JPH07163054A - 電力系統の直列補償制御方法及びこれに用いる直列補償装置 - Google Patents

電力系統の直列補償制御方法及びこれに用いる直列補償装置

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JPH07163054A
JPH07163054A JP5306229A JP30622993A JPH07163054A JP H07163054 A JPH07163054 A JP H07163054A JP 5306229 A JP5306229 A JP 5306229A JP 30622993 A JP30622993 A JP 30622993A JP H07163054 A JPH07163054 A JP H07163054A
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reactance
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JP5306229A
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Junzo Kida
順三 木田
Hiroshi Arita
浩 有田
Yukio Kurosawa
幸夫 黒澤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/50Arrangements for eliminating or reducing asymmetry in polyphase networks

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  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Control Of Electrical Variables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】系統に発生した故障を除去してから再閉路する
ときに変化する電力系統のリアクタンス5を、直列コン
デンサと補償度を調整する制御装置で構成した直列補償
装置6を用いて補償し、かつ系統のリアクタンスが平衡
になるように補償度を制御する。 【効果】系統故障中に系統の安定度の低下を最小限に止
めるとともに、故障保護のための再閉路中に系統に逆相
電流が流れることを防ぎ、発電機へのストレスを軽減
し、系統の安定化が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力系統の直列補償に関
する。
【0002】
【従来の技術】電力系統において地絡あるいは短絡など
の故障が発生した場合、系統を保護するために、故障が
発生した送電線の両端に配置されている遮断器を開極さ
せて故障電流を遮断し、系統から故障区間を分離して故
障除去している。
【0003】例えば、単相故障が発生した場合、図2の
ように、三相二回線送電時における一線地絡故障を考え
る。各送電線は、XL なるリアクタンス5を持ち、第一
回線1a,1b,1cと、第二回線2a,2b,2cの
二回線で構成されている。故障発生前には、系統のイン
ピーダンスが三相でほぼ平衡している。今、一線地絡故
障7が送電線1cで発生した場合、系統を保護するため
に故障が発生した相である送電線1cの両端にある遮断
器8を開き、故障電流を遮断して系統から故障を除去す
る。このとき、送電線1a,2aよりなるA相回路と送
電線1b,2bよりなるB相回路に対し、C相回路は送
電線2cだけになるので回路が不平衡になる。この状態
は故障の原因である地絡アークの消滅後、遮断器8を再
投入(再閉路)して系統を元の状態に復帰させるまで継
続する。永久故障などの場合、ただちに復帰できないの
で、不平衡回路の状態がしばらく継続することになる。
【0004】以上は単相故障を保護する単相再閉路を例
にとったが、その他に複数の故障相を遮断,再投入する
多相再閉路,故障が発生した回路を三相一括して遮断す
る三相再閉路などの保護方式がある。また、故障点のア
ークが消弧すると考えられる最短時間(超高圧系統では
20〜30サイクル程度)だけ遮断して無電圧時間を設
けた後、遮断器を再投入する高速度再閉路や、故障によ
って停電区間が生じたときに迅速、かつ、確実に系統を
自動復旧する低速度再閉路(数秒〜数分以内)などによ
って系統保護がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
は、以下のような問題がある。
【0006】遮断器によって系統から故障区間を除去し
たとき、図2に示すように故障の発生した送電線1cが
系統から切り離されるため、系統故障発生以前に比べて
系統のリアクタンスが大きくなる。系統のリアクタンス
が大きくなると発電機9の同期化力が低下し、系統の安
定度が無くなる。故障発生によって発電機9が動揺して
いる状態で系統の安定度が低下すると、発電機9が脱調
する危険性が高くなる。この安定度の低下を防止する目
的で、故障電流の高速遮断や再閉路時間の短縮化が試み
られているが、高速度再閉路が失敗した場合、さらには
永久故障のために故障相が復旧できない場合には、系統
の安定度が低下し、不安定になりやすい状態が継続する
ことになる。
【0007】また、故障が発生した送電線が系統が除去
されると、系統のリアクタンスがほぼ平衡している三相
二回線送電の状態から三相交流回路のうちのいずれかの
相が系統から切り離されるために系統の各相のリアクタ
ンスが不平衡になる。不平衡の三相交流回路には、系統
のリアクタンスが平衡しているときには流れない逆相電
流が流れる。特に発電機に逆相電流が流れると、発電機
の回転子表面やくさびにうず電流が誘起されることによ
る回転子表面の過熱,固定子巻線の端部に生じるひずみ
やたわみなどの電磁力,ギャップに発生する二倍周波数
の振動トルクによる固定子の振動などの悪影響が発電機
に及ぼされる。尚、この種の技術として、USP5,032,
738 号公報を挙げることができる。
【0008】本発明の目的は、発電機へのストレス軽減
と電力系統の安定化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明では、特に二回線以上で送電している系統に
おける故障保護において、故障相あるいは故障回線が遮
断器によって分離されたとき、送電が継続できる故障が
発生していない健全相あるいは健全回線において系統の
リアクタンスを直列補償し、なおかつ各相のリアクタン
スが平衡するように相ごとで補償度を調整する制御を行
う。
【0010】
【作用】上記手段を用いることによって、系統のリアク
タンスが故障発生以前より大きくなることを防いで、系
統の安定度の低下を防止することができる。また系統の
リアクタンスを平衡させることによって、系統に流れる
逆相電流を低減し、発電機への悪影響を少なくすること
ができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0012】図1は、三相二回線送電時に一回線で一線
地絡が発生した場合に、本発明を適用した例である。故
障発生前には、送電線1a,1b,1c,2a,2b,
2cにおいて均等にXC なる容量性リアクタンスを持つ
直列補償装置6によってXLなる送電線のリアクタンス
5を補償している。図のように、一線地絡故障7が送電
線1cにおいて発生したときに、保護リレーが故障の発
生を検知して送電線1cの線路両端にある遮断器8を開
き、故亭電流を遮断して系統から故障を除去した状態を
考える。このとき、故障の発生した送電線1cと同相で
故障が発生していない回線である送電線2cにおいて、
直列補償装置6aの容量性リアクタンスをXC から
C′ に制御する。ただしXC′ は、二回線とも健全な
相である送電線1a,2aあるいは1b,2bにおける
二回線分を合成したリアクタンス(XL+XC)/2と、
送電線2cにおけるリアクタンスXL+XC′が等しくな
る容量性リアクタンスを持つようにする。つまり、
C′ は数1に示すような容量性リアクタンスに制御す
る。
【0013】
【数1】
【0014】このようにすると、送電線1cが系統から
分離されているにもかかわらず、系統のリアクタンスが
故障発生以前と同じにできるので、系統故障や故障除去
時における系統のリアクタンスの増加を抑さえ、系統の
安定度の低下を抑制できる。また、三相交流回路の相ご
とのインピーダンスが平衡しているので、故障保護時に
逆相電流が流れるのを最小限に止め、発電機9に対して
電気的,機械的、あるいは熱的悪影響が及ぶことを防止
できる。
【0015】しかし、直列補償装置6を構成する回路を
変更する自由度によって、容量性リアクタンスの制御範
囲に制限がある場合がある。このとき、制御すべき直列
補償装置6aの容量性リアクタンスは、数1で示したX
C′ に可能な限り近い値とすればよい。また、直列補償
装置6と6aの容量性リアクタンスの間には、数2の関
係が成り立つ。
【0016】
【数2】 |XC′|≧|XC| …(数2) 本発明を適用していない場合、図2のように故障が発生
していない健全相である送電線1a,2aあるいは1
b,2bにおけるリアクタンスXL /2に対し、故障が
発生している相で系統から除去されていない送電線2c
におけるリアクタンスはXL であり、故障除去によって
系統のリアクタンスの増加と不平衡が発生することがわ
かる。
【0017】図3は、本発明で使用する直列補償装置の
構成例である。直列補償装置6は、少なくとも常時、系
統を直列補償するための容量性リアクタンスXC を持つ
部分31と、系統故障時に系統のリアクタンスの増加と
不平衡を抑制するために、必要となる容量性リアクタン
スをXC′ にするために使用する容量性リアクタンス
(XC′−XC)の部分31aによって構成される。これ
らは、基本構成は同じであるので、相互に機能を担って
いてもよい。また、直列補償装置6は、直列補償装置6
を構成する基本構成として31あるいは31aの機能を
はたす構成を少なくとも一つずつ直列接続して構成す
る。直列補償装置6、つまり31と31aは、系統のリ
アクタンス分を補償するために系統に直列に挿入する直
列コンデンサ32,32aと、これに並列に、コンデン
サ32,32aに発生する過電圧を抑制するための過電
圧保護装置33,33aと、コンデンサの両端を短絡し
て系統に挿入するコンデンサの量を調整するバイパスス
イッチ34,34aから構成されている。直列コンデン
サ32,32aは、二つ以上の複数のコンデンサを直並
列に接続して構成する。系統に挿入する容量性リアクタ
ンスの大きさは、系統の状態を制御信号として、系統に
挿入するコンデンサの量を判定する手段を持つ制御装置
35によってバイパススイッチ34,34aを入り切り
して調整する。制御装置35に与えられる制御信号とし
て、送電線路の各相に流れる電流の信号38と、系統中
にある開閉装置の開閉状態の信号39の少なくとも一つ
を用いる。バイパススイッチ34,34aとして遮断器
や開閉器のような機械接点を用いたもの、ギャップスイ
ッチなどの電極間の放電を利用したスイッチ,サイリス
タやGTOサイリスタなどの半導体素子を用いて構成し
たものなどが使用できる。過電圧保護装置33,33a
としてZnOなどのような非線形抵抗要素や放電ギャッ
プが使用できる。バイパススイッチ34,34aは過電
圧保護装置としても機能するので、直列コンデンサ3
2,32aの過電圧保護にはバイパススイッチ34,3
4a及び過電圧保護装置33,33aの少なくとも一つ
を使用する。さらに直列コンデンサ32,32aの過電
圧保護性能を高めるために、バイパススイッチ34,3
4aは、制御装置35からスイッチを閉じる指令を受け
たとき、電源周期の1/2以下で閉じることが望まし
い。
【0018】図4は、サイリスタ等の半導体素子を用い
て構成した半導体スイッチ36のスイッチング制御によ
って直列補償装置6の容量性リアクタンスを等価的に可
変にする回路構成例31bである。系統に直列に挿入し
て系統のリアクタンス分を補償するための直列コンデン
サ32bと並列に、コンデンサ32bに発生する過電圧
を抑制するための過電圧保護装置33bと、コンデンサ
32bの両端を短絡・開放して系統に直列補償装置の投
入・分離を制御するバイパススイッチ34b,容量性リ
アクタンスを等価的に可変にするためにリアクトル37
を直列に接続した半導体スイッチ36を接続している。
バイパススイッチ34bと半導体スイッチ36の制御
は、系統の状態を検知して系統に挿入する容量性リアク
タンスの大きさを判定する手段を持つ制御装置35aに
よって行う。制御装置35に与えられる制御信号とし
て、送電線路の各相に流れる電流の信号38と、系統中
にある開閉装置の開閉状態の信号39の少なくとも一つ
を用いる。本発明では、この半導体スイッチ36の制御
によって、直列補償装置6の容量性リアクタンスが少な
くとも常時の系統を直列補償するリアクタンスXC
ら、系統故障時のリアクタンスの増加と不平衡を抑制す
るために必要となる容量性リアクタンスXC まで変化
できる必要がある。また、直列補償装置6は、31およ
び31bと同様の構成を少なくとも一つずつ直列接続し
て構成することができる。これにより、固定で系統のリ
アクタンスを直列補償する部分31と、半導体スイッチ
36の制御によって高速かつ連続可変で直列補償を制御
する部分31bとを持つ直列補償装置とすることができ
る。
【0019】図5は、本発明である直列補償制御のシー
ケンス例で、系統故障を保護したときに再閉路が成功し
た場合を示している。系統故障が発生すると流れる短絡
電流によって直列コンデンサに過電圧が発生することが
あるので、その場合、故障発生以前に容量性リアクタン
スXC であったところをバイパススイッチ34などによ
って直列コンデンサをバイパスし、一旦、直列補償を中
止する。なお、故障が発生しているにもかかわらず直列
コンデンサに過電圧が発生しない直列補償装置について
は、系統の安定度の低下を防止するために直列補償を継
続しておくのがよい。故障発生から時間t1 後に故障相
における遮断器8が開極して故障電流を遮断し、故障相
を系統から分離する。遮断器の開極からの故障相の分離
後までの時間θ1 後、つまり故障発生から時間t3 後に
直列補償装置のバイパススイッチ34を開放して直列補
償を再開する。この時の直列補償は、図1における送電
線2cのような二回線のうち系統から故障相が分離して
一回線だけ残っている相で、送電線1a,2aまたは1
b,2bのような健全相との系統のリアクタンスの不平
衡をなくし、しかも系統のリアクタンスが故障発生前に
比べて大きくならないようにするため、数1に示す容量
性リアクタンスXC′ とする。永久故障でなければ、故
障相を分離後しばらくすると故障点のアークが消滅して
故障から復帰するので、超高圧系統(系統定格電圧27
5kV,500kVなど)における高速度再閉路の場合
では、時間t2 として20〜30サイクル程度で遮断器
を再投入する。遮断器を再投入するまでの故障相除去中
は、特に一回線だけ残っている相における直列補償の補
償度を上げて容量性リアクタンスXC′ とし、遮断器再
投入によって系統が元の状態に復帰するときには、直列
補償の補償度を故障発生以前と同じにするため容量性リ
アクタンスXC とし、系統のインピーダンスが不平衡に
ならないようにする。
【0020】図6は、本発明である直列補償制御のシー
ケンス例で、系統故障を保護したときに再閉路が失敗し
た場合を示している。遮断器を再投入して再閉路するま
での制御は図5に示した再閉路成功の場合と同様であ
る。遮断器再投入時に永久故障などのために系統故障が
除去できなかったとき、故障電流が再度流れるので、遮
断器再投入後、時間t1′ 以内に、直列補償装置ではバ
イパススイッチを動作させて系統から直列コンデンサを
除去して過電圧の発生を防止し、遮断器は再度開極して
故障電流を遮断し、故障区間を分離する。再閉路に失敗
した場合、通常は遮断器が自動的に再度投入されること
がないので、系統状態が故障発生以前と同じに復帰する
ことがない。よって、遮断器が再度開極してから故障相
を分離するまでの時間θ1′後、つまり再閉路失敗から
時間t3′後に直列補償を再開し、特に図1における送
電線2cのような二回線のうち系統から故障相が分離し
て一回線だけ残っている相では、数1に示す容量性リア
クタンスXC′ とする。
【0021】図7は、本発明である直列補償制御がない
場合の系統故障発生時の発電機の出力変動である。故障
発生直前まで、図のような電力相差角特性曲線41上に
おける発電機の電気的出力P0 (発電機の機械入力エネ
ルギに等しい),相差角δ0の運転点44aで発電機が
運転していたとする。故障が発生すると系統電圧が低下
して、故障時の電力相差角特性曲線42まで発電機の出
力が低下するために、運転点が44bのように移動す
る。電力相差角特性曲線42上では、発電機の電気的出
力エネルギが機械的入力エネルギより小さくなるために
発電機が加速し始め、運転点が44cのように電力相差
角特性曲線42上を相差角が大きくなり方向に移動す
る。相差角δ1 になったときに遮断器によって故障が除
去されたとすると、運転点は44dのように相障相もし
くは故障回線が除去されたときの電力相差角特性曲線4
3上に移る。この時、発電機の電気的出力エネルギが機
械的入力エネルギより大きいと発電機の回転は減速する
が、それまでの加速エネルギが大きい場合は十分に減速
できず、44eのように脱調することがある。
【0022】これに対して、本発明である直列補償制御
を行ったとき、発電機の出力変動は図8のようになる。
故障が発生して発電機が加速し始め、運転点が44a,
44b,44cと移動し、相差角がδ1 になったときに故
障が除去され、44dのように故障除去時の電力相差角
特性曲線43上に運転点が移る。その後、直列補償制御
によって系統のリアクタンスを故障発生以前と同じにす
ると、故障区間が除去された状態でも電力相差角特性曲
線43が故障発生以前の電力相差角特性曲線41と同じ
になる。よって発電機の運転点が44fのように移動し
て、最初は発電機は加速し続けているので電力相差角特
性曲線41上を運転点が44gへと移るが、発電機の電
気的出力エネルギが機械的入力エネルギに比べて十分大
きいために発電機に減速力が良好に働き、脱調せずに運
転点が44hのように移動して元の状態44aに回復す
る。
【0023】従来の直列補償による系統の安定化の手法
は、故障区間除去後に残された健全回線で等しく直列補
償し、電力相差角特性曲線を故障発生以前に近付けるこ
とによって安定度を高める方法が採られていた。しか
し、この方法では、系統の再閉路が成功して故障が完全
に復旧するまで三相交流回路のインピーダンスが著しく
不平衡になるため、系統に不平衡電流、特に逆相電流が
流れ、発電機に電気的,機械的,熱的ストレスなどの悪
影響を及ぼすおそれがある。
【0024】一方、本発明では、故障区間除去時の系統
の不平衡を防止するため、例えば、二回線送電で故障相
が除去されたときに、残った送電線によって構成される
系統のリアクタンスが故障発生以前の系統のリアクタン
スと等しくなるように直列補償の補償度を制御する。つ
まり、発電機側から見た三相交流回路が、故障区間の除
去の有無に関係なく系統のインピーダンスがどの相も故
障以前と同様に平衡したインピーダンスになるように制
御する。さらに、系統の過渡安定度を高めるために、系
統のインピーダンスが平衡している条件を保ったまま直
列補償装置の容量性リアクタンスを増加し、系統全体の
補償度を上げ、発電機の同期化力を高めることもでき
る。特にこの方法は、故障発生時に生じる過渡的な系統
の動揺に対して発電機が脱調するのを防止するために有
効である。
【0025】本発明である直列補償制御を適用した例を
示す。図9は、二回線にまたがる故障を保護する多相再
閉路への適用例である。故障が発生した送電線1c,2
bを遮断器8によって除去したとき、送電線1c,2b
が分離された分だけ系統のリアクタンスが増加して系統
の安定度が下がるとともに、発電機側から見た三相交流
回路のインピーダンスが不平衡になる。これを防止する
ため、一回線だけになった送電線1b,2cで直列補償
装置6aを制御して補償度を高める。このとき、直列補
償装置4aの容量性リアクタンスXC′ は、各相のリア
クタンスが故障発生以前と等しくなる条件から数1で表
される値にすればよい。
【0026】図10は、故障が発生した回線の遮断器を
三相すべて開いて故障除去する三相再閉路の場合であ
る。この場合、健全回線で三相交流回路を構成している
ので系統のインピーダンスは平衡しているが、故障除去
中は二回線送電から一回線送電となるために系統のイン
ピーダンスが増加し、系統の安定度が悪くなる。これを
防止するために、残りの健全回線側の直列補償装置6a
で補償度を高めて系統のインピーダンスを少なくとも故
障発生以前と同じ程度にまで下げる制御をし、安定度の
低下を防ぐ。このとき、直列補償装置6aの容量性リア
クタンスXC′ は、各相のリアクタンスが故障発生以前
と等しくなる条件から数1で表される値とすればよい。
【0027】図11は、二回線送電時に、母線で両回線
とも一括して直列補償する母線一括補償を行っている場
合を示している。今、送電線11cで一線地絡故障が発
生した場合を考える。遮断器8によって故障除去すると
送電線11cの分だけ系統のリアクタンスが増加して安
定度が下がるとともに、発電機側から見た三相交流回路
のインピーダンスが不平衡になる。これを防止するため
に、母線に配置した直列補償装置のうち、送電線11c
と同じ相である直列補償装置6aの補償度を制御する。
このとき、直列補償装置6aの容量性リアクタンス
C′ を、各相のリアクタンスが故障発生以前と等しく
なる条件から数3で表される値とすればよい。
【0028】
【数3】
【0029】図12は、直列補償装置がある区間を含む
二回線送電を行っている系統で、直列補償装置がある区
間以外で故障が発生したときの例である。今、送電線1
1cで一線地絡故障が発生した場合を考える。遮断器8
によって故障除去すると送電線11cの分だけ系統のリ
アクタンスが増加して安定度が下がるとともに、発電機
側から見た三相交流回路のインピーダンスが不平衡にな
る。これを防止するために、直列補償装置があり、かつ
故障相と同じ相で故障が発生していない区間である送電
線21c,22cにある直列補償装置6a,6bの補償
度を制御する。直列補償装置6aと6bの容量性リアク
タンスの制御は、三相回路の平衡を保つために送電線2
1cと送電線22cにおける電力潮流が著しく不平衡に
ならないようにする。これらのリアクタンス5bが等し
くXL2であれば、直列補償装置6a,6bの容量性リア
クタンスXC′ は各相のリアクタンスが故障発生以前と
等しくなる条件から数4で表される値とする。
【0030】
【数4】
【0031】図13は、四回線送電を行っている系統で
故障が発生したときの例である。今、送電線1cで一線
地絡故障が発生した場合を考える。遮断器8によって故
障除去すると送電線1cの分だけ系統のリアクタンスが
増加して安定度が下がるとともに、発電機側から見た三
相交流回路のインピーダンスが不平衡になる。これを防
止するために、送電線1cと同相で故障が発生していな
い回路の送電線2c,3c,4cにおける直列補償装置
6a,6b,6cの補償度を制御する。直列補償装置6
a,6b,6cそれぞれの容量性リアクタンスの制御
は、三相回路の平衡を保つために送電線2cと送電線3
cと送電線4cにおける電力潮流が著しく不平衡になら
ないようにする。これらのリアクタンス5が等しく、X
L であるとすれば、直列補償装置6a,6b,6cの容
量性リアクタンスXC′ は、各相のリアクタンスが故障
発生以前と等しくなる条件から数5で表される値とすれ
ばよい。
【0032】
【数5】
【0033】図14は、同じ発電機9から別系統へ二回
線送電を行っている場合で故障が発生したときの例であ
る。今、二系統のうちの一系統の送電線11cで一線地
絡故障が発生した場合を考える。遮断器8によって故障
除去すると送電線1cの分だけ系統のリアクタンスが増
加して安定度が下がるとともに、発電機側から見た三相
交流回路のインピーダンスが不平衡になる。これを防止
するために、送電線11cと同相で故障が発生していな
い回線の送電線12cにおける直列補償装置6aの補償
度を制御する。一方、送電線21a,21b,21cと
送電線22a,22b,22cで構成した系統は故障と
は直接関係ないので、直列補償装置を特に制御する必要
はない。故障が発生している系統で、直列補償装置6a
の容量性リアクタンスXC′ は、各相のリアクタンスが
故障発生以前と等しくなる条件から数1で表される値と
する。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば系統のインピーダンスが
不平衡になることを防止するので、故障保護中に流れる
逆相電流を抑制し、発電機へのストレスを軽減できる。
さらに、系統故障によって電力動揺が発生したときに系
統の安定度が低下するのを最小限に止め、発電機の脱調
などを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である直列補償制御の単相再閉路への適
用例の説明図。
【図2】従来の系統故障保護の説明図。
【図3】直列補償装置の回路図。
【図4】直列補償装置の回路図。
【図5】本発明である直列補償制御の制御シーケンス例
(再閉路成功時)の説明図。
【図6】本発明である直列補償制御の制御シーケンス例
(再閉路失敗時)の説明図。
【図7】本発明である直列補償制御不適用時における発
電機の出力変動の特性図。
【図8】本発明である直列補償制御適用時における発電
機の出力変動の特性図。
【図9】本発明である直列補償制御の多相再閉路への適
用例の説明図。
【図10】本発明である直列補償制御の三相再閉路への
適用例の説明図。
【図11】本発明である直列補償制御の母線一括補償時
における再閉路への適用例の説明図。
【図12】本発明である直列補償制御に、直列補償装置
のない区間で系統故障が発生した場合の適用例の説明
図。
【図13】本発明である直列補償制御の四回線送電への
適用例の説明図。
【図14】本発明である直列補償制御の二回線二系統送
電への適用例の説明図。
【符号の説明】
1a,1b,1c,2a,2b,2c…送電線、5…送
電線のリアクタンス、6,6a…直列補償装置、7…故
障地点、8…遮断器、9…発電機、10…無限大母線。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多相交流回路を用いた電力系統における送
    電線路の誘導性リアクタンスを補償するために、容量性
    リアクタンスあるいは等価的に容量性リアクタンスとな
    る手段を、系統に直接あるいは間接的に直列に挿入する
    直列補償装置を用い、前記直列補償装置における容量性
    リアクタンスを変更する手段を持つ直列補償装置の制御
    において、装置が具備している電力系統の相電流に不可
    衡電流が流れた場合、前記不平衡電流の発生を抑制する
    ために、送電線の相ごとのリアクタンスのばらつきが小
    さくなるように前記直列補償装置を制御することを特徴
    とする電力系統の直列補償制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記直列補償装置によ
    る制御を適用する多相交流回路を用いた電力系統は、三
    相交流回路であり、前記系統中にある三相交流回路によ
    って電気的に接続されている二つの母線間には少なくと
    も三相交流回路で二系統ある電力系統の直列補償制御方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記直列補償装置の制
    御信号として、送電線路の各相に流れる電流と、系統中
    にある開閉装置の開閉状態の少なくとも一つを使用する
    電力系統の直列補償制御方法。
  4. 【請求項4】多相交流回路を用いた電力系統における送
    電線路の誘導性リアクタンスを補償するために、容量性
    リアクタンスあるいは等価的に容量性リアクタンスとな
    る手段を、系統に直接あるいは間接的に直列に挿入し、
    前記容量性リアクタンスを変更する手段を持つ電力系統
    の直列補償装置において、複数のコンデンサを用いて構
    成して系統に直列に挿入するコンデンサと、前記コンデ
    ンサの両端を短絡する手段と、前記コンデンサに発生す
    る過電圧を抑さえる手段とを少なくとも一つ持つ構成
    を、複数個直列接続して構成し、前記容量性リアクタン
    スが具備されている電力系統の相電流に不平衡電流が流
    れた場合、この不平衡電流の発生を抑制するために、送
    電線の相ごとのリアクタンスのばらつきが最小となるよ
    うに、前記直列補償装置の持つ容量性リアクタンスの系
    統への挿入量を調整することを特徴とする直列補償装
    置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記直列補償装置のコ
    ンデンサの両端を短絡する手段として、コンデンサの両
    端を系統の電源周期の1/2以下の時間で少なくとも一
    回は閉状態にでき、前記コンデンサの両端を短絡するタ
    イミングを制御できる手段を持つ直列補償装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、前記直列補償装置を設
    置する電力系統の送電線あるいは母線中に直列に少なく
    とも一ケ所、かつ前記送電線あるいは母線の各相に挿入
    して設置した直列補償装置。
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