JPH07176488A - 非単結晶シリコンカーバイト半導体薄膜およびその作製方法 - Google Patents

非単結晶シリコンカーバイト半導体薄膜およびその作製方法

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JPH07176488A
JPH07176488A JP5321796A JP32179693A JPH07176488A JP H07176488 A JPH07176488 A JP H07176488A JP 5321796 A JP5321796 A JP 5321796A JP 32179693 A JP32179693 A JP 32179693A JP H07176488 A JPH07176488 A JP H07176488A
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silicon carbide
band gap
gas
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Hiroyuki Tokunaga
博之 徳永
Tadashi Ahei
忠司 阿閉
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光学的バンドギャップが2.2eV以上あっ
て、電子スピン共鳴(ESR)法で測定されるスピン密
度が2×1018cm-3以下であることを特徴とする非単
結晶シリコンカーバイト膜。 【効果】 本発明の非単結晶シリコンカーバイト膜を用
いれば、従来膜中の多量の欠陥準位によって阻害されて
いた電子の走行性が改善され電気特性の良好な素子が形
成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素を含有するシリコン
膜の形成方法に係わり、特に広い禁制帯幅を有し、光電
変換材料や電子材料として用いられる非単結晶シリコン
カーバイト膜の形成法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン系非単結晶薄膜は、感光体、薄
膜トランジスター、センサー、光起電力素子などに広く
応用されている。なかでも非単結晶シリコンカーバイト
膜(以下a−SiCx )は、禁制帯幅が大きいので、応
用の範囲が広く種々の研究開発がなされてきた。
【0003】プラズマCVD法やECR(電子サイクロ
トロン共鳴)法などによる非単結晶シリコンカーバイト
膜(以下a−SiCX :H)はシリコン系のガスと炭素
系のガスの組成比により光学的ハンドギャップ(Eg)
を任意に変化させることができるので最も広く用いられ
ている。またこの材料では、CVDにより大面積の薄膜
材料として容易に作製でき、作製温度が低温のために基
板を選ばず、たとえば信号処理回路等が既に形成されて
いる半導体基板上にも積層が可能となる。
【0004】このような特長を利用してEgの異なる材
料によるヘテロ接合を用いた光電変換装置や薄膜半導体
装置がいろいろと提案されている。例えば太陽電池や光
センサ等の光電変換装置では広い波長範囲においても光
をもれなく利用するために、Egの異なる膜をそれぞれ
積層して短波長から長波長まで効率よく吸収できるよう
な構造をとっている。
【0005】一般に、Egが広いSi1-xx :H膜な
どではC組成量の増加とともにEgが広くなると急激に
電気特性の悪化が起こる。これは、膜中の構造欠陥が急
激に増加するためである。このため、ドーピングによる
p型やn型の価電子制御も困難であり、プラズマCVD
法において水素(諸沢等 電子情報通信学会技術報告V
ol.90 No.348 P.25 1990、A.
MATSUDA etl.Journal of No
n−Crystalline Solids98 19
87 P.1367)や希ガス(秋山等 電子写真学会
誌 P.20 Vol.28 No.1 1989)等
の希釈法などによる作製条件の最適化により、2.2e
V程度までは良好なp型やn型や光電流応答性を示すS
1- xx :H膜が得られるようになってきており、主
に太陽電池の窓層等に用いられている。
【0006】また、原料ガス中にFを持った材料を用い
てSi1-xx :F:H膜を作製する研究も行われてき
たが(Mahan A.H etl.Journal
ofNon−Crystalline Solids
vol.77(1985)P.861)(Gangul
y G.etl. Physical Review
B40(1989)P.3830)(Ganguly
G.etl.Journal of Applied
Physics 69(1991)P.3915)前述
したものと同様に、2.2eV以上のバンドギャップで
良好な電気特性を持ったものが得られたという報告はな
い。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、光学バン
ドギャップが2.2eV以上を越えるようなワイドギャ
ップの膜では、最適な構造緩和の方法が確立されておら
ず、従来から行われているような方法で作製されたシリ
コンカーバイト膜では構造欠陥と対応するESR(電子
スピン共鳴)法によって観察されるスピン密度が1018
cm-3を大きく越えてしまい、この様な膜を用いて電子
素子を作製した場合、電気的な特性が大幅に低下すると
いう問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討を行い本発明に到達した。すなは
ち、本発明は光学的バンドギャップが2.2eV以上あ
って、電子スピン共鳴(ESR)法で測定されるスピン
密度が2×1018cm-3以下であることを特徴とする非
単結晶シリコンカーバイト膜である。またこの膜が膜中
のハロゲン元素の含有量が0.1〜20atm%である
ことを特徴とするシリコンカーバイト膜である。またこ
のハロゲン元素がフッ素であることを特徴とするシリコ
ンカーバイト膜である。
【0009】また、本発明はシリコンを含む原料ガス
と、カーボンを含む原料ガスを導入し光照射、高周波や
熱などの外部エネルギーを加えて分解反応させ、非単結
晶シリコンカーバイト膜を形成する際に、光学的ハンド
ギャップを変化させるために原料ガスの流量比を連続的
に変化させ、その光学的ハンドギャップを1.2〜4.
0eVで変化させた半導体薄膜の製造方法において、
2.2eV〜4.0eVの部分では、原料ガスまたは希
釈ガスにハロゲン化物またはハロゲンガスを用いること
を特徴とする薄膜形成方法である。またこの形成方法に
おいてシリコンを含む原料ガスと、カーボンを含む原料
ガスを導入し光照射、高周波や熱などの外部エネルギー
を加えて分解反応させ、非単結晶シリコンカーバイト膜
を形成する際に、光学的ハンドギャップを変化させるた
めに原料ガスの流量比を変化させ、その光学的ハンドギ
ャップを1.2〜4.0eVまで変化させた半導体薄膜
の製造方法において、2.2eV〜4.0eVの部分で
は、原料ガスまたは希釈ガスに含まれるハロゲン原子の
シリコン原子に対する比率が、光学禁制帯幅の増加に伴
って増加していくことを特徴とする薄膜形成方法であ
り、前記ハロゲン元素がフッ素であることを特徴とする
請求項4及び5記載の薄膜形成方法である。
【0010】本発明で得られた非単結晶シリコンカーバ
イト膜は、上述したような問題点を解決するための材料
として、2.2eV以上のワイドギャップであってスピ
ン密度が2×1018cm-3以下であることを特徴として
いる。作製方法としては、シリコンを含む原料ガスと、
カーボン原料として炭化水素を導入し光照射、高周波や
熱などの外部エネルギーを加えて分解反応させ、光学的
バンドギャップ(禁制帯幅)が2.2eV以上のワイド
ギャップである非単結晶シリコンカーバイト膜を形成す
る際に、原料ガスまたは希釈ガスにハロゲン化物または
ハロゲンガスを用いることを特徴としている。
【0011】光学的ハンドギャップを変化させるために
原料ガスの流量比を連続的に変化させ、その光学的ハン
ドギャップを1.2〜4.0eV、好ましくは1.4〜
3.8eV、さらに好ましくは1.5〜3.5eVの範
囲で変化させた半導体薄膜の製造方法において、2.2
eV〜4.0eVの部分では、原料ガスまたは希釈ガス
に含まれるハロゲン原子のシリコン原子に対する比率
が、光学禁制帯幅の増加に伴って増加していくことを特
徴としている。
【0012】
【作用】本発明では、光学的バンドギャップが大きいシ
リコンカーバイトを形成するときには、膜の内部構造に
Si−F結合を導入することを特徴としている。電子ス
ピン共鳴(ESR)分析の結果から、非単結晶シリコン
カーバイトにおいては、膜中のC組成が多くなるとSi
の水素が外れてSiにダングリングボンドが発生すると
考えられる。赤外線吸光(IR)分析の結果をみると、
膜中のHはC−Hn(n=2,3)のような高次の結合
となってCと結合しているのが判る。
【0013】これは電気陰性度が、C>Siの関係にな
っているのでダングリングボンドのターミネーターとし
て働く膜中のHが、Cに強く引き寄せられてしまうため
だと考えられる。以下に非単結晶シリコンカーバイトに
関係の深い化学結合の結合エネルギーを示す。
【0014】 Si−Hの結合エネルギーはC−Hに較べて約30Kc
al/molも小さいが、Si−F結合はC−Fと較べ
ても約25Kcal/mol、C−Hと較べると約30
Kcal/molも大きな結合エネルギーになってい
る。
【0015】そこで、原料ガスまたは希釈ガス中にフッ
素(F)を導入してやることにより、Siに起因するダ
ングリングボンドをターミネートし非単結晶シリコンカ
ーバイト膜中の欠陥準位を減少させてやることができ
る。このことによって、C濃度の大きいワイドバンドギ
ャップのシリコンカーバイトの電気伝導度特性を改善す
ることが可能になる。
【0016】(実験1)ここで、本発明に至る過程で発
明者は以下のような予備実験を行った。
【0017】メタンを炭素原料に用いてプラズマCVD
によってシリコンカーバイト膜を堆積する際に、シリコ
ン原料をシラン(SiH4 )にした時とフッ化シラン
(SiF4 )にした時の膜中のダングリングボンドの
数をESRを用いて比較した。
【0018】成膜時の条件は以下のようであった。
【0019】 リアクター体積 8リッター CH4 50〜200sccm H2 50〜200sccm 反応応力 200mtorr 基板温度 250℃ SiH4 2〜10sccm SiF4 5〜30sccm RFパワー 0.03W/cm-2 これらの膜を石英基板上に3000A堆積し、長さ30
mm幅2mmにカットして試料とした。図4はそれぞれ
の原料ガスで作製した試料のエネルギーギャップ(E
g)とESRによるスピンデンシティの関係を示したも
のである。
【0020】Egが2.2eV以上のところでは、S
iF4 を用いたシリコンカーバイト膜の方が、SiH
4 を用いたものに較べてスピンデンシティが小さくなっ
ていることが判る。
【0021】このなかで、Egが3.2eVで、そ
れぞれの原料を用いて作製した試料に、バンドギャップ
より十分に高いエネルギーを持った波長350nmの単
色光を照射したところ、暗時との電気伝導度の差は、フ
ッ化シランを用いたものが5×10-9(Ωcm)-1、シ
ランを用いたものが6×10-10 (Ωcm)-1であっ
た。このことから、シリコン原料にフッ化シランを用い
た方が電気伝導度においても、光応答性が向上すること
が判った。
【0022】また、フッ化シランを原料に用いた試料を
SIMS(二次イオンスペクトル質量分析)法で分析し
たところ、スピンデンシティが2×1018cm-3以下の
ものはFが1〜15%含まれていた。
【0023】(実験2)さらに、ダングリングボンドの
数と光電流に関して次のような予備実験を行った。実験
1で用いたのと同様に、メタンとフッ化シラン(SiF
4 )から作製したシリコンカーバイト膜の、スピンデン
シティと光電流の関係を示したのが図8である。作製し
た膜のバンドギャップは2.2〜3.5eVで膜厚は3
000Aであった。
【0024】作製した試料に、バンドギャップより十分
に高いエネルギーを持った波長350nmの単色光を照
射したところ、スピンデンシティと光照射時の電気伝導
度(暗時との電気伝導度の差)の関係は、膜中のスピン
デンシティが2×1018cm -3付近で変極点を持ってお
り、同様の原料系を用いて作製した膜でもスピンデンシ
ティが2×1018cm-3以下では光電流が増加していく
傾向があることが判る (実験3)バンドギャップが2.2eV以上で、スピン
デンシティが2×1018cm-3より少なかったシリコン
カーバイト膜試料の作製条件の、原料ガス中のシリコン
原子に対するフッ素原子の比率とバンドギャップの関係
を表したのが図9である。
【0025】原料ガスとしては、SiH4 /SiF4
CH4 /H2 とSiH4 /CF4/H2 の二種の組み合
わせを用いた。
【0026】この図から、バンドギャップの大きいシリ
コンカーバイト膜でスピンデンシティの低いものを得よ
うとするには、バンドギャップの増加にともなってシリ
コン原子に対するフッ素原子の比率を増加させていく必
要があることが判る。
【0027】[実施態様例]本発明の実施態様を説明す
る。
【0028】本発明のシリコンカーバイト膜は、2.2
eV以上のワイドギャップである非単結晶シリコンカー
バイト膜でスピン密度が2×10-18 cm-3以下のもの
である。作製方法としては以下に詳細に説明するが、シ
リコンを含む原料ガスと、カーボン原料として炭化水素
等を導入し光照射、高周波や熱などの外部エネルギーを
加えて分解反応させ、原料ガスまたは希釈ガスにハロゲ
ン化物またはハロゲンガスを用いている。
【0029】次に、良好な電気特性を持った光学的バン
ドギャップが大きいシリコンカーバイトを形成する方法
について述べる。図1は本発明に用いられる成膜装置の
一つの例を示したものである。
【0030】真空排気ポンプ107によって、真空に排
気した反応容器101に、耐熱性の基板(ガラス、シリ
コンウエハ、石英、金属、セラミック等)102を配置
して適当な温度に加熱しておく。ここに、シリコン原料
としてSinm 、Sin m R、Sinmk
(n,m,k=0,1,2,3,4…、XはF,Cl,
Brなどのハロゲン化物、Rはアルキル基アリル基など
の炭化水素等)などの材料ガスと、カーボン原料として
nm 、Cnmk 、希釈ガスとしてX2 、HXな
どのハロゲンガスまたはハロゲン化水素およびH2 、H
e、Ar、Ne、Xeなどをマスフローコントローラー
112で制御しながら導入しコンダクタンスバルブ10
4によって所望の圧力に調整し、分解エネルギーを供給
して、シリコン原料とカーボン原料を反応させシリコン
カーバイト膜を堆積させる。(ハロゲン元素は、シリコ
ン原料、カーボン原料、希釈ガスのうち少なくともどれ
かに含まれていれば良い、また全てに入っていても良
い。)この時用いる基板は、表面に電極を堆積させると
か、集積回路を作成するなどの加工がしてあっても良
い。また、基板温度は一般には100〜500℃、好ま
しくは150〜350℃、最適には200〜300℃で
ある。シリコン原料としては、水素化シラン、ハロゲン
化シラン、水素化ハロゲン化シラン、および有機シラン
であっても良い。カーボン原料としては、メタン、エタ
ン、プロパン、ブタン、ペンタンなどの炭化水素および
その一部の水素がハロゲン元素で置換されたもので、不
飽和結合が含まれていても良い。場合によっては、これ
らに加えて他の種類の炭化水素ガス等を同時に混入して
用いても良い。さらに、希釈ガスとしてハロゲンガス、
ハロゲン化水素、水素、不活性ガスなどを加えても良
い。また、導電型の制御をするためのドーピングガスを
加えても良い。分解エネルギーの供給方法としては、高
周波(RF,VHF,マイクロ波等)、光照射、原料ガ
スの熱分解等が適用可能である。もちろん、これらのエ
ネルギー供給方法を複合して用いても良い。
【0031】更に、図2、図3(Ecはコンダクション
バンド、Evはバレンスバンドを表す)に示したような
膜中でバンドギャップを変化させたシリコンカーバイト
膜の製法に付いて述べる。上記したのと同様の作製装置
において原料以外は同様にして、シリコン原料としてS
nm 、Sinm R(n,m,k=0,1,2,
3,4…、Rはアルキル基アリル基などの炭化水素等)
などの材料ガスと、カーボン原料としてCnm 、希釈
ガスとしてH2 、He、Ar、Ne、Xeなどをマスフ
ローコントローラー112で制御しながら導入し、シリ
コン原料とカーボン原料の比を変化させて2.2eV以
下の所望のバンドギャップを持ったシリコンカーバイト
膜を堆積させる。(図2の例では一点鎖線より左の部
分、図3の例では中央の凹部分)さらに、バンドギャッ
プが2.2eV以上の膜(図2の例では一点鎖線より右
の部分、図3の例では両端の凸部分)を堆積する際に
は、上述したのと同様にシリコン原料としてSin
m 、Sinm R、SinmkR(n,m,k=
0,1,2,3,4…、XはF,Cl,Brなどのハロ
ゲン化物、Rはアルキル基アリル基などの炭化水素等)
などの材料ガスと、カーボン原料としてCnm 、Cn
mk 、希釈ガスとしてX2 、HXなどのハロゲンガ
スまたはハロゲン化水素およびH2 、He、Ar、N
e、Xeなどをマスフローコントローラー112で制御
しながら導入しコンダクタンスバルブ104によって所
望の圧力に調整し、分解エネルギーを供給して、シリコ
ン原料とカーボン原料を反応させシリコンカーバイト膜
を堆積させる。(バンドギャップが2.2eV以上の膜
の原料中に、ハロゲン元素がシリコン原料、カーボン原
料、希釈ガスのうち少なくともどれかに含まれていれば
良い、また全てに入っていても良い)このとき形成され
るシリコンカーバイト膜中の、F濃度は、一般には、
0.1〜20atm%、好ましくは0.3〜17atm
%、さらに好ましくは1〜15atm%である。
【0032】特に図2のようにバンドギャップが徐々に
増加していくように膜を堆積させる場合には、バンドギ
ャップの増加にともなって原料ガスまたは希釈ガスに含
まれるハロゲン原子のシリコン原子に対する比率を増加
し、ハロゲン原子によって膜中のC−Hn結合によって
引き起こされるSiのダングリングボンドをターミネイ
トさせる。
【0033】この様な異なるバンドギャップを連続した
膜内部に持った構造にする場合、その素子の応用の目的
に応じて、図2、図3に示した以外の組み合わせで、バ
ンドギャップの小さいものと大きいものを任意の部分に
堆積させられることは言うまでもない。
【0034】もちろん、バンドギャップを狭める為にゲ
ルマン原料としてGenm 、Ge nm 、Genm
k 、Genm R(n,m,k=0,1,2,3,4
…、Rはアルキル基アリル基などの炭化水素等)などの
材料ガスを混合して、非単結晶SiGeを作製し本発明
によるSiC膜と積層しても良い。
【0035】以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に
説明する。
【0036】実施例1 図5は本発明を用いて作成した試料の断面構造を示した
ものである。まず石英基板501上に、EB(エレクト
ロンビーム式)真空蒸着でCr膜502を2000A堆
積した。これを図1に示した真空装置にセットして以下
の条件でプラズマCVD法を使って、図6に示したよう
な膜厚方向にバンドギャップが徐々に大きくなるa−S
iCx 膜503を3000A堆積した。 最後にEB真空蒸着法でPt膜を100A堆積した。
【0037】これとは別に、プラズマCVDの際に、同
時に石英基板上にa−SiCx 膜だけを堆積させて、E
SR測定をしたところトータルのスピンデンシティは6
×1017cm-3だった。また、二次イオン質量分析(S
IMS)で膜中のフッ素濃度を測定したところ3atm
%であった。
【0038】実施例2 他の条件、試料の構造は前記した実施例1と同様で(膜
厚とバンドギャップの関係も図6と同じ)、a−SiC
x 膜をプラズマCVD法を使って作成する条件を以下の
ようにした。 これとは別に、プラズマCVDの際に、同時に石英基板
上にa−SiCx 膜だけを堆積させて、ESR測定をし
たところトータルのスピンデンシティは9×1017cm
-3であった。また、二次イオン質量分析(SIMS)で
膜中のフッ素濃度を測定したところ2atm%であっ
た。
【0039】実施例3 他の条件、試料の構造は前記した実施例1と同様で(膜
厚とバンドギャップの関係も図6と同じ)、a−SiC
x 膜をプラズマCVD法を使って作成する条件を以下の
ようにした。 これとは別に、プラズマCVDの際に、同時に石英基板
上にa−SiCx 膜だけを堆積させて、ESR測定をし
たところトータルのスピンデンシティは7×1017cm
-3であった。また、二次イオン質量分析(SIMS)で
膜中のフッ素濃度を測定したところ6atm%であっ
た。
【0040】実施例4 他の条件、試料の構造は前記した実施例1と同様で(膜
厚とバンドギャップの関係も図6と同じ)、a−SiC
x 膜をプラズマCVD法を使って作成する条件を以下の
ようにした。 これとは別に、プラズマCVDの際に、同時に石英基板
上にa−SiCx 膜だけを堆積させて、ESR測定をし
たところトータルのスピンデンシティは6×1017cm
-3であった。また、二次イオン質量分析(SIMS)で
膜中のフッ素濃度を測定したところ1atm%であっ
た。
【0041】比較例1 他の条件、試料の構造は前記した実施例1と同様で(膜
厚とバンドギャップの関係も図6と同じ)、a−SiC
x 膜をプラズマCVD法を使って作成する条件を以下の
ようにした。 これとは別に、プラズマCVDの際に、同時に石英基板
上にa−SiCx 膜だけを堆積させて、ESR測定をし
たところトータルのスピンデンシティは1×1018cm
-3であった。
【0042】実施例1〜4と比較例1のそれぞれの試料
に、波長350nmの単色光を照射したところ、暗時と
の電気伝導度の変化は、実施例1が6×10-8(Ωc
m)-1、実施例2が1×10-9(Ωcm)-1、実施例3
が8×10-8(Ωcm)-1、実施例4が7×10-8(Ω
cm)-1、比較例1が8×10-9(Ωcm)-1であっ
た。このことから、原料ガスにハロゲン元素が含まれた
ものを用いた実施例1の方が、約1桁程度電気伝導度の
光応答性が良いことが判った。
【0043】実施例5 試料の構造は前記した実施例1と同様で、a−SiCx
膜をプラズマCVD法を使って作成する条件を以下のよ
うにした。図7に示したような膜厚方向にバンドギャッ
プが1.45eVから3.52eVまで大きくなるa−
SiGexy膜を3000A堆積した。 これとは別に、プラズマCVDの際に、石英基板上にa
−SiCx 膜だけを堆積させて、ESR測定をしたとこ
ろトータルのスピンデンシティは2×1017cm-3だっ
た。また、二次イオン質量分析(SIMS)で膜中のフ
ッ素濃度を測定したところ11atm%であった。
【0044】比較例2 他の条件、試料の構造は前記した実施例5と同様で(膜
厚とバンドギャップの関係も図7と同じ)、a−SiG
xy 膜をプラズマCVD法を使って作成する条件を
以下のようにした。 これとは別に、プラズマCVDの際に石英基板上にa−
SiGexy 膜だけを堆積させて、ESR測定をした
ところトータルのスピンデンシティは9×10 17cm-3
だった。
【0045】実施例5と比較例2のそれぞれの試料に、
波長350nmの単色光を照射したところ、暗時との電
気伝導度の変化は、実施例5が7×10-8(Ωc
m)-1、比較例2が8×10-9(Ωcm)-1であった。
このことから、原料ガスにハロゲン元素が含まれたもの
を用いた実施例1の方が、約1桁程度電気伝導度の光応
答性が良いことが判った。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の非
単結晶シリコンカーバイト膜を用いれば、従来膜中の多
量の欠陥準位によって阻害されていた電子の走行性が改
善され電気特性の良好な素子が形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる成膜システムの概念図。
【図2】膜厚方向にバンドギャップを変化させたSiC
膜のバンド図の例。
【図3】膜厚方向にバンドギャップを変化させたSiC
膜のバンド図の例。
【図4】SiC膜のバンドギャップとスピン密度の関
係。
【図5】本発明によるa−SiCx 膜を用いた電気特性
評価の為の試料断面図。
【図6】本発明による膜厚方向にバンドギャップを変化
させたSiC膜のバンド図。
【図7】本発明による膜厚方向にバンドギャップを変化
させたSiC膜のバンド図。
【図8】SiC膜のスピンデンシティと光照射時の電気
伝導度の関係。
【図9】Ns<2×1018cm-3以下のSiC膜と、原
料ガス中の(F原子数/Si原子数)の関係。
【符号の説明】
101 反応容器 102 基板 103 基板加熱用ホルダー 104 コンダクタンスバルブ 105 高周波導入用電極 106 光照射用光源 107 真空排気ポンプ 108 原料ガスボンベ 109 原料ガスボンベ 110 希釈ガスボンベ 111 ドーピングガスボンベ 112 マスフローコントローラー 501 石英基板 502 Cr電極 503 a−SiCx 膜 504 Pt電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 31/04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的バンドギャップが2.2eV以上
    あって、電子スピン共鳴(ESR)法で測定されるスピ
    ン密度が2×1018cm-3以下であることを特徴とする
    非単結晶シリコンカーバイト膜。
  2. 【請求項2】 膜中のハロゲン元素の含有量が0.1〜
    20atm%であることを特徴とする請求項1記載のシ
    リコンカーバイト膜。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン元素がフッ素であることを
    特徴とする請求項1記載のシリコンカーバイト膜。
  4. 【請求項4】 シリコンを含む原料ガスと、カーボンを
    含む原料ガスを導入し光照射、高周波や熱などの外部エ
    ネルギーを加えて分解反応させ、非単結晶シリコンカー
    バイト膜を形成する際に、光学的ハンドギャップを変化
    させるために原料ガスの流量比を連続的に変化させ、そ
    の光学的ハンドギャップを1.2〜4.0eVで変化さ
    せた半導体薄膜の製造方法において、2.2eV〜4.
    0eVの部分では、原料ガスまたは希釈ガスにハロゲン
    化物またはハロゲンガスを用いることを特徴とする薄膜
    形成方法。
  5. 【請求項5】 シリコンを含む原料ガスと、カーボンを
    含む原料ガスを導入し光照射、高周波や熱などの外部エ
    ネルギーを加えて分解反応させ、非単結晶シリコンカー
    バイト膜を形成する際に、光学的ハンドギャップを変化
    させるために原料ガスの流量比を変化させ、その光学的
    ハンドギャップを1.2〜4.0eVまで変化させた半
    導体薄膜の製造方法において、2.2eV〜4.0eV
    の部分では、原料ガスまたは希釈ガスに含まれるハロゲ
    ン原子のシリコン原子に対する比率が、光学禁制帯幅の
    増加に伴って増加していくことを特徴とする薄膜形成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン元素がフッ素であることを
    特徴とする請求項4及び5記載の薄膜形成方法。
JP5321796A 1993-12-21 1993-12-21 非単結晶シリコンカーバイト半導体薄膜およびその作製方法 Pending JPH07176488A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100269932B1 (ko) * 1995-11-07 2000-10-16 니시무로 타이죠 반도체 장치의 제조방법 및 그 제조장치

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