JPH07122400A - 超電導加速空洞の製作方法 - Google Patents

超電導加速空洞の製作方法

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JPH07122400A
JPH07122400A JP5267451A JP26745193A JPH07122400A JP H07122400 A JPH07122400 A JP H07122400A JP 5267451 A JP5267451 A JP 5267451A JP 26745193 A JP26745193 A JP 26745193A JP H07122400 A JPH07122400 A JP H07122400A
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JP
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cell
superconducting
mold
superconducting material
manufacturing
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JP5267451A
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Satoshi Osumi
智 大角
Takashi Murai
隆 村井
Hiroyuki Tsuchidate
裕幸 土舘
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 清浄でかつ滑らかな内面状態の加速空洞を単
純なかつ少ない工程で製作できる超電導加速空洞の製作
方法を得る。 【構成】 Nbからなる超電導材1を取り付けた雌形の
セル型8を耐圧容器9内に配置し、火薬7を仕掛ける
(a)。ついで、火薬7を爆発させる(b)。この時、
火薬7の爆発圧力11により、超電導材1がセル型8の
型形状に沿って変形される。そして、セル型8から変形
された超電導材料1を取り外し、セル型8の型形状に沿
った形状に成形された成形品3を得る(c)。さらに、
この成形品3のフランジ部3aを切り落とし、開口4a
を穿設して、ハーフセル4を製作する(d)。その後、
ハーフセル4を複数個連結して超電導加速空洞を製作す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シングルセルを複数
並べて構成されて粒子加速器に使用される超電導加速空
洞の製作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は例えば超電導空洞(OHO '92 高エ
ネルギー加速器セミナー ==超伝導と加速器== 1992年8
月)に記載された従来の超電導加速空洞の製作方法を示
す工程断面図であり、図において1は例えば純ニオビウ
ム(Nd)からなる板状(t:2〜3mm)の超電導材、2は
略半球状の押し型、3は押し型2により成形された成形
品、3aは成形品3のフランジ部、4は成形品3のフラ
ンジ部3aを切り落とし、さらに開口4aを穿設して形
成されたハーフセル、5は2個のハーフセル4から構成
されたシングルセル、6はシングルセル4を多連化して
構成された超電導加速空洞である。
【0003】つぎに、上記従来の超電導加速空洞の製作
方法について説明する。まず、Nd材を2〜3mm厚の板状
に成形してなる超電導材1を図7の(a)に示すように
セットする。そして、図1の(b)に示すように、押し
型2をプレス機により超電導材1に押し付けて液圧成形
加工する。ここで、超電導材1は押し型2の押し面形状
に変形し、その周囲にフランジ部3aが形成された成形
品3に成形される。ついで、図1の(c)に示すよう
に、成形品3のフランジ部3aを切り落とし、さらに開
口4aを穿設してハーフセル4を形成する。このように
して形成されたハーフセル4は、その内面をバフ研磨
し、洗浄し、さらに表面検査が施される。つぎに、図1
の(d)に示すように、2個のハーフセル4の外周縁部
を当接するように対向して重ね合わせ、その当接部を電
子ビーム溶接(以下、EBWとする)してシングルセル
5を作製する。そして、EBWにより継目部分のシング
ルセル5の内面に発生した裏波を研磨して除去する。そ
の後、複数個のシングルセル5をそれぞれの開口4aが
当接するように重ね合わせ、その当接部をEBWして、
図1の(e)に示すように、シングルセル5を連結す
る。そして、EBWにて発生する裏波を除去し、洗浄
し、表面検査して、この場合3連化の超電導加速空洞6
を得る。
【0004】ここで、超電導加速空洞6の内面に不純物
や傷が残っていると、加速空洞の性能が著しく低下する
ことから、従来の超電導加速空洞の製作方法では、ハー
フセル4、シングルセル5、超電導加速空洞6の各製作
工程において、バフ研磨、裏波を除去する研磨、洗浄、
表面検査を実施して、加速空洞の内面を清浄かつ滑らか
な状態に保持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の超電導加速空洞
の製作方法は以上のように、押し型2による液圧成形加
工にてハーフセル4を成形しているので、ハーフセル4
の内面に押し型2の当て傷が付いてしまい、超電導加速
空洞6の性能を低下させてしまうという課題があった。
また、プレス機等の大型かつ高価な設備が必要となり、
低コスト化を図ることができないという課題もあった。
さらには、押し型2を超電導材1に当て、圧力を印加し
ながら成形するので、ハーフセル4の成形に長時間を要
してしまうという課題もあった。
【0006】また、ハーフセル4からシングルセル5を
作製する際、さらにはシングルセル5から超電導加速空
洞6を作製する際に、EBWをなんども行うことにな
り、その都度裏波の研磨作業が必要となり、加速空洞の
製作が多工程となり、作業が繁雑となり、製作効率を低
下させてしまうという課題もあった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、清浄かつ滑らかな内面状態の加
速空洞を単純かつ少ない工程で製作できる超電導加速空
洞の製作方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る超電導加速空洞の製作方法は、板状の超電導材をセ
ル型に取り付け、火薬の爆発圧力により超電導材をセル
型の型形状に沿って成形し、さらに超電導材の成形品に
開口を穿設してハーフセルを形成し、その後ハーフセル
を複数個連結するようにしたものである。
【0009】また、この発明の第2の発明に係る超電導
加速空洞の製作方法は、板状の超電導材をセル型に取り
付け、熱間等方加圧加工により超電導材をセル型の型形
状に沿ってセル型に拡散接合させ、ついでセル型を溶解
して超電導材の成形品を形成し、さらに成形品に開口を
穿設してハーフセルを形成し、その後ハーフセルを複数
個連結するようにしたものである。
【0010】また、この発明の第3の発明に係る超電導
加速空洞の製作方法は、板状の超電導材をセル型に取り
付け、超電導材の上面に火薬を配置し、火薬を爆発させ
て超電導材をセル型の型形状に沿ってセル型に爆着し、
ついでセル型を溶解して超電導材の成形品を形成し、さ
らに超電導材の成形品に開口を穿設してハーフセルを形
成し、その後ハーフセルを複数個連結するようにしたも
のである。
【0011】また、この発明の第4の発明に係る超電導
加速空洞の製作方法は、セル型の表面に超電導材の被膜
を成膜し、ついでセル型を溶解して超電導材の成形品を
形成し、さらに成形品に開口を穿設してハーフセルを形
成し、その後ハーフセルを複数個連結するようにしたも
のである。
【0012】また、この発明の第5の発明に係る超電導
加速空洞の製作方法は、セル型に溶融状態の超電導材を
流し込み、超電導材が固まった後、セル型を溶解して超
電導材の成形品を形成し、さらに超電導材の成形品に開
口を穿設してハーフセルを形成し、その後ハーフセルを
複数個連結するようにしたものである。
【0013】また、この発明の第6の発明に係る超電導
加速空洞の製作方法は、ハーフセルを複数個並べて、熱
間等方加圧加工により隣接するハーフセル同士を拡散接
合して、ハーフセルを複数個連結するようにしたもので
ある。
【0014】
【作用】この発明の第1の発明においては、セル型に取
り付けられた超電導材は、火薬の爆発圧力により瞬時に
セル型の型形状に沿うように変形する。そして、セル型
の型形状に沿った形状に成形された超電導材の成形品に
開口を穿設してハーフセルが製作される。そこで、押し
型等による機械的な傷が付くことはなく、滑らかな表面
状態のハーフセルが、大型の設備を必要とせずに、瞬時
に、容易に製作される。
【0015】また、この発明の第2の発明においては、
セル型に取り付けられた超電導材は、熱間等方加圧加工
によりセル型の型形状に沿って変形し、セル型との間で
拡散接合されて、セル型に一体的に形成される。そし
て、セル型を溶解することによりセル型の型形状に沿っ
た形状に成形された超電導材の成形品が得られ、この成
形品に開口を穿設してハーフセルが製作される。そこ
で、滑らかな表面状態のハーフセルが、大型の設備を必
要とせずに、容易に製作される。
【0016】また、この発明の第3の発明においては、
セル型に取り付けられた超電導材は、火薬の爆発により
瞬時にセル型の型形状に沿って爆着する。そして、セル
型を溶解することによりセル型の型形状に沿った形状に
成形された超電導材の成形品が得られ、この成形品に開
口を穿設してハーフセルが製作される。そこで、滑らか
な表面状態のハーフセルが、大型の設備を必要とせず
に、瞬時に、容易に製作される。
【0017】また、この発明の第4の発明においては、
セル型の表面に超電導材の被膜が成膜され、セル型を溶
解してセル型の型形状に沿った形状の超電導材の成形品
が得られ、この成形品に開口を穿設してハーフセルが製
作される。そこで、滑らかな、かつ、清浄な表面状態の
ハーフセルが、大型の設備を必要とせずに、容易に製作
される。
【0018】また、この発明の第5の発明においては、
セル型に溶融状態の超電導材を流し込み、固まった後、
セル型を溶解して、セル型の型形状に沿った形状の超電
導材の成形品が得られる。そして、この成形品に開口を
穿設してハーフセルが製作される。そこで、超電導材を
一旦融解するため、セル型の面粗度を上げることによ
り、滑らかな表面状態のハーフセルが、大型の設備を必
要とせずに、容易に製作される。
【0019】また、この発明の第6の発明においては、
熱間等方加圧加工により隣接するハーフセル同士が拡散
接合し、複数個並べられたハーフセルが同時に連結され
る。そこで、ハーフセル間の連結にEBWを用いる必要
がなく、裏波の研磨作業が省略され、簡略な製作工程
で、かつ、高い製作効率で多連化の超電導加速空洞が製
作される。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.図1の(a)〜(d)はそれぞれこの発明の
実施例1に係る超電導加速空洞のハーフセルの製作方法
を示す工程断面図、図2の(a),(b)はそれぞれこ
の発明の実施例1に係る超電導加速空洞の製作方法を示
す工程断面図であり、図において図7に示した従来の超
電導加速空洞の製作方法と同一または相当部分には同一
符号を付し、その説明を省略する。図において、7は火
薬、8は雌形のセル型、9は水10をはった耐圧容器、
12は熱間等方加圧用の圧力容器である。
【0021】つぎに、この実施例1による超電導加速空
洞の製作方法について説明する。まず、Nd材を2〜3mm
厚の板状に成形してなる超電導材1をセル型8に密接さ
せて取り付け、図1の(a)に示すように、このセル型
8を水10がはられた耐圧容器9内に設置し、火薬7を
仕掛ける。そして、火薬7を爆発させると、超電導材1
は、図1の(b)に示すように、その爆発圧力11によ
り瞬間的にセル型8の型形状に沿って変形する。この
時、耐圧容器9内に水10がはってあるので、火薬7の
爆発時の爆煙が超電導材1に付着してその表面を汚染す
ることがない。そして、セル型8を耐圧容器9から取り
出し、セル型8から超電導材1を取り外して、図1の
(c)に示すように、セル型8の型形状に沿った形状に
成形された成形品3が得られる。ついで、成形品3のフ
ランジ部3aを切り落とし、さらに開口4aを穿設し
て、図1の(d)に示すハーフセル4を得る。
【0022】ついで、図2の(a)に示すように、外周
縁部同士を当接させた3対のハーフセル4を、それらの
開口4a同士を当接させて、圧力容器12内に設置す
る。そして、圧力容器12内を高温(500〜1100℃)、
高圧(200〜1000kg/cm2)の状態に維持し、熱間等方圧力
加工(以下、HIP加工とする)を施す。このHIP加工
により、隣接するハーフセル4同士の当接部、すなわち
開口4aや外周縁部のNd同士が拡散接合して、複数の
ハーフセル4が一体化される。そこで、圧力容器12か
ら取り出して、図2の(b)に示すように、3連化の超
電導加速空洞6が得られる。
【0023】このようにこの実施例1によれば、火薬7
による爆発成形によりハーフセル4を成形しているの
で、プレス機等の大型でかつ高価な設備を必要とせず、
低コストでハーフセル4を製作することができる。ま
た、瞬時にハーフセル4が製作でき、加工時間の短縮を
図ることができる。さらには、火薬7の爆発圧力11に
より超電導材1がセル型8の型形状に沿った形状に変形
されるので、従来の作製方法のように押し型2によりハ
ーフセル4の内面に傷が付くことがなく、清浄でかつ滑
らかな内面のハーフセル4を製作することができる。
【0024】また、複数個のハーフセル4を並べてHI
P加工により超電導加速空洞6を作製しているので、隣
接するハーフセル4の当接部同士が同時に拡散接合して
一体化され、従来の製作方法のように、ハーフセル4か
らシングルセル5を作製し、さらにシングルセル5から
超電導加速空洞6を作製する必要がなく、製作工程の短
縮化を図ることができる。また、ハーフセル4の当接部
同士が拡散接合して一体化するので、従来の製作方法の
ようにEBWをする必要がなく、裏波の除去のための研
磨作業も必要なく、製作効率を大幅に向上することがで
き、さらに低コスト化を図ることができる。
【0025】また、火薬7による爆発成形によりハーフ
セル4を製作し、さらに複数個のハーフセル4を並べて
HIP加工して超電導加速空洞6を製作しているので、
加速空洞の内面を清浄でかつ滑らかな内面状態に製作で
き、高性能の超電導加速空洞6を製作することができ
る。
【0026】ここで、上記実施例1では、火薬7による
爆発成形によりハーフセル4を製作し、さらに複数個の
ハーフセル4を並べてHIP加工して超電導加速空洞6
を製作するものとして説明しているが、火薬7による爆
発成形によりハーフセル4を製作し、このハーフセル4
を重ね合わせてEBWによりシングルセル5を作製し、
さらにシングルセル5を重ね合わせてEBWにより超電
導加速空洞6を製作するようにしてもよい。この場合、
従来の製作方法に比べ、上述の爆発成形によりハーフセ
ル4を製作することによる効果が得られることはいうま
でもないことである。
【0027】また、同様に、押し型2による液圧成形加
工にて成形したハーフセル4を複数個並べてHIP加工
して超電導加速空洞6を作製するようにしてもよい。こ
の場合、従来の製作方法に比べて、上述のHIP加工に
より超電導加速空洞6を製作することによる効果が得ら
れることはいうまでもないことである。
【0028】実施例2.上記実施例1では、超電導材1
をセル型8に密接させて取り付け、火薬7による爆発成
形によりハーフセル4を製作するものとしているが、こ
の実施例2では、セル型8に排気孔を穿設し、排気孔を
介して超電導材1とセル型8との空間を真空排気し、該
空間を真空状態として爆発成形するものとしている。こ
の実施例2によれば、超電導材1とセル型8との間の空
間が真空状態となっているので、爆発成形する際に超電
導材1の変形が容易となり、火薬7の量を軽減でき、ハ
ーフセル4の成形作業の安全性を向上することができ
る。
【0029】実施例3.図3の(a)〜(e)はそれぞ
れこの発明の実施例3に係る超電導加速空洞のハーフセ
ルの製作方法を示す工程断面図であり、図において13
は鉄材からなる雌形のセル型、14は圧力容器、15は
セル型13を溶解する薬品、16は薬品15を入れる容
器である。なお、薬品15としては、超電導材を溶解せ
ず、セル型13を溶解できるものであればよい。ここで
は、超電導材1としてNdを、セル型13として鉄材
を、それぞれ使用しているので、薬品15としては、塩
酸、硝酸等を用いることができる。
【0030】つぎに、この実施例3による超電導加速空
洞の製作方法について説明する。まず、Nd材を2〜3mm
厚の板状に成形してなる超電導材1を図3の(a)に示
すようにセル型13に密接させて取り付ける。そして、
図3の(b)に示すように、このセル型13を圧力容器
14内に設置し、圧力容器14内を高温(500〜1100
℃)、高圧(200〜1000kg/cm2)の状態に維持し、HIP
加工を施す。このHIP加工により、超電導材1はセル
型13の型形状に沿って変形し、超電導材1とセル型1
3との界面で拡散接合して、セル型13と一体となった
成形品3が成形される。ついで、図3の(c)に示すよ
うに、このセル型13を容器16内の薬品15に浸漬す
る。そして、セル型13のみが薬品15に溶解されて、
図3の(d)に示す成型品3が得られる。つぎに、成形
品3のフランジ部3aを切り落とし、さらに開口4aを
穿設して、図3の(e)に示すハーフセル4を得る。
【0031】このようにして製作された複数個のハーフ
セル4を並べて、上記実施例1と同様に、HIP加工に
より一体化して、超電導加速空洞6を得る。
【0032】このように、この実施例3によれば、超電
導材1をHIP加工によりセル型13の型形状に沿って
変形し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作して
いるので、プレス機等の大型でかつ高価な設備を必要と
せず、低コストでハーフセル4を製作することができ、
従来の作製方法のように押し型2によりハーフセル4の
内面に傷が付くことがなく、清浄でかつ滑らかな内面の
ハーフセル4を製作することができる。さらに、セル型
13の寸法精度を高めることで、セルの寸法精度を確保
することができる。また、超電導材1をHIP加工によ
りセル型13の型形状に沿って変形し、セル型13を溶
解してハーフセル4を製作し、さらに複数個のハーフセ
ル4を並べてHIP加工により超電導加速空洞を作製し
ているので、上記実施例1と同様の効果を奏する。
【0033】ここで、上記実施例3では、超電導材1を
HIP加工によりセル型13の型形状に沿って変形し、
セル型13を溶解してハーフセル4を製作し、さらに複
数個のハーフセル4を並べてHIP加工して超電導加速
空洞6を製作するものとして説明しているが、超電導材
1をHIP加工によりセル型13の型形状に沿って変形
し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作し、この
ハーフセル4を重ね合わせてEBWによりシングルセル
5を作製し、さらにシングルセル5を重ね合わせてEB
Wにより超電導加速空洞6を製作するようにしてもよ
い。この場合、従来の製作方法に比べ、上述の超電導材
1をHIP加工によりセル型13の型形状に沿って変形
し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作すること
による効果が得られることはいうまでもないことであ
る。
【0034】実施例4.図4の(a)〜(e)はそれぞ
れこの発明の実施例4に係る超電導加速空洞のハーフセ
ルの製作方法を示す工程断面図であり、図において17
は超電導材1の上に配置された火薬である。
【0035】つぎに、この実施例4による超電導加速空
洞の製作方法について説明する。まず、図4の(a)に
示すように、Nd材を2〜3mm厚の板状に成形してなる超
電導材1をセル型13に密接させて取り付け、さらに超
電導材1の上面に火薬17を配置する。そして、図4の
(b)に示すように、このセル型13を耐圧容器9内に
設置し、火薬7を爆発させる。すると、超電導材1は、
火薬17の爆発圧力11により瞬間的にセル型13に爆
着される。ついで、図4の(c)に示すように、このセ
ル型13を容器16内の薬品15に浸漬する。そして、
セル型13のみが薬品15に溶解されて、図4の(d)
に示す成型品3が得られる。つぎに、成形品3のフラン
ジ部3aを切り落とし、さらに開口4aを穿設して、図
4の(e)に示すハーフセル4を得る。
【0036】このようにして製作された複数個のハーフ
セル4を並べて、上記実施例1と同様に、HIP加工に
より一体化して、超電導加速空洞6を得る。
【0037】このように、この実施例4によれば、超電
導材1を火薬17の爆発圧力11によりセル型13の型
形状に沿って爆着し、セル型13を溶解してハーフセル
4を製作しているので、プレス機等の大型でかつ高価な
設備を必要とせず、低コストでハーフセル4を製作する
ことができ、従来の作製方法のように押し型2によりハ
ーフセル4の内面に傷が付くことがなく、滑らかな内面
のハーフセル4を製作することができる。さらに、セル
型13の寸法精度を高めることで、セルの寸法精度を確
保することができる。また、超電導材1を火薬17の爆
発圧力11によりセル型13の型形状に沿って爆着し、
セル型13を溶解してハーフセル4を製作し、さらに複
数個のハーフセル4を並べてHIP加工により超電導加
速空洞6を作製しているので、上記実施例1と同様の効
果を奏する。
【0038】ここで、上記実施例4では、超電導材1を
火薬17の爆発圧力11によりセル型13の型形状に沿
って爆着し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作
し、さらに複数個のハーフセル4を並べてHIP加工し
て超電導加速空洞6を製作するものとして説明している
が、超電導材1を火薬17の爆発圧力11によりセル型
13の型形状に沿って爆着し、セル型13を溶解してハ
ーフセル4を製作し、このハーフセル4を重ね合わせて
EBWによりシングルセル5を作製し、さらにシングル
セル5を重ね合わせてEBWにより超電導加速空洞6を
製作するようにしてもよい。この場合、従来の製作方法
に比べ、上述の超電導材1を火薬17の爆発圧力11に
よりセル型13の型形状に沿って爆着し、セル型13を
溶解してハーフセル4を製作することによる効果が得ら
れることはいうまでもないことである。
【0039】実施例5.図5の(a)〜(d)はそれぞ
れこの発明の実施例5に係る超電導加速空洞のハーフセ
ルの製作方法を示す工程断面図であり、図において18
はチャンバ、19は超電導材としてのNdからなるター
ゲット、20は高周波電源である。
【0040】つぎに、この実施例5による超電導加速空
洞の製作方法について説明する。まず、チャンバ18内
にセル型13を設置し、チャンバ18内を所定の真空度
まで排気した後、アルゴン等の不活性ガスを導入し、所
定の真空度に維持する。そして、図5の(a)に示すよ
うに、高周波電源20によりターゲット19とセル型1
3との間に高周波電圧を印加して、スパッタリングす
る。そこで、セル型13の表面にはNdの被膜21が3
〜5μm成膜される。そして、図5の(b)に示すよう
に、このセル型13を薬品15に浸漬して、セル型13
のみを溶解し、図5の(c)に示す成形品3を得る。そ
の後、成形品3のフランジ部3aを切り落とし、開口4
aを穿設して、図5の(d)に示すハーフセル4を得
る。
【0041】このようにして製作された複数個のハーフ
セル4を並べて、上記実施例1と同様に、HIP加工に
より一体化して、超電導加速空洞6を得る。
【0042】このように、この実施例5によれば、スパ
ッタリングによりセル型13の表面にNdの被膜21を
成膜し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作して
いるので、上記実施例3と同様の効果に加えて、ハーフ
セル4の表面の清浄度を一層高めることができる。
【0043】ここで、上記実施例5では、スパッタリン
グによりセル型13の表面にNdの被膜21を成膜し、
セル型13を溶解してハーフセル4を製作し、さらに複
数個のハーフセル4を並べてHIP加工して超電導加速
空洞6を製作するものとして説明しているが、スパッタ
リングによりセル型13の表面にNdの被膜21を成膜
し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作し、ハー
フセル4を重ね合わせてEBWによりシングルセル5を
作製し、さらにシングルセル5を重ね合わせてEBWに
より超電導加速空洞6を製作するようにしてもよい。こ
の場合、従来の製作方法に比べ、スパッタリングにより
セル型13の表面にNdの被膜21を成膜し、セル型1
3を溶解してハーフセル4を製作することによる効果が
得られることはいうまでもないことである。
【0044】また、上記実施例5では、スパッタリング
によりセル型13の表面にNdの被膜21を成膜してい
るが、スパッタリングに限らずNdの被膜21ができれ
ばよく、例えば真空蒸着、イオンプレーティング等でも
よい。
【0045】実施例6.図6の(a)〜(d)はそれぞ
れこの発明の実施例6に係る超電導加速空洞のハーフセ
ルの製作方法を示す工程断面図であり、図において22
はNd材を溶融してなる超電導材、23は超電導材22
を流し込む鉄製の鋳造用のセル型である。
【0046】つぎに、この実施例6による超電導加速空
洞の製作方法に付いて説明する。まず、図6の(a)に
示すように、セル型23に超電導材22を流し込む。こ
の時、セル型23は水冷している。そして、超電導材2
2が冷却して固まった後、図6の(b)に示すように、
セル型23を容器16中の薬品15に浸漬し、セル型2
3を溶解し、図6の(c)に示す成形品3を得る。つい
で、成形品3のフランジ部3aを切り落とし、開口4a
を穿設して、図6の(d)に示すハーフセル4を得る。
そして、ハーフセル4を複数個並べて、上記実施例1と
同様に、HIP加工により一体化して、超電導加速空洞
6を得る。
【0047】このように、この実施例6によれば、セル
型23に超電導材22を流し込み、超電導材22が固ま
った後セル型23を溶解して、ハーフセル4を製作して
いるので、上記実施例3と同様の効果を奏するととも
に、超電導材料を一旦融解するため、セル型23の面粗
度を上げることにより、ハーフセル4の表面を一層滑ら
かにすることができる。
【0048】なお、上記各実施例では、3連化の超電導
加速空洞6を製作する場合について説明しているが、3
連化の超電導加速空洞に限らず、5連化の超電導加速空
洞にあるいは10連化の超電導加速空洞に適用しても、
同様の効果を奏する。
【0049】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0050】この発明の第1の発明によれば、板状の超
電導材をセル型に取り付け、火薬の爆発圧力により超電
導材をセル型の型形状に沿って成形し、さらに超電導材
の成形品に開口を穿設してハーフセルを形成し、その後
ハーフセルを複数個連結するようにしたので、大型の設
備を必要とせずに、瞬時に、滑らかな表面状態のハーフ
セルが製作でき、低コストで、高性能の超電導加速空洞
を製作することができる。
【0051】また、この発明の第2の発明によれば、板
状の超電導材をセル型に取り付け、熱間等方加圧加工に
より超電導材をセル型の型形状に沿ってセル型に拡散接
合させ、ついでセル型を溶解して超電導材の成形品を形
成し、さらに成形品に開口を穿設してハーフセルを形成
し、その後ハーフセルを複数個連結するようにしたの
で、大型の設備を必要とせずに、滑らかな表面状態のハ
ーフセルが製作でき、低コストで、高性能の超電導加速
空洞を製作することができる。
【0052】また、この発明の第3の発明によれば、板
状の超電導材をセル型に取り付け、超電導材の上面に火
薬を配置し、火薬を爆発させて超電導材をセル型の型形
状に沿ってセル型に爆着し、ついでセル型を溶解して超
電導材の成形品を形成し、さらに超電導材の成形品に開
口を穿設してハーフセルを形成し、その後ハーフセルを
複数個連結するようにしたので、上記第2の発明と同様
の効果を奏する。
【0053】また、この発明の第4の発明によれば、セ
ル型の表面に超電導材の被膜を成膜し、ついでセル型を
溶解して超電導材の成形品を形成し、さらに成形品に開
口を穿設してハーフセルを形成し、その後ハーフセルを
複数個連結するようにしたので、上記第2の発明と同様
の効果を奏する。
【0054】また、この発明の第5の発明によれば、セ
ル型に溶融状態の超電導材を流し込み、超電導材が固ま
った後、セル型を溶解して超電導材の成形品を形成し、
さらに超電導材の成形品に開口を穿設してハーフセルを
形成し、その後ハーフセルを複数個連結するようにした
ので、上記第2の発明と同様の効果を奏する。
【0055】また、この発明の第6の発明によれば、ハ
ーフセルを複数個並べて、熱間等方加圧加工により隣接
するハーフセル同士を拡散接合して、ハーフセルを複数
個連結するようにしたので、ハーフセル間の連結にEB
Wを用いる必要がなく、裏波の除去のための研磨作業を
省略でき、かつ、複数個のハーフセルの連結を同時に行
うことができ、工数の簡略化が図られ、超電導加速空洞
を簡易に、低コストで、かつ、高製作効率で製作するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係る超電導加速空洞のハ
ーフセルの製作方法を示す工程断面図である。
【図2】この発明の実施例1に係る超電導加速空洞の製
作方法を示す工程断面図である。
【図3】この発明の実施例3に係る超電導加速空洞のハ
ーフセルの製作方法を示す工程断面図である。
【図4】この発明の実施例4に係る超電導加速空洞のハ
ーフセルの製作方法を示す工程断面図である。
【図5】この発明の実施例5に係る超電導加速空洞のハ
ーフセルの製作方法を示す工程断面図である。
【図6】この発明の実施例6に係る超電導加速空洞のハ
ーフセルの製作方法を示す工程断面図である。
【図7】従来の超電導加速空洞の製作方法の一例を示す
工程断面図である。
【符号の説明】
1 超電導材 3 成形品 4 ハーフセル 4a 開口 6 超電導加速空洞 7 火薬 8 セル型 13 セル型 17 火薬 22 超電導材 23 セル型
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 超電導加速空洞の製作方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シングルセルを複数
並べて構成されて粒子加速器に使用される超電導加速空
洞の製作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は例えば超電導空洞(OHO '92 高エ
ネルギー加速器セミナー ==超伝導と加速器== 1992年8
月)に記載された従来の超電導加速空洞の製作方法を示
す工程断面図であり、図において1は例えば純ニオビウ
ム(Nb)からなる板状(t:2〜3mm)の超電導材、2は
略半球状の押し型、3は押し型2により成形された成形
品、3aは成形品3のフランジ部、4は成形品3のフラ
ンジ部3aを切り落とし、さらに開口4aを穿設して形
成されたハーフセル、5は2個のハーフセル4から構成
されたシングルセル、6はシングルセル4を多連化して
構成された超電導加速空洞である。
【0003】つぎに、上記従来の超電導加速空洞の製作
方法について説明する。まず、Nb材を2〜3mm厚の板状
に成形してなる超電導材1を図7の(a)に示すように
セットする。そして、図1の(b)に示すように、押し
型2をプレス機により超電導材1に押し付けて液圧成形
加工する。ここで、超電導材1は押し型2の押し面形状
に変形し、その周囲にフランジ部3aが形成された成形
品3に成形される。ついで、図1の(c)に示すよう
に、成形品3のフランジ部3aを切り落とし、さらに開
口4aを穿設してハーフセル4を形成する。このように
して形成されたハーフセル4は、その内面をバフ研磨
し、洗浄し、さらに表面検査が施される。つぎに、図1
の(d)に示すように、2個のハーフセル4の外周縁部
を当接するように対向して重ね合わせ、その当接部を電
子ビーム溶接(以下、EBWとする)してシングルセル
5を製作する。そして、EBWにより継目部分のシング
ルセル5の内面に発生した裏波を研磨して除去する。そ
の後、複数個のシングルセル5をそれぞれの開口4aが
当接するように重ね合わせ、その当接部をEBWして、
図1の(e)に示すように、シングルセル5を連結す
る。そして、EBWにて発生する裏波を研磨除去し、洗
浄し、表面検査して、この場合3連化の超電導加速空洞
6を得る。
【0004】ここで、超電導加速空洞6の内面に不純物
や傷が残っていると、加速空洞の性能が著しく低下する
ことから、従来の超電導加速空洞の製作方法では、ハー
フセル4、シングルセル5、超電導加速空洞6の各製作
工程において、バフ研磨、裏波を除去する研磨、洗浄、
表面検査を実施して、加速空洞の内面を清浄かつ滑らか
な状態に保持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の超電導加速空洞
の製作方法は以上のように、押し型2による液圧成形加
工にてハーフセル4を成形しているので、ハーフセル4
の内面に押し型2の当て傷が付いてしまい、超電導加速
空洞6の性能を低下させてしまうという課題があった。
また、プレス機等の大型かつ高価な設備が必要となり、
低コスト化を図ることができないという課題もあった。
さらには、押し型2を超電導材1に当て、圧力を印加し
ながら成形するので、ハーフセル4の成形に長時間を要
してしまうという課題もあった。
【0006】また、ハーフセル4からシングルセル5を
作製する際、さらにはシングルセル5から超電導加速空
洞6を作製する際に、EBWを多数回行うことになり、
その都度裏波の研磨作業が必要となり、加速空洞の製作
が多工程となり、作業が繁雑となり、製作効率を低下さ
せてしまうという課題もあった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、清浄かつ滑らかな内面状態の加
速空洞を単純かつ少ない工程で製作できる超電導加速空
洞の製作方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る超電導加速空洞の製作方法は、板状の超電導材を
形のセル型に取り付け、火薬の爆発圧力により超電導材
をセル型の型形状に沿って成形し、さらに超電導材の成
形品に開口を穿設してハーフセルを形成し、その後ハー
フセルを複数個連結するようにしたものである。
【0009】また、この発明の第2の発明に係る超電導
加速空洞の製作方法は、板状の超電導材を雌形のセル型
に取り付け、熱間等方加圧加工により超電導材をセル型
の型形状に沿ってセル型に拡散接合させ、ついでセル型
を溶解して超電導材の成形品を形成し、さらに成形品に
開口を穿設してハーフセルを形成し、その後ハーフセル
を複数個連結するようにしたものである。
【0010】また、この発明の第3の発明に係る超電導
加速空洞の製作方法は、板状の超電導材を雌形のセル型
に取り付け、超電導材の上面に火薬を配置し、火薬を爆
発させて超電導材をセル型の型形状に沿ってセル型に爆
着し、ついでセル型を溶解して超電導材の成形品を形成
し、さらに超電導材の成形品に開口を穿設してハーフセ
ルを形成し、その後ハーフセルを複数個連結するように
したものである。
【0011】また、この発明の第4の発明に係る超電導
加速空洞の製作方法は、雌形のセル型の表面に超電導材
の被膜を成膜し、ついでセル型を溶解して超電導材の成
形品を形成し、さらに成形品に開口を穿設してハーフセ
ルを形成し、その後ハーフセルを複数個連結するように
したものである。
【0012】また、この発明の第5の発明に係る超電導
加速空洞の製作方法は、雌雄形のセル型に溶融状態の超
電導材を流し込み、超電導材が固まった後、セル型を溶
解して超電導材の成形品を形成し、さらに超電導材の成
形品に開口を穿設してハーフセルを形成し、その後ハー
フセルを複数個連結するようにしたものである。
【0013】また、この発明の第6の発明に係る超電導
加速空洞の製作方法は、ハーフセルを複数個並べて、熱
間等方加圧加工により隣接するハーフセル同士を拡散接
合して、ハーフセルを複数個連結するようにしたもので
ある。
【0014】
【作用】この発明の第1の発明においては、雌形のセル
型に取り付けられた超電導材は、火薬の爆発圧力により
瞬時にセル型の型形状に沿うように変形する。そして、
セル型の型形状に沿った形状に成形された超電導材の成
形品に開口を穿設してハーフセルが製作される。そこ
で、押し型等による機械的な傷が付くことはなく、滑ら
かな表面状態のハーフセルが、大型の設備を必要とせ
ずに、瞬時に、容易に製作される。
【0015】また、この発明の第2の発明においては、
雌形のセル型に取り付けられた超電導材は、熱間等方加
圧加工によりセル型の型形状に沿って変形し、セル型と
の間で拡散接合されて、セル型に一体的に形成される。
そして、セル型を溶解することによりセル型の型形状に
沿った形状に成形された超電導材の成形品が得られ、こ
の成形品に開口を穿設してハーフセルが製作される。そ
こで、滑らかな表面状態のハーフセルが、大型の設備
を必要とせずに、容易に製作される。
【0016】また、この発明の第3の発明においては、
雌形のセル型に取り付けられた超電導材は、火薬の爆発
により瞬時にセル型の型形状に沿って爆着する。そし
て、セル型を溶解することによりセル型の型形状に沿っ
た形状に成形された超電導材の成形品が得られ、この成
形品に開口を穿設してハーフセルが製作される。そこ
で、滑らかな表面状態のハーフセルが、大型の設備を
必要とせずに、瞬時に、容易に製作される。
【0017】また、この発明の第4の発明においては、
雌形のセル型の表面に超電導材の被膜が成膜され、セル
型を溶解してセル型の型形状に沿った形状の超電導材の
成形品が得られ、この成形品に開口を穿設してハーフセ
ルが製作される。そこで、滑らかな、かつ、清浄な
面状態のハーフセルが、大型の設備を必要とせずに、容
易に製作される。
【0018】また、この発明の第5の発明においては、
雌雄形のセル型に溶融状態の超電導材を流し込み、固ま
った後、セル型を溶解して、セル型の型形状に沿った形
状の超電導材の成形品が得られる。そして、この成形品
に開口を穿設してハーフセルが製作される。そこで、超
電導材を一旦融解するため、雄側のセル型の面粗度を上
げることにより、滑らかな表面状態のハーフセルが、
大型の設備を必要とせずに、容易に製作される。
【0019】また、この発明の第6の発明においては、
熱間等方加圧加工により隣接するハーフセル同士が拡散
接合し、複数個並べられたハーフセルが同時に連結され
る。そこで、ハーフセル間の連結にEBWを用いる必要
がなく、裏波の研磨作業が省略され、簡略な製作工程
で、かつ、高い製作効率で多連化の超電導加速空洞が製
作される。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.図1の(a)〜(d)はそれぞれこの発明の
実施例1に係る超電導加速空洞のハーフセルの製作方法
を示す工程断面図、図2の(a),(b)はそれぞれこ
の発明の実施例1に係る超電導加速空洞の製作方法を示
す工程断面図であり、図において図7に示した従来の超
電導加速空洞の製作方法と同一または相当部分には同一
符号を付し、その説明を省略する。図において、7は火
薬、8は雌形のセル型、9は水10をはった耐圧容器、
12は熱間等方加圧用の圧力容器である。
【0021】つぎに、この実施例1による超電導加速空
洞の製作方法について説明する。まず、Nb材を2〜3mm
厚の板状に成形してなる超電導材1をセル型8に密接さ
せて取り付け、図1の(a)に示すように、このセル型
8を水10がはられた耐圧容器9内に設置し、火薬7を
仕掛ける。そして、火薬7を爆発させると、超電導材1
は、図1の(b)に示すように、その爆発圧力11によ
り瞬間的にセル型8の型形状に沿って変形する。この
時、耐圧容器9内に水10がはってあるので、火薬7の
爆発時の爆煙が超電導材1に付着してその表面を汚染す
ることがない。そして、セル型8を耐圧容器9から取り
出し、セル型8から超電導材1を取り外して、図1の
(c)に示すように、セル型8の型形状に沿った形状に
成形された成形品3が得られる。ついで、成形品3のフ
ランジ部3aを切り落とし、さらに開口4aを穿設し
て、図1の(d)に示すハーフセル4を得る。
【0022】ついで、図2の(a)に示すように、外周
縁部同士を当接させた3対のハーフセル4を、それらの
開口4a同士を当接させて、圧力容器12内に設置す
る。そして、圧力容器12内を高温(500〜1100℃)
高圧(200〜1000kg/cm2)の状態に維持し、熱間等方圧
力加工(以下、HIP加工とする)を施す。このHIP加
工により、隣接するハーフセル4同士の当接部、すなわ
ち開口4aや外周縁部のNb同士が拡散接合して、複数
のハーフセル4が一体化される。そこで、圧力容器12
から取り出して、図2の(b)に示すように、3連化の
超電導加速空洞6が得られる。
【0023】このようにこの実施例1によれば、火薬7
による爆発成形によりハーフセル4を成形しているの
で、プレス機等の大型でかつ高価な設備を必要とせず、
低コストでハーフセル4を製作することができる。ま
た、瞬時にハーフセル4が製作でき、加工時間の短縮を
図ることができる。さらには、火薬7の爆発圧力11に
より超電導材1がセル型8の型形状に沿った形状に変形
されるので、従来の作製方法のように押し型2によりハ
ーフセル4の内面に傷が付くことがなく、清浄でかつ滑
らかな内面のハーフセル4を製作することができる。
【0024】また、複数個のハーフセル4を並べてHI
P加工により超電導加速空洞6を作製しているので、隣
接するハーフセル4の当接部同士が同時に拡散接合して
一体化され、従来の製作方法のように、ハーフセル4か
らシングルセル5を製作し、さらにシングルセル5から
超電導加速空洞6を製作する必要がなく、製作工程の短
縮化を図ることができる。また、ハーフセル4の当接部
同士が拡散接合して一体化するので、従来の製作方法の
ようにEBWをする必要がなく、裏波の除去のための研
磨作業も必要なく、製作効率を大幅に向上することがで
き、さらに低コスト化を図ることができる。
【0025】また、火薬7による爆発成形によりハーフ
セル4を製作し、さらに複数個のハーフセル4を並べて
HIP加工して超電導加速空洞6を製作しているので、
加速空洞の内面を清浄でかつ滑らかな内面状態に製作で
き、高性能の超電導加速空洞6を製作することができ
る。
【0026】ここで、上記実施例1では、火薬7による
爆発成形によりハーフセル4を製作し、さらに複数個の
ハーフセル4を並べてHIP加工して超電導加速空洞6
を製作するものとして説明しているが、火薬7による爆
発成形によりハーフセル4を製作し、このハーフセル4
を重ね合わせてEBWによりシングルセル5を製作し、
さらにシングルセル5を重ね合わせてEBWにより超電
導加速空洞6を製作するようにしてもよい。この場合、
従来の製作方法に比べ、上述の爆発成形によりハーフセ
ル4を製作することによる効果が得られることはいうま
でもないことである。
【0027】また、同様に、押し型2による液圧成形加
工にて成形したハーフセル4を複数個並べてHIP加工
して超電導加速空洞6を製作するようにしてもよい。こ
の場合、従来の製作方法に比べて、上述のHIP加工に
より超電導加速空洞6を製作することによる効果が得ら
れることはいうまでもないことである。
【0028】実施例2.上記実施例1では、超電導材1
をセル型8に密接させて取り付け、火薬7による爆発成
形によりハーフセル4を製作するものとしているが、こ
の実施例2では、セル型8に排気孔を穿設し、排気孔を
介して超電導材1とセル型8との空間を真空排気し、該
空間を真空状態として爆発成形するものとしている。こ
の実施例2によれば、超電導材1とセル型8との間の空
間が真空状態となっているので、爆発成形する際に超電
導材1の変形が容易となり、火薬7の量を軽減でき、ハ
ーフセル4の成形作業の安全性を向上することができ
る。
【0029】実施例3.図3の(a)〜(e)はそれぞ
れこの発明の実施例3に係る超電導加速空洞のハーフセ
ルの製作方法を示す工程断面図であり、図において13
は鉄材からなる雌形のセル型、14は圧力容器、15は
セル型13を溶解する薬品、16は薬品15を入れる容
器である。なお、薬品15としては、超電導材を溶解せ
ず、セル型13を溶解できるものであればよい。ここで
は、超電導材1としてNbを、セル型13として鉄材
を、それぞれ使用しているので、薬品15としては、塩
酸、硝酸等を用いることができる。
【0030】つぎに、この実施例3による超電導加速空
洞の製作方法について説明する。まず、Nb材を2〜3mm
厚の板状に成形してなる超電導材1を図3の(a)に示
すようにセル型13に密接させて取り付ける。そして、
図3の(b)に示すように、このセル型13を圧力容器
14内に設置し、圧力容器14内を高温(500〜1100
℃)かつ高圧(200〜1000kg/cm2)の状態に維持し、HI
P加工を施す。このHIP加工により、超電導材1はセ
ル型13の型形状に沿って変形し、超電導材1とセル型
13との界面で拡散接合して、セル型13と一体となっ
た成形品3が成形される。ついで、図3の(c)に示す
ように、このセル型13を容器16内の薬品15に浸漬
する。そして、セル型13のみが薬品15に溶解され
て、図3の(d)に示す成型品3が得られる。つぎに、
成形品3のフランジ部3aを切り落とし、さらに開口4
aを穿設して、図3の(e)に示すハーフセル4を得
る。
【0031】このようにして製作された複数個のハーフ
セル4を並べて、上記実施例1と同様に、HIP加工に
より一体化して、超電導加速空洞6を得る。
【0032】このように、この実施例3によれば、超電
導材1をHIP加工によりセル型13の型形状に沿って
変形し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作して
いるので、プレス機等の大型でかつ高価な設備を必要と
せず、低コストでハーフセル4を製作することができ、
従来の製作方法のように押し型2によりハーフセル4の
内面に傷が付くことがなく、清浄でかつ滑らかな内面の
ハーフセル4を製作することができる。さらに、セル型
13の寸法精度を高めることで、セルの寸法精度を確保
することができる。また、超電導材1をHIP加工によ
りセル型13の型形状に沿って変形し、セル型13を溶
解してハーフセル4を製作し、さらに複数個のハーフセ
ル4を並べてHIP加工により超電導加速空洞を製作
ているので、上記実施例1と同様の効果を奏する。
【0033】ここで、上記実施例3では、超電導材1を
HIP加工によりセル型13の型形状に沿って変形し、
セル型13を溶解してハーフセル4を製作し、さらに複
数個のハーフセル4を並べてHIP加工して超電導加速
空洞6を製作するものとして説明しているが、超電導材
1をHIP加工によりセル型13の型形状に沿って変形
し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作し、この
ハーフセル4を重ね合わせてEBWによりシングルセル
5を製作し、さらにシングルセル5を重ね合わせてEB
Wにより超電導加速空洞6を製作するようにしてもよ
い。この場合、従来の製作方法に比べ、上述の超電導材
1をHIP加工によりセル型13の型形状に沿って変形
し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作すること
による効果が得られることはいうまでもないことであ
る。
【0034】実施例4.図4の(a)〜(e)はそれぞ
れこの発明の実施例4に係る超電導加速空洞のハーフセ
ルの製作方法を示す工程断面図であり、図において17
は超電導材1の上に配置された火薬である。
【0035】つぎに、この実施例4による超電導加速空
洞の製作方法について説明する。まず、図4の(a)に
示すように、Nb材を2〜3mm厚の板状に成形してなる超
電導材1をセル型13に密接させて取り付け、さらに超
電導材1の上面に火薬17を配置する。そして、図4の
(b)に示すように、このセル型13を耐圧容器9内に
設置し、火薬7を爆発させる。すると、超電導材1は、
火薬17の爆発圧力11により瞬間的にセル型13に爆
着される。ついで、図4の(c)に示すように、このセ
ル型13を容器16内の薬品15に浸漬する。そして、
セル型13のみが薬品15に溶解されて、図4の(d)
に示す成型品3が得られる。つぎに、成形品3のフラン
ジ部3aを切り落とし、さらに開口4aを穿設して、図
4の(e)に示すハーフセル4を得る。
【0036】このようにして製作された複数個のハーフ
セル4を並べて、上記実施例1と同様に、HIP加工に
より一体化して、超電導加速空洞6を得る。
【0037】このように、この実施例4によれば、超電
導材1を火薬17の爆発圧力11によりセル型13の型
形状に沿って爆着し、セル型13を溶解してハーフセル
4を製作しているので、プレス機等の大型でかつ高価な
設備を必要とせず、低コストでハーフセル4を製作する
ことができ、従来の製作方法のように押し型2によりハ
ーフセル4の内面に傷が付くことがなく、滑らかな内面
のハーフセル4を製作することができる。さらに、セル
型13の寸法精度を高めることで、セルの寸法精度を確
保することができる。また、超電導材1を火薬17の爆
発圧力11によりセル型13の型形状に沿って爆着し、
セル型13を溶解してハーフセル4を製作し、さらに複
数個のハーフセル4を並べてHIP加工により超電導加
速空洞6を製作しているので、上記実施例1と同様の効
果を奏する。
【0038】ここで、上記実施例4では、超電導材1を
火薬17の爆発圧力11によりセル型13の型形状に沿
って爆着し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作
し、さらに複数個のハーフセル4を並べてHIP加工し
て超電導加速空洞6を製作するものとして説明している
が、超電導材1を火薬17の爆発圧力11によりセル型
13の型形状に沿って爆着し、セル型13を溶解してハ
ーフセル4を製作し、このハーフセル4を重ね合わせて
EBWによりシングルセル5を製作し、さらにシングル
セル5を重ね合わせてEBWにより超電導加速空洞6を
製作するようにしてもよい。この場合、従来の製作方法
に比べ、上述の超電導材1を火薬17の爆発圧力11に
よりセル型13の型形状に沿って爆着し、セル型13を
溶解してハーフセル4を製作することによる効果が得ら
れることはいうまでもないことである。
【0039】実施例5.図5の(a)〜(d)はそれぞ
れこの発明の実施例5に係る超電導加速空洞のハーフセ
ルの製作方法を示す工程断面図であり、図において18
真空チャンバ、19は超電導材としてのNbからなる
ターゲット、20は高周波電源である。
【0040】つぎに、この実施例5による超電導加速空
洞の製作方法について説明する。まず、真空チャンバ1
8内にセル型13を設置し、真空チャンバ18内を所定
の真空度まで排気した後、高純度アルゴンガス等の高純
不活性ガスを導入し、所定の真空度に維持する。そし
て、図5の(a)に示すように、高周波電源20により
ターゲット19とセル型13との間に高周波電圧を印加
して、スパッタリングする。そこで、セル型13の表面
にはNbの被膜21が3〜5μm成膜される。この工程を
繰り返し、構造体としての所要厚さまで成膜加工する。
そして、図5の(b)に示すように、このセル型13を
薬品15に浸漬して、セル型13のみを溶解し、図5の
(c)に示す成形品3を得る。その後、成形品3のフラ
ンジ部3aを切り落とし、開口4aを穿設して、図5の
(d)に示すハーフセル4を得る。
【0041】このようにして製作された複数個のハーフ
セル4を並べて、上記実施例1と同様に、HIP加工に
より一体化して、超電導加速空洞6を得る。
【0042】このように、この実施例5によれば、スパ
ッタリングによりセル型13の表面にNbの被膜21を
成膜し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作して
いるので、上記実施例3と同様の効果に加えて、ハーフ
セル4の表面の清浄度を一層高めることができる。
【0043】ここで、上記実施例5では、スパッタリン
グによりセル型13の表面にNbの被膜21を成膜し、
セル型13を溶解してハーフセル4を製作し、さらに複
数個のハーフセル4を並べてHIP加工して超電導加速
空洞6を製作するものとして説明しているが、スパッタ
リングによりセル型13の表面にNbの被膜21を成膜
し、セル型13を溶解してハーフセル4を製作し、ハー
フセル4を重ね合わせてEBWによりシングルセル5を
製作し、さらにシングルセル5を重ね合わせてEBWに
より超電導加速空洞6を製作するようにしてもよい。こ
の場合、従来の製作方法に比べ、スパッタリングにより
セル型13の表面にNbの被膜21を成膜し、セル型1
3を溶解してハーフセル4を製作することによる効果が
得られることはいうまでもないことである。
【0044】また、上記実施例5では、スパッタリング
によりセル型13の表面にNbの被膜21を成膜してい
るが、スパッタリングに限らずNbの被膜21ができれ
ばよく、例えば真空蒸着、イオンプレーティング等で
膜加工してもよい。
【0045】実施例6.図6の(a)〜(d)はそれぞ
れこの発明の実施例6に係る超電導加速空洞のハーフセ
ルの製作方法を示す工程断面図であり、図において22
Nb材を溶融してなる超電導材、23は超電導材22
を流し込む鉄製の鋳造用の雌雄形のセル型である。
【0046】つぎに、この実施例6による超電導加速空
洞の製作方法に付いて説明する。まず、図6の(a)に
示すように、セル型23に超電導材22を流し込む。こ
の時、セル型23は水冷している。そして、超電導材2
2が冷却して固まった後、図6の(b)に示すように、
セル型23を容器16中の薬品15に浸漬し、セル型2
3を溶解し、図6の(c)に示す成形品3を得る。つい
で、成形品3のフランジ部3aを切り落とし、開口4a
を穿設して、図6の(d)に示すハーフセル4を得る。
そして、ハーフセル4を複数個並べて、上記実施例1と
同様に、HIP加工により一体化して、超電導加速空洞
6を得る。
【0047】このように、この実施例6によれば、セル
型23に超電導材22を流し込み、超電導材22が固ま
った後セル型23を溶解して、ハーフセル4を製作して
いるので、上記実施例3と同様の効果を奏するととも
に、超電導材料を一旦融解するため、セル型23雄側
面粗度を上げることにより、ハーフセル4の表面を一
層滑らかにすることができる。
【0048】なお、上記各実施例では、3連化の超電導
加速空洞6を製作する場合について説明しているが、3
連化の超電導加速空洞に限らず、5連化の超電導加速空
洞にあるいは10連化の超電導加速空洞に適用しても、
同様の効果を奏する。
【0049】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0050】この発明の第1の発明によれば、板状の超
電導材を雌形のセル型に取り付け、火薬の爆発圧力によ
り超電導材をセル型の型形状に沿って成形し、さらに超
電導材の成形品に開口を穿設してハーフセルを形成し、
その後ハーフセルを複数個連結するようにしたので、大
型の設備を必要とせずに、瞬時に、滑らかな表面状態
のハーフセルが製作でき、低コストで、高性能の超電導
加速空洞を製作することができる。
【0051】また、この発明の第2の発明によれば、板
状の超電導材を雌形のセル型に取り付け、熱間等方加圧
加工により超電導材をセル型の型形状に沿ってセル型に
拡散接合させ、ついでセル型を溶解して超電導材の成形
品を形成し、さらに成形品に開口を穿設してハーフセル
を形成し、その後ハーフセルを複数個連結するようにし
たので、大型の設備を必要とせずに、滑らかな表面状
態のハーフセルが製作でき、低コストで、高性能の超電
導加速空洞を製作することができる。
【0052】また、この発明の第3の発明によれば、板
状の超電導材を雌形のセル型に取り付け、超電導材の上
面に火薬を配置し、火薬を爆発させて超電導材をセル型
の型形状に沿ってセル型に爆着し、ついでセル型を溶解
して超電導材の成形品を形成し、さらに超電導材の成形
品に開口を穿設してハーフセルを形成し、その後ハーフ
セルを複数個連結するようにしたので、上記第2の発明
と同様の効果を奏する。
【0053】また、この発明の第4の発明によれば、
形のセル型の表面に超電導材の被膜を成膜し、ついでセ
ル型を溶解して超電導材の成形品を形成し、さらに成形
品に開口を穿設してハーフセルを形成し、その後ハーフ
セルを複数個連結するようにしたので、上記第2の発明
と同様の効果を奏する。
【0054】また、この発明の第5の発明によれば、
雄形のセル型に溶融状態の超電導材を流し込み、超電導
材が固まった後、セル型を溶解して超電導材の成形品を
形成し、さらに超電導材の成形品に開口を穿設してハー
フセルを形成し、その後ハーフセルを複数個連結するよ
うにしたので、上記第2の発明と同様の効果を奏する。
【0055】また、この発明の第6の発明によれば、ハ
ーフセルを複数個並べて、熱間等方加圧加工により隣接
するハーフセル同士を拡散接合して、ハーフセルを複数
個連結するようにしたので、ハーフセル間の連結にEB
Wを用いる必要がなく、裏波の除去のための研磨作業を
省略でき、かつ、複数個のハーフセルの連結を同時に行
うことができ、工数の簡略化が図られ、超電導加速空洞
を簡易に、低コストで、かつ、高製作効率で製作するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1に係る超電導加速空洞の
ハーフセルの製作方法を示す工程断面図である。
【図2】 この発明の実施例1に係る超電導加速空洞の
製作方法を示す工程断面図である。
【図3】 この発明の実施例3に係る超電導加速空洞の
ハーフセルの製作方法を示す工程断面図である。
【図4】 この発明の実施例4に係る超電導加速空洞の
ハーフセルの製作方法を示す工程断面図である。
【図5】 この発明の実施例5に係る超電導加速空洞の
ハーフセルの製作方法を示す工程断面図である。
【図6】 この発明の実施例6に係る超電導加速空洞の
ハーフセルの製作方法を示す工程断面図である。
【図7】 従来の超電導加速空洞の製作方法の一例を示
す工程断面図である。
【符号の説明】 1 超電導材、3 成形品、4 ハーフセル、4a 開
口、6 超電導加速空洞、7 火薬、8 雌形のセル
型、13 雌形のセル型、17 火薬、22 超電導
材、23 雌雄形のセル型。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の超電導材をセル型に取り付け、火
    薬の爆発圧力により前記超電導材を前記セル型の型形状
    に沿って成形し、さらに前記超電導材の成形品に開口を
    穿設してハーフセルを形成し、その後前記ハーフセルを
    複数個連結するようにしたことを特徴とする超電導加速
    空洞の製作方法。
  2. 【請求項2】 板状の超電導材をセル型に取り付け、熱
    間等方加圧加工により前記超電導材を前記セル型の型形
    状に沿って前記セル型に拡散接合させ、ついで前記セル
    型を溶解して前記超電導材の成形品を形成し、さらに前
    記成形品に開口を穿設してハーフセルを形成し、その後
    前記ハーフセルを複数個連結するようにしたことを特徴
    とする超電導加速空洞の製作方法。
  3. 【請求項3】 板状の超電導材をセル型に取り付け、前
    記超電導材の上面に火薬を配置し、前記火薬を爆発させ
    て前記超電導材を前記セル型の型形状に沿って前記セル
    型に爆着し、ついで前記セル型を溶解して前記超電導材
    の成形品を形成し、さらに前記超電導材の成形品に開口
    を穿設してハーフセルを形成し、その後前記ハーフセル
    を複数個連結するようにしたことを特徴とする超電導加
    速空洞の製作方法。
  4. 【請求項4】 セル型の表面に超電導材の被膜を成膜
    し、ついで前記セル型を溶解して前記超電導材の成形品
    を形成し、さらに前記成形品に開口を穿設してハーフセ
    ルを形成し、その後前記ハーフセルを複数個連結するよ
    うにしたことを特徴とする超電導加速空洞の製作方法。
  5. 【請求項5】 セル型に溶融状態の超電導材を流し込
    み、前記超電導材が固まった後、前記セル型を溶解して
    前記超電導材の成形品を形成し、さらに前記超電導材の
    成形品に開口を穿設してハーフセルを形成し、その後前
    記ハーフセルを複数個連結するようにしたことを特徴と
    する超電導加速空洞の製作方法。
  6. 【請求項6】 ハーフセルを複数個並べて、熱間等方加
    圧加工により隣接する前記ハーフセル同士を拡散接合し
    て、前記ハーフセルを複数個連結するようにしたことを
    特徴とする超電導加速空洞の製作方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109590371A (zh) * 2018-12-21 2019-04-09 中南大学 一种大型板材的电磁-电爆-准静态冲压复合成形装置和方法

Cited By (2)

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CN109590371A (zh) * 2018-12-21 2019-04-09 中南大学 一种大型板材的电磁-电爆-准静态冲压复合成形装置和方法
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