JPH0712302Y2 - プラスチック製密閉容器の蓋のシール構造 - Google Patents
プラスチック製密閉容器の蓋のシール構造Info
- Publication number
- JPH0712302Y2 JPH0712302Y2 JP1987188690U JP18869087U JPH0712302Y2 JP H0712302 Y2 JPH0712302 Y2 JP H0712302Y2 JP 1987188690 U JP1987188690 U JP 1987188690U JP 18869087 U JP18869087 U JP 18869087U JP H0712302 Y2 JPH0712302 Y2 JP H0712302Y2
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- Japan
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- flange
- packing
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Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、プラスチック製密閉容器の蓋を密閉シールす
る構造に係り、一般にペール缶と称される容器に利用で
きるものである。
る構造に係り、一般にペール缶と称される容器に利用で
きるものである。
従来、蓋が着脱自在となった金属製容器においては、蓋
をした後の容器の気密圧力は0.1kg/cm2程度であり、十
分でなかった。ここで気密圧力とは、容器を水に沈め、
容器の内圧を徐々に増加させたときに空気が漏れ始める
ときの圧力である。
をした後の容器の気密圧力は0.1kg/cm2程度であり、十
分でなかった。ここで気密圧力とは、容器を水に沈め、
容器の内圧を徐々に増加させたときに空気が漏れ始める
ときの圧力である。
ところで、プラスチック製ペール缶は金属製のものに比
べて軽量であることや落下時の強度が大きい等の利点を
有するため、プラスチック製ペール缶も使用されてい
る。このような密閉容器の従来技術として、例えば実開
昭59−175044が知られている。
べて軽量であることや落下時の強度が大きい等の利点を
有するため、プラスチック製ペール缶も使用されてい
る。このような密閉容器の従来技術として、例えば実開
昭59−175044が知られている。
このような密閉容器では、容器本体の上端開口縁に外側
下向きに湾曲した湾曲部が設けられ、一方、蓋の外周部
には下向きに突出する内側フランジと外側フランジとが
同心円状に設けられている。外側フランジの内面には楔
状爪部が形成されており、内側フランジと外側フランジ
との間に前記湾曲部を嵌合して蓋を容器本体に被せるこ
とにより、湾曲部の下端が楔状爪部に係止して蓋は容器
本体に取り外し不能に被冠されるとともに、内側フラン
ジと外側フランジとの間の空間に嵌入しておいたパッキ
ンが蓋の裏面と湾曲部とで圧縮変形され、これにより蓋
が容器本体に対し密閉シールされるようになっている。
下向きに湾曲した湾曲部が設けられ、一方、蓋の外周部
には下向きに突出する内側フランジと外側フランジとが
同心円状に設けられている。外側フランジの内面には楔
状爪部が形成されており、内側フランジと外側フランジ
との間に前記湾曲部を嵌合して蓋を容器本体に被せるこ
とにより、湾曲部の下端が楔状爪部に係止して蓋は容器
本体に取り外し不能に被冠されるとともに、内側フラン
ジと外側フランジとの間の空間に嵌入しておいたパッキ
ンが蓋の裏面と湾曲部とで圧縮変形され、これにより蓋
が容器本体に対し密閉シールされるようになっている。
このような従来のプラスチック製密閉容器においては、
前記パッキンとして断面円形の中空ゴムパッキンや中実
ゴムパッキンが使用され、いずれのものもパッキン圧縮
比が小さく、気密性が低く、0.2kg/cm2位の高圧の気密
圧力に達していなかった。中空ゴムパッキンによると圧
縮時における反発力が小さいためであり、また中実ゴム
パッキンによると大きな圧縮変形量を取ることができ
ず、蓋閉じできてもパッキンの圧縮変形量は小さいもの
となり、蓋閉めしたときに容器本体の内部とともに空気
圧力が大きくなる内側フランジと外側フランジとの間の
空間に拡張に中実ゴムパッキンが追従できないためであ
る。
前記パッキンとして断面円形の中空ゴムパッキンや中実
ゴムパッキンが使用され、いずれのものもパッキン圧縮
比が小さく、気密性が低く、0.2kg/cm2位の高圧の気密
圧力に達していなかった。中空ゴムパッキンによると圧
縮時における反発力が小さいためであり、また中実ゴム
パッキンによると大きな圧縮変形量を取ることができ
ず、蓋閉じできてもパッキンの圧縮変形量は小さいもの
となり、蓋閉めしたときに容器本体の内部とともに空気
圧力が大きくなる内側フランジと外側フランジとの間の
空間に拡張に中実ゴムパッキンが追従できないためであ
る。
本考案の目的は、従来に比べ気密性を高めることがで
き、高圧の気密圧力を得られるようになるプラスチック
製密閉容器の蓋のシール構造を提供するところにある。
き、高圧の気密圧力を得られるようになるプラスチック
製密閉容器の蓋のシール構造を提供するところにある。
このため本考案においては、容器本体の上端開口縁に外
側下向きに湾曲した湾曲部を設け、前記容器本体に被せ
る蓋の外周部に下向きに突出する内側フランジと外側フ
ランジとを設け、この外側フランジの内面に楔状爪部を
形成し、前記内側フランジと外側フランジとの間に前記
湾曲部を嵌合して前記蓋を前記容器本体に被せることに
より前記湾曲部の下端を前記楔状爪部に係止するととも
に、前記内側フランジと外側フランジとの間の空間に嵌
入したパッキンを前記蓋の裏面と前記湾曲部とで圧縮変
形させて蓋を密閉シールするプラスチック製密閉容器の
蓋のシール構造において、蓋閉め終了時における前記パ
ッキンの圧縮比をA/Bとしたとき、1.9≦A/B<4.0とし、
かつこのパッキンの材質を発泡させた弾性体としたこと
を特徴とする。
側下向きに湾曲した湾曲部を設け、前記容器本体に被せ
る蓋の外周部に下向きに突出する内側フランジと外側フ
ランジとを設け、この外側フランジの内面に楔状爪部を
形成し、前記内側フランジと外側フランジとの間に前記
湾曲部を嵌合して前記蓋を前記容器本体に被せることに
より前記湾曲部の下端を前記楔状爪部に係止するととも
に、前記内側フランジと外側フランジとの間の空間に嵌
入したパッキンを前記蓋の裏面と前記湾曲部とで圧縮変
形させて蓋を密閉シールするプラスチック製密閉容器の
蓋のシール構造において、蓋閉め終了時における前記パ
ッキンの圧縮比をA/Bとしたとき、1.9≦A/B<4.0とし、
かつこのパッキンの材質を発泡させた弾性体としたこと
を特徴とする。
また、本考案では、前記内側フランジの上端内周部に前
記蓋の天板の外周端を接続し、この接続部から内周側下
向きに形成された前記天板と前記内側フランジとの間に
リブを設けている。
記蓋の天板の外周端を接続し、この接続部から内周側下
向きに形成された前記天板と前記内側フランジとの間に
リブを設けている。
以上のようにパッキンを発泡弾性体とすると、パッキン
は多孔質であるため、1.9≦A/B<4.0という大きな圧縮
比で圧縮変形させることができるようになり、このため
パッキンによる密閉シール効果は向上し、高圧の気密圧
力を得られる。
は多孔質であるため、1.9≦A/B<4.0という大きな圧縮
比で圧縮変形させることができるようになり、このため
パッキンによる密閉シール効果は向上し、高圧の気密圧
力を得られる。
ここで、圧縮比を1.9未満とすると、気密圧力の向上は
それ程望めず、また、圧縮比を4.0以上とすると、蓋が
閉まらなくなる。
それ程望めず、また、圧縮比を4.0以上とすると、蓋が
閉まらなくなる。
また、本考案では、天板と内側フランジとの間に設けら
れたリブにより内側フランジの周辺は断面箱型形状にな
り、この部分の強度が大きくなる。このため、蓋閉め終
了時において、容器本体の上端開口部に対する内側フラ
ンジの圧接強度は充分に大きくなり、衝撃力等が蓋や容
器本体に作用しても蓋と容器本体との大きな結合強度を
得られる。
れたリブにより内側フランジの周辺は断面箱型形状にな
り、この部分の強度が大きくなる。このため、蓋閉め終
了時において、容器本体の上端開口部に対する内側フラ
ンジの圧接強度は充分に大きくなり、衝撃力等が蓋や容
器本体に作用しても蓋と容器本体との大きな結合強度を
得られる。
第1図は本考案の実施例に係る容量が20lのペール缶を
示し、このペール缶は容器本体1と蓋2とが共にポリエ
チレン等で成形されたプラスチック製である。
示し、このペール缶は容器本体1と蓋2とが共にポリエ
チレン等で成形されたプラスチック製である。
容器本体1の形状は下方に延びるに従って直径が僅かづ
つ減少する逆截頭円錐形であり、その上部外周面には補
強用の小径リング状リブ3,4と大径リング状リブ5とが
形成され、また把手ハンドル6の端部を係合する隆起部
7も設けられている。容器本体1の上端開口縁は外側下
向きに湾曲され、従ってこの上端開口縁は湾曲部8とな
っている。
つ減少する逆截頭円錐形であり、その上部外周面には補
強用の小径リング状リブ3,4と大径リング状リブ5とが
形成され、また把手ハンドル6の端部を係合する隆起部
7も設けられている。容器本体1の上端開口縁は外側下
向きに湾曲され、従ってこの上端開口縁は湾曲部8とな
っている。
蓋2の天板9には2段の段部10,11が設けられ、上段の
段部11における直径は容器本体1の下端の直径と等しく
設定され、これにより蓋2を容器本体1に被せた後、複
数のペール缶を上下に積み重ねできるようになってい
る。また、天板9にはペール缶の収納物を小出しすると
きに使用する筒部12が設けられ、この筒部12の底部は底
板13で塞がれ、底板13は薄肉部14を介して天板9と結合
されている。筒部12には、通常時、図示しないキャップ
が被せられている。
段部11における直径は容器本体1の下端の直径と等しく
設定され、これにより蓋2を容器本体1に被せた後、複
数のペール缶を上下に積み重ねできるようになってい
る。また、天板9にはペール缶の収納物を小出しすると
きに使用する筒部12が設けられ、この筒部12の底部は底
板13で塞がれ、底板13は薄肉部14を介して天板9と結合
されている。筒部12には、通常時、図示しないキャップ
が被せられている。
天板9の外側、すなわち蓋2の外周部には下向きに突出
する内側フランジ15と外側フランジ16とが同心円状に設
けられ、この内側フランジ15の外径は容器本体1の上端
開口部の内径よりも大きく、蓋2を容器本体1に被せた
とき、内側フランジ15が容器本体1の上端開口部に圧入
されるようになっている。内側フランジ15と外側フラン
ジ16の具体的形状は第2図、第3図で示され、外側フラ
ンジ16の内面には上方に延びるに従い内方へ次第に突出
する楔状の爪部17が形成され、この爪部17の下部と内側
フランジ15との間の水平方向間隔は容器本体1の前記湾
曲部8の水平方向幅寸法よりも大きいが、爪部17の上端
と内側フランジ15との間の水平方向間隔は湾曲部8の水
平方向幅寸法よりも小さくなっている。以上の形状を有
する爪部17は外側フランジ16の全周に亘って設けられて
いる。
する内側フランジ15と外側フランジ16とが同心円状に設
けられ、この内側フランジ15の外径は容器本体1の上端
開口部の内径よりも大きく、蓋2を容器本体1に被せた
とき、内側フランジ15が容器本体1の上端開口部に圧入
されるようになっている。内側フランジ15と外側フラン
ジ16の具体的形状は第2図、第3図で示され、外側フラ
ンジ16の内面には上方に延びるに従い内方へ次第に突出
する楔状の爪部17が形成され、この爪部17の下部と内側
フランジ15との間の水平方向間隔は容器本体1の前記湾
曲部8の水平方向幅寸法よりも大きいが、爪部17の上端
と内側フランジ15との間の水平方向間隔は湾曲部8の水
平方向幅寸法よりも小さくなっている。以上の形状を有
する爪部17は外側フランジ16の全周に亘って設けられて
いる。
内側フランジ15の外面には円周方向等間隔で複数個、例
えば8個の溝18が設けられ、上下方向に延びるこの溝18
は内側フランジ15の下端まで達している。これらの溝15
と対応する位置の外側フランジ16の外面上部には窪み19
が設けられ、また前記楔状爪部17には窪み19と同じ円周
方向の位置に凹部20が設けられている。従って、この部
分における外側フランジ16の肉厚は薄肉化されている。
えば8個の溝18が設けられ、上下方向に延びるこの溝18
は内側フランジ15の下端まで達している。これらの溝15
と対応する位置の外側フランジ16の外面上部には窪み19
が設けられ、また前記楔状爪部17には窪み19と同じ円周
方向の位置に凹部20が設けられている。従って、この部
分における外側フランジ16の肉厚は薄肉化されている。
内側フランジ15と前記天板9の裏面との間には小片板状
のリブ21が設けられ、このリブ21は内側フランジ15の全
周に亘って等間隔で多数設けられている。このため内側
フランジ15、天板9の前記2段の段部10,11、リブ21に
より、内側フランジ15の周辺は断面箱型形状に形成さ
れ、この部分の強度が大きくなっている。
のリブ21が設けられ、このリブ21は内側フランジ15の全
周に亘って等間隔で多数設けられている。このため内側
フランジ15、天板9の前記2段の段部10,11、リブ21に
より、内側フランジ15の周辺は断面箱型形状に形成さ
れ、この部分の強度が大きくなっている。
これを一層具体的に説明すると、段部11は、内側フラン
ジ15の上端内周部と天板9の外周端との接続部になって
おり、この接続部から段部10まで天板9は内周側下向き
に形成され、このような内側フランジ15と天板9との間
にリブ21が設けられているため、内側フランジ15の周辺
は強度が大きい断面箱型形状になっている。
ジ15の上端内周部と天板9の外周端との接続部になって
おり、この接続部から段部10まで天板9は内周側下向き
に形成され、このような内側フランジ15と天板9との間
にリブ21が設けられているため、内側フランジ15の周辺
は強度が大きい断面箱型形状になっている。
内側フランジ15と外側フランジ16との間は上方が蓋2の
裏面2Aで閉じられて下方のみが開口した空間22となって
おり、この空間22にパッキン23が嵌入される。このパッ
キン23は断面円形であって蓋2の全周に亘って連続して
いるリング状となっている。パッキン23はゴム状弾性体
を2〜100倍程度に発泡させたものとなっており、この
ゴム状弾性体としては、ニトリルゴム(NBR)、スチレ
ン・ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、フッ
ソゴム(FPR)、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、
天然ゴム等が使用される。
裏面2Aで閉じられて下方のみが開口した空間22となって
おり、この空間22にパッキン23が嵌入される。このパッ
キン23は断面円形であって蓋2の全周に亘って連続して
いるリング状となっている。パッキン23はゴム状弾性体
を2〜100倍程度に発泡させたものとなっており、この
ゴム状弾性体としては、ニトリルゴム(NBR)、スチレ
ン・ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、フッ
ソゴム(FPR)、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、
天然ゴム等が使用される。
内側フランジ15の外面に設けた前記溝18は前記楔状爪部
17の上端よりも上方へ延びるものとし、かつ、この溝18
の上下方向の長さは、第3図の通り蓋閉め終了時に溝18
の上端18Aが容器本体1の上部内面で塞がれるようにす
る。
17の上端よりも上方へ延びるものとし、かつ、この溝18
の上下方向の長さは、第3図の通り蓋閉め終了時に溝18
の上端18Aが容器本体1の上部内面で塞がれるようにす
る。
次に作用について述べる。
容器本体1の内部に所定の収納物、例えば化学品、塗
料、食品、石油製品を収納した後、容器本体1の上端開
口部に蓋2を被せて容器本体1の前記湾曲部8を蓋2の
内側フランジ15と外側フランジ16との間に嵌合し、蓋2
を大きな荷重で押圧する。これにより内側フランジ15の
外面は容器本体1の内面に圧接しつつ摺動し、また外側
フランジ16の内面の楔状爪部17は湾曲部8の先端の圧接
しつつ摺動し、このとき、内側フランジ15の周辺は前述
の通り箱型形状により強度が大きいため内側フランジ15
は内方に撓むことはなく、外側フランジ16が外方に撓
み、楔状爪部17の上端が湾曲部8の下端8Aと同じ高さ位
置に達すると同時に外側フランジ16はその復元力により
内方に戻り、これにより湾曲部8の下端8Aが爪部17に係
止し、蓋2は容器本体1に取り外し不能に被冠される。
料、食品、石油製品を収納した後、容器本体1の上端開
口部に蓋2を被せて容器本体1の前記湾曲部8を蓋2の
内側フランジ15と外側フランジ16との間に嵌合し、蓋2
を大きな荷重で押圧する。これにより内側フランジ15の
外面は容器本体1の内面に圧接しつつ摺動し、また外側
フランジ16の内面の楔状爪部17は湾曲部8の先端の圧接
しつつ摺動し、このとき、内側フランジ15の周辺は前述
の通り箱型形状により強度が大きいため内側フランジ15
は内方に撓むことはなく、外側フランジ16が外方に撓
み、楔状爪部17の上端が湾曲部8の下端8Aと同じ高さ位
置に達すると同時に外側フランジ16はその復元力により
内方に戻り、これにより湾曲部8の下端8Aが爪部17に係
止し、蓋2は容器本体1に取り外し不能に被冠される。
前記湾曲部8の下端8Aが爪部17に係止されて蓋閉めが終
了したときには、第2図の通りもともとAでったパッキ
ン23の上下寸法(直径)が第3図の通りBとなってお
り、このようにパッキン23が前記空間22の上面、換言す
ると蓋2の前記裏面2Aと湾曲部8とで圧縮変形されるこ
とにより、蓋2はパッキン23で密閉シールされる。
了したときには、第2図の通りもともとAでったパッキ
ン23の上下寸法(直径)が第3図の通りBとなってお
り、このようにパッキン23が前記空間22の上面、換言す
ると蓋2の前記裏面2Aと湾曲部8とで圧縮変形されるこ
とにより、蓋2はパッキン23で密閉シールされる。
本実施例ではパッキン23の圧縮比A/Bは1.9≦A/B<4.0の
大きな値に設定され、望ましくは2.0≦A/B≦3.3とす
る。この圧縮比の設定は前記空間22の高さ寸法や湾曲部
8の高さ寸法等に応じてパッキン23の直径を定めること
により行われる。圧縮比をこのような大きな値に設定す
ることによりパッキン23による気密圧力を0.2kg/cm2位
の高圧にできるようになる。このようにパッキン23の圧
縮比を大きくして気密性を高めることは、パッキン23が
前述の通り発泡させた弾性体を材質とし、もともと多孔
質であるために可能となり、パッキン23の圧縮変形量を
大きなものにできる。
大きな値に設定され、望ましくは2.0≦A/B≦3.3とす
る。この圧縮比の設定は前記空間22の高さ寸法や湾曲部
8の高さ寸法等に応じてパッキン23の直径を定めること
により行われる。圧縮比をこのような大きな値に設定す
ることによりパッキン23による気密圧力を0.2kg/cm2位
の高圧にできるようになる。このようにパッキン23の圧
縮比を大きくして気密性を高めることは、パッキン23が
前述の通り発泡させた弾性体を材質とし、もともと多孔
質であるために可能となり、パッキン23の圧縮変形量を
大きなものにできる。
また本実施例では、前述の通り蓋2の内側フランジ15が
容器本体1の上端開口部に圧入され、このため蓋閉め途
中において蓋2が容器本体1の内部に入り込むことによ
り容器本体1の内部の空気が圧縮されても、容器本体1
の内部の空気は前記溝18を通って前記空間22に逃げ、さ
らに空間22から前記凹部20を通って外部に逃げるため、
容器本体1の内部の空気圧力が高まることはない。この
ため蓋閉め終了時に蓋2が上方へ湾曲膨張することはな
く、複数のプラスチック製ペール缶を上下に積み重ねた
ときのスタック性を安定した良好のものとすることがで
きる。
容器本体1の上端開口部に圧入され、このため蓋閉め途
中において蓋2が容器本体1の内部に入り込むことによ
り容器本体1の内部の空気が圧縮されても、容器本体1
の内部の空気は前記溝18を通って前記空間22に逃げ、さ
らに空間22から前記凹部20を通って外部に逃げるため、
容器本体1の内部の空気圧力が高まることはない。この
ため蓋閉め終了時に蓋2が上方へ湾曲膨張することはな
く、複数のプラスチック製ペール缶を上下に積み重ねた
ときのスタック性を安定した良好のものとすることがで
きる。
また前述のように内側フランジ15は容器本体1の上端開
口部に圧入されていること、これに加えて蓋2が容器本
体1に被冠された後にも内側フランジ15は前記箱型形状
による強度により容器本体1の上端開口部に強く圧接し
ていることのため、容器本体1に対する蓋2の結合状態
は強く、従って蓋2や容器本体1が衝撃力や荷重等を受
けても蓋2と容器本体1との結合強度は確保され、パッ
キン23が大きな圧縮比を得られる発泡させた弾性体にな
っていることと併せ、容器本体1に対する蓋2の高度な
密閉シール性を確保できる。また第3図で示すように蓋
閉め終了時には前記溝18の上端18Aは容器本体1の上部
内面で塞がれ、容器本体1の内部と前記空間22との間の
連通は遮断されるため、これによっても気密圧力は高ま
る。
口部に圧入されていること、これに加えて蓋2が容器本
体1に被冠された後にも内側フランジ15は前記箱型形状
による強度により容器本体1の上端開口部に強く圧接し
ていることのため、容器本体1に対する蓋2の結合状態
は強く、従って蓋2や容器本体1が衝撃力や荷重等を受
けても蓋2と容器本体1との結合強度は確保され、パッ
キン23が大きな圧縮比を得られる発泡させた弾性体にな
っていることと併せ、容器本体1に対する蓋2の高度な
密閉シール性を確保できる。また第3図で示すように蓋
閉め終了時には前記溝18の上端18Aは容器本体1の上部
内面で塞がれ、容器本体1の内部と前記空間22との間の
連通は遮断されるため、これによっても気密圧力は高ま
る。
なお、容器本体1の内部の収納物を小出しに取り出すと
きには、前記筒部12に被せていたキャップを取り外した
後、筒部12の底板13を打撃して底板13を薄肉部14から切
断する。また、蓋2自体を容器本体1から取り外す場合
には、前記窪み19にドライバ等の工具を当て、この工具
をハンマ等で打撃して外側フランジ16の上部に孔を開
け、この孔を前記凹部20まで拡大することにより外側フ
ランジ16に縦に切断し、爪部17と湾曲部8の下端8Aとの
係止を解除する。
きには、前記筒部12に被せていたキャップを取り外した
後、筒部12の底板13を打撃して底板13を薄肉部14から切
断する。また、蓋2自体を容器本体1から取り外す場合
には、前記窪み19にドライバ等の工具を当て、この工具
をハンマ等で打撃して外側フランジ16の上部に孔を開
け、この孔を前記凹部20まで拡大することにより外側フ
ランジ16に縦に切断し、爪部17と湾曲部8の下端8Aとの
係止を解除する。
次に実験結果について説明する。
この実験は容器本体と蓋とがポリエチレン製のものにつ
いて行われ、パッキンは断面円形のリング状である。ま
たパッキンの材料はNBRであって、その発泡前の硬度(H
s)は70であり、発泡倍率は20倍程度である。
いて行われ、パッキンは断面円形のリング状である。ま
たパッキンの材料はNBRであって、その発泡前の硬度(H
s)は70であり、発泡倍率は20倍程度である。
以下の表に実験結果を示す。
この実験結果によりA/Bが1.8を超えて1.9に達すると0.2
kg/cm2位の気密圧力を得られることが判明した。また、
この実験結果ではA/Bが3.6になったときに蓋閉めができ
なくなったが、これはパッキンの発泡倍率が20倍程度で
あったためであり、この発泡倍率を大きくすれば蓋閉め
できなくなるA/Bの値は高まり、A/Bが4.0になるまで蓋
閉めをすることはできる。従って1.9≦A/B<4.0とし、
確実に0.2kg/cm2以上の気密圧力を得ることと蓋閉めの
確実性とを考慮したときには、2.0≦A/B≦3.3とするこ
とが好ましい。
kg/cm2位の気密圧力を得られることが判明した。また、
この実験結果ではA/Bが3.6になったときに蓋閉めができ
なくなったが、これはパッキンの発泡倍率が20倍程度で
あったためであり、この発泡倍率を大きくすれば蓋閉め
できなくなるA/Bの値は高まり、A/Bが4.0になるまで蓋
閉めをすることはできる。従って1.9≦A/B<4.0とし、
確実に0.2kg/cm2以上の気密圧力を得ることと蓋閉めの
確実性とを考慮したときには、2.0≦A/B≦3.3とするこ
とが好ましい。
なお、ゴムパッキンを使用している従来のプラスチック
製ペール缶について調べた結果、圧縮比は1.2〜1.85で
あり、気密圧力は0.02〜0.15kg/cm2であった。従って本
考案においてA/Bを前記範囲内に設定することにより、
従来のペール缶よりも高い気密圧力を得られることが明
らかになった。
製ペール缶について調べた結果、圧縮比は1.2〜1.85で
あり、気密圧力は0.02〜0.15kg/cm2であった。従って本
考案においてA/Bを前記範囲内に設定することにより、
従来のペール缶よりも高い気密圧力を得られることが明
らかになった。
本考案によれば、大きな圧縮比を得られる発泡弾性体に
よりプラスチック製密閉容器の気密圧力を従来よりも高
めることができ、高圧の気密圧力を得られるため、密閉
容器の気密性が向上する。
よりプラスチック製密閉容器の気密圧力を従来よりも高
めることができ、高圧の気密圧力を得られるため、密閉
容器の気密性が向上する。
また、本考案によれば、蓋の内側フランジの周辺は天板
とリブとにより断面箱型になっており、この部分の強度
は充分に大きいため、蓋閉めしたとき、内側フランジは
容器本体に大きな力で圧接し、このため、蓋や容器本体
に衝撃力が作用しても、蓋と容器本体との大きな結合強
度を確保でき、この点からも密閉容器の気密性が向上す
る。
とリブとにより断面箱型になっており、この部分の強度
は充分に大きいため、蓋閉めしたとき、内側フランジは
容器本体に大きな力で圧接し、このため、蓋や容器本体
に衝撃力が作用しても、蓋と容器本体との大きな結合強
度を確保でき、この点からも密閉容器の気密性が向上す
る。
第1図は本考案の実施例に係るプラスチック製ペール缶
の半截断面正面図、第2図、第3図は蓋の被冠時の前後
を示す拡大断面図である。 1…容器本体、2…蓋、2A…裏面、8…湾曲部、8A…下
端、15…内側フランジ、16…外側フランジ、17…楔状爪
部、22…空間、23…パッキン。
の半截断面正面図、第2図、第3図は蓋の被冠時の前後
を示す拡大断面図である。 1…容器本体、2…蓋、2A…裏面、8…湾曲部、8A…下
端、15…内側フランジ、16…外側フランジ、17…楔状爪
部、22…空間、23…パッキン。
Claims (1)
- 【請求項1】容器本体の上端開口縁に外側下向きに湾曲
した湾曲部を設け、前記容器本体に被せる蓋の外周部に
下向きに突出する内側フランジと外側フランジとを設
け、この外側フランジの内面に楔状爪部を形成し、前記
内側フランジと外側フランジとの間に前記湾曲部を嵌合
して前記蓋を前記容器本体に被せることにより前記湾曲
部の下端を前記楔状爪部に係止するとともに、前記内側
フランジと外側フランジとの間の空間に嵌入したパッキ
ンを前記蓋の裏面と前記湾曲部とで圧縮変形させて蓋を
密閉シールするプラスチック製密閉容器の蓋のシール構
造において、蓋閉め終了時における前記パッキンの圧縮
比をA/Bとしたとき、1.9≦A/B<4.0とするとともに、こ
のパッキンの材質を発泡させた弾性体とし、かつ、前記
内側フランジの上端内周部に前記蓋の天板の外周端を接
続し、この接続部から内周側下向きに形成された前記天
板と前記内側フランジとの間にリブを設けたことを特徴
とするプラスチック製密閉容器の蓋のシール構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987188690U JPH0712302Y2 (ja) | 1987-12-11 | 1987-12-11 | プラスチック製密閉容器の蓋のシール構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987188690U JPH0712302Y2 (ja) | 1987-12-11 | 1987-12-11 | プラスチック製密閉容器の蓋のシール構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0194262U JPH0194262U (ja) | 1989-06-21 |
JPH0712302Y2 true JPH0712302Y2 (ja) | 1995-03-22 |
Family
ID=31479765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1987188690U Expired - Lifetime JPH0712302Y2 (ja) | 1987-12-11 | 1987-12-11 | プラスチック製密閉容器の蓋のシール構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0712302Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20040159236A1 (en) * | 2001-07-11 | 2004-08-19 | Takaaki Otsuka | Seal structure of container and drain filter |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59175044U (ja) * | 1983-05-10 | 1984-11-22 | リ−ム マニユフアクチユアリング カンパニ− | 密封容器 |
JPS6085664U (ja) * | 1983-11-14 | 1985-06-13 | 信越ポリマー株式会社 | 易着脱性食品容器用パッキング材 |
JPH0619492Y2 (ja) * | 1986-03-31 | 1994-05-25 | 三菱瓦斯化学株式会社 | キャップ |
-
1987
- 1987-12-11 JP JP1987188690U patent/JPH0712302Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0194262U (ja) | 1989-06-21 |
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