JPH07137143A - 3次元物体成形方法及び装置 - Google Patents

3次元物体成形方法及び装置

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JPH07137143A
JPH07137143A JP5290697A JP29069793A JPH07137143A JP H07137143 A JPH07137143 A JP H07137143A JP 5290697 A JP5290697 A JP 5290697A JP 29069793 A JP29069793 A JP 29069793A JP H07137143 A JPH07137143 A JP H07137143A
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JP
Japan
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dimensional object
resin
liquid
molding
heating
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JP5290697A
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English (en)
Inventor
Yasuo Katano
泰男 片野
Minoru Morikawa
穣 森川
Hidenori Tomono
英紀 友野
Shinji Tanaka
田中  慎二
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡便で複雑な制御なしに複雑な形状の3次元物
体を成形でき、どのような樹脂でも成形でき、大きな成
形品でも加工でき、外部振動にも強く、酸素の影響も受
けず、温度制御が容易で、可視光による加工が可能な3
次元物体成形方法及び装置を提供する。 【構成】本発明の3次元物体成形方法及び装置では、液
体との接触状態で加熱冷却を受けると表面の後退接触角
が低下する性質を有する材料を用い、当該材料12を表
面に形成した支持体11を樹脂液13に接した状態でデ
ータ処理装置からの信号に応じてレーザ光等の加熱手段
15で加熱し、冷却後、樹脂液13を除去し加熱部(潜
像)に付着した樹脂液を乾燥し立体物(3次元物体)の
特定の一層(樹脂層)14を形成し、その後、その表面
に当該材料12を形成し、別の信号に応じて上記の加熱
を再び行ない次の樹脂層14を形成し、この一連の工程
を繰り返すことにより立体物16を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立体的な物体を成形す
るための3次元物体成形方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータによるデザイン(CAD:
computer aided design )が近年盛んに行なわれてお
り、3次元物体のデザインや設計にもCADが使われて
いる。従来、CADによる成形では、NC(numericall
y controlled)加工が一般的である。しかし、切削によ
るNC加工では、曲面などの細かな加工や3次元物体内
部の加工は困難であった。そこで、最近、光硬化性樹脂
を用いた3次元物体の加工方法が提案され、一部実用化
されている。この3次元物体の加工方法としては、例え
ば以下に示す、レーザ光による加工方法や、インク
ジェットヘッドによる加工方法がある。
【0003】レーザ光による加工方法 公知文献(O plus E,No.133,P11
7)や特開平3−218816号公報に開示されている
ように、CADのデータに基づき光硬化性樹脂液にレー
ザ光を走査し、層状に樹脂を硬化させて立体物を成形す
る。この方法は3次元物体内部も成形でき、しかも、N
C加工よりも手軽にできるという利点を有する。しか
し、この方法では、 a.成形には液の粘度や表面張力が一定である必要があ
るが、レーザ照射により樹脂液温が上昇し液の粘度が変
化しやすくなる。このため、温度制御が大変である、 b.一般に、樹脂液中に酸素があると光硬化反応が疎外
される。成形前に液中の溶存酸素を除去しても作業時間
が長くなると大気中の酸素が液中に溶け込むため長時間
の作業が難しい。従って、時間のかかる大きな成形品の
作製には不向きである、 c.作業中に液に振動が加わると樹脂の硬化時に変形が
起こり精度がでない。このように、振動対策が大変であ
る、 d.使用する樹脂としては光硬化性を示すものでなけれ
ばならず、成形対象が制約を受ける、 などの問題点を有する。
【0004】インクジェットヘッドによる加工方法 特開平2−307728号公報に開示されているよう
に、インクジェットヘッドを用いて光硬化性樹脂を被対
象物にコートし光硬化させて樹脂層を一層形成し、これ
を繰り返すことで立体物を成形する。しかし、この方法
でも上記と同じく、 a.使用する樹脂としては光硬化性を示すものでなけれ
ばならず、成形対象が制約を受ける、 b.インクジェットヘッドのノズルが目詰まりしやす
い、 などの問題点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ど
のような樹脂でも成形でき、大きな成形品でも加工で
き、しかも、外部振動に強く、酸素の影響を受けず、温
度制御が容易であり、可視光による加工が可能な新規な
3次元物体成形方法及び装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の3次元物体成形方法では、液体との
接触状態で加熱冷却を受けると表面の後退接触角が低下
する性質を有する材料を用い、当該材料を表面に形成し
た支持体を樹脂液に接した状態でデータ処理装置からの
信号に応じて加熱し、冷却後、樹脂液を除去し加熱部に
付着した樹脂液を乾燥し立体物(3次元物体)の特定の
一層を形成し、その後、その表面に当該材料を形成し、
別の信号に応じて上記の加熱を再び行ない次の樹脂層を
形成し、この一連の工程を繰り返すことにより立体物を
成形することを特徴としている。
【0007】請求項2記載の3次元物体成形方法では、
液体との接触状態で加熱冷却を受けると表面の後退接触
角が低下する性質を有する材料を用い、当該材料を表面
に形成した支持体を当該材料を含有する樹脂液に接した
状態でデータ処理装置からの信号に応じて加熱し、冷却
後、樹脂液を除去し加熱部に付着した樹脂液を乾燥し立
体物(3次元物体)の一層を形成し、別の信号に応じて
上記の加熱を再び行ない次の樹脂層を形成し、この一連
の工程を繰り返すことで立体物を成形することを特徴と
している。
【0008】請求項3記載の3次元物体成形方法では、
請求項1,2において、加熱源として可視から赤外の範
囲に入る波長の電磁波を放射する光源を用い、データ信
号に応じて被対象物または光源が可動し当該樹脂層に相
当する領域を加熱し樹脂層の線像を形成することを特徴
としている。
【0009】請求項4記載の3次元物体成形方法では、
請求項1において、樹脂層形成手段と記録層形成手段と
乾燥手段とがあり、乾燥工程を毎回行ないながら被対象
物は樹脂層形成手段と記録層形成手段の間を往復し樹脂
層を多層化していくことを特徴としている。
【0010】請求項5記載の3次元物体成形方法では、
請求項2において、樹脂層形成手段と乾燥手段とがあ
り、乾燥工程を毎回行ないながら被対象物は両方の手段
の間を往復し樹脂層を多層化していくことを特徴として
いる。
【0011】請求項6記載の3次元物体成形方法では、
請求項1,2において、当該材料を表面に形成した支持
体は当該光源に対し光透過率の高い部材で構成されてい
ることを特徴としている。
【0012】請求項7記載の3次元物体成形方法では、
請求項1,3において、被対象物は立体成形時に回転
し、その表面に樹脂液を滴下する前または滴下した後、
信号に応じて加熱し、その後、記録層コート液を滴下す
ることを繰り返し行ない立体物を成形することを特徴と
している。
【0013】請求項8記載の3次元物体成形方法では、
請求項1,3において、被対象物表面に樹脂液をコート
する前またはコートした後、信号に応じて加熱し、その
後、気体ブローにより樹脂液を除去し、その後、記録層
をコートし、立体物の特定の一層を形成し、これを繰り
返すことで立体物を成形することを特徴としている。
【0014】請求項9記載の3次元物体成形方法では、
請求項2,3において、被対象物は立体成形時に回転
し、その表面に当該材料を含有した樹脂液を滴下する前
または滴下した後、信号に応じて加熱することを繰り返
し行ない立体物を成形することを特徴としている。
【0015】請求項10記載の3次元物体成形方法で
は、請求項2,3において、被対象物表面に当該材料を
含有した樹脂液をコートする前またはコートした後、信
号に応じて加熱し、その後、気体ブローにより樹脂液を
除去し、立体物の特定の一層を形成し、これを繰り返す
ことで立体物を成形することを特徴としている。
【0016】請求項11記載の3次元物体成形方法で
は、請求項1,2において、一つの光源と2次元光シャ
ッターアレイを用いて信号に応じてシャッターの開閉を
行ない被対象物表面を選択的に加熱することを特徴とし
ている。
【0017】本発明の3次元物体成形装置は、記録層形
成手段、樹脂層形成手段、加熱手段、及び乾燥手段を備
え、請求項1乃至請求項11記載の成形方法により立体
物を成形することを特徴としている(請求項12)。
【0018】
【作用】本発明らは先に、液体に接した状態で加熱され
冷却後、後退接触角が低くなり、液体の付着性が増大す
る性質を有する材料を見出し、当該材料を記録体として
応用する技術を提案した(特開平3−178478号公
報参照)。本発明は、当該材料(以下、記録層材料と記
す)を3次元物体の成形に応用した発明である。本発明
者らは、上記機能を有する材料は、その表面が(a)疎
水基の表面自己配向機能を持つ有機化合物を含む部材、
または、(b)疎水基を持つ有機化合物であって疎水基
を表面に配向した部材であることを確かめた。(a)に
いう表面自己配向機能とは、ある化合物を支持体上に形
成した固体またはある化合物自体による固体を空気中で
加熱すると、表面において疎水基が空気側(自由表面
側)に向いて配合する性質があることを意味する。この
ことは(b)においてもいえることである。一般に、有
機化合物では疎水基は疎水性雰囲気側へ向きやすい現象
を持っている。これは、固・気界面の界面エネルギーが
低くなる方に向かうために生じる現象である。また、こ
の現象は疎水基の分子長が長くなるほどその傾向がみら
れるが、これは分子長が長くなるほど加熱における分子
の運動性が上がるためである。更に具体的には、末端に
疎水基を有する(即ち表面エネルギーを低くする)分子
であると、空気側(自由表面側)を向いて表面配向しや
すい。同様に−(CH2)−nを含む直鎖状分子では−(C
2CH2)−の部分が平面構造をしており、分子鎖どう
しが配向しやすい。また、ベンゼン環を含む分子もベン
ゼン環の部分が平面構造をしており、分子鎖どうしが配
向しやすい。殊に、弗素などの電気陰性度の高い元素を
含む直鎖状分子は自己凝集性が高く、分子鎖どうしが配
向しやすい。これらの検討結果をまとめると、より好ま
しくは、自己凝集性の高い分子を含んだり平面構造を持
つ分子を含み、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分
子、或いは、そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自
己配向機能が高い化合物といえる。尚、上記疎水基とし
ては、弗素置換や塩素置換による置換アルキル基、ある
いは無置換アルキル基などがある。
【0019】ここで、表面自己配向状態と後退接触角と
は関連があり、また、後退接触角と液体付着性との間に
も関係がある。すなわち、固体表面での液体の付着は、
液体の固体表面での主にタッキングによって生じる。こ
のタッキングはいわば液体が固体表面を滑るときの一種
の摩擦力とみなすことができる。従って、本発明でいう
後退接触角θr は、前記摩擦力をγf とすると、 cosθr=(γ/γLV)(γS−γSL−πe4γf) (但し、γ:真空中の固体の表面張力 γSL:固−液界面張力 γLV:液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe:平衡表面張力 γf :摩擦張力 γS :吸着層のない固体の表面張力、である) の関係式が成り立つ。従って、後退接触角θr の値が低
くなるときγf 値は大きくなる。すなわち、液体は固体
面を滑りにくくなり、その結果、液体は固体面に付着す
るようになる。これら相互の関連から推察しうるよう
に、液体付着性は後退接触角θr がどの程度であるかに
左右され、その後退接触角θr は表面自己配向機能を表
面に有する部材の如何により定められる。
【0020】それ故、本発明方法においては、記録層材
料として、液体との接触状態で加熱冷却を受けると表面
の後退接触角が低下する性質を有する材料、すなわち前
述の表面自己配向機能を表面に有する部材が選択され
る。尚、このような性質を有する材料としては、ビニル
系高分子側鎖にアルキル基(弗素及び/又は塩素置換の
ものも含む)を有する化合物など種々のものが考えられ
る(特開平3−178478号公報参照)。上記のよう
な化合物を記録層材料として支持体上に記録層を形成し
た場合、その表面は、前述したように疎水基がかなり配
向した表面となっていることが考えられる。従って、通
常はこの表面は液体反撥性を有する(疎水基は表面エネ
ルギーが小さいため)。この状態で記録層の表面が液体
と接した状態で加熱を受けると、加熱による疎水基の分
子運動が活発となり、かつ、液体との相互作用を受け
て、記録層の表面の少なくとも一部の配向(整列)状態
が別の状態(即ち、別の配向状態または配向が乱れた状
態)に変わり、冷却後もその別の状態を維持する。尚、
記録層の表面に液体が接した状態のもとで加熱すること
と、記録層の表面が加熱された状態のもとに液体を接触
させることとは同じである。この加熱前は、疎水基が表
面に整列(配向)しているため、記録層表面の表面エネ
ルギーは極めて小さく、後退接触角が大きく液体反撥性
を有する。ところが、液体が接した状態のもとでの加熱
により配向状態は乱れて表面エネルギーが高まる。後退
接触角は、液体の種類にかかわらず、固体と液体との表
面エネルギーのバランスで決定される。このため、固体
の表面エネルギーが高まれば、液体の種類にかかわらず
後退接触角は低くなる。従って、記録層表面の液体が接
触した状態で加熱された部分の後退接触角は低くなり、
液体に対する付着性は増大することになる。
【0021】本発明では、上述した記録層材料の性質を
利用して3次元物体を成形する。図11に記録層材料の
性質の簡単な説明を示す。図11において、ある支持体
11上に上述の性質を有する記録層材料12を形成し、
液体に接触した状態で選択的に加熱すると、冷却後、加
熱部表面は液体に対する後退接触角が著しく低下する。
すなわち加熱部の液体付着性が増大し、いわゆる潜像領
域が形成される。従って、この状態で液体を除去しても
加熱部には液が残存する。本発明はこの性質を利用し、
表面に上記記録層材料12を形成した支持体11を樹脂
液13に接した状態でデータ処理装置からの信号に応じ
て加熱し冷却した後、樹脂液を除去すると、加熱部(潜
像領域)にのみ樹脂液が残存するので、加熱部に付着し
た樹脂液を乾燥すれば立体物(3次元物体)の特定の一
層が形成される。この後、その表面に記録層材料を形成
し、別の信号に応じて上記の加熱を再び行なえば次の樹
脂層が形成される。そしてこの一連の工程を繰り返して
樹脂層を積層することで3次元物体を成形することがで
きる。これにより従来よりも簡便で複雑な制御なしに複
雑な形状の3次元物体を成形することが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。まず、図1を参照して本発明のうちの一つ
の新規な3次元物体成形方法の原理を説明する。図1に
おいて、(1)まず、支持体11上に記録層材料12を
形成し、成形物の原料となる樹脂を溶解又は分散した液
(以下、樹脂液と記す)13中に支持体11を浸漬す
る。この状態でデータ処理装置からの信号に応じて制御
されたレーザ光等の加熱手段15により支持体表面を選
択的に加熱する。(2)冷却後、加熱部表面に液に濡れ
を示す潜像が形成される。(3)その後、支持体11を
樹脂液13から取り出すと潜像部に樹脂液が付着する。
(4)このまま乾燥すると支持体11上に樹脂層14が
形成される。(5)その後、記録層材料の層12を樹脂
層14上に形成し(記録層の形成)、(6)再び樹脂液
13中に浸漬し、データ処理装置からの信号に応じて制
御されたレーザ光等の加熱手段15により別の部分を加
熱する。(7)冷却後、(8)支持体11を樹脂液13
から取り出すと加熱部に樹脂液が付着し、(9)乾燥す
ると別の樹脂層14が形成できる。(10)これを繰り
返し樹脂層14を積層することで3次元物体(立体物)
16が成形できる(請求項1)。
【0023】樹脂層一層の厚みは液の粘度、液中の樹脂
固形分量、液からの支持体の引き上げ速度により決ま
る。粘度が低く、固形分量が少なく、引き上げ速度が速
いほど、加熱部への樹脂液の付着量は少なくなり、樹脂
層の厚みは薄くなる。一層の厚みが薄いと積層成形する
繰り返し数は増加するが精度は上がる。このように、成
形物の大きさ、求められる精度に応じて、粘度、固形分
量、速度を適時決めればよい。図1(5)の記録層材料層
12の厚みは薄いほど成形物の精度はでる。本発明者ら
の検討では厚み100Åでも充分機能があることを確認
した。従って、記録層材料層の厚みは100Å以下が望
ましい。このくらいの厚みであれば精度上全く問題な
い。
【0024】次に、図5を参照して本発明のうちのもう
一つの新規な3次元物体成形方法の原理を説明する。図
5において、(1)まず、支持体11上に記録層材料1
2を形成し、記録層材料を溶解又は分散した樹脂液1
3’中に浸漬し、データ処理装置からの信号に応じて制
御されたレーザ光等の加熱手段15により支持体表面を
選択的に加熱する。(2)冷却後。(3)支持体11を
樹脂液13’から引き上げ、(4)乾燥して樹脂層14
を形成する。このとき、樹脂液中13’には記録層材料
12が含有されているため、樹脂層表面に記録層材料が
配向する。このため、その後の工程で記録層材料を形成
しなくても、樹脂層表面は上記の濡れ性変化機能を有す
る。そこで、(5)そのまま再び樹脂液13’中に支持
体11を浸漬して上記と同様に加熱し、(6)冷却後引
き上げると加熱部に液が付着する。(7)これを繰り返
して行ない樹脂層14を積層することで3次元物体16
が成形できる(請求項2)。
【0025】このように、これらの方法は、成形に用い
る樹脂の選択性の幅が広く、樹脂液中の溶存酸素の問題
も全く問題無く、振動の影響も受けにくい成形方法であ
り、従来の問題点が一挙に解決できる。尚、樹脂液に含
有する記録層材料の量は僅かであるほうが望ましい。多
くなると成形後の樹脂の機械的物性等に影響がでる可能
性がある。含有量として10%以下が望ましい。
【0026】さて、図1、図5では樹脂の単純な積層方
法について説明したが、次に、もっと複雑な形状の成形
方法について説明する。図2にその具体例を示す。加熱
手段15としてレーザ光源などを用い、支持体11上に
樹脂層14を一層形成後、記録層材料層12を形成し、
図2(1)に示すごとく、支持体11を樹脂液13に浸
漬して樹脂層14の横方向からレーザを照射し加熱す
る。その後、冷却して加熱部にのみ樹脂液を付着させた
後、乾燥させ、樹脂層14を形成する(図2(2)〜
(4))。そして、この工程を繰り返せば、図2(5)
に示す如く複雑な形状の立体物16も成形可能となる。
尚、光の波長として可視から赤外の範囲を用いれば従来
のような高価な近紫外光源が必要でなく、市販の安価な
光源が利用できる。特に、樹脂液が水性である場合、光
源として炭酸ガスレーザを用いれば、樹脂液は光に対し
強い吸収を示すため、効率よく加熱が行なえる。また、
CADデータ信号に応じて選択的に加熱するには、レー
ザ光をレンズにより絞り、支持体または樹脂層表面を走
査すればよい。光を走査するには、プリズムやポリゴン
ミラー等を用いて光線を走査するのもよいが、被対象物
に焦点を合わせて光源または被対象物を可動する方が光
路長を一定にでき、エネルギー的に損失が少なくてすむ
(請求項3)。さらに、支持体11が光透過率が高い部
材であると、図3(1)に示すように、支持体11側か
らレーザ光が照射でき、3次元物体内部の複雑な形状も
加工可能となる(請求項6)
【0027】次に、上記成形方法に基づく3次元物体成
形装置(請求項12)について説明する。図6は図1の
成形方法に、図7は図5の成形方法にそれぞれ対応した
装置例である。図6、図7において、請求項3に対応し
た構成として、アーム形ロボットにレーザ光源を固定し
被対象物に沿って走査する構成とした。図6に示す3次
元物体成形装置においては、樹脂層形成手段と乾燥手段
と記録層形成手段とを有する。被対象物は搬送装置に連
結し、樹脂層形成手段(この図では樹脂液の入った容
器)と乾燥手段と記録層形成手段(この図ではディップ
コート手段)との間を往復する。成形工程においては、
レーザによる加熱ごとに乾燥工程を挾んで樹脂の形成と
記録層の形成を交互に行ない、樹脂層を多層化して行く
ことにより3次元物体が成形できる(請求項4)。乾燥
手段としては、自然乾燥、温風加熱乾燥、気体ブロー乾
燥などの方法がよい。
【0028】次に、図7に示す3次元物体成形装置にお
いては、樹脂層形成手段と乾燥手段とを有し、樹脂層形
成手段の樹脂液中には記録層材料を含有し、樹脂層の形
成と記録層材料のコートとが同時に行なわれる。すなわ
ち、この場合は樹脂層形成手段が記録層形成手段をも兼
ねている。従って、加熱、樹脂形成と乾燥の工程を交互
に繰り返して樹脂層を積層することにより、3次元物体
が成形できる(請求項5)。さて、図4に示すように、
上述の3次元物体成形方法及び装置により支持体11上
に成形した被対象物16を最後に支持体11から取り外
せば、3次元物体16の成形が完了する。
【0029】ところで、上記装置構成では被対象物を搬
送する必要があり多少煩雑である。そこで、この点を解
決する別の3次元物体成形装置の説明をする。図8、図
9にその例を示す。図8に示すように、被対象物は回転
手段に固定されており、回転手段により被対象物(支持
体)を回転しながら樹脂液を滴下すると一瞬、支持体表
面上に液が広がる。この時データ信号に応じてレーザ光
源等で選択的に加熱する。または、滴下前に加熱を行な
い、支持体表面が冷却する前に液を滴下する。記録層材
料は通常は撥液性が強いので回転に伴い液は加熱部を残
して全て除去される。次に記録層材料液を被対象物に滴
下し記録層を形成する。これを繰り返すことにより樹脂
層を積層し3次元物体を成形する(請求項7)。尚、樹
脂液に記録層材料が含有されている場合、樹脂液の滴下
と加熱工程のみ繰り返せば樹脂の積層ができ、更に工程
が簡素化できる(請求項9)。
【0030】次に、図9に示すように、被対象物(支持
体)への樹脂液または記録層材料液の滴下装置と気体噴
射装置とを備え樹脂液を対象物に噴射後、レーザ光源等
で加熱を行ない、または加熱後、冷却前に液の噴射を行
ない、その後、気体を対象物に吹き付け樹脂液を除去す
る。これにより加熱部のみ樹脂が付着し樹脂層を形成す
ることができる。次に、記録層材料液を吹き付け記録層
を形成し、上記工程を繰り返して樹脂層を積層し3次元
物体を成形する(請求項8)。尚、樹脂液に記録層材料
が含有されている場合、樹脂液の噴射と加熱、及び気体
の吹き付けの工程を繰り返せば樹脂の積層ができ、更に
工程が簡素化できる(請求項10)。
【0031】今までの説明では、加熱方法として焦点の
絞った光線を信号に応じて走査する方法であった。この
方法は光線のスポット径を絞り走査ピッチを細かくする
ことでかなり微細な加工が可能となる利点を有するが、
光を走査する装置が大掛かりになりやすい欠点を有す
る。そこでこの欠点を解決した構成の装置を次に説明す
る。図10はその具体例である。図10に示す3次元物
体成形装置においては、光源としてフラッシュ露光用の
広範囲を強力な光で照射できる光源を用い、光シャッタ
アレイにてマスクパターンを形成し被対象物に光線を照
射し、一つの樹脂層に相当する面を一度に加熱する(請
求項11)。尚、光シャッタアレイは2次元でも3次元
でも構わない。具体的には液晶材料を用いたシャッタや
PLZTなどの材料を用いたファラディ効果やポッケル
ス効果を利用した光シャッタなどが適する。
【0032】次に、成形に用いる樹脂液について述べ
る。加熱源が光である場合、樹脂液は光吸収性が高いこ
とが望ましい。図12に示すように、光路Lの領域も光
を吸収し温度が上がるが焦点を結んだスポット領域の方
がはるかにエネルギーが集中するのでスポット領域のみ
高温に加熱される。しかし、光路Lの領域でも光は吸収
されるため、そのエネルギー損失を抑えるため光路Lは
なるべく短くとることが望ましい。また、樹脂液が水性
でも油性でも、光源の波長として近赤外から赤外領域の
波長が適当である。樹脂としては、水や油性の多価アル
コール、アセトンなどのケトン類、アルカン類等の有機
溶剤に可溶性を示すものや、これらの溶媒にコロイド状
態で分散する樹脂のいずれでもよい。樹脂として具体的
には、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリエチレン等、エンジニアリングプ
ラスチックとして知られているものは何でもよい。記録
層材料(当該材料)を樹脂層に含有する場合、記録層材
料が液に溶解するよりもコロイド状に分散するほうが記
録層材料が表面に誘起しやすく樹脂層を多層化するとき
に制御しやすい。尚、記録層材料のコロイド粒子径は1
μm以下が望ましい。以下、記録層材料、記録層液、樹
脂液、支持体、加熱源等を具体的に示した実施例につい
て述べる。
【0033】[実施例1(請求項1の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
(TG−702,ダイキン工業)。 記録層液:上記材料を0.1wt%含有する1,1,1ヘ
キサフロロ−2−プロパノール液。 樹脂液:ポリスチレンを1wt%溶解したキシレン溶液。 支持体:ポリエチレンテレフタレート(PET)(2cm
×2cm×1mm)。 加熱源:炭酸ガスレーザ。 図1の成形方法及び図6の装置構成を用い、支持体を樹
脂液で満たしたシャーレ内に浸漬し、液面上からレーザ
光をスポット径50μmの領域に照射した。冷却後、支
持体を液から取り出して乾燥した。この結果、加熱領域
のみ樹脂層(厚み3μm)が形成できた。その後、支持
体面にディップコートにより記録層を形成し、再び樹脂
液に浸漬して加熱を行ない、冷却後、支持体を液から取
り出して乾燥した。そしてこの工程を100回繰り返し
行なうことにより、直径50μm、高さ300μmの樹
脂の円柱を成形することができた。
【0034】[実施例2(請求項2の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
水性エマルション(EX−125,NOKクリュー
バ)。 樹脂液:ポリビニルアルコール0.1wt%水溶液+記録
層材料0.01wt% 。 支持体:ポリエチレンテレフタレート(PET)(2cm
×2cm×1mm)。 加熱源:炭酸ガスレーザ。 図5の成形方法及び図7の装置構成を用い、支持体を樹
脂液で満たしたシャーレ内に浸漬し、液面上からレーザ
光をスポット径50μmの領域に照射した。冷却後、支
持体を液から取り出して乾燥した。この結果、加熱領域
のみ樹脂層(厚み2μm)が形成できた。そしてこの工
程を500回繰り返し行なうことにより、直径50μ
m、高さ1mmの樹脂の円柱を成形することができた。
【0035】[実施例3(請求項3の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
(TG−702,ダイキン工業)。 記録層液:上記材料を0.1wt%含有する1,1,1ヘ
キサフロロ−2−プロパノール液。 樹脂液:ポリスチレンを1wt%溶解したキシレン溶液。 支持体:ポリエチレンテレフタレート(PET)(2cm
×2cm×1mm)。 加熱源:炭酸ガスレーザ。 図1,図2の成形方法及び図6を改良した装置構成を用
い、支持体を樹脂液で満たしたシャーレ内に浸漬した。
レーザ光源を固定し、シャーレをXYパルスステージ
(X,Y方向にパルスモータ等で微動されるステージ)
に固定し、液面上からレーザ光をスポット径10μmの
領域に照射しながらパルスステージを5μmピッチで走
査し、1cm角の領域を加熱した。冷却後、支持体を液
から取り出して乾燥した。この結果、加熱領域のみ樹脂
層(厚み3μm)が形成できた。その後、支持体面にデ
ィップコートにより記録層を形成し、再び樹脂液に浸漬
し上記と同様の加熱を行なった。そしてこの工程を10
00回繰り返し行なうことにより、縦横1cm、高さ3
mmの角柱を成形することができた。
【0036】[実施例4(請求項4の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
(TG−702,ダイキン工業)。 記録層液:上記材料を0.1wt%含有する1,1,1ヘ
キサフロロ−2−プロパノール液。 樹脂液:ポリカーボネイトを1wt%溶解した酢酸ブチル
溶液。 支持体:ポリエチレンテレフタレート(PET)(2cm
×2cm×1mm)。 加熱源:炭酸ガスレーザ。 図1の成形方法及び図6の装置構成を用い、支持体を樹
脂液で満たしたビーカ内に浸漬した。レーザをロボット
アームに固定し、スポット径10μmにレンズで絞り図
6のごとき構成で照射した。冷却後、支持体を液から取
り出して乾燥した。この結果、加熱領域のみ樹脂層(厚
み3μm)が形成できた。その後、支持体を記録層液に
浸漬しディップコートにより記録層を形成し乾燥し、再
び樹脂液に浸漬し上記と同様の加熱を行なった。そして
この工程を100回繰り返し行なうことにより、直径3
00μmの半球を成形することができた。
【0037】[実施例5(請求項5の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
水性エマルション(EX−125,NOKクリュー
バ)。 樹脂液:ポリビニルアルコール0.1wt%水溶液+記録
層材料0.01wt% 。 支持体:ポリエチレンテレフタレート(PET)(2cm
×2cm×1mm)。 加熱源:炭酸ガスレーザ。 図5の成形方法及び図7の装置構成を用い、支持体を樹
脂液で満たしたビーカ内に浸漬した。レーザをロボット
アームに固定し、スポット径10μmにレンズで絞り図
7のごとき構成で照射した。冷却後、支持体を液から取
り出して乾燥した。この結果、加熱領域のみ樹脂層(厚
み3μm)が形成できた。その後、再び樹脂液に浸漬し
上記と同様の加熱を行なった。そしてこの工程を200
回繰り返し行なうことにより、直径600μmの半球を
成形することができた。
【0038】[実施例6(請求項6の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
(TG−702,ダイキン工業)。 記録層液:上記材料を0.1wt%含有する1,1,1ヘ
キサフロロ−2−プロパノール液。 樹脂液:ポリスチレンを1wt%溶解したキシレン溶液。 支持体:単結晶シリコン(2cm×2cm×0.1mm)。 加熱源:炭酸ガスレーザ。 図1、図3の成形方法及び図6の装置構成を用い、支持
体を樹脂液で満たしたシャーレ内に浸漬し、支持体側か
らレーザ光をスポット径50μmの領域に照射した。冷
却後、支持体を液から取り出して乾燥した。この結果、
加熱領域のみ樹脂層(厚み3μm)が形成できた。その
後、支持体面にディップコートにより記録層を形成し、
再び樹脂液に浸漬して加熱を行ない、冷却後、支持体を
液から取り出して乾燥した。そしてこの工程を100回
繰り返し行なうことにより、直径50μm、高さ300
μmの樹脂の円柱を成形することができた。
【0039】[実施例7(請求項7の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
(TG−702,ダイキン工業)。 記録層液:上記材料を0.1wt%含有する1,1,1ヘ
キサフロロ−2−プロパノール液。 樹脂液:ポリスチレンを1wt%溶解したキシレン溶液。 支持体:ポリエチレンテレフタレート(PET)(φ5
0mm×1mm)。 加熱源:炭酸ガスレーザ。 図8の構成にて支持体を回転数1000rpmにて回転
し、レーザ光を照射しながら樹脂液を支持体上に滴下す
る。滴下後、照射をやめ、直ちに回転数を5000rp
mにあげ、液の除去と加熱部に付着した樹脂液の乾燥を
行なった。次に回転数を500rpmに落とし、記録層
液を滴下し記録層を形成した。次に再び回転数1000
rpmにて支持体を回転し、レーザ光を照射しながら樹
脂液を支持体上に滴下。そしてこの一連の工程を100
0回繰り返し行なうことにより、高さ0.3mm厚み5
0μmの筒型の円柱を成形することができた。
【0040】[実施例8(請求項8の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
水性エマルション(EX−125,NOKクリュー
バ)。 樹脂液:ポリビニルピロリドン0.1wt%水溶液+記録
層材料0.01wt% 。 支持体:ポリエチレンテレフタレート(PET)(φ5
0mm×1mm)。 加熱源:炭酸ガスレーザ。 図8の構成にて支持体を回転数1000rpmにて回転
し、レーザ光を照射しながら樹脂液を支持体上に滴下す
る。滴下後、照射をやめ、直ちに回転数を5000rp
mにあげ、液の除去と加熱部に付着した樹脂液の乾燥を
行なった。次に再び回転数1000rpmにて支持体を
回転し、レーザ光を照射しながら樹脂液を支持体上に滴
下。そしてこの一連の工程を1000回繰り返し行なう
ことにより、高さ0.3mm厚み50μmの筒型の円柱
を成形することができた。
【0041】[実施例9(請求項9の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
(TG−702,ダイキン工業)。 記録層液:上記材料を0.1wt%含有する1,1,1ヘ
キサフロロ−2−プロパノール液。 樹脂液:ポリスチレンを1wt%溶解したキシレン溶液。 支持体:ポリエチレンテレフタレート(PET)(10c
m×10cm×1mm)。 加熱源:炭酸ガスレーザ。 図9の構成において、気体として窒素ガスを用いたエア
スプレーガンを用いた。樹脂液及び記録層液もスプレー
ガンにて支持体に噴射する構成とした。この装置構成
で、まず、支持体をレーザ光で加熱(スポット径50μ
m)しながら樹脂液をスプレーガンから噴射する。その
後直ちにエアーガンにて樹脂液をブローにより除去し
た。乾燥後、支持体上に樹脂層が形成された。次に記録
層液をスプレーガンから噴射し、支持体上に記録層を形
成した。次に再びレーザ加熱しながら樹脂液を噴射しエ
アーブロー後、樹脂層が積層された。そしてこの工程を
1000回繰り返し行なうことにより、高さ1mmの円
柱を成形することができた。
【0042】[実施例10(請求項10の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
水性エマルション(EX−125,NOKクリュー
バ)。 樹脂液:ポリビニルアルコール0.1wt%水溶液+記録
層材料0.01wt% 。 支持体:ポリエチレンテレフタレート(PET)(10c
m×10cm×1mm)。 加熱源:炭酸ガスレーザ。 図9の構成において、気体として窒素ガスを用いたエア
スプレーガンを用いた。記録層材料を含有した樹脂液も
スプレーガンにて支持体に噴射する構成とした。この装
置構成で、まず、支持体をレーザ光で加熱(スポット径
50μm)しながら樹脂液をスプレーガンから噴射す
る。その後直ちにエアーガンにて樹脂液をブローにより
除去した。乾燥後、支持体上に樹脂層が形成された。次
に再びレーザ加熱しながら樹脂液を噴射しエアーブロー
後、樹脂層が積層できた。そしてこの工程を1000回
繰り返し行なうことにより、高さ1mmの円柱を成形す
ることができた。
【0043】[実施例11(請求項11の実施例)] 記録層材料:パーフロロアルキルアクリレート共重合体
水性エマルション(EX−125,NOKクリュー
バ)。 樹脂液:ポリビニルアルコール0.1wt%水溶液+記録
層材料0.01wt% 。 支持体:ポリエチレンテレフタレート(PET)(10c
m×10cm×1mm)。 加熱源:光源・・・100Wハロゲンランプ、光シャッ
タ・・・0.32mmピッチの2次元液晶モジュール
(100×100画素)。 記録層を表面に形成した支持体を樹脂液で満たしたシャ
ーレに浸漬した。図10のごとく、光シャッタを液面か
ら2mm離した位置に置き、データ信号に応じてシャッ
タを開閉し、一発露光した。加熱冷却後、樹脂液から支
持体を取り出したところ、データどおりに樹脂層が一層
形成できた。そしてこの工程を100回繰り返し行なう
ことにより、高さ300μmの成形体を得ることができ
た。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の3次元
物体成形方法によれば、液体との接触状態で加熱冷却を
受けると表面の後退接触角が低下する、すなわち液体の
付着性が増大する性質を有する材料を記録層に用い、支
持体上に形成された記録層を樹脂液中で選択的に加熱冷
却して該加熱部(潜像領域)に樹脂液を付着させ、これ
を乾燥して樹脂層を形成し、次にその上に記録層を形成
し、再び樹脂液中で加熱するという一連の工程を順次繰
り返して樹脂層を積層し、3次元物体を成形するため、
従来よりも簡便で複雑な制御なしに複雑な形状の3次元
物体を成形することができる。請求項2の3次元物体成
形方法によれば、記録層材料を含有する樹脂液を用いる
ため、請求項1の方法よりも工程数を減らすことがで
き、さらに簡便に3次元物体を成形することができる。
【0045】請求項3の3次元物体成形方法によれば、
従来方法に比べ安価で安全性の高い光源を利用でき、装
置のコストダウンを図ることができる。請求項4の3次
元物体成形方法によれば、請求項1の方法をより具体化
し、3次元物体の微細な加工が可能となる。請求項5の
3次元物体成形方法によれば、請求項2の方法をより具
体化し、3次元物体の微細な加工が可能となる。請求項
6の3次元物体成形方法によれば、支持体が加熱用の光
源に対し光透過率の高い部材で構成されていることによ
り、支持体側からの光照射が可能となり、複雑な内部構
造の3次元物体を成形することができる。
【0046】請求項7の3次元物体成形方法によれば、
被対象物を移動せずに成形工程を行なうことができ、請
求項4よりも構成の簡素化を図ることができる。請求項
8の3次元物体成形方法によれば、被対象物を移動せず
に成形工程を行なうことができ、請求項4よりも構成の
簡素化を図ることができる。請求項9の3次元物体成形
方法によれば、被対象物を移動せずに成形工程を行なう
ことができ、請求項5よりも構成の簡素化を図ることが
できる。請求項10の3次元物体成形方法によれば、被
対象物を移動せずに成形工程を行なうことができ、請求
項5よりも構成の簡素化を図ることができる。請求項1
1の3次元物体成形方法によれば、請求項3に比べ構成
の簡素化を図ることができる。請求項12の3次元物体
成形装置においては、請求項1乃至11記載の成形方法
により立体物を成形することにより、従来よりも簡便で
安価で、複雑な制御なしに複雑な形状の3次元物体を成
形することができる。
【0047】従って、本発明によれば、どのような樹脂
でも成形でき、大きな成形品でも加工でき、しかも、外
部振動に強く、酸素の影響を受けず、温度制御が容易で
あり、可視光による加工が可能な、新規な3次元物体成
形方法及び装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による3次元物体成形方法の一実施例を
示す説明図である。
【図2】本発明による3次元物体成形方法の別の実施例
を示す説明図である。
【図3】本発明による3次元物体成形方法の別の実施例
を示す説明図である。
【図4】成形後の3次元物体の説明図である。
【図5】本発明による3次元物体成形方法の別の実施例
を示す説明図である。
【図6】本発明による3次元物体成形装置の一実施例を
示す説明図である。
【図7】本発明による3次元物体成形装置の別の実施例
を示す説明図である。
【図8】本発明による3次元物体成形装置の別の実施例
を示す説明図である。
【図9】本発明による3次元物体成形装置の別の実施例
を示す説明図である。
【図10】本発明による3次元物体成形装置の別の実施
例を示す説明図である。
【図11】本発明による3次元物体成形方法及び装置に
用いられる記録層材料の説明図である。
【図12】樹脂液中の対象物を光線により加熱する場合
の説明図である。
【符号の説明】
11:支持体 12:記録層 13:樹脂液 13’:記録層材料含有の樹脂液 14:樹脂層 15:加熱手段 16:3次元物体(立体物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 慎二 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体との接触状態で加熱冷却を受けると表
    面の後退接触角が低下する性質を有する材料を用い、当
    該材料を表面に形成した支持体を樹脂液に接した状態で
    データ処理装置からの信号に応じて加熱し、冷却後、樹
    脂液を除去し加熱部に付着した樹脂液を乾燥し立体物
    (3次元物体)の特定の一層を形成し、その後、その表
    面に当該材料を形成し、別の信号に応じて上記の加熱を
    再び行ない次の樹脂層を形成し、この一連の工程を繰り
    返すことにより立体物を成形することを特徴とする3次
    元物体成形方法。
  2. 【請求項2】液体との接触状態で加熱冷却を受けると表
    面の後退接触角が低下する性質を有する材料を用い、当
    該材料を表面に形成した支持体を当該材料を含有する樹
    脂液に接した状態でデータ処理装置からの信号に応じて
    加熱し、冷却後、樹脂液を除去し加熱部に付着した樹脂
    液を乾燥し立体物(3次元物体)の一層を形成し、別の
    信号に応じて上記の加熱を再び行ない次の樹脂層を形成
    し、この一連の工程を繰り返すことで立体物を成形する
    ことを特徴とする3次元物体成形方法。
  3. 【請求項3】請求項1もしくは請求項2記載の3次元物
    体成形方法において、加熱源として可視から赤外の範囲
    に入る波長の電磁波を放射する光源を用い、データ信号
    に応じて被対象物または光源が可動し当該樹脂層に相当
    する領域を加熱し樹脂層の線像を形成することを特徴と
    する3次元物体成形方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の3次元物体成形方法におい
    て、樹脂層形成手段と記録層形成手段と乾燥手段とがあ
    り、乾燥工程を毎回行ないながら被対象物は樹脂層形成
    手段と記録層形成手段の間を往復し樹脂層を多層化して
    いくことを特徴とする3次元物体成形方法。
  5. 【請求項5】請求項2記載の3次元物体成形方法におい
    て、樹脂層形成手段と乾燥手段とがあり、乾燥工程を毎
    回行ないながら被対象物は両方の手段の間を往復し樹脂
    層を多層化していくことを特徴とする3次元物体成形方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1,2記載の3次元物体成形方法に
    おいて、当該材料を表面に形成した支持体は当該光源に
    対し光透過率の高い部材で構成されていることを特徴と
    する3次元物体成形方法。
  7. 【請求項7】請求項1,3記載の3次元物体成形方法に
    おいて、被対象物は立体成形時に回転し、その表面に樹
    脂液を滴下する前または滴下した後、信号に応じて加熱
    し、その後、記録層コート液を滴下することを繰り返し
    行ない立体物を成形することを特徴とする3次元物体成
    形方法。
  8. 【請求項8】請求項1,3記載の3次元物体成形方法に
    おいて、被対象物表面に樹脂液をコートする前またはコ
    ートした後、信号に応じて加熱し、その後、気体ブロー
    により樹脂液を除去し、その後、記録層をコートし、立
    体物の特定の一層を形成し、これを繰り返すことで立体
    物を成形することを特徴とする3次元物体成形方法。
  9. 【請求項9】請求項2,3記載の3次元物体成形方法に
    おいて、被対象物は立体成形時に回転し、その表面に当
    該材料を含有した樹脂液を滴下する前または滴下した
    後、信号に応じて加熱することを繰り返し行ない立体物
    を成形することを特徴とする3次元物体の成形方法。
  10. 【請求項10】請求項2,3記載の3次元物体成形方法
    において、被対象物表面に当該材料を含有した樹脂液を
    コートする前またはコートした後、信号に応じて加熱
    し、その後、気体ブローにより樹脂液を除去し、立体物
    の特定の一層を形成し、これを繰り返すことで立体物を
    成形することを特徴とする3次元物体の成形方法。
  11. 【請求項11】請求項1,2記載の3次元物体成形方法
    において、一つの光源と2次元光シャッターアレイを用
    いて信号に応じてシャッターの開閉を行ない被対象物表
    面を選択的に加熱することを特徴とする3次元物体成形
    方法。
  12. 【請求項12】記録層形成手段、樹脂層形成手段、加熱
    手段、及び乾燥手段を備え、請求項1乃至請求項11記
    載の成形方法により立体物を成形することを特徴とする
    3次元物体成形装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160042311A (ko) * 2014-10-08 2016-04-19 주식회사 코어쓰리디 특수용액의 증기를 이용한 3d조형물 표면 후처리 장치 및 방법.

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KR20160042311A (ko) * 2014-10-08 2016-04-19 주식회사 코어쓰리디 특수용액의 증기를 이용한 3d조형물 표면 후처리 장치 및 방법.

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