JPH07121283B2 - 脳腫瘍の処置のための挿入可能なプローブを具備する低パワーx線源 - Google Patents

脳腫瘍の処置のための挿入可能なプローブを具備する低パワーx線源

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JPH07121283B2
JPH07121283B2 JP6509386A JP50938693A JPH07121283B2 JP H07121283 B2 JPH07121283 B2 JP H07121283B2 JP 6509386 A JP6509386 A JP 6509386A JP 50938693 A JP50938693 A JP 50938693A JP H07121283 B2 JPH07121283 B2 JP H07121283B2
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Description

【発明の詳細な説明】 開示の背景 本発明は、特定の領域へ実質的に一定のまたは間欠的な
低レベルのX線を供給するのに使用する小型で低パワー
そしてプログラム可能なX線源に関するものである。
従来の医療用X線源は大型の固定位置の機械である。一
般に、X線管の頭部は一つの部屋にそして制御卓が隣接
する領域に、視認窓が設けられた防護壁がこれら2つを
分離した状態で配置される。X線管は通常約20ないし35
cmの長さでありそして約15cmの直径である。高電圧電源
がX線管を含む部屋の片隅に配置された容器内に入れら
れる。患者は、診断、治療または一時的な軽減処置のた
めに機械の方へ連れてこられる。
診断用X線機械は通常150kV以下の電圧そして約25ない
し1200mAの電流で作動される。対照的に、治療装置の電
流は、通常150kV以上にわたり得る電圧で20mAを越えな
い。X線機械が10ないし14OkVの公称電圧で作動される
とき、放射されるX線は限定された組織通過を行いそれ
ゆえ皮膚の病変を処置するのに有用である。(約250k
V)の高い電圧で、深いX線通過が行われ、主要な腫瘍
の処置に有用である。4〜8MV帯域で動作可能な過電圧
機械が、表面上の皮膚病変以外の、全てのタイプの腫瘍
を除去または破壊するのに使用される。
従来のX線管はアノードとグリッドとカソード組立体を
含む。カソード組立体は、アノードとグリッドにより設
定される電界によりターゲットへ導かれる電子ビームを
発生する。ターゲットは、入射電子ビームに応答して順
次X線放射を発する。患者により吸収される放射は通
常、放射損失を考慮すると、X線管の窓部を通じてX線
管のターゲットから送られるものである。この窓部は通
常ベリリウムまたはその他の適当な物質からなる薄い部
分である。通常のX線機械において、カソード組立体
は、4A以上の電流で抵抗加熱されるとき熱電子放出を行
う直径が約2mmそして長さが1〜2cmのトリウム処理(th
oriated)されたタングステンコイルを具備する。コイ
ルは、ターゲットとしても機能する対向するアノード上
の小さなスポットに電子ビームを集中させる金属製の焦
点合わせカップにより囲包される。グリッドを有するモ
デルにおいて、電子ビームパス制御そしてビーム集中の
両方を行うのはグリッドである。
カソードからアノードへの電子ビーム伝送は、1Aを越え
る電流での従来のX線機械において意味がある電子の空
間電荷力により影響される。かかる従来の機械におい
て、ビームは、アノード上でどこでも0.3ないし2.5mmの
範囲にわたるスポット径へ収斂される。多くの応用例に
おいて、電子ビームからのエネルギーはアノードで熱に
変換される。かかる加熱に適合するために、高いパワー
の医療X線源が、高速回転する液冷アノードを使用し、
大きな有効ターゲット面積を確立し、小さな焦点スポッ
トを可能にするとともに局所加熱の影響をできるだけ最
小限にすることが多い。良好な熱伝導性および効果的な
熱放散を実現するために、アノードは通常銅から作られ
る。さらに、電子ビームがそこに入射せられるところの
アノードの領域は、効率の良いX線発生のために大きな
原子番号の物質を必要とする。熱伝導性、有効熱放散お
よび効率の良いX線発生の要求を満たすために、タング
ステン合金が通常銅の中に埋め込まれる。
使用において、X線源からの全照射量は電子ビームの時
間積分に比例する。(たとえば1〜3秒続く)相当に長
い露呈期間中、アノードの温度は、放射出力を劣化させ
る局所面溶融およびピット形成を伴ってアノードをして
光り輝かせる程に十分な程に上昇し得る。
X線発生効率は電子ビーム電流から独立しているが、そ
れは加速電圧に多く依存する。60kV以下で、電子からの
機械エネルギーの1パーセントの数十分の一のみがX線
に変換され、一方20MVではその変換係数は70パーセント
へ上昇する。放射されるX線スペクトルが部分的にター
ゲット要素の束縛電子エネルギーレベル間の遷移の離散
エネルギー特性から構成される。スペクトルはまたビー
ム電子がターゲット核種近傍を通過するときにビーム電
子加速により生ずる制動放射として知られるX線エネル
ギーの連続をも含む。X線の最大エネルギーはビーム電
子のピークエネルギーを越えることができない。なお、
制動放射放出曲線のピークは電子エネルギーの約1/3で
生ずる。
電子電流の増大は全てのエネルギーでのX線放射の直接
的な比例増大を招く。ところでビーム電圧の変化が、対
応するピークX線フォトンエネルギーの移動とともに電
圧の二乗にほぼ等しい全体的なX線出力変化を生ずる。
制動放射発生の効率はターゲット要素の原子番号ととも
に増大する。制動放射曲線のピーク出力および特性スペ
クトル線は、ターゲットの原子番号が増大するに応じて
より高いエネルギーの方へ移動する。タングステン(Z
=74)は現在のX線管で使用される最に普通のターゲッ
ト物質だけれども、金(Z=79)およびモリブデン(Z
=42)がある特別のX線管で使用される。
X線は物質といくつかの方法で相互作用する。生物学サ
ンプルないし試料について、外殻電子との中程度エネル
ギーX線のコンプトン散乱および内殻電子の光イオン化
相互作用という2種類の相互作用が最も重要である。こ
れらの過程において、原子のイオン化の確立は、柔軟な
組織および骨の両方においてフォトンエネルギーの増大
とともに減少する。光電子効果について、この関係は逆
三乗法則に従う。
治療に使用される現在のX線装置の一つの不利益が、骨
内部または骨下の柔組織へ導かれるときに必要とされる
高電圧である。一例がX線を骨により囲包されている人
間の脳の領域へ導く場合である。高いエネルギーのX線
が骨を通過するのに必要とされるが、皮膚および脳の組
織を損傷することが多い。放射治療の別の例がX線を、
体腔内に配置された柔組織、隠されたとりわけ柔組織ま
たは内部の炭酸カルシウム含有構造体内へX線を導く場
合である。現在の高電圧機械は能力が、所望のX線をか
かる領域へ選択的に提供することに限定されている。
現在のX線の高電圧出力の別の不利益が影響される期間
または組織の外側の表皮に生ずる損傷である。それゆ
え、現在の装置の高電圧機器はターゲット領域または組
織だけでなく全ての周囲の組織および表皮に、特に人間
の腫瘍の治療のために使用されるときに相当な損傷を招
くことが多い。ところが、現在の装置はX線放射を、タ
ーゲット領域の外部のソースから患者の内部のターゲッ
ト領域へ与えるので、かかる入射の組織損傷は実際上回
避できない。
ある実質的再生能力に欠ける脳組織について詳述する
と、脳腫瘍の処置は特定の組織破壊をもたらす正確な技
術を要求する。脳腫瘍治療における従来のX線装置の使
用は、容量照射において必要とされる正確さを欠くこと
が多く、脳の非癌性組織および関連の腺のごとき構造体
の損傷を招く。
短期間治療と呼ばれる腫瘍治療の代替え例が、処置され
るべく腫瘍内またはその近傍い容器入り放射性同位体を
挿入することを含む。放射性同位体にかかる使用は、所
定のタイプの腫瘍を処置するのに有効であるが、同位体
の導入は、感染の可能性など潜在的副作用を有する侵入
的な処置を必要とする。さらに、脳に膨張がある応用例
で生じ得る。なぜなら同位体からの放射は制御できない
からである。なお、時間放射線量または放射強度の選択
的な制御を提供する能力がない。かかる放射性同位体の
取り扱いおよび廃棄は個別の取り扱い者および環境の両
方にとって危険性を含む。
脳の侵入技術が使用される同位体の選択および濃度を通
じての照射の正確な制御を必要とする。頭蓋内通過がこ
の分野でよく知られる相当な危険をもたらす。
治療、診断、一時軽減または評価的な環境における現在
の機械からのX線の使用に対する上述の条件および制約
の観点から、相当に小型で容易に操作せられそして低エ
ネルギーのX線装置に対するニーズがある。低エネルギ
ーおよびパワーで動作するかかる装置はここに叙述され
る応用例の多くのものに適する。
かくして、容易に操作される低パワーX線装置を提供す
ることが本発明の目的である。
制御可能なまたはプログラム可能な電源を具備する相当
に小型で低パワーのX線装置を提供するが本発明の別の
目的である。
X線で組織の所望領域を直接的に照射するため患者へ挿
入可能な相当に小型で低パワーのX線装置を提供するこ
とが本発明の別の目的である。
X線で所望される表面領域に影響を与えるための相当に
小型で表面装着可能な低パワーX線装置を提供すること
が本発明のさらに別の目的である。
X線で所定領域を直接照射するため患者へ部分的に挿入
可能な相当に小型で低パワーのX線装置を提供すること
が本発明のさらに別の目的である。
脳腫瘍を照射しそしてこれを処置するために、患者の頭
骨内にX線源を制御可能に位置付けるため基準フーム組
立体および小型で低パワーのX線装置を提供することが
本発明のさらに別の目的である。
発明の概要 簡単にいうと、本発明は、低レベル電子ビーム(e−be
am)により賦活される、所定のまたは調節可能な持続時
間、有効エネルギーおよび強さのX線源を有する操作が
容易な装置である。医療応用例において、本装置は患者
の所望領域へ完全にまたは部分的に挿入されるか所望領
域に表面装着され得、X線で所定領域を照射する。詳述
すると、本装置は基準フレーム、たとえば定位フレー
ム、と脳腫瘍の処置に使用するための関連のカップラな
いし結合部材との組合せで組み立てられる。
本装置は、たとえば約1nAないし100mAの範囲の小さな電
子電流で、たとえば約10kVないし90kVの範囲の相当に低
い電圧で作動する。所望される帯域に所望される照射パ
ターンを実現するとともに他の帯域をできるだけ最小限
に照射するために、X線は、照射されるべき所望帯域内
またはこれに隣接して配置される公称のまたは実効的な
「点」源から放射され得る。ある応用例において、低線
量割合のX線が所望される領域の任意の部分を連続的に
または周期的に長い時間にわたり照射する。脳腫瘍の処
置のためにある基準フームで使用するために、一回の線
量照射について高い線量割合が一般に好まれる。
本装置は、電子ビームの電圧、電源およびタイミングの
変化を可能にするように、照射されるべき所望される帯
域の外側に配置される制御可能なまたはプログラム可能
な電源を具備する。電子ビームは所望されるビーム軸線
方向に移動しそして好ましいことには患者の身体に配置
されるターゲットに入射するよう制御される。本軸線は
真直ぐまたは曲げられ得る。ターゲットの組成および/
または幾何学的形態、X線放射または物質が注文に応じ
て作られるX線パターンを提供するよう選択される。放
射場所またはターゲットの周囲の遮蔽が、所望される帯
域にわたる所定の放射分布と一致するようX線放射の空
間分布およびエネルギーの制御を別途可能にする。
本発明は、上述の装置を使用し、生体内の腫瘍に見出さ
れるごとき悪性細胞を処置する方法を別途提供する。通
常、本方法は、たとえばコンピュータトモグラフィ(C
T)スキャンまたは磁気共鳴撮像M(MRI)によりこの分
野で通常入手できる装置で悪性細胞を識別しそしてこれ
を突き止めることを含む。腫瘍の針生検(needle−biop
sy)が診断結果を確認するために遂行され得る。引き続
き、処置領域が選択されそして放射線量が決定される。
かかる放射処置の計画は、腫瘍の寸法と形状を画定し、
身体内のその場所を正確に決定し、腫瘍を包囲する放射
感応性の重要な生物学的構造を識別し、腫瘍内および周
囲組織における適当な放射線量分布および装置の被挿入
部分の腫瘍部への挿入路を決定することを含む。球形の
腫瘍について、処置計画がCTおよびMRIデータを使用し
手動で実行できる。ところが、もっと複雑な幾何学的形
状、近傍の重大な構造またはより高い精度の処置のため
に、コンピュータをベースにした「3−D」画像処理が
実行される。この場合に、腫瘍および重大な構造がたと
えば一連のディジタル化CTスキャン上で手動または半自
動的に分割され、3−D合成が与えられ、任意の方向か
ら腫瘍を見るのを許容する。種々のソフトウエア装置が
たとえば線形加速器やガンマナイフなどの放射線外科手
術のために開発され、そしていくつかが商業入手可能で
ある。たとえば、Masachusetts州のRadionics Software
Applications of Brookline社がグラフィック的に透明
性の頭蓋に固定されるCRWおよびBRW定位フレームを画像
化する市販ソフトウエアを提供している。等線量分布が
腫瘍およびその他の脳組織の上に重ね合わされる。同様
に、X線を放射する電子ビームターゲットが腫瘍に埋め
込まれた状態で定位フレームに固定された本発明を画像
化するのを許容するソフトウエアが開発できる。ターゲ
ット周囲の複数の等線量輪郭線が腫瘍および隣接組織に
重畳されよう。各輪郭線に沿って供給される絶対放射線
量はプローブ較正のため実行される実験的線量測定によ
り決定されるであろう。これらの試験において、線量
は、生物学的な組織模擬模型内に浸漬されたターゲット
の周囲の複数の場所で測定される。かかるプラスチック
の「中実水」の模型が商業入手でき(RMI,Middleton,W
I)、そして脳の柔組織などの種々の身体組織を模擬す
る。熱ルミネセンス検出器(TLD)または較正されたX
線感応性フィルム(たとえばカリフォルニア州Goleta所
在のFar West Technologies社からのgafchromicフィル
ム)が中実水の中に配置でき、線量を直接測定する。放
射処置計画からの画像処理および線量測定結果を使用
し、低パワー電子ビーム源とターゲットおよび遮蔽アッ
センブリを発生する選択的に賦形されたX線放射パター
ンが悪性の細胞を含む領域内またはその近傍に位置付け
られる。ターゲットおよび遮蔽アッセンブリの幾何形態
および物質はターゲット空間の特性に応じて形状が定め
られおよび選択される。プログラム可能な電源が提供さ
れ、電子ビーム源の電圧、電流および持続時間を変化さ
せるのに使用され、線量測定情報に従ってターゲットに
導かれる所望の電子ビームを設定し得る。最後に、ター
ゲットおよび遮蔽アッセンブリから放射されるX線が悪
性細胞の選択的破壊のために悪性細胞に送られる。
特に、脳腫瘍の処置が、制御可能な照射パターン発生の
ための低パワーX線源と脳にX線源を正確に位置付ける
ための器具との組合せからなる本発明の装置を利用し実
行できる。
図面の簡単な説明 本発明の上述の目的およびその他の目的、その種々の特
徴ならびに本発明それ自体が添付図面を参照しつつ以下
の説明を読むことによりより完全に理解されよう。
第1図は本発明の具体化する低パワーX線源の斜視図で
ある。
第2図は、第1図の装置と一緒に使用するのに適合され
ている鞘部材の模式図である。
第3A図および第3B図は本発明を具体化する表面装着可能
装置の斜視図および断面図である。
第4図は第1図の実施例の模式ブロック図である。
第5A図および第5B図はタングステンターゲットおよびモ
リブデンターゲットのX線放射スペクトルのグラフ図で
ある。
第6図は、第1図の実施例の代表的な電源の詳細なブロ
ック図である。
第7図は、第1図の実施例の代表的な電源の詳細な模式
図である。
第8図は、本発明を具体化するビームの方向変化を行う
組立体の斜視図である。
第8A図は線8aの方向の第8図組立体の断面図である。
第9図は脳腫瘍X線処置装置の斜視図である。
第10図は第9図の装置のX線装置および結合組立体の分
解斜視図である。
第11図は、第9図の装置のX線装置の断面図である。
第12図は第9図の装置のX線装置の高電圧電源の模式図
である。
各図面で同様の番号を付した部材は同様のまたは類似の
部材を表わす。
好ましい実施例の詳細な説明 本発明は、相当に小型の電子ビーム賦活低パワーX線装
置である。本装置は、腫瘍の治療および一時的緩和用放
射処置などの医療用目的またはその他の目的に使用可能
である。
特に医療上の使用に関して、本装置は患者の所定の内部
領域へ完全に挿入または部分的に挿入され、選択された
露呈時間にわたりX線放射を行う。代替え例として、本
装置は照射されるべき領域の外側の患者の表面に装着可
能である。さらに、本発明の装置を使用し患者の腫瘍を
処置するための方法が開示される。
本発明の装置は、約10kVないし90kVの範囲の比較的低い
電圧および約1nAないし100mAの範囲の比較的小さな電子
ビーム電流で動作する電子ビーム(e−beam)賦活型X
線源を具備する。これらの動作電圧および電流で、X線
出力は相当に低くそして本装置は非常に小型に作られそ
して医療上の治療応用例における移植ないし挿入に適合
される。低レベルX線出力により、適当な組織通過のそ
して累積的な適用線量が、X線源を照射されるべき領域
近傍またはその内部に配置することにより達成可能であ
る。かくして、X線は照射されるべき領域内またはその
近傍に配置される良好に画然された小型のX線源から放
出される。好ましい実施例において、低放射線量割合の
X線が、たとえば1か月までの長い時間にわたり連続的
にまたは周期的に腫瘍の任意の部分に適用され得る。脳
腫瘍の処置のための定位フレームと一緒に使用する際
に、高い放射線量割合が(たとえば5分ないし3時間の
桁の)短時間の間、腫瘍に適用され得る。
本発明は、短期間治療(brachytherapy)と呼ばれる、
天然のまたは人口的な放射性同位体を含む注入カプセ
ル、針、管および繊条部材で行われるのと類似の侵入型
放射線療法を行う。ところで、プログラム可能な電源が
本装置のX線源に含まれ、放射のエネルギー、強さおよ
び持続時間を変化させる。これはX線に強さおよび透過
深さが、同位体を手術的にまたは侵入的に置換すること
なしに変化され得るという点で短時間治療と異なる。さ
らに本発明は所定の同位体に半減期によって制限され
ず、そしてターンオフされるとき放射に危険性をもたら
さない。
第1図は、本発明を具体化するX線装置10を示す。装置
10は、ハウジング12と、基準軸線方向にハウジング12か
ら延在する細長の円筒プローブ14とを具備する。ハウジ
ング12は(第6図および第7図に電気的な模式図の形式
で示されている)高電圧源12Aを含む。プローブ14は、
高電圧源12Aの近傍に電子ビーム発生器(カソード)22
を具備する中空管である。カソード22はカソード22と通
常同じ電位にある環状の焦点合せないし収斂用電極23に
接近して配置される。環状アノード24が管状の収斂用電
極23から約0.5cmまたはそれ以上の距離に位置付けられ
る。中空の管状プローブ14がアノードの穴とグリッドと
カソードと同様の軸線方向に延在する。プローブ14はハ
ウジング12と一体でありターゲットアッセンブリ26の方
へ延在する。種々の実施例において、プローブ14の部分
は選択的に遮蔽され、X線の空間分布を制御する。さら
に、プローブ14は磁気的に遮蔽され得、外部磁界がビー
ムをターゲットから離れる方向に偏向させる。
電子ビーム発生器22は(浮動低電圧源により駆動され
る)熱電子放出器または(LEDまたはレーザー源により
照射される)フォトカソードを具備し得る。高電圧源は
発生器のカソード22と接地されたアノード24との間に加
速電位差を設定し、アノード24とターゲットアッセンブ
リ26との間の領域に実質的に電界なしの状態で、基準軸
線方向にアノードの中央穴を通りそしてターゲットアッ
センブリ26の方へ向かう電子ビームを確立する。ビーム
の発生および加速用の構成要素は、公称的に真直の軸線
16の方向にプローブ14内に(たとえば直径が1mm以下
の)電子ビームを確立するのに適当なようになされる。
好ましい実施例において、プローブ14は、15cmの長さの
そして内径が2mmでそして外径が3mmの中空排気ベリリウ
ム(Be)、モリブデン−レニウム(Mo−Re)またはμ金
属製円筒である。ターゲットアッセンブリ26は、タング
ステン(W)または金(Au)などの高いZの元素からな
る薄いフィルムまたは層26bで入射電子ビームに露呈さ
れる側が被覆された小さなベリリウム(Be)が窓部材26
aからなる放射部材を含む。たとえば、30keVに加速され
た電子で、2.2μm厚さのタングステンフィルムが実質
的に全ての入射電子を吸収し、層に発生される任意の10
keVのX線の約83%、任意の20keVのX線に約88%そして
任意の30keVのX線の約95%を発する。好ましい実施例
において、ベリリウム基板は0.5mm厚さでありそして基
板に垂直そして基板に向かう方向に発生されそしてタン
グステンターゲットを通過したこれらX線の95%が引き
続きベリリウム基板を通じてプローブ14の遠方端部の外
側へ送られるという結果を伴う。第3b図の窓部材26aは
円盤形式であるが、半球形または円錐形の外側面を有す
る他の形状の部材を使用してもよい。
本発明のある形式において、窓部材26aアッセンブリ
は、異なる層が異なる放出特性を有することが可能な複
数層フィルム26bを具備してもよい。たとえば、第1層
は、比較的低いエネルギーに(対エネルギー)放出ピー
クをそして第2の(裏打ち)層が比較的高いエネルギー
に(対エネルギー)放出ピークを有することが可能であ
る。本発明のこの形式では、低エネルギー電子ビームが
第1層にX線を発生するのに使用(第1の放射特性を達
成)可能でありそして高いエネルギーの電子が裏打ち層
へ通過するのに使用(第2の放射特性を達成)可能であ
る。一例として、0.5mm幅の電子ビームがカソードで発
射されアノードを通じ30keVへ加速され、0.1eVの横方向
電子エネルギーを持ち、アノードから下流方向16cmの場
所のターゲット26に達し、ターゲットで1mm以下のビー
ム径を有する。X線が所定のビーム電圧、電源およびタ
ーゲット組成に応じてターゲット物質内に発生される。
発生したX線はできるだけ最小限のエネルギー損失でプ
ローブのベリリウム窓26aを通過する。窓26bは、X線が
できるだけ最小限のエネルギー損失で通過するのを許容
する炭素、ベリリウム(Be)または他の適当な物質から
作ることが可能である。窓26aのための最適な材料がダ
イヤモンドである。なぜならこの物質は良好な熱伝導体
だからである。いくつかの応用例において、ターゲット
アッセンブリ26から離隔した個別のX線透過性窓が使用
可能である。これらのパラメータを使用し、結果的に得
られるX線は柔組織を1cmまたはそれ以上の深さ浸透す
るのに十分なエネルギーを有し、正確な深さはX線エネ
ルギー分布に依存する。
第1図の装置は患者への完全挿入のために特に適合せら
れ、ここにハウジング12は生物学的に適合性のある外側
面を有しそしてビーム発生器22のために駆動電圧を設定
するための高電圧電源回路12Aとこの回路12Aを駆動する
ための関連電池12Bの両方を囲包する。この場合、関連
の制御器12Cが後述する態様で高電圧回路12Aの出力電圧
の制御を設定する。
第1図の装置はプローブ14だけが患者に挿入されそして
ハウジングは患者の外側に留まる態様、すなわち皮膚を
通してのないし経皮的な形式、で使用してもよい。後者
の形式において、ハウジング12の内部に示される種々の
部材は代替え例として遠方配置可能である。
経費的な形式において、本装置10は、マサチューセッツ
州Woburn所在のThemedics社により商標名Tecoflexの
もとに製造されているごとき医療学的等級の脂肪ポリウ
レタンから作られる生物学的に適合性のある外側面を有
する第2図に示される如き細長い閉塞端部(またはカッ
プ形状)の鞘部材34と一緒に使用可能である。この構成
で、プローブ14は最初に鞘部材34に挿入される。鞘部材
34およびプローブ14は順次皮膚を通じて患者の内部に挿
入される。代替え例として、マサチューセッツ州Woburn
所在のThermedics社によりDermaportの口部材のよう
な部品が皮膚を通じて挿入可能である。プローブ14は順
次、口部材へ挿入される。
鞘部材または口部材のライニングは硫酸バリウムまたは
ビスマスの三酸化物またはその他のX線遮蔽材料を鞘部
材へ導入することによりX線遮蔽体として構成できる。
もし必要であれば、プローブ14およびハウジング12は患
者の身体に固定され、引き延ばされた処置時間中のいず
れの相対運動をも除去できる。鞘部材34の一例が第2図
に示されている。
装置の一実施例において、プローブ14に主要本体はμ金
属などの磁気遮蔽材料から作られる、代替え例として、
プローブ14はヤング率および弾性限界について比較的高
い値を有するのが好ましい非磁性材料から作られる。か
かる材料の例が、モリブデン、レニウムまたはこれらの
物質の合金を含む。プローブ14の内側または外側面は順
次たとえばパーマロイ(約80%のニッケルと20%の鉄)
などの高透磁率の磁性合金で被覆され、磁気遮蔽を行
う。X線装置10は、電気的パワーによる直流および交流
磁界、地球の磁場またはその他の公称的に電子ビームを
プローブ軸線から偏向させることのできる磁性体のある
環境で順次使用できる。
第3A図および第3B図は、患者の皮膚に直接載置する表面
的な使用に適合された本発明の代替え実施例を示す。本
発明のこの形式は皮膚の病変または腫瘍のX線処置また
はその他の皮膚科学的な応用例に特に有用である。第3A
図および第3B図において、第1図の実施例の部材に対応
する部材が同様の参照符号で示されている。装置10′が
ハウジング12の内部に包含されるチャンネル40において
電子ビームを発生する。ここで、チャンネル40はプロー
ブ14に対応する。第3A図および第3B図の本実施例におい
て、ターゲット26(部材26aおよび26b)はアノードなら
びにX線放射体として機能する。それ例外の全てについ
て装置10′は装置10に類似している。第3A図および第3B
図の構成で、低パワーX線は患者の所望される皮膚領域
に導かれる。
上述の実施例の全てにおいて、ターゲットアッセンブリ
のX線放射部材は照射されるべき領域の近傍またはその
内部にあるよう適合される。たとえば腫瘍等の目標とさ
れる領域に対する放射部材の近接は現在使用される機械
の高電圧に対するニーズを除去し、体の隔壁を通じて腫
瘍場所へ満足すべきX線透過を達成する。低電圧もまた
放射を目標腫瘍に集中し、そして透過場所での周囲組織
および表皮への損傷を抑制する。たとえば、乳房切除後
に必要とされるような40kVで20mAの電子ビームでの4000
radの供給は約1ないし3時間の照射を必要とするであ
ろう。ところが、X線源はこの好ましい実施例におい
て、照射されるべき帯域近傍またはその内部に挿入可能
であり、患者の肉体の他の部分への入射放射線露光の危
険性は有意に低減される。
なお、腫瘍処置における限定性は放射場所でターゲット
および遮蔽物の幾何形態および材料の調製により実現可
能である。この調製はエネルギーの制御およびX線放射
の空間分配を助長し、目標腫瘍全体にわたる放射の均等
分配を保証する。
第4図は、第1図のX線源装置10の模式図である。この
好ましい実施例において、ハウジング12は第1の部分1
2′と第2の部分12″に分割される。第1のハウジング
部分12′に包摂されるのが再充電可能電池12Bと、外部
充電器50と一緒に使用するのに適合された電池12Bのた
めの再充電回路12Dと、外部の遠隔測定装置52に応答し
後述の態様で機能するように適当なようになされた遠隔
測定回路12Eである。この部分12′はケーブルにより第
2のハウジング部分12″へ結合される。第2のハウジン
グ部分12″は高電圧源12A、制御器12C、プローブ14なら
びに電子ビーム発生要素22を含む。図示の装置10におい
て、電子ビーム発生器は電源12Aにより駆動される熱電
子発生器22を含む。動作において、電源12Aが熱電子発
生器22を加熱し、引き続き電子を発生し、順次アノード
24の方へ加速される。アノード24は電子を引き寄せる
が、これらをその中央アパーチャを通じてターゲットア
ッセンブリ26の方へ通過させる。制御器12Cは電源12Aを
制御し、カソード電圧、電子ビーム電流および時間的な
パラメータを動的に調整するか、所定の電圧、ビーム電
流および時間的なパラメータを提供する。
図示の実施例において、装置52および回路12Eは共働
し、電源12Aおよび時間的なパラメータにわたる(動的
なまたは所定の)外部制御を可能にする。ハウジング1
2″が挿入されず、プローブ14のみ患者の肉体へと延在
する場合の実施例において、制御器12Cは動作を制御す
るのに直接使用され、この場合、回路網12Eは必要とし
ない。
本発明に重要な様相において、ターゲットアッセンブリ
26は所定の空間分布を有する放射パターンにてそして所
定のスペクトル範囲にてX線を放射するよう設計ないし
賦形可能である。このターゲット設計は知られる特性の
ターゲット物質の選択により実現可能である。たとえ
ば、第5A図および第5B図に示されるように、タングステ
ンターゲット(第5A図)およびモリブデンターゲット
(第5B図)について放射スペクトルは別である。第5A図
は、30kVおよび50kVで動作するタングステンターゲット
管からのX線放射スペクトルを示す。制動放射スペクト
ルが優勢でありそしてX線は幅広いエネルギー範囲にて
供給されることに注意されたい。第5B図もまた30kVおよ
び50kVで動作するモリブデンターゲット管からの放射ス
ペクトルを示す。制動放射X線がほとんどないことに注
意されたい。さらに、30kVから50kVへの管の電位変化が
モリブデンターゲットX線管からの放射スペクトル形状
のわずかな変化を生ずることに注意されたい。
透過のタイプおよび照射されるべき目標領域に依存した
ターゲット物質の選択により、ターゲットアッセンブリ
26からのX線放射は効果的に賦形され得る。
放射空間分布は、ターゲットアッセンブリ26の幾何学的
構成の変更によってもまた形状が定められる。たとえ
ば、ターゲットアッセンブリ26の放射部材は、アノード
から導かれる電子が所定の角度で入射するかまたは放射
が生ずるところの帯域の種々の領域へ選択的に導かれる
よう賦形可能である。類似の態様において、「ビーム方
向操作」動作が、放射電子ビームを、たとえばターゲッ
トが種々の空間領域において種々の放射特性を有する場
合など、放射要素の選択面に導くのに使用可能である。
電子ビームの制御が遠隔測定装置の制御のもとに実現可
能でありあるいは装置10の挿入前の電源の予めのプログ
ラム化によって実現可能である。
第8図は静電的なビーム方向操作用アッセンブリの例を
示す。図示の実施例において、カソード22は上述の実施
例と変わらない態様で電子を発生する。電子は収斂電極
23を通じアノード24の方へ加速され、そしてアパーチャ
24aを通りターゲットアッセンブリ26へ向かう。ターゲ
ットアッセンブリ26の途中で、電子は静電的な偏向アッ
センブリ30(断面図が第8図に示されている)を通過す
る。アッセンブリは4つの偏向部材32を具備する。偏向
部材32の対向ペアに適用される電圧変化により軸線16a
の方向でアッセンブリに入るビーム中の電子が、それら
が軸線16bの方向にターゲットアッセンブリ26の方へ移
動するときに偏向されあるいは「方向変化」が行われ
る。こうして、ビーム軸線は所望に応じて真直かまたは
曲げられるよう制御可能である。後述するように、代替
え例として、電磁界技術がビーム方向変化の設定に使用
可能である。後者の場合、静電偏向プレート32が、電流
により駆動される磁気偏向コイルと置換可能であり、特
徴のあるビーム偏向の実現に必要な磁界を設定する。
ビーム方向変化操作の実施例の別の形式において、静電
偏向アッセンブリ30を通すのではなく、電子ビームが一
組の磁界発生コイルを通る。コイルはアッセンブリ30の
静電偏向プレートに類似した構成で配置される。コイル
を通ずる電流の変化により、結果として生ずる磁界は電
子ビームの通路に影響を与えるよう所定の態様で発生さ
れる。
かかる態様において、電子ビームは方向変化が行われ、
円錐形状ターゲットアッセンブリ(第8図)またはその
他の特定の幾何学的構成のターゲット上の一定の物理的
な場所に当る。例として、図示の実施例において、ター
ゲットアッセンブリ26の角度付けられた側部に当るビー
ムが、ターゲットアッセンブリの反対側の側部への僅か
なまたはほとんどない偶発的な放射とともに、その側部
から遠くへ放射されるX線を生ずる。
ビーム方向変化操作の実施例の別の形式において、X線
放射特性はターゲットアッセンブリの(たとえば放射ピ
ーク対エネルギーなどの)放射パラメータの空間的変化
により制御可能である。たっとえば「標的中心」の空間
パターンを有するターゲットアッセンブリ26の異なる場
所での(エネルギーの関数としての)放射ピーク変化に
より、ビームは比較的高いエネルギーのX線放出領域へ
または比較的低いエネルギーのX線放出領域へ方向変化
操作が行われる。かくして、ビームはターゲットアッセ
ンブリの帯域に選択的に導かれ、必要とされるX線放射
特性および方向を実現する。
挿入可能な構成において、電源12Aおよびターゲットア
ッセンブリ26は金属製容器内に入れられ、X線源から患
者への向かう電流を回避するのが好ましい。閉じられた
ハウジング12およびプローブ14が順次、上述したよう
な、適当な遮蔽材料からなる連続的な外部殻部材内に収
められる。
図示の実施例それぞれの高電圧源12Aは以下の3つの規
準を満足することが好ましい。1)寸法が小さいこと、
2)電池電力の使用を可能にする高い効率、および3)
ユニットが特定の応用のために予めプログラムされるの
を可能にするよう独立に変化可能なX線管電圧および電
流。高周波切替モード形電力コンバータがこれらの条件
を満たすよう使用される。低パワーおよび高電圧を発生
するための最も適当な形態が、高電圧のコッククロフト
ーウォルトン型効力増強装置ないしマルチプライヤと協
働して作動するフライバック電圧変換器である。低パワ
ー放散切替モード型電源制御集積回路(IC)がほとんど
補助構成部材なしにかかる形態を制御するため現在入手
可能である。
X線の能動的な制御を行うために、本発明のある好まし
い実施例がグリッド電極を使用することなくカソード電
圧および電流の独立制御を確立する。本発明のこの形式
において、高周波抵抗加熱電流が、40kVのカソード電位
で浮動する変成器結合型0.6Vおよび0〜300mAフィラメ
ント用電源を使用するのが好ましい熱電子カソード22へ
賦与される。熱電子発生カソードのための従来の電源に
おいては、高電圧隔絶変成器がこの機能を満足させるの
に使用されるであろうが、かかる構成要素は非常に大型
で小型の装置にとって不適当である。従来と対照的に、
本発明は、マルチプライヤないし効力増強装置段の蓄積
キャパシタからなる二重鎖を使用し、高周波(rf)電流
をフィラメントへ導くとともに高電圧直流隔絶を維持す
る高電圧電源回路を含む。装置は高周波電源の入力にて
インダクタ(L)で共振せられ、駆動電圧の振幅または
周波数のいずれかの変化により高周波電流レベルの制御
を可能にする。フィラメント電流のこの変化はフィラメ
ントの温度を変化し、カソードアノード間電圧の変化な
しにカソード電流放出の制御を許容する。
電源12Aの好ましい形式が第6図に概略的に示され、そ
して詳細な構成形態が第7図に示されている。第6図に
示されるごとく、この実施例はフライバック切替変換お
よび調整器280、制御電圧(すなわち高電圧マルチプラ
イヤ入力)端子282aへ結合された30:1の比の電圧変成器
282、高電圧端子22aに結合されそして熱電子発生器22の
フィラメントを駆動するようになされた10段の電圧マル
チプライヤ284を含む。フィラメント用高周波パワード
ライバおよび電圧−周波数(V/F)変換器290および関連
の高周波フィラメント駆動要素292が電流制御端子292a
およびキャパシタCoを通じフィラメント駆動回路286を
介して発生器22のフィラメントへ結合されている。
マルチプライヤ284は、2n個のすなわち20個の直列接続
ダイオードの組とn個の直列接続キャパシタからなる第
1の組および第2の組を具備する。ダイオードの組は、
抵抗要素Rを介して高電圧端子22と基準(接地)電位と
の間に一方向性直流パスを確立する。
第1のキャパシタの組が(端子22aから)第1番目と第
2番目のダイオードの接続点と制御電圧端子282aとの間
に結合される。第1の組の最初のn−1個のキャパシタ
はそれぞれ、(端子22aから)第2番目のダイオードか
ら始まるダイオードの組の関連のダイオードの連続ペア
間に結合される。
第2のキャパシタの組は高電圧端子22aと基準(接地)
電位との間に結合される。第2の組の最初のn−1個の
キャパシタはそれぞれ(端子284aから)第1番目のダイ
オードから始まるダイオードの組の関連のダイオードの
連続ペア間に結合される。
フィラメント駆動回路286は電圧マルチプライヤ284(主
に第2の組のキャパシタ)と第3の組の直列接続キャパ
シタとを具備する。第3の組のキャパシタは熱電子放出
器の端子22bと電流制御端子292aとの間に接続される。
第3の組の各連続キャパシタは第2の組の対応的に位置
付けられるキャパシタと関連付けられ、そして第3の組
のキャパシタ−キャパシタ間接続点は第2の組のキャパ
シタ−キャパシタ間接続点のうちの対応的に位置付けら
れる接続点に抵抗接続される。
差動増幅器294がライン295の電流フィードバック信号と
ライン296の適用される発生制御信号との間の検出され
た差分に応答し、高周波パワードライバおよびV/F変換
器290を駆動することにより電流フィードバックループ
を設定する。後者の信号は選択的に制御され、発生器
(熱電子カソード)22のフィラメントにおけるX線管カ
ソード電流の所望される時間的変化を確立するよう選択
的に制御可能である。
高電圧増幅器フィードバックループがライン297の電圧
フィードバック信号とライン298の適用される高電圧制
御信号との間の検出された差分に応答して切替変換器お
よび調整器280により設定される。後者の信号は選択的
に制御可能であり、発生器(熱電子カソード)22のフィ
ラメント電位の所望される振幅変化を確立する。第7図
に示すように、高電圧電源12Aは、パワー変換器282から
の一定エネルギーパルスの密度の変化により(カソード
22の)出力電圧を制御する抵パワーCMOSの負のブースト
変換器用の制御IC1を含む。出力電圧は(ライン298から
の)プログラム電圧と電気的に比較され、そして、もし
出力電圧があまりにも抵ければ、エネルギーパルス周波
数が高められる。制御器IC1からの制御パルスは低パワ
ーCMOSタイマーIC2へ送られ、パルスは短くなされそし
て高電圧フライバック変換器(Q1およびT1)を駆動する
ために適当なレベルヘバッファされる。高電圧パルス
は、nが10段のダイオードマルチプライヤ284により整
流される変成器282(T1)の二次側に発生される。電圧
フィードバックがマルチプライヤ284の第1段から取ら
れるのが好ましい。なぜならこれは抵パワーを使用しそ
してフィードバック抵抗R9の電圧ストレスを低減するか
らである。マルチプライヤ284の出力電圧はこのタイプ
のマルチプライヤのクランプ動作の性質により第1段の
電圧と良好に相関が行われる。
カソード発生電流制御がマルチプライヤ284のn個のダ
イオード鎖の底部(R7およびC8)の電流感知により実現
される。なぜなら、カソード電流のための直流路のみマ
ルチプライヤ284の2n個のダイオードを通るからであ
る。これは、たとえば30kVが可能な出力電位におけるか
わりにアース電位近傍でのカソードの電流検出を可能に
する。この感知電流はブロック291で電圧へ変換されそ
して発生電流のプログラム電圧(ライン296からの信
号)と比較される。もし誤差があれば、フィラメントド
ライバの電圧または周波数が閉ループの態様にて対応的
に調整される。
この構成で、カソード電圧および電流の独立制御が実現
されるとともに70%以上のパワー効率と3立方インチよ
りも小さな容積を維持し、装置の所望される設計目標を
満たす。
第9図は、脳腫瘍のX線処置に適合される装置例30を示
す。装置300は抵パワーX線装置10Aと組み合されるこれ
に接続される定位フレーム302を含む。この構成におい
て、X線装置10Aは第1図のX線装置10とほぼ類似する
が円筒状の幾何学的形態を有する。2つのX線装置10お
よび10Aの対応する要素は同様の参照符号により識別さ
れる。一般に定位フレームは患者の頭蓋に対して固定さ
れた基準構造を提供する。上述の好ましい実施例は特に
この定位フレームと一緒の使用に適合されるが、本発明
の他の実施例が他のフレームまたは、たとえば頭部以外
の身体部分に関して固定的に参照される固定物を確立し
そしてこれを動作させるフレームなどの一般的基準フレ
ームと一緒に使用するのに同様に適合されよう。第9図
の実施例で、定位フレーム302がマサチューセッツ州Bur
lington所在のRadionics社により製造されるCosman−Ro
berts−Wells装置にほぼ類似する。
図示の実施例において、フレーム302は所望される原点
0の周囲に配置される基準XYZ座標系を確立する。フレ
ーム302は基準面を画定するほぼU字形状支持フレーム3
04を含む。4つの腕部材306A,306B,306Cおよび306D(図
示せず)が支持フレーム304から外側に延在する。各腕
部材は位置決めピン308を有する。ピン308は腕部材306
A,306B,306Cおよび306Dそれぞれの遠方の先端から通常
互いの方向に延長する。使用において、4つのピン308
が患者の頭蓋に当接して配置され、フレーム302と患者
の頭蓋との間に固定的な位置関係を確立する。こうし
て、フレーム302は患者の頭蓋に関して基準XYZ座標系を
定める。
X線装置支持部材310が一対の回転結合アッセンブリ312
と一対の直線結合アッセンブリ314を介して支持部材304
へ結合される。X線装置支持部材310は弧状の支持トラ
ック部材310Aを具備する。X線装置10は結合アッセンブ
リ316により支持トラック310Aに結合される。結合アッ
センブリ316がトラック310Aの方向の円形パス上そして
弧状のトラック部材310Aの円形パスから半径方向内側に
原点0の方へ延長する軸線(軸線316′により例示され
ている)上の内側限界点および外側限界点との間にX線
装置10の制御された運動を提供する。
さらに、回転結合アッセンブリ312のハブの回りの回転
が、X線装置支持部材310をしてX軸線の回りに回転可
能に移動されるのを許容する。X線装置支持部材310
は、直径性結合アッセンブリ314のトラック314A方向の
運動により、XおよびY軸線により画定される面(X−
Y面)に垂直な方向に移動可能である。例示の実施例に
おいて、トラック314AのT型溝が部材304に固定される
ブロック314Bのほぞとはめ合い、X−Y面に垂直な方向
の直線的な運動を可能にする。
X線支持部材310が、支持部材304のトラック304A内にお
ける部材310から延在するほぞの運動によりZ軸線の方
向に移動され得る。トラック304の方向の部材310の制御
された位置がロックねじ334の使用により確立される。
さらに、支持部材304が支持部材305に対し部材304を滑
動させることにより、X軸線の方向に調節可能に位置付
けられ、そして自由度3で調節可能に位置付けられ、患
者の頭蓋内で原点0の所望される場所を確立する。
結合アッセンブリ316はX線装置10Aと一緒に第10図に分
解形式で示されている。図示される如く、結合アッセン
ブリ316は受容ブロック316Aおよびブッシング部材316B
をX線装置10に相補形状部分と一緒に有する。図示のよ
うに、X線装置10Aのプローブ14の電子ビーム軸線16は
軸線316′と公称的に同軸であるが、第8図および第8A
図の関係で上述したようにそして第11図および第12図と
の関係で後述するように調節可能に変化され得る。
円筒状ブッシュ部材316Bは受容ブロック316A内に部分的
にそしてこれと同軸配置される。ブッシュ部材316Bは
(半径軸線の方向316′に)滑動可能でありそして設定
ねじ318Aを使用しブロック316Aに対して適所にて選択的
に締め付け可能である。ブッシュ部材316Bはその中央軸
線方向に延びる(直径Dの)中央穴を含む。
上述した如く、X線装置10Aは第1図のX線装置10と類
似するが、ほぼ円筒形状のハウジング12を有し、プロー
ブ14は、主要な部分が小さな径(好ましい実施例におい
て3.0mm)でハウジング12のすぐ近傍に(Dよりもわず
かに小さな径を有する)円筒状のショルダ部分14Aを具
備する。この構成では、X線装置10Aは、その軸線16が
軸線316′と同軸状態にそしてショルダー部分14Aがブッ
シュ部材316Bの穴部に滑動配置された状態で位置決め可
能である。X線装置10Aの相対位置は部材316Bの設定ね
じ320の使用により軸線316′方向に固定可能である。
X線装置10Aが第11図で断面図で示されている。第11図
に示されるように、X線装置10Aはその電子ビームのた
めの磁気偏向サブシステムを具備する。偏向サブシステ
ムはショルダー部分14A内で軸線16の周囲に位置付けら
れた磁気偏向コイル32′を含む。これらのコイルはビー
ム軸線の位置を調節可能なよう制御するよう駆動され、
ビームは所望の態様でアッセンブリ26のターゲットへ入
射する。好ましい形式において、装置10Aにより発生さ
れる放射が(たとえば、患者の外部に配置されるX線検
出器により)監視され、偏向コイルが、偏向コイルに適
用される(電源12′において発生される)偏向X1、X2、
Y1およびY2ラインでの方向変化用制御電流により駆動さ
れる。
第10図の実施例において、マイクロプロセッサをベース
にした制御器はハウジング12内に配置されないが、ハウ
ジング12の外側で制御部342の内部に配置される。制御
部124はケーブル342′によりX線装置10Aに結合され
る。X線装置10の細長いプローブ14は生検針により残さ
れるトラックを通過するのを許容し患者の脳へのプロー
ブ14の簡単な挿入を可能にするよう構成される。硬い組
織からなる腫瘍についてそしてプローブよりも幅が小さ
い生検針が使用される場合、腫瘍への適当な挿通が中間
の寸法の針で生検針により残されたトラックをまず拡げ
ることを必要とする。
この構成で、プローブ14の先端はX線放射ターゲットを
包含し、軸線316,方向の運動により頭蓋挿入場所に対し
て内側または外側に運動される。X線装置10Aは設定ね
じ318Aおよび320により所定の位置に固定される。X線
装置10Aのプローブ14の長さは、316Aの軸線316′方向で
下方限界点の方へと下方に完全に挿入されるとき、原点
0とぴったり接触するように、X線装置10が軸線316′
方向で上方限界点の方へ完全に引っ込められるとき、プ
ローブ14′の末端が患者の頭蓋に外側にあるよう選択さ
れる。弧状の支持トラック部材310Aの座標は、原点0が
照射の所望中心(epicenter)に配置されるよう設定さ
れる。X線装置10Aの支持部材310の回転および弧状支持
トラック部材310Aの円周トラック方向および軸線316′
の方向のX線装置10′の位置決めにより、使用者は、患
者の頭蓋へのプローブ14の挿入(好ましくは最小限の損
傷)のための適当なパスを選択でき、プローブ14の先端
は下方限界点へのプローブの完全挿入のとき常に原点0
と接触している。
第12図は、第10図および第11図のX線装置10Aで使用す
るための好ましい高電圧電源12Aの模式図を示す。この
電源において、HVドライブ信号は0〜9Vのパルス密度変
調されたドライブ信号である。この信号はフライバック
スイッチングFETQ1をドライブし、順次、HVフライバッ
ク変成器をドライブする。HVフライバック変成器は+12
Vを数千Vへ高める。HVマルチプライヤD1〜D28は順次電
圧を15ないし40kVの所望される出力電圧に高める。電圧
のFBラインははフィードバック情報を制御器12Cに提供
し、HVマルチプライヤの出力電圧が一定値に保持され
る。
フィラメントのプラスおよびマイナスラインは、相補の
9Vの250kHz方形波のドライブ信号FETのQ2およびQ3に提
供する。これらFETは可変のフィラメント直流電圧をAC
電圧にチュップし、そしてフィラメント/HV隔絶変成器T
2をドライブする。この変成器を駆動するのに高周波信
号を使用することは単一巻の二次側がX線管フィラメン
トを駆動するのを可能にする。これは引き続き変成器を
小形化するのを可能にするとともに必要な高電圧隔絶を
維持するのを可能にする。現在のFBラインは制御器12C
がビーム電流を感知し、適当な加熱電流を熱電子発生器
22へ提供することにより制御器が所望されるビーム電流
のためフィラメント直流電圧を調整するのを許容する。
偏向用X1、X2、Y1およびY2ラインが現在の駆動信号を磁
気ビーム偏向コイルに提供する。
上述の実施例において、プローブ14はたとえばウレタン
などの生物学的に適合性のある外側層で被覆できる。外
側層はプローブ14の本体に直接的に適用でき、あるいは
第2図に示されるよういプローブとはめ合う鞘部材とし
て適用できる。
本発明は、本発明の技術思想から逸脱することなく他の
特定の形式で具体化できる。本実施例はそれゆえ単なる
例示であり本発明はこれに限定されるものではなく、本
発明は上記に説明によってでなく以下の請求の範囲によ
って定められるもので、請求の範囲に示される本発明と
等価なものは全て本発明の技術思想内に包摂されるべき
ものである。
フロントページの続き (72)発明者 ブーム,アントニウス ジェイ. アメリカ合衆国 01803 マサチューセッ ツ,バーリントン,マウンテン ロード 60 (72)発明者 ゼルヴァース,ニコラス ティー. アメリカ合衆国 02186 マサチューセッ ツ,ミルトン,カントン アベニュー 100

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.電子ビームにより賦活されるX線源にお
    いて、 i)電子ビーム源を包囲するハウジングであって、当該
    電子ビーム源はハウジングから外側に延長するビーム軸
    線に沿って電子ビームを発生するための手段を具備した
    前記ハウジングと、 ii)前記ビーム軸線の周囲に前記ハウジングから延在す
    る細長い管状のプローブであって、ハウジングから遠方
    のプローブ端部にビーム軸線方向に位置付けられたター
    ゲットを具備し、生物学的に適合性ある外側面を具備
    し、ターゲットがここに入射する前記電子ビームからの
    電子に応答しX線を発生する前面プローブと、 iii)ビームがターゲットを捕捉するよう前記ビーム軸
    線位置を制御するためのビーム位置決め手段と を具備するX線源と、 B.実質的に円形の円周軸線に沿って延在する円弧形状フ
    レーム部材を具備し、当該円周軸線は患者の頭部の外表
    面の最大曲率半径よりも大きな曲率半径により特徴付け
    られ、前記フレーム部材を前記患者の身体に結合し、そ
    れにより、フレーム部材が患者の頭部と実質的に固定さ
    れた空間的関係で頭部の周囲に位置付けられるようにす
    るための手段を具備する基準フレームアッセンブリと、 C.i)前記フレーム部材の円周軸線方向の選択的に制御
    されるハウジングの運動と、 ii)前記円周軸線から延びる半径軸線に沿って選択的に
    制御されるハウジングの運動を可能にし、それにより、
    前記プローブが前記円周軸線方向の所定の点から前記円
    周軸線に関して半径方向の半径軸線に沿って選択的に位
    置付けられるような態様で、前記ハウジングを前記フレ
    ーム部材に結合するための結合手段を具備するフレーム
    部材に前記X線源を調節可能に結合するための結合アッ
    センブリとを具備する患者の脳腫瘍を処置するためのX
    線装置。
  2. 【請求項2】前記ビーム位置決め手段が前記ビームの周
    囲に配置される磁気偏向コイルと磁気偏向コイルに方向
    変化用の制御電流を適用するための関連のドライブ回路
    を具備する磁気偏向サブシステムを有する請求の範囲第
    1項に記載の装置。
  3. 【請求項3】前記ターゲットで前記電子ビームにより発
    生されるX線放射のパターンの選択された特性を検出す
    るための手段を具備する請求の範囲第2項に記載の装
    置。
  4. 【請求項4】前記電子ビームが前記ターゲットに入射す
    るよう磁気偏向コイルに適用される方向変化用制御電流
    を制御するために検出サブシステムに応答する手段を具
    備する請求の範囲第3項に記載の装置。
  5. 【請求項5】前記位置決め手段が、ビームがターゲット
    に入射するようビーム軸線の位置を制御する場合に、外
    部電界を補償するための手段を具備する電界制御アッセ
    ンブリを含む請求の範囲第1項に記載の装置。
  6. 【請求項6】ビームがターゲットに入射するようビーム
    軸線の位置を制御する場合に、外部電界を補償するため
    の手段を具備する磁界制御アッセンブリを具備する請求
    の範囲第1項に記載の装置。
  7. 【請求項7】前記電界制御アッセンブリは、前記管状の
    プローブの横面に沿って延長する電気伝導性層と、電気
    伝導性層を基準電位に維持するための関連の手段を具備
    し、それにより前記管状プローブ内にビーム軸線周囲に
    実質的に電界のない帯域を確立する請求の範囲第5項に
    記載の装置。
  8. 【請求項8】ビーム軸線の位置を制御するための手段を
    具備する、前記管状プローブ内の静電偏向サブシステム
    を含む電界制御アッセンブリを備え、当該電界制御アッ
    センブリは、前記ビーム軸線の周囲に配置される静電偏
    向プレートと前記偏向プレート間にビーム偏向電圧を選
    択的に印加するための関連の駆動回路を具備する請求の
    範囲第1項に記載の装置。
  9. 【請求項9】前記磁気制御アッセンブリは、前記管状プ
    ローブの横方向面に沿って延在する高透磁率の層を具備
    し、前記管状プローブ内に前記ビーム軸線のまわりに実
    質的な磁界のない帯域を確立する請求の範囲第6項に記
    載の装置。
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