JPH07134617A - 自律移動ロボットの誘導方法とその装置 - Google Patents

自律移動ロボットの誘導方法とその装置

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JPH07134617A
JPH07134617A JP5303273A JP30327393A JPH07134617A JP H07134617 A JPH07134617 A JP H07134617A JP 5303273 A JP5303273 A JP 5303273A JP 30327393 A JP30327393 A JP 30327393A JP H07134617 A JPH07134617 A JP H07134617A
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Yukinobu Tanaka
幸悦 田中
Yoshio Tanaka
祥夫 田中
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敏男 福田
Fumito Arai
史人 新井
Shigenori Ito
茂則 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】画像処理を用いて誘導目標物を発見捕捉し、目
標物の付近に到達する自律移動ロボットの誘導方法と装
置を提供する。 【構成】誘導目標物にフアジー集合のメンバーシップ関
数を適用してテンプレート画像データを作成し、モニタ
ー画像とテンプレートとの適合度をニューラルネットワ
ークに入力して演算し、バックプロパゲーション法を用
いてあらかじめ学習していた方向へとテンプレートを移
動させて、目標物を発見捕捉する。 【効果】ロボット移動のためのマークを設置する必要が
ないので作業能率が向上する。画像処理に要する時間が
短縮され、誘導目標物を正確かつ迅速に発見捕捉するこ
とができてロボットの移動時間が短縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自律移動ロボットのナ
ビゲーション(誘導)技術に関する。本発明が対象とす
る自律移動ロボットは、特に室内空調用設備の品質管理
を目的としており、視覚システムによって空調用空気吹
き出し口を自動的に発見して位置認識しながら移動し、
吹き出し空気の風量及び温度等を計測して記録する方式
のロボットである。
【0002】この移動ロボットは、室内に多数配置され
た吹き出し口を視覚システムによる画像処理によって一
個ずつ順次発見する。次に、その直下までの距離と方角
を計算し、検査する吹き出し口直下まで自律的に移動し
て、吹き出し風量及び温度などを測定し記録する。
【0003】
【従来の技術】現在、ビルが新築されて完成する直前
に、空調用空気吹出口から設計値どおりの空気が供給さ
れているがどうかの検査が行われている。この場合の検
査項目は主として風量と温度である。風量測定を人手で
やる場合は、測定に時間がかかるうえに、検査個所が非
常に多く、しかも無理な姿勢を長時間とらなくてはなら
ず、大変つらい作業である。また、検査結果は膨大な量
になり、データ整理が大変煩雑な作業になる。さらに、
こうして得られたデータも、計測器の向きなど個人差に
よる測定誤差が発生しやすく、信頼性に乏しい。
【0004】風量の測定だけを機械的に行う装置も考案
されているが、吹き出し口の発見は人間が行うので、測
定装置を人間が手で押して移動させ、吹出口の直下で集
風フードを上下させて測定しなければならない。従っ
て、吹き出し口直下へのセッテイングが煩雑であり、風
量検査のための作業が肉体的な疲労を伴い、測定にも時
間がかかり、測定のための作業能率等にも問題があっ
た。
【0005】自律移動型のロボットにTVカメラ等のい
わゆる「機械の目」を取り付けて、画像情報を入手し、
それを処理して、ロボットを所定の方向に移動させる技
術はすでに広く知られており、例えば、1990年10
月、昭晃堂発行の「ロボットビジョン」には、移動ロボ
ットと撮像管あるいは固体センサを用いたシステムと、
その画像処理方法などについて、詳細な記述がなされて
いる。
【0006】しかしながら、一般に、実用化されている
従来の移動ロボット技術では、移動ルートを示す特別な
マークを床面に用意したり、あらかじめ位置を計測して
基準点にプリズム等を設置する必要がある。すなわち、
検査前に環境設定の事前準備が必要である。
【0007】特開昭57−108777号「位置検出装
置」には、位置認識のための特別なマークを使わない
で、壁や柱等の凹凸を利用して自己位置測定をする方法
が提案されている。しかしながら、自己位置測定用に使
用する壁や柱は、現場での施工の都合で位置の誤差が生
じやすく、もともと設置精度がそれほど高くないため、
これを使用した自己位置測定法ではあまり測定精度を期
待できないという欠点がある。また、壁や床は床面に置
かれた物体が障害となって見通しがきかない場合が多
く、目標には適さない。
【0008】特開昭61−221910号「無人移動体
の誘導方法及び交流光源検出装置」には、天井の蛍光灯
をガイドマークとして移動体を誘導する方法が提案され
ているが、この方法は蛍光灯の照度を頼りにするので、
外乱に弱く、安定した検出が難しいという欠点がある。
【0009】また、誘導目標物(探索対象物)の標準画
像からテンプレート画像データを作成し、モニター画面
に映った実際の画像と比較して正しい目標物へと移動さ
せるパターンマッチング方式の誘導システムも開発され
ているが、実際の画像には光や陰影が加わるためテンプ
レート画像データと一致せず、類似の模様を誤認するな
どして誘導を誤ったり、パターンマッチングの判定とロ
ボットの誘導に長時間を要するなどの欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、位置
認識のための特別なマークを設置することなく、ロボッ
トが移動して所定の誘導目標物の付近に到達することが
可能な自律移動ロボットの誘導方法とその装置を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、誘導目標物の標準
画像と実際のモニター画像との適合度の判断方法を改良
し、ロボットの移動に要する時間を短縮することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の前述した目的
は、画像処理を用いた自律移動ロボットの誘導方法であ
って、誘導目標物の標準図形から第1のテンプレート画
像データを作成し、第1のテンプレート画像データにフ
アジイ集合のメンバーシップ関数を適用して第2のテン
プレート画像データを作成し、モニター画面に映った誘
導目標物の画像と第2のテンプレート画像データのメン
バーシップ関数との適合度をニューラルネットワークに
入力して演算し、バックプロパゲーション法を用いてあ
らかじめ学習していた方向へと前記適合度に対応して第
2のテンプレート画像データをモニター画面の画像メモ
リー上で移動させ、誘導目標物をモニター画面上で捕捉
することを特徴とする自律移動ロボットの誘導方法によ
って達成される。
【0012】本発明はさらにこの方法を実施するための
装置として、画像処理を用いた自律移動ロボットの誘導
装置であって、誘導目標物を検知する視覚システムと、
所定の方向へ所定の距離だけ移動する移動システムと、
前記各システムからの情報を入手して演算し各システム
に対し所定の信号を送出する制御システムとを備え、前
記視覚システムにはモニター画面の映像をコンピユータ
で処理する画像処理システムが含まれ、前記画像処理シ
ステムは、誘導目標物の標準図形を基にした第1のテン
プレート画像データにフアジイ集合のメンバーシップ関
数を適用して第2のテンプレート画像データを作成し、
モニター画面に映った誘導目標物の画像と第2のテンプ
レート画像データのメンバーシップ関数との適合度をニ
ューラルネットワークに入力して演算し、バックプロパ
ゲーション法を用いてあらかじめ学習していた方向へと
前記適合度に対応して第2のテンプレート画像データを
モニター画面の画像メモリー上で移動させて誘導目標物
を捕捉するようになっており、前記制御システムは画像
処理システムによって捕捉された誘導目標物までの距離
と方位を算出してその移動信号を前記移動システムへと
送出するようになっている自律移動ロボットの誘導装置
を提供する。
【0013】本発明による自律移動ロボットは次の3つ
のサブシステムを包含する。 (A)視覚システム(ビジョンシステム) 誘導目標物を発見する部分であり、メインCCDカメ
ラ、リモートコントロールレンズ、電動旋回台、小型C
CDカメラ、画像処理システム等から成る。
【0014】(B)移動システム(ビークルシステム) 左右輪独立駆動方式の移動機構であり、視覚システムで
算出されたデータ(移動距離と回転角度)だけ正確に移
動する。DCサーボモータ、減速機、等から成る。移動
の方法は、その場回転−直進−その場回転 のパターン
で行われる。
【0015】(C)制御システム 誘導目標物の位置情報を記憶し、かつロボットの現在点
から該目標物直下点までの距離と方向を算出し、さらに
前記各システムからの情報を入手して演算し各システム
に対し所定の信号を送出する。1つ又は複数のCPU、
メモリー、操作盤等から成る。
【0016】前記視覚システムにはモニター画面の映像
をコンピユータで処理する画像処理システムが含まれて
いるが、この画像処理システムは、誘導目標物の標準図
形を基にして第1のテンプレート画像データを作成する
と共に、第1のテンプレート画像データにフアジイ集合
のメンバーシップ関数を適用して第2のテンプレート画
像データを作成し、これらの画像データをニューラルネ
ットワークに入力して演算し、バックプロパゲーション
法を用いてあらかじめ学習していた方向へと前記適合度
に対応して第2のテンプレート画像データをモニター画
面の画像メモリー上で移動させて誘導目標物を正確に発
見捕捉し、制御システムによって該目標物までの距離と
方位を算出して、その移動信号を前記移動システムへと
送出するようになっている。
【0017】ニューラルネットワークにフアジー集合の
メンバーシップ関数を用いることや、バックプロパゲー
シヨン法による学習については、例えば特開平4ー57
52号「ニユーラルネットワークのフアジイ学習方式」
や、特開平4ー275629号「ニユーラルネットワー
クによるメンバシップ関数の構成方式」等に説明されて
いる。
【0018】
【作用】かかる構成に基づき、本発明の自律移動ロボッ
トによれば、誘導目標物のテンプレート画像を自律移動
のナビゲーションに利用するので、室内に移動ルートを
示すマークをわざわざ用意したり、予め位置計測をして
基準点にプリズムやリフレクターをセッテイングする手
間が不要となり、作業能率が著しく向上する。また、ロ
ボット自身に視覚システムが備えられているので、多数
の空気吹出口へと順次連続して移動することができ、人
手が不要となって作業能率がさらに向上する。
【0019】さらに、誘導目標物の判断にフアジー集合
のメンバーシップ関数を適用して適合度を判定している
ので、標準図形と完全に一致しなくても、バックプロパ
ゲーション法によってあらかじめ学習していた適合度の
範囲内であれば、正しい目標物であると判断して所定の
方向へと移動していくことになり、誘導に要する時間が
短縮され、作業能率が著しく向上する。
【0020】第1のテンプレート画像データを作成する
際には、誘導目標物の図面を基にするだけでなく、誘導
目標物をモニター画面に撮影してその画像から画像処理
によって第1のテンプレート画像データを作成すること
ができる。
【0021】さらに本発明の誘導装置は、好適な実施態
様として、画像処理システムに前記誘導目標物の概略位
置情報をあらかじめ記憶させておき、視覚システムがこ
の概略位置情報を基にして最初の撮影方向とフオーカス
量及びズーム量を定めるようにすることができる。
【0022】例えば、空調用の空気吹出口は、確かな施
工図に基づいて位置精度高く設置されているので、壁や
柱を利用する場合と異なりナビゲーションのためのマッ
プ情報としては非常に良質であるため、自己位置の測定
誤差が少ない。しかもその施工図は容易に入手できるの
で、効率的なパスプランがすぐ立てられ、ロボットに移
動方向と移動距離を指示するのが容易である。さらに、
作業対象であるところの空気吹出口を視覚的に移動の目
標としているので、スリップ等によって攪乱されてしま
う車輪部の回転数センサーだけによる移動量検出(デッ
ドレコニング)と異なり、ビジュアルフイードバックが
働いて内界センサーの累積誤差がリセットされ、移動誤
差が累積しない等の利点が得られることになる。以下、
添付図面の実施例を参照しながら本発明についてさらに
詳述する。
【0023】
【実施例】ここでは、本発明による自律移動ロボットの
例として空調用吹出空気検査ロボットを取り上げる。こ
のロボットは、大きさが既知であって天井に配置された
角形の空調用空気吹出口を誘導目標物(探索対象物)と
し、この吹出口を自律移動のランドマーク(誘導制御の
目印)として同じフロアー内を移動して探索を実施す
る。一般に空調用空気吹出口は同じフロアー内では同一
形状の規格品が使われているので、同一のアルゴリズム
でほとんどのランドマークが発見できる。ここではフロ
アー内で多数の探索対象物を次から次へと発見してその
直下へと移動していく動作を自律移動ロボットに行わせ
る手法を説明する。
【0024】図1は、本発明による自律移動ロボット1
0の全体を表しており、ロボット10には5つのサブシ
ステムとして、天井に設けられた空気吹出口90を検知
する視覚システム11、所定の方向へ所定の距離だけ移
動する移動システム12、空気吹出口90から出てくる
空気の風量と温度を計測するセンサーシステム13、セ
ンサーシステム13を昇降させるリフテイングシステム
14、及び空気吹出口90の位置情報を記憶しかつ前記
各システムからの情報を入手して演算し各システムに対
し所定の信号を送信する制御システム15とが設けられ
ている。
【0025】視覚システム11は天井の空気吹出口90
を発見する部分であり、メインCCDカメラ24、リモ
ートコントロールレンズ25、電動旋回台26、小型C
CDカメラ27、画像処理装置等から成っている。さら
に、電動旋回台26の下側にはサーボ動作を補償するた
めのサーボアンプ23が配置されている。
【0026】移動システム12は左右輪独立駆動方式の
移動機構であり、視覚システム11で算出されたデータ
(移動距離と回転角度)だけ正確に移動するように、減
速機を内蔵したDCサーボモータ22、等から成る。電
源はロボット上に搭載されたバッテリ21から供給され
る。移動の方法は、その場回転−直進−その場回転のパ
ターンで行われる。
【0027】センサーシステム13は吹出口90から出
てくる風速と温度を計測し、風量換算してそれらのデー
タを記録するシステムであり、上向きに拡大したフード
35の内面に等間隔で配列された24個の風速センサー
プローブ16からなる熱式風速計と温度計等から成る。
【0028】リフテイングシステム14はセンサーシス
テム13を上昇させて空気吹出口90に接近させ、計測
終了後は下降させて、移動時に障害とならないようにす
るシステムであり、ドライブシャフト28に歯車機構を
介して連結された昇降用モータ29とリンク機構30等
から成る。
【0029】制御システム15は、処理速度を高めるた
めに並列処理を行う2つのCPU19、20と、操作盤
18、内蔵メモリー等から成っていて、ロボットの現在
点から該吹出口直下点までの距離と方向を算出する。さ
らに、このロボット10には、必要に応じて検査データ
を表示するための風速風温モニター17が設けられてい
る。操作盤18には、必要に応じてカラー液晶デイスプ
レイ等を取り付けることができる。
【0030】図2は、本発明によるロボット10を用い
て、建物内の一室の天井に配置された31個の空気吹出
口90を、スタート地点Sから終了地点Eまで、所定の
経路に従って検査のために移動するパスプランを表して
いる。
【0031】図3は、天井に設置される空気吹出口(ア
ネモスタット型吹出口)の代表的な形状を表しており、
同一の重心位置を有する四角形が一点に集中するような
形状をしている。他の形状として同心円が一点に集中し
ていくような形状もある。
【0032】次に本ロボットが探索対象物を捜し出して
移動していく様子の詳細を示す。まず、前提条件とし
て、 (1)室内のすべての吹出口の位置座標はマップ情報と
してあらかじめロボットに与えられている。また、各吹
出口90には番号が付されて区別されている。 (2)検査する順序、ルートも図2に示すように与えら
れている。 (3)検査する吹出口は図3に示すような形状をしてい
る。
【0033】最初に、図2に示すような室内にロボット
10を誘導し、適当な位置で停止させて、あらかじめ最
初に検査することに決めてあった空気吹出口90を視覚
システムのメインCCDカメラ24の視野に入るように
手動で操作する。ロボット上のメインCCDカメラ24
は、電動旋回台26に固定されているので、電動旋回台
26のパン・チルト動作により、その向きを変え、リモ
ートコントロールレンズ25によってフオーカス(焦
点)、ズーム(拡大縮小)、アイリス(絞り)を変化さ
せ、天井面の状態を画像としてとらえることができる。
そして、空気吹出口90が最もハッキリとなるように画
面内に適当な大きさでとらえる。この手動操作は、最初
に検査する吹出口を発見するためだけであって、2個目
以降は、与えられたマップ情報に従って、次に検査する
吹出口がハッキリ見える方向へ、電動旋回台とリモート
コントロールレンズが自動的に設定される。
【0034】モニター画面に撮影された探索対象物の原
画像は図4のように表示されているので、この原画像
(濃淡画像)を画像処理(エッジ強調・平滑化・2値
化)し直線抽出する。本探索対象物は向きが等しい四角
形が重なっているので、以後の処理を行いやすくするた
め概ね2方向の直線によって構成されていると考え、モ
ニター画面に映った実際の画像からどの向きの直線が最
も多いかを検出し、画像の座標を回転させて、探索対象
物が画像内で一定の向きになるように変換する。変換結
果は図5のようになる。
【0035】これらとは別に、あらかじめ図面を基にす
るか、あるいはモニター画面に撮影した大きさが既知の
空気吹出口(探索対象物)の画像から第1のテンプレー
ト画像データ(標準図形データ)を作成し、さらに画像
処理によって第1のテンプレート画像データにフアジイ
集合のメンバーシップ関数を用いて第2のテンプレート
画像データを作成する。その手法を図6に示す。メンバ
ーシップ関数は、縦方向、横方向、それぞれ13個ずつ
合計26個用意し、13個のうち6個を探索対象物のテ
ンプレートの部分(A1〜A6)とし、テンプレートの
間(B1〜B4、C)とテンプレートの両端(L、R)
にずれ検出用のメンバーシップ関数を設ける。
【0036】次に、前処理されたモニター画面内で第2
のテンプレート画像データを移動させる。この移動はモ
ニター画面上に見える状態で移動させる必要はなく、モ
ニター画面の画像メモリー上でそのデータを移動させれ
ばよい。モニターに映っている画像の直線部分が第2の
テンプレート画像データの直線部分に一致しなかった場
合、モニター画像の直線部分はずれ検出用のメンバーシ
ップ関数の部分(U、C、D、L、R)にかかることに
なるので、メンバーシップ関数からずれの度合が検出さ
れる。
【0037】それぞれのメンバーシップ関数は、図6に
示すように、三角形断面をもつ高さ1の三角柱の形をし
ており、例えばある横方向のメンバーシップ XA に対す
る適合度 UXA は以下のようにして求められる。 V = ΣΣμXA(x,y) UXA = ΣΣmin(g(x,y),μXA(x,y))/V ただし、前側のΣの下には x の添字が付き、後側のΣ
の下には y の添字が付く。g(x,y) は画素(x,y) での
画素値(ここでは0か1)。μXA(x,y) はメンバーシッ
プ関数 XA の (x,y) での値を表している。
【0038】このようにして表わされた横方向の適合度
UX、縦方向の適合度UYは、ニューラルネットワークに
入力して、テンプレートと探索対象物がより高い適合度
を示すような方向への移動量 ΔX ΔY を出力する。ニ
ューラルネットワークはバックプロパゲーション法で学
習するマルチレイヤード(多層式)パーセプトロン型を
用い、入力層26ユニット、2個の中間層各10ユニッ
ト、出力層2ユニットの4層形の構造に作られている。
【0039】入力層にメンバーシップ関数の適合度が入
力されると、 X 方向 Y 方向の移動量 ΔX ΔY が出力
層より出力される。テンプレートと探索対象物が完全に
一致したときに ΔX ΔY が両方とも0になり、探索が
終了するように、あらかじめニューラルネットワークに
学習させておく。
【0040】図7は、第2のテンプレート画像のウィン
ドウ(外枠)が1−2−3−4−5へと、適合度が高く
なる方向へと移動して、探索対象物に接近し合致してい
く様子を表している。かくして空気吹出口を発見したこ
とになる。このとき、もしモニター画面上から探索対象
物がはみだしていた場合は、ニューラルネットワークの
出力 ΔX ΔY の値に応じてCCDカメラの電動旋回台
26を動かしたり、ロボットの移動システム12を動か
したりして、モニター画面内に探索対象物が映るように
する。
【0041】なお、これらの画像処理及び画像認識の処
理は、並列処理機能を持った装置、例えばトランスピユ
ータといわれる演算処理装置、あるいはマルチタスク機
能を有するコンピユータ等で行い、処理時間の短縮を図
ることができる。トランスピユータの例として、(株)
コンカレントシステムズ製の型番TRPM−401、あ
るいはTRPM−401Aを用いることができ、さらに
画像処理ボードとして、同社製の型番TRP−IMGを
用いることができる。
【0042】次に、空気吹出口90までの距離と方角を
算出する方法について、図8及び図9を参照して説明す
る。メインCCDカメラ24の本ロボットの座標系での
パン角θc(水平方向の回転角度)とチルト角Φc(垂
直方向の回転角度)は電動旋回台26に取り付けられた
角度センサー(図示せず)によって検出される。
【0043】一方、画像認識により得られた空気吹出口
の中心座標94は、撮影画面上の座標系で表わされ、こ
れを g(Xg,Yg)とする。また、画像の解像度を
DOTX×DOTY とし、吹出口の外形がカメラの
CCD素子上で示す大きさをSX×SY 、カメラの焦
点をfとすると、ロボットの座標系における吹出口の中
心位置座標(x,y,z)は、次のように表される。
【数1】
【0044】すると、 tanδθ = y/x θ = θc + δθ tanΦ = √(x2 + y2 )/z と表される。ここで、θは 吹出口直下までの方角を示
す。また、図9より、ロボットから吹出口直下までの距
離 Lは、 L = (H − Hc)tanΦ で表される。ここで、HcとHは、ロボットのCCD素
子の高さと天井高さでいずれも既知である。このように
して、吹出口までの距離と角度を算出する。
【0045】算出結果は、移動システムに伝達され、D
Cサーボモータ22を駆動して、サーボ機構により所定
の方角へ所定の距離だけ移動する。この移動量は、内蔵
された内界センサーによりフイードバック量として検出
されるが、この際に、ある一定距離だけ移動して再び目
標の吹出口を認識し、同様の距離と方角を算出する動作
を行うと、車輪部の回転数センサーによる計測の誤差が
位置の誤差として累積せずに、移動の精度がいっそう高
まることになる。
【0046】次に、空気吹出口90の直下に本ロボット
があることを、センサーシステム13のフード35内に
垂直上向きに設置した小型CCDカメラ27によって、
同様の処理をして確認する。必要であれば、微動作をし
て位置と方角を修正し、吹出口90とセンサーフード3
5の向きを合わせる。
【0047】ここで、図1に示すように、風量及び温度
などを測定するセンサーシステム13全体をリフテイン
グシステム14によって上昇させ、吹出口に接近させて
吹出風量と温度などを測定する。測定は、フード35内
に等間隔で設置した風速センサープローブ16と温度セ
ンサープローブとで行う。測定結果は、後で処理するた
め、吹出口の番号に対応してメモリーされる。以下、同
様の工程を繰り返すことにより、図2に示すような室内
のすべての吹出口を与えられた検査ルートに従って自動
検査して、ロボットの動作を終了する。検査結果は、フ
ロアーごとに集計・作表されてプリンタから出力され
る。
【0048】図10は本発明のロボットを動作させるた
めの制御ブロック図である。各ブロック内の要素は、前
述した要素、あるいは周知の部品である。「サーボフイ
クサー」はサーボ機構の動作を補償するインターフエー
スであり、本発明に特有の要素ではない。
【0049】前述したように、本発明における画像処理
では、四角形や円形の誘導目標物からテンプレート画像
を作成し、フアジイ集合のメンバーシップ関数を適用し
ているので、パターンマッチングのように画像が完全に
一致しなくても誘導目標物を認識することができ、光や
陰影があっても空気吹出口を蛍光灯等の他物体と間違え
ることがない。また、パターンマッチングのような負荷
の多い処理方式ではないので、前述した例のようにトラ
ンスピユータで並列処理するように構成すれば、短時間
で吹出口の認識が可能となる。もちろん、動作速度の早
いコンピユータを用いれば、画像処理に要する時間が短
縮できることは当然である。
【0050】本発明では、空調用の空気吹出口を作業対
象として述べてきたが、空調用の空気吸い込み口や、火
災報知器のセンサー等に関しても、本発明の自律移動ロ
ボットを適用して作業することが可能である。
【0051】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明の自
律移動ロボットの誘導システムによれば、誘導目標物の
テンプレート画像を自律移動のナビゲーションに利用す
るので、室内に移動ルートを示すマークをわざわざ用意
したり、予め位置計測をして基準点にプリズムやリフレ
クターをセッテイングする手間が不要となり、作業能率
が著しく向上する。また、ロボット自身に視覚システム
が備えられているので、多数の空気吹出口へと順次連続
して移動することができ、人手が不要となって作業能率
がさらに向上する。
【0052】さらに、誘導目標物の判断にフアジー集合
のメンバーシップ関数を適用して適合度を判定している
ので、標準図形と完全に一致しなくても、バックプロパ
ゲーション法によってあらかじめ学習していた適合度の
範囲内であれば、正しい目標物であると判断して所定の
方向へと移動していくことになり、誘導に要する時間が
短縮され、作業能率がさらに向上する等、その技術的効
果には極めて顕著なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるロボットの全体を表す正面図であ
る。
【図2】室内の天井に設置された空気吹出口の配置を表
す平面図である。
【図3】空気吹出口を表す底面図である。
【図4】空気吹出口のモニター画像を表す正面図であ
る。
【図5】モニター画面に映った実際の誘導目標物の画像
を表す正面図である。
【図6】4層のニューラルネットワークの概念図であ
る。
【図7】テンプレートが誘導目標物に接近していく様子
を表す正面図である。
【図8】CCDカメラから空気吹出口までの距離と方角
を3次元座標上で説明するための概略図である。
【図9】CCDカメラから空気吹出口までの距離と方角
を2次元座標上で説明するための概略図である。
【図10】本発明によるロボットの制御を表すブロック
図である。
【符号の説明】
10 自律移動ロボット 11 視覚システム 12 移動システム 13 センサーシステム 14 リフテイングシステム 15 制御システム 16 風速センサープローブ 19,20 CPU 22 DCサーボモータ 24 メインCCDカメラ 25 リモートコントロールレンズ 26 電動旋回台 27 小型CCDカメラ 29 昇降用モータ 30 リンク機構
フロントページの続き (72)発明者 田中 幸悦 茨城県つくば市和台41番地 新菱冷熱工業 株式会社中央研究所内 (72)発明者 田中 祥夫 茨城県つくば市和台41番地 新菱冷熱工業 株式会社中央研究所内 (72)発明者 福田 敏男 愛知県名古屋市東区矢田町2−66 名大矢 田町宿舎122 (72)発明者 新井 史人 愛知県名古屋市名東区亀の井2−38 名大 猪高町宿舎206 (72)発明者 伊藤 茂則 三重県四日市市東垂坂38番地

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像処理を用いた自律移動ロボットの誘
    導方法であって、 誘導目標物の標準図形から第1のテンプレート画像デー
    タを作成し、 第1のテンプレート画像データにフアジイ集合のメンバ
    ーシップ関数を適用して第2のテンプレート画像データ
    を作成し、 モニター画面に映った誘導目標物の画像と第2のテンプ
    レート画像データのメンバーシップ関数との適合度をニ
    ューラルネットワークに入力して演算し、 バックプロパゲーション法を用いてあらかじめ学習して
    いた方向へと前記適合度に対応して第2のテンプレート
    画像データをモニター画面の画像メモリー上で移動さ
    せ、 誘導目標物をモニター画面上で捕捉することを特徴とす
    る自律移動ロボットの誘導方法。
  2. 【請求項2】 第1のテンプレート画像データを作成す
    る際に誘導目標物をモニター画面に撮影してその画像か
    ら画像処理によって第1のテンプレート画像データを作
    成することを特徴とする請求項1記載の誘導方法。
  3. 【請求項3】 モニター画面に映った誘導目標物の画像
    から直線情報を抽出し第2のテンプレート画像データの
    直線情報と比較して所定の向きになるように画像を変換
    する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の誘導方
    法。
  4. 【請求項4】 画像処理を用いた自律移動ロボットの誘
    導装置であって、 誘導目標物を検知する視覚システムと、 所定の方向へ所定の距離だけ移動する移動システムと、 前記各システムからの情報を入手して演算し各システム
    に対し所定の信号を送出する制御システムとを備え、 前記視覚システムにはモニター画面の映像をコンピユー
    タで処理する画像処理システムが含まれ、 前記画像処理システムは、誘導目標物の標準図形を基に
    した第1のテンプレート画像データにフアジイ集合のメ
    ンバーシップ関数を適用して第2のテンプレート画像デ
    ータを作成し、モニター画面に映った誘導目標物の画像
    と第2のテンプレート画像データのメンバーシップ関数
    との適合度をニューラルネットワークに入力して演算
    し、バックプロパゲーション法を用いてあらかじめ学習
    していた方向へと前記適合度に対応して第2のテンプレ
    ート画像データをモニター画面の画像メモリー上で移動
    させて誘導目標物を捕捉するようになっており、 前記制御システムは画像処理システムによって捕捉され
    た誘導目標物までの距離と方位を算出してその移動信号
    を前記移動システムへと送出するようになっていること
    を特徴とする自律移動ロボットの誘導装置。
  5. 【請求項5】 前記画像処理システムには前記誘導目標
    物の概略位置情報があらかじめ記憶されており、前記視
    覚システムはこの概略位置情報を基にして最初の撮影方
    向とズーム量及びフオーカス量を定めるようになってい
    ることを特徴とする請求項4記載の誘導装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09149309A (ja) * 1995-11-24 1997-06-06 Fuji Electric Co Ltd 走行型点検ロボット
WO2016112629A1 (zh) * 2015-01-12 2016-07-21 芋头科技(杭州)有限公司 机器人的用空气质量检测系统及检测方法
CN106873585A (zh) * 2017-01-18 2017-06-20 无锡辰星机器人科技有限公司 一种导航寻路方法、机器人及系统
WO2018179104A1 (ja) * 2017-03-28 2018-10-04 三菱電機株式会社 設備管理装置

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