JPH0713939Y2 - 主軸駆動機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は工作機械等の主軸の駆動機構に関するものであ
る。

従来の技術 従来、工作機械等の主軸の駆動機構としては10000r.p.m
を越えるような高速回転はビルトインモータ又は継手を
介したモータ直結若しくはベルト駆動が多く用いられ、
中低速回転は歯車駆動が多く用いられている。

近年、高速回転から中低速回転までをカバーする広範囲
回転形主軸の需要が多く、最近これに対応するため開発
された公知の技術として実開昭61-159141号がある。こ
のものは主軸頭内に組込まれた高速用交流ビルトインモ
ータと、主軸頭外に設けられベルトを介して主軸を駆動
する低速用直流サーボモータとの２つの駆動モータを有
し、低速用直流サーボモータと主軸との間を電磁クラッ
チにより結合，離脱を行い、選択的に主軸を駆動するよ
うになしたものである。

考案が解決しようとする課題 従来の技術で述べた実開昭61-159141号の技術は、低速
域の直流サーボモータはベルトを介して主軸を回転する
ようになっており、ねじ切り等の軽切削又は主軸の割出
し等のように負荷が小さい場合には問題ないが低速，重
切削を目的とする一般の主軸駆動方式としては高トルク
が期待できないという問題点を有している。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
なされたものであり、その目的とするところは高速に優
れたビルトインモータ駆動と、中低速時の高トルク駆動
に優れた歯車駆動とを組合わせて、１個の主軸に低速重
切削（高トルク）から高速切削までの幅広い性能を付与
し、更に高精度で騒音振動が少なく、保守の手間がかか
らず安全性の高い主軸駆動機構を提供しようとするもの
である。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案における主軸駆動機
構は第１外歯クラッチを嵌着する主軸と、該主軸を直接
駆動する高速回転用ビルトインモータと、前記主軸に摺
動回転可能に嵌装され前記第１外歯クラッチに噛合う第
１内歯クラッチ及び主軸と同心に固定された第２内歯ク
ラッチに噛合う第２外歯クラッチを有する歯車筒と、該
歯車筒を介して主軸を駆動する中低速用駆動モータと、
前記歯車筒の第１内歯クラッチを前記主軸の第１外歯ク
ラッチと又は第２外歯クラッチを固定の内歯クラッチと
結合，離脱するシフタを含んでなり、回転数の領域に応
じて複数の駆動用モータを選択的に使用するものであ
る。

また前記歯車筒が主軸と連結したとき少なくとも前記高
速回転用ビルトインモータをインタロックする手段を付
加したものである。

作用 高速回転時にはビルトインモータにより直接主軸を駆動
し、中低速回転時には歯車筒をシフタで切換えて駆動モ
ータにより歯車を介して主軸を回転する。

実施例 実施例について第１図を参照して説明する。主軸台本体
１に複数の軸受により主軸２が回転可能に軸承され、主
軸２の後端部に高速駆動用ビルトインモータ３のロータ
3aが嵌着されており、ビルトインモータのステータ3bが
嵌着される枠体3cは、本体１の主軸と同心に穿設された
穴に嵌着され、枠体3cの左端部内周には内歯クラッチ3d
が刻設されている。更に主軸２には外歯クラッチ4aを左
側に有する円筒４が嵌着され、円筒外周にシフタ５によ
り軸方向移動可能に従動歯車６が嵌挿されている。従動
歯車には右側に外歯クラッチ6aが、また左側には内歯ク
ラッチ6bがそれぞれ刻設されており、従動歯車６はシフ
タ５により軸方向移動されるようになっている。更に本
体１には主軸２と平行に中低速用駆動モータ７が固着さ
れており、モータ７の出力軸に嵌着される駆動歯車８
は、中間歯車９を介して従動歯車６と噛合している。そ
してシフタ５によって従動歯車６が左側へ移動されて、
内歯クラッチ6bが外歯クラッチ4aと係合して駆動歯車8,
中間歯車9,従動歯車６を介して主軸２が駆動モータ７に
より中低速で回転され、またシフタ５によって従動歯車
６が右側へ移動されて、外歯クラッチ6aが内歯クラッチ
3dと係合して、従動歯車６の回転が規制され、従動歯車
６に対して主軸２がフリーとなり、ビルトインモータ３
の回転で直接主軸が高速回転されるようになっている。
更に従動歯車６の左側移動時にはビルトインモータ３へ
の通電が規制され、従動歯車６の右側移動で駆動モータ
７への通電が規制される図示しないインタロックが設け
られている。

尚駆動モータ７による中低速回転中は、ロータ3aは主軸
２と共に回転する。

考案の効果 本考案は上述のとおり構成されているので、次に記載す
る効果を奏する。高速はビルトインモータにより、また
中低速は歯車部材を介して駆動モータにより主軸を選択
的に駆動するようになしたので、高速域ではバランスよ
く安定した高精度回転が、また中低域では高トルク駆動
が可能となり、簡単な構造で低速から高速回転まで広範
囲にわたって高い回転精度と大きな出力を主軸に与える
ことができる。また主軸との連結を外した従動歯車６は
円筒４の外歯クラッチを固定の内歯クラッチと係合させ
るので回転が規制され、歯車筒の移動と関連して他方の
使用しない側のモータがインタロックされるので誤作動
がなく安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の主軸駆動機構の断面図である。 ２……主軸、３……ビルトインモータ ７……駆動モータ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】第１外歯クラッチを嵌着する主軸と、該主
   軸を直接駆動する高速回転用ビルトインモータと、前記
   主軸に摺動回転可能に嵌装され前記第１外歯クラッチに
   噛合う第１内歯クラッチ及び主軸と同心に固定された第
   ２内歯クラッチに噛合う第２外歯クラッチを有する歯車
   筒と、該歯車筒を介して主軸を駆動する中低速用駆動モ
   ータと、前記歯車筒の第１内歯クラッチを前記主軸の第
   １外歯クラッチと又は第２外歯クラッチを固定の内歯ク
   ラッチと結合，離脱するシフタとを含んでなり回転数の
   領域に応じて複数の駆動用モータを選択的に使用するこ
   とを特徴とする主軸駆動機構。
2. 【請求項２】前記歯車筒が主軸と連結したとき少なくと
   も前記高速回転用ビルトインモータをインタロックする
   手段を付加したものである請求項１に記載の主軸駆動機
   構。