JPH07146711A - ロボットハンドの位置決め方法およびその基準体 - Google Patents

ロボットハンドの位置決め方法およびその基準体

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JPH07146711A
JPH07146711A JP29177893A JP29177893A JPH07146711A JP H07146711 A JPH07146711 A JP H07146711A JP 29177893 A JP29177893 A JP 29177893A JP 29177893 A JP29177893 A JP 29177893A JP H07146711 A JPH07146711 A JP H07146711A
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robot hand
distance
axis
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reference body
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JP29177893A
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English (en)
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Koji Tomita
幸治 冨田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロボットハンドの3次元空間座標を用いた位
置決めに関し、ただ1つの距離センサを用いた簡単な構
造による正確な位置決めを可能とする。これにより、従
来、多数のセンサを用いて位置決めをする複雑な位置決
め方法が解決される。 【構成】 3次元空間座標系において、各変数が1対1
対応する方程式からなる基準線1を有する基準体Aを配
設し、該基準体A中の基準線1との高さ、すなわち距離
を測定する距離センサ2と、この測定した距離を演算処
理し、ロボットハンドの3次元空間座標での位置を確認
し、移動のための指標とすることで、ロボットハンドを
位置決めするようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマニュピレータ等の工業
用ロボットハンド(以下、ロボットハンドと記す)の正
確な位置決めを行う方法とその基準体に関する。
【0002】
【従来技術】特開平4−69725号公報には、図10
に示されるようなロボットハンドの3次元空間における
位置決め機構が開示されている。これは、工業用ロボッ
トハンド等の位置決めまたは作動精度の測定に用いられ
るものである。互いに直行するXY平面、YZ平面、X
Z平面からなる基準体1Aを3次元座標系に固定して設
ける。また、互いに直行するxy平面(3A)、yz平
面(3A)、xz平面(3A)を形成した、ロボットハ
ンドと同期して動く測定ヘッド2Aが、上記基準体1A
に近接して位置決めされる。この測定ヘッド2Aの各々
xy平面(3A)、yz平面(3A)、xz平面(3
A)には、これらの平面の傾き状態と基準体1Aからの
位置(距離)を確認するために必要な3個乃至6個の距
離センサS1乃至S6が配設されている。
【0003】基準体1Aは原点を0aとして正確に互い
に直交するXY平面、YZ平面、XZ平面を有し、この
基準体1Aはロボットハンド4Aの作業エリア内の任意
の位置に固定して設けられる。ロボットハンド4Aに設
けられた測定ヘッド2Aは、ロボットハンド4Aと同期
して動き、原点をobとして正確に互いに直交するxy
平面(3A)、yz平面(3A)、xz平面(3A)か
ら構成される。その平面の各々には距離センサ(S1〜
S6)が各平面xy、yz、xzに対し直行して配設さ
れている。
【0004】そして、xy平面(3A)には3個の距離
センサS1,S2,S3がxy平面(3A)に対して直
角に取り付けられ、同様にyz平面(3A)には2個の
距離センサS4,S5がyz平面(3A)に対して直角
に取り付けられ、xz平面(3A)には1個の距離セン
サS6がxz平面に対して直角に取り付けられている。
そして、測定ヘッド2Aの各平面は基準体1Aの各平面
にほぼ対面する位置で停止され、これらの距離センサに
より測定した値を設定値と比較しながらロボットハンド
4Aを位置決めするようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成によって3次元的位置情報を得るためには、極
簡単な位置決めにおいてもx・y・z座標系にそれぞれ
少なくとも1つの距離センサを配置する必要があり、従
って少なくとも合計で3つの距離センサを必要とする。
このために、位置決めのための装置としては複雑である
ばかりでなく、上記のような基準体1Aとそれに近接し
て位置情報を得る測定ヘッド2Aが必要であるために、
ロボットハンド4Aの作動範囲が制限される。
【0006】そこで本発明では、上記問題点に鑑み、た
だ1つのセンサと基準体によって、ロボットハンドの精
密な位置決めを容易に行うことができるようにすること
をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明の要旨とするところは、請求項1記載の発明に
係るロボットハンドの位置決め基準体にあっては、基準
線を有し、該基準線がX軸,Y軸,Z軸により規定され
る3次元空間座標系に設けられたx,y,zの各変数が
1対1対応をする関数であって、曲線または直線状の開
いた3次元関数からなることを特徴とし、この基準線
が、距離測定手段により検出可能な構成要素からなるこ
とを特徴とし、
【0008】また、請求項2記載の発明に係るロボット
ハンドの位置決め方法にあっては、X軸,Y軸,Z軸に
より規定される3次元空間座標系に設けられた基準体を
用い、この基準体との距離の差を距離測定手段により検
知し、この距離測定手段による距離信号をフィードバッ
クし、演算処理部にて演算制御することで、ロボットハ
ンド等の位置決めを行う位置決め方法において、前記基
準体に、X軸,Y軸,Z軸により規定される3次元空間
座標系で各変数が1対1対応をするx,y,zの関数か
らなる曲線または直線状の開いた3次元関数の基準線を
用い、この基準線と、この基準線を通過する位置での前
記距離測定手段との距離を測定し、その測定値から前記
x,y,zの変数の一つを確定することにより、他の二
つの変数を前記3次元関数による関数演算処理にて確定
し、これに基づきロボットハンド等の正確な位置を認識
し、設定した位置へ位置決めを行うようにしたことを特
徴とする。
【0009】
【作用】請求項1記載の3次元座標を用いたロボットハ
ンドの位置決め基準体において、この基準体における3
次元座標系に設けられた基準線は、各座標変数である
X、Y、Zの3つの変数に1対1対応する3次元関数か
らなる曲線または直線状のものである。これは基準体の
構成要素とは異なる構成要素からなり、この基準線の関
数は、一つの変数を確定すると他の二つの変数が確定さ
れる。つまり、この基準線は各X、Y、Zの3つの変数
に対して1対1対応する3次元関数であることから、こ
の関数においては一つの変数を決定すると他の二つの変
数が提供され、確定される。
【0010】また、請求項2記載のロボットハンドの位
置決め方法における作用としては、このロボットハンド
に設けられた1つの距離測定手段が、上記3次元座標に
おける一変数の軸方向からの基準体までの距離を測定
し、次いでその基準体中に配設された3次元関数である
基準線との距離を計測する。そしてこの計測した値と前
述の基準体までの距離から、その方向からの基準線の一
つの変数値を決定することができる。よってこの値によ
り前記基準線の3次元関数から他の二つの変数値を演算
し確定する。これにより、ロボットハンドの3次元座標
系における座標が確定する。そして、確定した上記他の
二つの変数値が設定した位置決め位置(例えば原点)で
ない場合には、これを設定した位置(原点であれば0)
となるようにロボットハンドを移動させることで位置決
めを行う。
【0011】
【実施例1】以下に本発明の実施例について説明する。
図2に本発明の実施に使用されるロボットハンドの装置
の一例を示す。ここに示すロボット200は、一般に多
関節形ロボットとよばれているものであり、その概要は
一般によく知られており、精機学会1984.5月出版
の『自動組立の基礎と応用・第10章』において、詳し
い説明がなされている。このロボット200におけるハ
ンド部100の先端に距離センサ2を具備したチャック
部110を備え、制御部AAからの信号によって機構部
BB、腕部CC、ハンド部100を図に示した矢印方向
に動かし、チャック部110によりワーク(図示しな
い)をチャッキングして作業するようになっている。
【0012】通常、機構部BB、腕部CCおよびハンド
部100の位置制御は演算処理部3から与えられた指令
値に対応した、上記各々の駆動部が駆動量に応じた信号
を位置制御部210に返し、この信号値が指令値に極限
まで近づくように駆動部と位置制御部210の内部でフ
ィードバック制御されている。
【0013】そして、ハンド部100の先端のチャック
部110に備えた距離センサ2は、ワーク作業位置付近
に設置された後述する基準体(図示せず)との間で計測
した距離の情報を演算処理部3に送る。この演算処理部
3で得られたチャック部110の空間位置に関するデー
タが、位置制御部210に送られそのデータに基づくロ
ボット200の作動制御がこの位置制御部210によっ
て行われる。
【0014】図1および図2に本実施例でのワーク(以
下、ライナーWと称する)の組付けにおける位置決めの
態様を示す。また、図3には、図1に示した加工台を上
方から見た図を示す。図1および図2は、本発明に関す
る最も簡単な構成で、実施例を判りやすく示した斜視図
である。その構成は、加工台130上にシリンダブロッ
ク150を位置決めする3つの位置決め部材154を設
置し、それらの間にシリンダブロック150を配設して
位置決め固定する。このシリンダブロック150には4
気筒分のボア152が等間隔で穿設されており、このボ
ア152の内周面に円筒形状のライナーWが挿嵌される
ようになっている。
【0015】また、ロボットハンド100の先端部に
は、手首部102がボルト105により回動可能に支持
されており、この手首部102を介してチャック部11
0が取り付けられている。そして、このチャック部11
0には、チャッキングのための並行移動式の交換フィン
ガ120が下方向に突設して設けられている。またチャ
ック部110の一部には、下方向に測定可能なように、
その一部に距離センサ2が配置されている。
【0016】図3について、加工台130上に設置され
たL字状の基準体載置台140には、シリンダブロック
150に穿設されたボア152の間隔に沿って、そのボ
ア152の上方に等間隔で基準体Aが配置されている。
また、この図では、4つのボア152中、ライナーWが
3つまで挿嵌されている状態を示した。
【0017】次に、チャック部110の機構を図4に詳
しく説明する。この図4に示したものは、並行移動式チ
ャック機構の一例である。手首部102に支持されたこ
のチャック部110は、手首部102に内蔵されたエア
式のシリンダ410により作動する。すなわち手首部1
02には、エア挿通口402とエア挿通口403がシリ
ンダ410に挿通するように設けられており、シリンダ
410内を摺動可能にピストン400が設けられてい
る。
【0018】そして、ピストン400から延びるロッド
405はチャック部110内のハンド本体460上まで
延設されており、そこで両面ラック420と接続してい
る。この両面ラック420の両側面には、これに噛合す
るようにピニオン430a、430aが配設されてお
り、そのピニオン430a、430aの下方には、これ
と同期して回転するようにハンド本体460上に設けら
れたピニオン430b、430bが配設されている。
【0019】また、このピニオン430b、430bに
噛合するように摺動ラック450a、450bがハンド
本体460上に各々設けられ、ハンド本体460上を左
右方向に摺動可能に設定される。そして、この摺動ラッ
ク450aと450bには、それぞれ交換フィンガ12
0a、120bが接続されており、この交換フィンガ1
20a、120bは、ハンド本体460上を互いに並行
移動可能に設けられている。また、上記摺動ラック45
0aと450bの間には、圧縮ばね440が跨設されて
いる。
【0020】そして、エア給排口402からエアをシリ
ンダ410内に供給することによってピストン400が
前進し、両交換フィンガ120a、120bが開放し、
またエア給排口403からエアをシリンダ410内に供
給することにより、ピストン400が後退し、両交換フ
ィンガ120a、120bが閉鎖するようになってい
る。
【0021】次に、本実施例構成による作動について説
明する。上述のように構成されたロボットハンドの装置
において、まず位置制御部210からの指令によりライ
ナーWの位置までロボットハンドを移動させ、チャック
部110によってライナーWをチャッキングする。この
チャックの作動態様を説明すると、図2に示すようなエ
ア給排口402からエアをピストン400内に供給させ
るようにし、同時にエア給排口403からエアを排出さ
せるようにする。これによりシリンダ410内のピスト
ン400が前進し、それによってピストン400から延
設されているロッド405が前進する。そして、そのロ
ッド405が接続した両面ラック420が矢印G方向へ
進動する。これによりこの両面ラック420と噛合した
ピニオン430a、430aがそれぞれ回転し、これと
同期してピニオン430b、430bが各々回転する。
【0022】そして、このピニオン430b、430b
の回転により、これとさらに噛合するように設けられた
摺動ラック450aと450bが、それぞれピニオン4
30b、430bとの噛合作用によって紙面右方向と左
方向(矢印G方向)へ開動する。したがって、この摺動
ラック450aと450bに接続された交換フィンガ1
20aと120bが、並行移動して開放する。
【0023】そして、ライナーW(図示せず)をこの交
換フィンガ120aと120bがチャッキングするため
に、エア給排口403からエアを挿入し、同時にエア給
排口402からはエアを排出することで、上述のチャッ
キングの機構における作動と逆の作動を行う。これによ
って交換フィンガ120aと120bが、並行移動して
閉鎖する。このとき、ラック450aと450b間に跨
設された圧縮ばね440は、交換フィンガ120aと1
20bの閉動方向に付勢して設けられており、ライナー
Wの把持にその付勢力を付加するものである。
【0024】次に、この第1の実施例における基準体A
の構成について図6により説明する。図6(イ)は、基
準体A中に設定された3次元空間座標系における空間直
線の基準線1を表す斜視図である。この基準線1は磁性
体よりなるものであり、その周囲近傍の基準体Aは非磁
性体により構成されている。また、距離センサ2には、
近接センサが用いられている。
【0025】この基準線1の関数f(x,y,z)はこ
の3次元空間座標系における各変数X,Y,Zに対し、
1対1対応する3つの変数x,y,zの関数からなる空
間直線の例である。
【0026】図6(ロ)は、この基準線1とこの距離セ
ンサ2との測定の概念を説明するための、基準体Aをそ
のY軸方向より見た図である。
【0027】次にこの基準体を用いた本発明の実施態様
を説明する。まず、ロボットハンドを移動させ、略基準
体A上に位置付けられたチャック部110(図示せず)
に設置した距離センサ2が、基準体AのX,Y平面との
距離z0 を測定する。そして、基準線1の上方に距離セ
ンサ2が位置した際の、基準線1と距離センサ2との距
離Z1 を測定する。これらの測定した距離の情報は演算
処理部3(図2)に送られ、そこでこれらの距離z0
よびz1 からz0 −z 1 を計算し、この距離センサ2の
位置での基準線1の高さz(=z0 −z1 )を求めるも
のである。
【0028】この演算処理部3(図2)ではさらにこの
空間直線上のzの値から、上記基準線1の関数f(x,
y,z)により他の変数x,yを求める。上述のように
して、その距離センサ2の位置が(x,y,z0 )とし
て求まるから、まずこの距離センサ2の位置を指定され
たx,yの値、例えば(0,0,z0 )へ移動させる。
【0029】そこで、演算処理部3が例えば距離センサ
2を予め設定されている座標値(0,0,z0 ’)から
(0,0,z0 ”)〔z0 ’>z0 ”〕へその3次元空
間座標を移動させ、ライナーW(図示せず)をボア15
2(図示せず)へ挿入するものとする。その場合、チャ
ック部110の座標値が距離センサ2の位置に対して、
各軸方向へどれだけ移動した地点へ位置するのかを考慮
したうえで、上記距離センサ2を例えば(0,0,
0 )へ移動させた場合に、丁度チャック部110がボ
ア152上へ位置決めされるように基準体Aはセットさ
れている。
【0030】このように設定したうえで、この距離セン
サ2の座標値を座標値(0,0,z 0 ’)から(0,
0,z0 ”)〔z0 ’>z0 ”〕へその3次元空間座標
を移動させてライナーW(図示せず)をボア152(図
示せず)へ挿入させるのである。その後、上記チャック
部110の交換フィンガ120a、120bとを開放さ
せてライナーWをアンクランプし、作業は完了する。
【0031】図5に、このロボット200の位置決めの
ための作業手順を簡略してフローチャートに示す。ステ
ップ1(以下S1と記す)では、ロボット200の位置
制御部210に予め設定された移動位置、すなわち基準
体A上に距離センサ2を移動させる。
【0032】つぎのS2では、上述のように基準体A中
の基準線1の上方に距離センサ2を微移動させた後、そ
の位置での基準線1の高さ方向の変数zを求める。
【0033】S3では、S2で求めたzの値から基準線
1により演算してx、yを算出する。この時点で、ロボ
ットハンドの3次元空間での座標値が判明する。
【0034】S4では、この得られたx、yを、設定し
た値、例えば原点である0またはその誤差が許容範囲Δ
ε内であるかどうかを判断し、もし、このx、yが原点
もしくは許容誤差内であればS5、S6へ進み、x、y
が原点でない場合は、このx、yをx⇒0、y⇒0とな
るようにロボットハンドを移動させて、再度S2へ進み
S2乃至S4を繰り返す。
【0035】この時、基準線1の関数f(x,y,z)
が既知であるので、ロボットハンドはX、Y2軸同時に
原点(0,0)近傍を割り出すことができる。
【0036】そして、ロボットハンドの位置決めがS4
を満足すると、次のS5または、S6へ進む。図1に示
すような基準体Aを作業位置近傍へ配置し、ロボットハ
ンドのチャック部110に距離センサ2を配置した場合
では、この距離センサ2による位置決め位置で、上述の
ように設定した基準体Aに対する座標値(0,0,
0 ’)から(0,0,z0 ”)〔z0 ’>z0 ”〕へ
その3次元空間座標を移動させることでチャック部11
0にチャッキングしたライナーW(図示せず)をボア1
52(図示せず)へ挿入するS6へ進む。
【0037】また、S5は基準体Aをロボットハンドの
作業位置から隔たった位置に設け、それによってロボッ
トハンドに装着した距離センサ2で一旦位置決めしてか
ら、作業位置へロボットハンドを移動させる場合のステ
ップを表したものである。(このS5は、1ストローク
のロボットハンドの作動では目的位置までの作動誤差が
許容範囲Δε内であるような、高精度なロボットハンド
の位置決めに可能な方法であり、また、ロボットハンド
の作動による累積誤差が位置決め精度の許容範囲Δεを
逸脱するような場合に初めてS1乃至S4による位置決
めを行うこともできる。)
【0038】そして一通りS1乃至S5を終了すると、
S8によって全ての基準体AについてライナーWを挿嵌
し終えたかどうかを判断する。そして全ての基準体Aに
ついてライナーWを挿嵌し終えた場合に終了するのであ
る。
【0039】次に、第1の実施例である図6に示すよう
な3次元空間座標系に用いられた空間直線の基準線1に
ついて具体的な例を示す。原点を通る空間直線の方程式
は一般に、変数x,y,zの関数:f(x,y,z)
で、任意の正の定数をb:c:dとして次のように表さ
れる。
【0040】
【数1】
【0041】例えばここで、b:c:dをそれぞれ5:
3:2とすると、この直線の方程式は次のように表さ
れ、この基準線1は原点と、空間座標の(5,3,2)
の二点を通る直線であることがわかる。
【0042】
【数2】
【0043】このことから、例えば上記の距離センサ2
が、基準体AにおけるXY平面との距離z0 を測定し
て、z0 =8と測定し、次に基準線1との交点Pにおけ
る距離センサ2との距離Z1 が、z1 =6と測定した場
合には、基準線1のこの点PにおけるZ座標での位置が
0 −z1 によりz=2と算出されるから、このときの
直線の方程式は次の数式のようになる。
【0044】
【数3】
【0045】これによりx,yの座標はそれぞれx=
5,y=3のように確定される。したがって、距離セン
サ2をX軸方向に−5、Y軸方向に−3だけ移動させる
と、チャック部110の交換フィンガ120でチャック
したライナーWがボア152上に高精度に位置決めされ
るのである。この時、X軸方向,X軸方向の移動量が同
時に演算されることは先に述べた通りである。
【0046】
【実施例2】図7にX軸,Y軸,Z軸により規定される
3次元空間座標系に原点を通る空間曲線を基準線1に用
いた、第2の実施例における基準体Aを示す。この基準
線1の関数f(x,y,z)はこの3次元空間座標系に
おいて各変数X,Y,Zに対し、1対1対応するx,
y,zの3つの変数をもつ関数からなる空間曲線の例で
ある。そして、この基準線1の上方から距離センサ2に
よって基準線1との距離を測定することになる。この基
準線1を用いた位置決めの作動は、上述の空間直線の例
と同様であるので、詳しい説明は省略し、以下に具体的
な数値を使った例を示す。
【0047】この空間曲線の方程式は、変数x,y,z
の関数:f(x,y,z)であり、任意の正の数をg,
hとして次のように表される。
【0048】
【数4】
【0049】この〔数4〕は、空間曲線のXY平面への
投影図形がy=gx:また、XZ平面への投影図形がz
=h√xのように表されるような空間曲線である。
【0050】この〔数4〕は、つぎに示すようなZの変
数をパラメータにした式〔数5〕に書き換えることがで
きる。
【0051】
【数5】
【0052】この具体例については定数m:nがそれぞ
れ確定した方程式の関数を基準線に用いることでx,y
の座標は確定される。例えば、m=2,n=3のとき、
この方程式は次のようになる。
【0053】
【数6】
【0054】これによってzの値が定まれば、xとyの
値も定まることになる。例えば上記距離センサ2が、X
Y平面との距離z0 を測定してz0 =9であるとする。
次に距離センサ2が基準線1との交差位置Pにおいて測
定した距離z1 がz1 =5とする。このように測定され
た場合、基準線1の点PにおけるZ座標での位置は、z
0 −z1 によりz=4と算出されることから、このとき
のx,yの座標はそれぞれx=32,y=48のように確定
される。
【0055】このようにして、ロボットハンドのx,y
方向でのそれぞれについての移動距離に関する情報が得
られ、それらの情報に基づいて上述のようにロボットハ
ンドが位置決めされる。
【0056】
【実施例3】次に、第3の実施例について図8にX軸、
Y軸、Z軸により規定される3次元空間座標系に配置さ
れた、錐状螺線からなる空間曲線を基準線1に用いた実
施例を示す。この基準線1の関数f(x,y,z)は、
この3次元空間座標系において各変数X,Y,Zに対
し、1対1対応するx,y,zの3つの変数をもつ関数
からなる空間曲線の例である。そして、この基準線1の
上方から距離センサ2によって基準線1との距離を測定
することになる。この基準線1を用いた位置決めの作動
は、上述の第1および第2の実施例と同様であるので、
詳しい説明は省略し、以下に具体的な数値を使った例を
示す。
【0057】この錐状螺線は、その頂点を3次元空間座
標系におけるXY平面上の原点、すなわちZ軸上に配置
されているもので、錐状螺線上の任意の点PでのXY座
標平面上における点P’(x,y)が、この錐状螺線上
の任意の点Pと1対1対応している。そこで、このXY
座標平面上に投影された螺線を、原点を中心とした極座
標で表した場合、その動径で表すことができる。一般
に、このような螺線を、その動径rがX軸からの角度を
反時計回りにθ(単位;ラジアン)としたとき、つぎの
ように表すことができる。
【0058】
【数7】
【0059】本実施例では簡単のためにr=aθ(a>
0;aは任意の定数)で表される螺線を用いて説明す
る。そしてこの螺線を、図9に模式的に示すようにZ軸
座標方向に錐状螺旋状としたときの、その仰角をαとす
る。この時、点P’(X,Y)はP’(r,θ)と表せ
る。
【0060】まず距離センサ2によってこの基準線1と
の距離を測定する。このとき、上述の第1、第2の実施
例のように錐状螺線上の任意の点Pと距離センサ2との
距離がz1 、基準体AのXY平面と距離センサ2との距
離がz0 として求まる。したがって、この錐状螺線上の
任意の点PにおけるZ座標は、z=z0 −z1 として求
められる。
【0061】よって、図9(イ)によれば、基準体Aの
XY平面上から垂状螺線の頂点までの高さがz2 で既知
であり、このときの基準体AのXY平面上での点P’の
原点からの動径rは次のようになる。
【0062】
【数8】
【0063】したがって、r=aθ(a>0;aは任意
の定数)であることから、このときのXY平面座標にお
けるθ(単位;ラジアン)(図9参照)はθ=r/aと
なる。これに上記rを代入するとθは、
【0064】
【数9】
【0065】となる。また、図8を参照したときの、基
準体AのXY平面上での点P’の変数x,yの値は極座
標の値と組み合わされ、次のように表される。
【0066】
【数10】
【0067】したがって、この〔数10〕に上記〔数
8〕と〔数9〕の値を代入して、点P’の変数x,yの
値は次のように表される。
【0068】
【数11】
【0069】このようにして求められたXY平面上での
点P’の座標と、Z軸座標の値によって、ロボットハン
ドの3次元空間座標系での位置が確定される。ここでZ
=zとすると錐状螺線上の点Pの空間座標を表し、ま
た、Z=z0 とすると距離センサ2の空間座標を表すこ
とになる。このようにして、ロボットハンドのx,y方
向でのそれぞれについての移動距離に関する情報が得ら
れ、それらの情報に基づいて上述のようにロボットハン
ドが位置決めされる。
【0070】つぎに、本実施例を具体的な数値を示して
説明する。図9(ロ)に示すように、錐状螺線の基準体
1の仰角αをα=60°とし、またこのときの任意の正の
定数aを、a=2.00、XY平面から錐状螺線の頂点まで
の高さz2 を、z2 =60.62 とする。そして、距離セン
サ2によって計測された計測値を、z0 =70.62 、z1
=33.58 とする。
【0071】このとき、XY平面上での点P’の原点か
らの動径rは、〔数8〕により次のようになる。 r=23.58/√3 したがって、このときのXY平面座標におけるθ(単
位;ラジアン)は、〔数9〕によりrをaの値で割るこ
とから、θは、 θ=11.79/√3⇔(13/6)π となる。 よって、このθの値と動径rの値を〔数10〕に代入す
ると、XY平面上での点P’(x,y)座標の値はそれ
ぞれ次のように計算される。
【0072】
【数12】
【0073】したがって、この錐状螺線(基準線1)上
の点Pの空間座標は次のように求まる。 P(x,y,z)=(11.79 ,6.81,37.04 ) また、このときの距離センサ2の空間座標は、次のよう
になる。 距離センサ2(x,y,z)=(11.79 ,6.81,70.62
【0074】以上の実施例においては、距離センサとし
て近接センサを用い、それに応じて各実施例において基
準線1に磁性体を使用した例を述べたが、この他に距離
センサとしてレーザー光による、投光受光素子を備えた
距離センサを利用したもの、音波による距離センサを利
用したもの等も同様の効果がある。これらの距離センサ
に対しては基準線を全反射性物質により構成し、その他
の基準体を全反射しない物質等で構成する等、基準体A
を各センサ毎に対応させたものとすることができる。ま
た、特にレーザー光による距離センサを用いた場合に効
果が期待できるものとして、この基準体Aのスケールを
高精度に小さく変更することで、レーザー光の精度を利
用した高精度の位置決めが可能である。
【0075】また、上記の錐状螺線の基準線1を用い
た、ロボットハンドの位置決めを行う方法の一つとし
て、上述した方法の他に、基準線1上の任意の点Pの3
次元空間座標系におけるデータを得た段階で、ロボット
ハンドを原点周りにθラジアンだけ回動させてX軸、あ
るいはY軸上に位置指せたのち、その軸上を原点へ移動
させる等の位置決めの仕方も勿論可能である。
【0076】また、上記の実施例においては基準体Aの
設置された位置を、ワークとしてのライナーWを挿入す
る付近に設定してロボットハンドの位置決めを行ってい
るが、これは、ロボットハンドの差動誤差に対する組付
許容誤差が、ロボットハンドの1ストローク以内での差
動誤差より小さい場合に有効であり、その組付の度に位
置決めを行っているものである。
【0077】しかしながら、上述したように組付許容誤
差がロボットハンドの1ストローク以内での作動誤差よ
り大きく、ロボットハンドの繰り返し作動により生じる
累積誤差によって初めて許容誤差を逸脱するような場合
には、ロボットハンドの、その組付の度に位置決めを行
う必要はない。そして、基準体AもライナーWを挿入す
る付近に設定する必要はなく、別の位置にロボットハン
ドの作動により生じる振動を受けないようにして設置
し、チャック部110と距離センサ2との相互位置関係
は演算処理部3に予め入力しておくようにしても、本件
発明は実施できるものである。
【0078】このように本発明は、その思想を逸脱しな
い範囲に於いてあらゆる変更が成され得るものである。
【0079】
【発明の効果】本発明における3次元座標を用いたロボ
ットハンドの位置決め方法の効果として、3次元におけ
る正確な1対1対応の関数をその形状にもつ基準体を設
けたので、一つの距離センサを用いるだけで3次元空間
における全ての情報が正確に得られ、このために、従来
必要であった少なくとも3つの距離センサが、1つの距
離センサにより3次元座標の位置が特定可能であり、多
箇所の位置決めを必要とするロボットハンド等の位置決
めにも利用することができる。
【0080】また、多数のセンサの配置が必要なために
生じていたセンサ取り付け場所の確保、それらのセンサ
との干渉を回避するロボットハンドの移動経路の作成も
不要となる。
【0081】さらには、距離センサを少なくしたこと
で、従来行われていたような複雑な座標データの処理量
を減らすことができ、測定時間の短縮も図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する位置決めを行うロボットハンド
による位置決め態様を表すものである。
【図2】本発明に使用されるロボットハンドの装置構成
例である。
【図3】本発明の位置決めに係り、位置決めの対象と基
準体の設置態様を上方から見た図である。
【図4】本発明に使用されるロボットハンドのチャック
機構を示す図である。
【図5】本発明に関するロボットハンドによる位置決め
の作業手順を表すものである。
【図6】本発明の第1の実施例に使用される基準体Aと
基準線1を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に使用される基準体Aと
基準線1を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施例に使用される基準体Aと
基準線1を示す図である。
【図9】本発明に第3の実施例に使用される基準体A
を、X軸方向から見た側面図である。
【図10】従来技術に関する位置決め装置を示す要部斜
視図である。
【符号の説明】
A・・・基準体 W・・・ライナー 1・・・基準線 2・・・距離センサ(距離測定手段) 3・・・演算処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01B 11/00 A Z 21/00 E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準線を有し、該基準線がX軸,Y軸,
    Z軸により規定される3次元空間座標系に設けられた
    x,y,zの各変数が1対1対応をする関数であって、
    曲線または直線状の開いた3次元関数からなることを特
    徴とする基準体。
  2. 【請求項2】 X軸,Y軸,Z軸により規定される3次
    元空間座標系に設けられた基準体を用い、この基準体と
    の距離の差を距離測定手段により検知し、この距離測定
    手段による距離信号をフィードバックし、演算処理部に
    て演算制御することで、ロボットハンド等の位置決めを
    行う位置決め方法において、 前記基準体に、X軸,Y軸,Z軸により規定される3次
    元空間座標系で各変数が1対1対応をするx,y,zの
    関数からなる曲線または直線状の開いた3次元関数の基
    準線を用い、この基準線と、この基準線を通過する位置
    での前記距離測定手段との距離を測定し、その測定値か
    ら前記x,y,zの変数の一つを確定することにより、
    他の二つの変数を前記3次元関数による関数演算処理に
    て確定し、これに基づきロボットハンド等の正確な位置
    を認識し、設定した位置へ位置決めを行うようにしたこ
    とを特徴とするロボットハンドの位置決め方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20130110889A (ko) * 2012-03-30 2013-10-10 현대중공업 주식회사 기판 반송 로봇 핸드의 성능 테스트 장치 및 방법
JP2017194373A (ja) * 2016-04-21 2017-10-26 ファナック株式会社 厚さ測定装置および厚さ測定方法

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