JPH07119236B2 - 花芽誘導物質及びその製造方法 - Google Patents

花芽誘導物質及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 産業上、植物を栽培し、開花・結実にいたらしめる過程
は、直接、収量形成に影響を及ぼす過程であり、経済価
値を決定する重要な過程である。穀類、果菜類、及び鑑
賞用の花卉では、開花の後に収穫物が形成され、開花時
期は収穫・出荷時期を決定する。従って、植物の開花を
安価に制御する技術は、農業生産に計画性をもたせるこ
とを可能にし、農業に革新をもたらす。本発明はこれら
を含めて広く一般に利用しうる花芽誘導物質(花成誘導
物質ともいう)及びその製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕 植物は、多くの場合、日長周期に応じて、栄養成長から
生殖成長に成長の様式を変え、分裂組織に花芽を形成
し、やがて開花する。昼が長く夜が短くなると開花する
一群の植物を長日植物、昼が短く夜が長くなると開花す
る一群の植物を短日植物と呼ぶ。キャベツやホウレンソ
ウなどは長日植物であり、キクやアサガオ、イチゴ、イ
ネ、またはコムギなどは、短日植物である。また、温度
に感応して花芽を誘導する植物もある。ランの一種であ
るデンドロビウムは、低温により花芽が誘導される典型
である。また、キャベツやホウレンソウは、花芽が誘導
されるには長日のほかにも低温が必要である。
このように、植物はその種に固有の環境条件に応じて、
花芽を形成し開花するが、花芽形成の反応を誘導する物
質は、どの植物にも共通の物質と考えられている。個々
の植物に固有ではあるが、開花が誘導される環境条件に
おかれると、共通の物質が合成され、これが分裂組織に
はたらき、そこに花芽を誘導する。50年前にChailakhya
nは、葉で合成され、師管液を通じて輸送される花芽誘
導ホルモンの存在を予言した。その後、さらに、接き木
を用いた実験により、花芽誘導ホルモンは多くの植物種
に存在し、広い作用スペクトルを持つことが明らかにな
ってきた。例えば、花芽誘導したアサガオに、花芽誘導
していないサツマイモを接き木することにより、サツマ
イモが開花するという実験事実は、アサガオの花芽誘導
ホルモンがサツマイモにも有効であることを示すもので
ある。
花芽を誘導する活性を持つ物質を目的として単離を行
い、その構造を決定したのはClelandらの報告(C.F.Cle
land and A.Ajami,Plant Physiol.,54,904)が最初のも
のになる。Chelandらは、短日植物であるオナモミの師
管液を含むアブラムシの甘露の中から、イボウキクサの
花芽誘導を指標にして花芽誘導活性を持つと思われる物
質を単離し、これがサリチル酸であることを明らかにし
た。しかし、サリチル酸を、オナモミに与えても、花芽
誘導は起こらなかった。しかし、この実験結果の与えた
影響は大きく、多くの研究グループは、花芽誘導ホルモ
ンの本体として、サリチル酸のような低分子のフェノー
ル性の物質を想定し、葉のメタノール抽出液やアセトン
抽出液より、花芽誘導物質の単離を試みた。この結果、
ウキクサ類の花芽を誘導する物質として、安息香酸、ニ
コチン酸、ニコチンアミド、ピペコリン酸などが見つか
ったが、これらはいずれも、他の高等植物には花芽を誘
導することができず、また、花芽誘導の有無と関係な
く、植物体内に存在するため、花芽誘導ホルモンとは認
められない物質であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、植物の安価の開花制御を実現するた
め、植物成長調節剤として使用可能な天然に存在する花
芽誘導ホルモンを分離することにある。
〔課題を解決するための手段〕 本発明でいう花芽誘導物質とは、花芽誘導活性をもつ物
質であれば特に限定されない。
花芽誘導物質を抽出する植物体の種類は特に限定されな
いが、ウキクサ科、ヒルガオ科等の植物がよい。ウキク
サ科の植物はLemna、Spirodela、Wolffia、Wolffiella
等の属があり、どの属のものを使用してもよいが、例え
ばアオウキクサ(Lemna paucicostata)やイボウキクサ
(Lemnagibba)は好適である。ヒルガオ科の植物は例え
ばアサガオ(Pharbitis nil chois)が好ましい。ま
た、抽出する植物体は花芽を誘導したものが好ましい。
花芽誘導物質は葉で合成され師管液を通じて植物全体に
運ばれているものと思われる。従って、植物体のどの部
位からも抽出できるが特に好ましい部位は葉である。
花芽誘導物質は植物体を破砕し、水抽出を行なうことに
よって取得することができる。破砕方法は要は表皮を破
壊して植物体内部を水抽出できる状態にすればよく、例
えばカッターによって細断すればよい。水抽出はこの植
物体細片を水中に投入し、必要により撹拌すればよい。
抽出は水のほかリン酸緩衝液等を利用することもでき
る。緩衝液のpHは5〜8程度が適当である。抽出時間は
常温で1〜60分間程度でよい。抽出速度を高めるために
加温してもよい。水抽出後は遠心、濾過等の手段によっ
て不溶物を除き、必要により更に精製する。精製方法と
してはペプチドを分子量分画する公知の手段を利用する
ことができ、例えば、ゲル濾過、イオン交換クロマトグ
ラフィー、硫安沈澱等を利用することができる。
花芽誘導活性の検定はどの植物を用いてもよいが、例え
ばウキクサ科の植物は好適である。ウキクサ科植物は、
他の植物に比べると個体が小さく、増殖速度も速く、糖
などの有機物を速やかに吸収する。また、開花が誘導さ
れる条件の異なる系統が種々存在し、さらに、花芽誘導
後、花芽の分化が判定されるまでの時間も短く、花芽誘
導物質のアッセイ系として、すぐれた特質を備えてい
る。ウキクサ科の植物は何を用いてもよいが、例えばア
オウキクサ、イボウキクサなどは好ましい。一方、花芽
誘導活性を高等植物で検定する場合には例えばアサガオ
を使用することができる。アサガオは、短日性の強い植
物であり、また、子葉が展開・緑化した直後から、日長
時間に感応することができる。アサガオの種類は特に制
限されないが、例えば短日性が特に強い品種としてヴァ
イオレットを使用することができる。
ウキクサ科植物で花芽誘導活性を検定するには、以下の
ような方法で行うことができる。すなわち、3フロンド
の葉状体を10mlのウキクサ用の1/10M培地培養液を入れ
た30mlの三角フラスコ中で25℃の連続光下で培養する。
このときの培養液に種種の物質を添加し、1週間後に分
化してくる花芽を実体顕微鏡下に観察して添加した物質
の花芽誘導に及ぼす効果を判定する方法である。
また、アサガオで花芽誘導活性を検定するには、灌水時
に株元に投与して根より吸収させたり、試料を葉面に散
布したり、茎、または胚軸に脱脂した木綿糸を通して、
糸の先端を試料を含む水につけて、直接試料を維管束内
に吸収させる方法を用いればよい。
本発明の花芽誘導物質にはゲル濾過法で測定した分子量
が80〜150キロダルトンのもの、20〜30キロダルトンの
もの及び0.6〜1.2キロダルトンのものの3種がある。そ
のうち、80〜150キロダルトンのもの及び20〜30キロダ
ルトンのものは花芽誘導の有無を問わず植物体に存在す
る。一方、0.6〜1.2キロダルトンのものは花芽誘導によ
って顕著に発現するが、80〜150キロダルトンもしくは2
0〜30キロダルトの花芽誘導物質の分解物である可能性
もある。上記の分子量はその測定法等によって多少異な
り、例えばSDSポリアクリルアミド電気泳動法によって
測定した場合、ゲル濾過法で80〜150キロダルトンのも
のには53キロダルトンと61キロダルトンのものが含まれ
ていた。
これらの花芽誘導物質は、アミノペプチダーゼM処理に
より失活することから、タンパク性の物質であると考え
られる。また、これらの花芽誘導活性は、キモトリプシ
ンで処理しても失われなかった。
また、花芽誘導物質は、分子中に以下のアミノ酸配列を
構造の一部として有している。
Ser−Gln−Leu−Pro−Leu−Val−Gly−Asn−Thr−Ala−
Pro−Asn−Phe−Glu−Ala−Glu−Ala−Val−Phe−Asp−
Gln 精製した標品を用いて、アサガオへの花芽誘導活性の検
定を行えば、これらの物質はアサガオにも花芽を誘導す
ることが期待される。
また、本発明の花芽誘導物質はキモトリプシンのほか、
トリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ等のプロテ
アーゼによる分解産物中にも花芽誘導活性を有するもの
が存在する。例えば、実施例で示した様にアルギニルエ
ンドペプチダーゼで酵素分解させた数種のペプチドに花
芽誘導活性が認められている。
〔実施例〕
実施例1 〔短日性のアオウキクサ(Lemna paucositata)441の葉
状体の水抽出液中の花芽誘導物質の精製〕 短日条件下で培養した(すなわち、花芽誘導した)アオ
ウキクサ(Lemna paucositata)441の葉状体を液体窒素
で凍結・粉砕した。これを葉状体1gあたり1mlの10mMリ
ン酸カリウムバッファー(pH6.2)に懸濁し、遠心操作
により不溶物を除いて水抽出液を得た。この水抽出液中
の花芽誘導活性を、アオウキクサ(Lemna paucositat
a)151への花芽誘導を指標に検定した。1/10M培地(M
培地は表1参照)に花芽誘導活性を検定したい物質を種
々の濃度に添加し、これに3フロンドのアオウキクサ15
1の葉状体を植えて、25℃の連続光下で培養した。1週
間後に実体顕微鏡で分化してくる花芽を観察して花芽誘
導活性は、1フロンドあたりの花芽の数を百分率で表す
FL(%)で示した。検定結果を第1図に示す。図の縦軸
はFL(%)を表わし、横軸は培地10mlに加えた抽出液
(ml/g・friot)の液量を表している。この結果、水抽
出液中には、同図に示すようなDose Responseを示す花
芽誘導活性が含まれることがわかった。
表1 M培地の組成 Ca(NO3)2・4H2O 5.0mM MgSO4・7H2O 2.0mM KNO3 15.0mM KH2PO4 5.0mM FeCl3・6H2O 0.02mM tartaric acid 0.02mM H3BO3 0.046mM MnCl2・4H2O 0.018mM ZnSO4・7H2O 0.00077mM Na2MoO4・2H2O 0.0005mM CuSO4・5H2O (pH4.2) 次に、花芽誘導活性の分子量分布を調べるためにこの水
抽出液をSephacryl S−200HR(ファルマシア社製)を充
填した2.6×68cmのカラムに流速0.5ml/minで流した。得
られた流出曲線を第2図に示す。図の縦軸はFL(%)を
表し、横軸は流出液量を示しており、ピークAの分子量
は80〜150キロダルトン、ピークBの分子量は20〜30キ
ロダルトン、そしてピークCの分子量は3〜10キロダル
トンに相当する。
次に、短日条件下(すなわち、花芽誘導した)で培養し
たアオウキクサ441の葉の抽出液と、連続光下(すなわ
ち、花芽誘導していない)で培養したアオウキクサ441
の葉の水抽出液をそれぞれBio Gel P−6(バイオラッ
ド社製)を充填した2.6×6.5cmのカラムに流して得られ
た流出曲線を第3図に示す。図の縦軸はFL(%)を表
し、横軸は流出液量を表している。実線は連続光下で培
養した場合を、破線は短日条件下で培養した場合をそれ
ぞれ示している。このカラムは低分子量側の分解能が高
いものであり、短日条件下で培養したものは先の3つの
活性ピークに加えて分子量が0.6〜1.2キロダルトンのピ
ーク(D)が表れている。このことは、0.6キロダルト
ンから1.2キロダルトンのピークは花芽誘導条件に対応
した花芽誘導活性を持つ物質であることを示している。
上記で得た第2図B画分の精製標品をプロテアーゼKで
処理した後、それぞれ、10mMリン酸カリウムバッファー
(pH6.2)中20U/mlのアミノペプチダーゼM、あるい
は、20U/mlのキモトリプシンで処理した後、アオウキク
サ151への花芽誘導活性を検定した。表2にその結果を
示す。
表2 プロテアーゼ感受性の試験結果 FL アミノペプチダーゼM 無処理 60.2% 処 理 0.0% キモトリプシン 無処理 62.4% 処理 59.8% このように、各画分はアミノペプチダーゼMでは、顕著
な活性の低下がみられるのに対して、キモトリプシン処
理では、活性の低下はみられなかった。また、第2図、
第3図に示されるその他の花芽誘導活性をもつ画分につ
いても上記と同様の操作をしたところ同じ結果が得られ
た。以上の結果から、活性物質は、タンパク性の物質で
あることを示している。
0.6キロダルトンから1.2キロダルトンの花芽誘導物質
は、アサガオに対しても花芽誘導活性を持つことが期待
される。
実施例2 〔アサガオ(Pharbitis nil Chois)の子葉の水抽出液
中の花芽誘導活性物質の精製〕 アサガオの品種「ヴァイオレット」を、子葉の展開・緑
化直後から、短日処理し、その子葉を液体窒素で凍結・
粉砕した後、子葉1gあたり1mlの10mMリン酸カリウムバ
ッファー(pH6.2)に懸濁し、アオウキクサの場合と同
様の方法により、水抽出液を得た。この水抽出液につい
て実施例1と同じ方法で花芽誘導活性及びその分子量分
布を測定し、第1図及び第2図とほぼ同じ結果を得た。
これにより、アサガオの水抽出液中の花芽誘導活性も、
アオウキクサと同様の分子量分布を持つことが明らかに
なった。
実施例3 〔短日性のアオウキクサ(Lemna paucositata)441の葉
状体の水抽出液中の花芽誘導物質のうち、ゲル濾過で80
〜150キロダルトンに相当する画分の精製〕 実施例1に記載の方法で調整したアオウキクサ441の葉
状体からの水抽出液を用い、実施例1に示した検定法で
花芽誘導活性を確認しながら精製を進めた。まずこの水
抽出液を硫安塩析し、40%飽和で沈澱する画分を回収
し、沈澱物を10mMリン酸カリウムバッファー(pH6.2)
に溶解し、同バッファーに対して3回透析を行った。透
析後、Bio Gel A 1.5m(バイオラッド社製)を用いたゲ
ル濾過に付し、分子量80〜150キロダルトンの活性画分
を集めた。次にMonoQ HR5/10(ファルマシア社製)によ
るイオン交換クロマトグラフィーを行った。バッファー
は20mMピペラジンバッファー(pH6.0)を用い、溶出
は、NaCl水溶液の直接勾配(0→1M)で行った。活性画
分は、NaCl水溶液0.5M付近で溶出された。更にこの活性
画分は、ProRPC HR5/10(ファルマシア社製)による逆
相クロマトグラフィーを行った。移動相には、下記の
A、Bを用い0分から120分までにA100%→B100%の直
接勾配溶出を行った。
活性画分は、更にSDSポリアミドゲル電気泳動により精
製し、分子量約53,000と約61,000の2本のバンドに分離
され、両者はともに花芽誘導活性が認められたが、分子
量約53,000の方により強い花芽誘導活性が認められた。
実施例4 〔花芽誘導物質のペプチダーゼによる分解及び活性を有
する分解物の精製〕 実施例3と同様の精製手順で、短日性のアオウキクサ
(Lemna paucositata)441の葉状体の水抽出液から花芽
誘導物質の精製標品を得た。
但し、イオン交換クロマトグラフィーは、MonoQ HR10/1
0(ファルマシア社製)を用い、pH8.5のバッファーで行
った。また、逆相クロマトグラフィーにはPepRPC HR5/5
(ファルマシア社製)を用いた。
また、精製所要時間も実施例3の約2倍を要している点
が異なる。精製途中の目的物質含有サンプルの保存は、
実施例3も同様であるが、4℃低温室で放置とした。こ
の精製標品をSDSポリアクリルアミドゲルで分子量の確
認を行ったところ、約21キロダルトンのところに強い花
芽誘導活性が認められた。
上記で得た精製標品の一部を50mMトリス塩酸緩衝液(pH
8.5)中、0.5U/mlのアルギニルエンドペプチダーゼで37
℃、6時間処理した。この反応液を煮沸後、遠心上清
を、PepRPC HR5/5により逆相クロマトグラフィーを行っ
た。溶出条件は以下の通りであった。
溶出速度 1ml/min(23±2℃) 溶離液 A:0.1% トリフルオロ酢酸を含む水溶液 B:0.1% トリフルオロ酢酸を含む アセトニトリル溶液 0分から120分まではA100%→B100%の直接勾配、120分
以降はB100%で溶出 測 定 波長210nmによる吸光度 第4図に上記の逆相クロマトグラムを示す。第4図の縦
軸は吸光度を示し、横軸は時間を示している。
図中に数字で示したピークを含む画分のアオウキクサ15
1への花芽誘導活性を検定した。表4にその結果を示
す。
これより、花芽誘導物質をアルギニルエンドペプチダー
ゼなどで分解したものにも花芽誘導活性を有するものが
存在することは明らかである。
実施例5 〔花芽誘導物質のアミノ酸配列の解析〕 実施例4で精製した花芽誘導活性が認められた分子量約
21キロダルトンの精製標品について、再度ODSカラム(S
enshu Pak.VP−318−1251)を用いた高速液体クロマト
グラフィーを行った。
溶出条件は以下の通りであった。
溶出速度 1ml/min(23±2℃) 溶離液 A:0.1%トリフルオロ酢酸を含む20%アセトニ
トリル溶液 B:0.08%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリ
ル溶液 0分から40分まではA100%→B100%の直接勾配、40分以
降Bで溶出 測 定 波長220nmによる吸光度 第5図に上記の逆相クロマトグラムを示す。第5図の縦
軸は吸光度を示し、横軸は時間を示している。
図中にAで示される画分を凍結乾燥後、5%トルフルオ
ロ酢酸溶液に溶解し、気相式470Aプロテインシークエン
サー(アプライド・バイオシステムズ社)に供した。A
の画分のタンパク質純度は、SDSポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動によりほぼ95%以上であった。得られたアミ
ノ酸配列は以下の通りであった。
Ser−Gln−Leu−Pro−Leu−Val−Gly−Asn−Thr−Ala−
Pro−Asn−Phe−Glu−Ala−Glu−Ala−Val−Phe−Asp−
Gln これにより、花芽誘導物質は少なくとも上記アミノ酸配
列を一部に持つタンパク質またはそのタンパク質の分解
物であることが明らかである。
〔発明の効果〕
本発明により一般の種々の植物の開花を安価に制御でき
る手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はアオウキクサの葉状体の水抽出液の濃度を花芽
誘導活性の関係を示すグラフであり、第2図及び第3図
は水抽出液のゲル濾過カラム流出フラクションの花芽誘
導活性変化を示すグラフである。第4図は、分子量約21
キロダルトンの花芽誘導物質のアルギニルエンドペプチ
ダーゼ処理液の逆相クトマトグラムである。第5図は、
分子量約21キロダルトンの花芽誘導物質サンプルの逆相
クロマトグラムである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に下記のアミノ酸配列を含む花芽誘
    導活性を有するタンパク質またはペプチド Ser−Gln−Leu−Pro−Leu−Val−Gly−Asn−Thr−Ala−
    Pro−Asn−Phe−Glu−Ala−Glu−Ala−Val−Phe−Asp−
    Gln
  2. 【請求項2】植物体より水抽出され、ゲル濾過法で測定
    した分子量が80〜150キロダルトン、20〜30キロダルト
    ン又は0.6〜1.2キロダルトンであり、キモトリプシン処
    理によっては花芽誘導活性が失活せず、アミノペプチダ
    ーゼM処理によって花芽誘導活性が失活する、タンパク
    性物質よりなる花芽誘導物質
  3. 【請求項3】植物体を破砕し、水抽出することを特徴と
    する請求項(2)に記載の花芽誘導物質の製造方法
  4. 【請求項4】植物体が葉である請求項(3)に記載の花
    芽誘導物質の製造方法
  5. 【請求項5】植物体がウキクサ科植物又はアサガオであ
    る請求項(3)に記載の花芽誘導物質の製造方法
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