
ファメモリ6を設けて通過セルを蓄積し、制御器4にお
いて蓄積状況に応じて、バッファ付スイッチ3あるいは
バッファメモリ6のどちらのセルを優先的に出力するか
について判断する。なお、本実施例を実現するためには
バッファ付スイッチ3にFull信号を出力する機能が
付加される。
【0083】バッファ付スイッチ3およびバッファメモ
リ6の両方は送出されるセルが控えていることを示すR
EQ信号と、各バッファ容量の使用率を示すFull信
号を制御器4へ送り、制御器4は各バッファ容量の使用
率からどちらのセルを送出させるかを決定し、バッファ
付スイッチ3あるいはバッファメモリ6のどちらかにA
CK信号を返し、セレクタ5をコントロールしてセルが
送出される方に切り替える。ここで、各々のバッファ容
量とは、バッファ付スイッチ3とバッファメモリ6の有
するバッファ容量(メモリ容量)を示す。
【0084】ここで使用されるバッファメモリ6は、混
んでいるときにセルを滞留させる機能があればよく、1
入力1出力の一般的な周知の構成のバッファメモリを用
い、Full信号を出力するように構成される。
【0085】<B.実施例2の動作>次に、図15およ
び16を用いて動作について説明する。図15は書き込
み動作のフローチャートであって図15は制御器4の読
み出し動作を説明するためのフローチャートである。
【0086】図15において、リング入力から与えられ
たセルはアドレス弁別器1により、自ノードセルなの
か、あるいは通過セルなのかを判定され、自ノードセル
であると判定された場合はルーチングヘッダ(エクスト
ラヘッダ)を付加されて、バッファ付スイッチ3に与え
られ、通過セルと判定された場合にはFIFOからなる
バッファメモリに与えられる(ステップS10)。
【0087】図16において、制御器4はバッファ付ス
イッチ3からのREQ信号(以後RSと略記)およびF
ull信号(以後FSと略記)を受信する(ステップS
11)。ここで、REQ信号は実施例1で説明したよう
に、バッファ付スイッチ3のポート入力から入力され、
バッファ付スイッチ3を介してリング出力に出力される
べき処理セルが存在する場合に、制御器4に与えられる
信号である。同様に、バッファメモリ6からのREQ信
号(以後RFと略記)およびFull信号(以後FFと
略記)を受信する(ステップS12)。
【0088】制御器4は、FS、FFに基づいてセレク
タ5を制御し、バッファ付スイッチ3およびバッファメ
モリ6からのセルのうちどちらをリング出力として出力
させるべきかを判断する(ステップS13)。判断のた
めには以下のような手法を用いる。
【0089】一例として、判断基準となる使用率を閾値
Tとして設定し、FSあるいはFFの示す使用率との比
較を行い、閾値Tよりも大きいかあるいは小さいかによ
って判断する。例えば、FS>Tの場合は、セレクタ5
を制御してバッファ付スイッチ3からの処理セルを選択
し、その他の場合はセレクタ5がバッファメモリ6から
の通過セルを選択してリング出力に出力するように構成
する。
【0090】また、より実際的な選択手法としては、バ
ッファ付スイッチ3およびバッファメモリ6の使用率に
対して各々閾値TsおよびTfを設定し、FSおよびF
Fの示す使用率との比較を行う。例えば、FF<Tfか
つFS>Tsの場合はセレクタ5を制御してバッファ付
スイッチ3からの処理セルを選択し、FF>Tfまたは
FS<Tsの場合はセレクタ5がバッファメモリ6から
の通過セルを選択するように構成する。このように構成
すると、通常はバッファメモリ6からの通過セルを優先
的に選択するが、バッファ付スイッチ3の使用率のみが
高くなった場合はバッファ付スイッチ3からの処理セル
を優先的に選択し、バッファ付スイッチ3およびバッフ
ァメモリ6共に使用率が高くなった場合はバッファメモ
リ6からの通過セルを優先的に選択することになる。従
って、バッファ付スイッチ3およびバッファメモリ6が
共に優先的に選択されることはない。
【0091】なお、上記のような関係を集合図を用いて
表すと、図17に示すようになる。図17において、F
F>Tfの場合は、図中の紙面に向かって左側の白抜き
楕円部分に該当し、FF<Ts場合は、これ以外の全て
の部分に該当し、FS>Tsの場合は、図中の紙面に向
かって右側のハッチングを施された楕円部分および白抜
き楕円で覆われた破線部分に該当し、FS<Ts場合
は、これ以外の全ての部分に該当する。これらを組み合
わせた場合、つまり、FF<TfかつFS>Tsの場合
はハッチングで示される部分に該当し、FF>Tfまた
はFS<Tsの場合はハッチング部分以外に該当する。
【0092】ステップS13において、制御器4がバッ
ファ付スイッチ3からの処理セルを選択すると判断した
場合は、制御器4はACK信号をバッファ付スイッチ3
に返信し(ステップS14)、セレクタ5を制御して、
バッファ付スイッチ3のポート入力から入力され、バッ
ファ付スイッチ3を介してリング出力に出力される処理
セルを選択してリングへ出力して動作を終了する(ステ
ップS15)。
【0093】ここでACK信号は実施例1で説明したよ
うに、通過セルが存在しない場合にのみ制御器4がバッ
ファ付スイッチ3からREC信号を受けて返送する信号
である。
【0094】また、ステップS13において、制御器4
がバッファメモリ6からの通過セルを選択すると判断し
た場合は、制御器4はACK信号をバッファメモリ6に
返信し(ステップS14a)、セレクタ5を制御してバ
ッファメモリ6からの通過セルを選択してリングへ出力
して動作を終了する(ステップS15a)。
【0095】一連の動作が終了すると次に送出されるセ
ルに対して同様の動作を行い、それが繰り返されること
になる。
【0096】以上説明した構成のネットワークノード装
置によれば、通過セルと処理セルとのバランスを取って
リング出力に出力することができるので、処理セルが必
ずスイッチ内のバッファで待機させられるという状況が
回避され、スループットの低下を防ぐことができる。
【0097】また、通過セルについても、バッファ付ス
イッチ3のメモリ容量およびバッファメモリ6のメモリ
容量の使用率を考慮して出力されることになるので、通
過セルが必ずバッファメモリ6に待機させられるという
こともなくなる。よって、例えばリング規模が大きくな
った場合でもリング内をセルが移動する速度を早めるこ
とができ、通信効率が向上する。
【0098】<実施例3> <A.実施例3の構成>図18本発明に係るネットワー
クノード装置の実施例3を説明するためのブロック図で
ある。図17において、リング入力からセルが入力され
るアドレス弁別器1は、FIFOメモリからなる第1の
バッファメモリ6aおよびバッファ付スイッチ3に接続
されている。第1のバッファメモリ6aは制御器4およ
びセレクタ5に接続され、制御器4との間でREQおよ
びACKの通信を行い、制御器4にFull信号を与え
る。セレクタ5はリング出力に接続されている。
【0099】バッファ付スイッチ3は、アドレス弁別器
1およびポート入力からセルが与えられ、ポート出力に
セルを与え、FIFOメモリからなる第2のバッファメ
モリ6bを介して制御器4との間でREQおよびACK
の通信を行い、制御器4にFull信号を与える。第2
のバッファメモリ6bはセレクタ5に接続されている。
【0100】第1および第2のバッファメモリ6aおよ
び6bは送出すべきセルが控えていることを示すREQ
信号と、各バッファ容量の使用率を示すFull信号を
制御器4へ送り、制御器4は各バッファ容量の使用率か
らどちらのセルを送出させるかを決定し、第1のバッフ
ァメモリ6aあるいは第2のバッファメモリ6bのどち
らかにACK信号を返し、セレクタ5をコントロールし
てセルが送出される方に切り替える。ここで、各々のバ
ッファ容量とは、バッファ付スイッチ3とバッファメモ
リ6の有するバッファ容量(メモリ容量)を示す。
【0101】ここで使用される、第1および第2のバッ
ファメモリ6aおよび6bは実施例2と同様に1入力1
出力の一般的な周知の構成のバッファメモリでよい。要
するに、混んでいるときに待たせる機能があればよい。
【0102】<B.実施例3の動作>次に、図19およ
び図20を用いて動作について説明する。図19は書き
込み動作のフローチャートであって図20は、制御器4
の読み出し動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【0103】図19において、リング入力から与えられ
たセルはアドレス弁別器1により、自ノードセルなの
か、あるいは通過セルなのかを判定され、自ノードセル
であると判定された場合はルーチングヘッダ(エクスト
ラヘッダ)を付加されて、バッファ付スイッチ3に与え
られ、通過セルと判定された場合にはFIFOからなる
第1のバッファメモリ6aに与えられる(ステップS2
0)。
【0104】図20は読み出し動作を説明するためのフ
ローチャートである。図20において、制御器4は第2
のバッファメモリ6bからのREQ信号(RS)および
Full信号(FS)を受信する(ステップS21)。
同様に、第1のバッファメモリ6aからのREQ信号
(RF)とFull信号(FF)を受信する(ステップ
S22)。
【0105】ここで、第2のバッファメモリ6bからの
REQ信号(RS)は、実施例1で説明したように、バ
ッファ付スイッチ3のポート入力から入力され、バッフ
ァ付スイッチ3を介してリング出力に出力されるべき処
理セルが、第2のバッファメモリ6b内に存在する場合
に、その存在を制御器4に示すための信号である。また
Full信号(FS)は、第2のバッファメモリ6bの
バッファ容量(メモリ容量)の使用率を示す信号であ
る。
【0106】一方、第1のバッファメモリ6aには、ア
ドレス弁別器1から通過セルが与えられる。通過セルが
与えられると、第1のバッファメモリ6aは通過セルの
存在をREQ信号(RF)によって制御器4に送信す
る。このとき、アドレス弁別器1から与えられるセルが
空きセルだけの場合はREQ信号(RF)は送信されな
い。また、Full信号(FF)は、第1のバッファメ
モリ6aのバッファ容量(メモリ容量)の使用率を示す
信号である。
【0107】制御器4は、FSおよびFFに基づいてセ
レクタ5を制御し、第1のバッファメモリ6aおよび第
2のバッファメモリ6bからのセルのうちどちらをリン
グ出力として出力させるべきかを判断する(ステップS
23)。判断のための手法については、実施例2で説明
した方法と同様の方法を採る。
【0108】ステップS23において、制御器4が第2
のバッファメモリ6bからの処理セルを選択すると判断
した場合は、制御器4はACK信号を第2のバッファメ
モリ6bに返信し(ステップS24)、セレクタ5を制
御して、ACK信号を受けて第2のバッファメモリ6b
が出力した処理セルを選択し、リングへ出力して動作を
終了する(ステップS25)。
【0109】また、ステップS23において、制御器4
がバッファメモリ6bからの通過セルを選択すると判断
した場合は、制御器4はACK信号をバッファメモリ6
bに返信し(ステップS24a)、セレクタ5を制御し
て、ACK信号を受けて第1のバッファメモリ6aが出
力した通過セルを選択し、リングへ出力して動作を終了
する(ステップS25a)。
【0110】一連の動作が終了すると次に送出されるべ
きセルに対して同様の動作を行い、それが繰り返される
ことになる。
【0111】本実施例によれば、制御器4との間でRE
QおよびACK信号およびFull信号の通信を行う機
能を有しない既存のバッファ付スイッチを用いても、通
過セルと処理セルのリング出力への出力バランスを調整
する機能を有したノードを構成することができる。
【0112】<実施例4> <A.実施例4の構成>図22に示す本実施例は遅延優
先度を複数レベルでサポートしているバッファ付スイッ
チ3を用いる場合に特に有効な方法である。遅延優先度
を実現しているスイッチの例として、例えば1993年
度電子情報通信学会春季全国大会B−496(以後文献
4と呼称)に示されるスイッチなどがある。
【0113】遅延優先度とは、仮想チャネル毎に割り当
てられる優先度の概念であって、実施例1で図4を用い
て説明した翻訳表に類似した優先度テーブルによって与
えられる。
【0114】図21に優先度テーブルの一例を示す。図
21において、セルヘッダ内のVCIあるいはVPIの
値に対して、その値を有するセルが出力されるべき出力
ポートの番号と、各々の遅延優先度とが対応形式で示さ
れている。ここで、遅延優先度は1ビットで与えられて
いるので、優先有り、または無しということになるが、
遅延優先度を複数ビットで表現すれば、複数レベルの遅
延優先度を与えることができる。
【0115】図22は本発明に係るネットワークノード
装置の実施例4を説明するためのブロック図である。図
22において、高優先度のセルを優先的に出力する優先
制御機能を有するバッファ付スイッチ31の入力側に
は、優先度変換器7が接続され、出力側にはヘッダ変換
器8が接続されている。また、優先度変換器7は優先度
テーブル9に接続され遅延優先度に関する指示を得る。
【0116】<B.実施例4の動作>次に、図21およ
び図22を用いて動作について説明する。優先度変換器
7では、入力したセルのセルヘッダ内のVCIあるいは
VPIの値を確認し、優先度テーブル9との照会を行
う。例えば、優先度1の与えられるセルは通過セルであ
って、優先セルとして扱い、優先度0の与えられるセル
は自ノードセルであって優先セルとして扱わないように
取り決められているとする。また、ポート番号#1およ
び#2のポートはヘッダ変換器8を介して、リング出力
に接続される出力ポートであり、その他のポートは自ら
のノードに接続される端末あるいはサブネットワークに
接続される出力ポートであるとする。
【0117】ここで、入力されたセルのVCIあるいは
VPIの値が0100101であったとすれば、優先度
テーブル9から優先度は0であるので自ノードセルであ
ると判断され、そのセルはバッファ付スイッチ31のポ
ート番号#3のポートに与えられるべきセルとして扱わ
れる。つまり、このセルのエクストラヘッダ(ルーチン
グヘッダ)の生成時に優先度情報として0が付加され、
通常の優先度に従うので、バッファ付スイッチ31内で
は優先セルとして取り扱われずに、滞留する場合もあ
る。
【0118】一方、入力したセルのVCIあるいはVP
Iの値が0100001であったとすれば、優先度テー
ブル9から優先度は1であるので通過セルであると判断
され、そのセルはバッファ付スイッチ31のポート番号
#2および#1のポートに与えられるべきセルとして扱
われる。つまり、このセルにはエクストラヘッダ(ルー
チングヘッダ)の生成時に優先度情報として1が付加さ
れ、バッファ付スイッチ31内に滞留されることなくリ
ング出力に向けて優先的に出力される。
【0119】以上説明した動作を、図23に示すフロー
チャートを用いて説明する。図23において、リング入
力から与えられたセルは、優先度変換器7において優先
度テーブル9を参照して、自ノードセルであるか、ある
いは通過セルであるかについて判定される(ステップS
31)。
【0120】ステップS31において、自ノードセルで
あると判定されたセルは、優先度変換器7において優先
度テーブル9に従った通常の優先度が与えられる(ステ
ップS32)。
【0121】ステップS32において、通過セルである
と判定されたセルは、優先度変換器7において、例えば
優先度テーブル9で与えられる最優先セルに次ぐ優先度
を与えられたり、あるいは、優先度テーブル9で与えら
れる最優先セルよりも高い優先度を与えられるなどの処
理を施される(ステップS33)。
【0122】ステップS32またはS33にて与えられ
る優先度は、エクストラヘッダ(ルーチングヘッダ)の
生成時に、エクストラヘッダ内に埋め込まれ(ステップ
S34)、バッファ付スイッチ31に送出される(ステ
ップS35)。
【0123】リング出力に与えられるときに、ヘッダ変
換器8によってエクストラヘッダはリムーブされる(ス
テップS36)。この動作により、セルは優先度変換器
7に入力した時と同じ状態に戻る。
【0124】以上説明したように、与えられたセルのV
PIあるいはVCIの値を、優先度変換器7において優
先度テーブル9を参照して調べ、通過セルであることが
判明した場合には、高い優先度を与えてバッファ付スイ
ッチ31に向けて送出する。このセルはバッファ付スイ
ッチ31内で優先的に処理されて早めに出力されるの
で、通過セルが1つのノード装置内に蓄積されて、セル
の移動速度が低下するといった状態を回避することがで
きる。
【0125】図24に、上述した効果を与えるエクスト
ラヘッダの一構成例を示す。この例では、エクストラヘ
ッダ中に遅延優先度を示す優先度情報Pがあり、通過セ
ルに対しては、そのセルの本来の遅延優先度の如何によ
らず、高い優先度情報Pを与えてバッファ付スイッチ3
1へ送り込まれることになる。
【0126】図25にエクストラヘッダの他の構成例を
示す。図25は、通過セルであることを示すセル情報R
を、エクストラヘッダに備えた例で、この場合スイッチ
はセル情報Rをケアして優先的に処理する機能を備えて
いる必要があるが、図24で説明した構成のエクストラ
ヘッダに比べて通過セルの扱いをより細く指定できるた
め、汎用性の高いコーディングになっている。これによ
って、例えば、バッファ付スイッチ31内のバッファが
込み合ってきた場合でも、バッファ付スイッチ内のバッ
ファの使用率を考慮することによって、セル情報Rの付
いているセルは廃棄しないなどの処理が可能になる。
【0127】よって、特定のポート行きのセルが大量に
到着し、輻輳状態に陥いるような場合にも、通過セルは
優先的に送出されるので廃棄されないというメリットが
ある。つまり、ローカルに生じた不具合が全体の性能低
下につながらないという効果が得られる。
【0128】なお、図22において破線で囲まれた領域
内に示される構成は、半導体チップを高集積化して1チ
ップ内に構築し、破線で囲まれた領域の構成を内蔵した
スイッチとすることができる。
【0129】
【発明の効果】請求項1記載のネットワークノード装置
によれば、ノードを通過するだけの通過データおよび、
ノードに接続された端末あるいはサブネットワークのう
ち少なくとも一方に与えられるべき自ノードデータを各
々第1の経路および、第2の経路で取り扱うことによ
り、ノード内に通過データが滞留することを回避でき、
ノード内に通過データが滞留してリングネットワークに
おけるデータ転送速度が実効的に遅くなることを回避す
る効果がある。
【0130】請求項2記載のネットワークノード装置に
よれば、出力手段において通過データを優先的にノード
出力として出力することにより、ノード内に通過データ
が滞留することを回避でき、ノード内に通過データが滞
留してリングネットワークにおけるデータ転送速度が実
効的に遅くなることを回避する効果がある。
【0131】請求項3記載のネットワークノード装置に
よれば、通過データと判定された通信データをスイッチ
手段からの端末あるいはサブネットワークからの通信デ
ータに優先して出力することで、ノード内に通過データ
が滞留することを回避でき、ノード内に通過データが滞
留してリングネットワークにおけるデータ転送速度が実
効的に遅くなることを回避する効果がある。
【0132】請求項4記載のネットワークノード装置に
よれば、通過データと判定された通信データと、スイッ
チ手段を介して与えられる端末あるいはサブネットワー
クからの通信データのうち、一方の通信データを選択的
にノード出力として出力することができるので、通過デ
ータと判定された通信データをスイッチ手段からの端末
あるいはサブネットワークからの通信データに優先して
出力することで、ノード内に通過データが滞留すること
を回避でき、ノード内に通過データが滞留してリングネ
ットワークにおけるデータ転送速度が実効的に遅くなる
ことを回避する効果がある。
【0133】請求項5記載のネットワークノード装置に
よれば、記憶手段に記憶された、通過データと判定され
た通信データと、スイッチ手段を介して与えられる端末
あるいはサブネットワークからの通信データのうち、第
1および第2の使用率信号に基づいて一方の通信データ
を選択的にノード出力として出力することができるの
で、両通信データの出力バランスを調整することがで
き、スイッチ手段からの出力データが必ずスイッチ内の
バッファで待機させられるという状況が回避され、スル
ープットの低下を防ぐ効果がある。
【0134】請求項6記載のネットワークノード装置に
よれば、第1の記憶手段に記憶された、通過データと判
定された通信データと、第2の記憶手段に記憶されたス
イッチ手段を介して与えられる端末あるいはサブネット
ワークからの通信データのうち、一方の通信データを選
択的にノード出力として出力することができ、ノード内
に通過データが滞留してリングネットワークにおけるデ
ータ転送速度が実効的に遅くなることを回避する効果が
ある。
【0135】請求項7記載のネットワークノード装置に
よれば、第1の記憶手段に記憶された、通過データと判
定された通信データと、第2の記憶手段に記憶されたス
イッチ手段を介して与えられる端末あるいはサブネット
ワークからの通信データのうち、第1および第2の使用
率信号に基づいて一方の通信データを選択的にノード出
力として出力することができるので、両通信データの出
力バランスを調整することができ、スイッチ手段からの
出力データが必ずスイッチ内のバッファで待機させられ
るという状況が回避され、スループットの低下を防ぐ効
果がある。
【0136】請求項8記載のネットワークノード装置に
よれば、通過データに優先度の高い優先度情報を付加し
て出力し、この優先度情報の高い通信データを出力手段
により、優先的にノード出力として出力することで、通
過データの滞留時間を減縮することができ、ノード内に
通過データが滞留してリングネットワークにおけるデー
タ転送速度が実効的に遅くなることを回避する効果があ
る。
【0137】請求項9記載のネットワークノード装置に
よれば、通過データの滞留時間を減縮することができ、
また、通過データの扱いをより細く指定することができ
るので、ノード内に通過データが滞留してリングネット
ワークにおけるデータ転送速度が実効的に遅くなること
を回避し、通信データが多くなって輻輳状態に陥いるよ
うな場合にも、通過データを廃棄しないなどの措置を取
ることができ、ローカルに生じた不具合が全体の性能低
下につながらないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るネットワークノード装置の第1の
実施例を示す構成図である。
【図2】ATMセル構造を示す図である。
【図3】本発明に係るネットワークノード装置のアドレ
ス弁別器の一例を示す構成図である。
【図4】本発明に係るネットワークノード装置のアドレ
ス弁別器が有する翻訳表を示す図である。
【図5】本発明に係るネットワークノード装置の第1の
実施例を示す構成図である。
【図6】本発明に係るネットワークノード装置の第1の
実施例の他の構成例を示す図である。
【図7】本発明に係るネットワークノード装置のコピー
判定回路の一例を示す構成図である。
【図8】本発明に係るネットワークノード装置の内部ス
イッチの一例を示す構成図である。
【図9】本発明に係るネットワークノード装置のバッフ
ァ付スイッチの一例を示す構成図である。
【図10】本発明に係るネットワークノード装置のセル
有無検出器の一例を示す構成図である。
【図11】本発明に係るネットワークノード装置のセレ
クタの一例を示す構成図である。
【図12】本発明に係るネットワークノード装置の第1
の実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明に係るネットワークノード装置の第1
の実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図14】本発明に係るネットワークノード装置の第2
の実施例を示す構成図である。
【図15】本発明に係るネットワークノード装置の第2
の実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図16】本発明に係るネットワークノード装置の第2
の実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図17】本発明に係るネットワークノード装置の第2
の実施例の動作を説明する集合図である。
【図18】本発明に係るネットワークノード装置の第3
実施例を示す構成図である。
【図19】本発明に係るネットワークノード装置の第3
の実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図20】本発明に係るネットワークノード装置の第3
の実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図21】本発明に係るネットワークノード装置の優先
度テーブルを示す図である。
【図22】本発明に係るネットワークノード装置の第4
実施例を示す構成図である。
【図23】本発明に係るネットワークノード装置の第4
の実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図24】本発明に係るネットワークノード装置の第4
実施例のセル構成例を示す図である。
【図25】本発明に係るネットワークノード装置の第4
実施例の他のセル構成例を示す図である。
【図26】リングネットワークを示す構成図である。
【図27】従来のネットワークノード装置のバッファ付
スイッチの構成図である。
【符号の説明】
1 アドレス弁別器(判定手段) 2 セル有無検出器 3、31 バッファ付スイッチ(スイッチ手段) 4 制御器(制御手段) 5 セレクタ(選択手段) 6 バッファメモリ(記憶手段) 6a バッファメモリ(第1の記憶手段) 6b バッファメモリ(第2の記憶手段) 7 優先度変換器(情報付加手段) 8 ヘッダ変換器 9 優先度テーブル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信ネットワークのノードを構成するネ
    ットワークノード装置において、 入力された通信データが、前記ノードを通過するだけの
    通過データであるか、前記ノードに接続される端末ある
    いはサブネットワークに与えられる自ノードデータであ
    るかを判定する判定手段と、 この判定手段にて通過データと判定された通信データを
    扱う第1の経路と、 前記判定手段にて自ノードデータと判定された通信デー
    タを扱う第2の経路とを有する出力手段とを備えたこと
    を特徴とするネットワークノード装置。
  2. 【請求項2】 通信ネットワークのノードを構成するネ
    ットワークノード装置において、 入力された通信データが、前記ノードを通過するだけの
    通過データであるか、前記ノードに接続される端末ある
    いはサブネットワークに与えられる自ノードデータであ
    るかを判定する判定手段と、 この判定手段にて通過データと判定された通信データを
    優先的にノード出力として出力させる出力手段とを備え
    たことを特徴とするネットワークノード装置。
  3. 【請求項3】 通信ネットワークのノードを構成するネ
    ットワークノード装置において、 入力された通信データが、前記ノードを通過するだけの
    通過データであるか、前記ノードに接続される端末ある
    いはサブネットワークに与えられる自ノードデータであ
    るかを判定する判定手段と、 この判定手段にて自ノードデータと判定された通信デー
    タ及び前記ノードに接続される端末あるいはサブネット
    ワークからのデータを受けるとともに、ノード出力とし
    て通信データを出力するスイッチ手段と、 前記判定手段にて通過データと判定された通信データと
    前記スイッチ手段からの通信データとを受け、制御信号
    に基づいて両通信データの一方の通信データを選択的に
    ノード出力として出力する選択手段とを備えたことを特
    徴とするネットワークノード装置。
  4. 【請求項4】 通信ネットワークのノードを構成するネ
    ットワークノード装置において、 入力された通信データが、前記ノードを通過するだけの
    通過データであるか、前記ノードに接続される端末ある
    いはサブネットワークに与えられる自ノードデータであ
    るかを判定する判定手段と、 この判定手段にて通過データと判定された通信データを
    記憶する記憶手段と、 前記判定手段にて自ノードデータと判定された通信デー
    タ及び前記ノードに接続される端末あるいはサブネット
    ワークからのデータを受けるとともに、ノード出力とし
    て通信データを出力するスイッチ手段と、 前記記憶手段に記憶された通信データと前記スイッチ手
    段からの通信データとを受け、制御信号に基づいて両通
    信データの一方の通信データを選択的のノード出力とし
    て出力する選択手段とを備えたことを特徴とするネット
    ワークノード装置。
  5. 【請求項5】 通信ネットワークのノードを構成するネ
    ットワークノード装置において、 入力された通信データが、前記ノードを通過するだけの
    通過データであるか、前記ノードに接続される端末ある
    いはサブネットワークに与えられる自ノードデータであ
    るかを判定する判定手段と、 この判定手段にて通過データと判定された通信データを
    記憶するとともに、記憶容量の使用率を示す第1の使用
    率信号を出力する記憶手段と、 前記判定手段にて自ノードデータと判定された通信デー
    タ及び前記ノードに接続される端末あるいはサブネット
    ワークからのデータを受けるとともに、ノード出力とし
    て通信データを出力し、記憶容量の使用率を示す第2の
    使用率信号を出力するするスイッチ手段と、 前記記憶手段に記憶された通信データと前記スイッチ手
    段からの通信データとを受け、制御信号に基づいて両通
    信データの一方の通信データを選択的のノード出力とし
    て出力する選択手段と、 前記第1及び第2の記憶手段からの前記第1及び第2の
    使用率を受けて、これら第1及び第2の使用率信号に基
    づいた制御信号を前記選択手段の制御信号として出力す
    る制御手段とを備えたことを特徴とするネットワークノ
    ード装置。
  6. 【請求項6】 通信ネットワークのノードを構成するネ
    ットワークノード装置において、 入力された通信データが、前記ノードを通過するだけの
    通過データであるか、前記ノードに接続される端末ある
    いはサブネットワークに与えられる自ノードデータであ
    るかを判定する判定手段と、 この判定手段にて通過データと判定された通信データを
    記憶する第1の記憶手段と、 前記判定手段にて自ノードデータと判定された通信デー
    タ及び前記ノードに接続される端末あるいはサブネット
    ワークからのデータを受けるとともに、ノード出力とし
    て通信データを出力するスイッチ手段と、 このスイッチ手段から出力された通信データを記憶する
    第2の記憶手段と、 これら第1及び第2の記憶手段に記憶された通信データ
    を受け、制御信号に基づいて両通信データの一方の通信
    データを選択的にノード出力として出力する選択手段と
    を備えたことを特徴とするネットワークノード装置。
  7. 【請求項7】 通信ネットワークのノードを構成するネ
    ットワークノード装置において、 入力された通信データが、前記ノードを通過するだけの
    通過データであるか、前記ノードに接続される端末ある
    いはサブネットワークに与えられる自ノードデータであ
    るかを判定する判定手段と、 この判定手段にて通過データと判定された通信データを
    記憶するとともに、記憶容量の使用率を示す第1の使用
    率信号を出力する第1の記憶手段と、 前記判定手段にて自ノードデータと判定された通信デー
    タ及び前記ノードに接続される端末あるいはサブネット
    ワークからのデータを受けるとともに、ノード出力とし
    て通信データを出力するスイッチ手段と、 このスイッチ手段から出力された通信データを記憶する
    とともに、記憶容量の使用率を示す第2の使用率信号を
    出力する第2の記憶手段と、 これら第1及び第2の記憶手段に記憶された通信データ
    を受け、制御信号に基づいて両通信データの一方の通信
    データを選択的にノード出力として出力する選択手段
    と、 前記第1及び第2の記憶手段からの前記第1及び第2の
    使用率を受けて、これら第1及び第2の使用率信号に基
    づいた制御信号を前記選択手段の制御信号として出力す
    る制御手段とを備えたことを特徴とするネットワークノ
    ード装置。
  8. 【請求項8】 通信ネットワークのノードを構成するネ
    ットワークノード装置において、 入力された通信データが、前記ノードを通過するだけの
    通過データであると、その通信データに優先度の高い優
    先度情報を付加して出力する情報付加手段と、 この情報付加手段にて優先度情報を付加された通信デー
    タを、優先度情報の高い通信データを優先的にノード出
    力として出力させる出力手段とを備えたことを特徴とす
    るネットワークノード装置。
  9. 【請求項9】 通信ネットワークのノードを構成するネ
    ットワークノード装置において、 入力された通信データが、前記ノードを通過するだけの
    通過データであると、その通信データに通過データであ
    ることを示す通過データ情報を付加して出力する情報付
    加手段と、 この情報付加手段にて通過データ情報を付加された通信
    データを、優先的にノード出力として出力させる出力手
    段とを備えたことを特徴とするネットワークノード装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004030561A (ja) * 1995-08-04 2004-01-29 Hill Rom Co Inc 病院ベッド用のベッド状態情報のシステム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004030561A (ja) * 1995-08-04 2004-01-29 Hill Rom Co Inc 病院ベッド用のベッド状態情報のシステム

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