JPH07121957B2 - リポペプチド誘導体 - Google Patents

リポペプチド誘導体

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JPH07121957B2
JPH07121957B2 JP3054789A JP5478991A JPH07121957B2 JP H07121957 B2 JPH07121957 B2 JP H07121957B2 JP 3054789 A JP3054789 A JP 3054789A JP 5478991 A JP5478991 A JP 5478991A JP H07121957 B2 JPH07121957 B2 JP H07121957B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/50Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link
    • C07K7/54Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link with at least one abnormal peptide link in the ring
    • C07K7/56Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link with at least one abnormal peptide link in the ring the cyclisation not occurring through 2,4-diamino-butanoic acid
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents
    • A61P33/02Antiprotozoals, e.g. for leishmaniasis, trichomoniasis, toxoplasmosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は下記式を有する化合物に関する:
【化3】
【0002】この及びその後の式において、Rは中性pH
で荷電基を有するアシル、ホスフォノ又はスルホ基であ
る;R′はC5−C23 アルキル、C5−C23 アルケニル、C5
−C23 アルキニル又はアリールである;U、V及びWは
各々独立してH又はOHであって、(1) U、V及びWが
すべてOHである;(2) U及びWがHで、VがOHであ
る;(3) U及びVがHで、WがOHである;(4) UがH
で、V及びWがOHである場合から選択される。
【0003】アルキル、アルケニル及びアルキニル基は
直鎖でも又は分岐鎖であってもよい。アルケニル又はア
ルキニルである場合、1〜3の不飽和基が存在していて
もよい。トリデシル、ペンダデシル、8,11−ヘプタ
デカジエニル、7−ペンタデセニル、10−ヘプタデセ
ニル、9,11−ジメチルトリデシル等のようなC13
C17 基が特に好ましい。
【0004】“アリール”という表現は好ましくはフェ
ニル又は置換フェニルを意味する。置換基はアルキル、
アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノであっ
てよい。アルキルの炭素数は1〜10である。好ましい
置換アリールは
【化4】 (上記式中YはCH2 、S、O又はNHである;QはC6
C10 アルキルである)で表される。この基の好ましいも
のは、YがOでQがC8H17 である基である。
【0005】“中性pHで荷電基を有するアシル、ホスフ
ォノ又はスルホ基”としては、酸からの陰イオン又はア
ミン塩基の陽イオン形であって、更に下記のように定義
されるものがある: (1) PO3AH(AはH、C1−C6アルキル、フェニル又は置換
フェニルであって、その置換基はアルキル、アルキルオ
キシ、アルキルチオ又はアルキルアミノである)又はそ
の陽イオン; (2) SO3H又はその陽イオン;すなわち、上記(1) 及び
(2) の定義には、
【化5】 およびこれらの塩が含まれてよい; (3) COC n H2n CO2H(nは1〜6である)又はその陽イ
オン塩; (4) CONAC n H2n CO2H(Aは(1) と同義である;nは1
〜6である)又はその陽イオン塩; (5) COOC n H2n CO2H(nは1〜6である)又はその陽イ
オン塩; (6) CONA(CHB)CO2H(Aは(1) と同義である;Bはアミノ
酸残基である)又はその陽イオン塩; (7) COCHBNR1R2(Bはアミノ酸残基である;R1 及びR
2 は各々独立してH、C1 −C6アルキル又はフェニルであ
る)又はその酸付加塩; (8) CONAC n H2n NR1R2(Aは(1) と同義である;R1
びR2 は各々独立して(7) と同義である;nは2〜6で
ある)又はその酸付加塩; (9) COOCn H2n NR1R2(R1 及びR2 は各々独立して(7)
と同義である;nは2〜6である)又はその酸付加塩; (10) COCn H2n NR1R2(R1 及びR2 は各々独立して(7)
と同義である;nは1〜6である)又はその酸付加塩で
ある;及び (11) COX(Xは脱離基である)。
【0006】Rに関して好ましい基は
【化6】 又はその陽イオン塩である。
【0007】上記(1) 〜(6) における“陽イオン塩”と
は、Li、K、Mg、Na、Ca、(C1−C4 アルキル)アンモニ
ウムの塩を意味する。
【0008】“酸付加塩”とは、塩酸塩、臭化水素酸
塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、コ
ハク酸塩等のような薬学上許容される塩を意味する。
【0009】“中性pH”とはpH6〜8を意味する。
【0010】下記化合物に関して、語句“化合物”に続
く表記“A”とは式(A)の化合物に関し、表記
“1”、“2”、“3”及び“4”とは核を示す。この
ため、“化合物A−1”はU、V及びWがすべてヒドロ
キシである化合物;“化合物A−2”はU及びWがH
で、VがOHである化合物;“化合物A−3”はU及び
VがHが、WがOHである化合物;“化合物A−4”は
UがHで、V及びWがOHである化合物に関する。R′
及びRは数表示に続く基名で表される。
【0011】好ましい化合物は、(1) U及びWが共にO
H及び(2)U及びWが共にHであり、R′が9,11−
ジメチルトリデシル(DMTD)及びRがホスフェート
(Phos) であって、各々下記式A−1a及びA−2aで
表される化合物である。A-1a(=A-1-DMTD-Phos)及びA-2a
(=A-2-DMTD-Phos)
【0012】本化合物は(1) 化合物A-1(DMTD-Phos)及び
(2) 化合物A-2(DMTD-Phos)とも同一である。
【化7】
【化8】
【0013】本発明の化合物は抗真菌及び抗原生動物活
性を有する。抗真菌剤として、それらは糸状菌及び酵母
双方のコントロールに有用である。コトロールされる糸
状菌としては、アスペルギラス・フラバス(Aspergillu
s flavus) 、アスペルギラス・フミガタス(Aspergillu
sfumigatus)のようなアスペルギラス種、ニューロスポ
ラ(Neurospora) 種、フサリウム(Fusarium) 種、アル
ターナリア(Alternaria) 種及びコクリオボラス・ミヤ
ベアナス(Cochliobolus miyabeanus)等がある。それら
は真菌感染、特にC.アルビカンス(C. albicans)、C.パ
ラプシロシス(C. parapsilosis)等のようなカンジダ
(Candida)生物で引き起こされる感染の治療にも有用で
ある。抗原生動物剤として、それらはエンタモエバ・ヒ
ストリチカ(Entamoeb histolytica) のようなアメーバ
症又はプラスモジウム(Plasmodium) 種のようなマラリ
アを引き起こす生物あるいはトリパノソマ(Trypanosom
a)種、トキソプラズマ(Toxaplasma) 種、クリプトスポ
リジア(Cryptosporidia) 等のような他の生物のコント
ロールにも有用である。それらは免疫無防備患者が特に
かかりやすいニューモシスティス・カリニイ(Pneumocy
stis carinii) 感染の予防又は治療にとって特に有用で
ある。
【0014】通常白色又は淡い固体物である本発明の化
合物は、抗生物質リポペプチドの誘導体である。親化合
物と異なり、本化合物は水及び水性媒体中で良好な溶解
性を有している。この性質は、多数の適応症において本
発明の化合物を親化合物よりも治療剤として更に有用な
ものにしている。このため、それらは注射用組成物で更
に容易に用いられるよう適合しうる。しかも本化合物は
長い作用期間を有する。
【0015】本発明の化合物は、フェノール性ヒドロキ
シルでアシル化してエチレン結合を形成させることによ
り、式(Z)を有するリポペプチドから製造できる。式
Zを有するリポペプチドは、後記のように得られる半合
成又は天然リポペプチドである。全結果は下記式で表さ
れる:
【化9】
【0016】リポペプチド出発物質に関する個別的核は
下記式でみられる: (1) U、V及びWはOHである;
【化10】
【0017】 (2) U及びWはHで、VはOHである;
【化11】
【0018】 (3) U及びVはHで、WはOHである;
【化12】
【0019】 (4) UはHで、V及びWはOHである;
【化13】
【0020】アシル基はアシル化終了後にイオン化しう
る基を有していなければならないため、イオン化しうる
基は好ましくはアシル化時に保護されて、保護基はアシ
ル化終了後に除去される。更にUがヒドロキシル、例え
ば式Z−1である場合、それもアシル化時に保護してよ
い。このため、本発明の所望生成物の製造では少なくと
も1回の保護/脱保護を要する。
【0021】式(Z)におけるUが式Z−2、Z−3又
はZ−4のように水素である場合、化合物は直接アシル
化してもよい。式ZにおけるUが核Z−1のようにヒド
ロキシルである場合、オーステップは下記式に従いエー
テルを形成させる化合物のエーテル化である:
【化14】
【化15】
【0022】BOHが好都合なベンジルアルコールであ
るが、p−メトキシベンジルアルコール及び2,2,2
−トリクロロエタノールのような他のエーテル形成及び
易開裂性アルコールも用いてよい。
【0023】エーテル形成は、溶媒中でリポペプチドの
溶液又は分散液にベンジルアルコール及びp−トルエン
スルホン酸を加えて室温で約16〜26時間撹拌するこ
とにより行われる。次いで、揮発性物質が減圧除去さ
れ、エーテル生成物中間体が残渣として得られる。後者
はプレパラティブ高性能液体クロマトグラフィー(HP
LC)で精製してもよい。得られたベンジルエーテルも
アシル化で用いてよい。
【0024】次いでZ−1リポペプチド又はZ−2、Z
−3もしくはZ−4リポペプチドのベンジルエーテルが
アシル化される。アシル化は、最初に窒素雰囲気下室温
で撹拌しながらヘキサメチルジシラジドリチウム〔アル
ドリッチ(Aldrich)〕の1Mヘキサン溶液を適切なリポ
ペプチド又はリポペプチドのベンジルエーテルのピリジ
ン溶液に滴下することにより行われ、得られた混合物は
10〜15分間撹拌される。次いでRXの溶液が迅速に
加えられ、得られた混合物が15〜60分間撹拌され
て、リポペプチド又はリポペプチドのベンジルエーテル
のRエステルを得る。次いで揮発性物質が減圧除去さ
れ、残渣として粗製エステルを得る。次いで後者は溶出
液として H2O/CH3CN を用いプレパラティブ高性能液体
クロマトグラフィー(HPLC)で精製される。望まし
い保持時間を有する溶出分画が凍結乾燥され、所望の中
間エステルを得る。
【0025】RXは、R及びXに関する前記定義を用い
た式に包含されるものであればいかなる化合物であって
もよい。
【0026】リポペプチドの好ましい誘導体はリン酸エ
ステルである。エステルがリン酸エステルである場合、
好ましいエステル化中間体はジベンジルリン酸エステル
である。ジベンジルリン酸エステルはピリジン中テトラ
ベンジルピロホスフェートの溶液をリポペプチド又はリ
ポペプチドのベンジルエーテルとヘキサメチルジシラジ
ドリチウムとの撹拌混合物に加えることにより製造さ
れ、リポペプチドのジベンジルリン酸エステルを得る。
【0027】エステルの酸又は塩酸は、リポペプチドの
ジベンジルリン酸エステル又はリポペプチドのベンジル
エーテルの低圧水素添加分解によって得られる。水素添
加分解でリン酸エステルのベンジル及びベンジルエーテ
ルのベンジルは双方とも開裂され、リポペプチドのリン
酸エステルを得る。
【0028】最終エステルをその水溶性塩として得るこ
とが望まれる場合、水素添加分解は穏やかなアルカリ性
条件下で行われ、所望生成物はその塩として回収され
る。遊離酸は制御的酸性化で得られる。
【0029】水素添加分解を行う1つの好ましい方法に
おいて、水性エタノール中ジベンジルホスフェートの溶
液は1気圧下Pd−C触媒で10〜20時間水素添加さ
れ、リン酸エステルのベンジル基が除去されて、化合物
Iを酸として得る。出発リポペプチドがベンジルエーテ
ルである場合には、エーテルのベンジルも除去される。
最終エステルの生成物を酸の塩として得ることが望まれ
る場合には、水素添加分解媒体は炭酸水素アルカリ金属
でややアルカリ性化され、塩が直接回収され、一方、遊
離酸は水素添加分解で回収して、しかる後当業界で公知
の方法により塩に変換してもよい。
【0030】Rがスルホン酸エステル又はカルボン酸エ
ステルである場合、反応はリン酸エステルに関して記載
された場合と同様の方法で行ってよい。Rは、中性pHの
荷電基が好ましくはフェノール性ヒドロキシルでエステ
ル化されたアミノ酸のアミノ基から形成されたアンモニ
ウム基である場合の基であってもよい。
【0031】ある場合において、好ましいRは具体例
(2)で記載されるような硫酸エステルであってもよ
い。これらの場合において、硫酸エステルはピリジン中
リポペプチド又はリポペプチドベンジルエーテルの三酸
化イオウピリジン錯体での処理により直接製造され、ピ
リジニウム硫酸エステルを得る。遊離酸が望まれる場
合、それは塩酸のような強酸での酸性化しかる後固定相
として“ゾルバックス”(Zorbax) C8逆相HPLCカ
ラムを用いる精製によって得られる。リポペプチドベン
ジルエーテルが用いられる場合には、ベンジルエーテル
も前記のように水素添加分解で除去される。
【0032】RXがカルボン酸誘導体である場合、アシ
ル化にとって好ましい試薬はカルボン酸クロリド及び無
水物である。初期荷電基は、それがカルボン酸塩である
場合、好ましくはアシル化反応中にベンジルエステル又
は2,2,2−トリクロロエチルエステルもしくはアリ
ルエステルのような他の易除去性エステルとして保護し
てもよい。初期荷電基がアンモニウム種である場合、ア
ミンは好都合にはアシル化操作中にそのベンジルオキシ
カルボニル誘導体として保護される。アンモニウム基に
関する他の保護基としては、t−ブトキシカルボニル、
2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル又は当業者
に周知の他の保護基がある。このため、1つの好ましい
エステル化において、触媒として4−ジメチルアミノピ
リジンを含有したピリジン中でリポペプチド又はリポペ
プチドベンシルエーテルはカルボン酸の対称無水物で処
理され、カルボン酸エステルを得る。好ましくは、荷電
基が酸である場合にはベンジルエステルの水素添加分解
又は荷電基がアミンである場合にはベンジルオキシカル
ボニル基の水素添加分解による脱保護で、カルボン酸又
はアミンを各々放出する。荷電基が酸である場合、水素
添加分解は穏やかなアルカリ性条件下で行い、水溶性塩
を直接得てもよい。逆に荷電基がアミン塩基である場合
には、水素添加分解は穏やかな酸性条件下で行って、水
溶性アンモニウム塩を直接得てもよい。
【0033】前記具体例(4)、(6)及び(8)のよ
うな或る場合において、エステル結合はカルバメートの
一部を形成する。前記具体例(1)で定義されるAが水
素である場合、アシル化にとって好ましい試薬はイソシ
アネートである。初期荷電基は、それがカルボン酸塩で
ある場合、好ましくはアシル化反応中にベンジルエステ
ル又は2,2,2−トリクロロエチルエステルもしくは
アリルエステルのような他の易除去性エステルとして保
護してもよい。初期荷電基がアンモニウム種である場
合、アミンは好都合にはアミル化操作中にそのベンジル
オキシカルボニル誘導体として保護される。アンモニウ
ム基に関する他の保護基としては、t−ブトキシカルボ
ニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル又は
当業者に周知の他の保護基がある。このため好ましいエ
ステル化において、リポペプチド又はリポペプチドベン
ジルエーテルは4−ジメチルアミノピリジン含有ピリジ
ン中においてイソシアネートで処理され、カルバメート
を得る。次いで脱保護が好ましい場合において前記のよ
うに水素添加分解により行われ、荷電基を放出する。A
が前記具体例(1)で定義されるように水素以外である
場合には、異なる操作が用いられねばならない。これら
の場合において、好ましい方法では反応性カーボネート
の初期形成を要する。このため4−ジメチルアミノピリ
ジン含有ピリジン中リポペプチド又はリポペプチドベン
ジルエーテルの溶液がp−ニトロフェニルクロロホルメ
ートで処理され、こうして混合物p−ニトロフェニルカ
ーボネートが製造される。別のステップで、p−ニトロ
フェニルカーボネートが所望のカルバメートに変換され
る。二級アミンによるジメチルホルムアミド中p−ニト
ロフェニルカルーボネートの処理で保護カルバメートを
得る。次いで脱保護が荷電基を放出させるため好ましい
場合において前記のように水素添加分解で行われ、Aが
水素以外である前記具体例(4)、(6)及び(8)で
記載された化合物を得る。
【0034】前記具体例(5)及び(9)で記載される
ような化合物が望まれる場合、エステル結合はカーボネ
ートの一部を形成する。これらの場合において、アシル
化にとり好ましい試薬はクロロホルメートである。初期
電荷基は、それがカルボン酸塩である場合、好ましくは
アシル化反応中にベンジルエステルまたは2,2,2−
トリクロロエチルエステルもしくはアリルエステルのよ
うな他の易除去性エステルとして保護してもよい。初期
荷電基がアンモニウム種である場合、アミンは好都合に
はアシル化操作中にそのベンジルオキシカルボニル誘導
体として保護される。アンモニウム基に関する他の保護
基としては、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニル又は当業者に周知の他の保
護基がある。このため好ましいエステル化において、リ
ポペプチド又はリポペプチドベンジルエーテルは4−ジ
メチルアミノピリジン含有ピリジン中においてクロロホ
ルメートで処理され、カーボネートを得る。次いで脱保
護が好ましい場合において前記のような水素添加分解で
行われ、荷電基を放出する。
【0035】本発明の化合物は、ニューモシスティス・
カリニイ感染を抑制又は緩解する上で有用である。この
ような用途において、化合物I又は化合物I含有組成物
はニューモシスティス・カリニイに感染した又は感染し
やすい主体に治療有効又は阻害量で投与される。
【0036】治療又は抗感染目的に関する本発明の化合
物の効力は、免疫抑制ラットによる研究で実証される。
【0037】代表的研究で、化合物A−1aの有効性が
調べられた。スプラグ−ドーリー(Sprague-Dawley) ラ
ット(体重約250g)が飲料水中のデキサゾン(2.0
mg/リットル)で免疫抑制され、潜伏感染からニューモ
システィス肺炎への進行を誘導するため5週間にわたり
低タンパク食で維持された。薬物処置前に、ラット2匹
がニューモシスティス・カリニイ肺炎(PCP)の存在
について確認するため殺されたが、双方のラットとも感
染していることがわかった。ラット6匹(体重約150
g)に尾血管からビヒクル(蒸留水)0.25ml中化合物
A−1aで4日間にわたり1日2回静脈内(I.V.) 注射
された。ビヒクルコントロールも行われた。すべての動
物は処置期間中において飲料水内のデキサゾン及び低タ
ンパク質食を摂取し続けた。処置終了後、すべての動物
が殺され、肺が摘出かつ処理され、疾患の程度が染色ス
ライドの顕微鏡分析で調べられた。この研究結果は、化
合物A−1aが4日間でP.カリニイ嚢胞を消失させるの
に約0.6mg/kgのED90で有効であることを示した。
【0038】ラットに4日間で1日2回腹腔内(I.P.)
注射されたこと以外は同様の実験で、動物が殺され、肺
が摘出かつ処理され、疾患の程度が染色スライドの顕微
鏡分析で調べられた。その結果では、化合物A−2aが
4日間でP.カリニイUL嚢胞を消失させるのに約0.6mg
/kgのED90で有効であることを示した。
【0039】本発明の化合物は多数の真菌、特にカンジ
ダ種に対して活性である。抗真菌性は、1%デキストロ
ース含有酵母窒素基体〔ジフコ(Difco)〕培地(YNB
D)で行われるマイクロブロス希釈アッセイにおいてあ
るカンジダ生物に対する最少殺真菌濃度(MFC)測定
から示される。そのアッセイを行う場合、化合物A−1
a及びA−2aは10%ジメチルスルホキシド(DMS
O)に溶解され、2560μg/mlに希釈された。次い
で化合物はYNBDで256μg/mlに希釈された。懸
濁液0.15mlが96ウェルプレートの最上列に分配され
(各ウェルはYNDB0.15mlを含有している)、12
8μg/mlの薬物濃度とされる。次いで2倍希釈が最上
列から行われ、128〜0.06μg/mlの最終薬物濃度
を得た。
【0040】サブローデキストロース寒天上で維持され
た酵母培養物はYMブロス(ジブコ)に移され、振盪
(250rpm)下35℃で一夜インキュベートされた。イ
ンキュベート後、各培養物は滅菌水で希釈され、1〜5
×106 コロニー形成単位(CFU)/mlの最終濃度を
得た。
【0041】96ウェルマイクロプレートが1.5μl/
ウェルを放出するMIC−2000〔ダイナテック(Dy
natech) 〕を用いて接種され、い1.5〜7.5×103
胞の最終接種原/ウェルとした。マイクロプレートは3
5℃で24時間インキュベートされた。最少阻害濃度
(MIC)は、可視的な増殖を示さない最少薬物濃度と
して記録された。
【0042】MICを記録した後、プレートは細胞を懸
濁するために振盪された。しかる後、96ウェルマイク
ロプレートの各ウェルからサンプル1.5μlがサブロー
デキストロース寒天含有単一ウェルトレーに移された。
接種されたトレーは28℃で24時間インキュベートさ
れ、しかる後読取られた。MFCは増殖を示さない又は
4未満のコロニー/スポットを示す最少薬物濃度として
定義される。結果は下記表でみられる:
【0043】顕著な性質は、本化合物が慣用的医薬配合
技術に従い薬学上許容されるキャリアと共に新規医薬組
成物に処方された場合に最も効果的に利用される。
【0044】新規組成物は少なくとも治療抗真菌又は抗
ニューモシスティス量の活性化合物を含有している。通
常、本組成物は少なくとも1重量%の化合物A又は諸成
分の1つを含有している。使用前希釈に適した濃度組成
物は90重量%以上含有していてもよい。本組成物とし
ては、直腸、局所、非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を
含む)、経肺(経鼻又は経口腔吸入)、経鼻投与又は通
気に適した組成物がある。本組成物は、化合物Aを望ま
しい媒体に適した成分と完全に混合することで前パック
化してもよい。
【0045】本化合物が抗真菌用である場合には、いか
なる投与方法が用いられてもよい。真菌感染を治療する
ためには、経口投与がしばしば好ましい。経口投与が用
いられる場合、それは液体組成物でも又は固体組成物と
してでもよい。液体製剤の場合、治療剤は水、グリコー
ル、油、アルコール等のような液体キャリアで処方さ
れ、カプセル及び錠剤のような固体製剤の場合には、通
常ステアリン酸カルシウムのような滑沢剤、結合剤、崩
壊剤共に、デンプン、糖、カオリン、エチルセルロー
ス、炭酸カルシウム及びナトリウム、リン酸カルシウ
ム、タルク、ラクトースのような固体キャリアで処方さ
れる。それらの投与容易性のために、錠剤及びカプセル
が最も有利な経口剤形を代表する。投与容易性及び投与
量均一性のため(後記のように)単位剤形で組成物を処
方することが特に有利である。単位剤形の組成物は本発
明の一面を構成する。
【0046】化合物Aは静脈内又は腹腔内注射用の治療
組成物として処方してもよく、必要であれば添加保存剤
と共にアンプル又は多用量容器中で単位剤形をして供与
される。本組成物は水中0.85%塩化ナトリウム又は
5%デキストロースのような油性又は水性ビヒクル中で
懸濁液、溶液又は乳濁液のような形をとることもでき、
懸濁、安定及び/又は分散剤のような処方剤を含有して
いてもよい。緩衝剤並びに塩水又はグルコースのような
緩和剤も溶液を等張させるために加えてよい。薬物は点
滴静脈内投与のためアルコール/プロピレングリコール
又はポリエチレングリコールに溶解してもよい。一方、
活性成分は投与前に適切なビヒクルで再調製される粉末
形でもよい。
【0047】本明細書及び請求の範囲で用いられる用語
“単位剤形”とは物理低に別個の単位に関し、各単位は
望ましい治療効果を生じるように計算された既定量の活
性成分を製剤キャリアと共に含有している。このような
単位剤形の例は錠剤、カプセル、ピル、粉末包、カシェ
剤、アンプル又は多用量容器中で測定された単位等であ
る。本発明の単位剤形は通常本化合物の1種100〜2
00mgを含有している。
【0048】本化合物がニューモシスティス感染のコン
トロールに用いられる場合には、肺及び気管支を直接治
療することが望ましい。この理由から、吸収法が好まし
い。吸入投与の場合、本発明の化合物は好都合にはネブ
ライザーの加圧パックからエアゾールスプレー放出の形
で供与される。吸入に関して好ましいデリバリー系は計
測用量吸入(MDI)エアゾールであり、これはフッ化
炭素又は炭化水素のような適切な噴射剤中における化合
物Aの懸濁液又は溶液として処方される。
【0049】本発明の化合物は錠剤、カプセル、局所用
組成物、通気用粉末、坐剤等として用いられるが、親リ
ポペプチドを越えた本発明の誘導体の利点はそれらの水
溶性の点である。このため、本発明の化合物は注射用処
方剤及びエアゾールスプレーに適した液体組成物として
最も効果的に用いられる。
【0050】化合物Aは広域スペクトルの酵母及び糸状
菌(カビ)に対して用いてもよい。非医学的分野におい
て、本発明の生成物は微細乾燥又は液体希釈剤、増量
剤、フィラー、コンディショナー及び賦形剤、例えば様
々なクレー、ケイソウ土、タルク等、低級アルカノー
ル、例えばエタノール及びイソプロパノールのような様
々な有機液体、ケロセン、ベンゼン、トルエン及び他の
石油蒸留分画又はそれらの混合物を含めた不活性キャリ
アと共に組成物で用いられる。しかしながら、医学的分
野の場合のように、本化合物は水性組成物として最も用
いられる。
【0051】下記実施例は本発明を説明するものであっ
て、制限として解釈されるべきではない。
【0052】
【実施例1】1−〔4,5−ジヒドロキシ−N2 −(1
0,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オルニ
チン〕−4−〔3,4−ジヒドロキシ−4′−O−ホス
ホリルホモチロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタミ
ン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカンジン
B二ナトリウム塩(I)
【化16】
【0053】パートA:ベンジルエーテル 1−〔4−ヒドロキシ−5−ベンジルオキシ−N2
(10,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オ
ルニチン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−
〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカンジンB(Ia)
【化17】 1−〔4,5−ジヒドロキシ−N2 −(10,12−ジ
メチル−1−オキソテトラデシル)オルニチン〕−5−
〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−〔3−ヒドロキシ
プロリン〕エキノカンジンB(化合物Z−1(DMT
D))350mgをテトラヒドロフラン7mlに懸濁し、懸
濁液にベンジルアルコール0.68ml及びp−トルエンス
ルホン酸7mgを加えた。混合物は不均一のままで、ジメ
チルホルムアミド3mlを加え、得られた溶液を室温で2
4時間撹拌した。この期間の終了後に揮発性物質を減圧
除去して残渣を得、プレパラティブHPLC〔21.2×
250mmC8“ゾルバックス”(Zorbax)(デュポン) 〕
により水/アセトニトリル(40/60)で10ml/mi
n にて溶出させ15ml分画を集めて精製した。適切な分
画(210nmでUVにより測定される)を合わせ、凍結
乾燥させ、白色粉末としてベンジルエーテル中間体(I
a)90mg(収率20%)を得た。
【0054】パートB:ジベンジルリン酸エステル 1−〔4−ヒドロキシ−5−ベンジルオキシ−N2
(10,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オ
ルニチン〕−4−〔3,4−ジヒドロキシ−4′−O,
O−ジベンジルホスホリルホモチロシン〕−5−〔3−
ヒドロキシグルタミン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリ
ン〕エキノカンジンB(Ib)
【化18】 Z−1(DMTD)のベンジルエーテル(式Ia)88
mg(0.076mmol)を窒素雰囲気下で乾燥ピリジン1.5
mlに溶解した。ヘキサメチルジシラジドリチウム(アル
ドリッチ)の1Mヘキサン溶液152μl(0.152mm
ol)を滴下し、室温で10分間撹拌した。次いでピリジ
ン0.5ml中テトラベンジルピロホスフェート49mg(0.
0912mmol)の溶液を迅速に加え、得られた溶液を1
5分間撹拌した。次いで揮発性物質を減圧除去して、残
渣を得た。残渣をプレパラティブHPLC(9.4×25
0mmC8“ゾルバックズ)により水/アセトニトリル
(35/65)で溶出させ4.5ml分画を集めて精製し
た。適切な分画(210nmでUVにより測定される)を
凍結乾燥し、白色粉末として所望のジベンジルリン酸中
間体(Ib)65mgを得た。
【0055】パートC:ナトリウム塩リン酸エステルの
製造(ジベンジルホスフェートの水素添加分解)前記で
得た中間体(Ib)62mg(0.0438mmol)を水/エ
タノール(1:1)6mlに溶解し、それに蒸留水中炭酸
水素ナトリウム7.4mg(0.0875mmol)の溶液を加え
た。次いで10%Pd−C60mgを加え、混合物を水素1
気圧下室温で7時間撹拌した。次いで混合物を0.2μフ
ィルターで濾過し、1:1エタノール/水で洗浄し、ロ
ータリーエバポレーターで濃縮した。残渣を凍結乾燥
し、白色固体物として生成物を得た。
【0056】
【実施例1A】1−〔4,5−ジヒドロキシ−N2
(10,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オ
ルニチン〕−4−〔3,4−ジヒドロキシ−4′−O−
ホスホリルホモチロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグル
タミン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカン
ジンB二ナトリウム塩同様の一連の反応を大規模に行っ
た。 (A)最初、出発リポペプチド(Z−1(DMTD))
4000mgをテトラヒドロフラン84mlに懸濁し、懸濁
液にベンジルアルコール8ml及びp−トルエンスルホン
酸84mgを加え、一緒に撹拌して、下記性質のベンジル
エーテルを得た:1H−NMR (300 MHz, CD3OD) :δ7.3(m,
5H)、7.14(d, J=9Hz, 2H)、6.75(d, J=9Hz, 2H)、5.25
(d, J=2Hz, 1H)質量スペクトル(FAB) : 1155 (M+1) (B)次いで、前記で得たベンジルエーテル460mg
(0.398mmol)、1Mヘキサメチルジシラジドリチウ
ム0.557ml(0.557mmol)及びテトラベンジルピロ
ホスフェート236mg(0.438mmol)からジベンジル
リン酸エステル中間体を得たが、これは精製後に250
mgであった。スペクトルは下記のとおりであった:1H−
NMR (300 MHz, CD3OD) :δ7.4-7.2(m, 17H) 、7.13(d,
J=9Hz, 2H)、5.26(d, J=3Hz, 1H)、5.13(d,J=9Hz, 4H)
質量スペクトル(FAB) : 1415 (M+1) (C)前記で得たエステル(250mg)を蒸留水5ml中
炭酸水素ナトリウム30mgの水溶液中において1気圧で
7時間かけ10%Pd−C200mgで還元してリン酸ナト
リウム生成物を得たが、これは精製後に40mg/ml以上
の水溶解度を有する所望生成物140mg(67%)であ
り、スペクトルは下記のとおりである:1H−NMR (300 M
Hz, CD3OD) :δ7.23(s, 4H) 、5.27(d, J=3Hz, 1H)。質
量スペクトル(FAB): 1167 (M+Na+ ) (一ナトリウム
塩)
【0057】
【実施例2】1−〔4−ジヒドロキシ−N2 −(10,
12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オルニチ
ン〕−4−〔3−ヒドロキシ−4′−O−ホスホリルホ
モチロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6
−〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカンジンB二ナト
リウム塩
【化19】
【0058】パートA:ジベンジルリン酸エステル 1−〔4−ヒドロキシ−N2 −(10,12−ジメチル
−1−オキソテトラデシル)オルニチン〕−4−〔3−
ヒドロキシ−4′−O,O−ジベンジルホスホリルホモ
チロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−
〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカンジンB
【化20】 乾燥ピリジン25ml中1−〔4−ヒドロキシ−N2
(10,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オ
ルニチン〕−4−〔3−ヒドロキシホモチロシン〕−5
−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−〔3−ヒドロキ
シプロリン〕エキノカンジンB1g(0.956mmol)の
溶液に窒素雰囲気下室温で撹拌しながらヘキサメチルジ
シラジドリチウムの1Mヘキサン溶液1.43mlを滴下し
た。得られた溶液を室温で10分間撹拌し、それにピリ
シン5.0ml中テトラベンジルピロホスフェート566mg
(1.05mmol)の溶液を速やかに加えた。得られた黄色
溶液を1時間撹拌し、しかる後ピロホスフェート100
mgを固体物として追加した。10分間後、リン酸化剤1
00mgを追加し、混合物を撹拌した。揮発性物質を減圧
除去して残渣を得た。C8“ゾルバックス”により水/
アセトニトリル(30/70)を2ml/min で用いた後
者のHPLC分析では、反応が約95%終了しているこ
とを示した。物質を3分割し、各々を21.2×250mm
C8ゾルバックスでのプレパラティブHPLCにより水
/アセトニトリル(40/60)で12ml/min にて溶
出させて精製した。各分画を集め、凍結乾燥し、純度9
7%以上の白色粉末として所望のジベンジルリン酸中間
体470mg(41%)を得た。1H−NMR (300 MHz, CD3O
D) :δ7.3(s, 10H) 、7.21(d, J=9Hz, 2H)、7.06(d,J=9
Hz, 2H)、5.13(d, J=9Hz, 4H)。質量スペクトル(FA
B) : 1293 (M+1)
【0059】パートB:Z−2のリン酸エステル 1−〔4−ヒドロキシ−N−(10,12−ジメチ
ル−1−オキソテトラデシル)オルニチン〕−4−〔3
−ヒドロキシ−4′−O−ホスホリルホモチロシン〕−
5−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−〔3−ヒドロ
キシプロリン〕エキノカンジンB二ナトリウム塩パート
Aで記載されるように製造されたジベンジルリン酸(4
70mg、0.36mmol)を無水エタノール20mlに溶解し
た。それに水10ml中炭酸ナトリウム60.5mg(0.72
mmol)の溶液しかる後10%Pd−C157mgを加え、混
合物を水素1気圧下室温で4時間撹拌した。この期間終
了後、混合物を濾過し、1:1エタノール/水で洗浄
し、濃縮した。生成物をプレパラティブHPLC(21.
2×250mmC8ゾルバックス、12ml/min の水/ア
セトニトリル(55/45)、4.8ml分画)により4ユ
ニットで精製し、適切な分画を濃縮し、凍結乾燥し、水
溶解度85mg/ml以上の白色粉末として所望の生成物4
05mgを得た。1H−NMR (300 MHz, CD3OD) : AB 系 :
δ7.17(d, J=8Hz, 2H)、7.11(d, J=8Hz, 2H)。質量スペ
クトル(FAB) :1113 (M+1,遊離酸) 。
【0060】
【実施例3】1−〔4,5−ジヒドロキシ−N2 −(1
0,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オルニ
チン〕−4−〔3,4−ジヒドロキシ−4′−O−(2
−N−メチルカルバモイル酢酸)ホモチロシン〕−5−
〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−〔3−ヒドロキシ
プロリン〕エキノカンジンB
【化21】
【0061】パートA:ベンジルエーテル 実施例1で記載された場合と同様の方法で、ベンジルア
ルコール0.68ml及びp−トルエンスルホン酸7mgをテ
トラヒドロフラン7ml及びジメチルホルムアミド3mlの
混合液中化合物Z−1(DMTD)350mgの溶液に加
え、混合物を室温で24時間撹拌する。終了後揮発性物
質を減圧除去して残渣を得、これをプレパラティブHP
LCカラムにより溶出液として水/アセトニトリル(4
0/60)を用いて精製する。適切な分画を合わせ、凍
結乾燥して、Z−1(DMTD)のベンジルエーテルを
得る。
【0062】パートB:p−ニトロフェニルカーボネー
ト 1−〔4−ヒドロキシ−5−ベンジルオキシ−N2
(10,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オ
ルニチン〕−4−〔3,4−ジヒドロキシ−4′−O−
p−ニトロフェニルカーボネートホモチロシン〕−5−
〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−〔3−ヒドロキシ
プロリン〕エキノカンジンB
【化22】 乾燥ピリジン2.5ml中パートAで精製されたZ−1(D
MTD)のベンジルエーテル0.248g(0.234mmo
l)の溶液に4−ジメチルアミノピリジン31mg(1.1e
q)及びp−ニトロフェニルクロロホルメート52mg
(1.1eq)を連続的に加え、混合物を室温で20時間撹
拌する。この期間終了後、混合物を減圧濃縮し、残渣を
水/アセトニトリルに溶解し、しかる後プレパラティブ
逆相クロマトグラフィーにより水/アセトニリトルで溶
出させて精製する。所望生成物含有分画を減圧濃縮して
アセトニトリルを除去し、しかる後凍結乾燥して精製さ
れたp−ニトロフェニル炭酸エステルを得る。
【0063】パートC:1−〔4,5−ジヒドロキシ−
2 −(10,12−ジメチル−1−オキソテトラデシ
ル)オルニチン〕−4−〔3,4−ジヒドロキシ−4′
−O−(2−N−メチルカルバモイル酢酸)ホモチロシ
ン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−〔3−
ヒドロキシプロリン〕エキノカンジンB乾燥ジメチルホ
ルムアミド1ml中パートBで記載されたように製造され
たp−ニトロフェニルカーボネート100mg(0.081
mmol)の溶液にベンジルサルコシン15mg(1.1eq)を
加え、混合物を室温で20時間撹拌する。粗反応混合物
を減圧濃縮し、残渣を水/アセトニトリルに溶解し、
“ゾルバックス”C8カラム逆相クロマトグラフィーに
よりアセトニトリル/水で溶出させて精製する。所望中
間体含有分画を減圧濃縮してアセトニトリルを除去し、
しかる後凍結乾燥して精製されたベンジルエステルを得
る。エステルを無水エタノール15mlに溶解し、その溶
液に10%Pd−C15mgを加え、1気圧で5時間撹拌す
る。この期間終了後、混合物を濾過し、濾液を濃縮して
所望生成物(III)を得る。生成物をプレパラティブHP
LCにより水/アセトニリトルを用いて精製する。
【0064】
【実施例4】1−〔4−ヒドロキシ−N2 −(10,1
2−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オルニチン〕
−4−〔3,4−ジヒドロキシ−4′−O−(2−カル
バモイル酢酸ホモチロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグ
ルタミン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカ
ンジンB
【化23】
【0065】パートA:ベンジルエステル 1−〔4−ヒドロキシ−N2 −(10,12−ジメチル
−1−オキソテトラデシル)オルニチン〕−4−〔3−
ヒドロキシ−4′−O−(2−カルバモイル酢酸ベンジ
ル)ホモチロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタミ
ン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカンジン
B乾燥ピリジン200μl中Z−2(DMTD)28mg
(0.027mmol)の溶液にピリジン100μl中4−ジ
メチルアミノピリジン5mg(0.041mmol)及び2−イ
メシアナト酢酸ベンジル5.2mg(1eq)を連続的に加
え、混合物を窒素下室温で1時間撹拌した。混合物を減
圧濃縮し、しかる後25/75アセトニトリル/水に溶
解した。この時点のHPLCアッセイでは一部のみの反
応終了を示したため、2−イソシアナト酢酸ベンジル5
mgを追加し、撹拌して、所望の生成物を得た。生成物を
プレパラティブHPLCにより溶出液として水/アセト
ニトリル(30/70)を10ml/min で用い8ml分画
を集めて単離し、白色固体物として式IVの化合物のベン
ジルエステル10.2mgを得た。1H−NMR (300 MHz, CD3O
D) : δ7.38(m, 5H) 、7.25(d, J=9Hz, 2H)、7.04(d,
J=9Hz, 2H)、5.22(s, 2H)質量スペクトル (FAB) 1224
(M+1) 。
【0066】パートB:1−〔4−ヒドロキシ−N2
(10,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オ
ルニチン〕−4−〔3−ヒドロキシ−4′−O−(2−
カルバモイル酢酸ホモチロシン〕−5−〔3−ヒドロキ
シグルタミン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリン〕エキ
ノカンジンBパートAで得たベンジルエステル7mgを炭
酸水素ナトリウム0.50mg含有50/50水/エタノー
ル2.5mlに溶解した。等重量のPd−Cを加え、反応混合
物を水素1気圧下室温で1時間撹拌した。この期間終了
後、混合物を濾過し、エタノールを蒸発させ、濃縮物を
凍結乾燥させ、10mg/ml以上の水溶解度を有する白色
固体物として式(IV) の生成物を得た。1H−NMR (300 M
Hz, CD3OD) : δ7.24(d, J=9Hz, 2H)、7.08(d, J=9Hz,
2H)質量スペクトル (FAB) 1133 (酸)(M+1) 。
【0067】
【実施例5】1−〔4−ヒドロキシ−N2 −(10,1
2−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オルニチン〕
−4−〔3−ヒドロキシ−4′−O−(マロン酸)ホモ
チロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−
〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカンジンB
【化24】 前記実施例で記載された場合と同様に行われた反応で、
4−ジメチルアミノピリジン31mg(1.1eq) 及びモノ
ベンジルマロン酸クロリド55mg(1.1eq) を乾燥ピリ
ジン2.5ml中Z−2(DMTD)250mg(0.234mm
ol)の溶液に連続的に加え、混合物を室温で撹拌する。
反応混合物を減圧濃縮し、残渣を水/アセトニリトルに
溶解し、プレパラティブ逆相クロマトグラフィーで精製
する。所望物質含有分画を減圧濃縮してアセトニトリル
を除去し、しかる後凍結乾燥して、ベンジルエステルの
1−〔4−ヒドロキシ−N2 −(10,12−ジメチル
−1−オキソテトラデシル)オルニチン〕−4−〔3−
ヒドロキシ−4′−O−(ベンジルマロネート)ホモチ
ロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−
〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカンジンBを得る。
【0068】次いでベンジルエステルをエタノール中室
温で約8時間10%Pd−C触媒による水素添加分解に付
す。次いで触媒を濾去し、濾液を濃縮し、残渣として1
−〔4−ヒドロキシ−N2 −(10,12−ジメチル−
1−オキソテトラデシル)オルニチン〕−4−〔3−ヒ
ドロキシ−4′−O−(マロン酸)ホモチロシン〕−5
−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−〔3−ヒドロキ
シプロリン〕エキノカンジンBを得る。後者を逆相クロ
マトグラフィーにより水/アセトニトリルを用いて精製
する。化合物は分子量1118を有する。
【0069】
【実施例6】1−〔4,5−ジヒドロキシ−N2 −(1
0,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オルニ
チン〕−4−〔3,4−ジヒドロキシ−4′−O−(2
−カルバモイル酢酸)ホモチロシン〕−5−〔3−ヒド
ロキシグルタミン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリン〕
エキノカンジンB
【化25】
【0070】実施例1で記載された場合と同様の方法
で、化合物Z−1(DMTD)350mgをテトラヒドロ
フラン7mlに懸濁し、その懸濁液にベンジルアルコール
0.68ml、ジメチルホルムアミド3ml及びp−トルエン
スルホン酸7mlを加え、得られた混合物を室温で24時
間撹拌する。この期間終了後、揮発性物質を減圧除去
し、得られた残渣をプレパラティブHPLCにより溶出
液として水/アセトニリトルを用い精製する。適切な分
画を合わせ、凍結乾燥して、ベンジルエーテルの1−
〔4−ヒドロキシ−5−ベンジルオキシ−N2 −(1
0,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オルニ
チン〕−4−〔3,4−ジヒドロキシホモチロシン〕−
5−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−〔3−ヒドロ
キシプロリン〕エキノカンジンBを得る。
【0071】乾燥ピリジン2.5ml中化合物Z−1(DM
TD)のベンジルエーテル269mg(0.234mmol)の
溶液に4−ジメチルアミノピリジン31mg(1.1eq) 及
び2−イソシアナト酢酸ベンジル50mg(1.1eq) を連
続的に加え、得られた混合物を室温で数時間撹拌する。
この期間終了後、混合物を減圧濃縮し、水/アセトニト
リルに溶解し、逆相クロマトグラフィー(1インチ径
“ゾルバックス”C8カラム)により水/アセトニリト
ルで溶出させて精製する。HPLCアッセイで調べて所
望の物質を含有した分画を減圧濃縮してアセトニトリル
を除去し、しかる後凍結乾燥して精製されたベンジルカ
ルバメートを得る。
【0072】実施例1及び2で記載された場合と同様の
方法で、Z−1(DMTD)のベンジルカルバメート2
50mg(0.2mmol)を無水エタノール15mlに溶解す
る。次いで10%Pd−C200mgを加え、混合物を水素
1気圧下室温で約5時間撹拌する。次いで得られた混合
物を濾過し、濾液を濃縮し、残渣として所望の1−
〔4,5−ジヒドロキシ−N2 −(10,12−ジメチ
ル−1−オキソテトラデシル)オルニチン〕−4−
〔3,4−ジヒドロキシ−4′−O−(2−カルバモイ
ル酢酸)ホモチロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタ
ミン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカンジ
ンBを得る。生成物を逆相クロマトグラフィー(1イン
チ径“ゾルバックス”C8カラム)により水/アセトニ
トリルで溶出させて精製する。本化合物は分子量116
5を有する。
【0073】
【実施例7】1−〔4−ヒドロキシ−N2 −(10,1
2−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オルニチン〕
−4−〔3−ヒドロキシ−4′−O−(グリシル)ホモ
チロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−6−
〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカンジンB
【化26】
【0074】前記の場合と同様の方法で、4−ジメチル
アミノピリジン31mg(1.1eq) 及びN−カルボキシベ
ンジルグリシン対称無水物126mg(1.1eq) を乾燥ピ
リジン2.5ml中Z−2(DMTD)250mg(0.234
mmol)の溶液に連続的に加え、混合物を室温で8時間撹
拌する。次いでそれを減圧濃縮し、残渣を水/アセトニ
トリル(40/60)に溶解し、プレパラテヘブ逆相ク
ロマトグラフィーにより水/アセトニトリルで溶出させ
て精製する。
【0075】所望物質含有分画を合わせ、濃縮し、しか
る後凍結乾燥して、精製されたカルボキシベンジル保護
グリシルエステルの1−〔4−ヒドロキシ−N2 −(1
0,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オルニ
チン〕−4−〔3−ヒドロキシ−4′−O−(N−カル
ボキシベンジルグリシル)ホモチロシン〕−5−〔3−
ヒドロキシグルタミン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリ
ン〕エキノカンジンBを得る。
【0076】こうして得られたエステルを過剰無水塩酸
含有エタノール12mlに溶解し、10%Pd−C触媒20
mgを加え、水素添加を1気圧で5時間行う。次いで触媒
を濾去し、濾液を濃縮して、1−〔4−ヒドロキシ−N
2 −(10,12−ジメチル−1−オキソテトラデシ
ル)オルニチン〕−4−〔3−ヒドロキシ−4′−O−
(グリシル)ホモチロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグ
ルタミン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカ
ンジンB塩酸生成物を回収する。
【0077】
【実施例8】同様の操作で、下記化合物が製造される:
【表1】 下記実施例において、“化合物”とその後のローマ数字
表示はローマ数字に対応した実施例の化合物に関する。
【0078】
【実施例9】各々化合物A−1a 500mgを含有した
1000個の圧縮錠剤は下記処方から製造される: 化合物 グラム 化合物A−1a(又は式I) 500 デンプン 750 二塩基性リン酸カルシウム水和物 5000 ステアリン酸カルシウム 2.5 微細粉末成分をよく混合し、10%デンプンペーストで
造粒する。顆粒を乾燥し、錠剤に圧縮する。
【0079】
【実施例10】各々化合物A−2a 500mgを含有し
た1000個の硬ゼラチンカプセルは下記処方から製造
される: 化合物 グラム 化合物A−2a(又は式II) 500 デンプン 750 二塩基性リン酸カルシウム水和物 5000 ステアリン酸カルシウム 2.5 微細粉末成分をよく混合し、10%デンプンペーストで
造粒する。顆粒を乾燥し、錠剤に圧縮する。
【0080】
【実施例11】各々化合物500mgを含有した1000
個の硬ゼラチンカプセルは下記処方から製造される: 化合物 グラム 化合物A−1a(又は式I) 500 デンプン 250 ラクトース 750 タルク 250 ステアリン酸カルシウム 10 諸成分の均一混合物をブレンドにより調製し、それを用
いてツーピース硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0081】
【実施例12】各々化合物IB500mgを含有した10
00個の硬ゼラチンカプセルは下記処方から製造され
る: 化合物 グラム 化合物III 500 デンプン 250 ラクトース 750 タルク 250 ステアリン酸カルシウム 10 諸成分の均一混合物をブレンドにより調製し、それを用
いてツーピース硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0082】
【実施例13】下記処方を有する注射溶液250mlは慣
用的操作により製造される: デキストロース 12.5g 水 250ml 化合物A−1a(又はI) 400mg 諸成分をブレンドし、しかる後使用のため滅菌する。
【0083】
【実施例14】下記処方を有する注射溶液250mlは慣
用的操作により製造される: デキストロース 12.5g 水 250ml 化合物A−2a(又はII) 400mg 諸成分をブレンドし、しかる後使用のため滅菌する。
【0084】
【実施例15】局所適用に向いた軟膏は、市販ポリエチ
レン/炭化水素ゲル1gに化合物A−2a 13mgを完
全に分散させて製造される。
【0085】
【実施例16】化合物IVが化合物Iに代えて用いられる
こと以外は実施例XIIIの場合と同様の注射溶液が製造さ
れる。
【0086】
【実施例17】各々化合物II500mgを含有した100
0個の硬ゼラチンカプセルは下記処方から製造される: 化合物 グラム 化合物II 500 デンプン 250 ラクトース 750 タルク 250 ステアリン酸カルシウム 10 諸成分を均一にブレンドし、それを用いてツーピース硬
ゼラチンカプセルに充填する。
【0087】
【実施例18】下記処方を有するエアゾール組成物が製
造される:
【0088】出発物質リポペプチド出発物質の一部は発
酵で産生される天然産物であるが、一部は天然産物の修
正で得られた半合成ペプチドである。
【0089】U、V及びWがOHでR′が9、11−ジ
メチルトリデシルである出発化合物Z−1は、同時係属
出願第492,025号(代理人事件No. 17151-IA) 及
び492,024号(代理人事件No. 18022)で更に詳細
に記載されるように、所望の化合物Z−1が培地で形成
されるまでマンニトールに富む栄養培地中でザレリオン
・アルボリコラ(Zalerion arboricola)ATCC 20868又は
好ましくはZ・アルボリコラATCC 20957を好気的に培養
し、しかる後培地からメタノールで抽出し、次いで一連
のクロマトグラフィー分離で単離することにより得られ
るが、上記出願の開示は参考のため組込まれる。
【0090】U及びWがHでVがOHである出発化合物
Z−2又はUがH、V及びWがOHでR′が9,11−
ジメチルトリデシルである出発化合物Z−4は、化合物
Z−1の制御的還元により産生される。還元は、同時係
属出願第495,878号(代理人事件No. 18057)で更
に詳細に記載されるように、トリフルオロ酢酸又は他の
強酸溶媒中化合物Z−1の溶液に水素化シアノホウ素ナ
トリウムを加え、反応を環境温度で反応させてモノ又は
ビス還元生成物(各々Z−4及びZ−2)を形成し、し
かる後反応混合物から回収し、高性能液体クロマトグラ
フィーで精製することにより行われるが、上記出願の開
示は参考のため組込まれる。
【0091】U及びVがH、WがOHでR′が9,11
−ジメチルトリデシルである出発化合物Z−3は、同時
係属出願第495,653号(代理人事件No. 18066)で
更に詳細に記載されるように、所望の化合物が産生され
るまでマンニトールに富む培地中でZ.アルボリコラ A
TCC 20958 を好気的に培養し、しかる後メタノールで抽
出し、クロマトグラフィー、好ましくはHPLCで精製
することにより得られるが、上記出願の開示は参考のた
め組込まれる。
【0092】R′が9,11−ジメチルトリデシル以外
である出発化合物は、最初シュードモンダセアエ(Pseu
domondaceae)又はアクチノプラナセアエ(Actinoplanace
ae)科の微生物を培養して得られた脱アシル化酵素に
R′が9,11−ジメチルトリデシルである適切なリポ
ペプチドを培地中で接触させて実質的脱アシル化が起こ
るまで脱アシルし、次いで脱アシル化シクロペプチドを
回収し、しかる後R′が9,11−ジメチルトリデシル
以外である出発化合物Zを得るため単離された核を適切
な活性エステルR′COX でアシル化することにより得ら
れる。Z−1の脱アシル化は同時係属出願第492,0
01号(代理人事件No. 17996)で及びそのアシル化は同
時係属出願第492,012号(代理人事件No. 18003)
(出願第609,971号として再出願された。)で更
に詳細に開示されているが、その出願の開示は参考のた
め組込まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェームス エム.バルコヴェク アメリカ合衆国,07063 ニュージャーシ ィ,ノース プレインフィールド,クリン トン アヴェニュー 210 (72)発明者 ロバート イー.シュワルツ アメリカ合衆国,07090 ニュージャーシ ィ,ウエストフィールド,サミット アヴ ェニュー 765 (56)参考文献 特開 昭56−97295(JP,A)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式を有する化合物: 【化1】 〔上記式中 Rは中性pHで荷電基を有するアシル、ホスフォノ又はス
    ルホ基である; R′はC5−C23 アルキル、C5−C23 アルケニル、C5−C
    23 アルキニル又はアリールである; U、V及びWは各々独立してH又はOHであって、(1)
    U、V及びWがすべてOHである;(2) U及びWがHで、
    VがOHである;(3) U及びVがHで、WがOHである;
    (4) UがHで、V及びWがOHである場合から選択され
    る〕。
  2. 【請求項2】 下記式を有する化合物: 【化2】 〔上記式中U、V及びWは各々独立してH又はOHであっ
    て、(1) U、V及びWがすべてOHである;(2) U及びW
    がHで、VがOHである;(3) V及びVがHで、WがOHで
    ある;(4) UがHで、V及びWがOHである場合から選択
    されよる;R′はC5−C23 アルキル、C5−C23 アルケニ
    ル、C5−C23 アルキニル又はアリールである; Rは(1) PO3AH(AはH、C1−C6アルキル、フェニル又は
    置換フェニルであって、その置換基はアルキル、アルキ
    ルオキシ、アルキルチオ又はアルキルアミノである)又
    はそのLi、Na、K、Mg、Ca陽イオン塩; (2) SO3H又は(1) と同義のその陽イオン塩; (3) COC n H2n CO2H(nは1〜6である)又は(1) と同
    義のその陽イオン塩; (4) CONAC n H2n CO2H(Aは(1) と同義である;nは1
    〜6である)又は(1) と同義のその陽イオン塩; (5) COOC n H2n CO2H(nは1〜6である)又は(1) と同
    義のその陽イオン塩; (6) CONA(CHB)CO2H(Bはアミノ酸残基である)又は(1)
    と同義のその陽イオン塩; (7) COCHBNR1R2(Bはアミノ酸残基である;R1 及びR
    2 は各々独立してH、C1 −C6 アルキル又はフェニル
    である)又はその酸付加塩; (8) CONAC n H2n NR1R2(Aは(1) と同義である;R1
    びR2 は各々独立して(7) と同義である;nは2〜6で
    ある)又はその酸付加塩; (9) COOCn H2n NR1R2(R1 及びR2 は各々独立して(7)
    と同義である;nは2〜6である)又はその酸付加塩;
    又は (10) COCn H2n NR1R2(R1 及びR2 は各々独立して(7)
    と同義である;nは1〜6である)又はその酸付加塩で
    ある〕。
  3. 【請求項3】 生物学的に不活性なキャリアと共に請求
    項1記載の化合物を含むことを特徴とする抗菌組成物。
  4. 【請求項4】 抗真菌組成物である、請求項3記載の組
    成物。
  5. 【請求項5】 真菌感染の治療に有用である、請求項4
    記載の組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の化合物の治療量を投与す
    ることからなるヒトを除く動物における真菌感染の治療
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の化合物の予防又は治療量
    を投与することからなる、ヒトを除く動物におけるニュ
    ーモシスティス・カリニイ感染の予防又は治療方法。
  8. 【請求項8】 U、V及びWがすべてOH、Rがホスホリ
    ル並びにR′が9,11−ジメチルトリデシルである、
    請求項2記載の化合物。
  9. 【請求項9】 U及びWがHでVがOH、Rがホスホリ
    ル並びにR′が9,11−ジメチルトリデジルである、
    請求項2記載の化合物。
  10. 【請求項10】 1−〔4,5−ジヒドロキシ−N2
    (10,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オ
    ルニチン〕−4−〔3,4−ジヒドロキシ−4′−O−
    ホスホリルホモチロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグル
    タミン〕−6−〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカン
    ジンB及びその陽イオン塩。
  11. 【請求項11】 1−〔4−ヒドロキシ−N2 −(1
    0,12−ジメチル−1−オキソテトラデシル)オルニ
    チン〕−4−〔3−ヒドロキシ−4′−O−ホスホリル
    ホモチロシン〕−5−〔3−ヒドロキシグルタミン〕−
    6−〔3−ヒドロキシプロリン〕エキノカンジンB及び
    その陽イオン塩。
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