JPH07125413A - 記録用シートおよびその製造方法 - Google Patents

記録用シートおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH07125413A
JPH07125413A JP6189880A JP18988094A JPH07125413A JP H07125413 A JPH07125413 A JP H07125413A JP 6189880 A JP6189880 A JP 6189880A JP 18988094 A JP18988094 A JP 18988094A JP H07125413 A JPH07125413 A JP H07125413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording sheet
water
ink
fine particles
receiving layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6189880A
Other languages
English (en)
Inventor
Daigo Morizumi
大悟 森住
Mitsuru Tsuchiya
充 土屋
Yasushi Yamada
泰 山田
Toshio Yoshihara
俊夫 吉原
Kiyoshi Oguchi
清 小口
Eiki Arao
栄樹 新尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP6189880A priority Critical patent/JPH07125413A/ja
Publication of JPH07125413A publication Critical patent/JPH07125413A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクの乾燥性および、画像性に優れるとと
もに、インク受容層自体が高い光透過性を有し、特に、
透明性に優れた記録用シートを提供する。 【構成】 基材シートと、該基材シートの少なくとも一
方の面に設けられたインク受容層とを備え、前記インク
受容層は、疎水性マトリックスポリマー中に粒径0.4
μm以下の吸水性ポリマー微粒子が分散されているよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録用シートに係り、主
に水溶性インキを使用するインクジェットプリンターに
よる良好な記録が可能であるインク受容層を備える記録
用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピューターやワードプロセッ
サーの出力プリントとして、ワイアードット記録方式、
感熱発色記録方式、感熱溶融転写記録方式、感熱昇華転
写記録方式、電子写真記録方式、インクジェット記録方
式等の種々の方式が開発されている。この中で、インク
ジェット記録方式は、記録用シートとして普通紙を使用
できること、プリントコストが安いこと、装置がコンパ
クトで騒音がなく、高速記録が可能である等の特徴があ
る。このため、コンピューター等によって作成した文
字、図形等の画像情報を迅速かつ正確にアウトプットす
るプリンターとしての利用が注目されている。また、カ
ラー化が容易で、絵柄が鮮明であることから、コンピュ
ーターで作成した画像情報をインクジェットプリンター
により透明な記録シートに記録し、これをOHP(オー
バーヘッドプロジェクタ)等の原稿として、会議、各種
学会発表等において利用する要求も高まっている。
【0003】通常、インクジェットプリンターは、記録
用インクを微細な圧電素子(ピエゾ素子)の圧力、ある
いはサーマルヘッドに加熱によって発生するエアーの圧
力(バブルジェット)によってノズルから噴出し、記録
用シートに付着させることにより記録を行う。このた
め、インクジェット記録に使用される記録用インクとし
ては、インクの乾燥による粘度上昇に起因するノズルか
らのインク噴出不良を防止するために、乾燥し難いイン
クが用いられている。通常、このインク成分は、染料、
樹脂、添加剤等を水およびアルコールに溶解したものが
一般的である。
【0004】従って、インクジェットプリンターで記録
を行う記録用シートは、付着したインクの水分を吸収
し、インクを乾燥固化させることが要求される。このた
め、樹脂フィルム上にインク受容層を形成してインク吸
収性を高めた記録用シートが使用されている。
【0005】特に、インクジェットプリンター用の記録
用シートのインク受容層には次のような特性が要求され
る。
【0006】インクの吸収性に優れ、にじみ等が発生
しないこと、すなわちインク乾燥性が良いこと画像の
鮮明性に優れること耐擦過性に優れること、即ち、記
録面をこすっても容易にその記録面が剥れ落ちないこと
シートおよび画像に耐水性があり、水分が付着しても
画像ににじみや流れ出しがないこと平滑性、光沢性に
優れることなど。
【0007】このような観点から、従来の記録用シート
は、基材の上にインク受容層を備え、この受容層とし
て、水溶性高分子を用いるもの、これにシリカ等の充填
剤を添加したもの、或は、非水溶性高分子バインダーに
吸水性ゲルを分散して用いるもの等が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水溶性
高分子を塗布して形成したインク受容層では、インク吸
収後に粘着性を示し、記録直後に重ね置きをした場合、
インク乾燥が不十分となり、ブロッキングや画像の乱れ
が生じることが多く、十分な性能を有していると言える
ものではなかった。また、シリカ等の充填剤を添加すれ
ば、インク吸着性が向上し、乾燥性に改善が見られるも
のの、インキ吸着力が強くなり過ぎるため、適度のドッ
トの広がりが得られず、線の細い画線となってしまい要
求される画像が得られないという不都合が生じる。
【0009】また、特開昭58−11284号公報に
は、イオン性吸水性ゲル等の高吸水性樹脂をインク受容
層に用い、インク吸収性と画像性の両方を満たす記録シ
ートの提案がなされている。
【0010】しかしながら、このものに用いられる高吸
水性樹脂は一般的に、粒径が数十μmから数百μmと巨
大であり、例えば、OHPシートに用いた場合には、十
分な光透過性が得られないという問題が生じる。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みて創案さ
れたものであり、その目的は、インクの乾燥性および、
画像性に優れるとともに、インク受容層自体が高い光透
過性を有し、特に、透明性に優れた記録用シート(例え
ば、OHPシート)を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、基材シートと、該基材シートの少
なくとも一方の面に設けられたインク受容層とを備え、
前記インク受容層は、疎水性マトリックスポリマー中
に、粒径0.4μm以下の吸水性ポリマー微粒子が分散
しているように構成した。
【0013】また、本発明は、基材シートと、該基材シ
ートの少なくとも一方の面に設けられたインク受容層と
を備える記録用シートの製造方法であって、前記インク
受容層は、疎水性マトリックスポリマー中に吸水性ポリ
マー微粒子を分散せしめた塗工液を基材シートの上に塗
設することによって形成されており、前記吸水性ポリマ
ー微粒子は、疎水性マトリックスポリマーを含有する溶
液中に溶解したモノマーを重合させることによって形成
するように構成した。
【0014】
【作用】以上のような構成とすることにより、インク受
容層は、疎水性マトリックスポリマー中に吸水性ポリマ
ー微粒子が分散して形成されているので、インク乾燥性
に優れるとともに、画像品質、透明性に極めて優れた特
性を有する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0016】図1は本発明の記録用シートの概略断面図
である。図1において、記録用シート1は基材シート2
と、基材シート2の一方の面に形成されたインク受容層
3とを備えている。
【0017】基材シート2は、記録用シート1がOHP
用シートとして使用される場合には、透明性、耐熱性、
寸法安定性、剛性を備えた熱可塑性プラスチックにより
形成されたものが好ましい。具体的には、ポリエチレン
テレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリ
イミド樹脂等の厚さ5〜250μm程度、好ましくは5
0〜180μm程度のフィルム状あるいは板状のものが
挙げられる。
【0018】これらの基材シート2は、その表面に形成
するインク受容層3との密着力が不十分な場合には、そ
の表面にプライマー処理やコロナ放電処理を施すことが
好ましい。更に、インク受容層3を形成しない基材シー
ト2の裏面にカール防止層を設けてもよい。
【0019】また、記録用シート1の用途がOHP用に
限定されない場合は、基材シートとしてポリスチレン系
等の合成紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコ
ート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂含浸紙、エマルジョ
ン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添
紙、板紙等の着色または白色の各種紙を使用することも
できる。
【0020】上記基材シート2の上に形成されるインク
受容層3は、粒径0.4μm以下、特に、0.001〜
0.3μmの吸水性ポリマー微粒子が分散された疎水性
マトリックスポリマーから構成されている。吸水性ポリ
マー微粒子の粒径を0.4μm以下に制御することによ
って、光透過性および透明性を向上させることができ、
また、この微粒子を疎水性マトリックスポリマー中に分
散させることによって、前述したシートの粘着性および
強度の問題が解決でき、十分な性能を有するシートが得
られる。
【0021】本発明におけるインク受容層3の製造は、
疎水性溶媒に溶解したマトリックスポリマーの溶液中
で、モノマーを重合させるものであり、前述したような
所定の粒径を備える微粒子が分散されたマトリックスポ
リマー溶液を自由に調整できるという特徴を有する。
【0022】さらに、このようにして得られた溶液はそ
のまま塗工液(コーティング液)として使用される。
【0023】マトリックスポリマーの溶液中の溶媒の種
類、マトリックスポリマーの種類、モノマーの種類の様
々な組み合わせで、溶液中に溶解したマトリックスポリ
マーの分子鎖の広がりを変化させることによって自由体
積を変化させる方法の一つとしては、マトリックスポリ
マーを溶解する溶媒として良溶媒と貧溶媒とを用い、良
溶媒と貧溶媒との比を変化させ、マトリックスポリマー
の分子形態を調整し、モノマーが重合し微粒子として析
出する場を変化させる方法がある。また、この方法に限
らず、ポリマーの種類によっても溶解性が異なり、微粒
子の生成する自由体積を変化させることが可能であれ
ば、良溶媒と貧溶媒との混合溶媒ではなく、一種類の溶
媒を用いてもよい。
【0024】また、マトリックスポリマーの分子量、マ
トリックスポリマー容液の濃度を変えることによっても
溶液中での微粒子が生成する自由体積を変化させること
ができる。
【0025】マトリックスポリマーの溶解に使用される
溶媒には、重合するポリマーがモノマーの段階では溶解
し、重合で得られたポリマー微粒子は不溶である溶媒を
用いることが必要である。
【0026】このような製造方法により得られる吸水性
ポリマー微粒子を合成するための重合性単量体として
は、分子内にOH基、COOH基、NH2 基、オキシエ
チレン基等の親水性基を有する化合物で代表され、例え
ば、アクリル酸、アクリル酸のアルカリ金属塩またはア
ンモニウム塩、メタクリル酸、イタコン酸、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリド
ン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニル−2−メトキシエチルエーテル、ビニルスルフォン
酸、ビニルスルフォン酸のアルカリ金属塩等が好適に用
いられる。
【0027】また、疎水性マトリックスポリマーとして
は、従来公知の種々のものが用いられる。例えば、ポリ
メチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ
ブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
スチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルアセタール、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、ポリビニルメチルケトン、ポリメチルイソプ
ロペニルケトン等のポリマー単独あるいはこれらの共重
合体等が挙げられる。
【0028】さらに、吸水性ポリマー微粒子の合成にあ
たり、上述した重合性単量体は単独あるいは二種以上の
混合であってもよい。また、一部を架橋させるために多
官能モノマーを添加することが望ましい。このように、
吸水性ポリマー微粒子を架橋することによって、特に印
字初期のインク吸収速度が向上し、記録用シートの強度
や粘着性も改善される。
【0029】架橋の方法としては、吸水性ポリマー微粒
子を重合する際、多官能モノマーを重合性単量体と共に
一括添加する方法、重合の進行に伴って適宜連続的に添
加する方法、吸水性ポリマー微粒子を重合した後添加す
る方法等が挙げられる。
【0030】ここで用いられる多官能モノマーとして
は、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレング
リコールジメタクリレート等の2官能モノマー、シアヌ
ル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート等の3官能モノマー、テトラアリルオキシエタ
ン、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等の4
官能モノマー等の公知の化合物が用いられる。 上記の
重合性単量体と多官能モノマーとの含有重量比は1/
0.001〜1/0.1、より好ましくは1/0.00
5〜1/0.05である。この値が1/0.001を超
えると多官能モノマーの添加の効果が現れなくなり、ま
た、この値が1/0.1未満になると架橋が密になりす
ぎ、インクの吸収速度や吸水量が著しく現象する。
【0031】吸水性ポリマー微粒子の粒径は、マトリッ
クスポリマーの溶液中で微粒子が生成する自由体積を調
整することによって、所定の粒径を得ることができ、十
分な光透過性、透明性を有するために必要な粒径の吸水
性微粒子ポリマーの製造が可能である。
【0032】このようなマトリックスポリマー溶液に
は、透明性を失わない範囲で無機微粒子を混合すること
もできる。無機微粒子を混合することによってインクの
滲み現象が防止され、記録用シートの粘着性を改善する
ことができる。また、無機微粒子を吸水性ポリマー微粒
子の表面に吸着させることによって、微粒子同士の融着
によるままこ現象を防止することができる。
【0033】このような無機微粒子としては、シリカ、
クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワ
イト、タルク、ベントナイト、酸化チタン等が挙げられ
る。
【0034】無機微粒子の混合方法としては、疎水性ポ
リマー微粒子の合成前に添加する方法と、疎水性ポリマ
ー微粒子の合成後に添加する方法があり、適宜選択する
ことができる。
【0035】このようにして得られた溶液は、ポリマー
微粒子がマトリックスポリマー溶液に分散された状態で
あるため、なんら後処理を施すことなく、そのまま塗工
液(コーティング液)として基材シートに塗布すること
ができ、溶媒を除去することによって塗膜が形成され、
本発明の記録用シートを得ることができる。
【0036】なお、前記疎水性マトリックスポリマーと
前記吸水性ポリマー微粒子との含有重量比は、1/50
〜10/1、より好ましくは1/40〜8/1である。
この値が、10/1を超えると、インク受容層の吸収能
力の吸収能力が低下し、画像の滲みや乱れが現れるのと
共に、乾燥性が悪化するという不都合が生じ、また、こ
の値が1/50未満となると、インク受容層の粘着性が
増大し、指紋後が容易に付着するとともに、重ね置きに
よりシート同士が粘着するという不都合が生じる。
【0037】溶液を塗布する方法は、従来公知の種々の
方法でよく、例えば、グラビアコート、グラビアリバー
スコート、ロールコート、マイヤーバーコート、ブレー
ドコート、ナイフコート、エアーナイフコート、コンマ
コート、スロットダイコート、スライドダイコート、デ
ィップコート等いずれの方法でもよい。これらの方法を
用いて基材シートに塗布する厚みは、乾燥時で、1〜5
0μm、好ましくは3〜30μmとするのが良い。この
値が1μm未満になると、インク吸収量が十分でなく、
この一方で、50μmを越えると、単に経済的デメリッ
トが増えるのみで好ましくない。
【0038】このように形成された吸水性ポリマー微粒
子が分散された塗膜に、電離放射線を照射し、吸水性ポ
リマーあるいはその組成物を架橋し、吸水性ゲルとする
ことによっても、本発明の記録用シートを得ることがで
きる。電離放射線には、放射性核種から放出されるα
線、β線およびγ線、加速機から発生する高エネルギー
粒子、また非荷電粒子の中性子や光子、その他核分裂生
成物などが含まれる。もちろん紫外線、電子線等も含ま
れるが、紫外線を用いる場合には、適当な光開始剤、増
感剤等を添加することが好ましい。このように電離放射
線を塗膜に照射することによって、印字時のインク乾燥
性をより向上させることができる。
【0039】本発明の記録用シート1は、図2に示され
るように、上述のようにして形成されたインク受容層3
上に、インク透過性を有する親水性樹脂からなるインク
透過層4を有するものであってもよい。このようなイン
ク透過層4を設けることにより、記録用シートの乾燥性
をさらに改善することができる。
【0040】ここで用いられる親水性樹脂とは、少なく
とも常温では水に不溶であるがインクに対して透過性を
有する樹脂である。このような樹脂としては、例えば、
ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルフェニルアセタール等のポリビニルアセタール系樹
脂、ポリビニルイソブチルエーテル等のポリアルキルビ
ニルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれ
らのエステル類等から合成される親水性アクリル樹脂、
水性ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0041】また、このようなインク受容層が形成され
る面とは反対面(裏面)の基材シート上には、帯電防止
層、カール防止層等を設けてもよい。
【0042】次に、本発明の具体的実施例を挙げて本発
明を更に詳細に説明する。 (実施例1)疎水性マトリックスポリマーとして、ポリ
ビニルブチラール(BL−1、三菱レーヨン(株)製)
12gを、良溶媒であるメチルエチルケトン120gに
溶解させた。次に、この溶液に、アクリル酸20g、開
始剤としてα,α’−アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)0.5gを加えた後、窒素気流下60℃で8時
間ラジカル重合反応を行ったところ、ポリアクリル酸微
粒子が分散された、ポリビニルブチラール溶液が得られ
た。
【0043】得られたポリアクリル酸微粒子を走査型電
子顕微鏡にて観察したところ、粒径0.1μmの均一粒
径が得られた。この溶液をそのまま塗工液(コーティン
グ液)として用い、厚さ100μmのポリエチレンテレ
フタレート製のシート基材(ルミラーQ80D、東レ
(株)製)の上に、マイヤーバーを用いて、乾燥厚みが
約20μmとなるように塗布し、60℃、30分間乾燥
させて実施例1の記録用シートを作製した。 (実施例2)ポリビニルブチラールとアクリル酸の重量
組成比を3/4に変え、さらに、ポリアクリル酸微粒子
の粒径が0.1μmである塗工液(コーティング液)を
用いた他は、上記の実施例1の場合と同様にして記録用
シートを作製した。 (実施例3)実施例1の重合に際し、多官能モノマーと
してメチレンビスアクリルアミド0.2gを添加し、6
0℃で8時間ラジカル重合を行った。この溶液を実施例
1の場合と同様にして記録用シートを作製した。 (実施例4)実施例1の重合終了後、多官能モノマーと
してエチレングリコールジグリシジルエーテル0.2g
を添加し、さらに60℃で2時間熱架橋反応を行った。
この溶液を実施例1の場合と同様にして記録用シートを
作製した。 (実施例5)実施例1の重合終了後、無機微粒子として
シリカ(宇部日東化成(株)製 ハイプレシカ、平均粒
径=0.1μm)0.2gを添加し、この溶液を実施例
1の場合と同様にして記録用シートを作製した。 (実施例6)実施例1により得られた記録用シートの上
に、アセタール化度8mol%のポリビニルアセタール
(積水化学工業(株)製 エスレックKX−1)を、乾
燥後の塗膜厚が約1μmとなるようワイヤーバーにより
塗布し、80℃、10分間の条件で乾燥してインク受容
層を形成し、記録用シートを得た。 (実施例7)ポリビニルブチラールとアクリル酸の重量
組成比を、1/20に変え、さらにポリアクリル酸微粒
子の粒径が0.2μmであるコーティング液を用いた以
外は、上記実施例1の場合と同様にして記録用シートを
作製した。 (実施例8)ポリビニルブチラールとアクリル酸の重量
組成比を、5/1に変え、さらにポリアクリル酸微粒子
の粒径が0.002μmであるコーティング液を用いた
以外は、上記実施例1の場合と同様にして記録用シート
を作製した。 (実施例9)ポリビニルブチラールとアクリル酸の重量
組成比を、1/40に変え、さらにポリアクリル酸微粒
子の粒径が0.3μmであるコーティング液を用いた以
外は、上記実施例1の場合と同様にして記録用シートを
作製した。 (実施例10)実施例1によって得られたシートを、電
子線照射装置(キュアトロン、日新ハイボルテージ
(株)社製)を用いて、加速電圧180KV、20Mr
adの電子線を塗膜に照射、架橋させることによって記
録用シートを作製した。 (実施例11)実施例2によって得られたシートを、電
子線照射装置(キュアトロン、日新ハイボルテージ
(株)社製)を用いて、加速電圧180KV、20Mr
adの電子線を塗膜に照射、架橋させることによって記
録用シートを作製した。 (実施例12)実施例7によって得られたシートを、電
子線照射装置(キュアトロン、日新ハイボルテージ
(株)社製)を用いて、加速電圧180KV、20Mr
adの電子線を塗膜に照射、架橋させることによって記
録用シートを作製した。 (実施例13)実施例1で用いたメチルエチルケトンを
メチルエチルケトンとn−ヘキサンの重量比5:1混合
溶媒に変えた以外は、実施例1と同様の条件で重合を行
ったところ、粒径0.3μmのポリアクリル酸微粒子が
分散されたポリビニルブチラール溶液が得られた。この
溶液を実施例1と同様に塗布し記録用シートを作製し
た。 (比較例1)疎水性マトリックスポリマーとして、ポリ
メチルメタクリレート(分子量10万〜15万、和光純
薬工業(株)製)5gを、メチルエチルケトン220g
に溶解させた。次に、この溶液に、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート30g、開始剤としてα,α’−アゾ
ビスイソブチロニトリル(AIBN)0.8gを加えた
後、上記実施例1と同様にラジカル重合反応を行ったと
ころ、粒径1μmのポリ2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート微粒子が分散されたポリメチルメタクリレート溶
液が得られた。
【0044】この溶液を前記実施例1と同様の塗布を行
い、比較例1の記録用シートを作製した。
【0045】上記のようにして作製した実施例および比
較例の記録用シートについて、乾燥性、画像品質および
透明性を下記の条件で評価した。
【0046】結果を下記表1に示す。 (乾燥性)デスクライターC(ヒューレッド パッカー
社製)によりテストパターンを印字し、その直後に印字
面を触診する官能試験を行った。
【0047】評価基準:◎…印字後すでに完全に乾燥 ○…ある程度完全に乾燥 ×…完全に乾燥するまで3分以上を要する (画像品質)デスクライターC(ヒューレッド パッカ
ー社製)によりテストパターンを印字し、目視で評価し
た。
【0048】評価基準:◎…インクの滲み、流れがな
く、適度なドットの広がりがある ○…適度の大きさのドットが得られるが、ややインクの
滲みがある ×…インクの滲みが著しい (透明性)目視にて、実用に供する透明性が得られてい
るか、否かによって判断した
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】表1の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明の記録用シートは、基材シート
と、該基材シートの少なくとも一方の面に設けられたイ
ンク受容層とを備え、前記インク受容層は、疎水性マト
リックスポリマー中に、粒径0.5μm以下の吸水性ポ
リマー微粒子が分散されているので、インクの乾燥性お
よび、画像性に優れるとともに、インク受容層自体が高
い光透過性を有するという効果を奏する。また、本発明
の記録用シートの製造方法によれば、インク受容層に含
有される吸水性ポリマー微粒子は、疎水性マトリックス
ポリマーを含有する溶液中に溶解したモノマーを重合さ
せることによって形成するようにしているので、任意の
粒径のものが容易かつ極めて均一に製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録用シートの一実施例を示す概略断
面図である。
【図2】本発明の記録用シートの他の実施例を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1…記録用シート 2…基材シート 3…インク受容層 4…インク透過層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】 また、マトリックスポリマーの分子量、
マトリックスポリマー溶液の濃度を変えることによって
も溶液中での微粒子が生成する自由体積を変化させるこ
とができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 ここで用いられる多官能モノマーとして
は、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレング
リコールジメタクリレート等の2官能モノマー、シアヌ
ル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート等の3官能モノマー、テトラアリルオキシエタ
ン、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等の4
官能モノマー等の公知の化合物が用いられる。上記の重
合性単量体と多官能モノマーとの含有重量比は1/0.
001〜1/0.1、より好ましくは1/0.005〜
1/0.05である。この値が1/0.001を超える
と多官能モノマーの添加の効果が現れなくなり、また、
この値が1/0.1未満になると架橋が密になりすぎ、
インクの吸収速度や吸水量が著しく減少する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】 無機微粒子の混合方法としては、吸水性
ポリマー微粒子の合成前に添加する方法と、吸水性ポリ
マー微粒子の合成後に添加する方法があり、適宜選択す
ることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】 なお、前記疎水性マトリックスポリマー
と前記吸水性ポリマー微粒子との含有重量比は、1/5
0〜10/1、より好ましくは1/40〜8/1であ
る。この値が、10/1を超えると、インク受容層の吸
収能力が低下し、画像の滲みや乱れが現れるのと共に、
乾燥性が悪化するという不都合が生じ、また、この値が
1/50未満となると、インク受容層の粘着性が増大
し、指紋等が容易に付着するとともに、重ね置きにより
記録シート同士が粘着するという不都合が生じる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】 次に、本発明の具体的実施例を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。 (実施例1)疎水性マトリックスポリマーとして、ポリ
ビニルブチラール(BL−1、積水化学工業(株)製)
12gを、良溶媒であるメチルエチルケトン120gに
溶解させた。次に、この溶液に、アクリル酸20g、開
始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)0.5gを加えた後、窒素気流下60℃で8時
間ラジカル重合反応を行ったところ、ポリアクリル酸微
粒子が分散されたポリビニルブチラール溶液が得られ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉原 俊夫 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 小口 清 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 新尾 栄樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートと、該基材シートの少なくと
    も一方の面に設けられたインク受容層とを備え、 前記インク受容層は、疎水性マトリックスポリマー中
    に、粒径0.4μm以下の吸水性ポリマー微粒子が分散
    されていることを特徴とする記録用シート。
  2. 【請求項2】 前記疎水性マトリックスポリマーと前記
    吸水性ポリマー微粒子との重量比は、1/50〜10/
    1であることを特徴とする請求項1に記載の記録用シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層は、電離放射線照射に
    より架橋されているいることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の記録用シート。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層の上に、親水性樹脂か
    らなるインク透過層が設けられていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の記録用シー
    ト。
  5. 【請求項5】 基材シートと、該基材シートの少なくと
    も一方の面に設けられたインク受容層とを備える記録用
    シートの製造方法であって、 前記インク受容層は、疎水性マトリックスポリマー中に
    吸水性ポリマー微粒子を分散せしめた塗工液を基材シー
    トの上に塗設することによって形成されており、 前記吸水性ポリマー微粒子は、疎水性マトリックスポリ
    マーを含有する溶液中に溶解したモノマーを重合させる
    ことによって形成されることを特徴とする記録用シート
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記吸水性ポリマー微粒子の重合形成す
    る際、架橋剤を添加することによって前記吸水性ポリマ
    ー微粒子を架橋させることを特徴とする請求項5に記載
    の記録用シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記吸水性ポリマー微粒子の重合形成す
    る際の重合性単量体と架橋剤との重合比は、1/0.0
    01〜1/0.1であることを特徴とする請求項6に記
    載の記録用シートの製造方法。
JP6189880A 1993-08-24 1994-07-20 記録用シートおよびその製造方法 Pending JPH07125413A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6189880A JPH07125413A (ja) 1993-08-24 1994-07-20 記録用シートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-229650 1993-08-24
JP22965093 1993-08-24
JP6189880A JPH07125413A (ja) 1993-08-24 1994-07-20 記録用シートおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07125413A true JPH07125413A (ja) 1995-05-16

Family

ID=26505737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6189880A Pending JPH07125413A (ja) 1993-08-24 1994-07-20 記録用シートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07125413A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018225249A1 (ja) * 2017-06-09 2018-12-13 花王株式会社 表面処理用組成物
CN114824021A (zh) * 2021-01-19 2022-07-29 东莞市中麒光电技术有限公司 一种小间距显示模块及其制作方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018225249A1 (ja) * 2017-06-09 2018-12-13 花王株式会社 表面処理用組成物
CN114824021A (zh) * 2021-01-19 2022-07-29 东莞市中麒光电技术有限公司 一种小间距显示模块及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09323477A (ja) 記録媒体、インクジェット記録方法、印字物及び画像形成方法
JP2004276323A (ja) インクジェットインク受容層を有するカード
JPH07125413A (ja) 記録用シートおよびその製造方法
JP3040241B2 (ja) エマルション組成物
JP4646279B2 (ja) 紫外線硬化性インキおよび画像形成用材料
US20080299324A1 (en) Modified printable surfaces
JPH0761114A (ja) 記録用シート
JPH0796655A (ja) 記録用シート
JP3277365B2 (ja) 放射線硬化性インキ及びこれを用いた印刷物
JPH08118793A (ja) 記録用シートおよびその製造方法
JPH08118789A (ja) 記録用シートおよびその製造方法
JP3382158B2 (ja) 放射線硬化型受理性インキ及びこれを用いた印刷物
JP3094699B2 (ja) インクジェット記録用シートの製造方法
JPH11148030A (ja) アルミナ水和物塗工液、記録シートおよび記録物
JPH0781211A (ja) 記録用シート
JPH08150774A (ja) 記録用シートおよびその製造方法
JPH11116875A (ja) 電離性放射線硬化性インキ及びこれを用いた印刷物
JPH08318671A (ja) 記録用シートおよびその製造方法
JP2007038508A (ja) インクジェット記録材料およびディスプレー材料
JP2004223762A (ja) インクジェットインク受容層形成用インクおよびそれを用いたシート
JPH08156395A (ja) 記録用シートおよびその製造方法
JP2012000934A (ja) 活性光線硬化型インクジェット記録用メディアおよび記録方法
JPH0740646A (ja) インクジェット記録用シート
JP4050428B2 (ja) 放射線硬化型インキ及びこれを用いた印刷物
JP2000211236A (ja) 記録用シ―ト