JPH0712845U - 空調用消臭器付き吹出し口 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、空調用消臭器付き吹出し口に関
し、簡単な構造で室内の消臭を可能にした空調用消臭器
付き吹出し口を提供することを目的とする。 【構成】 請求項１に係る空調用消臭器付き吹出し口
は、室内の天井や壁に設置され、空気調和装置で処理さ
れた空気を室内に送風する空調用の吹出し口に於て、当
該吹出し口の空気流路に、オゾン発生器を備えたもので
あり、請求項２に係る空調用消臭器付き吹出し口は、オ
ゾン発生器をオゾン発生量制御手段によって制御したも
のである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、室内に籠もる臭気の消臭を図った空調用消臭器付き吹出し口に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

今日、多くの家庭やオフィス，ホテル，病院等の建造物では、住環境を快適な ものとするため、室内の温湿度や空気の清浄度をその室の使用目的に適する状態 に保つ空気調和装置が装備されている。

【０００３】 ところで、人が生活しまた活動するに伴い、呼吸，口臭，汗その他の排泄物に よって臭気が発生し、又、飼育しているペットや喫煙，調理，病院の消毒液や薬 品等によって様々な臭気が発生する。

【０００４】 そして、これらの様々な臭気に対する消臭対策も、室内の住環境を快適に保つ うえで重要な要素である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来、室内の臭気に対して積極的に消臭を図る装置は殆どなく、例 えば芳香スプレーや香り発生装置等によるマスキングが行われているに過ぎない のが実情であった。

【０００６】 本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもので、室内の天井や壁に設置される空 調用の吹出し口に着目し、当該吹出し口に改良を加えて、簡単な構造で室内の消 臭を可能にした空調用消臭器付き吹出し口を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

斯かる目的を達成するため、請求項１に係る空調用消臭器付き吹出し口は、室 内の天井や壁に設置され、空気調和装置で処理された空気を室内に送風する空調 用の吹出し口に於て、当該吹出し口の空気流路に、オゾン発生器を備えたもので ある。

【０００８】 そして、請求項２に係る空調用消臭器付き吹出し口は、オゾン発生器をオゾン 発生量制御手段によって制御したものである。

【０００９】

【作用】

請求項１に係る考案によれば、空気調和装置で処理された空気が吹出し口を介 して室内に吹き出されるに伴い、オゾン発生器で発生したオゾンが室内に吹き出 されて室内の臭気を消臭することとなる。

【００１０】 又、請求項２に係る考案によれば、オゾン発生器によるオゾンの発生量を発生 量制御手段が制御して、室内のオゾン濃度を最適値に維持する。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。 図１に於て、１は天井板３の吹出し口設置孔５に設置された本考案の第一実施 例に係るアネモスタット形の吹出し口、７，９は当該吹出し口１を構成する同心 円のコーンで、吹出し口設置孔５に開口して取り付けられたコーン７の筒状部７ ａには、図２に示すように空気調和装置１１で処理された空気Ａを室内１３に供 給する吹出しダクト１５が接続されており、吹出しダクト１５を介して送風機１ ７から供給された空気Ａは、図１に示すようにコーン７，９の間の空気流路１９ を通って室内１３に吹き出されるようになっている。

【００１２】 そして、コーン７の筒状部７ａ内には、９０°の間隔を開けてその直径方向に 配置した４枚のプレート２１によって、１本の連通管２３がコーン７の中心軸上 に保持されており、当該連通管２３の上部に、コーン７の筒状部７ａに挿着され たＬ字状の空気導入管２５の先端が挿入されている。又、連通管２３内には、そ の空気流路２７を開閉するダンパ２９が軸着されており、当該ダンパ２９は、連 通管２７を貫通する軸３１の一端に設けたハンドル３３によって、その開度が調 節可能になっている。そして、上記連通管２３の下部は、コーン９に設けた連通 管挿入孔３５に挿入されている。

【００１３】 コーン９は、図３に示すように、ステー３７を介してプレート２１に脱着可能 に吊着されている。 即ち、コーン９の外周には、上方に延びる４本のステー３７が９０°の間隔を 開けて取り付けられており、各ステー３７の先端に、夫々、略Ｃ字状に成形され たバネ鋼からなる係止部材３９が外方へ向かって取り付けられている。一方、各 プレート２１には、断面円形状に成形された係止部４１が各ステー３７に対応し て設けられており、図３の二点鎖線で示すように、各係止部４１に上記係止部材 ３９を夫々当接させた後、当該係止部材３９を変形させ乍らコーン９全体を持ち 上げると、図１に示すように係止部材３９が係止部４１に係止して、コーン９が プレート２１に吊着されるようになっている。尚、コーン９をプレート２１から 取り外すには、コーン９全体を下方へ引っ張ればよい。

【００１４】 又、図１中、４３は任意の取付手段（図示せず）を介してコーン９に取り付け られた円盤状のプレートで、当該プレート４３とコーン９の周縁部９ａとの間に は、若干の間隔を開けた空気流路４５が形成されている。そして、当該プレート ４３とコーン９によって形成された空間４７内に、オゾン発生器４９が設置され ている。

【００１５】 このオゾン発生器４９は周知のもので、ランプソケット５１に取り付けられた オゾンランプ５３と、ランプコード５５を介してランプソケット５１に接続され た電子安定器５７とで構成されており、当該オゾン発生器４９は上記プレート４ ３上に固定されている。そして、オゾン発生器４９で発生したオゾンは、コーン ７，９の間の空気流路１９を流れる空気Ａに誘引されて、空気Ａと共に室内１３ に吹き出されるようになっている。

【００１６】 又、天井板３には、室内１３の空気Ａ′を天井裏５９に誘引する空気誘引孔６ １が形成されており、上述した連通管２３内のダンパ操作によって連通管２３の 空気流路２７を開放しておくと、空気流路１９を流れる空気Ａで誘引される空気 Ａ′の循環流路が、天井裏５９，空気導入管２５，連通管２３，空間４７，室内 １３の間に形成されるので、オゾン発生器４９で発生した多くのオゾンが、当該 循環流路を流れる空気Ａ′で誘引され、そして、空気流路１９を流れる空気Ａに 誘引されて室内１３に適量のオゾンが吹き出されるようになっている。

【００１７】 その他、図３中、６２ａはコーン９をプレート２１から取り外す際に手を挿入 する操作用開口部で、当該操作用開口部６２ａには覆いプレート６２ｂがボルト 締めされている。

【００１８】 本実施例に係る吹出し口１はこのように構成されているから、図２に示すよう に、空気調和装置１１で処理された空気Ａは、吹出しダクト１５に案内されてコ ーン７，９の間の空気流路１９を通って室内１３に吹き出される。そして、オゾ ン発生器４９を作動させると、発生した空間４７内のオゾンは、空気流路１９を 流れる空気Ａに誘引されて室内１３に吹き出され、室内１３の臭気と反応して臭 気を消臭することとなる。

【００１９】 又、上述したように連通管２３内のダンパ操作で連通管２３の空気流路２７を 開放しておくと、オゾン発生器４９で発生した多くのオゾンが、循環流路を流れ る空気Ａ′で誘引され、そして更に、空気流路１９を流れる空気Ａで誘引されて 室内１３に吹き出され、室内１３の臭気の消臭を図ることとなる。

【００２０】 尚、循環流路を流れる空気Ａ′の風量は、図３に示すようにコーン９をプレー ト２１から取り外し、そして、ハンドル３３を操作してダンパ２９の開度を調節 すればよく、調節終了後は、コーン９を再びプレート２１に取り付ければよい。

【００２１】 このように、本実施例は、空調用の吹出し口の空気流路にオゾン発生器を設置 し、吹出し口を流れる空気の流速でオゾン発生器から発生したオゾンを誘引させ て室内に吹き出させるようにしたので、本実施例によれば、簡単な構造でホテル やオフィス等の室内，病院の病室や廊下等の臭気の消臭が図れることとなった。

【００２２】 然も、本実施例に係る吹出し口は、新設の設置はもとより、既存の吹出し口と の交換設置が可能であり、又、保守点検も天井面で容易に行うことができるなど の利点を有する。

【００２３】 図４は天井板の吹出し口設置孔に設置された本考案の第二実施例に係るアネモ スタット形の吹出し口を示し、本実施例に係る吹出し口６３は、第一実施例に於 ける連通管２３，空気導入管２５に代えて、コーン９Ａの上部に、吹出しダクト １５側に延びる空気導入管６５をコーン９Ａの中心軸上に一体に設けると共に、 当該空気導入管６５内にダンパ２９を軸着し、当該ダンパ２９の操作で空気導入 管６５の空気流路６７の開閉調節を行うことによって、空間４７へ導入される空 気Ａの風量を調節できるようにしたものである。

【００２４】 尚、その他の構成は上記第一実施例と同様であるので、同一のものには同一符 号を付してそれらの構造説明は省略する。 而して、本実施例に係る吹出し口６３によっても、空気調和装置１１で処理さ れた空気Ａは、図４に示すように吹出しダクト１５に案内されてコーン７，９Ａ の間の空気流路１９を通って室内１３に吹き出されることとなる。そして、オゾ ン発生器４９の作動によって発生したオゾンは、空気流路１９を流れる空気Ａに 誘引されて室内１３に吹き出され、室内１３の臭気と反応して臭気を消臭するこ ととなる。

【００２５】 又、ダンパ操作で空気導入管６５の空気流路６７を開放させておくと、空気調 和装置１１から吹出しダクト１５を介して送られた空気Ａの一部が、空気導入管 ６５を介して空間４７内に積極的に導入されるので、オゾン発生器４９で発生し た多くのオゾンが空間４７を流れる空気Ａで誘引されて室内１３に吹き出される こととなる。尚、空間４７へのダンパ２９による空気Ａの風量調節は、上記第一 実施例と同様に行えばよい。

【００２６】 このように、本実施例も、空調用の吹出し口の空気流路にオゾン発生器を設置 して、吹出し口を流れる空気の流速でオゾン発生器から発生したオゾンを誘引さ せて室内に吹き出させるようにしたので、本実施例によっても、第一実施例の吹 出し口と同様、簡単な構造でホテルやオフィス等の室内，病院の病室や廊下等の 臭気の消臭が図れることとなった。

【００２７】 又、図５に示す吹出し口６９のように、上記第二実施例の構造に加えて、空間 ４７に開口する空気導入管６５の開口部に誘引用ファン７１を設置して、当該誘 引用ファン７１で空気Ａを積極的に空間内４７に誘引するようにしてもよく、斯 かる第三実施例の吹出し口６９によっても、室内１３の臭気の消臭が積極的に図 れる効果を有する。

【００２８】 尚、上記各実施例は、同心円のコーンを用いたアネモスタット形吹出し口に本 考案を適用したが、角形コーンを用いたものに適用してもよいし、又、各実施例 は、ダンパ２９の風量調節操作をハンドル３３による手動操作としたが、アクチ ュエータ等による自動調節方法としてもよい。

【００２９】 更に又、コーンの落下防止のため、例えば図６に示すようにコーン９とプレー ト２１との間に鎖７２を連結してもよい。 図７は壁に取り付けられる所謂ユニバーサル形の長方形の吹出し口に本考案を 適用したもので、又、本実施例は更に、オゾン発生器のオゾン発生量を制御する 発生量制御手段を吹出し口に組み込んだものである。

【００３０】 即ち、図中、７３は室内７５の天井板７７内に設置されたファンコイル用ダク トで、当該ファンコイル用ダクト７３は、室内７５の空気を循環させる循環ダク ト７３ａと、新鮮な外気を流入する流入ダクト７３ｂとを有し、各ダクト７３ａ ，７３ｂ内には、夫々、流量調整用のダンパ８０ａ，８０ｂが設けられている。 そして、循環ダクト７３ａの空気流入口７９は天井板７７に開口し、又、ファン コイル用ダクト７３の空気流出口８１は天井壁板８３に開口している。

【００３１】 そして、ファンコイル用ダクト７３内には、ファン８５とコイル８７を内蔵し たファンコイルユニット８９が装着されており、従来と同様、コイル８７は、ビ ル内に配置された室外ユニット（図示せず）との間を供給パイプ９１と排出パイ プ９３を介して冷温水が循環して、クーリングコイル又はヒーティングコイルに 切り換わるようになっている。そして、上記空気流出口８１に、本実施例に係る 吹出し口９５が装着されている。

【００３２】 図８は吹出し口９５の一部切欠き正面図、図９はその断面図を示し、当該吹出 し口９５は、空気流出口８１の開口部を覆う長方形状の口枠９７と、オゾン発生 器４９を取り付けるオゾン発生器取付枠９９、そして、これらを空気流出口８１ に取付支持する支持枠１０１と、当該支持枠１０１の挿入側端部に配置された複 数枚のシャッタ１０３とで構成されており、口枠９７，オゾン発生器取付枠９９ 内が空気流路１０４となっている。

【００３３】 而して、上記口枠９７には、従来と同様、室内７５内に噴出する空気の風向き を調整する複数の風向き案内羽根１０５，１０７が縦横方向に配置されている。 そして、当該口枠９７の挿入側端部に設けたフランジ１０９にオゾン発生器取付 枠９９の取付ブラケット１１１がボルト締めされており、オゾン発生器取付枠９ ９の底面部には、第一実施例と同一のオゾン発生器４９が取り付けられている。

【００３４】 又、本実施例に係る吹出し口９５は、オゾン発生器４９をＯＮ／ＯＦＦ制御す る制御装置１１３がオゾン発生器取付枠９９の上面部に取り付けられている。 即ち、オゾンは濃厚過ぎると有害であって、環境基準値で０．１ppm と定めら れている。そこで、本実施例は、図７に示すように室内７５のオゾン濃度を検知 するオゾンセンサ１１５と、このオゾンセンサ１１５からの信号を入力してオゾ ン発生器４９をＯＮ／ＯＦＦ制御する制御装置１１３とからなるオゾン発生量制 御手段を装着したもので、オゾンセンサ１１５は室内７５の壁等に設置されてい る。そして、制御装置１１３は、オゾンセンサ１１５で検出した室内７５のオゾ ン濃度が最大値０．１ppm を越えるとオゾン発生器４９を停止し、又、室内７５ のオゾン濃度が０．１ppm 以下に下がると、再びオゾン発生器４９を作動させる オゾン濃度リミッターとして機能するようになっている。

【００３５】 そして、図９に示すように上記オゾン発生器取付枠９９は、支持枠１０１に取 り付けた取付ブラケット１１７に取付ブラケット１１９を介してボルト締めされ ている。そして、吹出し口９５を取り付ける際に、支持枠１０１の挿入側端部に 配置した複数枚のシャッタ１０３の開度調節を予め行うことによって、室内７５ に噴出する空気の風量調節ができるようになっている。その他、図７中、１２１ はスラブである。

【００３６】 本実施例に係る吹出し口９５はこのように構成されているから、ファン８５に よって吸引された外気や室内７５の空気は、ファンコイルユニット８９のコイル ８７で熱交換されて吹出し口９５から室内７５に吹き出され、そして、オゾン発 生器４９で発生したオゾンは、吹出し口９５の空気流路１０４を通過する空気に 誘引されて、コイル８７で熱交換された空気と共に室内７５に吹き出され、室内 ７５の臭気と反応して消臭することとなる。

【００３７】 そして、室内７５のオゾン濃度が最大値０．１ppm を越えると、これを検知し たオゾンセンサ１１５からの信号で制御装置１１３がオゾン発生器４９を停止し 、又、室内７５のオゾン濃度が０．１ppm 以下に下がると、制御装置１１３の指 令で再びオゾン発生器４９が作動して室内７５のオゾン濃度が最適値に維持され ることとなる。

【００３８】 従って、本実施例によっても、上記各実施例と同様、吹出し口９５から吹き出 されたオゾンによって室内７５に籠もった様々な臭気の消臭が図れ、然も、本実 施例によれば、室内７５のオゾン濃度が最適値に維持されるので、上記効果に加 えてオゾンによる結膜刺激や呼吸器への刺激症状を防止できる利点を有する。

【００３９】 そして、本実施例に係る吹出し口９５によっても、新設の設置はもとより、既 存の吹出し口との交換設置が可能である利点を有する。 尚、オゾンセンサ１１５は室内７５の壁等に設置するのみでなく、吹出し口９ ５自身のオゾン発生器４９の下流側に装着してもよく、斯かる構成によっても、 室内７５のオゾン濃度を最大値０．１ppm 以下に維持することが可能である。

【００４０】

【考案の効果】

以上述べたように、請求項１に係る吹出し口によれば、簡単な構造でホテルや オフィス，一般家庭等の室内，病院の病室や廊下等の臭気の消臭が図れ、住環境 を快適に保つことが可能であり、又、請求項２に係る考案によれば、室内のオゾ ン濃度が最大濃度の設定値０．１ppm 以下に維持されるので、上記効果に加えて オゾンによる結膜刺激や呼吸器への刺激症状を防止できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例に係るアネモスタット形吹
出し口の断面図である。

【図２】本考案に係る吹出し口を用いた空気調和設備の
概略図である。

【図３】図１に示す吹出し口の分解断面図である。

【図４】本考案の第二実施例に係るアネモスタット形吹
出し口の断面図である。

【図５】本考案の第三実施例に係るアネモスタット形吹
出し口の断面図である。

【図６】コーンとプレートとの間に落下防止用の鎖を連
結したアネモスタット形吹出し口の断面図である。

【図７】本考案の第四実施例に係るユニバーサル形吹出
し口を用いた空気調和設備の概略図である。

【図８】図７に示す吹出し口の一部切欠き正面図であ
る。

【図９】図７に示す吹出し口の断面図である。

【符号の説明】

１，６３，６９，９５ 吹出し口 ３，７７ 天井板 ７，９，９Ａ コーン １３，７５ 室内 １５ 吹出しダクト １９，４５，１０４ 空気流路 ２３ 連通管 ２５，６５ 空気導入管 ２９ ダンパ ３７ ステー ４３ プレート ４９ オゾン発生器 ７３ ファンコイル用ダクト ８９ ファンコイルユニット １１３ 制御装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 室内の天井や壁に設置され、空気調和装
   置で処理された空気を室内に送風する空調用の吹出し口
   に於て、当該吹出し口の空気流路に、オゾン発生器を備
   えたことを特徴とする空調用消臭器付き吹出し口。
2. 【請求項２】 オゾン発生器は、オゾン発生量制御手段
   によって制御されていることを特徴とする請求項１記載
   の空調用消臭器付き吹出し口。