JPH07153417A - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JPH07153417A
JPH07153417A JP5321182A JP32118293A JPH07153417A JP H07153417 A JPH07153417 A JP H07153417A JP 5321182 A JP5321182 A JP 5321182A JP 32118293 A JP32118293 A JP 32118293A JP H07153417 A JPH07153417 A JP H07153417A
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浩 猪狩
Katsuto Hirose
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接触抵抗を安定させて、フイラメントでの発
熱量を一定化し、これによって、イオン照射によって発
生する正電荷の蓄積を確実に抑制することができる電極
構造を備えた減圧処理装置を提供する。 【構成】 イオン注入の際の被処理体の帯電防止用電子
を放出する熱電子放出部10は、フィラメント16の端
部が予め軸方向一端に一体化され、軸方向他端に電極接
続部14Aを有する一対のロッドからなるフィラメント
クランプ14と、電子を被処理体に向け引出すためのプ
ラズマを生成する箇所の筐体に固定されていて、フィラ
メントクランプ14の挿通部を有する絶縁部材12と、
絶縁部材12に挿通されたフィラメントクランプ14を
絶縁部材12に固定する絶縁性の保持部材18とを備え
ている。このため、電極接続部14Aからフイラメント
16に至る給電路中に結合部を存在させることがないの
で、放電や異常加熱による溶着部の発生を防止すること
ができる。しかも、溶着部分がないので、予め一体化さ
れているフィラメントクランプ14とフイラメント16
とのみを交換するだけですむ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入装置に関
し、特に、イオン注入の際に被処理体の帯電防止を行な
うために用いられる電子放出部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、半導体ウエハの製造時に
おいては、例えば、イオン注入装置を用いて被処理体で
ある半導体ウエハ(以下、単にウエハという)に不純物
を注入する場合がある。
【0003】このイオン注入処理は、真空雰囲気下に保
たれた処理室内で、カセットに収容されているウエハを
ハンドリング装置によって円形の処理台上に並べ、この
処理台の回転運動と摺動運動とによりウエハを走査して
イオンビームを均一に照射する。
【0004】このようなイオンビーム照射装置の構造と
しては、例えば、図3に示す構造がある。
【0005】すなわち、このイオンビーム照射装置は、
イオン源1から出射されるガスの出射方向(図中、矢印
で示す方向)に沿って、引出し電極2、質量分析器3、
スリット4、加速管5を備えている。そして、このよう
な構成のイオンビーム照射装置にあっては、イオン源1
から出射されたガスあるいは蒸気がプラズマ化され、こ
のプラズマ内の正イオンのみが引出し電極2によって一
定のエネルギーで引出された後、質量分析器3により質
量分析が行なわれ、所望のイオンを分離してさらにスリ
ット4により分離が行なわれる。また、分離されたイオ
ンビームが加速管5を介して最終エネルギーにまで加速
された後、モータ6によって駆動される処理台7上に配
置されているウエハWに対して照射され、ウエハWの表
面に不純物を注入する。
【0006】また、図において、符号8は、ファラデー
カップを示し、ウエハ表面にイオンが注入された際に発
生する二次電子を外部に流出させないように閉じ込め
て、イオン注入量を正確に測定するためのものである。
【0007】ところで、イオンビームをウエハに注入す
る場合、ウエハ表面に露出している絶縁膜にイオンの正
電荷が蓄積され、その電荷量が絶縁破壊電荷量以上にな
ると、絶縁膜が破壊されてウエハの不良品が得られてし
まう。また、絶縁破壊を起こさないまでも、パティキュ
レートを付着させたりする弊害があった。
【0008】そこで、ウエハの近傍でイオンビームに臨
む位置にプラズマ発生器を設け、このプラズマ発生器で
発生したプラズマ中の電子をプラズマ発生部とウエハと
の間の電位勾配によってウエハ表面に引き付けてウエハ
表面上を電気的に中和させる場合がある。
【0009】上記した中和のための機構としては、例え
ば、図3において、ウエハ近傍に位置するファラデーカ
ップ8に連結して設けられたプラズマ発生部9を備えた
構造がある。このプラズマ発生部9は、例えばカーボン
やモリブデン等を用いた壁部で構成されているプラズマ
発生室とこの室内に配置された熱電子放出用のフィラメ
ント9Aとを有し、プラズマ発生室内に導入されたアル
ゴンガス等の反応ガスにフィラメント9Aからの熱電子
を衝突させることでプラズマを生成するようになってい
る。そして、プラズマ発生室におけるファラデーカップ
8側には開口が設けられており、この開口は、ウエハが
帯電した場合にこのウエハ表面とプラズマ発生室との間
に電位勾配が生じることを利用してプラズマ発生室内か
ら電子を放出させるようになっている。また、開口から
放出された電子は、上記電位勾配によりウエハ表面に引
き付けられて帯電している正電荷を中和する。
【0010】ところで、上記プラズマ発生部9に設けら
れているフィラメント9Aは、例えば、図4に示す構造
によって支持されている。
【0011】すなわち、フィラメント9Aは、導電性部
材からなるフィラメントクランプ9A1によって支持さ
れている。フィラメントクランプ9A1は、プラズマ発
生部9の壁部に取付けられた絶縁性部材9A2に挿通さ
れており、挿通方向一端、つまり、フィラメント9Aが
支持される側にはテーパ部が、そして、挿通方向他端に
は絶縁性部材9A2から突出するネジ部がそれぞれ形成
されている。また、フィラメントクランプ9A1のテー
パ部に対向する位置には、絶縁性部材9A2に固定され
て上記テーパ部に嵌合するクランプホルダ9A3が設け
られ、さらに、フィラメントクランプ9A1のネジ部に
は、フィラメントターミナル9A4が捩じ込まれてい
る。
【0012】このような構造においては、絶縁性部材9
A2の下方からフィラメントクランプ9A1を挿入し、
フィラメントクランプ9A1のネジ部にフィラメントタ
ーミナル9A3を仮止めする。次いで、フィラメント9
Aをフィラメントクランプ9A1のテーパ部に形成され
たスリット内に差込み、フィラメントターミナル9A4
を捩じ込むことでフィラメントクランプ9A2を上方に
移動させるとともに上記テーパ部を縮径させてスリット
の幅を縮めることにより、フィラメント9Aを挟持して
保持することができる。
【0013】したがって、フイラメント9Aへの給電路
は、ネジ結合されているフィラメントクランプ9A2お
よびフィラメントターミナル9A4とフィラメントクラ
ンプ9A2のテーパ部に形成されているスリットとを介
して構成されていることになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図4に示し
たフィラメントの構造においては、フィラメントへの給
電路における接触抵抗が安定しないという問題があっ
た。
【0015】つまり、フィラメント9Aは、フィラメン
トクランプ9A3とフィラメントターミナル9A4とを
介して給電路を構成されるが、フィラメントクランプ9
A3の軸方向両端で疑似的な一体化がなされているだけ
であるので、その部分での接触抵抗が安定しない。
【0016】具体的には、フィラメント9Aが単にフィ
ラメントクランプ9A2によって挟持されているのみで
あり、また、フィラメントクランプ9A3とフィラメン
トターミナル9A4とはネジ結合されているに過ぎな
い。したがって、挟持部およびネジ結合部での接触状態
が均一であるとはいえない。例えば、ネジ結合されてい
るフィラメントクランプ9A92の移動ストロークに影
響されてフィラメント9Aに対する挟持圧が充分に得ら
れない場合には、テーパ部内面との間の接触が不安定と
なる。また、フィラメントクランプ9A3とフィラメン
トターミナル9A4とのネジ結合部においても、ネジ山
同士の接触がネジ結合領域で全て同じとはいえず、ネジ
結合領域での接触状態が均一でないこともある。このた
め、接触状態が均一でないと、接触抵抗もばらついてし
まい、部分的な接触しか得られていない場合には、その
接触位置での放電や異常加熱を招いて接触部が溶着して
しまうことがある。
【0017】一方、このような溶着が発生すると、消耗
品であるフィラメント9Aの交換にも悪影響を及ぼす。
つまり、上記構造での交換対象となる部品としては、フ
イラメントクランプ9A2に挟持されているだけのフィ
ラメント9Aが相当するが、上記給電路中での結合部に
おいて溶着が生じていると、その部分での部品同士の分
離が不可能になる。このため、フィラメント9Aばかり
でなく、これが結合されているフィラメントクランプ9
A3およびネジ部によって結合されているフィラメント
ターミナル9A4の取出しも不可能になるので、結果的
には、インシュレータ9A2を含めたアッセンブリーそ
のものを交換しなければならない。
【0018】このため、交換しなくてもよい部品までも
交換する必要が生じることで、部品調達コストが上昇し
てしまうことになる。
【0019】また一方、上記したように接触状態が不均
一であると、フィラメント9Aでの発熱状態も不均一と
なる。このため、フィラメント9Aでの発熱量が不安定
な場合には、熱電子放出量も不安定となり、ウエハに蓄
積している正電荷の中和を行なうことができなくなる場
合もあった。このような熱電子放出量が変化する要因と
しては、発熱量だけでなく、プラズマ生成量によっても
起こる。このプラズマ生成量は、熱電子と反応ガスとの
衝突行程長さによっても影響される。このため、フィラ
メントの配置位置が不適正であると、所望するプラズマ
生成量が得られず、被処理体上に蓄積している電荷の中
和が行なえるに足る電子の放出ができない場合もある。
【0020】そこで、本発明の目的とするところは、上
記従来のイオン注入装置における電極の支持構造での問
題に鑑み、交換する際の部品点数を最少限に止めること
ができるとともに接触不良の発生をなくしてフィラメン
トでの発熱量を安定化し、これによって、イオン照射に
よって発生する正電荷の蓄積を確実に抑制することがで
きる電極の支持構造を備えたイオン注入装置を提供する
ことにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、減圧雰囲気下で被処理体に
不純物を注入するイオン注入装置において、上記イオン
注入される被処理体の近傍に配置されていて、プラズマ
生成ガスを導入されるプラズマ生成部と、上記プラズマ
生成部に配置されて熱電子を放出するフィラメントを備
えた熱電子放出部とを備え、上記熱電子放出部は、上記
フィラメントの端部が予め軸方向一端に一体化され、軸
方向他端に電極接続部を有する一対のロッドからなるフ
ィラメントクランプと、上記プラズマ生成部の筐体に固
定されていて、上記フィラメントクランプの挿通部を有
する絶縁部材と、上記絶縁部材に挿通された上記フィラ
メントクランプを上記絶縁部材に固定する絶縁性の保持
部材と、を、備えていることを特徴としている。
【0022】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、上記フィラメントクランプは、一対のロッド途中に
段部が形成され、上記保持部材は、一対のロッドの段部
に面接触し、その段部の一面を基準としてフィラメント
の位置決めを行なうスペーサを構成していることを特徴
としている。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項1または2
において、上記フィラメントクランプとフィラメントと
は、かしめにより面接触させた状態で一体化されている
ことを特徴としている。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
一つにおいて、上記フィラメントは上記一対のロッドよ
りも小径に形成されていることを特徴としている。
【0025】
【作用】本発明では、フィラメントの端部が予め軸方向
一端に一体化され、軸方向他端に電極接続部を有する一
対のロッドからなるフィラメントクランプを備えてい
る。このため、電極接続部からフイラメントに至る範囲
には部品同士を結合する部分が存在していないので、そ
の結合部を設けた場合に発生する接触不良をなくすこと
ができる。しかも、唯一、結合部を有するフィラメント
とフィラメントクランプとは、かしめによる一体加工に
よって面接触させてあるので、この部分での接触状態も
均一なものとされる。したがって、電極接続部からフィ
ラメントに至る範囲で接触不良による放電や異常加熱を
起こす部分をなくすことができるので、溶着による交換
部品の増加を抑えることができる。特に、交換部品とし
ては、予め一体化されているフイラメントとフィラメン
トクランプのみに抑えることができる。
【0026】また、本発明では、絶縁部材に対して挿通
されるフィラメントクランプをその絶縁部材に固定する
とともにフィラメントの位置決めを行なうスペーサとし
ての保持部材を備えている。しかも、保持部材は、フィ
ラメントクランプに形成された段部に嵌合することがで
きる。このため、フィラメントクランプは、保持部材に
嵌合することで絶縁部材に固定されるばかりでなく、絶
縁部材に嵌合した時点で、段部の一面を基準としたフィ
ラメントの位置決めが可能となる。
【0027】さらに本発明では、かしめにより面接触状
態で一体化されているフィラメントとフイラメントクラ
ンプとは、フィラメントをフィラメントクランプよりも
小径にされている。このため、フィラメントに至る給電
路でのフィラメントの発熱量を他の部分に比べて多くす
ることができる。したがって、フィラメントに至る領域
での異常加熱を招くことなく、しかも、フィラメントに
至る範囲での接触抵抗の変化を来す箇所がないので、フ
ィラメントでの発熱量を安定させることが可能となる。
【0028】
【実施例】以下、図面に示した実施例により本発明の詳
細を説明する。
【0029】図1は、本発明によるイオン注入装置に用
いられるプラズマ生成部での熱電子放出部の構造を示し
ている。
【0030】すなわち、熱電子放出部10は、図3にお
いて示したプラズマ発生部9に相当するプラズマ生成部
の筐体に取付けられた絶縁部材12およびこの絶縁部材
12に挿通されたフィラメントクランプ14を備えてい
る。
【0031】フィラメントクランプ14は、絶縁部材1
2に穿たれた支持孔12A内に挿通されたタングステン
からなる一対のロッドで構成されており、挿通方向一端
が絶縁部材12の下面から下方に、また挿通方向他端が
絶縁部材12の上面から上方にそれぞれ突出している。
そして、フィラメントクランプ14の軸方向一端には、
U字状のフィラメント16(以下、フィラメントとい
う)の端部が予め一体化され、また、挿通方向他端に
は、給電部からの電極(図示されず)が取付けられる電
極接続部14Aが形成されている。本実施例では、フィ
ラメントクランプ14における電極接続部14Aの外径
寸法が、絶縁部材12に挿通されている箇所よりも小径
に設定されており、例えば、絶縁部材12に挿通されて
いる箇所が4mmであるのに対し、電極接続部が3mm
に設定されている。これは、フイラメントクランプ14
を絶縁部材12から抜出す際に電極接続部14Aが絶縁
部材12の孔縁と干渉しないようにするためである。
【0032】さらに、フィラメント16が一体化されて
いるフィラメントクランプ14の挿通方向一端には、そ
の中心部に10mm程度の深さで孔(図示されず)が穿
たれており、この孔に対してフィラメント16を差込む
ことができるようになっている。
【0033】一方、フィラメント16は、フィラメント
クランプ14よりも小径のタングステン製線材によって
構成されており、その端部がフィラメントクランプ14
の孔に差込まれたうえでかしめられることにより、孔の
内面と面接触した状態で一体化されている。
【0034】ところで、上記フィラメントクランプ14
を単に絶縁部材12に挿通しただけでは、重力方向に落
下する虞れがある。そこで、本実施例では、フィラメン
トクランプ14を絶縁部材12に固定するための構造が
設けられている。
【0035】すなわち、フィラメントクランプ14にお
ける絶縁部材12から上方に突出する部分には、絶縁部
材12内に挿通された部分よりも縮径された段部14B
が形成されている。そして、この段部14Bには、図2
に示すように、絶縁部材12の上面に載置される保持部
材18に形成された長孔18Aが嵌合できるようになっ
ている。この保持部材18は、長孔18Aの他に、締結
部材20を挿通するための長孔18Bが形成されてお
り、この長孔18Bに挿通された締結部材20が絶縁部
材12に形成されたネジ孔に締め付けられることにてフ
ィラメントクランプ14の段部14Bの一面を載置した
状態で絶縁部材12上に固定される。
【0036】また、保持部材18は、フィラメントクラ
ンプ14の段部14Bの一面を載置することで、この一
面を基準としてフィラメント16の位置決めを行なうた
めのスペーサとして構成されている。つまり、フィラメ
ントクランプ14の挿通方向一端に差込まれているフィ
ラメント16は、その湾曲先端部の位置がフイラメント
クランプ14に形成された孔の深さで規定されている。
したがって、フイラメント16の突出量が一定している
ので、段部18Bの一面からフィラメント16の湾曲先
端部までの距離を一定の状態で維持させることができ
る。
【0037】本実施例は以上のような構成であるから、
電極部10の組立てに際しては、まず、絶縁部材12の
孔にフィラメントクランプ14が挿通される。なお、フ
ィラメントクランプ14の挿通に先立ち、フィラメント
クランプ14の軸方向他端にフィラメント16を差込
み、その差込んだ部分をかしめることでフイラメントク
ランプ14にフィラメント16を一体化される。このよ
うにすることで、アッセンブリー段階での加工数を減ら
すことができる。そして、絶縁部材12にフィラメント
クランプ14を挿通した後、保持部材18の長孔18A
をフィラメントクランプ14の段部14Bに嵌合させた
うえで締結部材に20を用いて保持部材18を絶縁部材
12の上面に固定する。
【0038】このようにして組立てられた熱電子放出部
10は、フィラメントクランプ14の軸方向一端に位置
する電極部14Aから軸方向他端に位置するフィラメン
ト16との一体部に至る領域に機械的な結合部が介在し
ておらず、その領域内で接触不良を発生させる部分が存
在していない。従って、電極部14Aからフィラメント
16への給電路で接触抵抗が変化する部分がないので、
フィラメント16への給電量を常に一定化させることが
できる。このため、フィラメント16での発熱量を常に
一定に維持することができるので、中和に必要な熱電子
を一定状態で生成することができる。しかも、接触抵抗
が変化する部分がないので、このような部分が存在した
場合に発生する放電や異常加熱が防止されることによ
り、給電路中での溶着も起きない。
【0039】一方、フィラメント16への給電が行なわ
れる場合には、フィラメントクランプ14とフィラメン
ト16との外径寸法の違い、この場合には、フィラメン
ト16の外径寸法を小さくした関係に設定してあるの
で、フィラメント16での発熱量を他の部分よりも多く
することができるので、フィラメント16において集中
的な発熱を行なわせることができる。このため、フィラ
メント16への給電量が一定することも相俟って、フィ
ラメント16で生成される熱電子の量を一定化させるこ
とができる。
【0040】また、フィラメント9Aの交換時には、締
結部材20を弛めることで保持部材18の長孔18Aを
フィラメントクランプ14の段部14Bから外し、フィ
ラメントクランプ14を絶縁部材12の孔から抜出す。
この場合、フィラメントクランプ14の電極部14Aの
外径がフィラメントクランプ14の本体の外径よりも小
さくされているので、フィラメントクランプ14が、図
1において下方に向け容易に抜出される。しかも、絶縁
部材12とフィラメントクランプ14との間には、機械
的な結合部が存在していないので上記両者が溶着するよ
うなことがないので、交換部品としてはフィラメントク
ランプ14およびこれに一体化されたフィラメント16
のみですみ、交換部品の点数を従来構造に比べて少なく
することができる。
【0041】なお、本発明は、上記実施例に限られるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内であれば、種々変更
することが可能である。例えば、フィラメントクランプ
は、ロッド状であればよく、その断面形状が特定される
ものではなく、多角形状の断面形状をとすることも可能
である。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、給電部か
らの電極が接続される接続部が位置するフィラメントク
ランプの軸方向一端からフィラメントが結合される軸方
向他端までの間に構成される給電路中に結合部を存在さ
せないロッド状に構成したので、嵌合や締結等の機械的
連結構造をなくすことができる。このため、機械的連結
構造を備えた場合に生じる連結部での放電あるい異常加
熱による溶着を未然に防止することが可能となる。した
がって、給電路内での溶着部分の発生を防止されること
で、交換に要する部品点数を少なくすることができ、特
に交換に際しては、予めかしめによって一体化されてい
るフィラメントおよびフィラメントクランプのみで済
む。
【0043】また、フィラメントクランプは、ロッドの
一部に形成された段部に嵌合する保持部材によって絶縁
部材に取付けられている。このため、フィラメントは、
保持部材が嵌合しているフィラメントクランプの段部の
一面を基準として位置決めされることが可能となる。し
たがって、熱電子放出位置をプラズマ生成条件に応じた
最適位置とすることができる。
【0044】さらに本発明によれば、フィラメントクラ
ンプに対してかしめにより一体化されているフィラメン
トは、フィラメントクランプよりも小径とされて発熱量
が多くなる構成であるので、フィラメント以外の箇所が
異常加熱状態になるような事態を防止することができ
る。しかも、フィラメントに至る範囲での接触抵抗の変
化を来す箇所がないので、フィラメントでの発熱量を安
定させることが可能となる。したがって、イオン照射に
よる電荷の中和に必要な熱電子の放出を安定的に行なわ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例によるイオン注入装置に用いられ
るプラズマ発生部での電極部の構造を示す断面図でる。
【図2】図1に示した電極部の斜視図である。
【図3】イオン注入装置の従来構造を説明するための模
式図である。
【図4】図3に示したイオン注入装置に用いられる電荷
中和用プラズマ発生部の電極構造の一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
9 プラズマ生成部に相当するプラズマ発生部 10 熱電子放出部 12 絶縁部材 14 フィラメントクランプ 14A 電極部 14B 段部 16 フィラメント 18 位置決め部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/265

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧雰囲気下で被処理体に不純物を注入
    するイオン注入装置において、 上記イオン注入される被処理体の近傍に配置されてい
    て、プラズマ生成ガスを導入されるプラズマ生成部と、 上記プラズマ生成部に配置されて熱電子を放出するフィ
    ラメントを備えた熱電子放出部とを備え、 上記熱電子放出部は、 上記フィラメントの端部が予め軸方向一端に一体化さ
    れ、軸方向他端に電極接続部を有する一対のロッドから
    なるフィラメントクランプと、 上記プラズマ生成部の筐体に固定されていて、上記フィ
    ラメントクランプの挿通部を有する絶縁部材と、 上記絶縁部材に挿通された上記フィラメントクランプを
    上記絶縁部材に固定する絶縁性の保持部材と、を、備え
    ていることを特徴とするイオン注入装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記フィラメントクランプは、一対のロッド途中に段部
    が形成され、 上記保持部材は、一対のロッドの段部に面接触し、その
    段部の一面を基準としてフィラメントの位置決めを行な
    うスペーサを構成していることを特徴とするイオン注入
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 上記フィラメントクランプとフィラメントとは、かしめ
    により面接触させた状態で一体化されていることを特徴
    とするイオン注入装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の一つにおいて、 上記フィラメントは上記一対のロッドよりも小径に形成
    されていることを特徴とするイオン注入装置。
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