JPH07134093A - 粒子分析装置 - Google Patents

粒子分析装置

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JPH07134093A
JPH07134093A JP6220001A JP22000194A JPH07134093A JP H07134093 A JPH07134093 A JP H07134093A JP 6220001 A JP6220001 A JP 6220001A JP 22000194 A JP22000194 A JP 22000194A JP H07134093 A JPH07134093 A JP H07134093A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒子撮像用としてレーザ光源を用いる場合
に、レーザー光のコヒーレンスを低下させて粒子に照射
することにより、干渉縞や回折のない高画質の粒子画像
を得る。 【構成】 試料液中に存在する被検粒子を分離状態で流
動させる光透過性のフローセルと、フローセル内を流動
する被検粒子にレーザー光を照射するパルスレーザー照
射装置と、レーザー光のコヒーレンスを低下させる光位
相変調素子と、被検粒子からの光を受け、被検粒子の粒
子像を撮像するCCDカメラと、撮像された被検粒子像
の画像処理を行う画像信号処理ユニットから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液体中に浮遊する粒
子の粒子画像を撮像する粒子分析装置に関し、さらに詳
しくは、例えば、血液や尿などを希釈した試料液をフロ
ーセル内に流し、血球や尿中細胞などの個々の粒子に対
し粒子画像を撮像して、粒子の分析を行う粒子分析装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の粒子分析装置としては、
フローサイトメータと呼ばれ、血球や細胞などの粒子を
整列させてフローセル内に流し、個々の粒子を測定する
装置や、血球や細胞などの粒子画像を撮像して粒子の分
析を行う各種の粒子分析装置が知られている。
【0003】このようなフローサイトメータとしては、
例えば、光を常時発光させておき、高速ゲート機能付き
イメージインテンシファイアのシャッタを開けることに
より静止粒子画像を得るようにした、特開平5−142
137号公報(米国特許NO.5,272,354号公
報)に記載のイメージングフローサイトメータなどが知
られている。
【0004】また、粒子分析装置としては、例えば、画
像撮像系以外に粒子検出用の光学系を設け、粒子を検出
して一定時間の遅延の後、パルスレーザを発光させて粒
子の静止画像を撮像するようにした、特開昭63−94
156号公報(米国特許NO.4,786,165号公
報)に記載の流体中の細胞分析方法および装置などが知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
この種の粒子分析装置においては、フローセル内の血球
や細胞などの粒子画像を撮影する場合、光源にフラッシ
ュランプを用いると、試料液の流速が早いときには、鮮
明な画像が得られない、という問題があった。
【0006】すなわち、フラッシュランプの発光時間は
μ(マイクロ)秒のオーダーであり、比較的長い時間で
ある。したがって、このように発光時間の長い光源を用
いた場合には、例えば、試料液の流速を5m/秒とする
と、粒子は発光中に5μm以上動くことになり、画像に
ブレが生じ、鮮明な画像とはならない。
【0007】つまり、フラッシュランプのような光源で
は、高速に流れる粒子に対し粒子画像がブレないような
n(ナノ)秒オーダーの短い発光時間を達成することが
困難であり、鮮明な画像を得るためには、例えば、発光
時間の短い、パルスレーザーのようなパルス光源を使用
する必要がある。
【0008】しかしながら、レーザーを使用する場合に
は、レーザーの空間的、時間的コヒーレンスにより干渉
縞・回折が発生し、鮮明な画像を得ることが難しい。ま
た、パルスレーザーではなくCW(continuous wave:
連続発振)レーザーを用い、このCWレーザーと高速シ
ャッタ(ゲート)とを組み合わせて粒子を撮像するよう
にした粒子撮像システムにおいても、パルスレーザーと
同様に干渉縞等の問題が発生し、鮮明な画像を得ること
が困難である。
【0009】このように、パルスレーザーでは、n(ナ
ノ)秒オーダー以下の発光時間を有することが可能であ
る。また、レーザーであれば、単位面積当たりのエネル
ギー密度を向上させることが可能であり、短い発光時
間、または短いゲート時間において撮影に十分なエネル
ギーを発生させることができる。一方、レーザーでは、
空間的、時間的コヒーレンスにより干渉縞、フレネル回
折、フランホファー回折が発生し、撮像画質を低下させ
る。
【0010】粒子分析装置においては、高速で試料液を
流す場合、粒子を鮮明に撮影するには、パルスレーザー
やCWレーザーのように高エネルギー密度の光を発する
光源を使用する必要があるが、このような高い光エネル
ギー密度を得るには、空間的、時間的コヒーレンスを必
要とする。しかしながら、このコヒーレンスは、撮影の
画質を低下させる。
【0011】ここで、種々の回折と干渉縞が空間的、時
間的コヒーレンスにより発生する原因について、現在の
問題点から理論的に解説する。まず、光学的なフローセ
ル自身がFP(ファブリ・ペロー)干渉計となって干渉
縞が発生する原因について説明する。
【0012】通常、レーザーによる干渉距離は、2個の
反射物体の距離で測定・定義される(ただし、現実の干
渉縞は光学フローセルの特定2面の反射だけでなく、計
4面の多重反射に起因していると考えられる)。
【0013】理論的には、レーザーによる干渉距離は発
振スペクトル幅で決定される。発振スペクトル幅を30
GHz(LD励起YAGレーザーのカタログデータ1c
-1に相当)とすると、レーザー発振準位間の平均寿命
時間差は、次のように発振スペクトル幅から概算でき
る。 1/(3.0 ×1010)=3.3 ×10-11sec さらにレーザー干渉距離は (3.0 ×108m/sec )×(3.3 ×10-11sec )=1.0 ×10
-2m となる。
【0014】フローセルの形状が、例えば4×4mmで
ある場合には、当然干渉縞が生じ、Arレーザーの場合
には、レーザー干渉距離は数Kmオーダーになる。この
発振スペクトル幅の狭さがレーザーの時間的コヒーレン
スの基準である。干渉縞をなくすためには、この発振ス
ペクトル幅を広げてやれば良い。
【0015】次に、フレネル回折、フラウン・ホファ回
折が生じる原因について説明する。レーザー発振を起こ
すためには、励起されている各原子の波面位相が一定で
なければならない(空間的コヒーレンス)。フレネル回
折は平面波が細胞などの端面において回折するために生
じるものである。
【0016】フラウン・ホファー回折は、上記の平面波
が点光源から生じているものではなく、光学的に、より
集光した場合には、平面波の各点からの距離が違うため
に、集光スポットにおいてリング状の縞が生じることで
ある。従って、これを低下させ、画質を向上させるため
には、空間伝搬がランダムになるような光学系を使用す
る必要がある。
【0017】なお、現在の量子エレクトロニクス理論及
び手法によれば、空間的コヒーレンスと時間的コヒーレ
ンスとは相互に関係しており、どちらか一方を向上させ
る、または低下させることは、レーザー光源単体では不
可能である。
【0018】この発明は、このような事情を考慮してな
されたもので、撮像用としてレーザ光源を用いる場合
に、レーザー光のコヒーレンスを低下させて粒子に照射
することにより、干渉縞や回折のない高画質の粒子画像
が得られるようにした粒子分析装置を提供するものであ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明は、試料液中に
存在する被検粒子を分離状態で流動させる光透過性のフ
ローセルを有するフロー手段と、フローセル内を流動す
る被検粒子にレーザー光を照射するレーザー光照射手段
と、レーザー光のコヒーレンスを低下させる低コヒーレ
ント化手段と、被検粒子からの光を受け、被検粒子の粒
子像を撮像する撮像手段と、撮像された被検粒子像の画
像処理を行う画像処理手段を備えてなる粒子分析装置で
ある。
【0020】この発明のフロー手段としては、光透過性
のフローセルを有し、そのフローセル内に被検粒子を含
む試料液を導入して被検粒子を分離状態で流動させるこ
とが可能な各種の装置を用いることができる。
【0021】このフローセル内に導入される試料液とし
ては、どのような被検粒子を含む試料液であってもよい
が、主として、血液、尿、粉体などを任意に希釈した試
料液が適用される。また、用途によっては試料を海水、
湖水、河水などとすることもできる。
【0022】光透過性のフローセルとしては、公知の、
流路が正方形のフローセルや偏平なフローセルが適用さ
れる。このフローセルの光透過性としては、フローセル
内を流動する被検粒子をフローセルの外側から撮像する
ことが可能な光透過度であればよく、フローセルの材質
は、ガラスやプラスチック、および、それらと同程度の
光透過度を有する合成樹脂性のものを用いることができ
る。
【0023】レーザー光照射手段としては、常時あるい
は任意のタイミングで、連続あるいはパルス状のレーザ
ー光を対象物に向けて照射することの可能な、例えば、
Arレーザーや、LD励起YAG+KTPレーザーやL
D(レーザーダイオード)のようなレーザーを用いるこ
とができる。
【0024】このレーザー光照射手段の光照射期間は、
被検粒子の流速に対し、以下のように設定することがで
きる。すなわち、被検粒子の流速をv〔m/s〕、光照
射時間をt〔μs〕とすると、被検粒子の粒子像のブレ
Uは、U=vtである。したがって、このブレUが撮像
手段の撮像分解能以下であれば、良好な被検粒子の静止
画像を得ることができる。例えば、被検粒子像のブレU
を0.3〔μm〕以下にするには、v=5〔m/s〕の
ときは、光照射時間tを、t≦60〔ns〕に設定すれ
ばよい。
【0025】低コヒーレント化手段としては、光強度の
むらなくレーザー光のコヒーレンスを低下させることが
可能な各種の装置を用いることができる。撮像手段とし
ては、被検粒子から光を受け、被検粒子の粒子像を撮像
できるものであればどのようなものでも適用可能であ
る。例えば、CCDカメラや市販のビデオカメラを利用
することができる。
【0026】画像処理手段としては、撮像された被検粒
子像の画像データをディジタルデータに変換して各種の
画像処理を行い、それを再びアナログデータに変換して
出力することが可能な画像処理装置を用いることができ
る。
【0027】この発明の粒子分析装置においては、レー
ザー光照射手段から照射されるレーザー光は、パルスレ
ーザー光であってもよい。また、この発明の粒子分析装
置においては、粒子を検出する粒子検出手段と、粒子が
検出された後、レーザー光照射手段を制御してパルスレ
ーザー光を照射させる制御手段を、さらに備えた構成と
することができる。
【0028】上記粒子検出手段としては、粒子を検出す
ることができるものであればよく、各種の検出装置を適
用することができる。例えば、この粒子検出手段は、試
料液流に向けて光を照射する発光手段と、試料液を介し
た光を受ける受光手段から構成されたものを用いること
ができる。この発光手段としては、対象物に向けて、常
時、光を照射可能な、例えばランプや、Arレーザーの
ような光源を用いることができる。また、受光手段とし
ては、粒子の前方散乱光や蛍光を受け、それを電気信号
に変換することが可能な、各種のフォトセンサを用いる
ことができる。
【0029】制御手段としては、粒子が検出された後、
レーザー光照射手段を制御してパルスレーザー光を照射
させることができるものであればよく、この制御手段と
しては、ハードウェアまたはソフトウエアで制御手順が
組み込まれた、例えば、ゲート回路や、CPU,RO
M,RAM,I/Oポートからなるマイクロコンピュー
タのような制御回路を用いることができる。
【0030】この発明の粒子分析装置においては、レー
ザー光照射手段から照射されるレーザー光は、連続発振
レーザー光であってもよい。また、撮像手段に入る光を
制限するゲート手段を、フロー手段と撮像手段との間に
配置した構成とする。このゲート手段としては、例えば
イメージ・インテンシファイアや液晶スイッチのよう
な、ゲート機能を有する各種の光学素子を用いることが
できる。
【0031】さらに、この発明の粒子分析装置において
は、試料液のレーザー光照射手段による照射領域中にお
ける粒子を検出する粒子検出手段と、粒子が検出された
後、ゲート手段を制御して撮像手段に被検粒子の粒子像
を撮像させる制御手段を、さらに備えた構成とすること
もできる。
【0032】この制御手段としては、粒子が検出された
後、ゲート手段を制御して撮像手段に被検粒子の粒子像
を撮像させることができるものであればよく、この制御
手段としては、上記の制御手段と同じく、ハードウェア
またはソフトウエアで制御手順が組み込まれた、例え
ば、ゲート回路や、CPU,ROM,RAM,I/Oポ
ートからなるマイクロコンピュータのような制御回路を
用いることができる。
【0033】また、この発明の粒子分析装置において
は、粒子検出手段が、検出した粒子を分析し、その分析
に基づいて粒子を撮像するのか否かの判定を行う判定手
段を有していることが好ましい。
【0034】この発明の粒子分析装置においては、低コ
ヒーレント化手段を、光のスペクトル幅を広げる光位相
変調素子から構成することができる。
【0035】この場合の光位相変調素子としては、マイ
クロ波共振器の中に、例えば、LiNbO3 やLiTa
3 やTeO2 等の電気光学結晶(非線形結晶とも呼ば
れる)を配置したものを用いることができる。光位相変
調素子としては、例えば、NEW FOCUS,In
c.の“Bulk Electro−Optic Mo
dulator 4841”が使用できる。
【0036】この光位相変調素子の使用方法としては、
電気光学結晶内にレーザーを透過させておき、マイクロ
波共振器に、外部から駆動手段によりマイクロ波を入力
することによって、電気光学結晶内を透過するレーザー
のスペクトル幅を広げ、時間的コヒーレンスを低下させ
る。なお、上記電気光学結晶を入手し、自ら光位相変調
素子を作製することも可能である。
【0037】このとき、マイクロ波共振器の共振により
小さい入力パワーで大きな電界を作り出すことができ、
その電界方向と結晶の電気光学効果が有効に働く方向に
結晶を配置しておくと、効率良く光周波の位相変調を行
うことができる。ここで、光周波とは光の波長のことで
あり、例えば、0.532μmの波長の光である場合に
は、光の速度は3×108 m/sec であるので、563
T(テラ)Hzの周波数の光に相当する。
【0038】また、この発明の粒子分析装置において
は、低コヒーレント化手段を、光の空間伝搬をランダム
にするシングルモードの光ファイバーから構成すること
ができる。さらに、低コヒーレント化手段を、光の空間
伝搬をランダムにするシングルモードの光ファイバーお
よび波面変換素子から構成することもできる。
【0039】この場合の光ファイバーとしては、使用す
るレーザー光の波長に対してシングルモードで伝搬する
シングルモードの光ファイバーを用いることが好まし
い。シングルモード光ファイバーを使用すると、入射パ
ルス光の2次元的な光強度分布の変動を抑えるととも
に、伝搬するコア内において光エネルギー密度が高くな
るので、自己集束効果、自己位相変調効果を生じ、空間
的コヒーレンスを低下させるだけでなく、時間的コヒー
レンスを低下させることも可能である。
【0040】波面変換素子としては、内面を光学研磨し
たステンレスシームレスパイプや、両端面と円周面を光
学研磨し、さらに円周外面には光を反射させるためのア
ルミ蒸着を施したガラス円柱、あるいは、大口径のマル
チモード光ファイバーを用いることができる。
【0041】この波面変換素子は、長さ10mm以上の
ものを用いるようにし、外径については、レーザー光を
集光レンズ42で絞った後、図10(c)の光強度分布
におけるリップルRが光学システムの分解能以下になる
ように選ぶ。すなわち、図10(c)の光強度分布にお
けるリップルRの振幅A0 が撮像系の光強度分解能以下
になるようにする。または、リップルRの周期T0 が撮
像系の2次元分解能以下になるようにする。要するに、
リップルRの影響が撮像画面に表れないようにする。
【0042】その際、使用するパルスレーザー光源の特
性によりリップルRの周期が変化するため、良好な画像
を得るためには、レーザー照明系の集光レンズを含む照
明光学系は、ケラー照明系を採用するのが好ましい。
【0043】なお、波面変換素子としてマルチモード光
ファイバーを用いる場合には、そのマルチモード光ファ
イバーを直線状に固定しておくことにより、2次元的光
強度分布を一層安定させることができる。
【0044】光ファイバーと波面変換素子とを用いる場
合には、レーザーを、まず、光ファイバーに入射し、光
ファイバーからの出射光を直接波面変換素子に入射する
ようにする。
【0045】また、この発明の粒子分析装置において
は、低コヒーレンス化手段を、光のスペクトル幅を広げ
る光位相変調素子と、光の空間伝搬をランダムにするシ
ングルモードの光ファイバーおよび波面変換素子とから
構成することができる。その場合、低コヒーレント化手
段は、光の進行方向に対して、光位相変調素子、シング
ルモードの光ファイバー、波面変換素子の順に配置する
ことが好ましい。
【0046】
【作用】この発明によれば、フローセル内を流動する被
検粒子に対しては、レーザー光照射手段によりレーザー
光が照射されるのであるが、このレーザー光は、低コヒ
ーレント化手段によってコヒーレンスが低下される。そ
して、撮像手段により、被検粒子の粒子像が撮像され、
撮像された被検粒子像の画像処理が行われる。
【0047】したがって、レーザー光のコヒーレンスを
低下させる低コヒーレント化手段を備えているので、明
るく、S/N比の良い、回折、干渉の無い、高画質の粒
子画像を得ることができる。
【0048】また、判定手段を有する粒子検出手段を備
えている場合には、粒子を検出した後、その粒子を撮像
するのか否かを判定するので、異常粒子や不明確粒子、
あるいは重要粒子を選択して撮像することができ、その
粒子がどの様な粒子であるのかを画像で確認することが
できる。
【0049】
【実施例】以下、図面に示す実施例1から実施例4に基
づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発
明が限定されるものではない。以下の説明においては、
パルスレーザーで粒子を撮像した場合の例を実施例1、
実施例3及び実施例4として示し、CW(continuous w
ave:連続発振)レーザーで粒子を撮像した場合の例を
実施例2として示す。
【0050】実施例1 図1はこの発明による粒子分析装置の実施例1の構成を
示すブロック図である。
【0051】この粒子分析装置は、血液や尿などを希釈
した試料液(サンプル液ともいう)を透明なフローセル
中に導いて安定な試料流(サンプル流ともいう)を形成
し、この試料流に対しレーザー光を照射して、血液中に
含まれる血球や尿中に含まれる細胞のような粒子(粒子
検査時にはこの粒子を被検粒子と称すこともある)をC
CDカメラで撮像し、撮像した粒子像の画像処理を行う
装置である。
【0052】図中、2はガラスやプラスチックからなる
光透過性のフローセルである。このフローセル2中に試
料液が導かれるときには、同時に、その試料液の周囲を
覆うようにしてシース(鞘)液が供給され、試料液とシ
ース液とが層流となったものがフローセル2内を流れる
ようになっている。
【0053】4はフローセル2内を流動する試料流であ
り、試料流4内に存在する血球や細胞のような粒子6
は、フローセル2内を分離状態で流動している。8はフ
ローセル2内を流動する試料流4にCWレーザーである
Arレーザーを照射するArレーザー発光装置、10は
集光レンズ、12は対物レンズ、14はフローセル2と
対物レンズ12との間に設けられたビームストッパーで
ある。
【0054】16は波長選択フィルタ、18は反射ミラ
ーである。20は前方散乱光処理用検出系のPD・増幅
器であり、このPD・増幅器20は、波長選択フィルタ
16によって選択された前方散乱光(FSc)を受け、
検出信号Sscを出力する。22は蛍光用検出系のPM
T・増幅器であり、このPMT・増幅器22は、波長選
択フィルタ16によって選択されなかった蛍光(FL)
を受け、検出信号Sflを出力する。
【0055】24は蛍光・散乱光信号処理ユニットであ
り、この蛍光・散乱光信号処理ユニット24は、検出信
号Sscと検出信号Sflを受け、これらの信号処理を
行って粒子6の情報を得、その粒子6の画像が必要と判
断すれば判定信号Sjを出力する。
【0056】26は蛍光・散乱光信号処理ユニット24
から判定信号Sjを受け、パルスレーザー電源28に電
源供給の信号を、PINデバイス30にゲートオープン
の信号を、画像信号処理ユニット32に画像取り込み開
始の信号を、それぞれ送るタイミングコントロール回路
である。
【0057】34はパルスレーザー電源28から電源の
供給を受け、パルス状のレーザーをフローセル2に向け
て照射するLD励起YAG+KTPパルスレーザー照射
装置である。
【0058】36はマイクロ波を常時発生する発振器で
あり、PINデバイス30は、タイミングコントロール
回路26からゲートオープンの信号を受けると、この発
振器36から供給されたマイクロ波にパルス変調をかけ
る。38はパワーアンプである。
【0059】40は光位相変調素子であり、パワーアン
プ38からパルス変調されたマイクロ波を受け、パルス
レーザー光のスペクトル幅を広げて、レーザー光の主と
して時間的コヒーレンスを低下させる。
【0060】42は集光レンズ、44は対物レンズ、4
6は低コヒーレント光の照射された粒子6からレーザー
光を受け、粒子の粒子像を撮像するCCDカメラであ
る。画像信号処理ユニット32は、CCDカメラ42か
ら得られた粒子画像の処理を行う。
【0061】光位相変調素子40の概念的な構造を図2
に示す。この図に示すように、光位相変調素子40は、
マイクロ波共振器52の中に、電界により屈折率が変化
する結晶定数を持つ電気光学結晶(非線形結晶とも呼ば
れる)54として、LiNbO3 、あるいはLiTaO
3 を配置したものであり、外部からマイクロ波56を入
力することができるようになっている。
【0062】このマイクロ波共振器52にレーザー光L
を入射し、PINデバイス30とパワーアンプ38を介
して発振器36からマイクロ波共振器52にマイクロ波
56を与えて、レーザー光Lの位相変調を行い、位相変
調されたレーザー光Sを出力する。これにより、電気光
学結晶54内を透過するレーザーのスペクトル幅を広
げ、時間的コヒーレンスを低下させる。
【0063】このとき、マイクロ波共振器52の共振に
より、小さい入力パワーで大きな電界を作り出すことが
できる。そして、その電界方向と電気光学結晶54の電
気光学効果が有効に働く方向に電気光学結晶54を配置
しておくと、効率良くレーザー光の位相変調を行うこと
ができる。
【0064】この光位相変調素子40による光スペクト
ルの変化を図3に示す。この図において、(a)は光位
相変調素子40に入力される光の発振スペクトルを示
し、(b)及び(c)は光位相変調素子40によって変
調された光の発振スペクトルを示している。この内、
(b)は変調度が低い場合の発振スペクトルを、(c)
は変調度が深い場合の発振スペクトルを、それぞれ示し
ている。このように、変調度が低い場合には、全体とし
て離散したスペクトル形状(FM,PM変調のスペクト
ルと同等)になり、変調度が深くなると、全体に広がっ
たようなスペクトル形状になる。(高分解能光スペクト
ルメータで測定すると、(c)のスペクトルは離散した
発振スペクトルの集合体として観測される。)
【0065】したがって、この実施例のような粒子分析
装置に限らず、各種のフローサイトメトリーシステムに
おいて、光源と光学的反射体(本実施例ではフローセル
2)の端面との間に光位相変調素子40を配置し、干渉
縞を起こさない程度にまでレーザー光のスペクトル幅を
広げてやれば、鮮明な単色画像を撮影することが可能と
なる。光位相変調素子40の代わりにシングルモードの
光ファイバーを使用しても、コヒーレンスを低下させる
ことができる。
【0066】なお、この実施例においては、Arレーザ
ー発光装置8によりフローセル2中の粒子6から前方散
乱光と蛍光を検出する光学系に対し、パルスレーザー照
射装置34からCCDカメラ46に至る撮像系を直角に
配置している。
【0067】以下、この粒子分析装置の動作について説
明する。まず、Arレーザー発光装置8からフローセル
2中の粒子6にレーザー光が連続的に照射されると、粒
子6からの前方散乱光及び蛍光が、PD・増幅器20及
びPMT・増幅器22により検出される。
【0068】PD・増幅器20とPMT・増幅器22か
ら出された検出信号Ssc,Sflは、蛍光・散乱光信
号処理ユニット24によって処理されて、粒子6の細胞
情報が得られ、その粒子6の画像が必要と判断されれ
ば、蛍光・散乱光信号処理ユニット24からタイミング
コントロール回路26に対して判定信号Sjが出力され
る。
【0069】この判定信号Sjにより、タイミングコン
トロール回路26からパルスレーザー電源28にトリガ
ー信号が送られて、パルスレーザー照射装置34からパ
ルスレーザーが発光され、フローセル2中の粒子6にレ
ーザー光が照射される。
【0070】この場合、蛍光・散乱光信号処理ユニット
24における処理判断時間と、検出系からパルスレーザ
ー照射装置34に至るまでの各電子システムのディレー
時間を含めた時間差が必要であるので、Arレーザーの
照射位置とパルスレーザーの照射位置とは、少なくとも
上記の時間差を取れるだけ距離が離れている。
【0071】上記パルスレーザー電源28へのトリガー
信号と同期して、タイミングコントロール回路26から
PINデバイス30に、ゲートオープンを指示するトリ
ガー信号が送られ、発振器36で常時発生されているマ
イクロ波にパルス変調がかけられ、光位相変調素子40
に供給される。これにより、パルスレーザー照射装置3
4から照射されたパルスレーザー光のスペクトル幅が広
げられて、粒子6に照射される。
【0072】このようにして、光位相変調素子40を使
用することにより、干渉縞・回折光の影響を除去し、フ
ローセル2中の粒子6を撮影することが可能となる。ま
た、前方散乱光と蛍光に基づいて、粒子6の解析を行う
ので、異常細胞を含む特異的な細胞のみを選択的に撮像
し、画像として提供することができる。
【0073】なお、この場合の撮像能力(単位時間当り
の撮像数)は、画像信号処理ユニット32の画像処理の
能力が低い場合には、画像信号処理ユニット32側の能
力による制限を受け、画像信号処理ユニット32の画像
処理の能力が高い場合には、パルスレーザー照射装置3
4によるパルスレーザーの発光可能時間(発光周期)の
制限を受ける。
【0074】CCDカメラ46については、市販品とし
て40500枚/秒の画像撮像能力を持つ製品が売り出
されており、これを本装置に採用した場合には、現在入
手可能なQスイッチパルスレーザーではその高速繰り返
し撮像に対応できないので、次に示す実施例2の方法が
有用視される。
【0075】実施例2 図4はこの発明による粒子分析装置の実施例2の構成を
示すブロック図である。この図において、実施例1と同
じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明を省略す
る。
【0076】この実施例2においては、基本的には実施
例1と同じであるが、先の実施例1と異なるところは、
実施例1では、粒子検出用のArレーザー発光装置8と
粒子撮像用のパルスレーザー照射装置34とを別途に設
けていたのに対し、この実施例2では、粒子検出用と粒
子撮像用とを兼用した、CWレーザーであるArレーザ
ー発光装置8だけを用いている点である。
【0077】また、この実施例においては、検出系に向
かう光とCCDカメラ46に向かう光を分割するハーフ
ミラー62を設け、CCDカメラ46の前に、例えば、
イメージインテンシファイアや液晶スイッチのようなゲ
ート機能を有する光学素子64を配置している。
【0078】したがって、実施例1が、パルスレーザー
の発光周期によって、撮影可能な粒子分析量が決定され
るのに対し、この実施例2では、CCDカメラ46の撮
影動作をゲート機能を有する光学素子64によって電気
的に制御しているので、レーザー光の発光周期とは無関
係に、ゲート機能を有する光学素子64のゲート開閉速
度に応じて、多くの粒子を撮影することができる。
【0079】この実施例においては、以下のような動作
となる。まず、Arレーザー発光装置8からフローセル
2中の粒子6にレーザー光が連続的に照射されると、粒
子6からの前方散乱光及び蛍光が、PD・増幅器20及
びPMT・増幅器22により検出される。この場合、レ
ーザー光は光位相変調素子40を透過するが、パワーア
ンプ38からの入力がないため、光位相変調素子40は
作動していない。
【0080】PD・増幅器20とPMT・増幅器22か
ら出された検出信号Ssc,Sflは、蛍光・散乱光信
号処理ユニット24によって処理されて、粒子6の細胞
情報が得られ、その粒子6の画像が必要と判断されれ
ば、蛍光・散乱光信号処理ユニット24からタイミング
コントロール回路26に対して判定信号Sjが出力され
る。
【0081】この判定信号Sjにより、タイミングコン
トロール回路26からPINデバイス30に、ゲートオ
ープンを指示するトリガー信号が送られ、発振器36で
常時発生されているマイクロ波にパルス変調がかけら
れ、光位相変調素子40に供給される。これにより、A
rレーザー発光装置8から照射されたレーザー光のスペ
クトル幅が広げられて、粒子6に照射される。
【0082】この場合、蛍光・散乱光信号処理ユニット
24における処理判断時間と、検出系からゲート機能を
有する光学素子64に至るまでの各電子システムのディ
レー時間を含めた時間中に、粒子6がCCDカメラ46
の撮像視野内に留まっていることが必要である。
【0083】上記PINデバイス30へのトリガー信号
と同期して、タイミングコントロール回路26からゲー
ト機能を有する光学素子64に、画像撮影に必要な時間
だけゲートオープンのトリガー信号が送られる。
【0084】粒子6に照射された低コヒーレント光は、
ハーフミラー62によって反射されて、ゲート機能を有
する光学素子64に至り、この時には光学素子64のゲ
ートが開いているので、粒子像がCCDカメラ46に撮
像される。
【0085】このようなゲート機能を有する光学素子6
4は、極めて高速のON/OFF制御が可能であるの
で、実施例1と比べて多量の画像を撮像することができ
る。このようにして、CWレーザーであるArレーザー
発光装置8に、前方散乱光及び蛍光の検出と画像撮影用
光源との両方の機能、つまり粒子検出用と粒子撮像用の
両方の機能を持たせて、粒子6の画像を撮像することが
できる。
【0086】実施例3 図5はこの発明による粒子分析装置の実施例3の構成を
示すブロック図である。この図において、実施例1と同
じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明を省略す
る。
【0087】この実施例3においては、基本的には実施
例1と同じであるが、先の実施例1と異なるところは、
光位相変調素子40のかわりに、光ファイバー66と波
面変換素子68を用いている点である。
【0088】この光ファイバー66と波面変換素子68
に、パルスレーザー照射装置34からレーザー光を入射
して、レーザー光の波面変換を行うことにより、光ファ
イバー66と波面変換素子68を透過するレーザー光の
空間伝搬をランダムにし、レーザー光の主として空間的
コヒーレンスを低下させる。
【0089】光ファイバー66と波面変換素子68の詳
細な配置状態を図6に示す。この図に示すように、光フ
ァイバー66と波面変換素子68とは連続的に配置さ
れ、光ファイバー66の前には、入射光を集光するファ
イバーコリメータ70が、波面変換素子68の後ろに
は、レーザー光を平行光束にするための光学レンズ72
が配置されている。
【0090】光ファイバー66としては、図7に示すよ
うな、外径125μm、コア径2〜3μm、長さ1m〜
6mのシングルモード光ファイバーを用いる。例えば、
住友電工の“PM−048”が使用できる。
【0091】波面変換素子68としては、図8に示すよ
うな、長さ10mm以上の、内面を光学研磨したステン
レスシームレスパイプ(例えば、内径1mm)や、図9
に示すような、入射端面A及び出射端面Cと、円周面B
を光学研磨し、さらに円周面Bには光を反射させるため
のアルミ蒸着を施したガラス円柱、あるいは、長さ10
0mmの大口径マルチモード光ファイバー(例えば、住
友電工の“SPC−10”)を用いる。
【0092】この光ファイバー66と波面変換素子68
を用いた場合の光強度分布を図10に示す。この図にお
いて、(a)は図6で示したファイバーコリメータ70
への入射光I1 の強度分布を示し、(b)は図6で示し
た光ファイバー66からの出射光I2 の強度分布を示
し、(c)は図6で示したレーザー光を平行光束にする
ための光学レンズ72からの出射光I3 の強度分布を示
している。
【0093】これらの図に示すように、(a)において
は、入射光I1 の強度分布は、入射レーザー光のビーム
直径l1〜l2に応じた分布となっており、(b)において
は、光ファイバー66からの出射光I2 の強度分布は、
光ファイバー66のコア径l3〜l4に応じた分布となって
いる。ただし、出射角は入射角より広くなっている。そ
して、(c)においては、光学レンズ72からの出射光
3 の強度分布は、波面変換素子68の直径l5〜l6と波
面変換素子68への入射角に応じた分布となっている。
波面変換素子68からの出射角は波面変換素子68への
入射角よりも広くなっている。
【0094】この場合、波面変換素子68の外径につい
ては、レーザー光を集光レンズ42で絞った後、図10
(c)の光強度分布におけるリップルRが光学システム
の分解能以下になるような大きさのものを用いる。すな
わち、図10(c)の光強度分布におけるリップルRの
振幅A0 が撮像系の光強度分解能以下になるようにす
る。または、リップルRの周期T0 が撮像系の2次元分
解能以下になるようにする。要するに、リップルRの影
響が撮像画面に表れないようにする。
【0095】なお、波面変換素子68としてマルチモー
ド光ファイバーを用いる場合には、そのマルチモード光
ファイバーを直線状に固定しておくことにより、2次元
的光強度分布を一層安定させることができる。
【0096】実施例4 図11はこの発明による粒子分析装置の実施例4の構成
を示すブロック図である。この図において、実施例1お
よび実施例3と同じ構成要素には同じ参照番号を付し、
その説明を省略する。
【0097】この実施例4は、実施例1の構成と実施例
3の構成を組み合わせたものであり、実施例1で用いた
光位相変調素子40と、実施例3で用いた光ファイバー
66及び波面変換素子68との両方を組み合わせて用い
ている。
【0098】したがって、まず、光位相変調素子40に
パルスレーザー光を入射して、パルスレーザー光の位相
変調を行い、次に、この光を光ファイバー66と波面変
換素子68に入射して、パルスレーザー光の波面変換を
行う。これにより、光位相変調素子40によって、主と
してレーザー光の時間的コヒーレンスを低下させ、さら
に、光ファイバー66と波面変換素子68によって、主
としてレーザー光の空間的コヒーレンスを低下させる。
【0099】これにより、レーザー光の時間的コヒーレ
ンスと空間的コヒーレンスを同時に低下させることがで
きる。ところで、レーザー光源と光位相変調素子とを用
いる代わりに、光位相変調素子を組み込んだレーザー光
源を使用することも可能である。
【0100】本発明のような低コヒーレント化手段を用
いた粒子分析装置による撮像結果と、本発明のような低
コヒーレント化手段を用いていない粒子分析装置による
撮像結果との比較、という観点から述べれば、特開昭6
3−94156号公報に記載されているような光ファイ
バー、つまり、単にマルチモードの光ファイバーだけを
使用したのでは、照射有効面上に伝搬モードによる輝点
(スペックルパターン:Speckle Pattern )が発生して
しまい、画質を低下させてしまう。
【0101】図12はマルチモードの光ファイバーだけ
を使用した場合の光照射面の光強度分布を示す説明図で
あり、この図に示すように、単にマルチモードの光ファ
イバーだけを使用した場合には、光強度分布にむらが生
じる。また、特開平5−142137号公報に記載され
ているようなスリガラスを使用しても、同様に、有効照
射面上にスペックルパターンが発生してしまう。理由は
以下の通りである。
【0102】スリガラスを作製する場合、研磨砂を吹き
付けて作製するために波長オーダーの微小なすじが形成
されてしまう。このすじによりフレネル回折等を生じ、
光強度の均一な照射面が形成されない。事実、スリガラ
スを使用してCWレーザーによる撮影を行う場合にはス
リガラスを高速回転させて使用することが知られてい
る。しかしながら、この方法は高速で流れている細胞等
を撮像する場合には採用できない。このような点を解決
して、画質を向上させるために、本発明においては、光
位相変調素子40やシングルモードタイプの光ファイバ
ー66を使用している。
【0103】図13および図14は光ファイバーを用い
た本発明の粒子分析装置による撮像結果と光ファイバー
を用いていない粒子分析装置による撮像結果との比較を
示す写真図である。図13は光ファイバー(シングルモ
ード)を用いて上皮細胞を撮像した例、図14は光ファ
イバーを用いずに上皮細胞を撮像した例を示す。図13
では、干渉縞のない高画質の上皮細胞の画像が得られて
おり、光ファイバーを用いていないものよりも明らかに
画質が改善されていることがわかる。
【0104】
【発明の効果】この発明によれば、レーザー光照射手段
から照射されたレーザー光のコヒーレンスを低下させる
低コヒーレント化手段を備えているので、明るく、S/
N比の良い、回折、干渉の無い、高画質の粒子画像を得
ることができる。また、粒子画像を経時的に撮像するこ
とができるので、粒子の凝集過程の観察に好都合であ
る。
【0105】そして、判定手段を有する粒子検出手段を
備えている場合には、粒子を検出した後、その粒子を撮
像するのか否かを判定するので、異常粒子や不明確粒
子、あるいは重要粒子のような特定の粒子のみを選択し
て撮像することができ、その粒子がどの様な粒子である
のかを画像で確認することができる。このようにして撮
像された粒子画像は、粒子分類結果の裏付け用として利
用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】光位相変調素子の概念的な構造を示す説明図で
ある。
【図3】光位相変調素子による光スペクトルの変化を示
す説明図である。
【図4】この発明の実施例2の構成を示すブロック図で
ある。
【図5】この発明の実施例3の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】光ファイバーと波面変換素子の詳細な配置状態
を示す説明図である。
【図7】光ファイバーの形状を示す説明図である。
【図8】波面変換素子の形状を示す説明図である。
【図9】波面変換素子の形状を示す説明図である。
【図10】光ファイバーと波面変換素子を用いた場合の
光強度分布を示す説明図である。
【図11】この発明の実施例4の構成を示すブロック図
である。
【図12】マルチモードの光ファイバーだけを使用した
場合の光照射面の光強度分布を示す説明図である。
【図13】光ファイバーを用いた本発明の粒子分析装置
による撮像結果を示す写真図である。
【図14】光ファイバーを用いていない粒子分析装置に
よる撮像結果を示す写真図である。
【符号の説明】
2 フローセル 4 試料流 6 粒子 8 Arレーザー発光装置 10,42 集光レンズ 12,44 対物レンズ 14 ビームストッパー 16 波長選択フィルタ 18 反射ミラー 20 PD・増幅器 22 PMT・増幅器 24 蛍光・散乱光信号処理ユニット 26 タイミングコントロール回路 28 パルスレーザー電源 30 PINデバイス 32 画像信号処理ユニット 34 パルスレーザー照射装置 36 発振器 38 パワーアンプ 40 光位相変調素子 46 CCDカメラ 52 マイクロ波共振器 54 電気光学結晶 56 マイクロ波 62 ハーフミラー 64 ゲート機能を有する光学素子 66 光ファイバー 68 波面変換素子 70 ファイバーコリメータ 72 光学レンズ A 入射端面 B 円周面 C 出射端面 L レーザー光 S 位相変調されたレーザー光

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料液中に存在する被検粒子を分離状態
    で流動させる光透過性のフローセルを有するフロー手段
    と、 フローセル内を流動する被検粒子にレーザー光を照射す
    るレーザー光照射手段と、 レーザー光のコヒーレンスを低下させる低コヒーレント
    化手段と、 被検粒子からの光を受け、被検粒子の粒子像を撮像する
    撮像手段と、 撮像された被検粒子像の画像処理を行う画像処理手段を
    備えてなる粒子分析装置。
  2. 【請求項2】 低コヒーレント化手段が、光のスペクト
    ル幅を広げる光位相変調素子を含むことを特徴とする請
    求項1記載の粒子分析装置。
  3. 【請求項3】 低コヒーレント化手段が、光の空間伝搬
    をランダムにするシングルモードの光ファイバーを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の粒子分析装置。
  4. 【請求項4】 低コヒーレント化手段が、光の空間伝搬
    をランダムにするシングルモードの光ファイバーおよび
    波面変換素子を含むことを特徴とする請求項1記載の粒
    子分析装置。
  5. 【請求項5】 低コヒーレント化手段が、光のスペクト
    ル幅を広げる光位相変調素子と、光の空間伝搬をランダ
    ムにするシングルモードの光ファイバーおよび波面変換
    素子とを含むことを特徴とする請求項1記載の粒子分析
    装置。
  6. 【請求項6】 低コヒーレント化手段が、光の進行方向
    に対して、光位相変調素子、シングルモードの光ファイ
    バー、波面変換素子の順に配置されてなることを特徴と
    する請求項5記載の粒子分析装置。
  7. 【請求項7】 レーザー光照射手段から照射されるレー
    ザー光が、パルスレーザー光である請求項1記載の粒子
    分析装置。
  8. 【請求項8】 試料液のレーザー光照射手段による照射
    領域よりも上流側における粒子を検出する粒子検出手段
    と、 粒子が検出された後、レーザー光照射手段を制御してパ
    ルスレーザー光を照射させる制御手段を、さらに備えて
    なる請求項7記載の粒子分析装置。
  9. 【請求項9】 レーザー光照射手段から照射されるレー
    ザー光が、連続発振レーザー光であり、撮像手段に入る
    光を制限するゲート手段が、フロー手段と撮像手段との
    間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の粒
    子分析装置。
  10. 【請求項10】 試料液のレーザー光照射手段による照
    射領域中における粒子を検出する粒子検出手段と、 粒子が検出された後、ゲート手段を制御して撮像手段に
    被検粒子の粒子像を撮像させる制御手段を、さらに備え
    てなる請求項9記載の粒子分析装置。
  11. 【請求項11】 粒子検出手段が、検出した粒子を分析
    し、その分析に基づいて粒子を撮像するのか否かの判定
    を行う判定手段を有していることを特徴とする請求項8
    又は10記載の粒子分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020531860A (ja) * 2017-07-24 2020-11-05 テラカリス テラヘルツ波を用いて画像を構成するための多画素センサを備えたイメージング装置

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