JPH07120439A - 超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷装置

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JPH07120439A
JPH07120439A JP5268513A JP26851393A JPH07120439A JP H07120439 A JPH07120439 A JP H07120439A JP 5268513 A JP5268513 A JP 5268513A JP 26851393 A JP26851393 A JP 26851393A JP H07120439 A JPH07120439 A JP H07120439A
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JP5268513A
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Inventor
Tominari Sato
富徳 佐藤
Hideo Takahashi
英夫 高橋
Hideki Yabushita
秀記 藪下
Yoshimaru Eto
芳丸 江藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HIHAKAI KENSA KK
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
HIHAKAI KENSA KK
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/025Change of phase or condition
    • G01N2291/0258Structural degradation, e.g. fatigue of composites, ageing of oils
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 異なった板厚を有する薄板のステンレス鋼の
検査にも適応でき、不感帯がなく、高いS/N比を確保
できる超音波探傷装置を得る。 【構成】 超音波探傷装置を、探触子本体11と、探触
子本体11に傾斜して取付られ、且つ予め定める一定の
屈折角で探傷すべき材料10中に超音波を送信する発信
素子12と、探傷すべき材料の内外表面間を屈折角で全
反射して伝播する超音波を受信できる間隔だけ、送信方
向と反対側に発信素子12から離して、探触子本体に発
信素子12と同一傾斜角で位置される受信素子13とを
備えて構成し、受信素子13を発信素子12に対して離
間・近接自在に構成するとともに、探傷すべき材料10
の板厚に対応して、受信素子13の発信素子12に対す
る離間位置を指定する指定位置表示部材11cを備えて
構成したり、両素子を集束型のものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、探傷対象の材料内に超
音波を送信する発信素子と材料内から反射してくる超音
波を受信する受信素子とを使用して、受波の状態より材
料に存在する欠陥を検出する超音波探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、検査対象の欠陥としてのオーステ
ナイト系ステンレス材を使用した板材や配管等の溶接近
傍の外表面検査を例にとって説明する。このような材料
の溶接近傍の表面には所謂応力腐食割れが発生する。こ
の応力腐食割れは0.2〜0.3mm程度の深さで材料
表面で、例えば溶接線に沿って発生する割れであり、塩
分、熱応力等により経時的に発生する。さて、従来、こ
のような応力腐食割れの検査にあたっては、浸透探傷法
が採用されていた。作業にあたっては、検査対象の材料
表面の塗装を除去するとともに、浸透液を塗布し、その
分布状況等により欠陥の有無を確認していた。そして、
この確認作業の後に、前記浸透液を洗浄するとともに塗
装を再度施す必要があった。即ち、この方法を採用する
場合は、作業能率が比較的悪く、検査結果も作業者の経
験、判断基準に大きく依存していた。一方、材料内等に
存在する欠陥を検出する方法として超音波探傷法が用い
られる。この方法においては、材料中に超音波を送信
し、割れなどの欠陥部分において反射される超音波を受
信して、その反射状況から割れの位置、大きさ等に関す
る情報が得られる。
【0003】図4(イ)、(ロ)に、従来からの超音波
探傷法である一探触子法の探傷構成が示されている。
(イ)は側面視図を、(ロ)は平面視図を示している。
この方法を探触子の構成とともに説明する。尚、別途図
5(イ)、(ロ)に説明する発信・受信素子分離タイプ
のものにおいても、その探触子の内部構成は概略同一で
ある。さて、図4(イ)、(ロ)に示すように、ガス管
等の材料1の表面付近には、割れ2が存在する。検査に
あっては、割れ2に対して一定の距離を有する位置に探
触子3が配置されて、割れ2の検出が行われる。探触子
3には、振動子4がくさび5によって傾斜して取付けら
れる。くさび5中を、ビーム中心6で示すように超音波
が進行し、材料1中に入射する時点で屈折角θ1を有す
るように屈折する。屈折角θ1を有するように屈折した
超音波ビームは、材料1の他方表面で全反射し、割れ2
に達する。割れ2に到達した超音波は、反対方向に反射
され、振動子4に戻る。したがって、この方法では振動
子4を一定時間だけ振動させた後で、振動子4からの超
音波の発信を停止し、反射してくる超音波の振動を、同
一の振動子4によって受信する。振動子4は電圧効果や
磁歪効果によって、外部から与えられる電気エネルギを
超音波エネルギに変換し、また超音波エネルギを電気エ
ネルギに変換する。振動子4へのエネルギの供給または
振動子4からの受信情報は、リード線7を介して探傷ケ
ーブル8に与えられる。探触子3のケースとくさび5と
の間には、吸音材9が充填される。
【0004】この一探触子法においては、単一の振動子
4が、超音波の発信・受信の用に供され、超音波の送信
が終了すると直ちに受信に切換えられる。しかしなが
ら、機械的な振動状態が減衰するまでに時間を要し、一
定の時刻まではかなり大きな振動が残る。従って、受信
を開始できる時間(超音波が一定の距離を伝達されてい
る必要がある)に一定の限界がある。
【0005】さらに、最近提案されているものとして、
発振素子としての振動子30aと受信素子としての振動
子30bとを検査対象の部位(欠陥の仮想位置)に対し
て前後方向に離間する異なった位置に備えた探触子があ
る。図5(イ)(ロ)に夫々、この探触子の側面図と平
面図とが示されている。この探触子においては、発振素
子30aから発信された超音波は、所定の経路を経て割
れ2に到達するとともに、これにより反射され、発信素
子30aにおける入射位置において、再度反射されて受
信素子30bにいたって検出される。そして、これらの
超音波探傷装置においては、発振、受信素子としては超
音波を平面的に照射するもの(フラット型と呼ばれるも
の)が採用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなオーステ
ナイト系ステンレス材を使用した板材や配管等の溶接近
傍の外表面検査の場合は、浸透探傷法が採用されてお
り、一般に超音波探傷法は採用されていない。この理由
は、ステンレス材による超音波の散逸がおおきく感度よ
く検出ができないためである。さらに、超音波探傷法を
採用しようとする場合においても、板厚が小さい場合
は、一探触子法では不感帯の存在により充分な検査がお
こなえない。一方、発信素子と受信素子を独立に前後方
向に備えたものにおいては、これに対応する発信素子と
受信素子の位置が固定されることで、結果的に検査対象
となる材料の板厚が限定され、充分な検査をおこなうこ
とができないという問題がある。さらに、発信素子と受
信素子を独立に前後方向に備えたものにおいても、オー
ステナイト系ステンレス材を使用した板材や配管等の溶
接近傍の外表面検査の場合は、その超音波の散逸が大き
いため、S/N比の大きい確実な検査が行いにくいとい
う問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、例えばステンレ
ス材の応力腐食割れに対しても、簡単な構成で、不感帯
なく、高いS/N比を確保できる超音波探傷装置を得る
とともに、検査対象の材料の板厚の変化にも対応できる
超音波探傷装置を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に於ける超音波探
傷装置の本願第1の発明の特徴構成は、探触子本体と、
探触子本体に傾斜して取付られ、且つ予め定める一定の
屈折角で探傷すべき材料中に超音波を送信する発信素子
と、探傷すべき材料の内外表面間を屈折角で全反射して
伝播する超音波を受信できる間隔だけ、送信方向と反対
側に発信素子から離して、探触子本体に発信素子と同一
傾斜角で位置される受信素子とを備えた超音波探傷装置
において、受信素子を発信素子に対して離間・近接自在
に構成するとともに、探傷すべき材料の板厚に対応し
て、受信素子の発信素子に対する離間位置を指定する指
定位置表示部材を備えたことにある。さらに、超音波探
傷装置の本願第2の発明の特徴構成は、探触子本体と、
探触子本体に傾斜して取付られ、且つ予め定める一定の
屈折角で探傷すべき材料中に超音波を送信する発信素子
と、探傷すべき材料の内外表面間を屈折角で全反射して
伝播する超音波を受信できる間隔だけ、送信方向と反対
側に発信素子から離して、探触子本体に発信素子と同一
傾斜角で位置される受信素子とを備えた超音波探傷装置
において、超音波が材料表面間を単一回、全反射して探
触子本体当接側の面に到達する位置を、探傷すべき欠陥
が存在すると想定される仮想欠陥位置として設定し、発
信素子及び受信素子が送信もしくは受信する超音波が仮
想欠陥位置に集束する集束型の発振素子もしくは受信素
子として構成されることにある。そして、それらの作用
・効果は以下のとおりである。
【0009】
【作用】第1の発明の超音波探傷装置においては、これ
に備えられる発信素子と受信素子は個別配置構成とされ
(ただし、単一の探触子本体に組み付られている)、こ
れらの素子の側面視での傾斜角(材料表面の法線に対す
る傾き)は一定で、夫々同一とされる。使用に当たって
は、発信素子から発信された超音波は、所定の送信経路
を経て仮想欠陥位置に到達するとともに、欠陥がある場
合は、この部位から反射されて、前述の送信経路と同一
の経路を逆方向に辿る受信経路及び再度の全反射経路を
経て、受信素子に至ることとなる。ここで、この装置に
おいては、材料の板厚に応じて指定位置表示部材の指定
に従って、発信素子と受信素子の位置が作業者によって
設定されて探傷がおこなわれる。従って、超音波が材料
内に入射する位置と、これから出射する位置との離間位
置関係は、材料の板厚と屈折角との関係から、指定位置
表示部材によって決定され、超音波の板状材料内での全
反射状態を満たすものとされる。この要件から、前述の
仮想的な欠陥の位置から全反射状態で反射してくる超音
波が主に、受信素子に到達することとなる。即ち受信素
子の傾斜角関係、及び平面的な両素子の位置関係より、
異なった角度で進行する超音波は、受信素子に到達しに
くい。よって、雑音は非常に少なくなる。さらに、本願
の超音波探傷装置においては、発信素子と受信素子とが
分離しているので、受信素子には不感帯はほとんど生じ
ない。よって、雑音の少ない状態で且つ強い信号強度
で、欠陥に係わる所定の信号を良好に検出することがで
きる。一方、本願第2の発明の超音波探傷装置において
は、超音波の送信もしくは受信方向に対して、その前後
方向に両素子を配設する構成で、材料表裏表面間を1ス
キップのみ全反射して伝播する位置(この位置を仮想欠
陥位置と呼ぶ)にある欠陥を検出対象として特定し、こ
の位置に両素子からの超音波が集束される(発信素子の
場合は、前述の仮想欠陥位置に発信超音波が集束するも
のとされ、受信素子の場合は、検知される超音波の音源
側が前述の仮想欠陥位置とされる)。従って、後述する
実験結果にも示すように、特定位置に対する検出を優先
的におこなうこととなるため、フラットタイプのものを
採用する場合と比較して、S/N比を格段に高くなる。
【0010】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、不感帯を
ほとんど生じることなく、しかも高いS/N比で割れな
どの欠陥の検出を行うことができる。S/N比が高いの
で、例えば、探傷すべき材料の表面に塗装膜が施されて
いても欠陥の検出が可能となる。従って、実際に使用中
の管材などでは、応力腐食割れを防止するために塗装を
施しているけれども、欠陥の検出を塗装の剥離をするこ
となく行える。さらに、第1の発明の構成においては、
検査対象となる材料の板厚が変化した場合においても、
指定位置表示部材に存する指標に従って各素子を位置さ
せることにより、容易に作業を進めることができる。一
方、第2の発明の構成においては、後述する実験結果に
示すように、感度が格段に良化した状態で検出をおこな
うことができる。ここで、溶接部周辺に発生する応力腐
食割れの検査において、浸透探傷法を採用する場合と、
本願の装置を利用して超音波探傷法とをおこなう場合と
の作業工数の比較をおこなうと、検査箇所が50箇所あ
る事業所において、前者の場合は作業日数5〜6日で2
0名、後者の場合は作業日数2日で4〜5名となり、大
幅な省力化が達成される。
【0011】
【実施例】図1(イ)は、本発明の一実施例による超音
波探傷装置の断面図がさらに図1(ロ)には使用状態の
平面視図が示されている。
【0012】探傷にあたっては、管材や板材などの材料
10の表面に、探触子本体11の下面が接触されて使用
される。この探触子本体11は、発信素子である発信用
の振動子12と、受信素子である受信用の振動子13を
備えて構成されている。図示するように探触子本体11
は、検査対象の溶接部位の近接側に備えられて使用され
る第一探触子本体11aと、この第一探触子本体に対し
て近接・離間自在かつ位置固定自在に構成された第二探
触子本体11bを備えて構成されている。そして、第一
探触子本体11aには発信素子12が、さらに第二探触
子本体11bには受信素子13が備えられて構成されて
いる。さらに、この第二探触子本体11bは、第一探触
子本体11aの後部側に設けられるノギス11c上を移
動自在で、位置固定自在な構成が採用されている。そし
て、このノギス11cには検査対象の材料の板厚に対応
して第二探触子本体11bが捕るべき位置が刻印されて
おり、指定位置表示部材として構成されている。この、
第一探触子本体11aと第二探触子本体11bとの位置
関係(ひいては発信素子12と受信素子13との離間距
離関係)については後述する。
【0013】以下さらに、詳細に説明すると、発信用・
受信用の振動子12、13は、夫々各探触子本体11
a,11b内でくさび14、15に取付けられて構成さ
れる。振動子12,13はダンパ16,17によってそ
れぞれ制動される。各探触子本体11a、11b内の空
間には吸音材18が充填される。
【0014】ここで、振動子12,13は、ほぼ同一形
状で、同一共振周波数、たとえば5MHzを有する。振
動子12,13の材料としては、たとえばチタン酸バリ
ウムなどの磁器材料が用いられる。くさび14,15も
同一形状であり、材料としてはアクリル樹脂などが用い
られる。くさび14,15は、材料10中で超音波が屈
折角θ、たとえば45°を有するように、振動子12,
13を傾斜して保持する。ダンパ16,17は、布入り
のフェノール樹脂などが用いられ、各振動子12,13
の余分な振動を防止する。吸音材18は、空気を介して
超音波が伝搬するのを防止する。以上のように、振動子
12,13に関連する構造はほぼ同一であるので、超音
波探傷装置の製造は容易で、コストダウンが可能であ
る。
【0015】さて、使用にあたっては、前述の第一探触
子本体11aと第二探触子本体11bとの位置関係をノ
ギス11cの刻印に従って、検査対象となる材料の板厚
に従って設定することにより、特定の位置関係とされ
る。即ち、超音波の材料内への入射位置20と材料内か
らの出射位置21とが、所定の屈折角θで入射される超
音波が、板状材料の内外表面S2,S1(材料表面を単
にSで表す)間を前記屈折角θで全反射して伝搬する距
離だけ離間して設定されることとなる(図1(イ)参
照)。一般には、この設定位置関係(離間距離をLとす
る)は、超音波の屈折角θを検査対象の板状材料の板厚
tを、以下の式が成立する。 L=n×2t×tan(θ) ここで、n=1、2、3……
【0016】さて、材料中に存在する割れ200などの
欠陥は、表示器25による表示によって検出される。こ
の検出を行うために、発信器26から5MHzの信号出
力が送信用の振動子12に与えられる。表示器25およ
び発信器26は、探傷器27に含まれる。
【0017】以下に検出状況について説明する。これま
で説明してきたように、作業にあたって、作業者は先ず
材料の板厚に従って第一探触子本体11aと第二探触子
本体11bの離間距離を設定するとともに、第二探触子
本体11bを位置固定して、検査対象の材料に当接させ
る。そして、装置を始動させる。発信用の振動子12か
ら発信された超音波は、くさび14中を進み、材料10
の表面で入射点20に達する。材料10中では、屈折角
θとなるように屈折して、入射点20側の表面と対向す
る側の表面の反射点31aに達する。反射点31aで
は、表面が空気と接触しており、空気中の音速はくさび
14,15中の音速よりも小さいので、材料10中の音
速との差が大きく、超音波は反射点31aで全反射さ
れ、割れ200の反射点32に達する。反射点32で
は、超音波の進行方向が変化され、反射点31aを経て
入射点20に至とともに、再度全反射して出射点21に
至る。出射点21では、到達した超音波の一部がくさび
15中に侵入し、受信用の振動子13に到達する。入射
点20と出射点21との伝達経路に沿った距離は、往路
側が超音波が屈折角θで1回全反射して到達する1スキ
ップの距離、復路はその倍の距離である。この距離は、
たとえば屈折角θが45°のときには、板厚tの2倍と
なる。割れ200までの距離は、材料10中の音速と屈
折角θによって求めることができる。割れ200が検出
されたかどうかは、その距離だけ離れた表面を押さえる
などして、表示器25の表示が変化するか否かで判断す
ることができる。
【0018】この探触子本体11に取付けられる、発信
素子12と受信素子13との間隔は、上述のように1ス
キップに選ぶのが望ましいけれども、板厚tが薄いとき
には、1スキップの整数倍、たとえば3スキップ程度で
あっても差支えないことが、実験結果により確認されて
いる。
【0019】さて、以上に述べてきた超音波探傷装置の
開発の主眼は、検査対象の材料の板厚の変化に対するも
のであるが、こういった要請とともに、装置が頻繁に検
査対象とする材料の板厚が、特定される場合もある。そ
して、このような場合は、板厚の変化に対する対応とと
もに、いかにS/N比を向上させて検出するかが問題と
なる。このような目的の超音波探傷装置100を図2に
示す。装置の概略構成は図1に示すものと同一である
が、この装置に備えられる振動子120,130は、そ
の発信または受信する超音波が所定の仮想欠陥位置に集
束するものとして構成されている。即ち、特定の板厚に
対して、発信もしくは受信する超音波が、材料表面間を
単一回、全反射して探触子本体当接側の材料表面に到達
する位置に、探傷すべき欠陥が存在すると想定され、振
動子120、130が、送信もしくは受信する超音波が
前記仮想欠陥位置に集束する。この構成の装置100の
検討結果については後述する。ここで、素子を集束型に
構成することと、板厚の変化に対応することとは矛盾す
る課題のようにみえるが、集束型の素子で、ある程度の
板厚の変化にも対応できる。
【0020】以下、本願の超音波探傷装置の有用性の検
証実験結果について説明する。検証実験の要件を箇条書
きする。 1 検査用使用機器及び被検体 a 使用探傷器 デジタル超音波探傷器 EPOCK
II(パナメトリクス社) b 検討対象探触子(上述の説明で超音波探傷装置と呼
んでいるもの) 一探触子法 斜角探触子(図4に示すもの) 一探触子法 集束型斜角探触子(図4に示す構成のも
ので、集束型のもの) 二探触子法 前後配列フラット型探触子(図5に示す
もの) 二探触子法 前後配列集束型探触子(図2に示す構成
のもので、集束型のもの) c 接触媒質 グリセリン d 被検体 被検体 1 石炭ガス(CG)ファールメーン本管φ600内面の応
力腐食割れ(SCC)(材質SS−41 板厚 4.2
t) 被検体 2 図3に示すφ200配管50に於ける2Bノズル51取
付け溶接部52の外表面応力腐食割れ(SCC)53
(材質 SUS304 板厚 3.8t) この割れ53は、図示するように2Bノズル51取付け
溶接部52から配管50の周方向に発生している割れで
あり、図3(イ)に示すように、割れ53に対して直角
方向に探触子(超音波探傷装置)を当てて検査をおこな
った。割れ53は溶接部52から配管周方向に長さ16
mmに亘って発生しており、ノズル51から離間する側
の2mm程度を除いて厚み方向で両表面間に亘って貫通
している。検査に当たっては、ノズル51から離間した
端部位置Aで厚み方向1mm深さの部位の検知をおこ
う。
【0021】2 探傷条件 測定範囲………50mm 探傷感度………被検体と同材質・板厚の縦穴φ2.4m
mをエコー高さ80%に設定 被検体表面……塗装無し 3 探傷結果 以下に探傷結果について説明する。 3−1 結果 1 被検体1に対する感度測定結果を表1に示す。この被検
体に存在する各欠陥は以下のようなものであった。 欠陥長さ:A=18mm,B=9mm,c=5mm 欠陥深さ:0.5〜1.2mm
【0022】
【表1】
【0023】3−2 結果 2 被検体2に対する感度測定結果を表2に示す。この被検
体に存在する各欠陥は以下のようなものであった。 欠陥長さ:A=16mm 欠陥深さ:0〜3.8mm(貫通欠陥) 探傷感度:2Bφ2.4からのエコーをCRT80%に
調整した。
【0024】
【表2】
【0025】以上の結果を整理して、各方法により得ら
れる感度状態を表3に示す。この表において、SS−4
1で示すものが被検体1に関する結果であり、SUS3
04で示すものが被検体2に関する結果である。
【0026】
【表3】
【0027】上記のような結果より、超音波探傷法によ
る検出性能評価は、探傷器27のCRT表示の欠陥信号
高さとノイズ高さとの比(S/N)で行うが、集束型前
後配列構成ののものを使用する場合が、従来法であるフ
ラット型一探触子(汎用)を使用した場合のS/Nに対
して、SS材で2.4倍、SUS材で5.3倍の高検出
性が得られた。尚、この実験データは塗装無しである
が、S/Nが約14〜15あることから、塗装施工後に
ついても十分検出性能が有ることが立証された。
【0028】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】探傷状態の超音波探傷装置の断面図及び平面図
【図2】集束型の発信、受信素子を備えた超音波探傷装
置の断面図
【図3】ノズル取付溶接部近傍の平面図及び断面図
【図4】一探触子法の構成を示す図
【図5】前後方向配列の二探触子法の構成を示す図
【符号の説明】
10 材料 11 探触子本体 11c 指定位置表示部材 12 発信素子 13 受信素子 120 発信素子 130 受信素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藪下 秀記 大阪府大阪市西区北堀江1丁目18番14号 非破壊検査株式会社内 (72)発明者 江藤 芳丸 大阪府大阪市西区北堀江1丁目18番14号 非破壊検査株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探触子本体(11)と、前記探触子本体
    (11)に傾斜して取付られ、且つ予め定める一定の屈
    折角で探傷すべき材料(10)中に超音波を送信する発
    信素子(12)と、探傷すべき材料の内外表面間を前記
    屈折角で全反射して伝播する超音波を受信できる間隔だ
    け、送信方向と反対側に前記発信素子(12)から離し
    て、前記探触子本体に前記発信素子(12)と同一傾斜
    角で位置される受信素子(13)とを備えた超音波探傷
    装置であって、前記受信素子(13)を前記発信素子
    (12)に対して離間・近接自在に構成するとともに、
    前記探傷すべき材料(10)の板厚に対応して、前記受
    信素子(13)の前記発信素子(12)に対する離間位
    置を指定する指定位置表示部材(11c)を備えた超音
    波探傷装置。
  2. 【請求項2】 探触子本体(11)と、前記探触子本体
    (11)に傾斜して取付られ、且つ予め定める一定の屈
    折角で探傷すべき材料(10)中に超音波を送信する発
    信素子と、探傷すべき材料の内外表面間を前記屈折角で
    全反射して伝播する超音波を受信できる間隔だけ、送信
    方向と反対側に前記発信素子から離して、前記探触子本
    体に前記発信素子と同一傾斜角で位置される受信素子と
    を備えた超音波探傷装置であって、前記超音波が材料表
    面間を単一回、全反射して前記探触子本体当接側の面に
    到達する位置を探傷すべき欠陥が存在すると想定される
    仮想欠陥位置として設定し、前記発信素子(120)及
    び前記受信素子(130)が、送信もしくは受信する前
    記超音波が前記仮想欠陥位置に集束する集束型の発振素
    子もしくは受信素子として構成される超音波探傷装置。
  3. 【請求項3】 特定の板厚に対して、前記超音波が材料
    表面間を単一回、全反射して前記探触子本体当接側の材
    料表面に到達する位置を、探傷すべき欠陥が存在すると
    想定される仮想欠陥位置として設定し、前記発信素子及
    び前記受信素子が、送信もしくは受信する前記超音波が
    前記仮想欠陥位置に集束する集束型の発振素子もしくは
    受信素子として構成される請求項1記載の超音波探傷装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009202224A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Takada Kiko Kk 耐疲労鋼における部分溶け込み溶接の評価方法
JP2013231681A (ja) * 2012-05-01 2013-11-14 Toshiba Plant Systems & Services Corp 非破壊検査装置および非破壊検査方法

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