JPH07136029A - 精密な引出しスライド部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】精密な引出しのスライドの耐久性と“はめ合
い”及び感触並に負荷を増加させる潜在能力を改良し低
いスライドの弓形のボールトラックの伝統的な“くり拡
げ”を修正する。 【構成】少なくとも外側のレールと、内側のレールとそ
れらの間の相対的な伸びを可能ならしめるボールベアリ
ングを有する引出しレール組立であって、レールは垂直
な脚と一般的に水平に伸びる弓形のベアリングレースを
形成する丸味を帯びた脚を有する。少くとも下部の一般
に水平に伸びる外側のレースの脚は、弓形部分から鈍角
をもつて突出し、２つの部分、即ち弓形部分の端に鈍角
をもつ中間部分と、中間部分に対して鈍角をもつターミ
ナル部分とをもつ１体の控え壁の脚又は延長部分を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本願発明は精密な引出しのスライドに関し
更に詳細に云えばチャンネルの部材特に精密な引出しの
スライドの外側のチャンネルの部材の改良に関する。

【０００２】引出しのスライドは永持ちのするスムーズ
に作動し静かな操作を達成することができる最良の方法
として長い間認められて来た。引出しのスライドの工業
は高級の住宅及事務所の家具に対する需要の増加に対応
してその重要性を増して来た。引出しのスライド工業の
対応は引出しのスライドの設計を支持する技術における
絶え間のない改良であった。

【０００３】引出しのスライドを色々な応用に用いた結
果、より要求の多い応用に用いられるスライドとして一
般的に見做される“精密な”引出しのスライドと云う特
定の名称を生ずることとなった。これらの用途は就中フ
ァイルキャビネット（垂直型及び横型）の引出し、及び
机の引出し、特に１組のスライドに予期される運搬重量
が８０又は９０ポンドを超えるものを含む。名称そのも
のは“精密”ではないかも知れないが、この分類の引出
しのスライドの構造は精密である。ますますふえる応用
の機能的な要求に適合させるために、引出しスライドの
精密な構造が必要なことが見出された。最終製品を構成
する多くの構成部分の公差を減らすことによってのみこ
の工業において許容される適当な“はめ合い”及び感触
を達成することができる。

【０００４】一般に精密な分類における引出しのスライ
ドの設計はテレスコープのような縮められるチャンネル
部材の中に含まれるボールベアリングの使用を案出し
た。この設計は“はめ合い”と“感触”の両方と所望の
重さの荷重に絶えることを達成しようとするチャレンジ
にかなり適合した。チャンネルの構造は本発明の応用の
中で更に説明されるが、ベアリングが中で移動するため
のレースを与えるようなやり方で、一般的に形成されて
いた。このことは負荷をボールベアリングの上に分布す
る能力を保持する一方で、操作中のスライドのコントロ
ールされた移動に寄与している。このテーマについて多
くの変化が公知の技術である一方で、これらのボールベ
アリングの精密な引出しのスライドの設計への基本的な
アプローチは記述されたように実際上は保たれた。

【０００５】前述したボールベアリングの精密なスライ
ドは、制限がないわけではない。これらのスライドの失
敗のモールドが研究された結果、公称の負荷を越えるこ
との結果が知られて来つつある。この過負荷の条件は垂
直及び横の両方の様式において起り得るもので、しばし
ばスライドの故障の裏の唯一の原因であることが多い。
本工業においては長い間広く行われた引出しのスライド
の設計の制限に苦しみ、“７５ポンドクラス”“１００
ポンドクラス”等のように重量制限によって分類する特
別の名称がこれらの製品に適用される程であった。

【０００６】更に詳細に云えば、スライドの低い弓形の
トラックの典型的な破損は、特にキャビネットのスライ
ドの外側の軸端は低い弓形のボールのトラックの所望
“完全にあけること”又は“くりひろげること”によっ
て示されている。この断面が弓形のボールのトラック
は、弓形の横の自由端部分が弓形のカーブに基本的に接
するように伸び出る条件を示す。その結果スライドは端
のボールベアリングを他のボールベアリングとならんで
保持しない。このため引出しをあけるとき及び／又はあ
けた引出しが外側の端に向って下向きに傾斜し、スライ
ドの効果的なスムーズな操作を破壊する。約２５．００
０−３０．０００回の操作のみで破損が起るのも異例で
はない。

【０００７】本願発明は前述の破損の条件を修正するた
めに見出された改良された独特のチャンネルの設計に関
する。

【０００８】本願発明の目的は精密な引出しのスライド
の耐久性と“はめ合い”及び“感触”並びに負荷を増加
させる潜在能力を改良し低いスライドの弓形のボールト
ラックの伝統的な“くり拡げ”を修正することである。

【０００９】多量生産にも矛盾のない改良された設計を
与えることも又本発明の目的である。

【００１０】本発明のもう１つの目的は前述の利点を達
成するのみでなく、精密引出しスライド製品の中に通常
見出される公差内で製造できる設計を与えることであ
る。

【００１１】本願発明のこれら及び其の他の有用な目的
は更に本申請書の中で討議される。

【００１２】本願発明による新しい精密な引出しスライ
ド部材は独特の引出しスライドの断面形状を含み、特に
これは精密な引出しスライドの外側の部材に適してい
る。これは内側の垂直の脚によって限定されたボールレ
ースと、丸味を与えられた弓形の一般に水平の脚と、新
らしい外側の控え壁の脚とを含む。丸味を帯びた脚は凹
んだ弓形の、ボールベアリングの移動と矛盾しない。一
般的にボールの径よりも大きい径のローリング表面を与
える。外側の控え壁の脚は更に弓形の脚に鈍角の移行部
分と、この移行部分に鈍角の外側の端又はターミナル部
分とを含み、丸味を帯びた脚からの１体の全体的に伸び
た部分となって、その長手方向に伸びている。移行部分
と端部分は互いに且つ弓形の脚に鈍角の関係にあってレ
ールの低い方の脚に応用された時は、丸味を帯びた部分
の端から上方に伸びてこれと一体となっている。

【００１３】本願発明は従来の設計の精密引出しスライ
ドに対する改良である。スライドの構成要素はその数は
多くないが、そこに含まれる仕様及びこれらの組立て方
はしばしば工業の性能の標準と同じかこれをしのぐ製品
と、これのできないものとの相違を意味する。この区別
に対する評価を得るために、公知の技術と本願発明の詳
細な比較を行うことは助けとなる。

【００１４】精密引出しスライド即ちスライド組立１０
は、外側のレール又はチャンネル１２と内側のレール又
はチャンネル１４を含み、且つ好ましくは中間チャンネ
ル１６を含むが、これは必ずしも必要ではない。通常２
つの引出しレール組立は、外側のチャンネルが、例えば
キャビネット又机又は他の形式の家具の引出しの開口部
のどちらかの側の構造の側面に通常固定されている夫々
の応用に見出され、従って外側のレールは通常キャビネ
ットレールと云われる。内側のチャンネル又はレールは
通常引出しの夫々の側面に固定されるので一般的に引出
しレールと云われる。時に外側のレールが引出しに取付
けられる、しかしこのときは内側のレールはキャビネッ
トに取付けられる。

【００１５】引出しのスライド組立の開閉する間、レー
ルの間にはテレスコープのような運動がある。好ましく
は中間レールが外側のレールと内側のレールの間に置か
れる。中間レールは若し用いられるこの運動の間に引出
しレールの半分の距離と比率で動く。都合上唯１つの引
出しレール組立が詳細ここに記載されているが、特徴、
機能、性能及び応用に関して全く同一のもう１つの引出
しレール組立がここに示され記述されたものと対称に設
けられている。

【００１６】描かれた実施例は通常の水平の引出しにつ
いて記述され、ここではスライド組立は長い寸法を水平
に、且つその短い寸法を垂直に、その巾は横に即ち水平
にしている。しかし２つのスライド組立が互いに上と下
であるように短い寸法を水平に、スライド組立を配設す
ることができることも了解されるべきである。例示され
た実施例を記述するためにここで用いられる“垂直”、
“水平”及び“横”は本発明の範囲を制限するものとし
てとられてはならない。

【００１７】描かれた実施例において外側のレール１２
は、中間レール１６から、レールに沿って間隔をおいた
関係に配設された複数のボールベアリングによって分離
され、通常のベアリング保持器２０によって保持されて
いる。ボールベアリングと保持器の同じセットが外側の
レールの先端と底にある。

【００１８】外側のレール１２は通常一般的にＣ字形の
全体構成を有し、キャビネットに取付けるための細長い
垂直のパネル又は脚１２ａ、一般的に水平に脚１２ａに
伸び下の方に面を規定する上の脚１２ｂ、今後説明され
る凹んだボールのトラック及び更に説明される第２の上
に向った凹んだボールトラックを規定し通常は脚１２ａ
から水平に伸びる下の脚１２ｃを含む。中間レールも又
一般的にＣ型の全体構成をもち、垂直のパネル１６ａ、
上部の一般に水平に伸び、脚１２ｂのボールトラックと
協同するその中に上に向いた凹んだボールトラックを有
する脚１６ｂ、及び一般に水平に伸びて下に向ったボー
ルトラック３２をその底面に脚１２ｃのボールトラック
と協同してもつ下の脚１６ｃとを含む。

【００１９】引出しレール１４も又好ましくは一般的に
Ｃ型の断面構成を有し、一般的に他の２つのＣ型に反対
の方向に向いて居り、引出しの側壁に取付けるための垂
直のパネル又は脚１４ａと、上の通常水平に伸びる、そ
の中に上に面するボールトラック３４′を形成する脚１
４ｂと、且つ下の通常水平に伸びる、その中に下に面し
たボールトラック３４を形成する脚１４ｃを有する。

【００２０】キャビネットレールまたは外側のレール１
２の水平に伸びる低い方の脚１２ｃは、その中のボール
１８の径よりも少し大きい径をもつ弓形に細長い上に面
した凹みのある丸味をつけられたボールトラック２２を
含み、ボール１８の下の部分と好ましくは一点接触で当
接している。類似の下に面したボールトラック２２′は
外側のレースの上の脚１２ｂの中にある。中間レール１
６の上端には、その間の上のボール１８′の横の動きを
制限するための下に面したレース２２′と協同する上に
面した凹面の細長い弓形のボールレース又はトラック２
４がある。中間レール１６の下の脚１６ｃの低い表面の
中の下に面したボールトラック２４はボールトラック２
２と協同してボールベアリング１８を横に制限する。

【００２１】ボールベアリング２８及び２８′の上及び
下のセットは同様に中間レール１６と引出しレール１４
の間に制限される。特にこれらのベアリングはリテイナ
ー３０によって正しい位置に保たれこのリテイナーは低
い方のベアリング２８の間に伸びて間隔をあけ且つ上の
ベアリング２８′の間迄伸びている。上のベアリング２
８′は下向きの弓形の凹んだ、脚１６ｂの下の表面の中
のボールトラック３２′と脚１４ｂの中の上に向った凹
んだ細長いボールトラック３４′の間に制限される。同
様に下の脚１６ｃの中の上に向った凹んだ細長いボール
トラック又はレース３２は、脚１４ｃの中の下に向った
凹んだボールトラック３４と協同してボールベアリング
２８を制限する。

【００２２】ここに例示された発明は特に外側のレール
又はチャンネル１２の上と下の脚に適用される。これは
他のレールにも組み入れられることができるが、そこで
は左程重大ではない。例えば、若し内側のレールがキャ
ビネットに取付けられるならば、最大の力が内側のレー
ルトラックの端に加えられるので新しい控え壁構成をこ
れに組合わせることがのぞましい。特に例示されたよう
な組立に対しては本発明者は少なくともレール１２の低
い方の脚１２ｃ及び好ましくは又上の方の脚１２ｂの弓
形部分の端から伸び、これと１体である角度をなす特別
の控え壁の延長又は脚の構成を与えることが非常に重要
であることを発見した。

【００２３】より詳しく云えば図２において、低い方の
脚には破線４２ｃ、上の方の脚には破線４２ｂが示され
て居りこれらは通常のレールの上では脚１２ｃ及び脚１
２ｂの通常ターミナルの端である。引出しスライドの標
準的な破線は、片持梁の荷重が最も大きい且つ特にその
低い方の脚１２ｃにおいて外側のレール、一般的に外側
のレールの軸方向外側の端部分に最も強調されて起る。
とりわけ標準的な破損は図２において仮想線によって示
されてベアリングボール１８の周辺に対して基本的に切
線方向に弓形部分が伸びることによって、弓形のカーブ
した構造があけられる即ち開かれる傾向によって起る。
この種の破損は主としてレールに対してボールによって
加えられた横の力によって起されるものと信じられてい
る。

【００２４】特に引出しが完全にあけられた時荷重は非
常に大きい低い方の脚と特にその軸方向外側の端におい
て、この片持梁の脚の端部分に非常に大きな応力が加え
られると、弓形の端部分の夫々のボールによって傾斜す
る作用が起ると信ぜられている。この拡がる変形がレー
ルトラック上に起るので、ボールベアリングは、変形の
率を強調し増進するより大きな横の自由度をもち、最後
には組立を破損する結果となる。

【００２５】独得の本願発明の控え壁延長の脚の構成は
レール組立の有用な寿命を伸ばす能力は著しいものがあ
った。広範囲なテストの結果、例えば特別な構成を持た
ない競争できる構造のものは引出し組立の２５．０００
−３０．０００サイクルで破損する傾向があることが示
された。これに対して新しい構成は２５０．０００サイ
クル以上有効に使用され且つ依然目立った変形は認めら
れなかった。

【００２６】控え壁の脚は好ましくは２つの部分を有す
る。即ち脚の弓形の部分の端から伸び、これと１体でこ
れと鈍角をなすターミナル又は端部分５４とを有し、こ
の２つの部分は一体に結合されて控え壁５０を形成す
る。この控え壁は好ましくはレール全体の長さに伸びる
が、その外側の端の部分の方で最も効果がある。

【００２７】この低い方の脚の控え壁は外に向って且つ
上に伸びる。同様にして上部の脚１２ｂは対称の位置に
中間部分５２′と外側のターミナル部分５４′からなる
控え壁の脚５０′が設けられているのが示されて居り、
中間部分５２′と外のターミナル部分５４′は両方とも
脚１２ｂの弓形部分と一体であり、部分５２′は弓形部
分と鈍角をなし、部分５４′は中間部分と鈍角をなし、
ここで控え壁脚５０の上に向って外に伸びる性格と反対
に、下に向って外側に突き出ている。この２つの描かれ
た鈍角は約１５０°である。

【００２８】如何にしてこの控え壁脚が精密な引出しス
ライド組立の有効な寿命をのばすためにそれ程有効に役
立つかは完全には判っていないが理論的には個々のボー
ルがレールまたはトラックに沿って動くときに、横の応
力の下に通常の弓形のレールの外の部分を連続して曲げ
る傾向があり弓をますます大きくして時に殆んど真直な
変形された構造とすることがある。個々のボールが応力
を加える個々の領域はそこに直接隣接する控え壁脚の部
分によるのみならず、そこから軸方向に間隔をおいた隣
接する控え壁脚部分によっても又強化される。この分野
の人は最初はマイナーなことのように見えるがこの変更
によって達成されるおどろくべき結果に対してより精細
な応力分析の理由を考えつくかも知れない。本申請人は
この特定の理論的説明に固執することは意図していな
い。

【００２９】例示された実施例は現在の好ましい実施例
であって２つの部分５２及び５４の鈍角の配設を含む
が、この分野の当業者によって更に実験すればここに示
されたものと違った特定の角度で少くとも新しい結果を
達成するのに同等の効果を有するものを示すことであろ
う。

【００３０】ここに好ましくは実施例として規定した新
しい好ましい構造におけるこれら及び他の変化は、本申
請の請求項の範囲とここに規定されたものに正当に同等
な構造によってのみ制限されるように意図された本発明
の範囲から離れることなく提示された概念の中でなされ
得るものである。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 細長い引出しのレールにおいて、 垂直な取付脚と、 当該垂直な脚と１体であってその長さに沿って弓形の凹
   面の上方に面した細長いボールレースを有する一般に水
   平に伸びる低い方の脚と、 当該低い方の脚と１体で、これに角度をもってこれから
   外に伸びる控え壁の脚とを含むことを特徴とする細長い
   引出しのレール。
2. 【請求項２】 請求項１の細長い引出しのレールにおい
   て、 当該角度は鈍角であることを特徴とする細長い引出しの
   レール。
3. 【請求項３】 請求項１の細長い引出しのレールにおい
   て、 当該控え壁の脚は当該低い方の脚にある角度をなす中間
   部分と、当該中間部分にある角度をなすターミナル部分
   とをもつことを特徴とする細長い引出しのレール。
4. 【請求項４】 請求項３の細長い引出しのレールにおい
   て、 当該中間部分は当該低い方の脚に対して鈍角をなし、当
   該ターミナル部分は当該中間部分に対して鈍角をなすこ
   とを特徴とする細長い引出しのレール。
5. 【請求項５】 引出しのレール組立において、 少なくとも細長い内側のレールと、細長い外側のレール
   と、当該外側のレールに関して当該内側のレールの軸方
   向の伸びを可能ならしめるボールベアリングと、 夫々
   垂直の取付けパネルの脚と、上部の通常水平に伸びる脚
   と、下部の通常水平に伸びる脚を有する当該内側のレー
   ルと当該外側のレールと、 当該レール組立のスムースな延伸と収縮を可能とするた
   めの細長い凹んだボールトラックを有する夫々のレール
   の当該上部の脚と当該下部の脚と、 １体の控え壁の脚を持ち、角度をもってそこから伸びる
   当該内側と外側のレールの中の１つの少なくとも当該１
   つの脚とから成ることを特徴とする細長い引出しのレー
   ル。
6. 【請求項６】 請求項５の引出しレールにおいて、 当該角度は鈍角であることを特徴とする引出しレール。
7. 【請求項７】 請求項５の引出しレールにおいて、 当該控え壁の脚は当該脚に角度をもった中間部分と当該
   中間部分に角度を持つたターミナル部分を有することを
   特徴とする引出しレール。
8. 【請求項８】 請求項７の引出しレールにおいて、 当該中間部分は当該脚に対して鈍角をなし、当該ターミ
   ナル部分は当該中間部分に対して鈍角をなすことを特徴
   とする引出しレール。