JPH07157A - 希ガスを用いた食品の加工、保存方法 - Google Patents

希ガスを用いた食品の加工、保存方法

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JPH07157A
JPH07157A JP28557993A JP28557993A JPH07157A JP H07157 A JPH07157 A JP H07157A JP 28557993 A JP28557993 A JP 28557993A JP 28557993 A JP28557993 A JP 28557993A JP H07157 A JPH07157 A JP H07157A
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Japan
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gas
gas mixture
processing
food
oxidation
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JP28557993A
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Kevin Spencer
ケビン・スペンサー
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Air Liquide SA
LAir Liquide SA pour lEtude et lExploitation des Procedes Georges Claude
Original Assignee
Air Liquide SA
LAir Liquide SA pour lEtude et lExploitation des Procedes Georges Claude
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】希ガスを使用した食品の加工、保存方法の提
供。 【構成】希ガス、希ガス混合体、又は少なくとも一種の
希ガスとキャリアとの混合ガスに食品を接触させること
を含む食品の処理及び/又は保存方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は希ガスを使用した食品の
加工、保存方法に関する
【0002】
【従来の技術】ヘリウム(He) 、ネオン(Ne)、アルゴン
(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)およびラドン(Ra)
等の希ガス類は他の原子との化学結合する能力は極めて
限られている。一般に、クリプトン、キセノンおよびラ
ドンだけが、フッソおよび酸素等の高度反応性の原子と
の反応に誘導され、このようにして形成された化合物
は、一触即発的不安定さをもつ。F.A. Cotton G.および
Wilkinson著(Wiley, Third Edition)Advanced Inorg
anic Chemistry参照。希ガス類は通常化学的に不活性で
あるが、キセノンは、麻酔等のある生理学的効果を示す
ことが公知である。窒素等の他の不活性ガス類ではまた
別の生理学的効果がみられ、これらのガスを深海潜水に
おいて高圧下で使用すると昏睡状態を引き起こす事が公
知である。
【0003】U. S. 3,183,171 でシュレイナ(Schreine
r )によるとアルゴンおよび他の不活性ガス類は菌類の
成長速度に影響し、アルゴンは魚類および海産物の保存
を改善することが公知であると報告している。U. S. 4,
946,326 のSchvester 、JP52105232,JP80002271 および
JP77027699参照。これらの所見を基本的に理解していな
いと、もし不可能でないとしても結果の解釈を困難にす
る。更に、酸素を含有する多くのガス類混合物がこれら
の研究に使用されたという事実によって、これらの所見
の意味が更に曖昧にされている。更に、こうした研究の
幾つかは、高圧で冷凍温度で行われた。この様な高圧で
は、観察結果が細胞成分および酵素自身に対する圧力損
傷によって引き起こされることもありそうだ。
【0004】例えば1964から1966年にシュレイナは、特
に麻酔効果に関連した不活性ガスの生理学的効果、およ
び深海潜水、潜水艦、および宇宙船用に適した封入空気
の開発研究における不活性ガスの生理学的効果の論文提
供をおこなった。この研究結果は、3つの報告書に要約
されている。それぞれ「技術レポ−ト。アルゴン、ヘリ
ウム、および希ガスの生理学的効果」と題され、海軍省
海軍研究所用に作成された。契約番号は4115(00)、NR:
102-597 。後の3つの概要および要約は公表されてい
る。
【0005】「酵素学的に活性な蛋白に及ぼす不活性ガ
スの相互作用および効果」{Fed. Proc. 26:650(1967}
の要約には、希ガス類および不活性ガス類が、高分圧で
完全な動物細胞系では昏睡、微生物および哺乳類の細胞
系では成長阻害という生理学的効果を生じるという所見
が再述されている。
【0006】二番目の要約、「化学的不活性ガスの生物
学的活性についての推定分子機構」(Intern. Congr.Ph
ysiol. Sci., 23rd, Tokyo) では、高圧において不活性
ガス類が生物学的活性を様々な段階の細胞組織で示すと
いう所見を再述している。
【0007】シュレイナの初期研究の主要結果を再述し
ている希ガス類の一般的生物学的効果:「ヘリウム−キ
セノン系要素の一般的生物学的効果」(Fed. Proc.27:8
72-878 (1968) の要約は公表されている。
【0008】しかし、1969年にベ−ンケ(Behnke) らは
シュレイナの主要結論に論駁した。ベ−ンケらは「高圧
で、不活性ガス類により影響される酵素触媒反応」(J.
Food Sci. 34: 370-375) で、シュレイナの初期に報告
した効果は再現性がなく単に水圧に由来した結果であ
る、すなわち希ガス類の酵素に対する効果はない事が実
証できると結論した。
【0009】つまり、シュレイナらの研究は、化学的に
不活性なガス類は細胞部位で酸素分子と競合するという
仮説および不活性ガス類の濃度比に依存して酸素の置換
が起こるという仮説を基ずいていた。この仮説は観察さ
れた最大の効果(阻止効果のみが観察されただけだが)
が亜酸化窒素で観察され、その効果が酸素分圧に依存し
ない事がわかったので実証されなかった。尚、観察され
た阻害は添加された亜酸化窒素大気につきわずか1.9%で
あった。
【0010】シュレイナの初期研究を論駁するために、
ベ−ンケらは、シュレイナによって得られた結果を再現
するために酵素におよぼす高水圧の影響を独立にテスト
した。ベ−ンケらは、シュレイナの知見とはまったく対
照的に、窒素またはアルゴンを、キモトリプシン、イン
バ−タ−ゼ、およびチロシナ−ゼに若干阻害が観察され
るに必要な圧力以上に上昇させても阻害がひどくなるこ
とはなかった事を発見した。ベ−ンケらの発見は圧力の
安定に応じて生じる単純初期水圧阻害によって説明でき
る。シュレ−ダ−によって提唱されたようにベーンケら
のこれらの発見は化学O2 /不活性ガス相互依存性によ
っては説明できないことは明らかである。ベ−ンケら
は、非液体系(例えばゼラチン)において、物理的に酵
素を変性させることよりもむしろ酸素利用性を低下させ
ることによって高圧不活性ガスがチロシナ−ゼを阻害す
ると結論した。この結論はシュレイナの知見とはまった
く相反する ベーケンらの論駁に加え、シュレイナの報告する結果は
また、もし不可能でないとしても他の理由で解釈を行う
には困難がある。
【0011】まず第1に、全分析が非常に高圧で行わ
れ、水圧効果に対して制御がおこなわれていなかった。
【0012】第2に、多くの場合、多種希ガス類間でも
希ガス類と窒素間でも顕著な差がみられなかった。
【0013】第3に、純粋な酵素が使用されたように、
活性型および阻害型の酵素の知識はこれらの研究時には
大変貧弱であった。酵素作用が混在していなかったこ
と、または異種ガス類の効果を順位づけするに十分な分
析度をもって測定が行なわれたことを確かめることは不
可能である。更に特異な活性型については試験して確か
めることの出来ないできない仮説としてのみ述べ得る。
【0014】第4に、多ガス類間の溶解性の差異は、制
御されておらず、結果においても考慮されていなかっ
た。
【0015】第5に、全テストは1気圧の空気上にさら
に不活性ガスの高圧を課して行なわれ、これにより、酸
素圧の制御が不適性になった。
【0016】第6に、全ガスの効果は阻害についてのみ
報告された。
【0017】第7に、この研究における工程も全てが十
分に記述されておらず、実験的に制御されていなかった
ようだ。更に酵素反応の開始後の長時間の遅れが次の全
反応工程を阻害し、解読できる最高変化値を結果的に低
下させた。
【0018】第8に報告デ−タの範囲は少ない観察数に
基づいた変異が高いもので、これにより、重要性を妨げ
ている。
【0019】第9に、阻害の程度は高圧時でさえも非常
に小さい。
【0020】第10に、酵素濃度に対する依存性につい
て報告した研究は有効で有用な数字を報告していない。
【0021】第11に、2atm 未満の低圧において不活
性ガスの阻害可能性についての全報告書は、実際のデ−
タからではなく、高圧測定デ−タからの推測線を基にし
て推定されたものである。 最後に、高圧効果が小さい
こと、またシュレイナによって制御されていなかった水
圧効果がこれらの研究で導びかれた誤った結論の主要原
因であったことを初めとする幾つかの決定的な点につい
て、ベ−ンケらの結果は、シュレ−ナの報告した結果と
は明らかに相反していることは反復するに値する。 更
に、サンドホフ(Sandhoff) らによって、キセノン、亜
酸化窒素およびハロタン(halothane)はシアリダ−ゼ粒
子の活性を高めるとFEBS Letters, vol.62, no.3 (Marc
h, 1976)に報告されたけれども、この研究には不純度の
高い酵素が使用された為、疑問がある。おそらくこれら
の結果は粒子内の阻害性オキシダ−ゼによるものであろ
う。
【0022】上記の特許および公表物を要約するためと
これに関連した文献について言及するため、下記を注記
した。ベ−ンケら(1969) は酵素触媒反応が高圧では不
活性ガスによって影響される事をJ. Food Sci. 34: 370
-375に開示している。
【0023】シュレイナら(1967)は酵素活性をもつ蛋白
に及ぼす不活性ガスの相互作用および効果をAbstract N
o. 2209. Food Proc. 26:650に記述している。
【0024】シュレイナ H. R.(1964) は、技術報告書
で、アルゴン、ヘリウム、および希ガス類の生理学的効
果を記述している{Contract Nonr 4115 (00), NR: 102-
597.海軍研究所、ワシントンD. C.}。
【0025】シュレイナ H. R.(1965) は、技術報告書
で、アルゴン、ヘリウム、および希ガス類の生理学的効
果を記述している{Contract Nonr 4115 (00), NR: 102-
597.海軍研究所、ワシントンD. C.}。
【0026】シュレイナ H. R.(1966) は、技術報告書
で、アルゴン、ヘリウム、および希ガス類の生理学的効
果を記述している{Contract Nonr 4115 (00), NR: 102-
597.海軍研究所、ワシントンD. C.}。
【0027】ドッブラ−(Doebbler)G.F.らは、Fed. Pro
c. Vol. 26, p.650(1967) で、Kr,Xe, SF6 、 N2 O,H
e, Ne, Ar, および N2 ガス類を使用した時の異種酵素
数種に及ぼす圧力の影響または低減した酸素の圧力の影
響を記述している。全てのガスはその影響が同じである
と考えられた。
【0028】コルテン(colten) らは、Undersea Biome
d Res. 17(4)、297-304(1990)で酵素グルタメ−トデカ
ルボキシラ−ゼに及ぼすヘリウムおよび酸素と高圧との
複合効果を記述している。ヘリウムおよび酸素両者の高
圧阻害効果および酸素の化学的阻害効果のみが特に注意
される。しかし、現在では、酵素活性は幾つかの方法で
阻害され得る事は公知である。例えば、多くの酵素はそ
の酵素の基質に構造的に関連している可能性のある特殊
な毒によって阻害され得る。一方、多くの異種試薬が目
的酵素の特異的不活性化因子となることも公知である。
これらの試薬は、酵素の活性部位に通常化学的修飾を施
し、触媒作用の失活、活性部位主導非逆行性不活性化を
誘導し、または親和性標識となる。C. walsh(W. H. Fr
eeman & Co.1979)によるEnzymatic Reaction Mechanisu
ms参照。一方、ある多酵素配列が調節酵素またはアロス
テリック酵素として知られる特殊酵素によって調節され
ていることが公知である。A. L. Leninger (Benjamin/C
ummings Publishing Co.,1973)によるBioenergetics 参
照。
【0029】食品の保存のためのガス包装は良く知られ
ており、この技術の一般的記載はA.L. Brody 著Control
led/Modified Atmosphere/Vacuum Packaging of Foods,
Food & Nutrition Press, Trumbull, CT 01989にあ
る。消費者が品質認識する際の重要なパラメ−タはJ.J.
Jen, Qualaity Factors of Fruits and Vegetables, Ch
emistry and Technology, ACS Sympsoim Series No. 40
5, American Chemical Society, Washington, D. C., 1
989 に記載されている。そして食品において重要な生化
学的反応の記載はN. A. Michael Eskin, Biochemistry
of Foods, seconded., Academic Press, New YorkNY 19
9にある。
【0030】これらの情報源から、現在および過去の包
装方法の大半は主に二酸化炭素、窒素、酸素を単独ある
いは混合で使用することに依存していたことが実証され
る。一般的に、窒素は不活性ガスあるいは無反応性ガス
として酸化防止あるいは呼吸を制限をするために酸素と
置換して使用される。一般的に、二酸化炭素は微生物殺
菌剤または微生物静止剤として使用されるかあるいはあ
る種の飲料の場合には泡立ち効果を付与するために使用
される。二酸化炭素はまた不活性ガスとして良く使用さ
れる。一般的に酸素は酸素として使用されるか好気的呼
吸をさせるためか、あるいは病原性微生物の成長を許す
嫌気的状態に発展するのを防止するため空気中含有物中
の活性成分として使用される。
【0031】例えば、U. S. 4454723 は生産物の呼吸を
不活性化するために、スプリンクラ−水と同時に冷却源
から不活性窒素が発生して冷却する冷蔵トレイラ−につ
いて記載している。
【0032】CH 573848 は、コ−ヒ−包装調整における
窒素の不活性化作用について記述している。
【0033】Irisawa,1974は、苺、鮭、魚類の保存にお
ける窒素大気の使用または液体の使用について記載して
いる。
【0034】Kocys およびVeskevicius, 1970 窒素中で
の貯蔵について記載している。
【0035】Lapin およびKoburger, 1974は海老を窒素
中で貯蔵し、バクテリア制御に改善が見られたと記載し
ている。
【0036】Moor, 1984は窒素大気におけるモルト用大
麦の貯蔵について記載している。
【0037】Niu およびSu, 1969 は窒素中でのバナナ
の効果的貯蔵について記載している。
【0038】Lebedevaら 1984 は酸化代謝における変
化、すなわち呼吸率を変化させることにより窒素大気に
おいて貯蔵された向日葵の種の貯蔵における窒素の効用
について記載している。
【0039】U. S. 4515266 はガス包装適用における包
装型の重要性について例証している。包装には改変した
大気包装用高防止フィルムが使用され、保存用大気が包
装中に導入される。包装工程では、不活性化のため窒素
ガス等の保存ガスを導入を許すが、同時に空気が包装中
に入るのを防ぎ、食品と酸素が接触して食品の分解的酸
化を引き起こさないようにする事が肝要である。
【0040】U. S. 4522835 は、酸素、二酸化炭素およ
び一酸化炭素等の酸素を含むガス分子が食品系において
しばしば反応性であるガス類を示す。家禽や魚類の色を
保存するためには、酸素配合量を低減させることによっ
て通常の酸化された状態のオキシミオグロビン/ヘモグ
ロビンに対してミオグロビン/ヘモグロビンを生成し、
最終的に、一酸化炭素を添加してカルボキシミオグロビ
ン/カルボキシヘモグロビンを生成させ、そしてこのよ
うに改善された色を維持するために二酸化炭素下で貯蔵
する。さらに酸素を使用した再酸化同様、不活性窒素下
での貯蔵も可能である。
【0041】EP 354337 は、食品の保存において抗バク
テリア剤として二酸化炭素を使用することを特許請求し
ている。
【0042】SU 871363 は調整とガス適用のための特殊
な方法がしばしば勧められる複雑なガス包装方法につい
て例証している。この特許は、窒素、酸素および二酸化
炭素混合物中において、3つの別々の工程で行うプラム
の貯蔵について記載している。すなわち第一工程は、摂
氏 0度、78 -82% の窒素+10 - 12%の酸素+8 - 10%-の
二酸化炭素中で2 - 2.5 週間;第2工程は、摂氏 -1
度、93 -95% の窒素+3- 5%の酸素+2 - 4%の二酸化炭
素中で次の2.5 -3週間;第3工程は、摂氏 -2 度、90 -
92% の窒素+2.5 - 3.5%の酸素+4.5 - 5.5%- の二酸化
炭素中で残りの保存期間。この方法は、151 日後に、91
- 94%に対して99.4% の良好な条件になると特許請求し
ている。この限界に近い増加は、主に酸素と二酸化炭素
間の呼吸ガス交換の効率的調整によると考えられる。こ
こでは、窒素が不活性結合無反応キャリアガスとして以
外の実質的働きを果たさない。
【0043】SU 1245284は、この様な処理の概念をさら
に支持する。ここでは、二酸化炭素5 - 8%+酸素4.5 -
5.5%+残りを窒素とした呼吸制限する混合物下でさくら
んぼが良好に保存された。果物は正規の成熟期に摘みと
り、呼吸を低下させるためにもまた摂氏0 - 1 度で冷却
して保存する事が肝要である。
【0044】WO 9015546、CA 2019602、およびAU 90594
69はそれぞれ食料品のクリマクテイック(climacteric)
状態の重要性、すなわちエチレンにより誘発される生産
物の成熟期の重要性について記載している。それぞれ、
二つのガス分離層を使用して食品の保存が改善されたこ
とを開示している。ここでは、最初にエチレン、酸素、
二酸化炭素および水蒸気等の望ましくないガスを除去
し、次ぎに、保存(不活性または呼吸混合)ガスが供給
される。
【0045】JP 55029426 は20 - 99.5%の窒素および/
または二酸化炭素+残留酸素が10%である80 - 0.5% の
エタノ−ル蒸気の複合混合物を使用している。この特許
は、不透過性包装において、黴を形成する粘性物質を防
ぐことを請求している。
【0046】Burgheimerら、1967は、制御された窒素大
気中のほうれんそうに対して空気中でのほうれんそうが
ビタミンCおよびアスコルビン酸配合量にかなりな分解
的変化が進行していると酸素に接触している間に起こる
化学的変化を例証している。
【0047】同様に、Consignadoら、1976は窒素下対空
気下での貯蔵ココナッツの砂糖配合量を比較して、驚い
たことに、砂糖の配合量は呼吸用酸素の利用性と相関し
ていない事を発見している。
【0048】この様に、酸素、二酸化炭素および窒素は
単独でも混合でも酸化、抗菌作用、および不活性化のそ
れぞれに非常に定まった効果を持つことが実証される。
また生体系に課される大気中のこれらのガス類の均衡が
呼吸を抑制し、結果的に化学的およびその他の食品の品
質限界を基本的方法および公知の方法で作成または維持
することが実証されている。酸化ガスおよび反応ガス
は、化学的および生物化学的系に破壊的効果を与えるで
あろうことも実証されている。
【0049】包装にアルゴンを使用することを記述して
いる文献があるが、この文献はガスが完全に不活性であ
るべきで、その無反応性において窒素あるいは他の希ガ
スと同等であるべきであると記載している。
【0050】また、下記の引用文献から明らかである
が、アルゴンガスは、窒素および他の希ガス類と同等の
みならず、不活性物質と考えられている二酸化炭素、亜
酸化窒素、水素および他のガス類と同等な不活性ガスま
たは無反応性ガスとして記載され使用されている。これ
はとくに食品のガス包装システムの場合である。
【0051】例えば、JP 2010077はガス包装製品に窒
素:二酸化炭素:エチレンの60:30:1混合物(ここに存
在している少量のアルゴンは不活性である)の供給のた
めの混合ガス源の使用について記載している。また、JP
3058778(89192663)はアルゴンのヘッドスペ−スでのア
ルコ−ル性飲料の貯蔵および成熟について記載してい
る。
【0052】アルゴンの包装密度を調整することで品質
の低下は防止でき成熟も促進したり遅延させたりでき
る。アルコンの効用は酸素との置換すなわち不活性化に
ある。JP 58101667 (88019147 )は圧力下で、アルゴン
等の不活性ガスを使用して柑橘系飲料を容器に封入し
て、開口によって泡が発生し果肉に付着することについ
て記載している。
【0053】JP 60134823 は、殺菌した液体を窒素また
はアルゴンのいずれかの不活性ガスにより圧力下で包装
容器に導入することで液体食品の包装が達成される工程
を開示している。
【0054】JP 62069947 (88051660)は、暗室容器中
で、窒素、二酸化炭素、アルゴン、亜酸化窒素の混合物
中においた椎茸長期保存について開示している。アルゴ
ンはここでは不活性ガスとして記載されている。
【0055】JP 63273435はアルゴン、二酸化炭素、窒
素、亜酸化窒素の混合物中で透過性の容器中で煎ったく
るみの保存について記載している。それゆえアルゴンに
透過性である容器は効用がない。
【0056】JP 7319947 (730618)は希ガスによりフル
−ツジュ−スを保存することを特許請求している。しか
しアルゴン、ヘリウム、および窒素は不活性ガスとして
記載されている。
【0057】JP 77027699は凍結工程および圧力下での
貯蔵工程について記載している。圧力は二酸化炭素、窒
素、アルゴン、または水素(すべて同等に不活性ガスと
してみなされている)で加えられている。
【0058】U. S. 4054672 ( JP 7169757) の2 - 5 気
圧下で、好ましくは二酸化炭素、窒素、ヘリウム、また
はアルゴン(すべて不活性、無反応性、無酸化性であ
る)下での冷凍食品の解凍について記載している。
【0059】JP 89192663 は、アルコ−ル飲料、特に容
器に入った酒およびワインのアルゴンによる保存につい
て特許請求している。ここでアルゴンは窒素よりも溶解
性が高いため優れた不活性化剤とみなされている。U.
S. 3096181 はトマトジュ−スまたは液体食品製品ある
いは野菜濃縮品のガス包装に使用される食品加工方法お
よび装置について記載している。ここで、窒素、アルゴ
ン、クリプトン、ヘリウム、あるいはこれらの混合物の
群からの不活性ガスは水蒸気殺菌後、大気圧または大気
圧以上で同等に不活性で有用である。U. S. 3128188 は
不活性雰囲気中でのRuh ビ−ルの熟成について記載して
いる。
【0060】U. S. 3442657 は不活性雰囲気中でホップ
の保存を特許請求している。
【0061】U. S. 3498798 、CA 867629 は、機能的有
用工程として不活性ガスが酸素と置換して使用されてる
ポテトチップスの不透過性包装について記載している。
窒素、二酸化炭素、アルゴン、ネオンのどれも同等に使
用できる。
【0062】U. S. 3535124 は二酸化炭素を使用してデ
スペンザ−中に新鮮なフル−ツジュ−スを保存する工程
を開示している。ここでは、ジュ−スは好ましくは不活
性雰囲気中に噴霧される。 U. S. 3587203 では直ぐ食
べられるように切って用意されたトストサラダのガス包
装について記載している。ここでは、酸化による脱色素
を防止するため、トストサラダは不活性雰囲気中で貯蔵
される。
【0063】U. S. 3715860 はガス包装方法について記
載している。個々では不透過性容器を通過した不活性液
体が酸素を除去して腐敗を防止する働きをする。
【0064】U. S. 4152464 は、包装内部空間にある不
活性ガスすべてに殺菌を施す事からなる包装を殺菌する
方法および装置について記載している。
【0065】U. S. 4205132 は、凍結乾燥したバクテリ
アの貯蔵について記載している。貯蔵には完全無酸素化
が要求されるので、商業的に利用されているアルゴンが
非常に低量の酸素を含んでいるので、アルゴン不活性物
質を使用することが好ましい。 U. S. 4229544 は、窒
素、アルゴン、ヘリウム(すべて同等)中にガス包装す
ることによる休止期にある生存微生物の貯蔵について記
載している。
【0066】U. S. 4391080 は、ガス包装機器について
記載している。殺菌された不活性ガスをこの機器を通し
て包装中に充填することがこの発明の要点である。U.
S. 4524082 は、濃縮卵白または塩漬全卵製品の不活性
雰囲気中ので調整について記載している。
【0067】U. S. 4627336 もまた、空気を置換するた
めに不活性ガスをフラッシング(どっと流し入れる)を
必要とするガス包装装置について記載している。
【0068】U. S. 4803090 は、熱油の中でチ−ズパフ
を調整することに関するが、不活性ガスが異なると製品
に差異が生じないかとについては注意がはらわれてなか
った。
【0069】また、U. S. 4835937 は、不活性ガスをフ
ラッシングして充填することを包含している食品包装工
程について記載している。
【0070】同様な工程はU. S. 4870801 で特許請求さ
れている。
【0071】U. S. 4901887 は活性ガスで圧力をかけた
飲料デイスペンザを特許請求している。
【0072】U. S. 4919955 では、肉の包装方法が記載
されている。ここでは不活性ガスが肉を包装し貯蔵する
のに使用されており、後半段階で、ミオグロビンを酸化
させて赤色を生成するために酸素が包装に添加される。
【0073】ガスを直接注入して食品を冷却する事がDE
2147880,ZA 7106193, FR 2107946,GB 1371027,に記載
されている。ここでは窒素、酸素、アルゴン、または空
気でさえも同様に扱かわれている。
【0074】DE 2736282, WO 7900092,HU H2477, GB 20
21070, DD 137571,DD 137571, EP 6888 は、二酸化炭
素、窒素または希ガスのいずれかから構成される不活性
ガスを使用するビ−ルタンク道路輸送タンカ−について
記載している。
【0075】窒素または二酸化炭素等の不活性雰囲気下
で圧縮、加熱および押出による多孔性の食品材料押出加
工用の工程がEP 146510, SE 8306164, NO 8404468, FI
8404402, DK 8405347 に特許請求されている。
【0076】EP 289777, AU 8814003, JP1020056, US48
95729 は切断または区分された新鮮な果物のかけらを、
酸素含有ガスによるフラッシング、密封、冷却衝撃、冷
蔵により包装することを特許請求している。ここでは、
好ましい混合物は5 - 50% の酸素および残りを窒素、ヘ
リウム、アルゴンまたは水素の群からの不活性ガスのい
ずれかを使用したものである。
【0077】BE 881368, DE 2903300, NL 8000353, GB
2042320, FR 2447155, US 4289148,CA 1127037, CH 642
519, NL 177974,IT1130237 は窒素またはアルゴンのど
ちらかを使用して圧力を加え、次ぎに熱をかけることに
よる煙草の包装能力の改善について記載している。
【0078】熱殺菌し、続いて窒素または二酸化炭素の
いずれかの不活性ガス包装で食品に圧力をかけることが
EP 368603 で特許請求されている。重要な要素は水およ
び酸素配合量である。
【0079】ES 8500634は、好気的微生物の生育を防止
するために、酸素と置換する不活性または無反応性ガス
を使用して保存剤を無しで果汁をアルコ−ル発酵する方
法について記載している。窒素、二酸化炭素、または希
ガス類が同様に有用とみなされている。 GB 1331533,
FR 2089899, BE 765637, DE 2031068, CH 522734 は発
酵によって生じるアルコ−ル飲料の保存性を改善する方
法について記載している。この方法は、好ましくは、窒
素下で(アルゴンまたは他の希ガス類も使用できるがす
べて同様に不活性であること)発酵の間または発酵後、
および/または工程のどの段階においても、および/ま
たは貯蔵の間、酸素を置換することによって酸素の破壊
的作用を防止する。
【0080】IT 1190200は、好気的微生物による攻撃を
防止するために不活性ガス雰囲気の農業製品への使用に
ついて記載している。 SU 249965 は不活性化工程とし
てたとえばアルゴン下でのハム等の塩漬肉の貯蔵につい
て記載している。
【0081】SU 825619 は不活性ガス雰囲気下において
充填コントロ−ルを伴ったワイン貯蔵用のタンクについ
て記載している。初めに、タンクには二酸化炭素が充填
され、次ぎにワインがポンプであるいは不活性ガススプ
レ−で供給される。
【0082】WO 8600503, DE 3425088,AU 8546026, EP
189442, DE 3448380, は香味の損失を防止するためおよ
び沸騰を防ぐため、圧力を維持しながら、液体食製品の
加熱にガスを使用することを開示している。ミルクおよ
びコ−ヒ−製品には、特に窒素または希ガス等の不活性
ガスおよび無反応ガスが望ましい。 FR 2225095は倍煎
コ−ヒ−のガス包装について記載している。ここでは、
コ−ヒ−を好ましくは二酸化炭素の不活性かつ無反応性
のガス中で12 - 48 時間脱ガスし、不透過性の包みにコ
−ヒ−を充填し、50 - 90%の部分真空にかけ、保存ガス
を注入する。ここで、保存ガスは好ましくは1気圧未満
アルゴンかまたは窒素のいずれかが同等に使用され得
る。これらの不活性物の効果は店頭寿命を10倍に改善
すると特許請求されている。
【0083】アボガド果肉等についてのFR 2621224で
は、不活性ガス中で粉砕し、その後、他の香気性食品の
液体を添加することが特許請求されている。
【0084】不活性雰囲気下での冷凍バタ−の貯蔵がFR
2642275で特許請求されている。ここでは、ガスは窒素
またはその他が使用され得る。
【0085】Rzhavskaya1967は鯨油脂の酸化を酸素置換
によって防止するための窒素を利用することについて記
載している。
【0086】Shejbal,1979a, b は不活性化によるシリ
アルおよび脂肪種子の保存における窒素の使用について
記載している。
【0087】Terebulinaら 1983 は呼吸および酸化を防
止するために酸素を置換することによって空気中での米
の脂肪酸化を制御できると記載している。
【0088】貯蔵問題を扱ったCorey ら1983は、窒素お
よび二酸化炭素のキュウリ中への拡散率を測定し、二酸
化炭素が窒素の3倍溶解性を持つ事を発見した。溶解性
は貯蔵雰囲気選択の際の決定的要素と定められた。アル
ゴンは不活性ガスのコントロ−ルとして使用された。
【0089】Fullerton ら1982は、不活性剤としてアル
ゴン下動物餌を貯蔵すると、その溶解性と酸素に配合さ
れていないので貯蔵が改善されると教示している。
【0090】Pichard ら1984はバクテリア、とくにシュ
ードモナスプロテア−ゼの酵素を一酸化炭素、二酸化炭
素、および窒素下でテストした。空気とアルゴンはミキ
サおよびコントロ−ルとして使用された。二酸化炭素の
み効果があることが分かった。この効果は、プロテア−
ゼが測定されないことによる。アルゴンは特にこれらの
酵素に及ぼす効果は見られなかった。
【0091】Zee ら1984は、ガス包装下で、肉上のバク
テリアの生育に及ぼす一酸化炭素、二酸化炭素、および
窒素の効果を研究した。彼等は完全な不活性対照として
アルゴンを使用した。アルゴンと窒素は嫌気性菌の阻害
については同等であり、好気性菌の阻害においては不活
性剤として働いた。二酸化炭素、アルゴン、窒素、一酸
化炭素下で肉から単離された4つの完全好気性菌、3つ
の嫌気性菌、12の任意嫌気性菌が生育した。ここで、
アルゴンは10 - 70%の窒素、二酸化炭素または一酸化炭
素を包含する不活性物であった。アルゴンの効果は混合
したガスによるものと見られる。
【0092】医学の領域では、希ガス類は主にその高溶
解性および浸透性によって生体器官、細胞、および組織
の保存に有用であるといわれる。例えば、Ikegami ら19
79は、窒素、アルゴン、ヘリウム、および二酸化炭素中
で精子の運動性および生存能力を比較した。ここでは温
度因子が最も重要であった。
【0093】SU 507187 はアルゴンおよびホルマリンの
混合物中での骨の移植組織片の保存が改善された事を開
示している。アルゴンの作用は不活性物質として特許請
求されている。
【0094】U. S. 4008754 は単離された器官の保存が
記載されている。ここでは、ヘリウム、窒素、ヘリウム
+キセナン(xenan)、またはヘリウム+キセナン+六フ
ッ化硫黄は冷却中での組織の保存に同等に作用する。同
様な結果がVossら1970、SU 1289437; Ruile ら1971; Br
aun ら1973(凍結について);Poppert 1973 によって
記載されている。後で、高圧のキセノンにおける器官の
保存について述べる。
【0095】この様に、アルゴンが不活性物質で無反応
性ガスであり、酸素等のより活性なガスとただ置換する
ことで食品、医学的組織、化学反応、酵素および食品貯
蔵パラメ−タ等の生物学的系に影響をあたえることがで
きることは、上記特許および引用文献の両方において認
識され明瞭に記載されていることにより実証される。こ
の様にアルゴンは従来より不活性かつ無反応性ガスとし
て窒素と同等であると見なされてきた。そして現在で
は、コスト、利用性、純度等の商業的因子に単に基ずい
て食品工業で使用されるものと差別化されている。
【0096】アルゴンおよび他の希ガス類が生物学的系
または食品に応用するユニ−クな特徴を持っていること
を示唆している引用文献が少々知られているが、これら
文献の引用はそれぞれ異なり、本発明の前提としている
結論を教示してもおらず、示唆さえもしていない事は明
らかである。
【0097】例えば、JP 52105232 ,(80002271),
1059647 は、嫌気性かびの成長を遅らせることによる焼
いた栗を保存するためのアルゴン含有ガス混合物の使用
を記載しており、この保存を、アルゴン:二酸化炭素
80:20−30:70における餅、パン、ケーキに拡張し、こ
れがかびおよび嫌気性微生物の成長を抑制することを記
載している。しかし、提供されたデータは自己矛盾して
おり、重要なデータがなく酸素水準の試験またはコント
ロールがなされず試験したかびの記載された嫌気性の証
明がない簡単な実験において、アルゴンの高および低水
準のいずれも効果がなく中間値が効果があるとしてい
る。実際、データはアルゴンについて改善を示さず、単
にアルゴンが不活性および非反応性気体として窒素の代
用物であることを提案していると解される。
【0098】JP 55111755 は、窒素+二酸化炭素最適
には95−30%窒素中の5−70%二酸化炭素中ヘリ
ウムまたはアルゴン(該混合物中1−10好ましくは4
−6%)をも含むものの中での穀物または野菜の保存を
記載している。しかし、この記載は他のガス中への希ガ
スの混入物としての包含を許容しており、希ガスの濃度
の減少は可能な効果を改善しないので、開示された希ガ
スの効果は明らかに不可能である。さらに、長期保存さ
れた穀物および野菜(米、玉ねぎ、じゃがいも)の記載
された保存性の改善は発芽の抑制によって表されたもの
である。アルゴンおよびヘリウムは特に色およびつやに
役立つと記載されている。記載された水準では、改善は
可能ではなく、これらの実験の繰り返しは効果を示すこ
とができない。
【0099】さらに、Manchonは1978年に制御された雰
囲気包装中のパンおよびペストリーの保存を研究した。
窒素またはアルゴンまたは窒素+二酸化炭素を用い良い
結果は得られなかった。亜酸化窒素またはエチレンオキ
サイド+二酸化炭素を用いて良い結果が得られた。しか
し、亜酸化窒素は反応性気体であり、記載されたように
なされた実験は、アルゴンが不活性および非反応性気体
であることを実証できただけである。
【0100】米国特許第3183171 は希ガスによる菌類成
長の制御を記載している。特に、二酸化炭素、一酸化炭
素、酸素、水蒸気または窒素のヘリウム、キセノン、ク
リプトン、ネオン、アルゴンとの混合物、またはこれら
の混合物、または3ないし95%を構成する希ガス部分
が使用された。アルゴン、キセノン、クリプトンまたは
ネオンを含むほとんどの混合物について成長速度の抑制
が記載され、一方ヘリウムをある混合物に添加したとき
の成長速度の強化がクレームされている。Neurospora
crassaについてだけ経時菌糸長増大として非常に限定さ
れたデータが得られた。
【0101】米国特許第3,183,171 はNeurospora cras
saのデータに基いている。この特許は菌糸成長が該生体
の成長と同等であることを示していなかった。逆に、本
発明によれば後に説明するように、菌の成長に応答する
酵素が抑制されることが見出され、米国特許第3,183,17
1 のデータは、微生物の成長の酵素的制御でなく菌糸成
長の制御の効果を示していることが明らかである。した
がって、米国特許第3,183,171 から希ガスで微生物の成
長の効果的制御が可能であることを当業者が理解するこ
とは不可能である。
【0102】この証拠として、希ガスを用いた微生物の
成長の制御の実際的有用物の出願は25年間なされてい
ない。ヘリウムおよび種々の希ガスの高圧適用がバクテ
リア(Fenn およびMarquis,1968,Thom およびMarqu
is,1979,HegemanおよびFeatherstone,1969);原生動
物(Searsら,1964)、哺乳類の細胞(Bruemmer ら、
1967;Schreiner 1964,1965,1966 Nonr )および細
菌胞子発生(Enfors およびMolin,1977)の成長に影
響すると記載されている。これらの結果は、Schreine
r,1968およびBehnkら1969において引用されている。
しかし、これらの報告はすべて決定的な結果を提供する
ものでなく説明することが難しい。
【0103】亜酸化窒素の使用はUS3398001 に記載さ
れ、冷凍アボカドの製造および包装において、亜酸化窒
素または窒素中での冷凍ついで<2%酸素中の窒素を用
いる包装が良好な保存の結果を与えることを記載してい
る。
【0104】新鮮な果物および野菜の2段階処理方法が
EP0422995 に記載され、処理の第1段において酸素お
よび/または二酸化炭素との混合物における亜酸化窒素
(10−100%)がある時間適用され、次いで酸素ま
たは二酸化炭素または窒素に混合された亜酸化窒素(1
0−99%)を含有するガス混合物の分離した第2段適
用があり、亜酸化窒素の作用により保存性を与える。窒
素またはアルゴンは、等しく、影響なしにあらゆる所与
の気体混合物を補完するために大量に自由に用いること
ができる不活性および非反応性の気体であることが明白
に記載されている。
【0105】亜酸化窒素はエチレン生成を抑制しかなり
の静菌真性を与えることが示されてきた。例えば、FR
2191850に果物/野菜へ亜酸化窒素が効果的に溶解しそ
こに存在して効果を有することを証明するデータが提供
されている。
【0106】EP 0422995,AU 9063782,CA 20268
47,ZA 9005704,FR 2652719,BR 9004977,JP
03206873 ,PT 95514は、各々冷蔵温度において亜酸
化窒素および/またはアルゴン(他の希ガスは不活性で
あることが特にクレームされている)および最適には酸
素の雰囲気にさらすことによる新鮮な野菜を保存するた
めの2段階処理を記載する。使用される混合物はさまざ
に高濃度の亜酸化窒素、酸素、二酸化炭素または窒素を
含有する。
【0107】包装のために、アルゴンの保持性に乏しい
半透性の膜が記載されている。しかし、二酸化炭素、ま
たは酸素または窒素またはアルゴンの実験においてコン
トロールがなく、亜酸化窒素以外のいずれのガスにも明
白な作用は帰することができない。
【0108】これらの各開示の本質は2段階処理方法に
関係し、簡単なガス包装ではなく、適用された亜酸化窒
素またはアルゴンが直接果物(トマトが試験された)に
よるエチレン生成を妨げる。しかし、アルゴンがこれに
関し明確な有用性があるとクレームされ、提出されたデ
ータから、アルゴンの効果は果実の組織から酸素を追放
し呼吸およびエチレン生成を抑制することだけであるこ
とが明らかである。図面に提供された主なデータは、空
気、窒素、アルゴンおよび亜酸化窒素のエチレン生成に
おける違いを示すことを意図しており、これは果実中の
溶解性における違いと全く同じである(EP 0422995以
下に示されたデータ)。実際、これは上記実験の追試に
より証明されるもので、他の気体の含有により溶解性の
適当な制御がなされ、エチレンの低下が酸素置換による
ことが完全に説明されることが見出された。データは本
明細書の図1に示されている。
【0109】このように食品処理におけるアルゴンの使
用の上記の記述は、単にアルゴンの不活性または非反応
性を例証するものであり、空気を置換するための非反応
性ガスとしての可能性を確認するに過ぎない。
【0110】二酸化炭素+酸素の既知の混合物へのアル
ゴンの添加は、Schvester&Saunders US 4946326,
EP 346201 ,PT 90762,AU 8936152,DK 89027
55,BR 8902636,JP 2053435,ZA 8904258におい
て4℃での海産物および魚の保存において効果的である
としてクレームされている。。該混合物は分圧で5−6
8%の二酸化炭素+5−20%の酸素+27−45%の
アルゴン(好ましくは50:20:30二酸化炭素:酸素:ア
ルゴン)で構成される。該文献は該混合物を魚および水
産物の表面および内部での酵素的および化学的反応およ
び菌類のような微生物の成長を低下するものとして記載
されている。そのようなデータは提供されず、それへの
クレームはなされていない。そのような混合物およびそ
のような製品についての他の研究は逆の結果を見出して
いる。
【0111】開示された結果は一般的に再現可能でな
く、事実、処理衛生および微生物への二酸化炭素の効果
の注意深い制御のためである。提出された結果は、一般
的に顕著でなく、二酸化炭素、酸素および窒素の単独ま
たは希ガス以外の混合物における既知の効果によってコ
ントロールされるものでない。提出されたデータからす
べての観察された効果は実際アルゴンまたはクレームさ
れた特定の混合物によることが明らかでないことは明白
である。効果は他の成分単独または部分的組み合わせに
よるものであると結論される。
【0112】さらに、EP 354337 は二酸化炭素の微生
物体への影響を記載している。そのような効果は広く知
られており通常の呼吸プロセスにおける二酸化炭素の低
下効果によるものと理解され、明確に抗酵素的であると
解することはできない。US4946326で観察された結果
は広く二酸化炭素による呼吸の単純低下に帰することが
できる。
【0113】加えて、JP 89/192663は酒類の保存に
おける不活性ガスとしてのアルゴンの使用を記載してお
り、JP 88/51660 はきのこ類の保存における不活性
ガスとしてのアルゴンの使用を記載している。
【0114】JP 87/108025は焼いた栗を保存するた
めの窒素、二酸化炭素、アルゴンおよび亜酸化窒素を含
む混合気体の使用を記載している。
【0115】JP 70/66269 は、不活性または非反応
性気体例えば窒素、アルゴンおよびヘリウムを該ジュー
スに飽和水準まで溶解することによるオレンジ、レモ
ン、ぶどうおよびパイナップルジュースの処理方法およ
びそのようなジュースの保存方法を記載している。
【0116】このように一般的に食品のガス包装または
ガス飽和に関するかなりの量の文献が存在する。この文
献の中には、窒素と等しい不活性または非反応性試薬の
ようなガスを用いる食品包装における希ガスおよび不活
性ガスの使用に関するものもある。しかし、単なる酸素
置換により直接におよび非間接的に食品が保存できる方
法が達成されれば非常に便利である。
【0117】広く用いられ特に香りのある食品例えばチ
ーズおよびチョコレートをその香りおよび風味を改善す
るために単なる酸素置換により直接および非間接的に保
存できる方法が達成されれば非常に便利である。
【0118】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は少なくとも1の希ガスを使用する食品の保存方法を提
供することである。
【0119】上記方法を行なうための種々の気体混合物
を提供することも本発明の目的である。
【0120】さらに、本発明の目的は、食品中および/
または食品上での微生物の成長を引き起こす酵素を抑制
する方法を提供することである。
【0121】食品から生産されその劣化を引き起こす酵
素を抑制する方法を提供することも本発明の目的であ
る。
【0122】さらに、本発明の目的は、損傷微生物によ
り分泌されるおよび/または食品上の酵素を抑える方法
を提供することである。
【0123】更に、本発明の目的は食品中および/また
は上の酵素を抑制する方法を提供することである。
【0124】食料品の色および/または外見を保存する
方法を提供することも本発明の目的である。
【0125】また、食料品の非酵素的化学的酸化を抑制
する方法を提供することも本発明の目的である。
【0126】さらに、本発明の目的は、食品の化学的酸
化的劣化反応を抑制する方法を提供することである。
【0127】食品の色の酸化的劣化を抑制することも本
発明の目的である。
【0128】さらに、感覚的、流動学的、微生物学的お
よび栄養学的変化のような食品の好ましくない変化を起
こす技術を用いない食品の保存方法を提供することも本
発明の目的である。
【0129】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、食
品を希ガス、希ガス混合物または少なくとも1の希ガス
を含む気体混合物に接触させることを特徴とする食品の
加工、保存方法を提供するものである。
【0130】本発明により、アルゴンおよび他の希ガ
ス、例えばキセノン、クリプトン、ネオン、ヘリウムが
食品のガス包装の形態での保存に顕著な効果を発揮し得
ることが見出された。これらの改良は化学的、酵素的、
微生物的、消費者の品質感覚的要素の全てのレベルで発
揮される。以下の説明から本発明が食品保存の上で広範
囲に利用し得ることが理解されよう。
【0131】従来の窒素/酸素/二酸化炭素変性雰囲気
の使用に較べて、包装食品への希ガスの導入は腐敗しや
すい製品の棚寿命を大幅に延長させることができる。本
発明によるガス、ガス混合物は少なくとも3つの方式で
作用を及ぼす。すなわち、 (1)食品の劣化の原因となる内生的(製品から発生す
るもの)および外生的(製法に起因するもの、細菌から
発生するもの)酵素を制御することにより; (2)腐敗微生物の成長を制御することにより;(3)
化学的酸化および他の化学的反応を制御することにより
効果を発揮する。
【0132】以下の記載は食品保存に密接に関連する細
菌の制御の根本的進歩、および成長調整酵素の抑制につ
いての包括的実証を示すものである。
【0133】本発明は食品を包装、貯蔵の間、好ましく
はガス包装、ガス制御貯蔵の間においてアルゴンあるい
は他の希ガス、例えばキセノン、クリプトン、ネオン、
ヘリウムと接触させる方法を提供するものである。本発
明の方法は、分解性化学的反応あるいは酸化反応の抑
制、劣化的、酸化的酵素反応の制御、消費者の品質感覚
的要素の劣化の制御から証明されるように驚くべき保存
方法であるということができる。
【0134】希ガスおよび希ガス混合物が化学的、生化
学的、微生物的劣化要因に著しい作用を及ぼし、あらゆ
る食品の棚寿命を著しく増大させ得ることが本発明によ
り最初に実証された。多くの劣化要因を広範囲に実験的
に評価し、すなわち、食品内の酵素活性、処理の間にお
ける外部からの要因、細菌の分泌物によるもの、細菌の
成長速度に起因するもの、酸化過程によるものなどを評
価した結果、希ガスおよび希ガス混合物が、これらの全
てを抑制し得ることが見出された。さらに、希ガスおよ
び希ガス混合物が低い圧力または溶液で適用されてもこ
れらの全てを抑制し得ることが見出された。
【0135】したがって、本発明は、希ガスを用いて食
品をガス包装する方法、希ガスまたは希ガス混合物のも
とで食品を貯蔵する方法、および食品の保存方法を提供
するものである。
【0136】本発明は食品の劣化、酸化、腐敗の制限が
求められる食品貯蔵、加工においての問題および条件の
いかなるものに対しても適用することができる。
【0137】本発明において、”希ガス”とはネオン、
クリプトン、アルゴン、キセノンを意味し、これらは単
独、または組合わせで用いることができる。なお、ヘリ
ウムは水に対する溶解度が小さいこと、揮発性が高いこ
とから望ましくない。ラドンは放射能のため使用に適さ
ない。しかし、窒素、酸素、二酸化炭素、亜酸化窒素、
一酸化炭素は補助ガスまたは”キャリアガス”として使
用することができる。ヘリウムも希ガスまたはキャリア
ガスとして使用することができる。ガス混合物の組成は
食品の性質、加工方法、最も一般的な植物群、包装材料
などを考慮して適宜判断される。
【0138】濃度および物理的特性を考慮することによ
り、この希ガスまたは希ガス混合物は内生的および外生
的細菌酵素を抑制することができる。この希ガスまたは
希ガス混合物はさらに食品中の他の内生的酵素、および
加工の間に導入された酵素を抑制することができる。こ
の希ガスまたは希ガス混合物はさらに化学的酸化、他の
化学的劣化反応を抑制することができる。これらの抑制
効果の組合わせにより食品等の棚寿命を著しく改善する
ことが可能となる。
【0139】生きている製品、例えば園芸製品の場合、
呼吸を可能とし、製品の嫌気性発酵を避けるため最低限
の酸素が必要となる。他の製品の場合は、酸素は酸化劣
化をもたらし、変色、変質をもたらす。酸素含有雰囲気
に希ガスを導入することにより、この酸素の効果を変え
ることができる。
【0140】本発明は食品中の微生物の成長を制御する
のに用いることができる。
【0141】本発明はさらに食品の香り、組織、色、外
観を維持、改善する方法を提供するものである。
【0142】特に本発明は食品の色、例えば赤、黄、
緑、オレンジ、紫などの生き生きした色の改良、維持を
可能とする方法を提供するものである。例えば赤えびま
たはハツカダイコンの赤色や、豆、ブロッコリーの緑色
を本発明により保持させることが可能となる。
【0143】さらに、本発明は着色化合物、例えば天然
食品、合成食品におけるカレテノイド(careten
oids)、フラヴェノイド(flavenoid
s)、アントシアニン(anthocyanins)ま
たはクロロフィルを保持させる方法を提供するものであ
る。
【0144】さらに、本発明は食品における好気性バク
テリア、嫌気性バクテリア、イースト、かび、真菌類の
成長を抑制する方法を提供するものである。
【0145】一般に、本発明では、真空に近い圧力、す
なわち約10-8から約100気圧の範囲において適用す
ることができる。しかし、通常、0.001〜3気圧の
範囲での適用が好ましい。温度は0℃〜120℃の範囲
で適用することができる。
【0146】本発明はあらゆる種類の食品、例えば獣
肉、鳥肉、野菜、果物、焼いた食品、チーズ、チョコレ
ートなどの菓子類の保存に適用することができる。
【0147】
【実施例】
I.予備的評価記録および結果: (酵素活性制御の評価)食品の劣化プロセスで重要で代
表的な酵素を含む密封つぼを完全に排気し評価ガスで満
たした。ガス化基材溶液の注入により反応を最良条件下
で開始した。uv/vis光度測定操作の走査により比
色定量的にモニターした。酸素、窒素、二酸化炭素の全
てについて対照を設けた。温度および圧力もある範囲を
設けて実施した。実験記録を以下に追加する。結果は実
時間で表し、反応の収率、速度の違いを計算するため変
換した。酵素は50以上評価した。種々の食品から検査
のため選ばれた酵素は正確に同じ方法で評価したが、こ
れらは常に空気または他の対照ガス、ガス混合物におけ
る食品との比較において相対活性で評価した。
【0148】以下にチロシナーゼ(tyrosinas
e)に対する希ガスの抑制作用の結果を示す。
【0149】テスト:酵素、酸化、微生物成長および消
費者趣向パラメータ 種々の温度、圧力、包装処理、後包装のもとで種々の製
品について評価を行った。この実験において非透過性フ
ィルムからなる小袋に所定の取扱い方式に従って新鮮な
食品を詰めた。ついで、テスト用ガス混合物で完全にパ
ージングを行い、密封し、調理、冷蔵などの処理を行
い、また、あるものは処理を行わなかった。密封された
小袋は室温、冷蔵、冷凍で貯蔵し、定期的にサンプルを
取り出し微生物の測定(全体、嫌気性、好気性、Pse
udomonas、Lactobacilli)を行っ
た。その他、肉眼による劣化も観察し記録した。あるサ
ンプルについては化学分析も行った。別のサンプルにつ
いて特定の酵素活性を調べた。平均的実験として各サン
プルについて微生物数、微生物特定、酵素活性、酸化、
退色、香り/味変化、最終二酸化炭素および酸素濃度の
測定が行われた。か各食品の劣化に重要な役割を果たす
ものとして知られている細菌、酵素について検査および
成績記録のため選択した。
【0150】下記結果は、単なる真空成形小袋ガス包装
について観察し得る劣化の11のパラメータに測定した
ものを示している。ガステストは「注」に記載されたI
−IXについて行われた。さらに、細菌サンプルを取り
出しプレートとし、酵素活性の測定が行われた。この実
験において、小分けしたりんご、バナナ、人参、トマ
ト、グリーンピース、いちご、ステーキカット、一体の
新鮮な魚の複製包装を用意した。各製品は通常の条件下
で水洗し、真空ガス包装装置により包装し、蒸気のテス
トを行った。その結果、観察し得る劣化パラメータにつ
いての希ガスの作用を表した要約シートが得られた。り
んごおよびステーキカットについての要約グラフも作成
された。これから明らかなように、りんごおよびステー
キカットの双方の棚寿命を延長させることができた。
【0151】(微生物成長速度の評価)希ガスを含む少
なくとも105種類のガスと8種類の対照ガスのもとで
26種類の微生物の評価が行われた。この対照ガスは1
00%空気、100%二酸化炭素、100%窒素、10
0%酸素および一般に用いられている窒素、酸素および
二酸化炭素の種々の割合で含むガス包装混合物である。
Ar、Xe、Kr、およびNeからなる2成分系混合物
(A+B)が作られ、ここにおいて、各ガスがA成分の
0.1、1.0、5.0、または100%となり、他の
希ガスがA成分の残部となるものを作り、このA成分混
合物をB成分を構成するベースガスに100:0;9
5:5;90:10;50:50となるようにした。ベ
ースガスはアルゴン、酸素、窒素、または一般にガス包
装で用いられている窒素、酸素および二酸化炭素の種々
の割合で含むガス混合物が用いられた。典型的ガス混合
物はAr:Xe=99:1(A成分)95%と、空気
(B成分)5%からなるものであった。このように非常
に多くのガス混合物が微生物に対する活性のために評価
された。
【0152】各微生物が一連の稀釈ののち、プレート化
され、滅菌条件下で単一コロニーの成長が行われた。標
準ATCC培養液が用いられ、通常通り維持された。1
25ccのびんを静に排気させ窒素でパージングし残留
ガスを除去し、ついでテストガスで完全にパージングし
たのち、この血清びんに適当な媒体25ccを導入して
接種して評価が行われた。滅菌および最良成長条件につ
いての適当な対照の試験も行われた。成長プレート面積
の大きさの測定が毎日行われ、全細胞数を測定が頻度を
より少なくして時折行われた。好気性微生物について空
気中での1日当たりの成長、および空気中での全成長、
同じく適当な雰囲気でのこれらの成長速度が測定され
た。このびんにおける二酸化炭素および酸素レベルでの
定期的測定も行われた。
【0153】その結果、Alternaria alt
ernateのびんについての日毎の測定が得られ、
A.alternataに対するものと、Escher
ichia coliに対するものと成長面積について
比較を示すものが得られた。これらの結果から各微生物
の成長の抑制において、種々のガスの選択性が存在する
ことが証明された。これら結果はガス全体に亘って一般
化することができるが、微生物の種類によりガスに対す
る耐性がことなる。ガスも混合物中の組成により効果が
異なり、同じ微生物に対しても組成の違いにより効果が
異なる。また、ガス混合物の各成分の相乗効果が得られ
る場合もある。酸素、二酸化炭素の濃度、水蒸気温度、
塩濃度など多くのパラメータにより結果に差異が生じる
ということは重要なことである。
【0154】大規模実験の評価結果: (化学反応)希ガスが酸化を著しく抑制し、その強さ
は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順である。この酸
素抑制は酸素の存在下でも有効であり、他方、窒素は酸
素を置換する以外にはそのような特性を有しない。他の
酸素含有化合物、例えば二酸化炭素は破壊的反応性を示
す。
【0155】本発明によれば、化学物質の酸化に直接、
影響を与えることが可能であることが見出された。すな
わち、ある種のガスは酸素の物理的置換の作用により単
に酸化を遅らすのではなく、化学物質の酸化に直接、影
響を与えることが見出された。本発明に従い、希ガスま
たは希ガスを含む混合ガスを化学物質の貯蔵の間の少な
くとも一部において接触させることにより、その効果が
得られる。
【0156】(酵素に対するガスの作用)製品に内生的
なあるいは製品中の微生物の分泌による酵素は、しばし
ば希ガスにより強く抑制される。希ガスの作用はクラス
により以下のように要約することができる。この抑制は
オキシダーゼに大して極めて大きい。
【0157】下記表は種々の貯蔵条件下で種々の希ガス
で達成される酵素活性の最大の抑制を要約したものであ
る。
【0158】 クラスI. オキシドリダクダーゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(空気に対して) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% N2 0% CO2 0% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% クラスII. トランスフェラーゼ(EC2) 希ガスによる抑制は活性部位の特徴に依存する。
【0159】 ガンマーグルタミルトランスペプチターゼ EC2.3.2.2 (ガス) (結果) Xe −7%(抑制) Kr −8% Ar −5% Ne −3% アスパラテートアミノトランスフェラーゼ EC2.6.1.1 (ガス) (結果) Xe −17%(抑制) Kr −82% Ar −17% Ne −12% クラスIII . ヒドロラーゼ(EC3) リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンおよび希ガスにより−20%までの抑制を示し
た。
【0160】プロテアーゼ(α−チモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存するがアルゴンおよび希ガスにより−20%
までの抑制を示した。
【0161】リパーゼを用いた場合; (ガス) (結果) Xe −25.6% Kr −25% Ne −15% Ar −18% クラスIV. リアーゼ(EC4) クエン酸合成酵素 EC4.1.3.7 全てのガスとのカップル反応として測定したとき、25
℃で−27%の最大抑制を示した。
【0162】クラスV. イソメラーゼ(EC5) Ar −37% Xe:Kr(90:10) −6.3% ホスホグルコースイソメラーゼ (ガス) (結果) Xe −61% Ne −45% クラスVI. リガーゼ(シンテターゼ)(EC6) アセチル−CoAシンテターゼ EC6.2.1.1 (ガス) (結果) Xe −18%(抑制) Kr −16% Ar −75% Ne −15% 果物および野菜の品質要素 I.軽く処理された果物および野菜 新鮮な林檎スライスと刻みレタス 品質要素 色 香り 内部組織 外観 これら3つの要因の相対的重要性は製品により変わる。
【0163】微生物学的品質 栄養学的品質 a.香り:維持するのに最も困難な品質要素である。
【0164】当初の芳香性を維持する。
【0165】芳香の減退を回避する。
【0166】果物および野菜において芳香の減退に影響
する酵素はパーオキシダーゼおよびリポキシジェナーゼ
であると思われる。
【0167】b.内部組織:新鮮な食品と加工食品とを
区別する品質要素である。
【0168】新鮮な果物および野菜はぱりぱりし、堅
く、張りがある。
【0169】加工食品は柔らかく、噛み易い。加工にお
ける応力が張りを失わせる。酵素触媒反応が細胞膜、細
胞壁を解重合させる。
【0170】内部組織の損失: ペクチンエストラーゼ ポリガラクツロナーゼ ペクチンメチルエステラーゼ ガラクツロナーゼ c.外観 軽く処理した果物および野菜の退色はしばしばその棚寿
命を決定する要素戸なる。フェノール化合物例えばファ
ラボノイドおよびクロロゲン酸誘導体を褐色のメラニン
に変換させる反応を媒介する酵素は軽く処理した果物お
よび野菜の退色の主な原因となる。果物および野菜を剥
いたり、カットしたりすると、細胞区分が失われ、これ
に酵素が接触して退色を生じさせる。二酸化炭素はこの
フェノール代謝に影響を与える。
【0171】クロロフィルの破壊:魅力的なグリーンカ
ラーの損失である。
【0172】クロロフィルが破壊されると、カロチノイ
ドが露出し、製品の黄色化をもたらす。緑色植物の色の
重要性はUSDA品質基準に実証されており、品質全体
の60%が色に依存する。自然に存在するクロロフィラ
ーゼはクロロフィルを水溶性のクロロフィリドに変換す
るが、緑色を大きく変えることをしない。酸性条件がク
ロロフィルをフェオフィチンに変えるのである。フェオ
フィチンは褐色であって、多くの食品において好ましく
ない。緑色植物の緑色の損失は熱処理操作において重要
な問題となる。
【0173】果物および野菜に色を付加する役割をなす
カラチノイドはα−、β−カロテンおよびリコペンの誘
導体である。これらの不飽和の性質から一般に酸化され
やすい。カロテンはビタミンAの先駆物質として、香り
揮発成分の先駆物質として、または顔料として、栄養、
香り、外観に重要である。リポキシゲナーゼは不飽和脂
肪酸の直接酸化を媒介すると同時にカラチノイドの漂白
をもたらす。カラチノイドは非酵素的酸化に敏感で同時
に減色を生じさせる。低酸素、高湿度はカロテンを保護
するものと思われる。カラチノイドは脱水果物および野
菜において非酵素的酸化を受けやすい。なぜならば、水
は酸素拡散に対しバリヤーとして働くからである。
【0174】アントシアニン:フラボノイド、フェノー
ル系水溶性化合物である。
【0175】低pH、赤色 中間pH、無色 高pH、青色 ポリフェノールオキシダーゼはカテノールまたはクロロ
ゲン酸のようなフェノール系化合物の存在下でアントシ
アニンを分解する。
【0176】d.栄養学的品質 アスコルビン酸の分解 1〜4%の酸素は酸化が防止されることによりアスコル
ビン酸を徐々に分解させる(レタス、グリーンピース、
りんご)。
【0177】二酸化炭素が多いとアスコルビン酸の分解
が促進される。
【0178】e.微生物学的品質 プラントパトゲン: ボトリチス(いちご) モノリニア デオトリクム カンジズム(Geotrichum c
andidum) アスペルギルス アスペルギルス フラブス(Aspergillus
flavus) ペニシリウム ヒト病原体: クロストリジウム ボツリヌム(包装きのこ) 新鮮な野菜でのリステリア モノシトゲン(高CO2
促進される) アエロモナス ヒドロフィラ(MA冷却製品) 低酸素、高二酸化炭素条件下では発酵代謝が促進されエ
タノールやアセトアルデヒドが蓄積される。
【0179】呼吸活動: 成熟直前の果物: 林檎 バナナ 成熟直前でない果物: いちご 以下に示すように、製品およびその保存のパラメータに
ついて分析が行われた。この内、A〜Dは腐敗の4つの
パラメータ、すなわち細菌、酵素、化学反応、消費者の
感覚による品質パラメータである。E〜HはA〜Dにつ
いての応答である。 1.製品:りんご A.微生物のリスト: 腐敗微生物 Botrytis cinerea Pers.ex
Fr. 灰色かび腐敗 Cryptosporiopsis malicort
icis(=Gloeosporium perenn
ans) 皮目(lentical)腐敗 C.malicorticis(Codl.)Nann
f.(=G.perennans Zellerおよび
Chils) 皮目(lentical)腐敗 Penicillium expansum Thom 青かび腐敗 Phlyctaena vagabunda Des
m.(=Gloeosporium album Os
terw.) 皮目(lentical)腐敗 B.酵素のリスト: 内生酵素: ポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.15 [果実軟化]成熟果実に見られる果実軟化は細胞壁劣化
グリコシダーゼの合成および細胞壁への移送に由来す
る。果実軟化は可溶性ペクチン多糖類の濃度の増大を特
徴としている。
【0180】エクソポリガラクツロナーゼ EC3.
2.1.67 細胞壁ガラクツロナーゼの脱エステル化と、それに続く
ポリガラクツロナーゼの作用。
【0181】ペクチンエステラーゼ ポリガラクツロナーゼの基板の製造に関与する。
【0182】 シトクロームオキシダーゼ EC1.9.3.1 ペクチン劣化以外のプロセスが果実軟化にも関連する。
この軟化は呼吸酵素シトクロームオキシダーゼの作用に
幾分依存する。これは細胞壁のイオン状態を規制する活
性イオンポンプも関与する。
【0183】 β−ガラクトシダーゼ EC3.2.1.23 林檎の軟化はペクチン可溶化だけでなく細胞壁からのガ
ラクトース残渣の損失を伴う。成熟の間において細胞壁
からガラクトースが損失する。貯蔵中のりんごにおける
この活性の増大は堅さを失わせる。
【0184】ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 脱色アントシアニン ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)EC1.14.
18.1 PPO活性と褐変度との間に直接関連する。全フェノー
ルと褐変度との間に深く関連する。
【0185】脱色アントシアニン。
【0186】アントシナーゼ 脱色アントシアニン。
【0187】ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0188】 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0189】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 細胞の劣化。
【0190】酵素による褐色化反応 チロシナーゼ EC1.14.18.1 褐色化反応を開始させる。
【0191】 カテコールオキシダーゼ EC1.10.3.2 ラッカーゼ EC1.10.3.1 微生物酵素: ラッカーゼ EC1.10.3.2 C.重要な化学反応のリスト: フェノール化合物−−−(空気)−−−>褐色メラニン D.重要な品質パラメータ: ある種のりんごは水溶性フラボノイド顔料を含む。
【0192】pHはアントシアニンの安定性に影響する
最も重要な要因である。
【0193】酵素による褐色化:チロシナーゼ、ついで
カテコールオキシダーゼ。
【0194】E.表I.細菌に対するガスの作用: Ernvinia carotovora:好気性細
菌、任意嫌気性細菌 Pseudomonas marginales:好気
性細菌 Acinetobacter clacoacetic
us:好気性細菌 Alteromonas putrefacions:
好気性細菌 Serratia linquefaciens:任意
嫌気性細菌 Escherichia coli:任意嫌気性細菌 Yersinia enterocolitica:任
意性 Listeria monocytogenes:任意
性 Penicillium italicum:かび Aspergillus niger:かび Alternaria alternata:かび 1.評価(microassays) a.Penicillium italicum(ATCC 48114) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100%(%抑制、以下同じ) 95%N2 74% 95%Ar 80% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99.9:0.1 89% 殆どの他の希ガス混合物 84% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100%(%抑制、以下同じ) 90%N2 70% 90%Ar 78% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe/Kr 83% 90%Ar:Xe 99:1 83% 90%Ar:Kr 99.9:0.1 83% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 92%(%抑制、以下同じ) 50%N2 50% 50%Ar 55% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99.9:0.1 59% 50%Ar:Xe/Kr 95:5 59% KrおよびAr+Xe混合物 50% F.表II.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% G.化学反応に対するガスの影響:りんごについては、
色成分の酸化が防止され、劣化酸化反応も著しく抑制さ
れた。
【0195】例えば: 1.色:林檎における変色(赤、およびグリーン、黄
色)はフェノール化合物が酸化して褐色のメラニンに変
わるためである。希ガスの酸化に対する効果は、Xe>
Kr>Ar>Ne>Heの順であり、この酸化抑制は酸
素の存在下でも有効である。
【0196】 フェノール化合物−−−(空気)−−−>褐色メラニン 果物に色素を付与する重要なカロテノイドはα−および
β−カロテンおよびリコペンの誘導体である。これらは
不飽和のため酸化されやすい。
【0197】カロチノイドは脱水果物および野菜におい
て非酵素的酸化を受けやすい(水は酸素拡散バリヤーと
して作用する)。
【0198】赤色りんごもアントシアニンの酸化により
紫赤色からオフホワイトに変色する。希ガスはこのアン
トシアニンの酸化にも有効であり、その抑制力はXe>
Kr>Ar>Ne>Heの順であり、この酸化抑制は酸
素の存在下でも有効である。グリーン/黄色りんごもフ
ラバノイドの酸化により変色する。希ガスはこのフラバ
ノイドの酸化にも有効であり、その抑制力はXe>Kr
>Ar>Ne>Heの順であり、この酸化抑制は酸素の
存在下でも有効である。
【0199】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0200】アスコルビン酸劣化 1〜4%の酸素は酸化が防止されることによりアスコル
ビン酸を徐々に分解させる(レタス、グリーンピース、
りんご)。
【0201】二酸化炭素が多いとアスコルビン酸の分解
が促進される。
【0202】2.劣化化学的酸化: 酵素による褐色化反応: チロシナーゼ EC1.14.18.1 褐色化反応を開始させる。
【0203】 カテコールオキシダーゼ EC1.10.3.2 脱色アントシアニン: ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)EC1.14.
18.1 PPO活性と褐変度との間に直接関連する。全フェノー
ルと褐変度との間に深く関連する。
【0204】脱色アントシアニン。
【0205】H.要約:一般に、りんごは、Arを80
〜99容量%、Xe、Kr、Neの少なくともいずれか
1つを1〜20容量%含むガス混合物により良好に保存
し得る。しかし、より好ましいガス混合物としてはAr
を85〜95容量%、Xe、Kr、Neの少なくともい
ずれか1つを5〜15容量%含むもの、最も好ましくは
Arを約90容量%、Xe、Kr、Neの少なくともい
ずれか1つを10容量%含むものである。
【0206】O2 およびCO2 も大量でなければ含まれ
ていてもよい。例えばArをXe、Kr、Neに対して
9:1の割合で用いた場合、O2 またはCO2 を、20
容量%以下、好ましくは10容量%未満(全ガス混合物
に対し)含むものであってもよい。さらに、窒素が存在
していても特に害がないので差支えない。
【0207】2.製品:バナナ A.微生物のリスト: 腐敗微生物 Colletotrichum musae(=Glo
eosporium musarum) (アントラクノース(苦い腐食)、褐色腐食) C.musae(Berk.およびCurt.)Arx
(=G.musarum Cke.およびMass.) (アントラクノース(苦い腐食)、褐色腐食) Fusarium roseum (褐色腐食) B.酵素のリスト: 内生酵素: ポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.15 エクソポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.67 細胞壁ガラクツロナンの脱エステル化と、それに続くポ
リガラクツロナーゼの作用。
【0208】ペクチンエステラーゼ ポリガラクツロナーゼの基板の製造に関与する。
【0209】ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)E
C1.14.18.1 多くの果物および野菜の酵素的褐変に関連し、特にバナ
ナにおいて影響が大きく、バナナパルプを暗色化する。
【0210】 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 香り生物発生に関係する:短鎖不飽和アルデヒドおよび
アルコールの生成。エチレンの製造を増大させる。
【0211】ACC合成酵素 エチレンの生合成速度を制御する主要な要因。
【0212】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 細胞の劣化。
【0213】アミラーゼ 蛋白質−糖変換 ホスホリラーゼ 蛋白質−糖変換 酵素による褐色化反応 チロシナーゼ EC1.14.18.1 褐色化反応を開始させる。
【0214】 カテコールオキシダーゼ EC1.10.3.2 ラッカーゼ EC1.10.3.1 C.重要な化学反応のリスト: 上記同様の顔料 D.重要な品質パラメータ: 蛋白質−糖変換:ホスホリラーゼ、ついでアミラーゼ。
【0215】酵素による褐色化:チロシナーゼ、ついで
カテコールオキシダーゼ。
【0216】E.表I.細菌に対するガスの作用: 他の野菜同様 F.表II.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% G.化学反応に対するガスの影響:バナナについては、
色成分の酸化が防止され、劣化酸化反応も著しく抑制さ
れた。
【0217】例えば: 1.色:果物に色素を付与する重要なカロテノイドはα
−およびβ−カロテンおよびリコペンの誘導体である。
これらは不飽和のため酸化されやすい。希ガスの抑制力
はXe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、この酸化
抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0218】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0219】2.劣化化学的酸化: 酵素による褐色化反応: チロシナーゼ EC1.14.18.1 褐色化反応を開始させる。
【0220】 カテコールオキシダーゼ EC1.10.3.2 ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)EC1.14.
18.1 多くの果物および野菜の酵素的褐変に関連し、特にバナ
ナにおいて影響が大きく、バナナパルプを暗色化する。
【0221】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0222】H.要約:一般に、りんごの場合と同様の
ガス組成を用いることができる。
【0223】3.製品:パン A.微生物のリスト:かびおよびイースト B.酵素のリスト:一般に重要ではない。
【0224】C.重要な化学反応のリスト: D.重要な品質パラメータ:柔らかさ(湿気) E.表I.細菌に対するガスの作用:かびおよびイース
トは窒素または空気と比較して全ての希ガスによりさら
に効果的に抑制できる。CO2 はさらに効果的である
が、色を劣化させ、香りを失わせる。
【0225】F.表II.酵素に対するガスの作用:希ガ
スによる悪影響はない。
【0226】G.化学反応に対するガスの影響:希ガス
は、パンの湿気維持に有効である。
【0227】H.要約:ArおよびXe、Kr、Neを
70〜100容量%含むものを使用できる。CO2 も3
0容量%以下、空気または酸素も0容量%以下含増せる
ことができる。80〜100容量%の希ガスと0〜20
容量%の空気または酸素を含む混合ガスを用いることも
できる。全ての希ガスはパンの保存に有効であり、これ
は湿気損失の防止、かびおよびイーストの成育の抑制、
酸化反応の防止に基づくものである。
【0228】4.製品:にんじん A.微生物のリスト: 腐敗微生物 Erwinia carotovora (バクテリアによる軟化腐敗) Erwinia carotovora(Jones)
オランダ Pseudomonas marginalis (バクテリアによる軟化腐敗) Botrytis cinerea (灰色かび腐敗) B.cinerea Pers.ex Fr.Geot
richum candidum (酸っぱい腐敗、水っぽい軟化腐敗) Rhizopus stolonifer (Rhizopus軟化腐敗) Sclerotinia sclerotiorum (水っぽい軟化腐敗) S.sclerotiorum(Lib.)de Ba
ry B.酵素のリスト: 内生酵素: ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 人参は中程度のペルオキシダーゼ活性を有する。
【0229】カタラーゼ EC1.11.1.6 香りを失なわせる。野菜の貯蔵安定性とカタラーゼおよ
びペルオキシダーゼとは関連を有する。人参は顕著な中
程度のカタラーゼ活性を有する。
【0230】フェノラーゼ EC1.10.3.1 ACC合成酵素 エチレンの生合成速度を制御する主要な要因。
【0231】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 細胞の劣化。
【0232】シトクロームオキシダーゼ EC1.9.
3.1 ペクチン劣化以外のプロセスが果実軟化にも関連する。
この軟化は呼吸酵素シトクロームオキシダーゼの作用に
幾分依存する。これは細胞壁のイオン状態を規制する活
性イオンポンプも関与する。
【0233】 β−ガラクトシダーゼ EC3.2.1.23 林檎の軟化はペクチン可溶化だけでなく細胞壁からのガ
ラクトース残渣の損失を伴う。成熟の間において細胞壁
からガラクトースが損失する。貯蔵中のりんごにおける
この活性の増大は堅さを失わせる。
【0234】ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 脱色アントシアニン ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)EC1.14.
18.1 PPO活性と褐変度との間に直接関連する。全フェノー
ルと褐変度との間に深く関連する。
【0235】脱色アントシアニン。
【0236】アントシナーゼ 脱色アントシアニン。
【0237】ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0238】リポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 エチレンの製造を増大させる。
【0239】リポキシゲナーゼによる酸化はカロテノイ
ドを漂白させる。
【0240】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0241】微生物酵素: ラッカーゼ EC1.10.3.2 エンドポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.15
(細胞外) C.重要な化学反応のリスト:加工および貯蔵の間のカ
ロテノイド劣化 不飽和質−−>異性体化および酸化を起こしやすい。
【0242】D.重要な品質パラメータ:人参における
苦いイソコウマリンのエチレン誘導による形成。
【0243】α−カロテン β−カロテン E.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Erwinia carotovora(ATCC 15713) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100%(%抑制、以下同じ) 95%N2 0% 95%Ar 2% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 95:5 24% 95%Ar:Kr 99:1 20% 95%Ar:Ne 99:1 18% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 0% 90%Ar 2% 最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe 99:1 21% 90%Ar:Kr 99:1 20% 90%Ar:Ne 99:1 16% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100%(%抑制、以下同じ) 50%N2 0% 50%Ar 0% 最も好ましい他のガス混合物: 50%Kr 12% b.Pseudomonas marginalis(ATCC 15713 ) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100%(%抑制、以下同じ) 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Ne 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 最も好ましい他のガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 24% 2.Ar 100 33% 3.(Ar:Kr):O2 [9:1]:9 17% 嫌気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.空気 100 31% 2.Ar 100 9% 3.(Ar:Kr):O2 [9:1]:9 42% 4.(Ar:Ne):CO2 [9:1]:9 32% 5.(Ar:Ne):O2 [9:1]:9 33% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 35% 2.Ar 100 49% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 3% 2.Ar 100 20% 3.Ar:CO2 9:1 17% F.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% G.化学反応に対するガスの影響:人参については、色
成分の酸化が防止され、劣化酸化反応も著しく抑制され
た。
【0244】例えば: 1.色:果物に色素を付与する重要なカロテノイドはα
−およびβ−カロテンおよびリコペンの誘導体である。
これらは不飽和のため酸化されやすい。希ガスの酸化抑
制力はXe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、この
酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0245】カロチノイドは脱水果物および野菜におい
て非酵素的酸化を受けやすい(水は酸素拡散バリヤーと
して作用する)。
【0246】2.劣化化学的酸化: リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 リポキシゲナーゼはある種の不飽和脂肪酸の直接酸化を
媒介し、同時にカロテノイドを漂白させる。
【0247】カロテノイドも非酵素的酸化に敏感であ
り、同時に退色させる。
【0248】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0249】ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 脱色アントシアニン: (注)希ガスの酵素に対する抑制効果については、上記
の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項を参照のこ
と。
【0250】H.要約:一般に、人参を本発明のガスま
たはガス混合物にさらすことにより色の改善が見られ、
酸化反応や酸化酵素による反応を制御することができ
る。
【0251】一般に、Arを80〜99容量%、好まし
くは85〜97容量%、最も好ましくは約95容量%、
Neを1〜20容量%、好ましくは3〜15容量%、最
も好ましくは約5容量%含む2成分系ガス混合物を用い
ることができる。なお、O2、空気またはCO2 を、1
0容量%以下含むものであってもよい。
【0252】5.製品:魚切り身 A.微生物のリスト I.魚: (腐敗微生物) Acinetobacter(発生することが知られて
いる) Aeromonas hydrophila Alcaligenes(発生することが知られてい
る) Altermonas (4種の魚の当初の皮膚寄生菌の32−60%) Altermonas putrefaciens Aspergillus(発生することが知られてい
る) Chromobacterium(発生することが知ら
れている) Corynebacterium(発生することが知ら
れている) Cytophaga(発生することが知られている) Enterobacter(発生することが知られてい
る) Escherichia Flavobacterium(発生することが知られ
ている) Halobacterium(発生することが知られて
いる) Microbacterium(発生することが知られ
ている) Micrococcus Moraxella Penicillium(発生することが知られてい
る) Photobacterium(発生することが知られ
ている) Pseudomonas spp. (4種の魚の当初の皮膚寄生菌の32−60%) Pseudomonas marinoglutino
sa Pseudomonas aeruginosa Streptococcus(発生することが知られて
いる) Oospora(発生することが知られている) Scopullariopsis(発生することが知ら
れている) Vibrio(発生することが知られている) Wallemia(Sporendonema) (発生することが知られている) Candida(最も頻繁に存在する) Cryptococcus(発生することが知られてい
る) Debaryomyces(発生することが知られてい
る) Hansenula(発生することが知られている) Pichia(発生することが知られている) Pullularia(発生することが知られている) Rhodotorula(最も頻繁に存在する) Sporobolomyces(発生することが知られ
ている) Torula(最も頻繁に存在する) Torulopsis(発生することが知られている) 新鮮な氷蔵魚: (腐敗微生物) Acinetobacter Altermonas Altermonas putrefaciens (=Pseudomonas putrefacien
s) (重要な魚類腐敗微生物) Moraxella Pseudomonas spp. Pseudomonas fragi 80%CO2 /20%空気雰囲気の冷蔵岩魚(rock
cod): (腐敗微生物) Lactobacillus (21日後の寄生細菌の71−87%と、幾らかの黄褐
色のPseudomonas) 鱈(COD)筋肉: (腐敗微生物) Pseudomonas sp. Pseudomonas fluorescens Pseudomonas fragi Pseudomonas putrefaciens ハドック: (腐敗微生物) ShewanのグループIIおよびIII/IVの Pseudomonas spp. (腐敗プロセスにおいて特に活性) 冷蔵ハドック: (腐敗微生物) Pseudomonas putrefaciens 空気中でのニシンきり身: (腐敗微生物) Altermonas putrefaciens (腐敗後の寄生細菌の62−95%) Pseudomonas (腐敗後の寄生細菌の62−95%) 100%CO2 雰囲気での冷蔵ニシンきり身: (腐敗微生物) Lactobacillus (腐敗バクテリアフローラのほぼ100%) 冷蔵パシフィックメルルーサ: (腐敗微生物) Acinetobacter (最初の寄生細菌において最も多く、14日後には分離
できない) Moraxella (最初の寄生細菌において最も多く、14日後には分離
できない) ShewanのグループIIのPseudomonas
spp. (14日後のバクテリアの主なタイプ) 5℃でのシタガレイ: (腐敗微生物) Aeromonas spp.(最も活発な腐敗菌) ShewanのグループI、III/IVのPseudomo
nas spp.(最も活発な腐敗菌) Vibrio spp.(最も活発な腐敗菌) B.酵素のリスト: 内生酵素: ホスホリパーゼ(ヒドロラーゼ) 魚肉におけるもの(魚肉の脂肪分解の研究は主として主
たる脂質成分がホスホリピッドである痩せた魚について
行われる。) 脂肪分解は死後の魚肉で激しく、冷凍肉の品質悪化に関
係する。品質悪化の主な原因である。
【0253】魚肉のおけるリパーゼ EC3.1.1.
3 メトミヨグロビン リダクターゼ 魚肉のおけるリポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 n−3ポリ不飽和脂肪酸に富む魚肉は脂質酸化を受けや
すく、この酸化が開始されると、n−3二重結合を有す
るアルデヒドの非常に小さい濃度ものが明らかな酸化的
脱芳香作用を及ぼす。高いヘム濃度を含む皮膚組織−エ
キスの酸化の開始に関係する。エメラルド淡水魚(sh
iner)および虹鱒におけるヒドロペルオキシドの形
成を媒介する。長鎖ポリ不飽和脂肪酸に富むため、酵素
媒介のヒドロペルオキシド化は後の魚の芳香品質の関連
で顕著なものとなる。したがって、魚肉における酸化酵
素の初期の制御により、後の処理および貯蔵時での望ま
しくない自動酸化による揮発性カルボニルの発生を促進
する反応を抑えるべきである。
【0254】魚肉におけるミクロソーム脂質ペルオキシ
ド化酵素システム。魚肉のミクロソーム部分は比較的低
温で非常に活性であり、冷凍でもその活性は可なりのも
のである。この酵素システムの正確な役割は未だに不明
である。このミクロソーム脂質ペルオキシド化酵素シス
テムが魚肉の凍結温度以下の温度でも活発であるので、
これがホスホリパーゼA2を刺激してリン脂質加水分解
を生じさせる。冷凍魚において、脂質ペルオキシド化の
増大はリン脂質加水分解の増大に関係する。内生的脂質
ペルオキシド化能は膜脂質の変換および代謝に根本的な
役割を果たす。魚白血球におけるミレオペルオキシダー
ゼ様酵素。H2 2 およびハロゲン化塩が存在する場
合、カロテノイド劣化と同時に脂質酸化を開始させる機
能を有する。
【0255】プロテイナーゼ カテプシンD EC3.4.23.5 中性プロテイナーゼ カテプシンB EC3.4.22.1 アルカリ性プロテイナーゼ 魚骨格筋に存在し、組織蛋白質の破壊に関連する。品質
を害する。刻み魚肉の組織劣化に関係する。
【0256】β−グルクロニダーゼ EC3.2.1.
31 魚骨格筋(リソソームおよびミクロソームの局在)に存
在する。コラーゲン中のグルコース−ガラクトース部分
および連結筋マトリクスのムコポリサッカリド−たんぱ
く錯体の加水分解に関連する。また、連結筋のポリサッ
カリド−たんぱく錯体のグルクロニドジサッカリド結合
の分裂にも関与する。その自己分解プロセスにより初期
の腐敗につながる。
【0257】グリコーゲン分解パスウエイシステム エネルギーの製造、乳酸の蓄積。嫌気性条件下で死後エ
ネルギー源はグリコーゲン分解によるものである。
【0258】クレアチン キナーゼ EC2.7.3.
2 ATPの再生に関連する。これは魚肉中の全サルコプラ
ズムたんぱく質の13−20%に当たる。
【0259】ミヨフィブリルおよびサルコプラズムAT
Pアーゼ 魚肉中のATPの破壊を媒介する。苦悩死の開始:AT
Pおよびクレアチンホスフェートが破壊し、乳酸が魚肉
に蓄積する。
【0260】たら肉: 内生酵素: ホスホリパーゼ(ヒドロラーゼ) たらの加水分解のほとんどは自動分解であり、バクテリ
アによるものでない。たらリン脂質の75%が−7℃の
冷蔵において最初の1月で加水分解する。脂質の加水分
解のほとんどがリン脂質加水分解によるものである。
【0261】 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 トランス−2、cis−4−ヘプタジエン、cis−4
−ヘプテンおよびヘキセンが貯蔵時間と温度に従った増
大する。これらは冷蔵たらのリン脂質から解放されるn
−3ポリ不飽和脂肪酸の酸化物であると思われる。
【0262】微生物酵素: グリコシダーゼ(β−D−グルクロニダーゼ EC3.
2.1.21、β−D−ガラクトシダーゼ EC3.
2.1.23) プロテアーゼ 魚ミヨシンはAeromonas hydrophil
aによる成長および酵素分泌を補助するのに最も有効で
ある。
【0263】プロテアーゼ 冷凍温度においても魚アクトミヨシンは実質的に劣化す
る。
【0264】 Pseudomonas fluorescens エンド ペクテート リアーゼ EC4.2.2.3
(細胞外) リパーゼ EC3.1.1.3(細胞外) グリコシダーゼ(β−D−グルクロニダーゼ EC3.
2.1.21、β−D−ガラクトシダーゼ EC3.
2.1.23) リパーゼ EC3.1.1.3(Aspergillu
s niger) リパーゼ EC3.1.1.3(Candida pa
ralipolytica) リパーゼ EC3.1.1.3(Pseudomona
s spp.) リパーゼ EC3.1.1.3(Pseudomona
s sp.) グルコアミラーゼ EC3.2.1.3(細胞外) α−ガラクトシダーゼ EC3.2.1.22(A.o
ryzae/細胞外) 蛋白質分解酵素(細胞外、Pseudomonas f
ragi) C.重要な化学反応のリスト: オキシミオグロビン−−>酸化−−>メトミオグロビン D.重要な品質パラメータ: 明るい赤色:オキシミオグロビン 茶色:メトミオグロビン メトミオグロビンのミオグロビンへの還元:こはく酸デ
ヒドロゲナーゼ、メトミオグロビンリダクターゼ まぐろの緑色化(調理のときのみ):TMAOトリメチ
ルアミンオキシド+熱変性メトミオグロビン E.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Acinetobacter calcoacet
icus(ATCC 23055) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 88% 95%Ar 93% 最も好ましいガス混合物: 95%Xe 94% 95%Ar:Kr 50:50 100% 95%Ar:Xe 99:1 93% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 84% 90%Ar 93% 他の最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Ne 50:50 90% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 90% 50%N2 80% 50%Ar 88% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Xe 50:50 90% 50%Ar:Xe 95:5 90% b.Alteromonas putrefacien
s(ATCC 8071) 全てのO2 混合物(95%、90%、50%)および全
てのCO2 混合物(95%、90%、50%)は100
%抑制を示した。
【0265】95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 100% 95%Ar 100% 他の最も好ましいガス混合物: 95%Ne 49% 95%Xe 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 50% 90%Ar 63% 最も好ましいガス混合物: 95%Kr 61% 95%Xe/Kr 62% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 および50%Ar:50%混合物(空気中)
(ただし、O2 およびCO2 を除く)は全て、空気中よ
りも成長を遅くしたが、最大レベルは同じ出会った。
【0266】c.Aspergillus niger
(ATCC 16888) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 64% 95%Ar 64% 他の最も好ましいガス混合物: 95%Xe 94% 95%Ar:Kr 99.9:0.1 76% 95%Ar:Ne 99.9:0.1 76% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 52% 90%Ar 64% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe 94% 90%Ar:Kr 95:5 81% 90%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 70% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 42% 50%Ar 49% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 52% 50%Ar:Kr 95:5 52% 50%Ar:Ne 99:1 52% d.Penicillum italicum(ATC
C 48114) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 74% 95%Ar 80% 他の最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99.1:0.1 89% 他のほとんどの希ガス混合物 84% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 70% 90%Ar 70% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe/Kr 83% 90%Ar:Xe 99:1 83% 90%Ar:Kr 99.1:0.1 83% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 92% 50%N2 50% 50%Ar 55% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99.9:0.1 59% 50%Ar:Xe/Kr 95:5 59% Kr50%およびAr+Xe混合物 50% e.Pseudomonas marginalis(ATCC 108 44) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe/Kr 99.1:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe/Kr 99.1:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Kr 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% f.Serratea liquefaciens(A
TCC 35551) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 47% 95%N2 0% 95%Ar 0% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Xe 99:1 15% 95%Ar:Xe 95:5 18% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 2% 90%N2 0% 90%Ar 0% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe 14% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 0% 50%N2 0% 50%Ar 0% g.Escherichia coli(ATCC 9
637) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 62% 95%Ar 78% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 95:5 78% 95%Ar:Kr 95:5 78% 95%Xe 82% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 51% 90%Ar 65% 最も好ましいガス混合物: 90%Kr 78% 90%Xe 78% 90%Ar:Xe 99:1 67% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 12% 50%Ar 15% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 16% 50%Ar:Xe/Kr 95:5 17% 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 14% 2.Ar 100 13% 3.Ar:Ne 9:1 3% 4.(Ar:Ne):O2 [9:1]:9 1% 5.(Ar:Ne):CO2 [9:1]:9 4% 嫌気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.空気 100 61% 2.Ar 100 2% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 36% 2.Ar 100 35% 3.Ar:CO2 9:1 56% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 18% 2.Ar 100 15% 3.Ar:CO2 9:1 21% 4.Ar:Kr 9:1 16% F.表II.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% クラスIII .ヒドロラーゼ(EC3) 希ガスにより著しく高められた。
【0267】リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンと希ガスとにより−20%までの抑制を示し
た。
【0268】プロテアーゼ(α−キモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存しつつアルゴンと希ガスとにより−20%ま
での抑制を示した。
【0269】G.化学反応に対するガスの影響:魚にお
いて、色成分の酸化が防止され、劣化酸化反応も著しく
抑制された。
【0270】例えば: 1.色: 明るい赤色:オキシミオグロビン 茶色:メトミオグロビン まぐろの緑色化(調理のときのみ):TMAOトリメチ
ルアミンオキシド+熱変性メトミオグロビン オキシミオグロビン−−>酸化−−>メトミオグロビン 希ガスの酸化に対する効果は、Xe>Kr>Ar>Ne
>Heの順であり、この酸化抑制は酸素の存在下でも有
効である。
【0271】製品が微生物学的に受け入れられない程度
を超えて変色が生じることはなかった。
【0272】2.劣化酸化: ホスホリパーゼ(ヒドロラーゼ) 魚肉におけるもの(魚肉の脂肪分解の研究は主として主
たる脂質成分がホスホリピッドである痩せた魚について
行われる。) 脂肪分解は死後の魚肉で激しく、冷凍肉の品質悪化に関
係する。品質悪化の主な原因である。
【0273】魚肉のおけるリパーゼ EC3.1.1.
3 メトミヨグロビン リダクターゼ こはく酸デヒドロゲナーゼ メトミオグロビンリダクターゼ リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 魚肉のおけるもの。n−3ポリ不飽和脂肪酸に富む魚肉
は脂質酸化を受けやすい。
【0274】プロテイナーゼ カテプシン D EC3.4.23.5 中性プロテイナーゼ カテプシン B EC3.4.22.1 アルカリ性プロテイナーゼ 魚骨格筋に存在する。筋たんぱくの分解に関連する。品
質を害する。刻み魚肉の組織劣化に関連する。
【0275】グリコーゲン分解パスウエイシステム エネルギーの製造、乳酸の蓄積。嫌気性条件下で死後エ
ネルギー源はグリコーゲン分解によるものである。
【0276】(注):希ガスの酵素に対する抑制作用の
定量化については、「酵素に対するガスの作用」の項を
参照のこと。
【0277】H.要約:一般にAr、KrまたはXeの
混合物であって、Arが50−95容量%、Krまたは
Xeが5−50容量%のものが適している。
【0278】しかし、CO2 もこの2成分系混合物の作
用を害しない限り存在していてもよい。 6.製品:グリーンピース、冷蔵 A.微生物のリスト: 腐敗微生物 Corynebacterium flacuumfa
ciens (青枯れ病) Corynebacterium michigane
se (がん腫病) Erwinia carotovora (軟化腐敗) Pseudomonas marginalisに似た
Pseudomonads (軟化腐敗) Pseudomonas phaseolicola (ハロ胴枯れ病) Xanthomonas phaseoli (一般の胴枯れ病) Botrytis cinerea (灰色かび腐敗) Collectotrichum coccodes (黒斑病) Geotrichum candidum (酸味腐敗、水っぽい軟化腐敗) Rhizopus stolonifer (リゾプス軟化腐敗) B.酵素のリスト: 内生酵素: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0279】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0280】クロロフィラーゼ EC3.1.1.14 ペルオキシダーゼ セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 細胞の劣化。
【0281】微生物酵素: ラッカーゼ EC1.10.3.2 エンドポリガラクツロナーゼ EC3.20.1.15 (細胞外、Rhizopus stolonifer) C.重要な化学反応のリスト: D.重要な品質パラメータ: アスコルビン酸に保持 クロロフィルの保持 E.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Erwinia carotovora(ATCC
15713) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 0% 95%Ar 2% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 95:5 24% 95%Ar:Kr 99:1 20% 95%Ar:Ne 99:1 18% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 0% 90%Ar 2% 他の最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe 99:1 21% 90%Ar:Kr 99:1 20% 90%Ar:Ne 99:1 16% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 0% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Kr 12% b.Pseudomonas marginalis
(ATCC 10844) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe 99.9:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Ne 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 26% 2.Ar 100 11% 3.(Ar:Kr):CO2 [9:1]:9 32% 嫌気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.空気 100 66% 2.Ar 100 61% 3.(Ar:Kr):O2 [9:1]:9 31% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 55% 2.Ar 100 20% 3.Ar:CO2 9:1 41% 4.Ar:Kr 9:1 20% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 2% 2.Ar 100 25% 3.Ar:Kr 9:1 31% F.表II.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% クラスIII .ヒドロラーゼ(EC3) リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンと希ガスとにより−20%までの抑制を示し
た。
【0282】プロテアーゼ(α−キモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存しつつアルゴンと希ガスとにより−20%ま
での抑制を示した。
【0283】G.化学反応に対するガスの影響:グリー
ンピースにおいて、色成分の酸化が防止され、劣化酸化
反応も著しく抑制された。
【0284】例えば: 1.色:クロロフィルの酸化が主たる変色の原因であ
る。クロロフィルが破壊されると、カロテノイドが露出
し製品の黄色化をもたらす。希ガスの酸化に対する効果
は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、この酸
化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0285】アスコルビン酸劣化 1〜4%の酸素は酸化が防止されることによりアスコル
ビン酸を徐々に分解させる。希ガスのこの酸化に対する
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0286】CO2 の増大はアスコルビン酸劣化を促進
させる。
【0287】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0288】2.劣化化学的酸化: 酵素による褐色化反応: チロシナーゼ EC1.14.18.1 褐色化反応を開始させる。
【0289】 カテコールオキシダーゼ EC1.10.3.2 脱色アントシアニン: ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)EC1.14.
18.1 PPO活性と褐変度との間に直接関連する。全フェノー
ルと褐変度との間に深く関連する。
【0290】脱色アントシアニン。
【0291】H.要約:一般に、りんごは、Arを80
〜99容量%、Xe、Kr、Neの少なくともいずれか
1つを1〜20容量%含むガス混合物により良好に保存
し得る。しかし、より好ましいガス混合物としてはAr
を85〜95容量%、Xe、Kr、Neの少なくともい
ずれか1つを5〜15容量%含むもの、最も好ましくは
Arを約90容量%、Xe、Kr、Neの少なくともい
ずれか1つを10容量%含むものである。
【0292】O2 およびCO2 も大量でなければ含まれ
ていてもよい。例えばArをXe、Kr、Neに対して
9:1の割合で用いた場合、O2 またはCO2 を、20
容量%以下、好ましくは10容量%未満(全ガス混合物
に対し)含むものであってもよい。さらに、窒素が存在
していても特に害がないので差支えない。 明るい赤色:オキシミオグロビン 茶色:メトミオグロビン まぐろの緑色化(調理のときのみ):TMAOトリメチ
ルアミンオキシド+熱変性メトミオグロビン オキシミオグロビン−−>酸化−−>メトミオグロビン 希ガスの酸化に対する効果は、Xe>Kr>Ar>Ne
>Heの順であり、この酸化抑制は酸素の存在下でも有
効である。
【0293】製品が微生物学的に受け入れられない程度
を超えて変色が生じることはなかった。
【0294】2.劣化酸化: リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0295】クロロフィラーゼ EC3.1.1.14 ペルオキシダーゼ セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0296】(注):希ガスの酵素に対する抑制作用の
定量化については、「酵素に対するガスの作用」の項を
参照のこと。
【0297】H.要約:一般にAr、KrまたはXeの
混合物であって、Arが80−95容量%、より好まし
くは85−95容量%、最も好ましくは約90容量%、
KrまたはXeが5−20容量%、より好ましくは5−
15容量%、最も好ましくは約10容量%のものが適し
ている。
【0298】しかし、O2 をこの2成分系混合物に1−
15容量%、より好ましくは2−10容量%含むもので
あってもよい。
【0299】7.製品:グリーンピース、室温 A.微生物のリスト: 腐敗微生物 Corynebacterium flacuumfa
ciens (青枯れ病) Corynebacterium michigane
se (がん腫病) Erwinia carotovora (軟化腐敗) Pseudomonas marginalisに似た
Pseudomonads (軟化腐敗) Pseudomonas phaseolicola (ハロ胴枯れ病) Xanthomonas phaseoli (一般の胴枯れ病) Botrytis cinerea (灰色かび腐敗) Collectotrichum coccodes (黒斑病) Geotrichum candidum (酸味腐敗、水っぽい軟化腐敗) Rhizopus stolonifer (リゾプス軟化腐敗) B.酵素のリスト: 内生酵素: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0300】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0301】クロロフィラーゼ EC3.1.1.14 ペルオキシダーゼ セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0302】微生物酵素: ラッカーゼ EC1.10.3.2 エンドポリガラクツロナーゼ EC3.20.1.15 (細胞外、Rhizopus stolonifer) C.重要な化学反応のリスト: D.重要な品質パラメータ: アスコルビン酸に保持 クロロフィルの保持 E.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Erwinia carotovora(ATCC
15713) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 0% 95%Ar 2% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 95:5 24% 95%Ar:Kr 99:1 20% 95%Ar:Ne 99:1 18% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 0% 90%Ar 2% 他の最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe 99:1 21% 90%Ar:Kr 99:1 20% 90%Ar:Ne 99:1 16% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 0% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Kr 12% b.Pseudomonas marginalis
(ATCC 10844) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe 99.9:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Ne 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 10% 2.Ar 100 2% 3.Ar:Ne 9:1 2% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 19% 2.Ar 100 10% 3.(Ar:Ne):O2 [9:1]:9 10% 4.(Ar:Kr):CO2 [9:1]:9 9% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 3% 2.Ar 100 15% 3.(Ar:Ne):CO2 [9:1]:9 9% 4.Ar:O2 9:1 1% F.表II.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% クラスIII .ヒドロラーゼ(EC3) リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンと希ガスとにより−20%までの抑制を示し
た。
【0303】プロテアーゼ(α−キモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存しつつアルゴンと希ガスとにより−20%ま
での抑制を示した。
【0304】G.化学反応に対するガスの影響:グリー
ンピースにおいて、色成分の酸化が防止され、劣化酸化
反応も著しく抑制された。
【0305】例えば: 1.色:クロロフィルの酸化が主たる変色の原因であ
る。クロロフィルが破壊されると、カロテノイドが露出
し製品の黄色化をもたらす。希ガスの酸化に対する効果
は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、この酸
化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0306】アスコルビン酸劣化 1〜4%の酸素は酸化が防止されることによりアスコル
ビン酸を徐々に分解させる。希ガスのこの酸化に対する
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0307】CO2 の増大はアスコルビン酸劣化を促進
させる。
【0308】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0309】2.劣化酸化: リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0310】クロロフィラーゼ EC3.1.1.14 ペルオキシダーゼ セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0311】(注):希ガスの酵素に対する抑制作用の
定量化については、「酵素に対するガスの作用」の項を
参照のこと。
【0312】H.要約:この場合、最も有効なガス、ま
たはガス混合物は上記グリーンピースの場合と成分およ
び組成比において同じである。
【0313】8.製品:粉砕牛肉 A.微生物のリスト 肉: (腐敗微生物) Achromobacter Flavobacterium Micrococcus Bacillus Proteus Moraxella Acinebacter Enterobacetiaceae Candida Lactobacilli dominate Clostridium perfringens Staphylococcus aureus Aeromonas hydrophila Yersinia enterocolitica Escherichia coli Listeria monocytogenes 加工肉: (腐敗微生物) Lactobacillus Streptococcus Aspergillus Penicillium 乾燥肉: Aspergillus Penicillium 真空包装肉: (腐敗微生物) Lactobacillus B.酵素のリスト: 微生物酵素: リパーゼ EC3.1.1.3(Candida pa
ralipolytica) リパーゼ EC3.1.1.3(Pseudomona
s spp.) リパーゼ EC3.1.1.3(Aspergillu
s niger) グルコアミラーゼ EC3.2.1.3(細胞外、As
pergillus niger) α−ガラクトシダーゼ EC3.2.1.22(A.o
ryzae/細胞外) たんぱく分解酵素(細胞外) 20日後において可なりのたんぱく質分解が見られる。
最大バクテリア数は6日目に達する。Ps.fragi
による腐敗は表面に起き、後に腐敗が肉全体に広がる。
【0314】プロテイナーゼ(CAF;カルシウム活性
化ファクター) カテプシン(リソソーム酵素) C.重要な化学反応のリスト: ミオグロビン−−>自動酸化−−>メトミオグロビン D.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Acinetobacter calcoacet
icus(ATCC 23055) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 88% 95%Ar 93% 最も好ましいガス混合物: 95%Xe 94% 95%Ar:Kr 50:50 100% 95%Ar:Xe 99:1 93% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 84% 90%Ar 93% 他の最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Ne 50:50 90% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 90% 50%N2 80% 50%Ar 88% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Xe 50:50 90% 50%Ar:Xe 95:5 90% b.Aspergillus niger(ATCC
16888) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 64% 95%Ar 64% 他の最も好ましいガス混合物: 95%Xe 94% 95%Ar:Kr 99.9:0.1 76% 95%Ar:Ne 99.9:0.1 76% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 52% 90%Ar 64% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe 94% 90%Ar:Kr 95:5 81% 90%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 70% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 42% 50%Ar 49% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 52% 50%Ar:Kr 95:5 52% 50%Ar:Ne 99:1 52% c.Penicillum italicum(ATC
C 48114) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 74% 95%Ar 80% 他の最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99.1:0.1 89% 他のほとんどの希ガス混合物 84% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 70% 90%Ar 70% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe/Kr 83% 90%Ar:Xe 99:1 83% 90%Ar:Kr 99.9:0.1 83% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 92% 50%N2 50% 50%Ar 55% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99.9:0.1 59% 50%Ar:Xe/Kr 95:5 59% Kr50%およびAr+Xe混合物 50% d.Pseudomonas marginalis(ATCC 108 44) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Xe 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% e.Serratea liquefaciens(A
TCC 35551) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 47% 95%N2 0% 95%Ar 0% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Xe 99:1 15% 95%Ar:Xe 95:5 18% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 2% 90%N2 0% 90%Ar 0% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe 14% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 0% 50%N2 0% 50%Ar 0% f.Escherichia coli(ATCC 9
637) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 62% 95%Ar 78% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 95:5 78% 95%Ar:Kr 95:5 78% 95%Xe 82% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 51% 90%Ar 65% 最も好ましいガス混合物: 90%Kr 78% 90%Xe 78% 90%Ar:Xe 99:1 67% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 12% 50%Ar 15% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 16% 50%Ar:Xe/Kr 95:5 17% g.Listeria monocytogenes
(ATCC 984) 最良の抑制ガス 50%Ar:Ne 99.9:0.1 13% 50%Ar:Ne 99:1 8% 50%Ar:Ne 8% h.Staphylococcus aureus(A
TCC 25923) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 55% 95%Ar 61% 最も好ましいガス混合物: 95%Xe 61% 95%Kr 61% 95%Ar:Xe/Kr 99:1 61% i.Yersinia enterocolitica
(ATCC 23715) 最良の抑制ガス 50%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 16% 50%Ar:Ne 99:1 13% 90%Ar:Xe/Kr 95:5 10% 90%Ar 8% 95%Ar:Kr 95:5 4% 全ての窒素混合物は抑制を示さなかった。
【0315】 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 9% 2.Ar 100 0.4% 3.Ar:O2 9:1 0.1% 嫌気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.Ar 100 16% 2.Ar:Ne 9:1 7% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 4% 2.Ar 100 28% 3.Ar:O2 9:1 20% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 2% 2.Ar 100 4% 3.Ar:CO2 9:1 10% 4.Ar:Kr 9:1 7% 5.[Ar:Ne]:CO2 [9:1]:1 8% F.表II.酵素に対するガスの作用: クラスIII .ヒドロラーゼ(EC3) 90:10Xe:Kr混合物 18% リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンと希ガスとにより−20%までの抑制を示し
た。
【0316】プロテアーゼ(α−キモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存しつつアルゴンと希ガスとにより−20%ま
での抑制を示した。
【0317】G.要約:一般に、Arは単独あるいは2
0容量%までのO2 、あるいは10−20容量%までの
CO2 、あるいは10−20容量%までのN2 O、ある
いは10−20容量%までのCO2 +N2 Oとともに有
効に使用することができる。
【0318】9.製品:レタス A.微生物のリスト: 腐敗微生物 Erwinia carotovora (軟化腐敗) Pseudomonas marginalisに似た
Pseudomonads (軟化腐敗) Pseudomonas marginalis(褐
色)Stevens (側面のねばねば病) Pseudomonas cichorii (帯状斑点) Botrytis cinerea (灰色かび腐敗) B.cinerea Pers. ex Fr.Geo
trichum candidum (酸味腐敗、水っぽい軟化腐敗) B.酵素のリスト: 内生酵素: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0319】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0320】クロロフィラーゼ EC3.1.1.14 ペルオキシダーゼ セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0321】微生物酵素: ラッカーゼ EC1.10.3.2(Botrytis
cinerea) C.重要な化学反応のリスト: D.重要な品質パラメータ: 組織 外観 アスコルビン酸劣化は緑葉野菜のしおれに関連する。
【0322】カロテンはビタミンAの先駆物質である。
カロテンは酸化され易く、緑葉野菜のしおれに関連す
る。
【0323】緑葉野菜の黄色化はクロロフィルの損失に
よる。
【0324】E.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Erwinia carotovora(ATCC
15713) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 0% 95%Ar 2% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 95:5 24% 95%Ar:Kr 99:1 20% 95%Ar:Ne 99:1 18% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 0% 90%Ar 2% 他の最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe 99:1 21% 90%Ar:Kr 99:1 20% 90%Ar:Ne 99:1 16% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 0% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Kr 12% b.Pseudomonas marginalis
(ATCC 10844) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Ne 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 9% 2.Ar 100 0.4% 3.Ar:O2 9:1 0.1% 嫌気性菌: 1.Ar 100 16% 2.Ar:Ne 9:1 7% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 4% 2.Ar 100 28% 3.Ar:O2 9:1 20% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 2% 2.Ar 100 4% 3.Ar:CO2 9:1 10% 4.Ar:Kr 9:1 7% 5.(Ar:Ne):CO2 [9:1]:9 8% F.表II.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% クラスIII .ヒドロラーゼ(EC3) リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンと希ガスとにより−20%までの抑制を示し
た。
【0325】プロテアーゼ(α−キモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存しつつアルゴンと希ガスとにより−20%ま
での抑制を示した。
【0326】クラスIV.リアーゼ(EC4) クエン酸合成酵素 EC4.1.3.7 全てのガスで結合した反応として測定したとき25℃で
最大抑制−27%を示した。
【0327】G.化学反応に対するガスの影響:レタス
において、色成分の酸化が防止され、劣化酸化反応も著
しく抑制された。
【0328】例えば: 1.色:クロロフィルの酸化が主たる変色の原因であ
る。クロロフィルが破壊されると、カロテノイドが露出
し製品の黄色化をもたらす。希ガスの酸化に対する効果
は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、この酸
化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0329】アスコルビン酸劣化 1〜4%の酸素は酸化が防止されることによりアスコル
ビン酸を徐々に分解させる。希ガスのこの酸化に対する
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0330】CO2 の増大はアスコルビン酸劣化を促進
させる。
【0331】果物に色素を付与する重要なカロテノイド
はα−およびβ−カロテンおよびリコペンの誘導体であ
る。これらは不飽和のため酸化されやすい。希ガスのこ
の酸化に対する効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>He
の順であり、この酸化抑制は酸素の存在下でも有効であ
る。
【0332】カロチノイドは脱水果物および野菜におい
て非酵素的酸化を非常に受けやすい(水は酸素拡散バリ
ヤーとして作用する)。
【0333】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0334】2.劣化的酸化: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0335】リポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 エチレンの製造を増大させる。
【0336】クロロフィラーゼ EC3.1.1.14 クロロフィルを水溶性クロロフィリドに変換させる。酸
性条件においてクロロフィルはフェオフィチンになる。
フェオフィチンは褐色でほとんどの食品において好まし
くない。緑色野菜において緑色の損失は熱加工において
重要な問題である。
【0337】ペルオキシダーゼ セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0338】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0339】H.要約:一般に、Arを80〜95容量
%、好ましくは90〜95容量%、最も好ましくは約9
5容量%、Neを5〜20容量%、好ましくは5〜10
容量%、最も好ましくは約5容量%含む2成分系ガス混
合物を用いることができる。なお、O2、空気またはC
2 を、5容量%以下含むものであってもよい。
【0340】 10.製品:ミックスサラダ(チェフサラダ) レタス(上記参照) トマト(上記参照) 人参(上記参照) キウリ ダイコン チーズ、チェダーチーズ 肉、ハム、七面鳥(上記参照) 卵、ゆで卵 赤キャベツ A.微生物のリスト: 1.キウリ 腐敗微生物 Erwinia carotovora (軟化腐敗) Pseudomonas marginalisに似た
Pseudomonads (軟化腐敗) Pseudomonas lachrymans (斑点) Botrytis cinerea (灰色かび腐敗) Colletotrium coccodes (anthracnose、斑点) Rhizopus stolonifer (Rhizopus軟化腐敗) 2.ダイコン 腐敗微生物 Erwinia carotovora (軟化腐敗) Pseudomonas marginalisに似た
Pseudomonads (軟化腐敗) Botrytis cinerea (灰色かび腐敗) Geotrichum candidum (酸味腐敗、水っぽい軟化腐敗) Rhizopus stolonifer (Rhizopus軟化腐敗) 3.チーズ、チェダーチーズ 4.卵、ゆで卵 5.赤キャベツ 腐敗微生物 Listeria monocytogenes 6.レタス、トマト、ニンジン(上記参照) B.酵素のリスト: 1.キウリ 内生酵素: ポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.15 イクソポポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.67 細胞壁ガラクツロナンの脱エステル化 ペクチネステラーゼ ポリガラクツロナーゼの基板製造に関連する。
【0341】ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 腐敗、芳香損失。
【0342】カタラーゼ EC1.11.1.6 悪臭 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 新鮮なキウリの芳香であるアルデヒドの製造に必要。
【0343】ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0344】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0345】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0346】2.ダイコン 内生酵素: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0347】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0348】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0349】3.チーズ、チェダーチーズ 4.卵、ゆで卵 5.赤キャベツ 内生酵素: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0350】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0351】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0352】微生物酵素: ラッカーゼ EC1.10.3.2(Botrytis
cinerea、キウリ、ダイコン) エンドポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.15
(細胞外、Rhizopus stolonifer、
キウリ、ダイコン) 6.レタス、トマト、ニンジン(上記参照) C.重要な化学反応のリスト: D.重要な品質パラメータ: 葉野菜:レタス、赤キャベツ 組織 外観 アスコルビン酸劣化は緑葉野菜のしおれに関連する。
【0353】カロテンはビタミンAの先駆物質である。
カロテンは酸化され易く、緑葉野菜のしおれに関連す
る。
【0354】中間呼吸速度 人参 エチレンによる苦いイソコウマリンの形成。
【0355】キウリ 霜焼け病 E.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Erwinia carotovora(ATCC
15713) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 0% 95%Ar 2% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 95:5 24% 95%Ar:Kr 99:1 20% 95%Ar:Ne 99:1 18% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 0% 90%Ar 2% 他の最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe 99:1 21% 90%Ar:Kr 99:1 20% 90%Ar:Ne 99:1 16% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 0% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Kr 12% b.Pseudomonas marginalis
(ATCC 10844) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Ne 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% c.Lesteria monocytogenes
(ATCC 984) 最良抑制ガス: 50%Ar:Ne 99.9:0.1 13% 50%Ar:Ne 99:1 8% 50%Ar:Ne 8% 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 2% 2.Ar 100 12% 3.[Ar:Ne]:CO2 [9:1]:9 13% 嫌気性菌: 1.Ar 100 6% 2.Ar 100 1% 3.Ar:O2 9:1 5% 4.Ar:Ne 9:1 2% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 63% 2.Ar 100 47% 3.Ar:Kr 9:1 56% 4.[Ar:Ne]:CO2 [9:1]:9 51% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 4% 2.Ar 100 2% F.表II.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% クラスIII .ヒドロラーゼ(EC3) リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンと希ガスとにより−20%までの抑制を示し
た。
【0356】プロテアーゼ(α−キモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存しつつアルゴンと希ガスとにより−20%ま
での抑制を示した。
【0357】クラスIV.リアーゼ(EC4) クエン酸合成酵素 EC4.1.3.7 全てのガスで結合した反応として測定したとき25℃で
最大抑制−27%を示した。
【0358】G.化学反応に対するガスの影響:ミック
スサラダ(チェフサラダ)において、色成分の酸化が防
止され、劣化酸化反応も著しく抑制された。
【0359】例えば: レタス(上記参照) トマト(上記参照) 人参 (上記参照) キウリ キウリにおいて、色成分の酸化が防止され、劣化酸化反
応も著しく抑制された。
【0360】例えば: 1.色:クロロフィルの酸化が主たる変色の原因であ
る。クロロフィルが破壊されると、カロテノイドが露出
し製品の黄色化をもたらす。希ガスの酸化に対する効果
は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、この酸
化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0361】アスコルビン酸劣化 1〜4%の酸素は酸化が防止されることによりアスコル
ビン酸を徐々に分解させる。希ガスのこの酸化に対する
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0362】CO2 の増大はアスコルビン酸劣化を促進
させる。
【0363】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0364】2.劣化的酸化: ポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.15 イクソポポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.67 細胞壁ガラクツロナンの脱エステル化 ペクチネステラーゼ ポリガラクツロナーゼの基板製造に関連する。
【0365】ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 腐敗、芳香損失。
【0366】カタラーゼ EC1.11.1.6 悪臭 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 新鮮なキウリの芳香であるアルデヒドの製造に必要。
【0367】ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0368】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0369】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0370】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0371】ダイコン ダイコンにおいて、色成分の酸化が防止され、劣化酸化
反応も著しく抑制された。
【0372】例えば: 1.色:アントシアニンの酸化により紫赤からオフホワ
イトに変わり、フラバノイドの酸化により明赤色から褐
色に変わることが主たる変色の原因である。希ガスはア
ントシアニンおよびフラバノイドの酸化を防止し、その
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0373】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0374】2.劣化的酸化: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0375】リポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 エチレンの製造を増大させる。
【0376】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0377】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0378】ハム、七面鳥(上記参照) 卵、ゆで卵 1.色:堅いゆで卵については、色成分の酸化が抑制さ
れ、劣化酸化も著しく抑制された。
【0379】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0380】2.劣化的酸化: (注)希ガスの酵素に対する抑制効果については、上記
の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項を参照のこ
と。
【0381】赤キャベツ 赤キャベツにおいて、色成分の酸化が防止され、劣化酸
化反応も著しく抑制された。
【0382】例えば: 1.色:アントシアニンの酸化により紫赤からオフホワ
イトに変わり、フラバノイドの酸化により明赤色から褐
色に変わることが主たる変色の原因である。希ガスはア
ントシアニンおよびフラバノイドの酸化を防止し、その
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0383】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0384】2.劣化的酸化: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0385】リポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 エチレンの製造を増大させる。
【0386】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0387】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0388】H.要約 一般に、Ar:Kr:O2 またはAr:Ne:CO
2 が、(8−9.5:2−0.5):5−10%;より
好ましくは(9:1):9%の範囲で有効である。
【0389】ポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.
15 イクソポポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.67 細胞壁ガラクツロナンの脱エステル化 ペクチネステラーゼ ポリガラクツロナーゼの基板製造に関連する。
【0390】ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 腐敗、芳香損失。
【0391】カタラーゼ EC1.11.1.6 悪臭 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 新鮮なキウリの芳香であるアルデヒドの製造に必要。果
物に色素を付与する重要なカロテノイドはα−およびβ
−カロテンおよびリコペンの誘導体である。これらは不
飽和のため酸化されやすい。希ガスのこの酸化に対する
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0392】カロチノイドは脱水果物および野菜におい
て非酵素的酸化を非常に受けやすい(水は酸素拡散バリ
ヤーとして作用する)。
【0393】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。 ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0394】リポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 エチレンの製造を増大させる。
【0395】クロロフィラーゼ EC3.1.1.14 クロロフィルを水溶性クロロフィリドに変換させる。酸
性条件においてクロロフィルはフェオフィチンになる。
フェオフィチンは褐色でほとんどの食品において好まし
くない。緑色野菜において緑色の損失は熱加工において
重要な問題である。
【0396】ペルオキシダーゼ セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0397】11.製品:キノコ A.微生物のリスト: Clostridium botulinum B.酵素のリスト: 内生酵素: ポリフェノールオキシダーゼ(PPO) EC1.1
4.18.1 ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0398】 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0399】酵素的褐変反応: チロシナーゼ EC1.14.18.1 褐変反応を開始させる。
【0400】 カテコールオキシダーゼ EC1.10.18.1 ラッカーゼ EC1.10.3.1 C.重要な化学反応のリスト: フェノール化合物−−>空気−−>褐色メラニン D.重要な品質パラメータ: 酵素的褐変反応: チロシナーゼ カテコールオキシダーゼ 0%O2 で貯蔵することによりカテコールオキシダーゼ
の活性および褐変反応を抑制することができ。
【0401】酵素的褐変反応:チロシナーゼ、ついでカ
テコールオキシダーゼ。
【0402】E.表I.細菌に対するガスの作用:他の
野菜と同様。
【0403】F.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% G.化学反応に対するガスの影響:キノコにおいて、色
成分の酸化が防止され、劣化酸化反応も著しく抑制され
た。
【0404】例えば: 1.色:キノコにおける変色はフェノール化合物の酸化
により褐色メラニンが生じるためである。希ガスのこの
酸化に対する効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの
順であり、この酸化抑制は酸素の存在下でも有効であ
る。
【0405】 フェノール化合物−−>空気−−>褐色メラニン このようにして、希ガスは、製品が微生物学的に受け入
れられない程度を超えて変色するのを抑えることができ
ることが見出された。
【0406】2.劣化的酸化: 酵素的褐変反応: チロシナーゼ カテコールオキシダーゼ 0%O2 で貯蔵することによりカテコールオキシダーゼ
の活性および褐変反応を抑制することができ。
【0407】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0408】G.表III :化学反応に対するガスの影
響: H.要約 一般に、Arが3〜97容量%、好ましくは5〜90容
量%、Ne、Kr、Xeから選ばれるものが17〜3容
量%、好ましくは90〜5容量%である混合ガスがキノ
コの色を改善するのに有効であることが見出された。
【0409】12.パスタ A.微生物のリスト:かびおよびイースト B.酵素のリスト:一般に重要でない。
【0410】C.重要な化学反応のリスト:単なる酸
化。
【0411】D.重要な品質パラメータ 柔らかさ(湿気) 色の保持 E.表I.微生物に対するガスの作用:全ての希ガス
は、窒素、空気に較べ、かびおよびイーストをより有効
に抑制させる。CO2 はより効果的であるが、パスタの
色および香りを劣化させる。 F.表II.酵素に対するガスの作用 希ガスによる悪影響はない。
【0412】G.化学反応に対するガスの作用 希ガスはパスタの湿気保持を高める。
【0413】H.要約 一般に、Arが80〜95容量%、好ましくは85〜9
3容量%、最も好ましくは約90容量%、KrまたはX
eが5〜20容量%、好ましくは7〜15容量%、最も
好ましくは約10容量%である混合ガスが有効であるこ
とが見出された。
【0414】さらに、Ar、KrまたはNe、およびO
2 からなり、Arが70〜85容量%、好ましくは75
〜80容量%、最も好ましくは約77容量%、Krまた
はNeが3〜12容量%、好ましくは7〜10容量%、
最も好ましくは約8容量%、O2 が10〜20容量%、
好ましくは13〜17容量%、最も好ましくは約15容
量%である混合ガスが有効であることが見出された。
【0415】13.小えび A.微生物のリスト: 腐敗微生物: Acinetobacter(主たるもの) Aspergillus(生ずることが知られている) Candida(最も頻繁に見られる) Clostridium botulinum Cryptococcus(生ずることが知られてい
る) Debaryomyces(生ずることが知られてい
る) Hansenula(生ずることが知られている) Moraxella(主たるもの) Oospora(生ずることが知られている) Pichia(生ずることが知られている) Pullularia(生ずることが知られている) Pseudomonads(主たるもの) Penicillium(生ずることが知られている) Rhodotorula(最も頻繁に見られる) Scopulariopsis(生ずることが知られて
いる) Sporobolomyces(生ずることが知られて
いる) Torula(最も頻繁に見られる) Torulopsis(生ずることが知られている) Trichosporon(生ずることが知られてい
る) Wallemia(Sporendonema) (生ずることが知られている) イーストspp.(最も頻繁に見られる) 0℃に維持された小えび: 腐敗微生物: Pseudomonas spp.(主たる腐敗菌(1
3日後)、新鮮な製品の場合の38%とは対照的に腐敗
寄生菌の僅か2%がグラム陽性である) Aeromonas spp. Vibrio spp. 5.6℃および11.1℃に維持された小えび: 腐敗微生物: Moraxella(主たる腐敗菌) 11.7℃および22.2℃に維持された小えび: 腐敗微生物: Proteus(主たる腐敗菌) B.酵素のリスト: 内生酵素 フェノロキシダーゼ EC1.10.3.1 新鮮な白色えびに存在。3,4−ジヒドロキシフェニル
アラニン(フェノール製基体)の酸化を促す。メラノシ
スまたは黒斑と一般に呼ばれている脱色は消費者にとっ
て嫌われ、商品価値を減少させる(pHopt 6.5−
7.5、Topt =45℃)。
【0416】アルカリ性プロテアーゼ(エンドペプチア
ーゼ) えび肉に存在(pHopt 8.0、Topt =60℃)。
【0417】エクソペプチダーゼ えび肉に存在(pHopt 6.8、Topt =40℃)。
【0418】イノシンを介してのイノシンモノホスフェ
ート(IMP)の酵素的脱ホスホリル化によるヒポキサ
ンチン(Hx)への変換は氷蔵えび肉の食用期間中に起
きる。これらの変化は新鮮な香り(IMP)の損失をも
たらし、苦い匂いを発生させる。IMPの脱ホスホリル
化は主として自動分解的に行われる。自動分解およびバ
クテリア酵素からHxが蓄積する。
【0419】フェノールオキシダーゼ 微生物酵素: グルコアミラーゼ EC3.2.1.3(細胞外、As
pergillus niger) α−ガラクトシダーゼ EC3.2.1.22(A.o
ryzae/細胞外、Aspergillu s
niger) リパーゼ EC3.1.1.3(Candida pa
ralipolytical) リパーゼ EC3.1.1.3(Pseudomona
s spp.,0℃に維持された小えび) リパーゼ EC3.1.1.3(Aspergillu
s niger) C.重要な化学反応のリスト: D.重要な品質パラメータ メラノシスまたは黒斑 色の保持 E.表I.微生物に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Acinetobacter calcoacet
icus(ATCC 23055) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 88% 95%Ar 93% 最も好ましいガス混合物: 95%Xe 94% 95%Ar:Kr 50:50 100% 95%Ar:Xe 99:1 93% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 84% 90%Ar 93% 他の最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Ne 50:50 90% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 90% 50%N2 80% 50%Ar 88% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Xe 50:50 90% 50%Ar:Xe 95:5 90% b.Aspergillus niger(ATCC
16888) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 64% 95%Ar 64% 最も好ましいガス混合物: 95%Xe 94% 95%Ar:Kr 99.9:0.1 76% 95%Ar:Ne 99.9:0.1 76% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 52% 90%Ar 64% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe 94% 90%Ar:Kr 95:5 81% 90%Ar:Xe/Kr 95:5 70% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 42% 50%Ar 49% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 52% 50%Ar:Kr 95:5 52% 50%Ar:Ne 99:1 52% c.Penicillium italicum(AT
CC 48114) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 74% 95%Ar 80% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99.9:0.1 89% 他のほとんどの希ガス混合物 84% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 70% 90%Ar 78% 最も好ましいガス混合物: 90%:Xe/Kr 83% 90%Ar:Xe 99:1 83% 90%Ar:Kr 99.9:0.1 83% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 92 50%N2 50% 50%Ar 55% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99.9:0.1 59% 50%Ar:Xe/Kr 95:5 59% KrおよびAr+Xe混合物 50% d.Pseudomonas marginalis(ATCC 108 44) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Ne 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 4% 2.Ar 100 1% 3.Ar:Kr 9:1 2% 嫌気性菌: 1.空気 100 6% 2.Ar 100 4% 3.Ar:Kr 9:1 9% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 8% 2.Ar 100 2% 3.[Ar:Ne]:CO2 9:1 1% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 2% 2.Ar 100 5% F.表II 酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% G.化学反応に対するガスの影響:小えびにおいて、色
成分の酸化が防止され、劣化酸化反応も著しく抑制され
た。 例えば: 1.色:果物に色素を付与する重要なカロテノイドはα
−およびβ−カロテンおよびリコペンの誘導体である。
これらは不飽和のため酸化されやすい。希ガスのこの酸
化に対する効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順
であり、この酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0420】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0421】2.劣化的酸化: フェノロキシダーゼ EC1.10.3.1 新鮮は白えびに存在する。3,4−ジヒドロキシフェニ
ルアラニン(フェノール製基体)の酸化を促す。メラノ
シスまたは黒斑と一般に呼ばれている脱色は消費者にと
って嫌われ、商品価値を減少させる(pHopt 6.5−
7.5、Topt =45℃)。
【0422】アルカリ性プロテアーゼ(エンドペプチア
ーゼ) えび肉に存在(pHopt 8.0、Topt =60℃)。
【0423】エクソペプチダーゼ えび肉に存在(pHopt 6.8、Topt =40℃)。
【0424】イノシンを介してのイノシンモノホスフェ
ート(IMP)の酵素的脱ホスホリル化 イノシンを介してのイノシンモノホスフェート(IM
P)の酵素的脱ホスホリル化によるヒポキサンチン(H
x)への変換は氷蔵えび肉の食用期間中に起きる。これ
らの変化は新鮮な香り(IMP)の損失をもたらし、苦
い匂いを発生させる。IMPの脱ホスホリル化は主とし
て自動分解的に行われる。自動分解およびバクテリア酵
素からHxが蓄積する。
【0425】フェノールオキシダーゼ (注)希ガスの酵素に対する抑制効果については、上記
の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項を参照のこ
と。
【0426】H.要約 一般に、洗浄、着色小えびあるいは他の海産物におい
て、純粋なアルゴン、またはAr:Kr、XeまたはN
eが8−95:2−0.5、好ましくは9:1の混合物
の範囲で有効である。
【0427】しかし、CO2 を20%以下の範囲でこの
混合物に含むものであってもよい。
【0428】14.キウリウオ A.微生物のリスト: I.魚: 腐敗微生物: Acinetobacter Aeromonas(生ずることが知られている) Aeromonas hydrophila Alcaligenes(生ずることが知られている) Alteromonas(4種の魚の当初の皮膚寄生菌
の32−60%) Alteromonas putrefaciens Aspergillus(生ずることが知られている) Chromobacterium(生ずることが知られ
ている) Corynebacterium(生ずることが知られ
ている) Cytophaga(生ずることが知られている) Enterobacter(生ずることが知られてい
る) Escherichia Flavobacterium(生ずることが知られて
いる) Halobacterium(生ずることが知られてい
る) Microbacterium(生ずることが知られて
いる) Micrococcus Moraxella Penicillium(生ずることが知られている) Photobacterium(生ずることが知られて
いる) Pseudomonas(4種の魚の当初の皮膚寄生菌
の32−60%) Pseudomonas marinogllutin
osa Pseudomonas aeruginosa Streptococcus(生ずることが知られてい
る) Oospora(生ずることが知られている) Scopulariopsis(生ずることが知られて
いる) Vibrio(生ずることが知られている) Wallemia(Sporendonema) (生ずることが知られている) Candida(最も頻繁に見られる) Cryptococcus(生ずることが知られてい
る) Debaryomyces(生ずることが知られてい
る) Hansenula(生ずることが知られている) Pichia(生ずることが知られている) Pullularia(生ずることが知られている) Rhodotorula(最も頻繁に見られる) Sporobolomyces(生ずることが知られて
いる) Torula(最も頻繁に見られる) Torulopsis(生ずることが知られている) Trichosporon(生ずることが知られてい
る) 新鮮な氷蔵魚 腐敗微生物: Acinetobacter Alteromonas Alteromonas putrefaciens
(=Pseudomonas putrefacien
s) (重要な魚腐敗微生物) Moraxella Pseudomonas spp. Pseudomonas fragi 80%CO2 /20%空気雰囲気における冷蔵岩魚切り
身: 腐敗微生物: Lactobacillus(21日後の寄生菌の71
−87%、+ある程度の黄褐色Pseudomona
d) たら肉: 腐敗微生物: Pseudomonas sp. Pseudomonas fluorescens Pseudomonas fragi Pseudomonas putida Pseudomonas putrefaciens たら: 腐敗微生物: ShewanのグループIIおよびIII/IVのPseudo
monasspp. (腐敗過程で特に活発) 冷蔵たら: 腐敗微生物: Pseudomonas putrefaciens 空気中でのにしん肉: 腐敗微生物: Alteromonas putrefaciens (腐敗後の寄生菌の62−95%) Pseudomonads (腐敗後の寄生菌の62−95%) 100%CO2 雰囲気における冷蔵にしん切り身: 腐敗微生物: Lactobacillus (バクテリア寄生菌のほぼ100%) 冷蔵パシフィックメルルーサ: 腐敗微生物: Acinetobacter (最初の寄生細菌において最も多く、14日後には分離
できない) Moraxella (最初の寄生細菌において最も多く、14日後には分離
できない) ShewanのグループIIのPseudomonas
spp. (14日後のバクテリアの主なタイプ) 5℃でのシタガレイ: (腐敗微生物) Aeromonas spp.(最も活発な腐敗菌) ShewanのグループI、III/IVのPseudomo
nasspp.(最も活発な腐敗菌) Vibrio spp.(最も活発な腐敗菌) B.酵素のリスト: 内生酵素: ホスホリパーゼ(ヒドロラーゼ) 魚肉におけるもの(魚肉の脂肪分解の研究は主として主
たる脂質成分がホスホリピッドである痩せた魚について
行われる。) 脂肪分解は死後の魚肉で激しく、冷凍肉の品質悪化に関
係する。品質悪化の主な原因である。
【0429】リパーゼ EC3.1.1.3 魚肉に存在する。
【0430】メトミヨグロビン リダクターゼ リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 魚肉に存在する。n−3ポリ不飽和脂肪酸に富む魚肉は
脂質酸化を受けやすく、この酸化が開始されると、n−
3二重結合を有するアルデヒドの非常に小さい濃度もの
が明らかな酸化的脱芳香作用を及ぼす。高いヘム濃度を
含む皮膚組織−エキスの酸化の開始に関係する。エメラ
ルド淡水魚(shiner)および虹鱒におけるヒドロ
ペルオキシドの形成を媒介する。長鎖ポリ不飽和脂肪酸
に富むため、酵素媒介のヒドロペルオキシド化は後の魚
の芳香品質の関連で顕著なものとなる。したがって、魚
肉における酸化酵素の初期の制御により、後の処理およ
び貯蔵時での望ましくない自動酸化による揮発性カルボ
ニルの発生を促進する反応を抑えるべきである。
【0431】魚肉におけるミクロソーム脂質ペルオキシ
ド化酵素システム。魚肉のミクロソーム部分は比較的低
温で非常に活性であり、冷凍でもその活性は可なりのも
のである。この酵素システムの正確な役割は未だに不明
である。このミクロソーム脂質ペルオキシド化酵素シス
テムが魚肉の凍結温度以下の温度でも活発であるので、
これがホスホリパーゼA2を刺激してリン脂質加水分解
を生じさせる。冷凍魚において、脂質ペルオキシド化の
増大はリン脂質加水分解の増大に関係する。内生的脂質
ペルオキシド化能は膜脂質の変換および代謝に根本的な
役割を果たす。魚白血球におけるミレオペルオキシダー
ゼ様酵素。H2 2 およびハロゲン化塩が存在する場
合、カロテノイド劣化と同時に脂質酸化を開始させる機
能を有する。
【0432】プロテイナーゼ カテプシンD EC3.4.23.5 中性プロテイナーゼ カテプシンB EC3.4.22.1 アルカリ性プロテイナーゼ 魚骨格筋に存在し、組織蛋白質の破壊に関連する。品質
を害する。刻み魚肉の組織劣化に関係する。
【0433】β−グルクロニダーゼ EC3.2.1.
31 魚骨格筋(リソソームおよびミクロソームの局在)に存
在する。コラーゲン中のグルコース−ガラクトース部分
および連結筋マトリクスのムコポリサッカリド−たんぱ
く錯体の加水分解に関連する。また、連結筋のポリサッ
カリド−たんぱく錯体のグルクロニドジサッカリド結合
の分裂にも関与する。その自己分解プロセスにより初期
の腐敗につながる。
【0434】グリコーゲン分解パスウエイシステム エネルギーの製造、乳酸の蓄積。嫌気性条件下で死後エ
ネルギー源はグリコーゲン分解によるものである。
【0435】クレアチン キナーゼ EC2.7.3.
2 ATPの再生に関連する。これは魚肉中の全サルコプラ
ズムたんぱく質の13−20%に当たる。
【0436】ミヨフィブリルおよびサルコプラズムAT
Pアーゼ 魚肉中のATPの破壊を媒介する。苦悩死の開始:AT
Pおよびクレアチンホスフェートが破壊し、乳酸が魚肉
に蓄積する。
【0437】たら肉: 内生酵素: ホスホリパーゼ(ヒドロラーゼ) たらの加水分解のほとんどは自動分解であり、バクテリ
アによるものでない。たらリン脂質の75%が−7℃の
冷蔵において最初の1月で加水分解する。脂質の加水分
解のほとんどがリン脂質加水分解によるものである。
【0438】リポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 トランス−2、cis−4−ヘプタジエン、cis−4
−ヘプテンおよびヘキセンが貯蔵時間と温度に従った増
大する。これらは冷蔵たらのリン脂質から解放されるn
−3ポリ不飽和脂肪酸の酸化物であると思われる。
【0439】微生物酵素: グリコシダーゼ(β−D−グルクロニダーゼ EC3.
2.1.21、β−D−ガラクトシダーゼ EC3.
2.1.23) プロテアーゼ 魚ミヨシンはAeromonas hydrophil
aによる成長および酵素分泌を補助するのに最も有効で
ある。
【0440】プロテアーゼ 冷凍温度においても魚アクトミヨシンは実質的に劣化す
る。
【0441】Pseudomonas fluores
cens エンド ペクテート リアーゼ EC4.2.2.3
(細胞外) リパーゼ EC3.1.1.3(細胞外) グリコシダーゼ(β−D−グルクロニダーゼ EC3.
2.1.21、β−D−ガラクトシダーゼ EC3.
2.1.23) リパーゼ EC3.1.1.3(Aspergillu
s niger) リパーゼ EC3.1.1.3(Candida pa
ralipolytica) リパーゼ EC3.1.1.3(Pseudomona
s spp.) リパーゼ EC3.1.1.3(Pseudomona
s sp.) グルコアミラーゼ EC3.2.1.3(細胞外) α−ガラクトシダーゼ EC3.2.1.22(A.o
ryzae/細胞外) 蛋白質分解酵素(細胞外、Pseudomonas f
ragi) C.重要な化学反応のリスト: オキシミオグロビン−−>酸化−−>メトミオグロビン D.重要な品質パラメータ: 明るい赤色:オキシミオグロビン 茶色:メトミオグロビン メトミオグロビンのミオグロビンへの還元:こはく酸デ
ヒドロゲナーゼ、メトミオグロビンリダクターゼ まぐろの緑色化(調理のときのみ):TMAOトリメチ
ルアミンオキシド+熱変性メトミオグロビン E.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Acinetobacter calcoacet
icus(ATCC 23055) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 88% 95%Ar 93% 最も好ましいガス混合物: 95%Xe 94% 95%Ar:Kr 50:50 100% 95%Ar:Xe 99:1 93% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 84% 90%Ar 93% 他の最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Ne 50:50 90% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 90% 50%N2 80% 50%Ar 88% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Xe 50:50 90% 50%Ar:Xe 95:5 90% b.Alteromonas putrefacien
s(ATCC 8071) 全てのO2 混合物(95%、90%、50%)および全
てのCO2 混合物(95%、90%、50%)は100
%抑制を示した。
【0442】95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 100% 95%Ar 100% 他の最も好ましいガス混合物: 95%Ne 49% 95%Xe 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%Ar 63% 最も好ましいガス混合物: 95%Kr 61% 95%Xe/Kr 62% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 および50%Ar:50%混合物(空気中)
(ただし、O2 およびCO2 を除く)は全て、空気中よ
りも成長を遅くしたが、最大レベルは同じであった。
【0443】c.Aspergillus niger
(ATCC 16888) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 64% 95%Ar 64% 他の最も好ましいガス混合物: 95%Xe 94% 95%Ar:Kr 99.9:0.1 76% 95%Ar:Ne 99.9:0.1 76% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 52% 90%Ar 64% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe 94% 90%Ar:Kr 95:5 81% 90%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 70% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 42% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 52% 50%Ar:Kr 95:5 52% 50%Ar:Ne 99:1 52% d.Penicillum italicum(ATC
C 48114) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 74% 95%Ar 80% 他の最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99.1:0.1 89% 他のほとんどの希ガス混合物 84% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 70% 90%Ar 78% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe/Kr 83% 90%Ar:Xe 99:1 83% 90%Ar:Kr 99.1:0.1 83% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 92% 50%N2 50% 50%Ar 55% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99.9:0.1 59% 50%Ar:Xe/Kr 95:5 59% Kr50%およびAr+Xe混合物 50% e.Pseudomonas marginalis(ATCC 108 44) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe/Kr 99.1:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe/Kr 99.1:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Kr 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% f.Serratea liquefaciens(A
TCC 35551) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 47% 95%N2 0% 95%Ar 0% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Xe 99:1 15% 95%Ar:Xe 95:5 18% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 2% 90%N2 0% 90%Ar 0% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe 14% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 0% 50%N2 0% 50%Ar 0% g.Escherichia coli(ATCC 9
637) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 62% 95%Ar 78% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 95:5 78% 95%Ar:Kr 95:5 78% 95%Xe 82% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 51% 90%Ar 65% 最も好ましいガス混合物: 90%Kr 78% 90%Xe 78% 90%Ar:Xe 99:1 67% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 12% 50%Ar 15% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 16% 50%Ar:Xe/Kr 95:5 17% 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.Ar:CO2 9:1 4% 2.Ar:Kr 9:1 2% 嫌気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.空気 100 4% 2.Ar 100 30% 3.Ar:Ne 9:1 12% 4.[Ar:Ne]:CO2 [9:1]:9 11% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 0.8% 2.Ar 100 17% 3.Ar:CO2 9:1 21% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 29% 2.Ar 100 22% 3.Ar:Ne 9:1 29% F.表II.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% クラスIII .ヒドロラーゼ(EC3) 希ガスにより著しく高められた。
【0444】リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンと希ガスとにより−20%までの抑制を示し
た。
【0445】プロテアーゼ(α−キモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存しつつアルゴンと希ガスとにより−20%ま
での抑制を示した。
【0446】G.化学反応に対するガスの影響:キウリ
ウオにおいて、色成分の酸化が防止され、劣化酸化反応
も著しく抑制された。
【0447】例えば: 1.色: 明るい赤色:オキシミオグロビン 茶色:メトミオグロビン まぐろの緑色化(調理のときのみ):TMAOトリメチ
ルアミンオキシド+熱変性メトミオグロビン オキシミオグロビン−−>酸化−−>メトミオグロビン 希ガスの酸化に対する効果は、Xe>Kr>Ar>Ne
>Heの順であり、この酸化抑制は酸素の存在下でも有
効である。
【0448】製品が微生物学的に受け入れられない程度
を超えて変色が生じることはなかった。
【0449】2.劣化酸化: ホスホリパーゼ(ヒドロラーゼ) 魚肉におけるもの(魚肉の脂肪分解の研究は主として主
たる脂質成分がホスホリピッドである痩せた魚について
行われる。) 脂肪分解は死後の魚肉で激しく、冷凍肉の品質悪化に関
係する。品質悪化の主な原因である。
【0450】魚肉のおけるリパーゼ EC3.1.1.
3 メトミヨグロビン リダクターゼ こはく酸デヒドロゲナーゼ メトミオグロビンリダクターゼ リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 魚肉のおけるもの。n−3ポリ不飽和脂肪酸に富む魚肉
は脂質酸化を受けやすい。
【0451】プロテイナーゼ カテプシン D EC3.4.23.5 中性プロテイナーゼ カテプシン B EC3.4.22.1 アルカリ性プロテイナーゼ 魚骨格筋に存在する。筋たんぱくの分解に関連する。品
質を害する。刻み魚肉の組織劣化に関連する。
【0452】グリコーゲン分解パスウエイシステム エネルギーの製造、乳酸の蓄積。嫌気性条件下で死後エ
ネルギー源はグリコーゲン分解によるものである。
【0453】(注):希ガスの酵素に対する抑制作用の
定量化については、「酵素に対するガスの作用」の項を
参照のこと。
【0454】H.要約:一般にAr単独か、Arを約5
−70容量%、残りが他の希ガスと、0.5−15容量
%のO2 、より好ましくはArを約10−50容量%、
残りが他の希ガスと、1−10容量%のO2 のものを使
用することができる。しかし、20容量%以下(全体に
対し)のCO2 、N2 Oを含むものであってもよい。
【0455】15.製品:ステーキ肉 A.微生物のリスト 肉: (腐敗微生物) Achromobacter Flavobacterium Micrococcus Bacillus Proteus Moraxella Acinebacter Enterobacetiaceae Candida Lactobacilli dominate Clostridium perfringens Leuconostoc Pseudomonas fragi(ポーク) Staphylococcus aureus Aeromonas hydrophila Yersinia enterocolitica Escherichia coli Listeria monocytogenes 新鮮肉: (腐敗微生物) Acinebacter Aeromonas Moraxella Pseudomonas spp. 加工肉: (腐敗微生物) Lactobacillus Streptococcus Aspergillus Penicillium 乾燥肉: Aspergillus Penicillium 真空包装肉: (腐敗微生物) Lactobacillus Yersinia enterocolitica B.酵素のリスト: 微生物酵素: リパーゼ EC3.1.1.3(Candida pa
ralipolytica) リパーゼ EC3.1.1.3(Pseudomona
s spp.) リパーゼ EC3.1.1.3(Aspergillu
s niger) グルコアミラーゼ EC3.2.1.3(細胞外、As
pergillus niger) α−ガラクトシダーゼ EC3.2.1.22(A.o
ryzae/細胞外) たんぱく分解酵素(細胞外) 20日後において可なりのたんぱく質分解が見られる。
最大バクテリア数は6日目に達する。Ps.fragi
による腐敗は表面に起き、後に腐敗が肉全体に広がる。
【0456】プロテイナーゼ(CAF;カルシウム活性
化ファクター) カテプシン(リソソーム酵素) C.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Acinetobacter calcoacet
icus(ATCC 23055) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 88% 95%Ar 93% 最も好ましいガス混合物: 95%Xe 94% 95%Ar:Kr 50:50 100% 95%Ar:Xe 99:1 93% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 84% 90%Ar 93% 他の最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Ne 50:50 90% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 90% 50%N2 80% 50%Ar 88% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Xe 50:50 90% 50%Ar:Xe 95:5 90% b.Aspergillus niger(ATCC
16888) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 64% 95%Ar 64% 他の最も好ましいガス混合物: 95%Xe 94% 95%Ar:Kr 99.9:0.1 76% 95%Ar:Ne 99.9:0.1 76% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 52% 90%Ar 64% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe 94% 90%Ar:Kr 95:5 81% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 42% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 52% 50%Ar:Kr 95:5 52% 50%Ar:Ne 99:1 52% c.Penicillum italicum(ATC
C 48114) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 74% 95%Ar 80% 他の最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99.1:0.1 89% 他のほとんどの希ガス混合物 84% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 70% 90%Ar 78% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe/Kr 83% 90%Ar:Xe 99:1 83% 90%Ar:Kr 99.9:0.1 83% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 92% 50%N2 50% 50%Ar 55% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99.9:0.1 59% 50%Ar:Xe/Kr 95:5 59% Kr50%およびAr+Xe混合物 50% d.Pseudomonas marginalis(ATCC 108 44) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Xe 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% e.Serratea liquefaciens(A
TCC 35551) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 47% 95%N2 0% 95%Ar 0% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Xe 99:1 15% 95%Ar:Xe 95:5 18% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 2% 90%N2 0% 90%Ar 0% 最も好ましいガス混合物: 90%Xe 14% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 0% 50%N2 0% 50%Ar 0% f.Escherichia coli(ATCC 9
637) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 62% 95%Ar 78% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 95:5 78% 95%Ar:Kr 95:5 78% 95%Xe 82% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 51% 90%Ar 65% 最も好ましいガス混合物: 90%Kr 78% 90%Xe 78% 90%Ar:Xe 99:1 67% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 12% 50%Ar 15% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 16% 50%Ar:Xe/Kr 95:5 17% g.Listeria monocytogenes
(ATCC 984) 最良の抑制ガス 50%Ar:Ne 99.9:0.1 13% 50%Ar:Ne 99:1 8% 50%Ar:Ne 8% h.Staphylococcus aureus(A
TCC 25923) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 55% 95%Ar 61% 最も好ましいガス混合物: 95%Xe 61% 95%Kr 61% 95%Ar:Xe/Kr 99:1 61% i.Yersinia enterocolitica
(ATCC 23715) 最良の抑制ガス 50%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 16% 50%Ar:Ne 99:1 13% 90%Ar:Xe/Kr 95:5 10% 90%Ar 8% 95%Ar:Kr 95:5 4% 全ての窒素混合物は抑制を示さなかった。
【0457】 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 21% 2.Ar 100 13% 3.Ar:CO2 9:1 15% 4.Ar:Kr 9:1 11% 嫌気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.空気 100 28% 2.Ar 100 6% 3.Ar:CO2 9:1 4% 4.Ar:Kr 9:1 14% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 15% 2.Ar 100 16% 3.Ar:O2 9:1 3% 4.Ar:Ne 9:1 7% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 17% 2.Ar 100 27% 3.[Ar:Kr]:CO2 [9:1]:9 17% 4.Ar:Ne 9:1 18% F.酵素に対するガスの作用: クラスIII .ヒドロラーゼ(EC3) リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンと希ガスとにより−20%までの抑制を示し
た。
【0458】プロテアーゼ(α−キモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存しつつアルゴンと希ガスとにより−20%ま
での抑制を示した。
【0459】G. 一般に、Ar:NeまたはKrの
混合物を80−99.9容量%:0. 1−2
0容量%の比で、好ましくはAr:NeまたはKrの混
合物を 9:1の比で用いることができる。な
お、5容量%以下のO2 あるい はCO2 を含
んでいてもよい。
【0460】1.劣化化学反応: こはく酸デヒドロゲナーゼおよびメトミオグロビンリダ
クターゼ メトミオグロビンのミオグロビンへの還元: リパーゼ EC3.1.1.3 (Candida paralipolytica,P
seudomonas spp.,細胞外Asperg
illus niger) グルコアミラーゼ EC3.2.1.3 (細胞外Aspergillus niger) α−ガラクトシダーゼ EC3.2.1.22(A.o
ryzae/細胞外) たんぱく分解酵素(細胞外) 20日後において可なりのたんぱく質分解が見られる。
最大バクテリア数は6日目に達する。Ps.fragi
による腐敗は表面に起き、後に腐敗が肉全体に広がる。
【0461】プロテイナーゼ(CAF;カルシウム活性
化ファクター) カテプシン(リソソーム酵素) これにより、希ガスにより製品の色が微生物学的に受入
れいない程に変色しないで保持されることが見出され
た。
【0462】H.要約:一般に、Ar:NeまたはKr
の混合物を80−99.9容量%:0.1−20容量%
の比で、好ましくはAr:NeまたはKrの混合物を
9:1の比で用いることができる。 16.製品:いちご A.微生物のリスト: 腐敗微生物 Botrytis cinerea Pers. ex
Fr. (灰色かび腐敗) Rhizopus stolonifer (Ehr.
ex Fr.) Vuill. (Rhizopus腐敗) Mucor piriformis B.酵素のリスト: 内生酵素: D−ガラクツロナーゼ EC3.2.1.15 (果実軟化) ポリフェノールオキシダーゼEC1.14.18.1 いちごにおける好ましい色の減退 (anthocyanidins) ペルオキシダーゼ 脱色anthocyanins アントシアナーゼ 脱色anthocyanins ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0463】リポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 エチレンの製造を増大させる。
【0464】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0465】β−ガラクトシダーゼ 成熟の間における細胞壁からのガラクトースの損失。
【0466】微生物酵素: ラッカーゼ EC1.10.3.2(Botrytis
cinerea Pers. ex Fr.) C.重要な化学反応のリスト:他のフェノール化合物の
存在下でのアントシアニンの分解。
【0467】D.重要な品質パラメータ:林檎のある種
のものは水溶性フラボノイド色素を含む。
【0468】pHはアントシアニンの安定性に影響する
重要なファクターである。
【0469】E.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 48% 2.Ar 100 40% 3.[Ar:Kr]:CO2 [9:1]:9 40% 嫌気性菌: 1.Ar:CO2 9:1 17% 2.[Ar:Kr]:O2 [9:1]:9 49% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 32% 2.Ar 100 12% 3.[Ar:Ne]:CO2 [9:1]:9 53% 4.Ar:Kr 9:1 23% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 100% 2.Ar 100 80% F.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% クラスIII .ヒドロラーゼ(EC3) リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンと希ガスとにより−20%までの抑制を示し
た。
【0470】プロテアーゼ(α−キモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存しつつアルゴンと希ガスとにより−20%ま
での抑制を示した。
【0471】クラスIV.リアーゼ(EC4) クエン酸合成酵素 EC4.1.3.7 全てのガスで結合した反応として測定したとき25℃で
最大抑制−27%を示した。
【0472】G.化学反応に対するガスの影響:いちご
において、色成分の酸化が防止され、劣化酸化反応も著
しく抑制された。
【0473】例えば: 1.色:アントシアニンの酸化により紫赤からオフホワ
イトに変わり、フラバノイドの酸化により明赤色から褐
色に変わることが主たる変色の原因である。希ガスはア
ントシアニンおよびフラバノイドの酸化を防止し、その
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0474】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0475】2.劣化的酸化: D−ガラクツロナーゼ EC3.2.1.15 (果実軟化) ポリフェノールオキシダーゼEC1.14.18.1 いちごにおける好ましい色の減退 (anthocyanidins) ペルオキシダーゼ 脱色anthocyanins ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)EC1.14.
18.1 脱色anthocyanins アントシアナーゼ 脱色anthocyanins ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0476】リポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 エチレンの製造を増大させる。
【0477】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0478】β−ガラクトシダーゼ 成熟の間における細胞壁からのガラクトースの損失。
【0479】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0480】H.要約 一般に、Ar:NeまたはKrの混合物を(80−95
容量%:5−20容量%)の比で、CO2 5−12容量
%とともに用いることができる。好ましくはAr:Ne
またはKrの混合物を9:1の比で、CO2 を8−10
容量%、より好ましくは9容量%用いる。
【0481】G.化学反応に対するガスの影響:レタス
において、色成分の酸化が防止され、劣化酸化反応も著
しく抑制された。
【0482】例えば: 1.色:クロロフィルの酸化が主たる変色の原因であ
る。クロロフィルが破壊されると、カロテノイドが露出
し製品の黄色化をもたらす。希ガスの酸化に対する効果
は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、この酸
化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0483】アスコルビン酸劣化 1〜4%の酸素は酸化が防止されることによりアスコル
ビン酸を徐々に分解させる。希ガスのこの酸化に対する
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0484】CO2 の増大はアスコルビン酸劣化を促進
させる。
【0485】果物に色素を付与する重要なカロテノイド
はα−およびβ−カロテンおよびリコペンの誘導体であ
る。これらは不飽和のため酸化されやすい。希ガスのこ
の酸化に対する効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>He
の順であり、この酸化抑制は酸素の存在下でも有効であ
る。
【0486】カロチノイドは脱水果物および野菜におい
て非酵素的酸化を非常に受けやすい(水は酸素拡散バリ
ヤーとして作用する)。
【0487】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0488】2.劣化的酸化: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0489】リポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 エチレンの製造を増大させる。
【0490】クロロフィラーゼ EC3.1.1.14 クロロフィルを水溶性クロロフィリドに変換させる。酸
性条件においてクロロフィルはフェオフィチンになる。
フェオフィチンは褐色でほとんどの食品において好まし
くない。緑色野菜において緑色の損失は熱加工において
重要な問題である。
【0491】ペルオキシダーゼ セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0492】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0493】H.要約:一般に、Arを80〜95容量
%、好ましくは90〜95容量%、最も好ましくは約9
5容量%、Neを5〜20容量%、好ましくは5〜10
容量%、最も好ましくは約5容量%含む2成分系ガス混
合物を用いることができる。なお、O2、空気またはC
2 を、5容量%以下含むものであってもよい。
【0494】10.製品:ミックスサラダ(チェフサラ
ダ) レタス(上記参照) トマト(上記参照) 人参(上記参照) キウリ ダイコン チーズ、チェダーチーズ 肉、ハム、七面鳥(上記参照) 卵、ゆで卵 赤キャベツ A.微生物のリスト: 1.キウリ 腐敗微生物 Erwinia carotovora (軟化腐敗) Pseudomonas marginalisに似た
Pseudomonads (軟化腐敗) Pseudomonas lachrymans (斑点) Botrytis cinerea (灰色かび腐敗) Colletotrium coccodes (anthracnose、斑点) Rhizopus stolonifer (Rhizopus軟化腐敗) 2.ダイコン 腐敗微生物 Erwinia carotovora (軟化腐敗) Pseudomonas marginalisに似た
Pseudomonads (軟化腐敗) Botrytis cinerea (灰色かび腐敗) Geotrichum candidum (酸味腐敗、水っぽい軟化腐敗) Rhizopus stolonifer (Rhizopus軟化腐敗) 3.チーズ、チェダーチーズ 4.卵、ゆで卵 5.赤キャベツ 腐敗微生物 Listeria monocytogenes 6.レタス、トマト、ニンジン(上記参照) B.酵素のリスト: 1.キウリ 内生酵素: ポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.15 イクソポポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.67 細胞壁ガラクツロナンの脱エステル化 ペクチネステラーゼ ポリガラクツロナーゼの基板製造に関連する。
【0495】ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 腐敗、芳香損失。
【0496】カタラーゼ EC1.11.1.6 悪臭 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 新鮮なキウリの芳香であるアルデヒドの製造に必要。
【0497】ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0498】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0499】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0500】2.ダイコン 内生酵素: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0501】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0502】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0503】3.チーズ、チェダーチーズ 4.卵、ゆで卵 5.赤キャベツ 内生酵素: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0504】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0505】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0506】微生物酵素: ラッカーゼ EC1.10.3.2(Botrytis
cinerea、キウリ、ダイコン) エンドポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.15
(細胞外、Rhizopus stolonifer、
キウリ、ダイコン) 6.レタス、トマト、ニンジン(上記参照) C.重要な化学反応のリスト: D.重要な品質パラメータ: 葉野菜:レタス、赤キャベツ 組織 外観 アスコルビン酸劣化は緑葉野菜のしおれに関連する。
【0507】カロテンはビタミンAの先駆物質である。
カロテンは酸化され易く、緑葉野菜のしおれに関連す
る。
【0508】中間呼吸速度 人参 エチレンによる苦いイソコウマリンの形成。
【0509】キウリ 霜焼け病 E.表I.細菌に対するガスの作用: 1.評価(microassays) a.Erwinia carotovora(ATCC
15713) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 0% 95%Ar 2% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 95:5 24% 95%Ar:Kr 99:1 20% 95%Ar:Ne 99:1 18% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 0% 90%Ar 2% 他の最も好ましいガス混合物: 90%Ar:Xe 99:1 21% 90%Ar:Kr 99:1 20% 90%Ar:Ne 99:1 16% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 0% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Kr 12% b.Pseudomonas marginalis
(ATCC 10844) 95%ガス混合物(空気中) 95%CO2 100% 95%N2 93% 95%Ar 100% 最も好ましいガス混合物: 95%Ar:Ne 99:1 100% 95%Ar:Ne 95:5 100% 95%Ar:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%ガス混合物(空気中) 90%CO2 100% 90%N2 81% 90%Ar 85% 最も好ましいガス混合物: 90%:Xe/Kr 99.9:0.1 100% 90%Ar:Xe 95:5 43% 90%Ar:Ne 95:5 43% 50%ガス混合物(空気中) 50%CO2 100% 50%N2 0% 50%Ar 10% 他の最も好ましいガス混合物: 50%Ar:Kr 99:1 11% 50%Ar:Ne 95:5 9% 50%Xe 16% c.Lesteria monocytogenes
(ATCC 984) 最良抑制ガス: 50%Ar:Ne 99.9:0.1 13% 50%Ar:Ne 99:1 8% 50%Ar:Ne 8% 表1b.試験製品からの全微生物に対するガスの効果 好気性菌: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 2% 2.Ar 100 12% 3.[Ar:Ne]:CO2 [9:1]:9 13% 嫌気性菌: 1.Ar 100 6% 2.Ar 100 1% 3.Ar:O2 9:1 5% 4.Ar:Ne 9:1 2% イースト: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 63% 2.Ar 100 47% 3.Ar:Kr 9:1 56% 4.[Ar:Ne]:CO2 [9:1]:9 51% かび: ガス/ガス混合物: (%) 100%空気と 比較した%抑制 1.CO2 100 4% 2.Ar 100 2% F.表II.酵素に対するガスの作用: クラスI.オキシドリダクターゼ(EC1) チロシナーゼ EC1.14.18.1 25℃、最良反応条件、ガスで飽和させた溶液: (ガス) (結果) Xe −73%(抑制) Kr −73% Ar −60% Ne −46.7% Xe:Kr(90:10) −50% Ar:Xe(99:1) −70% グルコースオキシダーゼ EC1.1.3.4 (ガス) (結果) Xe −91.6%(抑制) Kr −92.7% Ar −85.8% Ne −61.7% クラスIII .ヒドロラーゼ(EC3) リパーゼ EC3.1.1.3 アルゴンと希ガスとにより−20%までの抑制を示し
た。
【0510】プロテアーゼ(α−キモトリプシン EC
3.4.21.1) 温度に依存しつつアルゴンと希ガスとにより−20%ま
での抑制を示した。
【0511】クラスIV.リアーゼ(EC4) クエン酸合成酵素 EC4.1.3.7 全てのガスで結合した反応として測定したとき25℃で
最大抑制−27%を示した。
【0512】G.化学反応に対するガスの影響:ミック
スサラダ(チェフサラダ)において、色成分の酸化が防
止され、劣化酸化反応も著しく抑制された。
【0513】例えば: レタス(上記参照) トマト(上記参照) 人参 (上記参照) キウリ キウリにおいて、色成分の酸化が防止され、劣化酸化反
応も著しく抑制された。
【0514】例えば: 1.色:クロロフィルの酸化が主たる変色の原因であ
る。クロロフィルが破壊されると、カロテノイドが露出
し製品の黄色化をもたらす。希ガスの酸化に対する効果
は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、この酸
化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0515】アスコルビン酸劣化 1〜4%の酸素は酸化が防止されることによりアスコル
ビン酸を徐々に分解させる。希ガスのこの酸化に対する
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0516】CO2 の増大はアスコルビン酸劣化を促進
させる。
【0517】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0518】2.劣化的酸化: ポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.15 イクソポポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.67 細胞壁ガラクツロナンの脱エステル化 ペクチネステラーゼ ポリガラクツロナーゼの基板製造に関連する。
【0519】 ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 腐敗、芳香損失。
【0520】カタラーゼ EC1.11.1.6 悪臭 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 新鮮なキウリの芳香であるアルデヒドの製造に必要。
【0521】ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0522】生合成 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0523】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0524】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0525】ダイコン ダイコンにおいて、色成分の酸化が防止され、劣化酸化
反応も著しく抑制された。
【0526】例えば: 1.色:アントシアニンの酸化により紫赤からオフホワ
イトに変わり、フラバノイドの酸化により明赤色から褐
色に変わることが主たる変色の原因である。希ガスはア
ントシアニンおよびフラバノイドの酸化を防止し、その
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0527】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0528】2.劣化的酸化: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0529】リポキシゲナーゼ EC1.13.11.
12 エチレンの製造を増大させる。
【0530】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0531】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0532】ハム、七面鳥(上記参照) 卵、ゆで卵 1.色:堅いゆで卵については、色成分の酸化が抑制さ
れ、劣化酸化も著しく抑制された。
【0533】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0534】2.劣化的酸化: (注)希ガスの酵素に対する抑制効果については、上記
の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項を参照のこ
と。
【0535】赤キャベツ 赤キャベツにおいて、色成分の酸化が防止され、劣化酸
化反応も著しく抑制された。
【0536】例えば: 1.色:アントシアニンの酸化により紫赤からオフホワ
イトに変わり、フラバノイドの酸化により明赤色から褐
色に変わることが主たる変色の原因である。希ガスはア
ントシアニンおよびフラバノイドの酸化を防止し、その
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0537】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。
【0538】2.劣化的酸化: ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0539】 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0540】セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0541】(注)希ガスの酵素に対する抑制効果につ
いては、上記の(希ガスの酵素に対する抑制効果)の項
を参照のこと。
【0542】H.要約 一般に、Ar:Kr:O2 またはAr:Ne:CO
2 が、(8−9.5:2−0.5):5−10%;より
好ましくは(9:1):9%の範囲で有効である。
【0543】ポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.
15 イクソポポリガラクツロナーゼ EC3.2.1.67 細胞壁ガラクツロナンの脱エステル化 ペクチネステラーゼ ポリガラクツロナーゼの基板製造に関連する。
【0544】 ペルオキシダーゼ EC1.11.1.7 腐敗、芳香損失。
【0545】カタラーゼ EC1.11.1.6 悪臭 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 新鮮なキウリの芳香であるアルデヒドの製造に必要。果
物に色素を付与する重要なカロテノイドはα−およびβ
−カロテンおよびリコペンの誘導体である。これらは不
飽和のため酸化されやすい。希ガスのこの酸化に対する
効果は、Xe>Kr>Ar>Ne>Heの順であり、こ
の酸化抑制は酸素の存在下でも有効である。
【0546】カロチノイドは脱水果物および野菜におい
て非酵素的酸化を非常に受けやすい(水は酸素拡散バリ
ヤーとして作用する)。
【0547】このようにして、希ガスは、製品が微生物
学的に受け入れられない程度を超えて変色するのを抑え
ることができることが見出された。 ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0548】 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0549】クロロフィラーゼ EC3.1.1.14 クロロフィルを水溶性クロロフィリドに変換させる。酸
性条件においてクロロフィルはフェオフィチンになる。
フェオフィチンは褐色でほとんどの食品において好まし
くない。緑色野菜において緑色の損失は熱加工において
重要な問題である。
【0550】ペルオキシダーゼ セルラーゼ錯体: EC3.2.1.4 EC3.2.1.21 セルロースの劣化。
【0551】11.製品:キノコ A.微生物のリスト: Clostridium botulinum B.酵素のリスト: 内生酵素: ポリフェノールオキシダーゼ(PPO) EC1.1
4.18.1 ACC合成酵素 エチレン生合成の速度を制御する主たる要因。
【0552】 リポキシゲナーゼ EC1.13.11.12 エチレンの製造を増大させる。
【0553】酵素的褐変反応: チロシナーゼ EC1.14.18.1 褐変反応を開始させる。
【0554】 カテコールオキシダーゼ EC1.10.18.1 ラッカーゼ EC1.10.3.1 C.重要な化学反応のリスト: フェノール化合物−−>空気−−>褐色メラニン I.チョコレートの芳香維持のための本発明の適用:本
発明によれば、液体または固体のチョコレートおよびそ
の先駆物質の加工、貯蔵の少なくとも1過程において、
少なくとも1つの希ガスまたは希ガスを含む混合物で実
質的に飽和させることにより、その酸化劣化を防止し得
ることが見出された。この酸化抑制効果は酸素の置換に
よるのみでなく、分子レベルでの希ガスの作用によるも
のである。
【0555】ここで、希ガスとはアルゴン、クリプト
ン、キセノン、ネオンのいずれか1つを意味する。ヘリ
ウムは含まれず、ラドンも放射性のため使用できない。
好ましくはアルゴンまたはアルゴンを含むガス混合物を
用いる。これらの希ガスは単独でもよいが、他との混合
物、窒素のような不活性ガスを含んでいてもよい。
【0556】本発明はチョコレートの製造、加工、貯蔵
の全ての段階でも、その内の複数または1工程でも適用
することにより効果を得ることができる。さらに、のち
のチョコレートを含む食品の製造工程で用いてもよい。
例えば、チョコレート液、ココアケーキ、チョコレート
粉末、チョコレート豆またはニブ、キャンデー、ココア
バター、中間チョコレート製品の製造、加工の間に有効
に適用することができる。
【0557】また、チョコレートの先駆物質の保存にも
適用することができる。ここで、先駆物質とはチョコレ
ートの原材料として用いることができるココア豆、生コ
コアのような天然の物品を意味する。
【0558】本発明によれば、食品の化学的成分、芳
香、香ばしさ、熱安定性、棚寿命、コンシステンシー、
組織、色、外観、消費者への魅力などを著しく保持、改
善することができる。この発明によれば、これらの点に
おいて、少なくとも20%の改善、または高揚を図るこ
とができる。
【0559】本発明は希ガスを低い圧力で用いてもよい
が、希ガスの分圧が高ければ高いほどその効果を高める
ことができる。例えば10-8torrないし100気圧
の圧力を用いることができるが、一般には10-2ないし
10気圧、好ましくは10-1ないし3気圧、より好まし
くは0.5ないし2気圧、最も好ましくは常圧、または
約1気圧で用いられる。
【0560】しかし、例えば加圧工程では12,000
psiで、またロースト工程においては3〜6気圧で用
いて、良好な効果を得ることができる。
【0561】上述のように、本発明はチョコレートの製
造、加工、貯蔵の全ての段階、その内の複数または1工
程で適用することにより効果を得ることができる。
【0562】以下にチョコレートの一般的製造工程につ
いて説明するが、チョコレートを含む製品のいかなる工
程で実施してもよい。
【0563】チョコレートは一般に長い一連の工程を経
て作られるが、その間において酸化により損傷を受け最
終製品を害することになる。これらの工程は:(1)コ
コア豆を集める;(2)この豆を発酵させる;(3)発
酵豆を貯蔵し、処理工場に運搬する;(4)豆を洗浄
し、ブラッシングし、好ましくない粒をエアリフトセパ
レータおよび磁気セパレータで分離する;(5)発酵豆
を加熱エアーオーブン中、または対流により焼く;
(6)このロースト豆を滅菌し;(7)ついでK2 CO
3 でアルカリ処理し、所望の色を出す;(8)脱穀し、
ニブ(実)をブレーカ/篩/エアーリフトの組合わせを
もちいて分離、保持させ;(9)イクスペラー/イクト
ルージョンにより、または一般には豆およびニブ粉砕お
よび熱(外部および摩擦)を介してココア(coco
a)を作り;(10)そのリカーを熱液化し、薄膜ロー
スト(真空でまたは真空を用いずに)、および空気攪拌
処理する;(11)アルカリ化(Dutching)を
行い;(12)リカーを水平水圧プレスにより12,0
00psi、95−105℃でプレスしてケーキを作
る。この場合、水分は重要であり0.8−1.8%、ま
たは1−1.5%の狭い範囲に保ち、プレスはイクスペ
ラーイクストルージョン・スクリュープレスにより行
う。溶媒抽出は以下のようにして行われる。(13)ケ
ーキを粉砕機により粉砕し、冷却してココア粉末をつく
る。ココア粉末(表1)の組成は脂肪、バター含量にお
いて微妙である(表2)。レシチン量および脱臭も重要
である。粘度計を用いバターを測定する。置換脂肪も用
いることができ、ココアバター当量(例えばラウリン酸
または非ラウリン酸ココアバター置換物)測定する;
(14)この粉末をポッパーにより混合し、精製する;
(15)このココア粉末にミルククラムを混合してもよ
い。このミルククラムはミルクを蒸発し、練り、乾燥さ
せて作られる。(16)つき機のような装置で半固体の
チョコレートのロールが出来上がる。 p160 line19からl ついで、菓子を作るためチョコレートが利用される。こ
れらの工程は、ココア置換体の添加、抗ブルーム剤例え
ばソルビタンおよびポリオキシエチレン脂肪酸エステル
(Span/Tween)の添加、練りおよび冷却、成
形、ドロップおよびローラーデポジション、エアレーシ
ョン、フレークおよびバーク形成、バーミセリ製造、ラ
ミネーション、中空ロテーション、ホイリング、シェリ
ング、成形、エンロービング、クッキング、コーティン
グ、パニングなどが含まれる。
【0564】上記の全ての工程、特に工程9−16にお
いてはチョコレートと空気との接触を伴う。この空気を
窒素ガスのような不活性ガスで置換することにより酸化
を多少減少させることができる。しかし、それは空気に
よる酸化の減少のみで、内部からの酸化については減少
しない。本発明をこれらの工程の幾つかまたは全部に適
用することにより内部からの酸化についても抑制効果を
得ることができる。この効果は酸素が多少存在していて
も得られる。
【0565】本発明はこのチョコレートの製造工程の幾
つかまたは全部に希ガス、好ましくはアルゴンを含むガ
スを飽和、適用することによりチョコレートの酸化劣化
を抑制することができる。
【0566】チョコレートまたはその先駆物質が液状で
ある場合は、以下のようにして行われる。
【0567】タンクまたは瓶の中の液状チョコレートま
たはその先駆物質の上の空間を不活性ガスで覆う代わり
に、アルゴン、キセノン、クリプトン、ネオンから選ば
れるガスまたはガス混合物をその液体の中または上に注
入し、実質的に飽和させる。これによりチョコレートの
色、香り、棚寿命を実質的に改善することができる。特
に貯蔵容器全体にそこにチョコレートが存在する間中、
この希ガスを実質的に飽和させることにより、その効果
を高めることができる。
【0568】ここで、実質的飽和とは、ガスまたはガス
混合物で液状チョコレートまたはその先駆物質を完全ま
たは常時飽和させる必要がないことを意味するものある
(ガスが可溶な最大量)。通常、最大飽和レベルの50
%以上、好ましくは70%以上、最も好ましくは80%
以上含ませることが必要であると思われる。もちろん、
過飽和としてもよい。容器での貯蔵期間において時折り
希ガスで飽和されていなくとも、もしこれが希ガスで実
質的に飽和されているならば、本発明の効果を得ること
ができる。容器の内部全体が上記希ガスで飽和されてい
ることが好ましいが、そのある期間の一部において容器
の一部のみが希ガスで飽和されていても、または他の部
分より少なく飽和されていても本発明の効果を得ること
ができる。
【0569】本発明の利益を得るために少なくとも上記
希ガスが存在していなければならないが、経済的見地か
ら他のガスで稀釈して用いてもよい。この稀釈ガスの例
としては、窒素、酸素、亜酸化窒素、空気、ヘリウム、
二酸化炭素などがある。酸素含有ガスまたは二酸化炭素
のような反応性ガスの場合は、その特性によりその量が
50容量%以上のときは、あるいは30容量%以上でも
希ガスの作用をマスクしてしまう虞れがある。これらの
ガスが0〜10容量%含まれるガス混合物においても希
ガスの効力は影響をそれほど受けない。その量が10〜
20容量%である場合は、ガスの種類および条件にもよ
るが希ガスの効力は依然としてあるものと思われる。こ
れらは当業者が容易に判断できるものである。
【0570】窒素またはヘリウム混合ガスの場合は、こ
の混合ガス中のAr、Ne、Kr、Xeの希ガスの濃度
に直線的に比例して希ガスの効果が発揮される。このこ
とは窒素またはヘリウムがチョコレートの酸化防止に対
して実質的に効果はないことを意味している。希ガスと
窒素またはヘリウムとの混合比については特に制限はな
いが、Ar、Ne、Kr、Xeの希ガスの割合が小さけ
ればそれだけチョコレートの飽和に時間がかかることに
なる。
【0571】Ar、Ne、Kr、Xeの希ガスのうち、
アルゴンが他の希ガスに較べて安価であるという点から
アルゴンの使用が好ましい。しかし、アルゴンおよび/
またはクリプトンおよび/またはキセノンの混合ガスも
アルゴン単独と同様に効果的である。以下の実施例に示
すように、アルゴンを90ないし99容量%、クリプト
ンおよび/またはキセノンを1ないし10容量%含むも
のが通常最も効果的である(窒素、ヘリウム、亜酸化窒
素で稀釈されていても、いなくても)。これら活性ガス
と窒素ガスとの作用における差は以下の事実から明らか
である。すなわち、アルゴン、酸素および二酸化炭素の
混合ガスは効果が小さいがアルゴン単独と同様の作用を
有する。しかし、窒素と酸素および二酸化炭素の混合ガ
スは、酸素または二酸化炭素単独のガスと比較して保護
または保存効果は全く無い。
【0572】このようにチョコレートを上記希ガスまた
は希ガス混合ガスで実質的に飽和させることは本発明の
必須要件であり、これは従来知られていない。
【0573】一般にXeが最も有効なガスであり、その
効果はKr、Ar、Neの順となる。混合ガスの適当な
例としては(純粋な希ガス相互のもの、または窒素、ヘ
リウム、亜酸化窒素、空気、酸素、少量の水素を混合し
たものを含めて)、Ne/He混合物(それぞれ50容
量%からなるもの)、あるいはKr/Xe混合物(Xe
が5−10容量%、Krが90−95容量%からなるも
の)で、さらに少量のアルゴンおよび/または酸素(2
容量%未満)、または少量の窒素(1容量%未満)を含
むものであってもよい。
【0574】本発明を実施する温度としては通常、約0
℃ないし60℃、好ましくは約10℃ないし30℃であ
る。
【0575】ガスまたはガス混合物の液または容器への
スパージングによる注入は、通常約1気圧で行われる
が、2ないし3気圧でもよく、より高い圧力により飽和
も増大する。容器内の液体上の圧力はいずれにしても好
ましくは10気圧以下とするが、通常、3気圧以下に維
持しても問題ない。
【0576】チョコレートの飽和または実質的飽和の測
定は公知の種々の方法で行うことができる。例えば、熱
重量測定分析、質量変化測定により行うことができる。
【0577】ガスの検出、定性および定量測定するのに
多くの標準的方法が知られており、その幾つかは液体サ
ンプル中の希ガスの飽和度を判定するのに適している。
サンプルは一般に完全に排気させ、ゼロ%飽和の対照と
される。このサンプルはついで希ガスと接触させて、サ
ンプルと接触する貯蔵部から希ガスがもはや失われない
程度に完全に飽和させる。この飽和させたサンプルはつ
いで捕捉排気または温度上昇によりガス内容物を追い出
し、そのガスサンプルが定性的および定量的に測定され
る。分析は捕捉されたガス、貯蔵ガス、上部空間のガス
について行われ、サンプルを直接、分析しない。
【0578】直接的分析方法も知られており、例えば包
括的GC/MS分析、質量もしくは熱伝導、またはGC
分析、予め測定された標準との比較により方法などがあ
る。最も簡単な方法は、GC/MS分析(ガスクロマト
グラフィ/質量スペクトル法)であり、直接、ガス組成
を判定する。一連のガスまたはガス混合物についてある
サンプルへの標準吸収曲線を用意することにより、ある
時点での飽和度を正確に判定することができる。
【0579】GC/MS分析はサンプル上部の空間と同
様にガス自体について行うことができる。その方法はサ
ンプルから放出されるガスまたはガス混合物、あるいは
ガスの消失によりサンプルに吸収されたの組成および量
を測定するのに用いられる。適当なGC/MS分析法の
例は、5オングストローム多孔質解放チューブ状分子篩
からなる直径0.32mm、長さ25mのキャピラリー
グラスカラムを用い、75℃で等温的に分離するか、ガ
スまたはガス混合物について例えば35−250℃で設
定した幾つかの最適化した温度傾斜プログラムを用いて
行うことである。この場合、超高純度のヘリウムまたは
水素キャリアガスが例えば1.0cc/分流量で用いら
れ、ガスはサンプル中のイオン化度、量に基づいて検出
され、その独特の質量スペクトルにより特徴づけられ
る。
【0580】適当な実験条件としては、真空下で完全に
排気し吸収、溶解されている全てガスを除去し、ついで
ガスまたはガス混合物をサンプルに添加し、(a)添加
されたガスから消失した各成分の取入れ速度、あるいは
(b)平衡に達した後のヘッドスペースの最終組成を測
定することである。双方の測定はGC/MS分析法によ
り行われ、バッチ方式でも、連続方式でもよい。
【0581】この分析を簡素化する方法は熱伝導検出器
を備えたGCのみを用いることである。この場合、ガス
飽和プロセスの知識並びに測定曲線が用意され、質量ス
ペクトル分析なしでガスまたはガス混合物の定量および
定性を行うことができる。この装置は比較的安価で持ち
運びできる。
【0582】より簡単な方法は、ガスまたはガス混合物
を取り込んだときのサンプルの質量変化を測定すること
である。これは文献から得られる標準曲線または吸収デ
ータの使用に依存することになる。
【0583】質量測定の他の方法は熱重量測定分析であ
り、これは可なり正確である。この場合、サンプルはガ
スで飽和され、その質量変化が熱変化に関連するという
ものである。
【0584】チョコレートまたはその先駆物質が固体の
場合は、本発明は以下のように適用される。
【0585】容器中の固体チョコレートまたはその先駆
物質の上の空間を不活性ガスで覆う代わりに、アルゴ
ン、キセノン、クリプトン、ネオンから選ばれるガスま
たはガス混合物をその液体の中または上に注入し、実質
的に飽和させる。これによりチョコレートの色、香り、
棚寿命を実質的に改善することができる。特に貯蔵容器
全体にそこにチョコレートが存在する間中、この希ガス
を実質的に飽和させることにより、その効果を高めるこ
とができる。
【0586】ここで、実質的飽和とは、ガスまたはガス
混合物で液状チョコレートまたはその先駆物質を完全ま
たは常時飽和させる必要がないことを意味するものある
(ガスが可溶な最大量)。通常、最大飽和レベルの50
%以上、好ましくは70%以上、最も好ましくは80%
以上含ませることが必要であると思われる。もちろん、
過飽和としてもよい。容器での貯蔵期間において時折り
希ガスで飽和されていなくとも、もしこれが希ガスで実
質的に飽和されているならば、本発明の効果を得ること
ができる。容器の内部全体が上記希ガスで飽和されてい
ることが好ましいが、そのある期間の一部において容器
の一部のみが希ガスで飽和されていても、または他の部
分より少なく飽和されていても本発明の効果を得ること
ができる。
【0587】本発明の利益を得るために少なくとも上記
希ガスが存在していなければならないが、経済的見地か
ら他のガスで稀釈して用いてもよい。この稀釈ガスの例
としては、窒素、酸素、亜酸化窒素、空気、ヘリウム、
二酸化炭素などがある。酸素含有ガスまたは二酸化炭素
のような反応性ガスの場合は、その特性によりその量が
50容量%以上のときは、あるいは30容量%以上でも
希ガスの作用をマスクしてしまう虞れがある。これらの
ガスが0〜10容量%含まれるガス混合物においても希
ガスの効力は影響をそれほど受けない。その量が10〜
20容量%である場合は、ガスの種類および条件にもよ
るが希ガスの効力は依然としてあるものと思われる。こ
れらは当業者が容易に判断できるものである。
【0588】窒素またはヘリウム混合ガスの場合は、こ
の混合ガス中のAr、Ne、Kr、Xeの希ガスの濃度
に直線的に比例して希ガスの効果が発揮される。このこ
とは窒素またはヘリウムがチョコレートの酸化防止に対
して実質的に効果はないことを意味している。希ガスと
窒素またはヘリウムとの混合比については特に制限はな
いが、Ar、Ne、Kr、Xeの希ガスの割合が小さけ
ればそれだけチョコレートの飽和に時間がかかることに
なる。
【0589】Ar、Ne、Kr、Xeの希ガスのうち、
アルゴンが他の希ガスに較べて安価であるという点から
アルゴンの使用が好ましい。しかし、アルゴンおよび/
またはクリプトンおよび/またはキセノンの混合ガスも
アルゴン単独と同様に効果的である。以下の実施例に示
すように、アルゴンを90ないし99容量%、クリプト
ンおよび/またはキセノンを1ないし10容量%含むも
のが通常最も効果的である(窒素、ヘリウム、亜酸化窒
素で稀釈されていても、いなくても)。これら活性ガス
と窒素ガスとの作用における差は以下の事実から明らか
である。すなわち、アルゴン、酸素および二酸化炭素の
混合ガスは効果が小さいがアルゴン単独と同様の作用を
有する。しかし、窒素と酸素および二酸化炭素の混合ガ
スは、酸素または二酸化炭素単独のガスと比較して保護
または保存効果は全く無い。
【0590】このようにチョコレートを上記希ガスまた
は希ガス混合ガスで実質的に飽和させることは本発明の
必須要件であり、これは従来知られていない。
【0591】一般にXeが最も有効なガスであり、その
効果はKr、Ar、Neの順となる。混合ガスの適当な
例としては(純粋な希ガス相互のもの、または窒素、ヘ
リウム、亜酸化窒素、空気、酸素、少量の水素を混合し
たものを含めて)、Ne/He混合物(それぞれ50容
量%からなるもの)、あるいはKr/Xe混合物(Xe
が5−10容量%、Krが90−95容量%からなるも
の)で、さらに少量のアルゴンおよび/または酸素(2
容量%未満)、または少量の窒素(1容量%未満)を含
むものであってもよい。
【0592】本発明を実施する温度としては通常、約0
℃ないし600℃、好ましくはある種の工程においては
約200℃ないし600℃が用いられる。しかしほとん
どの加工および貯蔵においては20℃ないし40℃の範
囲の温度が好ましい。このガスまたはガス混合物を低温
液として導入することもできる。これは使用前に気化
し、加熱し、あるいはチョコレートまたはその先駆物質
を氷らすように用いることもできる。
【0593】ガスまたはガス混合物のチョコレートまた
はその先駆物質または容器へのスパージングによる注入
は、通常約1気圧で行われるが、2ないし3気圧でもよ
く、より高い圧力により飽和も増大する。容器内の液体
上の圧力はいずれにしても好ましくは3気圧以下とする
が、通常、2気圧以下に維持しても問題ない。僅かなオ
ーバープレッシャー(1ないし2気圧)は通常、十分な
ものである。
【0594】本発明によるガスまたはガス混合物は、そ
れがチョコレートを飽和ないし実質的に飽和するもので
あれば真空ないし常気圧で十分に効果的である。その場
合のガスの効果は1気圧での効果より少なくなる。チョ
コレートの処理においては、100気圧以下の圧力を使
用し得るが、通常は10気圧、好ましくは1ないし6気
圧が用いられる。いずれにしても、その製品を上記希ガ
スで飽和ないし実質的に飽和することである。
【0595】固体サンプル中へのガスの飽和または実質
的飽和の測定は公知の種々の方法で行うことができる。
例えば、熱重量測定分析、質量変化測定により行うこと
ができる。
【0596】ガスの検出、定性および定量測定するのに
多くの標準的方法が知られており、その幾つかは液体サ
ンプル中の希ガスの飽和度を判定するのに適している。
サンプルは一般に完全に排気させ、ゼロ%飽和の対照と
される。このサンプルはついで希ガスと接触させて、サ
ンプルと接触する貯蔵部から希ガスがもはや失われない
程度に完全に飽和させる。この飽和させたサンプルはつ
いで捕捉排気または温度上昇によりガス内容物を追い出
し、そのガスサンプルが定性的および定量的に測定され
る。分析は捕捉されたガス、貯蔵ガス、上部空間のガス
について行われ、サンプルを直接、分析しない。
【0597】直接的分析方法も知られており、例えば包
括的GC/MS分析、質量もしくは熱伝導、またはGC
分析、予め測定された標準との比較により方法などがあ
る。最も簡単な方法は、GC/MS分析(ガスクロマト
グラフィ/質量スペクトル法)であり、直接、ガス組成
を判定する。一連のガスまたはガス混合物についてある
サンプルへの標準吸収曲線を用意することにより、ある
時点での飽和度を正確に判定することができる。
【0598】GC/MS分析はサンプル上部の空間と同
様にガス自体について行うことができる。その方法はサ
ンプルから放出されるガスまたはガス混合物、あるいは
ガスの消失によりサンプルに吸収されたの組成および量
を測定するのに用いられる。適当なGC/MS分析法の
例は、5オングストローム多孔質解放チューブ状分子篩
からなる直径0.32mm、長さ25mのキャピラリー
グラスカラムを用い、75℃で等温的に分離するか、ガ
スまたはガス混合物について例えば35−250℃で設
定した幾つかの最適化した温度傾斜プログラムを用いて
行うことである。この場合、超高純度のヘリウムまたは
水素キャリアガスが例えば1.0cc/分流量で用いら
れ、ガスはサンプル中のイオン化度、量に基づいて検出
され、その独特の質量スペクトルにより特徴づけられ
る。
【0599】適当な実験条件としては、真空下で完全に
排気し吸収、溶解されている全てガスを除去し、ついで
ガスまたはガス混合物をサンプルに添加し、(a)添加
されたガスから消失した各成分の取入れ速度、あるいは
(b)平衡に達した後のヘッドスペースの最終組成を測
定することである。双方の測定はGC/MS分析法によ
り行われ、バッチ方式でも、連続方式でもよい。
【0600】この分析を簡素化する方法は熱伝導検出器
を備えたGCのみを用いることである。この場合、ガス
飽和プロセスの知識並びに測定曲線が用意され、質量ス
ペクトル分析なしでガスまたはガス混合物の定量および
定性を行うことができる。この装置は比較的安価で持ち
運びできる。
【0601】より簡単な方法は、ガスまたはガス混合物
を取り込んだときのサンプルの質量変化を測定すること
である。これは文献から得られる標準曲線または吸収デ
ータの使用に依存することになる。
【0602】質量測定の他の方法は熱重量測定分析であ
り、これは可なり正確である。この場合、サンプルはガ
スで飽和され、その質量変化が熱変化に関連するという
ものである。
【0603】このようにして、覆いによる接触、加圧に
よる接触、スパージングまたは低温接触などを行うこと
ができる。飽和は望ましく、完全な飽和が最適である。
加圧は飽和が増大することにより効果が促進される。こ
の方法は加工および貯蔵において改善が劇的となる。
【0604】しかし、本発明をチョコレート、チョコレ
ート製品の加工、貯蔵に関連する装置または器具との関
連で用いることもできる。
【0605】例えば、本発明を分離器;磁気分離器;デ
ストーナ(destoner);対流により豆を加熱す
る流動床ロースター;対流により豆を予熱、焼き、冷却
するプロバットロースター;Bhhler STR2ロ
ースター、ミクロマイザー、トーネイドロースター、特
に型2600RS;篩分け器;トルプルリカーミル、コ
コアミル、特にMPH411;Wieneroto W
45C、Petzhold+インジェクション・ユニッ
トタイプPIA;Petsomat−Single T
ower;LBCTシステム;Dutchingプラン
ト;リカープレス;ココアバター・イクストラクター、
特に連続式;粉体冷却および安定化システム;ココアバ
ター脱色プラント;Buhlerオートマテック・ホッ
パーシステム;混合、ダブル精製システム;Groen
Crumb システム・パイロットプラント;Con
cheポット、特に4ポットConche;Petzh
oldt Super ConcheタイプPVS;ロ
ータリーConche;Frisse ダブル・オーバ
ースローConche;lTourell−Garcl
ner Conche;Macintyre Refi
ner Conche;Wienerプロセス設備;W
ieneroto ボールミル;Melangeur
(M.22/RC);調質ケトル;DMWテンパラー;
中空チョコレート製品のためのミニスピナー;型抜き、
シェルチョコレートデポジター、ショルクーラー、ホッ
トセンタークーラーおよびバッキングチョコレートデポ
ジター・ステーションを含むシェルプラント;ヒータ
ー、チョコレートおよびクリームデポジター、シェイキ
ングおよびクーリングステーションを含む型プラント;
エンローバーシステム、特にテンパースタティック・エ
ンローバー;チョコレートサーキュレータ;ロームおよ
びトンネルクーラー;マルチゾーンクーラー;およびv
olvo pansとの関連で用いることもできる。
【0606】下記表1は通常の成分比を用いてのココア
粉の分析を示し、表2は主成育区域からのココアバター
のトリグリセリド組成の分析を示している。
【0607】
【表1】
【0608】
【表2】 以下、具体的実施例について説明するが、本発明は当
然、これに限定されるものではない。
【0609】(実施例)以下のガス処理に基づき、チョ
コレートを実験室でパイロットスケールで製造した。
【0610】1.空気 2.酸素 3.アルゴン 4.ネオン 5.クリプトン 6.キセノン 7.ヘリウム 8.二酸化炭素 9.窒素 まず、5%の空気を導入して処理を行った。さらに10
%の空気を導入して処理を行った。さらに20%の空気
を導入して処理を行った。
【0611】さらに、アルゴンと他の1または2の希ガ
スとのデシル混合物を用い、あるいは窒素および希ガス
との混合物を用いて幾つかのテストを行った。
【0612】さらに、チョコレート製品を上記雰囲気中
で包装した。
【0613】その結果を以下の事項について測定した。
【0614】1.揮発性風味および香気成分についてG
C/MS分析を行った。
【0615】2.感覚評価パネル 3.Hunter Miniscan色度計による色の
測定 4.酸化表面艶 5.粘度 6.湿度 7.融点 8.上記評価を総合して得られた全体の改良 GC/MS酸化測定、味および芳香測定パネルおよび棚
寿命についても行われた。
【0616】ガスが以下のようにして添加された。
【0617】加工工程および装置上に設けた覆いに注入
した。加工圧力下で加圧容器に注入した。液体またはプ
ロセスミリュー(milieu)に直接スパージングす
ることにより注入した。この後者の工程は製品の粘度お
よび機械的応力に対する耐性から一般に満足なものでは
ない。
【0618】この包装についてのテストの結果、希ガス
は酸化的退色および劣化を著しく抑制し、窒素または他
のガスに較べて風味、芳香をより良好に保持し得ること
が証明された。なお、ヘリウムについては窒素と比較し
て有意差はなかった。さらに、希ガス(Ar、Ne、K
r、Xe)は酸素の存在下(特に10%以下)でもチョ
コレートの品質改善に有効であった。
【0619】加工における実験では、包装における実験
よりも改善が劇的であった。すなわち、加工時での希ガ
スによる処理により、製品の棚寿命、色、風味、芳香は
通常の空気中での処理に較べて2倍以上の改善が認めら
れた。窒素による処理の場合は空気中での処理に較べて
ほんの僅かに改善されるに過ぎなかったが、これに僅か
5%の空気を導入することにより、その改善は失われて
しまった。しかるに、アルゴンなどの希ガスの場合は、
そのような空気の存在においてもその効果が失われるこ
とがなかった。なお、Ar、Ne、Kr、Xeのみが有
効であり、Heは効果がなかった。
【0620】最も良好な改善は工程5ないし16の全て
の工程において希ガスで処理することにより得られ、最
終製品の包装における希ガス処理も有効であった。しか
し、最も重要な工程は9−16の工程と、包装工程であ
る。この第1のケースにおける改善は100%であり、
第2のケースにおける改善は95%であった。各工程で
の改善が見られたが、最も大きい改善は工程、5、9、
10、12、13、14、16であり、それらの改善
は、それぞれ10%、10%、25%、25%、10
%、10%、40%であった。これらの改善は厳密には
付加的ではない。残りの改善は変性雰囲気の使用により
達せられた。
【0621】アルゴンはKr、Xeとほぼ同様の改善
(80−90%)が見られ、安価であるのでその使用は
好ましい。最終製品が貴重な場合、ガス量は過度とせ
ず、アルゴンをKrまたはXeと90:10−95:5
−99:1の割合で組合わせた混合ガスでも良好な改善
が得られる。
【0622】以下の実験では好ましい例として、アルゴ
ンを工程5−11で用い、Ar:Krを工程12で9
5:5の比で用い、Arを工程13−15で用い、A
r:Krを工程16で90:10の比で用いている。包
装については、Ar:Kr:Xeの比を80:19:1
で用いたとき、最良の結果が得られた。
【0623】制御されたガスの導入による乾燥作用のた
め、内部の湿気が適正に保たれるようにし、必要により
水を加えてもよい。なお、水の添加を希ガス雰囲気に湿
気を持たせることにより最良の結果が得られることが見
出された。
【0624】工業スケールの実際のチョコレート製造装
置はガスの覆いまたは注入を容易に施すことが可能であ
り、ガスのいかなる程度の接触も達成することが可能で
ある。
【0625】本発明は、チョコレートの加工に関連して
有効であるばかりでなく、チョコレートおよびその先駆
物質の貯蔵においても有効である。
【0626】なお、本明細書で、”実質的”とは少なく
とも75%、好ましくは90%以上、より好ましくは9
5%以上のことを意味する。これは貯蔵期間のみでな
く、収容手段の容量についても適用される。
【0627】II.チーズの芳香および風味についての本
発明の適用:チーズまたはチーズ先駆物質の製造工程の
いずれかまたは全てにおいて希ガスを含むガスで接触さ
せることにより、チーズまたはチーズ先駆物質の著しい
改善が図れることが本発明により見出された。
【0628】ここで、”チーズ先駆物質”とは出発物質
およびチーズ製造工程で形成される中間物質を意味し、
特に図1−4で示される全ての中間物質を意味する。
【0629】本発明によれば、チーズまたはチーズ先駆
物質が空気または酸素にさらされる製造工程において、
希ガス、好ましくはアルゴンでチーズまたはチーズ先駆
物質を飽和または被覆することによりチーズ製造プロセ
スの著しい改善が見られることが見出された。例えば、
アルゴンは微生物または酵素で接種したのちの酸度の発
達を促進し、これによりミルクの酸性化時間を短縮する
ことができ、レンネットの活性高揚により凝集速度を制
御することができ、酵素の熟成時間を減少させることが
できる。最も顕著には、希ガスは熟成工程において芳香
化および硬化酵素の活性を高揚し、これにより品質を高
め、コンシステンシーを高め、チーズ特有の好ましい
色、芳香、風味を保持させるなどの効果を奏する。
【0630】以下に種々のチーズの製造工程を示す。
【0631】ブルーチーズ・プラント: 工程1: 工程2: 工程3: 工程4: 工程5: 工程6: 工程7 工程8: 工程9: 以下に種々のチーズの製造工程を示す。
【0632】ブルーチーズ・プラント: 工程1:ミルクおよびクリームの貯蔵 原バルクミルクおよびバルククリームをタンカーから貯
蔵サイロに移す。このミルクおよびクリームは混合前に
滅菌される。
【0633】工程2:混合および接種 ミルクおよびクリームが混合され、同時にスタータを用
いて、選択されたバクテリア(ラクトースの乳酸への変
換によりミルクの酸度を増大させるもの)を連続的に注
入する。この接種されたミルクはついで予備熟成タンク
に移される。
【0634】工程3:凝集 接種されたミルクを予備熟成タンクから凝集装置にポン
プにより移す。この凝集装置はある連続温度に保たれた
絶縁水層を備えたプラスチック製ベルトからなる連続的
ループである。この水はベルトの潤滑性のためにも必要
である。このベルトによりミルクがその長手方向に沿っ
て移動される。ミルクはベルトに沿って移動し、ミルク
を保持するセグメントまたはミニバットを形成、落下さ
せる一連の半円形ディスクに達する。このミニバットは
一定時間攪拌される。ついで電気的にチャージされたロ
ッドがカードおよびホエー中に導入される。この静電気
荷電により半円形ディスクからカードが除去され、半円
形ディスクがついでセグメントから持ち上げられ、つい
で洗浄され、ベルトに戻され、新たなセグメントが形成
される。
【0635】カードは凝集装置を下降し切断区域に到達
し、ここで垂直および水平カッターにより四角形に切断
される。ついで円形スクリューを介して最終区域に送ら
れ、ここで一連の攪拌機により動きが継続される。カー
ドおよびホエーは攪拌する必要があり、これによりカー
ドの艶消が防止される。カードおよびホエーは静かに凝
集装置の端部から離れ、廃液ベルトへ送られる。
【0636】工程4:廃液ベルト カードから取出されたホエーはベルトに沿って移動す
る。ついでプラスチックブロックフォームに供給され
る。ブロックフォームは8つの区分から成り、それぞれ
車の形をしている。
【0637】工程5:ブロックフォーム これらのブロックフォームは重ねられていて、180度
回転して余分のホエーを除去する。このチーズの積み重
ねはついで廃液室に送られ、カードが16時間静置さ
れ、さらに余分のホエーが除去され、ブラインタンクの
温度、15℃に冷却される。
【0638】工程6:ブラインタンク チーズはブラインタンクに4時間浸され、ついでそのブ
ロックフォームから引き上げられる。
【0639】工程7:成形 チーズは成型トンネルに送られ、ここで金属ハードルに
置かれる前に白かびがスプレーされる。このチーズの積
み重ねは工場の上方に持ち上げられ、重量測定が行わ
れ、プラスチックデスクにより日付とバッチナンバーが
付される。ついでチーズは熟成室に移動され、12ない
し14日間置かれる。
【0640】工程8:熟成 この熟成期間において、チーズは刺針装置に送られ、チ
ーズ内に孔が開けられ、青かびバクテリアの繁殖がなさ
れる。ついで熟成室に戻され、チーズの外側に白かびが
連続的かつ平均に繁殖される。
【0641】工程9:包装 仕上げられたチーズはホイルに包装されたのち、箱詰め
され冷蔵室に置かれる。
【0642】カテージチーズプラント: 工程1:この工程1ないし4はブルーチーズの場合と同
様である。
【0643】工程2:廃液、洗浄、包装; カードのホエーの除去が行われ、次第に冷たい水で洗浄
される。ついでカードは滅菌クリームと混合され、包装
される。カテージチーズは新鮮なうち販売され、冷凍さ
れる。
【0644】チェダーチーズプラント: 工程1:ミルク貯蔵 原バルクミルクをタンカーから貯蔵サイロに移す。この
ミルクは混合前に滅菌される。
【0645】工程2:接種 滅菌ミルクはスタータ培養により注入され、ついで予備
熟成タンクに移される。pHが適当なレベルに達したと
き、接種ミルクはカードメーカーバットに移される。
【0646】工程3:凝集および煮沸 レンネットが酸性化ミルクに静に攪拌しながら添加され
る。所定期間においてカードが形成される。このカード
は静に攪拌されホエー中に浮遊するようになる。バット
中の温度が5分で1℃の割合で上昇され、ついで3分で
1℃の割合で上昇され、最終的に40℃とする。カード
はついでホエー廃液ベルトに送られる。 工程4:ホエー廃液 廃液ベルトを移動する間にホエーがカードから廃液され
る。カードはついでチェダーベルト上に移動される。カ
ードは酸発生次第で返され暖められ、もしくは空気にさ
らされ、酸度が0.75−0.85%に達するまで冷却
される。ついでカードはカードミルに移される。
【0647】工程5:ミリングおよび冷却 カードのミリングが行われ、指の大きさの粗いミルに切
断される。このミリングされたカードは空気にさらさ
れ、25.5℃に冷却され塩添加前に包含された脂肪の
冷却が行われる。
【0648】工程6:重量測定および塩添加 ミリングされたカードの重量が測定され、正確な量の塩
が添加される(2g)。この塩添加カードは攪拌トラメ
ルに移され、ここで塩がカード中に完全に混合される。
【0649】工程7:成型 攪拌トラメルでの最後において、チーズが型に導入さ
れ、予備プレスされる。この型はついで真空プレスに移
され、プレスされたチーズはチーズプレスからコンベヤ
ーベルト上に移される。この型はついでチーズから取り
除かれる。チーズは外気温度にて貯蔵され乾燥される。
ついでチーズはラッピングおよび貯蔵のため移される。
【0650】工程8:ラッピングおよび貯蔵 7.2−11℃でチーズのラッピングおよび貯蔵が行わ
れ、熟成が行われる。チーズは9−12か月で十分に熟
成される。ブロックチーズは4−6か月で販売される。
【0651】モッツァレラチーズプラント: 工程1:滅菌 ミルクが滅菌され、微生物の減少が図られ、仕上がり製
品の収量の増大および感覚刺激性的品質の改善が図られ
る。
【0652】工程2:酸性化 ミルクはプロポーショニングポンプを介してイン−ライ
ンで酸と混合される。この方法で急速かつ均一な混合が
なされ、凝集の原因となる濃度勾配が回避される。
【0653】工程3:凝集 酸性化されたミルクはポンプにより凝集バットに送られ
る。レンネットが温度制御バットに添加され、所定時間
凝集が進められる。カードが廃液ドラムに移され、ここ
でカードとホエーが分離される。カードはこのドラムか
らストレッチャーの充填ホッパーに移される。
【0654】工程4:延ばし カードの延ばしは脱ミネラル化工程からなり、ここでカ
ードは熱水に混合され、コンパクトで均一な構造に仕上
げられる。この延ばされたカードはついで種々の形に成
形される(円柱状、瓶形、球形)。この成形された製品
は冷却バットに置かれる。
【0655】工程5:冷却 冷却バットは、入口から出口にかけて次第に冷たい水か
らなり、これを介して成形チーズ製品が移動される。こ
の製品は塩添加バットに移送される。
【0656】工程6:外部コンベヤーシステムを介して
バット中でチーズの塩添加が行われる。この塩添加され
たチーズはついで中間包装のため移送される。
【0657】一般に、本発明は、上述のチーズ製造工程
の全てあるいはその幾つかにおいて適用することができ
る。
【0658】さらに、本発明は世界中のあらゆるチーズ
の製造にも適用できる。例えば、羊チーズ、チェダーチ
ーズ、ブリーチーズ、カマンベールチーズ、モッツァレ
ラチーズ、フェタチーズ、スティルトンチーズ、ハバル
チチーズを本発明に基づいて製造することができる。
【0659】本発明によるチーズまたはその成分の芳
香、風味の改善方法は、アルゴン、クリプトン、キセノ
ン、ネオンから選ばれるガスまたはガス混合物を容器内
のチーズまたはチーズ先駆物質に注入し、そのガスで飽
和させ;貯蔵容器の実質的に全体にこの飽和を、チーズ
またはチーズ先駆物質の貯蔵期間の実質的に全てにおい
て維持することからなる。
【0660】タンクまたは瓶の中の液状チーズまたはそ
の先駆物質の上の空間を不活性ガスで覆う代わりに、ア
ルゴン、キセノン、クリプトン、ネオンから選ばれるガ
スまたはガス混合物をその液体の中または上に注入し、
実質的に飽和させる。これによりチーズの色、香り、棚
寿命を実質的に改善することができる。特に貯蔵容器全
体にそこにチーズが存在する間中、この希ガスを実質的
に飽和させることにより、その効果を高めることができ
る。
【0661】ここで、実質的飽和とは、ガスまたはガス
混合物で液状チーズまたはその先駆物質を完全または常
時飽和させる必要がないことを意味するものある(ガス
が可溶な最大量)。通常、最大飽和レベルの50%以
上、好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上
含ませることが必要であると思われる。もちろん、過飽
和としてもよい。容器での貯蔵期間において時折り希ガ
スで飽和されていなくとも、もしこれが希ガスで実質的
に飽和されているならば、本発明の効果を得ることがで
きる。容器の内部全体が上記希ガスで飽和されているこ
とが好ましいが、そのある期間の一部において容器の一
部のみが希ガスで飽和されていても、または他の部分よ
り少なく飽和されていても本発明の効果を得ることがで
きる。
【0662】本発明の利益を得るために少なくとも上記
希ガスが存在していなければならないが、経済的見地か
ら他のガスで稀釈して用いてもよい。この稀釈ガスの例
としては、窒素、酸素、亜酸化窒素、空気、ヘリウム、
二酸化炭素などがある。酸素含有ガスまたは二酸化炭素
のような反応性ガスの場合は、その特性によりその量が
50容量%以上のときは、あるいは30容量%以上でも
希ガスの作用をマスクしてしまう虞れがある。これらの
ガスが0〜10容量%含まれるガス混合物においても希
ガスの効力は影響をそれほど受けない。その量が10〜
20容量%である場合は、ガスの種類および条件にもよ
るが希ガスの効力は依然としてあるものと思われる。こ
れらは当業者が容易に判断できるものである。
【0663】窒素またはヘリウム混合ガスの場合は、こ
の混合ガス中のAr、Ne、Kr、Xeの希ガスの濃度
に直線的に比例して希ガスの効果が発揮される。このこ
とは窒素またはヘリウムがチーズの酸化防止に対して実
質的に効果はないことを意味している。希ガスと窒素ま
たはヘリウムとの混合比については特に制限はないが、
Ar、Ne、Kr、Xeの希ガスの割合が小さければそ
れだけチーズの飽和に時間がかかることになる。
【0664】Ar、Ne、Kr、Xeの希ガスのうち、
アルゴンが他の希ガスに較べて安価であるという点から
アルゴンの使用が好ましい。しかし、アルゴンおよび/
またはクリプトンおよび/またはキセノンの混合ガスも
アルゴン単独と同様に効果的である。以下の実施例に示
すように、アルゴンを90ないし99容量%、クリプト
ンおよび/またはキセノンを1ないし10容量%含むも
のが通常最も効果的である(窒素、ヘリウム、亜酸化窒
素で稀釈されていても、いなくても)。これら活性ガス
と窒素ガスとの作用における差は以下の事実から明らか
である。すなわち、アルゴン、酸素および二酸化炭素の
混合ガスは効果が小さいがアルゴン単独と同様の作用を
有する。しかし、窒素と酸素および二酸化炭素の混合ガ
スは、酸素または二酸化炭素単独のガスと比較して保護
または保存効果は全く無い。
【0665】このようにチーズを上記希ガスまたは希ガ
ス混合ガスで実質的に飽和させることは本発明の必須要
件であり、これは従来知られていない。
【0666】一般にXeが最も有効なガスであり、その
効果はKr、Ar、Neの順となる。混合ガスの適当な
例としては(純粋な希ガス相互のもの、または窒素、ヘ
リウム、亜酸化窒素、空気、酸素、少量の水素を混合し
たものを含めて)、Ne/He混合物(それぞれ50容
量%からなるもの)、あるいはKr/Xe混合物(Xe
が5−10容量%、Krが90−95容量%からなるも
の)で、さらに少量のアルゴンおよび/または酸素(2
容量%未満)、または少量の窒素(1容量%未満)を含
むものであってもよい。
【0667】本発明を実施する温度としては通常、約0
℃ないし60℃、好ましくは約10℃ないし30℃であ
る。
【0668】ガスまたはガス混合物の液または容器への
スパージングによる注入は、通常約1気圧で行われる
が、2ないし3気圧でもよく、より高い圧力により飽和
も増大する。容器内の液体上の圧力はいずれにしても好
ましくは10気圧以下とするが、通常、3気圧以下に維
持しても問題ない。
【0669】チーズの飽和または実質的飽和の測定は公
知の種々の方法で行うことができる。例えば、熱重量測
定分析、質量変化測定により行うことができる。
【0670】ガスの検出、定性および定量測定するのに
多くの標準的方法が知られており、その幾つかは液体サ
ンプル中の希ガスの飽和度を判定するのに適している。
サンプルは一般に完全に排気させ、ゼロ%飽和の対照と
される。このサンプルはついで希ガスと接触させて、サ
ンプルと接触する貯蔵部から希ガスがもはや失われない
程度に完全に飽和させる。この飽和させたサンプルはつ
いで捕捉排気または温度上昇によりガス内容物を追い出
し、そのガスサンプルが定性的および定量的に測定され
る。分析は捕捉されたガス、貯蔵ガス、上部空間のガス
について行われ、サンプルを直接、分析しない。
【0671】直接的分析方法も知られており、例えば包
括的GC/MS分析、質量もしくは熱伝導、またはGC
分析、予め測定された標準との比較により方法などがあ
る。最も簡単な方法は、GC/MS分析(ガスクロマト
グラフィ/質量スペクトル法)であり、直接、ガス組成
を判定する。一連のガスまたはガス混合物についてある
サンプルへの標準吸収曲線を用意することにより、ある
時点での飽和度を正確に判定することができる。
【0672】GC/MS分析はサンプル上部の空間と同
様にガス自体について行うことができる。その方法はサ
ンプルから放出されるガスまたはガス混合物、あるいは
ガスの消失によりサンプルに吸収されたの組成および量
を測定するのに用いられる。適当なGC/MS分析法の
例は、5オングストローム多孔質解放チューブ状分子篩
からなる直径0.32mm、長さ25mのキャピラリー
グラスカラムを用い、75℃で等温的に分離するか、ガ
スまたはガス混合物について例えば35−250℃で設
定した幾つかの最適化した温度傾斜プログラムを用いて
行うことである。この場合、超高純度のヘリウムまたは
水素キャリアガスが例えば1.0cc/分流量で用いら
れ、ガスはサンプル中のイオン化度、量に基づいて検出
され、その独特の質量スペクトルにより特徴づけられ
る。
【0673】適当な実験条件としては、真空下で完全に
排気し吸収、溶解されている全てガスを除去し、ついで
ガスまたはガス混合物をサンプルに添加し、(a)添加
されたガスから消失した各成分の取入れ速度、あるいは
(b)平衡に達した後のヘッドスペースの最終組成を測
定することである。双方の測定はGC/MS分析法によ
り行われ、バッチ方式でも、連続方式でもよい。
【0674】この分析を簡素化する方法は熱伝導検出器
を備えたGCのみを用いることである。この場合、ガス
飽和プロセスの知識並びに測定曲線が用意され、質量ス
ペクトル分析なしでガスまたはガス混合物の定量および
定性を行うことができる。この装置は比較的安価で持ち
運びできる。
【0675】より簡単な方法は、ガスまたはガス混合物
を取り込んだときのサンプルの質量変化を測定すること
である。これは文献から得られる標準曲線または吸収デ
ータの使用に依存することになる。
【0676】質量測定の他の方法は熱重量測定分析であ
り、これは可なり正確である。この場合、サンプルはガ
スで飽和され、その質量変化が熱変化に関連するという
ものである。
【0677】チーズまたはその先駆物質が固体の場合、
実質的飽和とは、ガスまたはガス混合物で液状チーズま
たはその先駆物質を完全または常時飽和させる必要がな
いことを意味するものある(ガスが可溶な最大量)。通
常、最大飽和レベルの50%以上、好ましくは70%以
上、最も好ましくは80%以上含ませることが必要であ
ると思われる。もちろん、過飽和としてもよい。容器で
の貯蔵期間において時折り希ガスで飽和されていなくと
も、もしこれが希ガスで実質的に飽和されているなら
ば、本発明の効果を得ることができる。容器の内部全体
が上記希ガスで飽和されていることが好ましいが、その
ある期間の一部において容器の一部のみが希ガスで飽和
されていても、または他の部分より少なく飽和されてい
ても本発明の効果を得ることができる。
【0678】本発明の利益を得るために少なくとも上記
希ガスが存在していなければならないが、経済的見地か
ら他のガスで稀釈して用いてもよい。この稀釈ガスの例
としては、窒素、酸素、亜酸化窒素、空気、ヘリウム、
二酸化炭素などがある。酸素含有ガスまたは二酸化炭素
のような反応性ガスの場合は、その特性によりその量が
50容量%以上のときは、あるいは30容量%以上でも
希ガスの作用をマスクしてしまう虞れがある。これらの
ガスが0〜10容量%含まれるガス混合物においても希
ガスの効力は影響をそれほど受けない。その量が10〜
20容量%である場合は、ガスの種類および条件にもよ
るが希ガスの効力は依然としてあるものと思われる。こ
れらは当業者が容易に判断できるものである。
【0679】窒素またはヘリウム混合ガスの場合は、こ
の混合ガス中のAr、Ne、Kr、Xeの希ガスの濃度
に直線的に比例して希ガスの効果が発揮される。このこ
とは窒素またはヘリウムがチーズの酸化防止に対して実
質的に効果はないことを意味している。希ガスと窒素ま
たはヘリウムとの混合比については特に制限はないが、
Ar、Ne、Kr、Xeの希ガスの割合が小さければそ
れだけチーズの飽和に時間がかかることになる。
【0680】Ar、Ne、Kr、Xeの希ガスのうち、
アルゴンが他の希ガスに較べて安価であるという点から
アルゴンの使用が好ましい。しかし、アルゴンおよび/
またはクリプトンおよび/またはキセノンの混合ガスも
アルゴン単独と同様に効果的である。以下の実施例に示
すように、アルゴンを90ないし99容量%、クリプト
ンおよび/またはキセノンを1ないし10容量%含むも
のが通常最も効果的である(窒素、ヘリウム、亜酸化窒
素で稀釈されていても、いなくても)。これら活性ガス
と窒素ガスとの作用における差は以下の事実から明らか
である。すなわち、アルゴン、酸素および二酸化炭素の
混合ガスは効果が小さいがアルゴン単独と同様の作用を
有する。しかし、窒素と酸素および二酸化炭素の混合ガ
スは、酸素または二酸化炭素単独のガスと比較して保護
または保存効果は全く無い。
【0681】一般にXeが最も有効なガスであり、その
効果はKr、Ar、Neの順となる。混合ガスの適当な
例としては(純粋な希ガス相互のもの、または窒素、ヘ
リウム、亜酸化窒素、空気、酸素、少量の水素を混合し
たものを含めて)、Ne/He混合物(それぞれ50容
量%からなるもの)、あるいはKr/Xe混合物(Xe
が5−10容量%、Krが90−95容量%からなるも
の)で、さらに少量のアルゴンおよび/または酸素(2
容量%未満)、または少量の窒素(1容量%未満)を含
むものであってもよい。
【0682】いずれにしても、その製品を上記希ガスで
飽和ないし実質的に飽和することである。
【0683】固体サンプル中へのガスの飽和または実質
的飽和の測定は公知の種々の方法で行うことができる。
例えば、熱重量測定分析、質量変化測定により行うこと
ができる。
【0684】ガスの検出、定性および定量測定するのに
多くの標準的方法が知られており、その幾つかは液体サ
ンプル中の希ガスの飽和度を判定するのに適している。
サンプルは一般に完全に排気させ、ゼロ%飽和の対照と
される。このサンプルはついで希ガスと接触させて、サ
ンプルと接触する貯蔵部から希ガスがもはや失われない
程度に完全に飽和させる。この飽和させたサンプルはつ
いで捕捉排気または温度上昇によりガス内容物を追い出
し、そのガスサンプルが定性的および定量的に測定され
る。分析は捕捉されたガス、貯蔵ガス、上部空間のガス
について行われ、サンプルを直接、分析しない。
【0685】直接的分析方法も知られており、例えば包
括的GC/MS分析、質量もしくは熱伝導、またはGC
分析、予め測定された標準との比較により方法などがあ
る。最も簡単な方法は、GC/MS分析(ガスクロマト
グラフィ/質量スペクトル法)であり、直接、ガス組成
を判定する。一連のガスまたはガス混合物についてある
サンプルへの標準吸収曲線を用意することにより、ある
時点での飽和度を正確に判定することができる。
【0686】GC/MS分析はサンプル上部の空間と同
様にガス自体について行うことができる。その方法はサ
ンプルから放出されるガスまたはガス混合物、あるいは
ガスの消失によりサンプルに吸収されたの組成および量
を測定するのに用いられる。適当なGC/MS分析法の
例は、5オングストローム多孔質解放チューブ状分子篩
からなる直径0.32mm、長さ25mのキャピラリー
グラスカラムを用い、75℃で等温的に分離するか、ガ
スまたはガス混合物について例えば35−250℃で設
定した幾つかの最適化した温度傾斜プログラムを用いて
行うことである。この場合、超高純度のヘリウムまたは
水素キャリアガスが例えば1.0cc/分流量で用いら
れ、ガスはサンプル中のイオン化度、量に基づいて検出
され、その独特の質量スペクトルにより特徴づけられ
る。
【0687】適当な実験条件としては、真空下で完全に
排気し吸収、溶解されている全てガスを除去し、ついで
ガスまたはガス混合物をサンプルに添加し、(a)添加
されたガスから消失した各成分の取入れ速度、あるいは
(b)平衡に達した後のヘッドスペースの最終組成を測
定することである。双方の測定はGC/MS分析法によ
り行われ、バッチ方式でも、連続方式でもよい。
【0688】この分析を簡素化する方法は熱伝導検出器
を備えたGCのみを用いることである。この場合、ガス
飽和プロセスの知識並びに測定曲線が用意され、質量ス
ペクトル分析なしでガスまたはガス混合物の定量および
定性を行うことができる。この装置は比較的安価で持ち
運びできる。
【0689】より簡単な方法は、ガスまたはガス混合物
を取り込んだときのサンプルの質量変化を測定すること
である。これは文献から得られる標準曲線または吸収デ
ータの使用に依存することになる。
【0690】質量測定の他の方法は熱重量測定分析であ
り、これは可なり正確である。この場合、サンプルはガ
スで飽和され、その質量変化が熱変化に関連するという
ものである。
【0691】以下、具体的実施例について説明するが、
本発明は当然これらに限定されるものではない。
【0692】(実施例1) チーズ製造実験記録: 瓶でのチーズの製造および制御雰囲気での新鮮なチーズ
の貯蔵: 目的:この実験記録の目的は2つある。
【0693】1.チーズ製造の最初の2工程に従うこ
と: a.微生物の添加(ミルクを成熟させる) b.レンネットの添加(ミルクを凝結させる) 2.新鮮なチーズについて長期貯蔵の方法を決定するこ
と。
【0694】研究の対象となるチーズの種類: 1.チェダーチーズ 2.ブルーチーズ ガス雰囲気: G1:100%空気 G2:90%N2 10%O2 G3:90%Ar10%O2 G4:95%N2 5%O2 G5:95%Ar5%O2 G6:70%Ar20%Xe(原混合物)10%O2 チーズスタータ培養基: メソフィリック・ダイレクト・セット・培養: *チェダーチーズ製造のため *ブルーチーズ製造のため レンネット: 液状子牛レンネット 必要な物品: オートクレーブ 日常の、またはジャム製造温度計(104℃までのも
の) 培養器または部屋温度50度F/相対湿度80−90% 測量カップ チーズ布またはムスリン:18ないし24インチ平方、
ダブル厚み(各チーズ型に対して) 長い手のステンレススプーン 測量スプーン 孔開きスプーン(長い手のステンレス製) 型:木製、金属またはプラスチック:6インチのケーキ
パンが好ましい 大きいボード、良く乾燥した木材:1/2インチ厚み ストローマット 木製フォロワー(型に合って作られたもの)良く乾燥し
た木材:1〜2インチ厚み 錘 室内温度:65−70度F+平均湿度(チーズ作成の
間) 漂白剤(希釈され、仕事場を滅菌するのに用いる) 滅菌ミルク(全体または2%) 塩(粗いまたはフレーク) 120cc血清びん 水バス:温度範囲:29−35℃ 30ccシリンジ 1ccシリンジ スタータ培養基 レンネット、液体 ストップ・ウオッチ 定温培養器(貯蔵のため;高湿度:80−90%) 小さなガラス製バイオリアクター(4リットルビーカー
との関連で使用;lダブルボイラーシステム) 2個のホットプレート 工程: 1.ミルクの熟成:バクテリアによる酸性化プロセス ミルクを32℃に加熱し、ついで熱源から取り除き、ス
タータ培養基をこの暖かいミルクに添加し、約45分間
熟成させる。
【0695】2.レンネット処理:熟成したミルクを2
9−35℃に加熱し、希釈レンネット中で静に攪拌す
る。着色剤を加える場合はレンネット処理の前に行う。
このミルクを約45分間放置して凝集させる。
【0696】以下、具体的実施例について説明するが、
本発明は当然これらに限定されるものではない。
【0697】(実施例1) チーズ製造実験記録: 瓶でのチーズの製造および制御雰囲気での新鮮なチーズ
の貯蔵: 目的:この実験記録の目的は2つある。
【0698】1.チーズ製造の最初の2工程に従うこ
と: a.微生物の添加(ミルクを成熟させる) b.レンネットの添加(ミルクを凝結させる) 2.新鮮なチーズについて長期貯蔵の方法を決定するこ
と。
【0699】研究の対象となるチーズの種類: 1.チェダーチーズ 2.ブルーチーズ ガス雰囲気: G1:100%空気 G2:90%N2 10%O2 G3:90%Ar10%O2 G4:95%N2 5%O2 G5:95%Ar5%O2 G6:70%Ar20%Xe(原混合物)10%O2 チーズスタータ培養基: メソフィリック・ダイレクト・セット・培養: *チェダーチーズ製造のため *ブルーチーズ製造のため レンネット: 液状子牛レンネット 必要な物品: オートクレーブ 日常の、またはジャム製造温度計(104℃までのも
の) 培養器または部屋温度50度F/相対湿度80−90% 測量カップ チーズ布またはムスリン:18ないし24インチ平方、
ダブル厚み(各チーズ型に対して) 長い手のステンレススプーン 測量スプーン 孔開きスプーン(長い手のステンレス製) 型:木製、金属またはプラスチック:6インチのケーキ
パンが好ましい 大きいボード、良く乾燥した木材:1/2インチ厚み ストローマット 木製フォロワー(型に合って作られたもの)良く乾燥し
た木材:1〜2インチ厚み 錘 室内温度:65−70度F+平均湿度(チーズ作成の
間) 漂白剤(希釈され、仕事場を滅菌するのに用いる) 滅菌ミルク(全体または2%) 塩(粗いまたはフレーク) 120cc血清びん 水バス:温度範囲:29−35℃ 30ccシリンジ 1ccシリンジ スタータ培養基 レンネット、液体 ストップ・ウオッチ 定温培養器(貯蔵のため;高湿度:80−90%) 小さなガラス製バイオリアクター(4リットルビーカー
との関連で使用;lダブルボイラーシステム) 2個のホットプレート 工程: 1.ミルクの熟成:バクテリアによる酸性化プロセス ミルクを32℃に加熱し、ついで熱源から取り除き、ス
タータ培養基をこの暖かいミルクに添加し、約45分間
熟成させる。
【0700】2.レンネット処理:熟成したミルクを2
9−35℃に加熱し、希釈レンネット中で静に攪拌す
る。着色剤を加える場合はレンネット処理の前に行う。
このミルクを約45分間放置して凝集させる。 p205からn 攪拌チェダーチーズ製造のための実験記録 工程:熟成 45分 90度F/32℃ 500gダイレクト セット・スタータ 1890ml全乳培養 ダブルボイラーシステムを用いて180mlの全乳を3
2℃に暖める。加熱の間、このミルクの上にアルミニウ
ムホイルで蓋をして、空気中の微生物による汚染を防
ぐ。反応容器およびダブルボイラーとして作用している
ベーカーをホットプレートから取り除く。温度を90℃
に所定時間保ち、500mgのダイレクト・セット・ス
タータ培養基をミルクに添加し、完全に攪拌する。ミル
クを覆い、90℃で45分間静置する。
【0701】 工程:レンネット処理 1時間30分 90度F/32℃ 液状子牛レンネット レイドル(ひしゃく) 液状子牛レンネットのスプーンの3/4分を1/4カッ
プDI H2 Oに添加する。この稀釈レンネットの1/
16カップ分をミルクに添加し1分間、レイドルを静に
上下させながら攪拌する。ミルクを90℃で45分間静
置し、カードを固め、ブレーク(break)を得る。
【0702】工程:カードの裁断 1時間45分 90度F/32℃ カードナイ
フ カードを1/4インチ平方の均一な立方体に裁断する。
これを15分間静置する。
【0703】工程:カードの調理 2時間15分 32−38℃ レイドル カードを静に攪拌する。攪拌し過ぎてカードを壊さない
ようにし、かつ攪拌が不足で塊り(マット)ができない
ようにする。次の30分間、カードを38℃に温める。
この場合、5分で2度の割合より早く温度を上昇させな
いようにする。カードを静に攪拌する。
【0704】 2時間45分 38℃ レイドル カードを38℃にさらに30分間保つ。時々カードを攪
拌し、カードがマット化されないようにする。
【0705】工程:廃液 2時間50分 38℃ カードからホエーを流し出す。5分間をかけてカードを
ポットの底に沈積させ、ホエーのほとんどを流し出す。
カードを大きい水きりに注ぎ入れ、さらに数分間廃液を
行う。余り長く廃液を行うと、カードが押し固まること
になる。
【0706】工程:カードの攪拌 38℃ カードをポットに戻し、スロット付きスプーンで激しく
撹拌し、固まったカード粒子を分離する。
【0707】工程:塩添加 3時間 粗いチーズ塩の2スプーン分をカードに添加し、これを
完全に混合する。カードを圧迫しないで、単に塩を混入
する。
【0708】工程:攪拌 4時間 カードを38℃で1時間に保ち、5分毎に攪拌し、マッ
ト化を防止する。カードをダブルボイラー(ホットプレ
ートの上にない)中のチーズ反応容器に戻し38℃で静
置する。
【0709】工程:プレス 2時間15分 32−38℃ レイドル 2ポンドチーズ型に滅菌した粗いチーズクロスを敷く。
カードをその中に入れる。フォロワーをこの型に加え、
チーズを15ポンドの圧力で10分間プレスする。
【0710】チーズを反転させ、30ポンドの圧力で1
0分間プレスする。この型をぽんと叩き、40ポンドの
圧力で2時間プレスする。この型を反転させ、50ポン
ドの圧力で12時間プレスする。
【0711】工程:風乾 チーズをプレスから取り除き、チーズクロスから静に剥
がす。このチーズを清浄な乾燥したチーズボードに置
き、1日に数回反転させ、表面が乾燥した感触を与える
までその操作を繰り返す。
【0712】工程:チーズのスライス裁断 2日目の終りにチーズをナイフで8等分となるようにス
ライスする。湿気のため濡れた紙タオル(畳んだもの)
を加えて包装する。12℃にセットした定温器中にて貯
蔵する。
【0713】チーズの熟成: 注:チーズ熟成プロセスの間、面倒を見る者にとって、
チーズの取扱い、ガス包装、貯蔵の間において出来るだ
け無菌状態に保持することが望ましい:滅菌手袋を着用
する。
【0714】滅菌紙タオルを使用する。
【0715】湿気を目的とする紙タオルを湿すために滅
菌DI H2 Oを使用する。
【0716】清浄な包装材料を使用する。
【0717】チェダーチーズ:チェダーチーズの各包装
をチェックする。空気サンプルと他のガス混合サンプル
との間に違いが認められたときは、写真を採る。これを
1週間単位で行う。観察を記録し、日付を入れる。
【0718】包装を開き、チーズを削り採る。ナイフの
エッジでチーズから好ましくないかびを削り採る。チー
ズを新たなラベル付き包装に入れる。
【0719】ガスを再充填して包装するが、この場合、
適当なガス混合物を加える。
【0720】チェダーチーズを観察し、必要に応じて写
真を採る。チーズの削り採り、再包装を1週間単位で繰
り返す。
【0721】月曜日:チーズを観察し、チーズを削り採
り、再包装する。
【0722】金曜日:チーズを反転させる。 攪拌ブルーチーズ製造のための実験記録 工程:熟成 60分 90度F/32℃ 500gダイレクト セット・スタータ 1890ml全乳培養 ダブルボイラーシステムを用いて180mlの全乳を3
2℃に暖める。加熱の間、このミルクの上にアルミニウ
ムホイルで蓋をして、空気中の微生物による汚染を防
ぐ。反応容器およびダブルボイラーとして作用している
ベーカーをホットプレートから取り除く。温度を90℃
に所定時間保ち、500mgのダイレクト・セット・ス
タータ培養基をミルクに添加し、完全に攪拌する。ミル
クを覆い、90℃で60分間静置する。
【0723】 工程:レンネット処理 1時間45分 90度F/32℃ 液状子牛レンネット レイドル(ひしゃく) 液状子牛レンネット、1スプーンを1/4カップDI
2 Oに添加する。この稀釈レンネットの1/16カッ
プ分をミルクに添加し1分間、レイドルを静に上下させ
ながら攪拌する。ミルクを90℃で45分間静置し、カ
ードを固め、ブレーク(break)を得る。
【0724】工程:カードの裁断 1時間50分 90度F/32℃ カードナイ
フ カードを1/2インチ平方の均一な立方体に裁断する。
これを5分間静置してから攪拌する。
【0725】工程:カードの調理 2時間50分 32−38℃ レイドル カードを静に5分毎に攪拌しマットが形成されないよう
にする。これを60分間行う。
【0726】工程:廃液 3時間 38℃ カードからホエーを流し出す。5分間をかけてカードを
ポットの底に沈積させ、ホエーのほとんどを流し出す。
カードを大きい水きりに注ぎ入れ、さらに5分間廃液を
行う。カードをポットに戻し、スロット付きスプーンで
静に撹拌し、固まらないようにする。
【0727】工程:塩添加 3時間 市販のブルーチーズの1/2ブロックをカットして小さ
な厚切れにする。このブルーチーズの厚切れを混入す
る。このカード混合物にチーズ塩の1/2スプーン分を
添加し、これを静に混合する。さらに、チーズ塩の1/
2スプーン分を添加し、これを静に混合する。カードを
5分間静置する。
【0728】工程:成形 3時間10分 チーズボード上に1ポンドチーズ型を置く。これにより
ホエーが流れ出るように配置する。この型にカードを入
れる。
【0729】7時間10分 この型を15分毎に反転する操作を2時間行う。ついで
この反転操作を1時間毎に1回行う。この反転操作を2
時間行う。
【0730】8時間 1昼夜、排液させる。
【0731】工程:塩添加 2日目 チーズを型から取り出し、塩を表面全体に振り掛ける。
余分の塩を除く。2時間後、再び、塩を表面全体に振り
掛け、反対側にして貯蔵する。
【0732】工程:チーズのスライス裁断およびガス包
装 2日目の終りにチーズをナイフで8等分となるようにス
ライスする。このチーズスライスに再度、表面に塩を添
加する。湿気のため濡れた紙タオル(畳んだもの)を加
えて包装する。12℃にセットした定温器中にて貯蔵す
る。
【0733】工程:塩再添加およびガス包装 6日目 塩再添加のため、ガス包装からチーズスライスを取出
す。なお、余分の塩を取り除く。再度、ガス包装を行
い、定温器中にて貯蔵する。
【0734】工程:突き穴およびガス再包装 13日目 太いニードルポーク(突き棒)を用いて上記チーズスラ
イスに3個の穴を形成する。ついで再度、ガス包装し定
温器中にて貯蔵する。
【0735】チーズの熟成: 注:チーズ熟成プロセスの間、面倒を見る者にとって、
チーズの取扱い、ガス包装、貯蔵の間において出来るだ
け無菌状態に保持することが望ましい:滅菌手袋を着用
する。
【0736】滅菌紙タオルを使用する。
【0737】湿気を目的とする紙タオルを湿すために滅
菌DI H2 Oを使用する。
【0738】清浄な包装材料を使用する。
【0739】ブルーチーズ:ブルーチーズの各包装をチ
ェックする。空気サンプルと他のガス混合サンプルとの
間に違いが認められたときは、写真を採る。これを1週
間単位で行う。観察を記録し、日付を入れる。
【0740】包装を開き、チーズを削り採る。各チーズ
スライスに3個の穴を形成する。チーズを新たなラベル
付き包装に入れる。
【0741】ガスを再充填して包装するが、この場合、
適当なガス混合物を加える。
【0742】ブルーチーズを観察し、必要に応じて写真
を採る。再包装を1週間単位で繰り返す。チーズの反転
も1週間単位で繰り返す。
【0743】月曜日:チーズを観察し、チーズを削り採
り、再包装する。
【0744】金曜日:チーズを反転させる。
【0745】かびの成育次第では、チーズを削り青かび
および赤褐色の汚れを無くする。これはチーズが再包装
されるときに行う。かびの成育次第で、この操作を20
−30日間隔で行う。
【0746】チーズ製造プロセスにおける微生物処理: 必要時間 1人について4時間+他の1人について2.5時間 ブルーチーズ製造のための攪拌実験記録 G1:100%空気 G2:90%N2 10%O2 G3:90%Ar10%O2 G4:95%N2 5%O2 G5:95%Ar5%O2 G6:70%Ar20%Xe(原混合物)10%O2 必要な物品: 20×10cc血清びん(滅菌) 6×120cc血清びん(滅菌) 12ストッパー(滅菌) 12シ−ル(滅菌) 反応容器(滅菌、容量が約50ml) 10ccシリンジ 1ccシリンジ 針(滅菌) ストップウオッチ フィールドクレスト(Fieldcrest)全乳(均
一化され、滅菌されたもの) 水バス:温度32℃に維持される 手法:水バスを温度32℃に加熱し、この温度にて蓋を
しないで保持する。
【0747】ミルクで満たされた清浄で滅菌された(漂
白剤でもよい)250mlビーカーを水バス中に置く。
【0748】冷ミルク49mlを6個のびんのそれぞれ
に入れる。びんを滅菌ストッパーおよびシールで密封す
る。
【0749】ベースガスでびんをパージングする。
【0750】びん6について、びんからArガス雰囲気
24ccを除去し、Xe24ccを添加する(原混合
物)。
【0751】必要な量の酸素を添加する: 5%=6cc 10%=12cc 水バスを用いて瓶の2つを32℃に加熱する(約20分
−びんを導入した後の水バスの温度低下を観察する)。
他のびんは必要となるまで冷凍する。
【0752】瓶の各セットについて新鮮な微生物溶液を
用意する:メソフィリック・ダイレクト・セット・チー
ズ・スタータ培養基132.8mgを計り、10cc血
清びん(滅菌)に導入する。
【0753】32℃に加熱したミルク10ccを、これ
に添加する。これを混合する。
【0754】直ちに、サンプル1ccを採り、最初の2
つのびんに注入する(この時点から最後まで2人の人員
が必要となる)。
【0755】開始タイマー 実験の初めに、水バス中のビーカーに入れてあるミルク
のpHを測定する。これをT0 とする。
【0756】15分間隔でサンプル10ccを採り、1
0cc血清びんに入れる。ついで直ちにpHを計る。
【0757】20分経過後、次の2つのびんを冷蔵庫か
ら取出し、水バス中に入れて加温する。
【0758】45分の熟成時間が経過したのち、同じ手
法で次の2つの瓶のセットについて操作を開始する。同
様にして、第3番目の瓶について操作する。
【0759】
【表3】 G3、G5、G6について処理においては、他のガスに
比べて10%早く当初のpHに達し、酸性化は15%早
く達成した。 チーズの製造方法における凝固工程 所要時間:1人3時間 混合ガス: G1:100空気 G2:90%N2 10%O2 G3:90%Ar10%O2 G4:95%N2 5%O2 G5:95%Ar5%O2 G6:70%Ar20%Xe(混合源)10%O2 必須材料: 6×10cc乳清入り瓶(無菌) 6×120cc乳清入り瓶(無菌) 12 ストッパー 12 シール(無菌) 反応容器(無菌:約50ml収容可) 10cc シリンジ 1cc シリンジ ニードル(無菌) ストップウォッチ フィールドクレスト(Fieldcrest)全乳(均
質,殺菌) DI H2 O 32℃(90°F)で持続された水浴 製造工程:水浴を90°F/32℃に加熱し、カバーせ
ずに温度を保つ。
【0760】きれいな/無菌の(漂白溶液も可)250
mlビーカーに牛乳を要れ、水浴内に入れ、49mlの
冷たい牛乳を各6つの瓶に入れた。密封瓶は、無菌のス
トッパー及びシールを有する。
【0761】パージガスはベーズガスを有する。
【0762】瓶6は24ccまたはAr雰囲気を除去す
る。Xe(混合源)24ccを添加する。
【0763】必要量のO2 を添加する。
【0764】5%=6cc 10%=12cc レンネット溶液を調製する。
【0765】3.8mlの液体カーフレンネットと、5
6.2mlのDI H2 O(全60ml)Sを混合す
る。
【0766】5mlのレンネット溶液を6×10cc乳
清入り瓶に移動する。すぐに適切な混合ガスを瓶に供給
する。ガスを供給した後、瓶を冷蔵する。牛乳を含む1
20ccの乳清入りの瓶を水浴(瓶を加えた後の水浴の
温度の低下を見る−約20分間)を用いて32℃/90
°Fに加熱する。6つの瓶の各々に注入する微生物溶液
を調製する。:132.8mgのメソフィリック ダイ
レクト セット チーズ スターターカルテル(Mes
ophilic Direct Set Cheese
Starter Culter)を秤量し、10cc
の乳清入り瓶(無菌)に入れる。32℃/90°Fに上
げられた10mlの牛乳を加える。混合する。
【0767】すぐに、6×1ccのシリンジと1ccの
微生物溶液を用意する。
【0768】6つの加熱された瓶に1ccの微生物溶液
を注入する。 タイマー 開始! 瓶を32℃/90°F水浴に戻す。
【0769】30分経過後、各ガス供給された瓶から
0.4mlのレンネット溶液をサンプルする。これらを
45分間再開下後、相応する牛乳に注入する。
【0770】45分経過後、0.4mlのレンネット溶
液を各6つの瓶に同時に添加する。 タイマー 開始! 各瓶を9分ごとに観察する。このようにして各ガス間に
対照となる5点が得られる。
【0771】すべての瓶が凝固を終了したとき実験が終
わる。
【0772】
【表4】
【0773】
【表5】 レンネットのプロトコール(R−3376)/30%ス
キムミルク ガス操作 酵素:レンネット(シグマNo.R−3376),カー
フ スタマック ロットNo.60H0800 約80%塩化ナトリウム50g含有 レンネット/レニンの活性は、その牛乳の凝固活性で表
され、その1部が10000部の牛乳を30℃60分で
凝固する標準レンネット配合に比べて測定される。1ユ
ニットの活性は、標準レンネット配合物の1%溶液1m
lの活性である。 基質:脱脂された牛乳(または2
0.9g乾燥牛乳粉末を200ml水に入れたもの)及
び1.0M CaCl2 溶液調製 溶液A:1.0M CaCl2 11.098gのCaCl2 を希釈水で溶解して100
mlにする。
【0774】溶液B:スキムミルクw/l 1M Ca
Cl2 300mlのスキムミルクに3mlの1M CaCl2
を添加する。
【0775】30mlのこの溶液を希釈水で100ml
に希釈する。
【0776】溶液C0 :0.2mg/mlレンネット
(R−3376) 40mgのR−3376を希釈水で100mlにする。
【0777】25mlのこの溶液を希釈水で50mlに
希釈する。
【0778】ガス G1…空気 G2…Ne G3…Ar G4…Kr G5…空気 G6…Xe G7…O2 G8…N2 温度 T1 30℃ T2 35℃ T3 35℃(逆オーダー) T4 45℃ T5 20℃ スケジュール 1日目 30℃−全8つのガス使用 2日目 35℃−全8つのガス使用 3日目 35℃−逆オーダーで全8つのガス使用 G5…空気 G6…Xe G7…O2 G8…N2 G1…空気 G2…Ne G3…Ar G4…Kr Ymax =100% ・ デジタルコントローラを35℃、フィッシャーサー
キュレータを30℃、及び高ポンプ速度に設定する。
【0779】・ つぼ(G1−G4)をつぼホルダ中に
入れ、温度を平衡させる。
【0780】・ 対応の酵素0.5mlを空の針でサン
プリングする。
【0781】・ 4つのつぼ全てに同時に上記酵素を注
入する。
【0782】データの収集を開始する。 [G6、G7、G8]・ファイル:RROT35G5−
8.SP) ・ つぼ(G5−G8)をつぼホルダ中に入れ、温度を
平衡させる。
【0783】・ 対応の酵素0.5mlを空の針でサン
プリングする。
【0784】・ 4つのつぼ全てに同時に上記酵素を注
入する。
【0785】データの収集を開始する。 [G2、G3、G4]・ファイル:RROT35G1−
4.SP) ・ T4 RUNS (45℃) スキムミルク有効期限: CPRG: 4セル %透過率 835nm 120pts(30分) INT 16s Ymin =0.0% Ymax =100% ・ デジタルコントローラを45℃、フィッシャーサー
キュレータを40℃、及び高ポンプ速度に設定する。
【0786】・ つぼ(G1−G4)をつぼホルダ中に
入れ、温度を平衡させる。
【0787】・ 対応の酵素0.5mlを空の針でサン
プリングする。
【0788】・ 4つのつぼ全てに同時に上記酵素を注
入する。
【0789】データの収集を開始する。 [G2、G3、G4]・ファイル:RENT45G1−
4.SP) ・ つぼ(G5−G8)をつぼホルダ中に入れ、温度を
平衡させる。
【0790】・ 対応の酵素0.5mlを空の針でサン
プリングする。
【0791】・ 4つのつぼ全てに同時に上記酵素を注
入する。
【0792】データの収集を開始する。 [G6、G7、G8]・ファイル:RENT45G5−
8.SP) ・ T5 RUNS (45℃) 調整された新溶液: スキムミルク有効期限: CPRG: 4セル %透過率 835nm 120pts(30分) INT 16s Ymin =0.0% Ymax =100% ・ デジタルコントローラを20℃、フィッシャーサー
キュレータを15℃、及び高ポンプ速度に設定する。
【0793】・ つぼ(G1−G4)をつぼホルダ中に
入れ、温度を平衡させる。
【0794】・ 対応の酵素0.5mlを空の針でサン
プリングする。
【0795】・ 4つのつぼ全てに同時に上記酵素を注
入する。
【0796】データの収集を開始する。 [G2、G3、G3]・ファイル:RENT20G1−
4.SP) ・ つぼ(G5−G8)をつぼホルダ中に入れ、温度を
平衡させる。
【0797】・ 対応の酵素0.5mlを空の針でサン
プリングする。
【0798】・ 4つのつぼ全てに同時に上記酵素を注
入する。
【0799】データの収集を開始する。 [G6、G7、G8]・ファイル:RENT20G5−
8.SP) ファイル: RENT30G1−4.SP −−−−−→ RENT30G5−8.SP 図1−9を以下により詳細に説明する。
【0800】図1は生乳からブルー(blue)チーズを作
るプロセスを概略的に示す。先ず、生乳が火入れ殺菌さ
れ、スターターと共に混合乳及びクリームが形成され、
続いてレネットで凝固される。凝固後及び乳清の分離を
伴う排液後、モールドはブロックフォームに硬化され、
次に、15℃へ冷却されながら安置処理される。次に、
上記ブロックフォームは塩水浴処理を受け、そして白色
モールドで射出され、そして熟成され、パッケージング
される。
【0801】図2は生乳からチェダー(cheddar )チー
ズを作るプロセスを概略的に示す。先ず、生乳が火入れ
殺菌され、スターターと共に混合乳及びクリームが形成
され、続いてレネットで凝固される。凝固、湯はぎ及び
排液後、乳清が分離され、この製品が練り、冷却、計
量、塩加、成形、加圧、乾燥され、更に包装される。
【0802】図3は生乳からモッツァレラ(mozzarell
a)チーズを作るプロセスを概略的に示す。火入れ殺
菌、酸性化、レネットによる生乳凝固後、この中間製品
が排液され、乳清が得られる。次に、この(カード)中
間製品が広げられ、冷却、塩加され、更にパッケージン
グされる。
【0803】図4は生乳からカッテージ(cottage )チ
ーズを作るプロセスを概略的に示す。火入れ殺菌後、混
合乳及びクリームがスターターと共に凝固され、この中
間製品が排液され、乳清が得られる。このカードが洗
浄、冷却、クリームと混合され、更に、パッケージング
される。
【0804】図5はレネット/スキムミルク系に対する
異なる温度でのアルゴンの効果を示す。30℃、35
℃、及び45℃の温度が使用された。
【0805】図6はレネット/スキムミルク系に対する
異なる温度での酸素の効果を示す。30℃、35℃、及
び45℃の温度が使用された。
【0806】45℃−全8ガス使用 4日: 20℃−全8ガス使用 必要とされる材料 [S]用の10ccのバイアルを8つ [E]用の10ccのバイアルを8つ 30ccのシリンジ 10ccのシリンジ 1ccのシリンジ 20G1.5の針 キュベット+ブルーシリコーンストッパー ブランク:R=2.0ml溶液B+0.5ml溶液C ガス操作: ・8つの10cc血清バイアルのそれぞれに溶液C(0.
2mg/ml、R−3376)を5ml加える。ストッパーお
よびクリンプでガス漏れのないシールを達成する。
【0807】・8つの10cc血清バイアルのそれぞれに
溶液B(30%脱脂牛乳+1MCaCl2 )を6ml加え
る。ストッパーおよびクリンプでガス漏れのないシール
を達成する。冷蔵する。
【0808】・基体バイアルを30ccのガスで3回、そ
の後10ccのガスで2回パージし、バイアルに10ccシ
リンジのガスを2回貯える。
【0809】・酵素バイアルを30ccのガスで3回、そ
の後10ccのガスで2回パージし、バイアルに10ccシ
リンジのガスを2回貯える。冷蔵する。
【0810】・ストッパーされたキュベットを10ccの
ガスで5回パージする。10ccのシリンジで2回貯え
る。冷蔵する。
【0811】・8つの1ccシリンジ/針を適当なガスで
パージし(キュベット毎に2つのシリンジ/針)、基体
をキュベットに移送する。
【0812】・ガスで処理された基体をパージされたシ
リンジ/針で移送し、できるだけ空気汚染を最小にす
る。
【0813】・シリンジ/針を適当なガスでパージし、
それで酵素を採取する。 分光光度計による調査、30℃ PARAM: Abs スリット 1nm 速度 1500nm/min ASave Y APrint N バックグラウンド補正:900〜190nm ・T1 実行(30℃) CPRG: 4セル % 透過率 835nm 120pts (30分) INT 16s Ymin =0.0% Ymax =100% ・ディジタルコントローラーを30℃にセットし、フィ
ッシャー循環器を25℃で高ポンプ速度にセットする。
【0814】・キュベット(G1 〜G4 )をキュベット
ホルダーに置き、温度を平衡にする。
【0815】・パージされた針で対応酵素0.5mlを採
取する。
【0816】・4つのすべてのキュベットに同時にその
酵素を注入する。データ収集を始める。
【0817】[G3 、G4 ]、ファイル:RENT30
G1 −4 .SP) ・キュベットおよび基体を35℃でガスで処理する(上
記の方法を用いて)。 ・基体を移送するために、1
ccシリンジ/針をパージする。
【0818】・基体2mlをそれぞれのキュベットに移送
する。10ccシリンジのガス2回により冷蔵する。
【0819】・キュベット(G5 〜G8 )をキュベット
ホルダーに置き、温度を平衡にする。
【0820】・パージされた針で対応酵素0.5mlを採
取する。
【0821】・4つのすべてのキュベットに同時にその
酵素を注入する。データ収集を始める。
【0822】[G6 、G7 、G8 ]、ファイル:REN
T30G5 −8 .SP) ・T2 実行(35℃) CPRG: 4セル % 透過率 835nm 120pts (20分) INT 16s Ymin =0.0% Ymax =100% ・ディジタルコントローラーを35℃にセットし、フィ
ッシャー循環器を30℃で高ポンプ速度にセットする。
【0823】・キュベット(G1 〜G4 )をキュベット
ホルダーに置き、温度を平衡にする。
【0824】・パージされた針で対応酵素0.5mlを採
取する。
【0825】・4つのすべてのキュベットに同時にその
酵素を注入する。データ収集を始める。
【0826】[G2 、G2 、G4 ]、ファイル:REN
T35G1 −4 .SP) ・キュベット(G5 〜G8 )をキュベットホルダーに置
き、温度を平衡にする。
【0827】・パージされた針で対応酵素0.5mlを採
取する。
【0828】・4つのすべてのキュベットに同時にその
酵素を注入する。データ収集を始める。
【0829】[G6 、G7 、G8 ]、ファイル:REN
T35G5 −8 .SP) ・T3 実行(35℃)リバースガスオーダー 準備された新しい溶液: 新鮮な脱脂牛乳を購入した: 有効期限: 注:反応は牛乳の新鮮さのためにより速い。
【0830】CPRG: 4セル % 透過率 835nm 120pts (30分) INT 16s Ymin =0.0%・ 図7は、レンネット/スキンミルク系に対する種々の温
度での窒素の効果を示す。30℃、35℃、45℃の温
度が使用された。
【0831】図8は、30℃におけるレンネット/スキ
ンミルク系に対する種々のガスの相対的効果を示す。
【0832】図9は、35℃におけるレンネット/スキ
ンミルク系に対する種々のガスの相対的効果を示す。
【0833】一般に、希ガス及び上述のものを含むガス
混合物は、1)酸性化、2)凝固、3)熟成及び包装の
4つの段階のそれぞれにおいて効果を有する。このプロ
セスは、温度及び圧力により制御され、本発明のガスは
通常のプロセス範囲において驚くべき良好な効果を示
す。更に、本発明の効果は、プロセスが最適範囲の操作
条件より低い条件で実施されるときに、特に有用であ
る。
【0834】更に、アルゴンの効果は、非常に充分であ
り、アルゴンは、工程1)及び2)への使用のためには
経済的に有利であるが、ガス容量が一般に大きすぎるの
で、工程3)への使用のためには経済的に有利ではな
い。工程3)及び4)への使用のためのより小容量の適
用については、1−3%のクリプトン又はキセノン又は
ネオン又はそれらの任意の組合わせを用いることが好ま
しい。
【0835】上述の記載からみて、明らかに本発明の多
くの修正及び変形が可能である。従って、特許請求の範
囲の範囲内において、本明細書において特に記載されて
いる以外の事項において本発明が実施可能であることは
理解されるべきである。
【0836】一般に、本発明のどの方法も、希ガス、希
ガスの混合物、又は少なくとも1種の希ガス及び少なく
とも1種の、窒素、酸素、空気、二酸化炭素、酸化窒素
又は一酸化炭素又はそれらの組合わせを含むガス混合物
を用いることが出来る。
【0837】更に、本発明は、約90:10(Kr/X
e)のようなオフストリ−ムガス混合物の使用を含んで
いる。
【0838】また、本発明は、脱酸素化された空気、即
ち一般に約15容量%未満、好ましくは10容量%未満
の酸素を含む空気と、そこに含まれる酸素の酸化作用を
相殺するに充分な少なくとも1種の希ガスとの混合物の
使用を含む。
【0839】一般に、本発明のガス及びガス混合物は、
約−190℃ないし約260℃の常温、冷凍温度及び調
理温度で、改良された食品の包装寿命を発揮する。
【0840】更に、本発明のガス及びガス混合物は、果
物、野菜、又はチキンのような新鮮な家禽、及び卵のよ
うな関連製品の包装寿命を増加させるために有利に使用
される。付加的に、本発明は、パン及び生パンのような
焼いた又は半焼きのパン製品、及び抽出物、葉、粉砕さ
れたスパイスを含むフレ−バ−、スパイス、及びかおり
の包装寿命を増加させるために有利に使用することが出
来る。
【0841】更に、本発明は、チ−ズ、ヨ−グルト、イ
−ストのような発酵した食料品、及びミルク、チ−ズ、
バタ−のような乳製品の貯蔵における寿命を強化する上
で有利に使用することが出来る。
【0842】本発明のガス及びガス混合物はまた、ピッ
ツア、ポテトチップ、プレッツエル、ナッツ、及び他の
いわゆるスナック製品のような加工された、すぐ食べら
れる製品の保存寿命を増加する上で有利に使用すること
が出来る。
【0843】更に、本発明の効果は、調理中又は調理後
にその雰囲気が加えられるかどうかにかかわらず、任意
の食料品の保存寿命を増加させるために使用することが
出来る。
【0844】更に、本発明の効果は、真空包装との関連
で、その後に加えられた雰囲気により得ることが出来
る。
【0845】本発明のガス又はガス混合物は、これらの
雰囲気の高圧の下で処理され、次いで1気圧で安定化さ
れたこれらの製品の寿命を増加させるために示される。
【0846】本発明のガス又はガス混合物は、加工前、
中、後に、希ガス又はガス混合物が液中に溶解した時に
効果的である。
【0847】本発明のガス又はガス混合物は、特に液化
ガスの下での冷凍中に、希ガス又は混合物が液体として
加えられるときに効果的である。
【0848】本発明のガス又はガス混合物は、食品に内
在し、微生物代謝に内在し、食品の加工中に外的に加え
られ、微生物によって分泌された酵素を含む、食品の劣
化において重要な酵素の活性を制御するように作用す
る。
【0849】本発明のガス又はガス混合物は、食品の酸
化を制御するように作用する。
【0850】本発明のガス又はガス混合物は、生の、未
加工の、加工された、調理された、燻製にされた、缶詰
にされた、又は塩づけにされた食品の寿命を増加させる
ように作用する。
【0851】本発明は、流入、噴射、散布、流入を伴う
真空の適用、加圧、不透過性又は半透過性膜を被覆され
た又は不透過性又は半透過性膜により形成された、製品
を収容し、シ−ルされた容器への導入、食品に、食品中
に、食品の周囲に連続的にガスを流入されること、腐敗
性又は殺菌の条件におくこと、を含むガスと食品との接
触を許容する任意の手段を用いた場合に効果的である。
この場合、容器は加圧されるか又はされず、また容器
は、バルク状、輸送用、一口用のタイプであり、更に容
器は成形可能なパウチ、噴射可能なパウチ、シ−ル可能
なパウチ、成形可能なトレイ、真空成形可能なトレイ又
はパウチ、熱成形可能なトレイ又はパウチ、又はフィル
ムでカバ−されたトレイであり、更にまた容器は、冷凍
され、冷蔵され、又は常温に維持され、又は後に調理さ
れる。
【0852】一般に、本発明は、食品と、希ガス及び/
又は希ガスの混合物及び/又は希ガスを含む混合物と接
触させることによって、食品中に微生物を繁殖させる酵
素をコントロ−スする方法を提供する。
【0853】食品を希ガス及び/又は希ガスを含む混合
物との混合物と接触させることにより、食品を劣化させ
る、食品自体により生成される酵素を制御する方法。
【0854】食品を希ガス及び/又は希ガスの混合物及
び/又は希ガスを含む混合物と接触させることにより、
食品中又は食品上の腐敗性微生物により分泌された酵素
を制御する方法。
【0855】食品を希ガス及び/又は希ガスの混合物及
び/又は希ガスを含む混合物と接触させることにより、
食品中又は食品上の酵素を制御する方法。
【0856】食品を希ガス及び/又は希ガスの混合物及
び/又は希ガスを含む混合物と接触させることにより、
食品の色及び又は外観を保存するする方法。
【0857】食品を希ガス及び/又は希ガスの混合物及
び/又は希ガスを含む混合物と接触させることにより、
食品の非酵素化学酸化反応を制御する方法。
【0858】以上、本発明について記載したが、本発明
の精神及び範囲を逸脱することなく、上述の態様に対
し、多くの修正及び変形がなされ得ることは、当業者に
明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】室温におけるトマトのガスの吸い上げに起因し
た異なるガスによる質量変化を示す図。
【図2】25℃における酵素タイロシナーゼに及ぼす示
された異なるガスの影響を示す図。
【図3】A.alternateの成長に及ぼす希ガス
雰囲気の影響を示す図。
【図4】E.coliの成長に及ぼす希ガス雰囲気の影
響を示す図。
【図5】リンゴの在庫可能期間に及ぼす示された異なる
雰囲気の影響を示す図。
【図6】室温に貯蔵されたニンジンの微生物負荷に及ぼ
す示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図7】室温に貯蔵されたニンジンの微生物負荷に及ぼ
す示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図8】室温で貯蔵されたニンジンの微生物負荷に及ぼ
す示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図9】冷凍された魚の切身の微生物負荷に及ぼす示さ
れた異なる雰囲気の影響を示す図。
【図10】冷凍された魚の切身の微生物負荷に及ぼす示
された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図11】冷凍されたサヤインゲンの微生物負荷に及ぼ
す示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図12】冷凍されたサヤインゲンの微生物負荷に及ぼ
す示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図13】冷凍されたサヤインゲンの微生物負荷に及ぼ
す示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図14】室温で貯蔵されたサヤインゲンの微生物負荷
に及ぼす示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図15】室温で貯蔵されたサヤインゲンの微生物負荷
に及ぼす示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図16】室温で貯蔵されたレタスの微生物負荷に及ぼ
す示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図17】室温で貯蔵されたレタスの微生物負荷に及ぼ
す示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図18】冷凍されたミックスサラダの微生物負荷に及
ぼす示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図19】冷凍された小エビの微生物負荷に及ぼす示さ
れた異なる雰囲気の影響を示す図。
【図20】冷凍された小エビの微生物負荷に及ぼす示さ
れた異なる雰囲気の影響を示す図。
【図21】冷凍されたスメルトの微生物負荷に及ぼす示
された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図22】冷凍されたスメルトの微生物負荷に及ぼす示
された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図23】室温におけるイチゴの微生物負荷に及ぼす示
された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図24】室温におけるイチゴの微生物負荷に及ぼす示
された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図25】室温におけるスライストマトの微生物負荷に
及ぼす示された異なる雰囲気の影響を示す図。
【図26】ブルーチーズの製造工程を示す図。
【図27】チェダーチーズの製造工程を示す図。
【図28】モッツェレラチーズの製造工程を示す図。
【図29】コテージチーズの製造工程を示す図。
【図30】異なる温度におけるレンネット/スキムミル
ク系に及ぼすアルゴンの影響を示す図。
【図31】異なる温度におけるレンネット/スキムミル
ク系に及ぼす酸素の影響を示す図。
【図32】異なる温度におけるレンネット/スキムミル
ク系に及ぼす窒素の影響を示す図。
【図33】30℃におけるレンネット/スキムミルク系
を増大させる本発明のガスの効果を示す図。
【図34】35℃におけるレンネット/スキムミルク系
を増大させる本発明のガスの効果を示す図。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希ガス、希ガスを含む混合ガス、もしく
    は少なくとも1種の希ガスとキャリアガスを含む混合ガ
    スを食品に接触させることを特徴とする食品の加工、保
    存方法。
  2. 【請求項2】 加工、保存が食品の酸化を抑制すること
    からなることを特徴とする請求項1記載の食品の加工、
    保存方法。
  3. 【請求項3】 加工、保存が食品における微生物の成育
    を抑制することからなることを特徴とする請求項1また
    は2記載の食品の加工、保存方法。
  4. 【請求項4】 加工、保存が食品の変色を抑制すること
    からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の食品の加工、保存方法。
  5. 【請求項5】 加工、保存が果実または野菜の熟成を制
    御することからなることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載の食品の加工、保存方法。
  6. 【請求項6】 加工、保存が酸化または酵素による分解
    による食品の腐敗を抑制することからなることを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれかに記載の食品の加工、
    保存方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の加
    工、保存方法によりチョコレート、その先駆物質または
    チョコレート含有製品の芳香、風味を改善する方法であ
    って、容器に入れられたチョコレート、その先駆物質ま
    たはチョコレート含有製品に、アルゴン、クリプトン、
    キセノン、ネオンまたはその混合物のいずれかから選ば
    れるガスまたはガス混合物を注入し、これら食品を該ガ
    スまたはガス混合物で、実質的に飽和させ、この飽和を
    該容器内部の実質的全体に、かつ、その食品収容期間の
    実質的全体において維持させることを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の加
    工、保存方法によりチョコレート、その先駆物質または
    チョコレート含有製品の製造方法を改善する方法であっ
    て、その製造工程の少なくとも1工程において、容器に
    入れられたチョコレート、その先駆物質またはチョコレ
    ート含有製品に、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネ
    オンまたはその混合物のいずれかから選ばれるガスまた
    はガス混合物を注入し、これら食品を該ガスまたはガス
    混合物で、実質的に飽和させ、この飽和を該容器内部の
    実質的全体に、かつ、その製造工程の少なくとも1工程
    の実質的全体において維持させることを特徴とする方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれかに記載の加
    工、保存方法によりチーズ、その先駆物質またはチーズ
    含有製品の芳香、風味を改善する方法であって、容器に
    入れられたチーズ、その先駆物質またはチーズ含有製品
    に、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネオンまたはそ
    の混合物のいずれかから選ばれるガスまたはガス混合物
    を注入し、これら食品を該ガスまたはガス混合物で、実
    質的に飽和させ、この飽和を該容器内部の実質的全体
    に、かつ、その製造工程の少なくとも1工程の実質的全
    体において、あるいはその食品収容期間の実質的全体に
    おいて維持させることを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 該ガスまたはガス混合物が実質的に製
    造プロセス全体において用いられることを特徴とする請
    求項1ないし9のいずれかに記載の食品の加工、保存方
    法。
  11. 【請求項11】 該ガスまたはガス混合物をガス状、液
    状、もしくはその双方により注入されることを特徴とす
    る請求項1ないし10のいずれかに記載の食品の加工、
    保存方法。
  12. 【請求項12】 食品を該ガスまたはガス混合物で最大
    飽和レベルの50%以上で飽和させることを特徴とする
    請求項1ないし11のいずれかに記載の食品の加工、保
    存方法。
  13. 【請求項13】 食品を該ガスまたはガス混合物で最大
    飽和レベルの70%以上で飽和させることを特徴とする
    請求項1ないし11のいずれかに記載の食品の加工、保
    存方法。
  14. 【請求項14】 食品を該ガスまたはガス混合物で最大
    飽和レベルの80%以上で飽和させることを特徴とする
    請求項1ないし11のいずれかに記載の食品の加工、保
    存方法。
  15. 【請求項15】 該キャリアガスが、窒素、酸素、亜酸
    化窒素、空気、ヘリウム、二酸化炭素、またはその混合
    物から選ばれるものであることを特徴とする請求項1な
    いし14のいずれかに記載の食品の加工、保存方法。
  16. 【請求項16】 該ガス混合物またはガス混合物の成分
    が90〜99容量%のアルゴンと1〜10容量%のXe
    および/またはKrからなることを特徴とする請求項1
    ないし15のいずれかに記載の食品の加工、保存方法。
  17. 【請求項17】 該ガス混合物またはガス混合物の成分
    が50容量%のNeと50容量%のHeからなることを
    特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の食品
    の加工、保存方法。
  18. 【請求項18】 該ガス混合物またはガス混合物の成分
    が5〜10容量%のXeと90〜95容量%のKrから
    なることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに
    記載の食品の加工、保存方法。
  19. 【請求項19】 該ガスまたはガス混合物による処理を
    温度0ないし40℃で行うことを特徴とする請求項1な
    いし18のいずれかに記載の食品の加工、保存方法。
  20. 【請求項20】 該ガスまたはガス混合物による処理を
    温度10ないし30℃で行うことを特徴とする請求項1
    ないし18のいずれかに記載の食品の加工、保存方法。
  21. 【請求項21】 該ガスまたはガス混合物による処理を
    圧力10気圧未満で行うことを特徴とする請求項1ない
    し20のいずれかに記載の食品の加工、保存方法。
  22. 【請求項22】 該ガスまたはガス混合物による処理を
    圧力3気圧未満で行うことを特徴とする請求項1ないし
    20のいずれかに記載の食品の加工、保存方法。
  23. 【請求項23】 該ガスまたはガス混合物による処理を
    圧力1ないし2気圧で行うことを特徴とする請求項1な
    いし20のいずれかに記載の食品の加工、保存方法。
  24. 【請求項24】 該ガスまたはガス混合物による処理を
    圧力約1気圧で行うことを特徴とする請求項1ないし2
    0のいずれかに記載の食品の加工、保存方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0994384A (ja) * 1995-09-29 1997-04-08 Fukumatsu Noguchi ドライクリーニング装置

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JPH0994384A (ja) * 1995-09-29 1997-04-08 Fukumatsu Noguchi ドライクリーニング装置

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