JPH0715369B2 - 糸状性微生物の画像処理装置 - Google Patents

糸状性微生物の画像処理装置

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JPH0715369B2
JPH0715369B2 JP60189608A JP18960885A JPH0715369B2 JP H0715369 B2 JPH0715369 B2 JP H0715369B2 JP 60189608 A JP60189608 A JP 60189608A JP 18960885 A JP18960885 A JP 18960885A JP H0715369 B2 JPH0715369 B2 JP H0715369B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は糸状性微生物の長さを測定する糸状性微生物の
画像処理装置に関する。
〔発明の背景〕
下水処理場ではエアレーシヨンタンクにおいて流入水に
空気を吹き込み(曝気)、流入水中の有機物を微生物に
摂取させることによりこの有機物を除去し、続いて微生
物を沈殿池で沈降させて上澄液を放流している。このた
め、有機物を摂取し、かつ沈降性の良い微生物を維持す
ることが必要である。これら微生物は凝集性微生物と糸
状性微生物とに大別される。この中で糸状性微生物が繁
殖(バルキング現象と称されている)しすぎると沈降性
が悪くなる。沈降性が悪化すると沈殿池から微生物が流
出するようになるので、糸状性微生物を繁殖させないこ
とが重要である。糸状性微生物としては、例えば、スフ
アエロテイルス(Sphaerotilus)などがある。このよう
に、下水処理プロセスにおいては糸状性微生物が繁殖す
ると処理水質が悪化したり、これら微生物が流出すると
いう問題点を生じる。
これらを防止するためには、糸状性微生物の量を測定し
て監視することが重要なことになる。現在、糸状性微生
物の長さ、つまり量を測定するには監視員によるマニア
ル操作によつて行われている。例えば、下水処理プロセ
スでは、写真上の糸状性微生物の長さをキルビメータに
より測定するか、あるいは顕微鏡観察によつて測定する
ようにしている。しかしながら、従来の測定方法は監視
員によるマニアル操作のため、熟練した監視員が測定し
ても1回の測定に数時間を要する。このため、連続監視
と早期検出が出来ず、糸状性微生物の繁殖状態の管理を
良好に行いえないという欠点を有する。
この欠点を解決するために、出願人は先に、特開昭58-1
40422号(特開昭60-31889号)において、糸状性微生物
の長さ測定方法を提案している。この測定方法は微生物
の拡大画像を工業用テレビカメラ(ITV)で検出し、画
像処理技術を応用して糸状性微生物を認識するものであ
る。
具体的には、糸状性微生物の画像を拡大し画像処理で糸
状性微生物を認識してこれに相当する画素を抽出し、こ
の認識画素を積算して糸状性微生物の長さを換算してい
る。しかし、糸状性微生物は糸状に見えるが、糸状の部
分にある太さがあるため、糸状性微生物の長さを正確に
測定するには、太さに応じて積算画素数から糸状性微生
物の長さを算出することを必要とする。
通常、糸状性微生物の太さを1画素に相当するように拡
大倍率を調整しておくが、照明ムラやノイズのため、そ
の幅が1ないし3画素分になる。このため、認識された
糸状性微生物の太さが1ないし3画素になる。したがつ
て、画素を積算しても実際の糸状性微生物の長さより長
く換算してしまうことになる。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、凝集性微生物からはみだした糸状性微
生物だけの長さを、その太さに拘らず常に制度良く測定
できる糸状性微生物の画像処理装置を提供することにあ
る。
〔発明の概要〕
本発明の特徴は、糸状性微生物の濃淡画像を2値化した
後に、この2値化画像を細線化により糸状の部分を全て
太さ1画素に調整するようにした上で、さらに凝集性微
生物からはみだした糸状性微生物のみを認識してこの長
さを正確に測定することに特徴がある。
〔発明の実施例〕 以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
第1図に本発明を下水処理プロセスに適用した実施例を
示す。
第1図において、エアレーシヨンタンク100には沈殿池1
10の上澄液(汚水)と汚泥返送管160から返送汚泥(微
生物)が流入する。一方、ブロワー120は空気管130を介
して送気し、散気装置140からエアレーシヨンタンク100
に空気を供給する。エアレーシヨンタンク100内に供給
された返送汚泥と汚水は攪拌混合される。返送汚泥すな
わち活性汚泥は微生物の凝集した、粒径0.1mmないし1.0
mm前後の塊(フロツク)で、数十種の微生物を含むが、
大別すると、第2図に示すように凝集性微生物cと糸状
性微生物fとから成る。活性汚泥は、供給された空気中
の酸素を吸収して、汚水中の有機物を分離して炭酸ガス
と水にする。有機物の一部は活性汚泥の菌体増殖に当て
られる。活性汚泥と汚水との混合液は沈殿池150に導か
れ、ここで、活性汚泥が重力沈降する。上澄液は通常塩
素殺菌処理した後に放流される。一方、沈降汚泥は、汚
泥返送管160から返送汚泥としてエアレーシヨンタンク1
00に返送される。
撮像装置200はエアレーシヨンタンク100の液中に浸漬し
て配置され、エアレーシヨンタンク100内の微生物の拡
大画像を得る機能を有する。撮影制御装置300は撮像装
置200の撮像走査のタイミング(水平、垂直同期)や照
明強度などを制御すると同時に、撮像装置200で得た混
合液(水と微生物を含む)の拡大画像(濃淡画像)を画
像処理装置400に伝送する。画像処理装置400は濃淡画像
を画像処理してこの中から糸状性微生物を認識し、微生
物の長さを計測する。キーボード900は画像処理装置400
で用いる画像処理のパラメータなどの数値を入力する。
コンソールディスプレイ910は、キーボード900で入力し
た数値や糸状性微生物の長さを数値で表示する。モニタ
ーテレビ920は撮像装置200の画像を表示したり、画像処
理過程並びに画像処理結果を表示する。
第3図に撮像装置200の詳細構成を示す。
第3図においてサンプル室210内に満たされている活性
汚泥と汚水を含む混合液に、照明装置230の光が光学的
像拡大装置240を介して照射される。光学的像拡大装置2
40は対物レンズと接眼レンズとからなる。照射光は観察
窓245を通してサンプル室210内に照射され、サンプル室
210内の照射ミラー220で反射する。混合液が一定間隔で
入れ替わるように、サンプル室210内には空気管270から
空気が吹き出される。この送気空気はサンプル室210と
観察窓245との洗浄を兼ねている。反射ミラー220からの
反射光は、拡大レンズ250と光学的像拡大装置240を通過
して工業的テレビカメラ(ITV)260に導かれ、ここで混
合液の濃淡画像を認識し電気信号に変換する。ITV260
は、受光面に縦横マトリクス状の撮像素子(図示しな
い)を持ち、縦方向(垂直方向)の同期信号VDと横方向
(水平方向)の同期信号HDを受けて走査される。同期信
号VD,HDは撮像制御装置300から与えられる。撮像素子は
受光した明るさ(輝度)の程度に応じて出力電圧の異な
る信号(撮像信号)を発生する。このようにして、ITV2
60からは映像信号Vが出力される。なお、撮像装置200
としては混合液をサンプリングするものや、サンプリン
グ液を顕微鏡とITVとで観察するものを用いることもで
きる。
このような撮像装置200は撮像制御装置300によつて制御
される。撮像制御装置300は照明装置230とITV260を操作
し、照明装置230については必要に応じて照度を制御す
る。また、撮像制御装置300はコンプレツサ310が空気管
270を介してサンプル室210内に供給する空気の送気頻度
と送気時間を制御する。通常5秒ないし20分に1回の頻
度で送気し、1回に2ないし30秒間程度送気する。送気
頻度と送気時間は、観察窓245やサンプル室210の汚れ度
合によつて変化させることができる。
以上のように、撮像制御装置300は、撮像装置200を制御
すると共に、ITV260から送られた濃淡画像のアナログの
映像信号を受けて、これを画像処理装置400に送る。
第4図に画像処理装置400の詳細構成を示す。
第4図において画像処理装置400はA/D変換器500、画像
メモリ600、画像処理プロセツサ700及び演算装置800か
ら構成されている。画像メモリ600は濃淡画像メモリ610
と2個の2値メモリ620,630からなる。画像処理プロセ
ツサ700は濃淡画像から糸状性微生物を認識するための
もので、ヒストグラム処理回路710、2値化回路720及び
細線化回路730からなる。演算装置800は、画像処理プロ
セツサ700で認識された糸状性微生物からその長さを演
算するためのもので、糸状性微生物積算回路810、糸状
性微生物長演算回路820、平均長演算回路830並びに濃度
演算回路840からなる。
この構成において、A/D変換器510はアナログの映像信号
をA/D変換してデイジタル信号に変換する。A/D変換器51
0によつて画面の各画素の明るさがデイジタルの値に変
換される。デイジタル値は、例えば128レベルである。
濃淡画像メモリ610は各画素に対応した明るさのデイジ
タル信号(混合液の濃淡画像情報)を全て記憶する。映
像信号VをA/D変換してこの濃淡画像情報を濃淡画像メ
モリ610に記憶する頻度は、サンプル室210への送気頻度
と同じである。すなわち、混合液が入れ替わつて新しい
混合液がサンプル室210へはいり静止してからこの濃淡
画像が濃淡画像メモリ610に格納される。このようにし
て、メモリ610に格納された濃淡画像情報を基にして糸
状性微生物の長さを画像処理により計算される。
第5図に送気タイミング、濃淡画像のA/D変換及び記
憶、並びに画像処理タイミングのタイムチヤートを示
す。第5図はこれらの1サイクルを10秒で行う例であ
る。2秒送気し、画像が静止するまで2秒待ち、A/D変
換と記憶に0.2秒、画像処理に2.8秒要する場合を示す。
このサイクルが繰返し行われる。
次に、画像処理プロセツサ700における画像処理動作を
説明する。
ヒストグラム処理回路710は濃淡画像メモリ610に格納さ
れた濃淡画像情報のヒストグラム、すなわち濃淡頻度分
布を計算する。ヒストグラムとは、所定の濃度(輝度)
の画素がいくつあつたかを示す特性図であつて、第6図
に示すように、横軸に濃度(輝度)、縦軸にその頻度
(画素数)をとる。濃淡画像メモリ610の濃淡画像は、
第2図に示すように明るい背景(水)bと、これより暗
い凝集性微生物c、糸状性微生物f、並びにノイズnを
含んでいる。濃淡画像のヒストグラムは第6図に示すよ
うに、明るい背景に相当する部分bと、凝集性微生物、
糸状性微生物並びにノイズに相当する部分(c+f+
n)に分けられる。
2値化回路720はヒストグラム処理回路710で得た濃淡画
像のヒストグラムを基に2値化の閾値Tを決定して、種
々の明るさ(例えば、128階調)を持つ濃淡画像を白と
黒とに2値化する。閾値Tより明るい画素を白(“1"レ
ベル)に、逆に暗い画素を黒(“0"レベル)にする。閾
値Tは背景部分bのピークpから所定値だけ低い値に設
定したり、あるいは第6図の変曲点qに設定する。
このようにして、閾値Tを選んで2値化した画像の例を
第7図に示す。第7図において、背景bは白(“1"レベ
ル)で、凝集性微生物c、糸状性微生物f並びにノイズ
nは黒(“0"レベル)である。“0"レベルはハツチング
で示している。得られた2値化画像は2値メモリ620に
格納される。
2値メモリ620内の2値化画像信号は、細線化回路730に
加えられる。細線化回路730は、2値メモリ620内の2値
化画像を複数回細線化して糸状性微生物を抽出する。第
2図に示すように、糸状性微生物fは凝集性微生物cの
骨格に相当し、凝集性微生物cの内部にも含まれてい
る。凝集性微生物cの内部に含まれる糸状性微生物fは
凝集性微生物cと重なつているので第7図の2値化画像
では、糸状性微生物fと凝集性微生物を含んだものとな
る。第7図の2値化画像から糸状性微生物fのみを抽出
するために複数回の細線化処理を実行する。細線化処理
は2値メモリ620の2値化画像データが更新されたとき
に行われる。
第7図の2値化画像を1回だけ細線化すると第8図のよ
うになる。細線化回路730は公知の細線化手法によつて
細線化処理を行う。細線化処理によつて、糸状性微生物
fと凝集性微生物cとの画像(第7図のハツチング部
分)の輪郭から1画素ずつ削りとる。この際、画素が1
画素のみ存在する所では削除しない。例えば、太さが3
画素のものは両側から1画素ずつ削られて太さが1画素
となり、また2画素のものは一方側の1画素が削られて
1画素になる。
このような細線化処理によつて糸状性微生物は太さが1
ないし3画素のものは1画素になり、また、太さが4画
素以上の所は2画素以上になる。このように1回目の細
線化した2値化画像を2値化画像メモリ630に格納す
る。1回目の細線化処理で2画素以上であるところを1
画素とするため2値化画像メモリ630に格納された2値
化画像をさらに複数回細線化処理する。この繰返しによ
つて、糸状性微生物fは太さが全て1画素の画像にな
る。その際、凝集性微生物cと重なつている糸状性微生
物fは細線化処理で1画素以上には削られないので、結
局第9図に示すような画像となる。このようにして、太
さが2ないし3画素の糸状性微生物でも、太さを全て1
画素として抽出することができる。細線化処理の繰返し
回数は凝集性微生物の径の画素数によつて決めることが
できる。例えば、直径が50画素の凝集性微生物に対して
は25回細線化すれば1画素にまでできる。しかし、細線
化処理では対象物を1画素以下には細くしないので、25
回以上でも問題はない。ただし、必要以上に繰り返さな
いためには、細線化処理前後の2値化画像を比較(差
分)して同じか否かを判定し、同じ(これ以上細線化で
きない画像)になつたときに細線化をやめるようにする
こともできる。
このような細線化処理で抽出した2値化画像には第9図
にnで示すように、糸状性微生物を含まない小さな凝集
性微生物(量的には少ない)も含むことになる。そこ
で、認識された糸状性微生物から長さを計算する時には
微生物nを除去するのが望ましい。
第4図に戻り、糸状性微生物の画素数から長さを計算す
る演算装置800の動作を説明する。
糸状性微生物積算回路810は時刻tにおける濃淡画像に
ついて、太さ1画素として抽出された糸状性微生物の画
素数を積算する。具体的には第9図で得られた2値化画
像においてハツチング部分(“0"レベルの値をとる画
素)のみの画素数を積算する。この積算された画素数を
F(t)とする。糸状性微生物長演算回路820は積算さ
れた糸状性微生物の画素数F(t)から糸状性微生物の
長さL(t)を次式で計算する。
L(t)=A・F(t)−B …(1) ここで、A,Bは係数であり、Bが誤差として差し引く第
9図の微生物画像n分に相当する。また、係数Aは1画
素の一辺の長さが例えば10μm(0.01m)に相当する場
合には0.01になる。ところで、糸状性微生物が第10図
(a),(b)のように水平または垂直に並んでいると
きの係数Aは0.01となるが、第11図(a),(b)に示
すように、右上がり、左上がり斜め45度の方向に並んで
いるときは、係数Aの値は になる。糸状性微生物が水平垂直、及び右上がり、左上
がりに斜め45度に一様に分布している場合には、水平垂
直の画素数と、右上がり、左上がりに斜め45度の画素数
とが同じと考えられる。この場合にはAの値は、0.01と の平均値の0.012になる。
このようにして、1画面の濃淡画像に対して糸状性微生
物長L(t)が計算されたら、第5図で説明したよう
に、2回目のサンプリングと計算を実行する。すなわ
ち、撮像制御装置300がコンプツサ310を制御して、空気
管270を通じて空気をサンプル室210に供給し、洗浄並び
にサンプル(混合液)の交換を行う。次に、前述した同
じ操作により濃淡画像をA/D変換して、時刻t+h(た
だし、hはサンプル周期)において濃淡画像メモリ610
に格納して、画像処理プロセツサ700において同様な処
理を繰り返す。この2回目の処理で得られた糸状性微生
物長をL(t+h)とする。このようにして、糸状性微
生物長演算回路820では逐次、時間t,t+h,t+2h,……t
+Khにおける各々の画像の糸状性微生物の長さL(t+
h),L(t+2h),……L(t+Kh)を時間h毎に次々
に計算する。
なお、撮像制御装置300による撮像装置200のタイミング
制御は、画像処理装置400と連動して行われる。
糸状性微生物長演算回路820の信号を受けて、平均演算
回路830では糸状性微生物の1画面当りの平均長を演算
する。平均長演算回路830では、糸状微生物演算回路820
で出力された信号である。L(t+h),L(t+2h),
……L(t+Kh)から1画面当りの糸状性微生物の平均
長さLmを次式で演算する。
ここで、(K+1)は平均回数であり、10ないし1000回
程度である。
平均長演算回路830の信号Lmを受けて、濃度演算回路840
は単位容積当りの糸状性微生物長さ(つまり糸状性微生
物濃度)Lvを次式で演算する。
Lv=Lm/(K+1)/v …(3) ここで、vは撮像した混合液の容積である。
以上の処理によつて、単位容積当りの糸状性微生物長さ
(濃度)を求めることができる。
以上のようにして、糸状性微生物の濃度(量)を求める
のであるが、濃度画像のヒストグラムに基づいて2値化
し、この2値化画像を細線化した上で糸状性微生物の長
さを演算するので、凝集性微生物に含まれる糸状性微生
物も長さを正確に測定することができる。
第12図に画像処理装置の本発明の他の実施例を示す。
第12図の実施例は、第4図の実施例に線分方向コード処
理回路780を追加して構成したものである。第12図の実
施例は糸状性微生物の画素の連結方向を考慮して長さを
精度よく求めるようにしたものである。
第12図において線分方向コード処理回路780は画像メモ
リ630の信号を受けて糸状性微生物の画素の線分方向コ
ードを演算する。線分方向のコードとは、第13図(a)
のような3×3の画素を考えた時に、中心の9の画素か
らどの方向に注目する画素が連結するかを、第13図
(b)に示すコードナンバーで示したものである。線分
方向コードを求めるには、糸状微生物がどの方向に連結
しているかを順次調べて行き、各々の画素が線分方向コ
ードのどのコードナンバーになるかをカウントする。
この結果、各コードナンバーに対応するトータルの画素
数がカウントできる。糸状性微生物積算回路810は線分
方向コード処理回路780の信号を受けてコードナンバー
が奇数の画素数F1(t)と偶数の画素数F2(t)とを演
算する。F1(t)とF2(t)の信号を受けて、糸状性微
生物長演算回路820では糸状性微生物長L(t)を演算
する。線分方向コードが奇数のときには、F1(t)の係
数Aの値を0.01とし、一方、線分方向コードが偶数のと
きには、F2(t)の係数Aの値を0.014に設定する。す
なわち、糸状性微生物長演算工程820では、次の計算を
実施する。
L(t)=0.01・F1(t)+0.0141・F2(t)−B……
(4) 平均長演算回路830は信号L(t)を入力し、糸状性微
生物の1画面当りの平均長Lmを演算する。そして、演算
装置800で、第4図の実施例と同様な動作を行い、単位
容積当りの糸状性微生物長さLvを求める。
以上の計算により、糸状性微生物の画素がどの方向に連
結していてもこの長さを正確に求めることが出来る。す
なわち、人間がキルビメータで糸状性微生物を追跡して
いく操作と同じことが実現できる。
以上のようにして、糸状性微生物濃度(量)を求めるの
であるが、第12図の実施例では、第4図の実施例と同等
の効果が得られ、さらに画素の連結方向を考慮して糸状
性微生物濃度を求めるので、糸状性微生物が水平垂直並
びに斜め方向に連結していても正確に長さを測定するこ
とができる。
第14図に、本発明の他の実施例を示す。
第14図に示す実施例は凝集性微生物から突き出した糸状
性微生物だけを抽出するようにしたものである。
第14図の実施例は第4図の実施例に縮小処理回路740、
膨張処理回路750並びにマスク処理回路760を追加して構
成される。
まず、縮小処理回路740と膨張処理回路750の処理を説明
する。縮小処理回路740は1回の縮小処理で2画素以内
の太さの糸状性微生物やノイズを削減する。次に、膨張
処理回路750で縮小した凝集性微生物のみをもとの大き
さに復元する。
縮小処理回路740では、2値化メモリ620に記憶されてい
る2値化画像(第7図示)を取込んでこれを縮小し、2
値化メモリ640に格納する。縮小処理はハツチングで示
す“0"レベルの部分の輪郭を1画素ずつ削除する。縮小
処理は細線化処理と異なり、単純に輪郭から1画素ずつ
削除する。このため、幅が2画素の糸状性微生物は、両
側から輪郭が1画素ずつ削除されてなくなる。1回の縮
小処理では太さ2画素の糸状性微生物がなくなるが、同
時に凝集性微生物(フロツク)の輪郭から1画素ずつ削
除される。
このようにして第7図に示す2値化画像を1回縮小する
と第15図に示すような画像になる。縮小された2値化画
像は再度2値化メモリ640に格納される。この縮小処理
で、糸状性微生物をほぼ消去できる。縮小処理により、
凝集性微生物の輪郭が1画素ずつ削られているので、こ
れをもとの大きさに復元しなければならない。膨張工程
750は、2値化メモリ640の信号すなわち第15図の2値化
画像を膨張処理する。膨張処理では、ハツチングで示す
“0"レベルの部分の周囲に1画素ずつ付けたす。すなわ
ち、第14図に示す画像の凝集性微生物cの輪郭に1画素
ずつ付けたす。この結果、画像は第16図に示すようにな
る。この操作によつて、ノイズnが若干残るが、凝集性
微生物を抽出することができる。この結果を再度、2値
化メモリ640に格納する。マスク処理回路760は2値化メ
モリ630に格納された2値化画像(第9図示)と2値化
メモリ640に格納された2値化画像(第16図示)を基に
凝集性微生物から突き出した糸状性微生物の長さを抽出
する。具体的には、第16図の凝集性微生物cの部分(ハ
ツチングで示す“0"レベルの値)をマスクして、第9図
に示す凝集性微生物c以外(白い部分で“1"レベルの
値)にある糸状性微生物を抽出する。このマスク処理の
結果、第17図に示すような糸状性微生物fが抽出され、
2値化メモリ650に格納される。2値化メモリ650に格納
された2値画像(第17図)から、糸状性微生物濃度Lvを
演算する動作は、第4図の実施例で説明した動作と同じ
である。なお、第14図には図示しないが、第12図の実施
例で説明した線分方向コード処理回路780を付加しても
良いことは言うまでもない。
以上のようにして、糸状性微生物濃度Lvを演算するが、
第14図の実施例は、第4図の実施例と同等の効果が得ら
れる上に、第17図に示すように、凝集性微生物に含まれ
ない糸状性微生物のみを抽出するので従来の目視測定の
対象としている糸状性微生物のみを抽出できる。
第18図に本発明の他の実施例を示す。
第18図に示す実施例は、糸状性微生物長をさらに精度良
く求めるようにした実施例である。第18図は第14図の実
施例のノイズ除去回路770を追加して構成される。ノイ
ズ除去回路770は、2値化メモリ650に格納された2値化
画像(第17図示)からノイズnを消去する。このノイズ
nは、単独の微生物や小さな凝集性微生物が細線化処理
工程730で線として残る。
ノイズ除去回路770は次のようにしてノイズを除去す
る。細線化によつてのこるノイズnは第19図(a)〜
(g)に示すパターンをとる。これらは3×3画素の領
域に含まれる。4×4画素に含まれるものは凝集性微生
物として抽出され、糸状性微生物にはカウントされない
ので、ノイズとして考慮しなくて良い。(a)は1画素
hのノイズであつて、2値化メモリ650の2値化画像
(第17図)に存在する独立した1画素hを抽出すること
でこれを除去する。独立した1点を除去する方法は公知
技術が適用できる。
次に、(b)〜(g)に示すパターンは、h1,h2,h3
びh4を端点(はしにある画素)として消去すると、中央
の画素hが残る。中央の画素hが残る。中央の画素hは
独立した1点であるので、これをノイズとして除去す
る。
以上の処理を、ノイズ除去回路770で実施してノイズn
を除去した結果を第20図に示す。第1図にはノイズが少
ない例を示したが、実際には活性汚泥の混合液には微小
のゴミや微生物が多数含まれているので、これをノイズ
として除去することは、誤差を低減させて精度を向上さ
せる上で有効である。
演算装置800が2値化メモリ650の2値化画像(第20図)
を受けて単位容積当りの糸状性微生物の長さLvを演算す
る方法は第4図の実施例と同じである。
第18図に示す実施例は、第4図と同等の効果が得られ
る。糸状性微生物以外のノイズを除去しているので、糸
状性微生物のみを正確に抽出することができる。
なお、ノイズ除去回路780は、第12図及び第14図の実施
例に適用して糸状性微生物濃度を精度良く演算できるこ
とはいうまでもない。
〔発明の効果〕
本発明は、糸状性微生物を画像の細線化処理によつて抽
出した上で、凝集性微生物を画像の縮小処理と膨張処理
とで抽出しこの凝集性微生物を含まない糸状性微生物の
みをマスク処理で抽出しているので、凝集性微生物から
はみだした糸状性微生物のみを正確に求めることができ
る。
なお、以上の実施例は下水処理プロセスに適用した例を
説明したが、本発明は糸状性微生物を培養する他のバイ
オプロセスにおける糸状性微生物の濃度の測定にも応用
できるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は濃淡
画像を表す図、第7図,第8図,第9図,第15図,第16
図,第17図及び第20図は2値化画像を表す図、第3図は
撮像装置200を詳細に説明する図、第4図,第12図,第1
4図及び第18図は、本発明の画像処理装置の構成を説明
する図、第5図,第6図,第10図,第11図,第13図及び
第19図は本発明の画像処理動作を説明する図である。 100……エアレーシヨンタンク、200……撮像装置、300
……撮像制御装置、400……画像処理装置、500……A/D
変換器、600……画像メモリ、700……画像処理プロセツ
サ、800……演算装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 依田 幹雄 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 原 直樹 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (56)参考文献 特開 昭60−31889(JP,A) 特開 昭48−61030(JP,A) 安居院猛,中嶋正之「コンピュータ画像 処理〈電子科学シリーズ〉84」11版(昭 60.2.5)産業報告センターP.57−58

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料水中の微生物像を輝度情報に変換する
    撮像手段と、該撮像手段によって輝度情報に変換された
    濃淡画像を2値化する2値化手段と、該2値化手段にて
    得られた2値化画像を細線化処理する細線化手段と、前
    記2値化画像を縮小処理する縮小手段と、該縮小手段に
    て縮小した画像を膨張処理する膨張手段と、該膨張手段
    にて得られた画像と前記細線化処理した画像から糸状性
    微生物を抽出する抽出手段と、該抽出手段にて抽出した
    糸状性微生物の前記細線化した画像の連結する画素数を
    積算して前記糸状性微生物の長さを求めるとき画素の連
    結方向を調べ斜め方向に連結する部分の長さを縦または
    横に連結する部分の長さに対し斜め傾斜角に応じた係数
    値を乗算して積算する積算手段と、該積算手段にて求め
    た1画面当たりの糸状性微生物の長さと前記試料水の容
    積とから単位容積当たりの糸状性微生物長さを求める濃
    度演算手段とを備えることを特徴とする糸状性微生物の
    画像処理装置。
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US06/900,420 US4769776A (en) 1985-08-30 1986-08-26 Apparatus for measuring the concentration of filamentous microorganisms in a mixture including microorganisms
KR1019860007273A KR910005632B1 (ko) 1985-08-30 1986-08-30 미생물을 포함한 혼합액중의 사상성 미생물의 농도 측정장치

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DE3708795C2 (de) * 1987-03-18 1995-08-03 Gsf Forschungszentrum Umwelt Verfahren zur Größenselektion in Videoechtzeit
JPH0820215B2 (ja) * 1991-08-21 1996-03-04 日本アビオニクス株式会社 デジタル画像の周囲長計測装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4861030A (ja) * 1971-12-03 1973-08-27
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JPS6081686A (ja) * 1983-10-11 1985-05-09 Hitachi Ltd 領域指定回路

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安居院猛,中嶋正之「コンピュータ画像処理〈電子科学シリーズ〉84」11版(昭60.2.5)産業報告センターP.57−58

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