JPH07166486A - チップビンの廃ガス爆発防止方法 - Google Patents
チップビンの廃ガス爆発防止方法Info
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- JPH07166486A JPH07166486A JP34191193A JP34191193A JPH07166486A JP H07166486 A JPH07166486 A JP H07166486A JP 34191193 A JP34191193 A JP 34191193A JP 34191193 A JP34191193 A JP 34191193A JP H07166486 A JPH07166486 A JP H07166486A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 蒸解工程の廃蒸気をチップビンに導入してチ
ップの余熱に使用し、同時にチップビンの廃ガスに起因
する爆発を防止する方法の提供である。 【構成】 一次フラッシュサイクロン8(低圧フィーダ
4へ導入される)、二次フラッシュサイクロン9で分離
された廃蒸気がチップビン1下側から導入され、チップ
ビン1中のチップTを余熱する際、チップビン1中のチ
ップレベル変動時、チップビン1からのチップ払い出し
を中止したとき、或はチップビン1の廃ガスを該チップ
ビン1の排出口Pと蒸解工程からの排気系Lとの合流点
Qとの間の任意位置又は該合流点以降で該廃ガス中の可
燃性ガス濃度と該廃ガスの温度とを測定し、その結果か
ら二次フラッシュサイクロン9の廃蒸気、低圧フィーダ
4の廃蒸気の導入を停止するか又は減量させる。
ップの余熱に使用し、同時にチップビンの廃ガスに起因
する爆発を防止する方法の提供である。 【構成】 一次フラッシュサイクロン8(低圧フィーダ
4へ導入される)、二次フラッシュサイクロン9で分離
された廃蒸気がチップビン1下側から導入され、チップ
ビン1中のチップTを余熱する際、チップビン1中のチ
ップレベル変動時、チップビン1からのチップ払い出し
を中止したとき、或はチップビン1の廃ガスを該チップ
ビン1の排出口Pと蒸解工程からの排気系Lとの合流点
Qとの間の任意位置又は該合流点以降で該廃ガス中の可
燃性ガス濃度と該廃ガスの温度とを測定し、その結果か
ら二次フラッシュサイクロン9の廃蒸気、低圧フィーダ
4の廃蒸気の導入を停止するか又は減量させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チップビンの廃ガス爆
発防止方法であって、更に詳しくは蒸解工程の廃蒸気を
チップビンに導入してチップを余熱すると共に、その際
チップビンから排出されるガスの爆発を確実に防止する
方法に関するものである。
発防止方法であって、更に詳しくは蒸解工程の廃蒸気を
チップビンに導入してチップを余熱すると共に、その際
チップビンから排出されるガスの爆発を確実に防止する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の如く蒸解工程では、チップ(木材
の小片)をコンベアによって払い出してチップビンに貯
蔵されており、このチップビンから必要量を蒸解工程に
送ってパルプ化されている。近年省エネルギーの目的で
蒸解工程で発生する廃蒸気(約0.2Kg/cm2 の圧力)をチ
ップビンに導入してチップを余熱するものが開発され広
く使用されている(このチップビンをハイブラビンと呼
んでいる)。
の小片)をコンベアによって払い出してチップビンに貯
蔵されており、このチップビンから必要量を蒸解工程に
送ってパルプ化されている。近年省エネルギーの目的で
蒸解工程で発生する廃蒸気(約0.2Kg/cm2 の圧力)をチ
ップビンに導入してチップを余熱するものが開発され広
く使用されている(このチップビンをハイブラビンと呼
んでいる)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のように蒸解工程
の廃蒸気は、チップビン中のチップの余熱に使用される
ため、省エネルギー対策上有効である反面、廃蒸気中に
は若干のガス、例えば硫化水素(H2S)、メチルメルカプ
タン(MeSH)、硫化メチル(Me2S)、二硫化メチル(Me2S2)
(但し、式中Meはメチル基)のほか、ターペンチン(C
10H16)等各種の可燃性ガス(以下総称してTRSとい
う)を含んでいる。
の廃蒸気は、チップビン中のチップの余熱に使用される
ため、省エネルギー対策上有効である反面、廃蒸気中に
は若干のガス、例えば硫化水素(H2S)、メチルメルカプ
タン(MeSH)、硫化メチル(Me2S)、二硫化メチル(Me2S2)
(但し、式中Meはメチル基)のほか、ターペンチン(C
10H16)等各種の可燃性ガス(以下総称してTRSとい
う)を含んでいる。
【0004】このTRSは、多くは還元性の臭気ガスで
あって、チップビンの廃ガスを燃焼工程で燃焼させて無
臭化されているが、チップビンから排出される廃ガスの
TRS濃度が上昇して爆発下限界(以下爆発限界とい
う)以上になると、これが原因となって燃焼工程中で爆
発事故を引き起こし、安全対策上危険であり、また設備
の破損等各種の問題があった。
あって、チップビンの廃ガスを燃焼工程で燃焼させて無
臭化されているが、チップビンから排出される廃ガスの
TRS濃度が上昇して爆発下限界(以下爆発限界とい
う)以上になると、これが原因となって燃焼工程中で爆
発事故を引き起こし、安全対策上危険であり、また設備
の破損等各種の問題があった。
【0005】しかし、今までの処、チップビン中へ廃蒸
気を導入する際に生じる爆発を防止する手段は何等解明
されておらず、爆発のおそれを回避することが困難であ
った。本発明者は、チップビンの廃ガスの爆発につき研
究の結果、チップビン中のチップ内容積の変動及び廃蒸
気部の容積の変動が主要因であることを突き止め、本発
明を達成した。
気を導入する際に生じる爆発を防止する手段は何等解明
されておらず、爆発のおそれを回避することが困難であ
った。本発明者は、チップビンの廃ガスの爆発につき研
究の結果、チップビン中のチップ内容積の変動及び廃蒸
気部の容積の変動が主要因であることを突き止め、本発
明を達成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、蒸解工程
の廃蒸気をチップビンに導入してチップを余熱する方法
において、チップビン中へのチップの供給量が一定量以
下となったとき又はチップビン中のチップレベルが50%
以下となったとき、チップビンへの蒸解工程の廃蒸気の
導入を遮断又は減量せしめるチップビンの廃ガス爆発防
止方法である。
の廃蒸気をチップビンに導入してチップを余熱する方法
において、チップビン中へのチップの供給量が一定量以
下となったとき又はチップビン中のチップレベルが50%
以下となったとき、チップビンへの蒸解工程の廃蒸気の
導入を遮断又は減量せしめるチップビンの廃ガス爆発防
止方法である。
【0007】また、第2の発明は、蒸解工程の廃蒸気を
チップビンに導入してチップを余熱する方法において、
チップビン中のチップの払い出しを停止したとき、チッ
プビンへの蒸解工程の廃蒸気の導入を遮断又は減量せし
めるチップビンの廃ガス爆発防止方法である。
チップビンに導入してチップを余熱する方法において、
チップビン中のチップの払い出しを停止したとき、チッ
プビンへの蒸解工程の廃蒸気の導入を遮断又は減量せし
めるチップビンの廃ガス爆発防止方法である。
【0008】更に、第3の発明は、蒸解工程の廃蒸気を
チップビンに導入してチップを余熱する方法において、
チップビンの廃ガス中の可燃性ガス濃度が基準濃度以上
に上昇したとき、チップビンへの蒸解工程の廃蒸気の導
入を遮断又は減量せしめるチップビンの廃ガス爆発防止
方法である。
チップビンに導入してチップを余熱する方法において、
チップビンの廃ガス中の可燃性ガス濃度が基準濃度以上
に上昇したとき、チップビンへの蒸解工程の廃蒸気の導
入を遮断又は減量せしめるチップビンの廃ガス爆発防止
方法である。
【0009】更にまた、第4の発明は、蒸解工程の廃蒸
気をチップビンに導入してチップを余熱する方法におい
て、チップビンの廃ガス温度が基準温度以上に上昇した
とき、チップビンへの蒸解工程の廃蒸気の導入を遮断又
は減量せしめるチップビンの廃ガス爆発防止方法であ
る。
気をチップビンに導入してチップを余熱する方法におい
て、チップビンの廃ガス温度が基準温度以上に上昇した
とき、チップビンへの蒸解工程の廃蒸気の導入を遮断又
は減量せしめるチップビンの廃ガス爆発防止方法であ
る。
【0010】
【作用】本発明は以上の如き構成のものであって、チッ
プビン中のチップは通常50〜80%が収納されており、蒸
解工程の操業に見合うようにチップをコンベアでチップ
ビンへ補充し、またチップビンからチップを払い出して
蒸解工程へ供給している。
プビン中のチップは通常50〜80%が収納されており、蒸
解工程の操業に見合うようにチップをコンベアでチップ
ビンへ補充し、またチップビンからチップを払い出して
蒸解工程へ供給している。
【0011】この場合、定状状態ではチップビン中のチ
ップレベル及び廃蒸気部の容積は殆ど変動がなく、これ
に導入される蒸解工程の廃蒸気もスムースに導入できる
が、前記チップレベル及び廃蒸気部の容積に変動が生じ
ると、チップビン中の廃蒸気、空気、TRS等の分布に
変動を生じる。
ップレベル及び廃蒸気部の容積は殆ど変動がなく、これ
に導入される蒸解工程の廃蒸気もスムースに導入できる
が、前記チップレベル及び廃蒸気部の容積に変動が生じ
ると、チップビン中の廃蒸気、空気、TRS等の分布に
変動を生じる。
【0012】チップビン中のチップレベル及び廃蒸気部
の容積の変動は次の場合に生じる。 1)チップ投入コンベアの供給量が一定量以下になったと
き。 2)チップビン中のチップレベルが50%以下になったとき
(一般的にはチップビン内容積の50〜80%程度であ
る)。 3)チップビンからのチップの払い出しを中止したとき。
の容積の変動は次の場合に生じる。 1)チップ投入コンベアの供給量が一定量以下になったと
き。 2)チップビン中のチップレベルが50%以下になったとき
(一般的にはチップビン内容積の50〜80%程度であ
る)。 3)チップビンからのチップの払い出しを中止したとき。
【0013】チップビン1は、図2に示したように、上
部からチップTが供給されて内容積の約50〜80%で堆積
しており、他方、チップビン1下部中央からチップTが
払い出されて蒸解工程に送られている。また、チップビ
ン1下側から廃蒸気が導入され、チップビン1の廃ガス
はチップの堆積層の空隙を通ってチップビン1上部から
排出されている。
部からチップTが供給されて内容積の約50〜80%で堆積
しており、他方、チップビン1下部中央からチップTが
払い出されて蒸解工程に送られている。また、チップビ
ン1下側から廃蒸気が導入され、チップビン1の廃ガス
はチップの堆積層の空隙を通ってチップビン1上部から
排出されている。
【0014】本発明者は、確認のため前記チップビン1
中の定状状態における温度状態及びガスの分布状態につ
いて実験を行った。即ち、図3は図2のチップビン1
に、蒸解工程の廃蒸気を導入した場合のチップビン1の
レベル(a)、(b)、(c)、(d)で夫々サンプリングした内部
のガス温度状態の一例を示したものである(実線は夏
場、二点鎖線は冬場)。尚、夏場の気温は29.5℃、チッ
プの温度は27℃、冬場の気温は4℃、チップの温度は7
℃、またVPは硫化メチル(Me2S)の沸点である。
中の定状状態における温度状態及びガスの分布状態につ
いて実験を行った。即ち、図3は図2のチップビン1
に、蒸解工程の廃蒸気を導入した場合のチップビン1の
レベル(a)、(b)、(c)、(d)で夫々サンプリングした内部
のガス温度状態の一例を示したものである(実線は夏
場、二点鎖線は冬場)。尚、夏場の気温は29.5℃、チッ
プの温度は27℃、冬場の気温は4℃、チップの温度は7
℃、またVPは硫化メチル(Me2S)の沸点である。
【0015】また、図4は、図2のチップビン1に、蒸
解工程の廃蒸気を導入した場合の前記レベル(a)、(b)、
(c)、(d)で夫々サンプリングしたチップビン1中の水蒸
気、TRS及び空気の分布状態の一例を示したものであ
る。尚、図4中、●は水蒸気%、▲はTRS%である。
解工程の廃蒸気を導入した場合の前記レベル(a)、(b)、
(c)、(d)で夫々サンプリングしたチップビン1中の水蒸
気、TRS及び空気の分布状態の一例を示したものであ
る。尚、図4中、●は水蒸気%、▲はTRS%である。
【0016】因みに、チップビン1の円筒部の高さは12
1,000mm、直径は4,570〜4,840mm、サンプリング位置(a)
は円筒部上縁から3,600mm、(b)は(a)より2,000mm下、
(c)は(b)よりさらに2,000mm下及び(d)は更に(c)より2,0
00mm下である。尚、チップビンの大きさは特に限定する
ものではなく、各種の大きさのものについて図3及び図
4の傾向があるものと考えて良い。
1,000mm、直径は4,570〜4,840mm、サンプリング位置(a)
は円筒部上縁から3,600mm、(b)は(a)より2,000mm下、
(c)は(b)よりさらに2,000mm下及び(d)は更に(c)より2,0
00mm下である。尚、チップビンの大きさは特に限定する
ものではなく、各種の大きさのものについて図3及び図
4の傾向があるものと考えて良い。
【0017】図3から明らかなように、チップビン1中
のレベルのガス温度は、夏場の例では、レベル(d)で98.
5℃であるが、レベル(b)から急速に低下し、排出時には
30℃程度である。しかし、排出時のチップビンの廃ガス
温度が急激に高くなるということは、定状状態のチップ
ビン中の廃蒸気、空気、TRS等の分布が変動したから
であるため、温度の測定が必要である。
のレベルのガス温度は、夏場の例では、レベル(d)で98.
5℃であるが、レベル(b)から急速に低下し、排出時には
30℃程度である。しかし、排出時のチップビンの廃ガス
温度が急激に高くなるということは、定状状態のチップ
ビン中の廃蒸気、空気、TRS等の分布が変動したから
であるため、温度の測定が必要である。
【0018】また、図4に示すようにチップビン1は、
定状状態では下側から蒸解工程の廃蒸気が導入され、上
部から空気が導入されて回流、拡散しているため、チッ
プビン1内部は、チップビン1下側から導入される廃蒸
気の大部分がチップTに接触して凝集し、チップビン1
の下方(レベル(d)以下)では蒸気の割合が高くなって
いる。
定状状態では下側から蒸解工程の廃蒸気が導入され、上
部から空気が導入されて回流、拡散しているため、チッ
プビン1内部は、チップビン1下側から導入される廃蒸
気の大部分がチップTに接触して凝集し、チップビン1
の下方(レベル(d)以下)では蒸気の割合が高くなって
いる。
【0019】また、チップビン1上部からは空気が導入
されているため、最上部[レベル(a)以上]では空気の
割合が高く、また廃蒸気中のTRSは堆積されたチップ
Tの空隙から(この場合堆積されたチップ層の空隙率は
約65%である)チップビン1上部に上昇し、チップビン
1の廃ガス中のTRSは爆発のおそれのない程度の濃度
で排出されている。
されているため、最上部[レベル(a)以上]では空気の
割合が高く、また廃蒸気中のTRSは堆積されたチップ
Tの空隙から(この場合堆積されたチップ層の空隙率は
約65%である)チップビン1上部に上昇し、チップビン
1の廃ガス中のTRSは爆発のおそれのない程度の濃度
で排出されている。
【0020】然るに、前記1)〜3)に示したようにチップ
レベル及び廃蒸気部の容積が変動した場合に引続き蒸解
工程の廃蒸気をチップビン1に導入し続けると、チップ
ビン1の廃ガスは、内部に滞留していたガスが引続き導
入される後続の廃蒸気によって押し上げられ一気に排出
されるため、定状状態の空気、TRS及び水蒸気の前記
分布状態が崩れ、図4中の点線のように、チップビン上
部のTRS濃度が高くなって燃焼工程へ送られる結果爆
発を生じることが突き止められた。
レベル及び廃蒸気部の容積が変動した場合に引続き蒸解
工程の廃蒸気をチップビン1に導入し続けると、チップ
ビン1の廃ガスは、内部に滞留していたガスが引続き導
入される後続の廃蒸気によって押し上げられ一気に排出
されるため、定状状態の空気、TRS及び水蒸気の前記
分布状態が崩れ、図4中の点線のように、チップビン上
部のTRS濃度が高くなって燃焼工程へ送られる結果爆
発を生じることが突き止められた。
【0021】また、更には冬場のように気温が下がり、
チップビン1内部へ供給されるチップ温度が低いときに
は、チップビン1内部のチップに硫化メチルの沸点(38
℃)より低い温度の部分ができ、ここに硫化メチルが凝
縮液化して滞留し、引続き導入される後続の廃蒸気によ
って硫化メチルが加熱気化され、一気に排出されるた
め、同様にチップビン上部のTRS濃度が高くなって燃
焼工程へ送られる結果、爆発を生じることが突き止めら
れた。従って、廃ガスの温度は40℃を基準とする。
チップビン1内部へ供給されるチップ温度が低いときに
は、チップビン1内部のチップに硫化メチルの沸点(38
℃)より低い温度の部分ができ、ここに硫化メチルが凝
縮液化して滞留し、引続き導入される後続の廃蒸気によ
って硫化メチルが加熱気化され、一気に排出されるた
め、同様にチップビン上部のTRS濃度が高くなって燃
焼工程へ送られる結果、爆発を生じることが突き止めら
れた。従って、廃ガスの温度は40℃を基準とする。
【0022】従って、本発明は前述1)〜3)によってチッ
プビン中のチップレベル及び廃蒸気部の容積の変動を生
じた場合、蒸解工程から導入される廃蒸気を速やかに停
止するか又は減量せしめることによってかかる爆発を確
実に防止することができた。特に、本発明では爆発を起
こす危険のあるTRS濃度として、後述のTRS危険換
算濃度を基準とすることにより爆発の危険性を確実に解
消することができる。
プビン中のチップレベル及び廃蒸気部の容積の変動を生
じた場合、蒸解工程から導入される廃蒸気を速やかに停
止するか又は減量せしめることによってかかる爆発を確
実に防止することができた。特に、本発明では爆発を起
こす危険のあるTRS濃度として、後述のTRS危険換
算濃度を基準とすることにより爆発の危険性を確実に解
消することができる。
【0023】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示したものである
が、以下図面を参照して本発明について説明する。チッ
プTはストックヤード(図示省略)からコンベア2でチ
ップビン1内部へ供給され、チップメーター3、低圧フ
ィーダー4を介してスチーミングベッセル5に送られた
後、高圧浸透ベッセル6及びダイジェスター7上部に送
られて蒸解されている。
が、以下図面を参照して本発明について説明する。チッ
プTはストックヤード(図示省略)からコンベア2でチ
ップビン1内部へ供給され、チップメーター3、低圧フ
ィーダー4を介してスチーミングベッセル5に送られた
後、高圧浸透ベッセル6及びダイジェスター7上部に送
られて蒸解されている。
【0024】他方、ダイジェスター7の中段からは黒液
Kが抽出され、順次一次フラッシュサイクロン8、二次
フラッシュサイクロン9で夫々蒸気と分離され、二次フ
ラッシュサイクロン9の廃蒸気は、チップビン1下側か
ら導入されてチップビン1中のチップTを余熱してい
る。
Kが抽出され、順次一次フラッシュサイクロン8、二次
フラッシュサイクロン9で夫々蒸気と分離され、二次フ
ラッシュサイクロン9の廃蒸気は、チップビン1下側か
ら導入されてチップビン1中のチップTを余熱してい
る。
【0025】また、一次フラッシュサイクロン8の廃蒸
気は、チップビン1下側のスチーミングベッセル5へ送
られ、ここでチップを余熱しており、廃蒸気の一部は低
圧フィーダ4を介してチップビン1下側から導入されて
チップ余熱に利用され、チップビン1の廃ガスは上側の
排出口Pから排出され、蒸解工程の排気系Lと点Qで合
流して燃焼工程へ送られている。
気は、チップビン1下側のスチーミングベッセル5へ送
られ、ここでチップを余熱しており、廃蒸気の一部は低
圧フィーダ4を介してチップビン1下側から導入されて
チップ余熱に利用され、チップビン1の廃ガスは上側の
排出口Pから排出され、蒸解工程の排気系Lと点Qで合
流して燃焼工程へ送られている。
【0026】他方、一次フラッシュサイクロン8、二次
フラッシュサイクロン9でガスと分離された液体はプレ
エバポレータ10を介して薬品回収工程へ送られてい
る。尚、スチーミングベッセル5の排出ガスはプレエバ
ポレータ10の加熱源として使用されている。
フラッシュサイクロン9でガスと分離された液体はプレ
エバポレータ10を介して薬品回収工程へ送られてい
る。尚、スチーミングベッセル5の排出ガスはプレエバ
ポレータ10の加熱源として使用されている。
【0027】また、前記チップビン1のTRSを構成す
る各種ガスの測定濃度の一例とこれらガスの爆発限界濃
度は下記表1の如くである。
る各種ガスの測定濃度の一例とこれらガスの爆発限界濃
度は下記表1の如くである。
【0028】
【表1】
【0029】他方、TRS混合気体の爆発限界濃度は、
ル・シャトリエの法則(下記式)が成立すると言われて
いる。
ル・シャトリエの法則(下記式)が成立すると言われて
いる。
【式1】
【0030】前記表1と式1の計算の結果から、廃ガス
が爆発を起こすTRSの危険濃度は、約34,000ppm以上
と考えられるが、本発明ではTRS計の信頼性、操業変
動等操業管理上の安全性を考慮し、実際操業時の爆発の
危険性がある濃度として、前記TRS濃度より更にシビ
ヤーな1/3以下、即ち10,000ppmを基準とし、これをTR
S危険換算濃度とし、これ以上にならないように制御す
る。
が爆発を起こすTRSの危険濃度は、約34,000ppm以上
と考えられるが、本発明ではTRS計の信頼性、操業変
動等操業管理上の安全性を考慮し、実際操業時の爆発の
危険性がある濃度として、前記TRS濃度より更にシビ
ヤーな1/3以下、即ち10,000ppmを基準とし、これをTR
S危険換算濃度とし、これ以上にならないように制御す
る。
【0031】前記1)〜3)に示したチップビン1中のチッ
プレベル及び廃蒸気部の容積が変動したときは、TRS
濃度が高くなるか又は廃ガス温度が上昇するため(例え
ば40℃以上)、廃ガス中のTRS濃度及び温度を測定
し、状況に応じて二次フラッシュサイクロン9の廃蒸気
及び低圧フィーダ4の廃蒸気の導入を停止するか又は減
量せしめる。チップビン1の廃ガスの測定は、チップビ
ン1の排出口Pから蒸解工程の排出系Lとの合流点Qま
での間、またTRS濃度については、合流点Qより更に
下流側の燃焼工程までの間の任意位置で行えば良い。
プレベル及び廃蒸気部の容積が変動したときは、TRS
濃度が高くなるか又は廃ガス温度が上昇するため(例え
ば40℃以上)、廃ガス中のTRS濃度及び温度を測定
し、状況に応じて二次フラッシュサイクロン9の廃蒸気
及び低圧フィーダ4の廃蒸気の導入を停止するか又は減
量せしめる。チップビン1の廃ガスの測定は、チップビ
ン1の排出口Pから蒸解工程の排出系Lとの合流点Qま
での間、またTRS濃度については、合流点Qより更に
下流側の燃焼工程までの間の任意位置で行えば良い。
【0032】廃ガスの測定は、チップビン1の廃ガス中
のTRS濃度及びそのときの廃ガス温度を一定間隔で測
定すれば良い。この場合、マニュアルで測定しても良い
が、好ましくは自動計測器を用いてTRS濃度、温度を
連続的に測定する。かかる測定によってチップビン1か
らの廃ガス中のTRS濃度をチェックすることができ、
また温度の上昇からTRS濃度の上昇が予測でき、廃蒸
気の導入をコントロールできるから確実に爆発を防止す
ることができる。
のTRS濃度及びそのときの廃ガス温度を一定間隔で測
定すれば良い。この場合、マニュアルで測定しても良い
が、好ましくは自動計測器を用いてTRS濃度、温度を
連続的に測定する。かかる測定によってチップビン1か
らの廃ガス中のTRS濃度をチェックすることができ、
また温度の上昇からTRS濃度の上昇が予測でき、廃蒸
気の導入をコントロールできるから確実に爆発を防止す
ることができる。
【0033】
【効果】以上の如く、本発明は蒸解工程の廃蒸気をチッ
プビンに導入してチップを余熱する際、チップビン中の
チップレベル及び廃蒸気部の容積の変動を生じた場合若
しくはチップビンの廃ガスの温度が上昇し、チップビン
からの廃ガス中のTRS濃度がTRS危険換算濃度以上
になることが予測されるとき又はTRS危険換算濃度以
上となったとき、チップビン中への蒸解工程の廃蒸気を
停止又は減量するものであるから、チップビンへの廃蒸
気導入に起因する爆発を確実に防止することができると
共に、チップビン中のチップの余熱が図られ、操業上の
安全性を確保することができ、しかも省エネルギー対策
に寄与することができる。
プビンに導入してチップを余熱する際、チップビン中の
チップレベル及び廃蒸気部の容積の変動を生じた場合若
しくはチップビンの廃ガスの温度が上昇し、チップビン
からの廃ガス中のTRS濃度がTRS危険換算濃度以上
になることが予測されるとき又はTRS危険換算濃度以
上となったとき、チップビン中への蒸解工程の廃蒸気を
停止又は減量するものであるから、チップビンへの廃蒸
気導入に起因する爆発を確実に防止することができると
共に、チップビン中のチップの余熱が図られ、操業上の
安全性を確保することができ、しかも省エネルギー対策
に寄与することができる。
【図1】チップビンに廃蒸気を導入する一実施例の説明
図である。
図である。
【図2】チップビン内部の一例の断面図である。
【図3】図2の内部温度状態の一例の説明図である。
【図4】図2の気体分布状態の一例の説明図である。
1:チップビン 2:コンベア 3:チップメーター 4:低圧フィーダー 5:スチーミングベッセル 6:高圧浸透ベッセル 7:ダイジェスター 8:一次フラッシュサイクロン 9:二次フラッシュサイクロン 10:プレエバポレータ L:排気系 T:チップ
Claims (4)
- 【請求項1】 蒸解工程の廃蒸気をチップビンに導入し
てチップを余熱する方法において、チップビン中へのチ
ップの供給量が一定量以下となったとき又はチップビン
中のチップレベルが50%以下となったとき、チップビン
への蒸解工程の廃蒸気の導入を遮断又は減量せしめるこ
とを特徴とするチップビンの廃ガス爆発防止方法。 - 【請求項2】 蒸解工程の廃蒸気をチップビンに導入し
てチップを余熱する方法において、チップビンから蒸解
工程へのチップの払い出しを停止したとき、チップビン
への蒸解工程の廃蒸気の導入を遮断又は減量せしめるこ
とを特徴とするチップビンの廃ガス爆発防止方法。 - 【請求項3】 蒸解工程の廃蒸気をチップビンに導入し
てチップを余熱する方法において、チップビンの廃ガス
中の可燃性ガス濃度が基準濃度以上に上昇したとき、チ
ップビンへの蒸解工程の廃蒸気の導入を遮断又は減量せ
しめることを特徴とするチップビンの廃ガス爆発防止方
法。 - 【請求項4】 蒸解工程の廃蒸気をチップビンに導入し
てチップを余熱する方法において、チップビンの廃ガス
温度が基準温度以上に上昇したとき、チップビンへの蒸
解工程の廃蒸気の導入を遮断又は減量せしめることを特
徴とするチップビンの廃ガス爆発防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34191193A JP2894195B2 (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | チップビンの廃ガス爆発防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34191193A JP2894195B2 (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | チップビンの廃ガス爆発防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07166486A true JPH07166486A (ja) | 1995-06-27 |
JP2894195B2 JP2894195B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=18349707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34191193A Expired - Fee Related JP2894195B2 (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | チップビンの廃ガス爆発防止方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2894195B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007064296A1 (en) * | 2005-12-02 | 2007-06-07 | Metso Fiber Karlstad Ab | A system and a method for the steam pre-treatment of chips in association with the production of chemical cellulose pulp |
-
1993
- 1993-12-13 JP JP34191193A patent/JP2894195B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007064296A1 (en) * | 2005-12-02 | 2007-06-07 | Metso Fiber Karlstad Ab | A system and a method for the steam pre-treatment of chips in association with the production of chemical cellulose pulp |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2894195B2 (ja) | 1999-05-24 |
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