JPH07155755A - 水質改良方法 - Google Patents

水質改良方法

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JPH07155755A
JPH07155755A JP31090093A JP31090093A JPH07155755A JP H07155755 A JPH07155755 A JP H07155755A JP 31090093 A JP31090093 A JP 31090093A JP 31090093 A JP31090093 A JP 31090093A JP H07155755 A JPH07155755 A JP H07155755A
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JP
Japan
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frequency
water
charged particles
water quality
magnetic field
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JP31090093A
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Takeo Oe
武男 大江
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NETSUKOO KK
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NETSUKOO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水中溶存荷電粒子に莫大な振動を与え、錆や
スケール等に関与する荷電粒子の有害挙動を根底から破
壊することにある。 【構成】 水が移動する領域内に同調回路を配設し、こ
の同調回路に高周波電流を供給する。必要に応じてイン
ピーダンス調整して同調回路に流れる電流を最適に調整
する。同調回路周囲に形成される振動磁界により、荷電
粒子にローレンツ力を与え、該ローレンツ力に基づく振
動に加えて、振動磁界自体の振動を相乗的に作用させ、
これによる莫大な振動数や、又は荷電粒子の固有振動数
に見合う振動数による共振により、荷電粒子の有害挙動
を根底から破壊する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動磁界におけるロー
レンツ力に基づく荷電粒子の振動を応用した水質改良方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】給水・給湯系統、冷温水配管、循環冷却
水システム又はボイラ缶体の、赤水防止、防蝕又は防ス
ケール対策として、JISでは各種清缶剤による化学的
処理を規定しているが、最近薬品公害の懸念から物理的
処理法として、電子ないし磁気による水処理が提案され
ている。この水処理は、微弱な電流又は磁気を水に作用
させることにより、水中のマイナス電位を高め、水に含
まれた陽イオンであるミネラル分のプラス電位を中和な
いし減少させ、もって管壁に付着しやすいCa++,Mg
++,シリカ++,鉄++などのミネラル分の本来の性質(静
電引力)を消滅ないし減衰させるといわれている。
【0003】また電子場処理法は、ある特定周波の電子
を水に付与し、水の分子とミネラルイオンの極性を変え
てしまうことによって、熱交換面から離れたところでミ
ネラルの結晶体を析出させるとしている。
【0004】更に、ある電子水処理装置では、スケール
生成物(Ca,Mg,SiO2)の水和イオンを含んだ
水が装置を通過する際、水の電気分解電圧以下の電圧を
通水管中の2つの電極間に印加することにより形成され
る電界の作用により、スケール生成物のイオンが配向を
受け、カソード曲面に向い、その付近で濃度が増加し、
イオン状で存在し得なくなり、この結果同極面で析出
し、スケール生成物の除去が行なわれ、熱交換部の表面
をクリーンに保つとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のJISの化学的
方法は、薬品の発癌性の問題、水環境の汚染、高い維持
管理コストなどの問題があり、また他の物理的処理方法
はボイラ缶体や熱交換器の赤水防止、防錆又は防スケー
ル対策などのきわめて限定的な用途しかない上に、その
効果も十分でないということが次第に知られるようにな
った。
【0006】本発明の目的は、ボイラ缶体の赤水防止や
防蝕などに限らず、飲食品製造分野、畜産農業分野、コ
ンクリート成形分野など、およそ水を使用するすべての
産業分野で有効な、画期的水質改良方法を提供すること
にある。すなわち、水質改良効果をもたらす最有力な方
法が振動磁界であることに着目すると共に、これを使用
した水質改良方法を具体化し、その応用について包括的
かつ理論的な根拠を与え、もって水中溶存荷電粒子のオ
ーソドックスな有害挙動の改変を効果的に行い、飛躍的
な水質改良効果を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水中に溶存
する微粒子はミネラル成分や有機質成分を含めて大半が
荷電粒子であることと、磁界の強さH[A/m]の磁界
内を電荷q[C]を有する水中の該荷電粒子が移動する
とき(この際その速度は無関係となる。)、ローレンツ
力を受け、その振動数F1はqμ0H/2πMで与えられ
る。ここでμ0[H/m]は水の透磁率、M[kg]は
荷電粒子の静止質量である。なお[ ]内の記号は、m
(メートル)・k(キログラム)・s(秒)の合理化単
位である。
【0008】この振動数F1自体もかなり大きいが、磁
場を高周波電流により振動磁界にすると、当該磁界の振
動数をF2とした場合、荷電粒子に作用する振動数Fは
1×F2となり、相乗作用にて莫大な振動数を作用させ
ることができるのである。
【0009】
【作用】このような莫大な振動数が水中の溶存荷電粒子
に作用すると、従来の荷電粒子の有害挙動、例えばボイ
ラ缶体での赤水発生やスケール付着のメカニズムが根底
から改変される。このような有害メカニズムの徹底的な
改変は、単にボイラーなどの熱交換器分野に限らず、前
述したように飲食品製造分野、畜産農業分野、コンクリ
ート成形分野など、およそ水を使用するすべての産業分
野で実現され得る共通の事象であって、本発明の応用分
野はまことに広大無辺といえる。
【0010】
【実施例】上述の振動磁界を得るためには、高周波電流
を効率よく、即ちインピーダンスを小さくして流す必要
があるが、図1のR,L,Cの直列回路が高周波電流の
同調回路(インピーダンスの最も小さい回路)として知
られている。この回路では、周波数をfとすると、電流
Iは、 I=E/ (R2+(2πfL−1/(2πfC))2) となる。 2πfL−1/(2πfC)のときIは最大になる。 故に、 f=1/(2π (LC)) となり、この周波数を同調周波数という。
【0011】以上の説明のように、高周波電流の周波数
(振動数)fは、 F=1/2π (LC)の関係から、コイルのL(リア
クタンス)、コンデンサのC(容量)の選定により、任
意の周波数の高周波電流との同調が得られ、最大の電流
が流れる。
【0012】以下、この回路を使用して本発明の若干の
実施例を図に基づき説明する。
【0013】図2(A)(B)(C)は水質改良装置P
の基本的概念図を示し、水管1内に同調回路2R,2
L,2Cを配設し、この同調回路に高周波電流供給源3
を接続している。高周波電流の周波数はMHz帯からG
Hz帯の周波数とする。同図(A)は同調回路中の抵抗
Rを、(B)は同調回路中のコイルLを、(C)は同調
回路中のコンデンサCをそれぞれ電極として採用してい
る。水管1は水が流れる水管、例えばボイラ用給水管や
冷却水循環水路などを想定できる。
【0014】このように構成した水質改良装置Pにおい
て、同調回路2R,2L,2Cに通電した状態で水管1
の一端に例えば水道水や工業用水を導入すると、電極の
周囲に高周波電流により振動磁界が形成され、当該水中
の溶存帯電粒子にローレンツ力に基づく巨大な振動数が
作用する。
【0015】すなわち、水は溶解能が高く各種の物質が
溶かされてイオン化されている。例えばCa2+,N
+,Fe2+,Cl-,HSiO3 -,H+,OH-,e-
ど多種多様な荷電粒子が存在している。これら荷電粒子
の挙動により水質が悪くもなれば良くもなる。
【0016】電極による振動磁界内で水中の荷電粒子が
移動すると、ローレンツ力に基づきF1=qμ0H/2π
Mの周波数が荷電粒子に作用し、加えて振動磁界自体の
周波数F2も荷電粒子に作用し、結局、両周波数の相乗
効果によりF1×F2という莫大な周波数が荷電粒子に作
用することになる。これを具体的に計算すると、 電子の電気量:q=1.6×10-19[C] 真空の透磁率:μ0=4π×10-7 [H/m] 磁界強さ:H[A/m] 電子の静止質量:M=9×10-31 [kg] として、荷電粒子は電子(e-)とし、まず真空中での
ローレンツ力のみに基づ く振動数を求めると、 F1=qμ0H/2πM =1.6×10-19×4π×10-7×H/(2π×9×10-31) =3.6×104×H となる。
【0017】同様に荷電粒子が陽子の場合には、 F1=1.6×10-19×4π×10-7×H/(2π×1.7×10-27) =1.9×10×H となる。
【0018】これに振動磁界自体の周波数F2を掛けた
F=F1×F2が荷電粒子に作用することになる。ここで
同調回路に衛星通信などで使用する10GHzの高周波
電流を流すと、F2=1010であるから、電子の場合に
は、 F1=3.6×104×H×1010となる。ここでH=A
/mである。
【0019】以上の計算結果に基づき水中での振動数を
求める。水の比透磁率を102とし、同調回路から10
cmの半径の水路内の動電磁界を考えると、H=A/1
-1となり、 F=3.6×104×1010×102×(A/10-1) =3.6×1017×A となる。
【0020】ここで、溶存荷電粒子の一つでボイラのス
ケール発生に関与するケイ酸イオンを振動により活性化
する場合を例にとると、同イオンの固有振動数は概略1
014であるから、必要電流は、 A(アンペア) 0.3×10-3=0.3ミリアンペア となり、非常に小さなエネルギで水中を移動する例えば
ケイ酸イオン粒子にその固有振動数にほぼ見合うだけの
振動数を与えることができることがわかる。これにより
同粒子の共振振動を引き起こし、従来の化学的理論(現
在では古典的物理学に属する。)で考えられていたボイ
ラなどでのスケール生成メカニズムを根底から破壊で
き、スケール発生を効果的に防止することができる。
【0021】ちなみに、機械工学でいう剛体の固有振動
数と共振する振動の破壊力について説明すると図4のよ
うになる。
【0022】図に示すように回転軸に物体が固定し、そ
の重心が軸の中心線からeだけ偏心しているとき、軸が
回転すると、wを軸の角速度(振動と考えることができ
る)、δを軸のたわみkを軸のばね定数、gを重力の加
速度Wを物体の重量として、次式が成立する。 W(δ+e)ω2/g=kδ 故にδ=eω2/(W/g(kg/W−ω2)) 従って
ω=√(kg/W)のとき、分母が0となりδ(たわ
み)は無限大となる。
【0023】ここでkg/Wはこの系の固有振動数。
【0024】軸のたわみが無限大となり、系は完全の破
壊される。従って、例えばケイ酸イオン粒子の固有振動
数と見合う振動が与えられると、その莫大なエネルギー
により、所謂活性ケイ酸となり、防錆効果、防スケール
効果が期待できる。
【0025】また鉄の腐食についても同様のことがいえ
る。すなわち水中の鉄の腐食には、Fe2+,e-,H+
OH-がかかわっているとされるが、これらの荷電粒子
の激しい振動により腐食のメカニズムなどが徹底的に破
壊され、高い防錆効果が得られるのである。
【0026】前記の如く、必要振動数はF1×F2の関係
から得られるので、高周波電流の周波数(振動数)F2
を1000倍にすれば、ローレンツ力による振動Fは1
/1000でよいことになる。ところが、F1=qμ0
/2πMでHだけが変数であり、単位がA/m[アンペ
ア/メータ]なので、アンペア即ち電流を1/1000
にできる計算となる。従って極めて経済的でかつ装置を
小型化できるため本発明の応用範囲を広げるのに好都合
である。更に図2の(B)のようにコイルを電極として
使う場合、コイルの巻数をTとすると、H=[A/m]
がH=[AT/m]となって磁束強さがT倍されるの
で、より有効である。
【0027】またMHz(メガヘルツ、106〜109
帯からGHz(ギガヘルツ、109〜1012)帯の放送
通信用電波も、小さな電流で利用できるので、受信アン
テナ、増幅回路を持てばよく、電源レスでも本発明を実
施できる。
【0028】図3(A)(B)は本発明の他の2つの実
施例を示し、(A)は熱交換器Hの冷却水入り口側にお
いて同調回路中のコンデンサCを電極2Cとして内蔵し
たもの、(B)はボイラ缶体B内に同調回路中のコンデ
ンサCを電極2Cとして収納したものである。特に後者
は適当な増幅回路4を介して受信アンテナ5と接続し、
電源レス化を図っている点に特徴がある。受信アンテナ
5は各種形式を採用可能で、所望する周波数帯に最適な
感度及び形式の受信アンテナを選択すればよい。
【0029】その他本発明の応用について述べれば、上
述の理論のように、この装置はA(アンペア)の調整に
よっても振動数を増減できるので、水のpH、Mアルカ
リ度、導電率、溶存荷電粒子の種類及び濃度と水質改良
効果との相関関係に基づき、最善の改良効果をもたらす
ように荷電粒子に作用する振動数を微妙に調整すること
ができる。
【0030】また電極R,L,Cを直接に水中に設置す
る代わりに、同調回路に接続された各種形式のアンテナ
を水中に設置してもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明は前記の如く、水分子が移動する
領域内に配設した同調回路に高周波電流を供給し、同調
回路周囲の水中溶存荷電粒子を含む荷電粒子にローレン
ツ力に基づく振動数と振動磁界自体の振動数を相乗的に
作用させ、これによる莫大な振動数や、この振動による
荷電粒子の固有振動数との共振により、錆やスケールの
発生等に関与していた荷電粒子の有害な挙動を根底から
破壊できるので、画期的な錆・スケール防止効果が得ら
れるのは勿論のこと、これに限らず、飲食品製造分野で
の飲食品の味覚及び保存性向上、畜産農業園芸分野での
肉質ないし品質および生育速度の向上が図れ、コンクリ
ート成形分野ではコンクリート品質の向上など、およそ
水を使用するすべての産業分野で革新的な水質改良効果
に基づき数多くの有益な効果を爆発的に創出することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同調回路の基本構成図。
【図2】(A)(B)(C)はそれぞれ本発明の実施例
の概略構成図。
【図3】(A)(B)は本発明の他の実施例の概略構成
図。
【図4】固有振動数と共振する振動による破壊力につい
て説明する図。
【符号の説明】
1 水管 2R,2L,2C 同調回路の抵抗、リアクタンス、コ
ンデンサ 3 高周波電流供給源
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水質改良方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動磁界におけるロー
レンツ力に基づく荷電粒子の振動を応用した水質改良方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】給水・給湯系統、冷温水配管、循環冷却
水システム又はボイラ缶体の、赤水防止、防蝕又は防ス
ケール対策として、JISでは各種清缶剤による化学的
処理を規定しているが、最近薬品公害の懸念から物理的
処理法として、電子ないし磁気による水処理が提案され
ている。この水処理は、微弱な電流又は磁気を水に作用
させることにより、水中のマイナス電位を高め、水に含
まれた陽イオンであるミネラル分のプラス電位を中和な
いし減少させ、もって管壁に付着しやすいCa ++ ,Mg
++,シリカ++,鉄++などのミネラル分の本来の性質(静
電引力)を消滅ないし減衰させるといわれている。
【0003】また電子場処理法は、ある特定周波の電子
を水に付与し、水の分子とミネラルイオンの極性を変え
てしまうことによって、熱交換面から離れたところでミ
ネラルの結晶体を析出させるとしている。
【0004】更に、ある電子水処理装置では、スケール
生成物(Ca,Mg,SiO2)の水和イオンを含んだ
水が装置を通過する際、水の電気分解電圧以下の電圧を
通水管中の2つの電極間に印加することにより形成され
る電界の作用により、スケール生成物のイオンが配向を
受け、カソード曲面に向い、その付近で濃度が増加し、
イオン状で存在し得なくなり、この結果同極面で析出
し、スケール生成物の除去が行なわれ、熱交換部の表面
をクリーンに保つとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のJISの化学的
方法は、薬品の発癌性の問題、水環境の汚染、高い維持
管理コストなどの問題があり、また他の物理的処理方法
はボイラ缶体や熱交換器の赤水防止、防錆又は防スケー
ル対策などのきわめて限定的な用途しかない上に、その
効果も十分でないということが次第に知られるようにな
った。
【0006】本発明の目的は、ボイラ缶体の赤水防止や
防蝕などに限らず、飲食品製造分野、畜産農業分野、コ
ンクリート成形分野など、およそ水を使用するすべての
産業分野で有効な、画期的水質改良方法を提供すること
にある。すなわち、水質改良効果をもたらす最有力な方
法が振動磁界であることに着目すると共に、これを使用
した水質改良方法を具体化し、その応用について包括的
かつ理論的な根拠を与え、もって水中溶存荷電粒子のオ
ーソドックスな有害挙動の改変を効果的に行い、飛躍的
な水質改良効果を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水中に溶存
する微粒子はミネラル成分や有機質成分を含めて大半が
荷電粒子であることと、磁界の強さH[A/m]の磁界
内を電荷q[C]を有する水中の該荷電粒子が移動する
とき(この際その速度は無関係となる。)、ローレンツ
力を受け、その振動数F1はqμ0H/2πMで与えられ
る。ここでμ0[H/m]は水の透磁率、M[kg]は
荷電粒子の静止質量である。なお[ ]内の記号は、m
(メートル)・k(キログラム)・s(秒)の合理化単
位である。
【0008】この振動数F1自体もかなり大きいが、磁
場を高周波電流により振動磁界にすると、当該磁界の振
動数をF2とした場合、荷電粒子に作用する振動数Fは
1×F2となり、相乗作用にて莫大な振動数を作用させ
ることができるのである。
【0009】
【作用】このような莫大な振動数が水中の溶存荷電粒子
に作用すると、従来の荷電粒子の有害挙動、例えばボイ
ラ缶体での赤水発生やスケール付着のメカニズムが根底
から改変される。このような有害メカニズムの徹底的な
改変は、単にボイラーなどの熱交換器分野に限らず、前
述したように飲食品製造分野、畜産農業分野、コンクリ
ート成形分野など、およそ水を使用するすべての産業分
野で実現され得る共通の事象であって、本発明の応用分
野はまことに広大無辺といえる。
【0010】
【実施例】上述の振動磁界を得るためには、高周波電流
を効率よく、即ちインピーダンスを小さくして流す必要
があるが、図1のR,L,Cの直列回路が高周波電流の
同調回路(インピーダンスの最も小さい回路)として知
られている。この回路では、周波数をfとすると、電流
Iは、 I=E/(R2+(2πfL−1/(2πfC))2) となる。 2πfL1/(2πfC)のときIは最大になる。 故に、 f=1/(2π(LC)) となり、この周波数を同調周波数という。
【0011】以上の説明のように、高周波電流の周波数
(振動数)fは、 F=1/2π(LC)の関係から、コイルのL(リア
クタンス)、コンデンサのC(容量)の選定により、任
意の周波数の高周波電流との同調が得られ、最大の電流
が流れる。
【0012】以下、この回路を使用して本発明の若干の
実施例を図に基づき説明する。
【0013】図2(A)(B)(C)は水質改良装置P
の基本的概念図を示し、水管1内に同調回路2R,2
L,2Cを配設し、この同調回路に高周波電流供給源3
を接続している。高周波電流の周波数はMHz帯からG
Hz帯の周波数とする。同図(A)は同調回路中の抵抗
Rを、(B)は同調回路中のコイルLを、(C)は同調
回路中のコンデンサCをそれぞれ電極として採用してい
る。水管1は水が流れる水管、例えばボイラ用給水管や
冷却水循環水路などを想定できる。
【0014】このように構成した水質改良装置Pにおい
て、同調回路2R,2L,2Cに通電した状態で水管1
の一端に例えば水道水や工業用水を導入すると、電極の
周囲に高周波電流により振動磁界が形成され、当該水中
の溶存帯電粒子にローレンツ力に基づく巨大な振動数が
作用する。
【0015】すなわち、水は溶解能が高く各種の物質が
溶かされてイオン化されている。例えばCa2+,N
+,Fe2+,Cl-,HSiO3 -,H+,OH-,e-
ど多種多様な荷電粒子が存在している。これら荷電粒子
の挙動により水質が悪くもなれば良くもなる。
【0016】電極による振動磁界内で水中の荷電粒子が
移動すると、ローレンツ力に基づきF1=qμ0H/2π
Mの周波数が荷電粒子に作用し、加えて振動磁界自体の
周波数F2も荷電粒子に作用し、結局、両周波数の相乗
効果によりF1×F2という莫大な周波数が荷電粒子に作
用することになる。これを具体的に計算すると、 電子の電気量:q=1.6×10-19[C] 真空の透磁率:μ0=4π×10-7 [H/m] 磁界強さ:H[A/m] 電子の静止質量:M=9×10-31 [kg] として、荷電粒子は電子(e-)とし、まず真空中での
ローレンツ力のみに基づ く振動数を求めると、 F1=qμ0H/2πM =1.6×10-19×4π×10-7×H/(2π×9×10-31) =3.6×104×H となる。
【0017】同様に荷電粒子が陽子の場合には、 F1=1.6×10-19×4π×10-7×H/(2π×1.7×10-27) =1.9×10×H となる。
【0018】これに振動磁界自体の周波数F2を掛けた
F=F1×F2が荷電粒子に作用することになる。ここで
同調回路に衛星通信などで使用する10GHzの高周波
電流を流すと、F2=1010であるから、電子の場合に
は、 F1=3.6×104×H×1010となる。ここでH=A
/mである。
【0019】以上の計算結果に基づき水中での振動数を
求める。水の比透磁率を102とし、同調回路から10
cmの半径の水路内の動電磁界を考えると、H=A/1
-1となり、 F=3.6×104×1010×102×(A/10-1) =3.6×1017×A となる。
【0020】ここで、溶存荷電粒子の一つでボイラのス
ケール発生に関与するケイ酸イオンを振動により活性化
する場合を例にとると、同イオンの固有振動数は概略1
14 であるから、必要電流は、 A(アンペア) 0.3×10-3=0.3ミリアンペア となり、非常に小さなエネルギで水中を移動する例えば
ケイ酸イオン粒子にその固有振動数にほぼ見合うだけの
振動数を与えることができることがわかる。これにより
同粒子の共振振動を引き起こし、従来の化学的理論(現
在では古典的物理学に属する。)で考えられていたボイ
ラなどでのスケール生成メカニズムを根底から破壊で
き、スケール発生を効果的に防止することができる。
【0021】ちなみに、機械工学でいう剛体の固有振動
数と共振する振動の破壊力について説明すると図4のよ
うになる。
【0022】図に示すように回転軸に物体が固定し、そ
の重心が軸の中心線からeだけ偏心しているとき、軸が
回転すると、ωを軸の角速度(振動と考えることができ
る)、δを軸のたわみkを軸のばね定数、gを重力の
加速度Wを物体の重量として、次式が成立する。 W(δ+e)ω2/g=kδ 故にδ=eω2/(W/g(kg/W−ω2)) 従って
ω=√(kg/W)のとき、分母が0となりδ(たわ
み)は無限大となる。
【0023】ここでkg/Wはこの系の固有振動数。
【0024】軸のたわみが無限大となり、系は完全の破
壊される。従って、例えばケイ酸イオン粒子の固有振動
数と見合う振動が与えられると、その莫大なエネルギー
により、所謂活性ケイ酸となり、防錆効果、防スケール
効果が期待できる。
【0025】また鉄の腐食についても同様のことがいえ
る。すなわち水中の鉄の腐食には、Fe2+,e-,H+
OH-がかかわっているとされるが、これらの荷電粒子
の激しい振動により腐食のメカニズムなどが徹底的に破
壊され、高い防錆効果が得られるのである。
【0026】前記の如く、必要振動数はF1×F2の関係
から得られるので、高周波電流の周波数(振動数)F2
を1000倍にすれば、ローレンツ力による振動Fは1
/1000でよいことになる。ところが、F1=qμ0
/2πMでHだけが変数であり、単位がA/m[アンペ
ア/メータ]なので、アンペア即ち電流を1/1000
にできる計算となる。従って極めて経済的でかつ装置を
小型化できるため本発明の応用範囲を広げるのに好都合
である。更に図2の(B)のようにコイルを電極として
使う場合、コイルの巻数をTとすると、H=[A/m]
がH=[AT/m]となって磁束強さがT倍されるの
で、より有効である。
【0027】またMHz(メガヘルツ、106〜109
帯からGHz(ギガヘルツ、109〜1012)帯の放送
通信用電波も、小さな電流で利用できるので、受信アン
テナ、増幅回路を持てばよく、電源レスでも本発明を実
施できる。
【0028】図3(A)(B)は本発明の他の2つの実
施例を示し、(A)は熱交換器Hの冷却水入り口側にお
いて同調回路中のコンデンサCを電極2Cとして内蔵し
たもの、(B)はボイラ缶体B内に同調回路中のコンデ
ンサCを電極2Cとして収納したものである。特に後者
は適当な増幅回路4を介して受信アンテナ5と接続し、
電源レス化を図っている点に特徴がある。受信アンテナ
5は各種形式を採用可能で、所望する周波数帯に最適な
感度及び形式の受信アンテナを選択すればよい。
【0029】その他本発明の応用について述べれば、上
述の理論のように、この装置はA(アンペア)の調整に
よっても振動数を増減できるので、水のpH、Mアルカ
リ度、導電率、溶存荷電粒子の種類及び濃度と水質改良
効果との相関関係に基づき、最善の改良効果をもたらす
ように荷電粒子に作用する振動数を微妙に調整すること
ができる。
【0030】また電極R,L,Cを直接に水中に設置す
る代わりに、同調回路に接続された各種形式のアンテナ
を水中に設置してもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明は前記の如く、水分子が移動する
領域内に配設した同調回路に高周波電流を供給し、同調
回路周囲の水中溶存荷電粒子を含む荷電粒子にローレン
ツ力に基づく振動数と振動磁界自体の振動数を相乗的に
作用させ、これによる莫大な振動数や、この振動による
荷電粒子の固有振動数との共振により、錆やスケールの
発生等に関与していた荷電粒子の有害な挙動を根底から
破壊できるので、画期的な錆・スケール防止効果が得ら
れるのは勿論のこと、これに限らず、飲食品製造分野で
の飲食品の味覚及び保存性向上、畜産農業園芸分野での
肉質ないし品質および生育速度の向上が図れ、コンクリ
ート成形分野ではコンクリート品質の向上など、およそ
水を使用するすべての産業分野で革新的な水質改良効果
に基づき数多くの有益な効果を爆発的に創出することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同調回路の基本構成図。
【図2】(A)(B)(C)はそれぞれ本発明の実施例
の概略構成図。
【図3】(A)(B)は本発明の他の実施例の概略構成
図。
【図4】固有振動数と共振する振動による破壊力につい
て説明する図。
【符号の説明】 1 水管 2R,2L,2C 同調回路の抵抗、リアクタンス、コ
ンデンサ 3 高周波電流供給源 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】 前記の如く、必要振動数はF1×F2の関
係から得られるので、高周波電流の周波数(振動数)F
2を1000倍にすれば、ローレンツ力による振動Fは
1/1 000でよいことになる。ところが、F1=qμ
0H/2πMでHだけが変数であり、単位がA/m[ア
ンペア/メータ]なので、アンペア即ち電流を1/10
00にできる計算となる。従って極めて経済的でかつ装
置を小型化できるため本発明の応用範囲を広げるのに好
都合である。更に図2の(B)のようにコイルを電極と
して使う場合、コイルの巻数をTとすると、H=[A/
m]がH=[AT/m]となって磁界強さがT倍される
ので、より有効である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【発明の効果】本発明は前記の如く、水が移動する領域
内に配設した同調回路に高周波電流を供給し、同調回路
周囲の水中溶存荷電粒子を含む荷電粒子にローレンツ力
に基づく振動数と振動磁界自体の振動数を相乗的に作用
させ、これによる莫大な振動数や、この振動による荷電
粒子の固有振動数との共振により、錆やスケールの発生
等に関与していた荷電粒子の有害な挙動を根底から破壊
できるので、画期的な錆・スケール防止効果が得られる
のは勿論のこと、これに限らず、飲食品製造分野での飲
食品の味覚及び保存性向上、畜産農業園芸分野での肉質
ないし品質および生育速度の向上が図れ、コンクリート
成形分野ではコンクリート品質の向上など、およそ水を
使用するすべての産業分野で革新的な水質改良効果に基
づき数多くの有益な効果を爆発的に創出することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運動する水中の荷電粒子が存在する領域
    内に配設した同調回路に、高周波電流を供給して前記同
    調回路の周囲に振動磁界を生成し、該振動磁界により水
    中の荷電粒子にローレンツ力に基づく振動を生じさせ、
    該振動の振動数に加えて、振動磁界自体の振動数によ
    り、前記同調回路の周囲の荷電粒子に両振動数の相乗作
    用による莫大な振動数を与え、該振動数により、又は荷
    電粒子の固有振動数との共振により、荷電粒子の有害挙
    動を破壊し水質を改良するようにした水質改良方法。
  2. 【請求項2】 前記高周波電流をインピーダンス調整し
    て高周波電流の強度を増減調整し、荷電粒子に作用する
    振動数を調整するようにした請求項1記載の水質改良方
    法。
  3. 【請求項3】 受信アンテナにより捕捉した高周波電流
    を前記同調回路に供給するようにした請求項1記載の水
    質改良方法。
  4. 【請求項4】 前記受信アンテナでMHz帯からGHz
    帯の通信放送用電波を捕捉するようにした請求項3記載
    の水質改良方法。
  5. 【請求項5】 前記受信アンテナの形式を変えることに
    より、高周波電流の周波数及び強度を増減調節し、荷電
    粒子に作用する振動数を調整するようにした請求項3記
    載の水質改良方法。
  6. 【請求項6】 水のpH、Mアルカリ度、導電率、溶存
    荷電粒子の種類及び濃度と水質改良効果との相関関係に
    基づき、最善の改良効果をもたらすように荷電粒子に作
    用する振動数を調整するようにした請求項2又は5記載
    の水質改良方法。
  7. 【請求項7】 高周波電流の電流よりも周波数を相対的
    に増大させて荷電粒子の振動数を増大させるようにした
    請求項1、2又は4記載の水質改良方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106365335A (zh) * 2016-11-23 2017-02-01 潘博 一种环保无须耗材的电子物理软化水装置

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