JPH07115750A - 回転機械のすべり軸受摩耗検出装置 - Google Patents

回転機械のすべり軸受摩耗検出装置

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JPH07115750A
JPH07115750A JP5280155A JP28015593A JPH07115750A JP H07115750 A JPH07115750 A JP H07115750A JP 5280155 A JP5280155 A JP 5280155A JP 28015593 A JP28015593 A JP 28015593A JP H07115750 A JPH07115750 A JP H07115750A
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coil
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 すべり軸受の摩耗による断面積の減少を検出
コイルのインダクタンスの変化として検出する回転機械
のすべり軸受摩耗検出装置を提供すること。 【構成】 軸柱(回転軸)13をすべり軸受部12によ
り回転自在に支持する回転機械のすべり軸受摩耗検出装
置であって、すべり軸受部12の外周に導線を巻いてな
る検出コイル11を設け、該検出コイル11にすべり軸
受部12を形成する材料の摩耗検出に対する最適な周波
数のキャリア信号を印加し、検出コイル11のインダク
タンスの変化を検出する検出手段及び、出力を表示する
出力表示部48を設け、更に、検出手段の出力信号を基
準レベルと比較する比較器を設け、回転機械の運転状態
に関係なくすべり軸受部12の摩耗量を検出コイル11
のインダクタンスの変化として検出表示し、検出コイル
11の出力信号が基準レベルを超えた場合は比較器の出
力で回転機械を自動停止させる自動停止装置を設けたこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機械の回転軸を回
転自在に支持する滑り油受の摩耗を検出する滑り軸受摩
耗検出装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、この種の技術としては特開平3−2
04024号公報に開示されたものがある。キャノンド
モ−タポンプ等の回転機械においては、連続長期運転等
によって滑り軸受部分に摩耗損傷が生じることは不可避
であり、摩耗損傷が発生した場合は回転機械本体に致命
的な損傷を与える原因となることがある。このため滑り
軸受の摩耗を検出する方法は現在でもいろいろ提唱され
ている。
【0003】上記特開平3−204024号公報に開示
された技術はその一例であり、キャノンドモ−タポンプ
等の回転機械において、滑り軸受部分の摩耗の度合いを
検出し表示をする方法として、キャノンドモ−タの回転
子の振れ回り量を検出し、この振れ回り量の大きさが滑
り軸受の摩耗量によって変化することを利用して、この
回転子の振れ回り量をキャノンドモ−タ内に設置した電
気的あるいは機械的検出機構によって検出し、この振れ
回り検出値を滑り軸受部分の摩耗量として表示するもの
である。
【0004】上記キャノンドモ−タポンプ等の滑り軸受
を用いた回転機械は長期運転や異物の混入によって滑り
軸受部分の摩耗が進行した場合、滑り軸受の交換を必要
とする。これまで、滑り軸受の交換時期は管理者の経験
等による勘に頼るか、あるいは上述したように回転体の
振れ回りを検知することで滑り軸受の摩耗診断を行い保
守を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では滑り軸受摩耗量そのものを直接検出していると
は言えず、例えば回転機械の負荷変動などの要因によっ
て回転子の振れ回り量が変化し、摩耗量検出信号にも著
しい変動が発生する場合、滑り軸受の摩耗量を検出する
方法としては検出精度が不十分であった。
【0006】また、従来の摩耗を回転機械の運転による
回転子の振れ回り量を機械的に検出する方法は、回転機
械を定格運転で駆動させ回転子が回転している状態で検
出するので運転前点検で滑り軸受の摩耗損傷を検出する
ことが出来ないという問題点もある。
【0007】また、誘導電動機の回転子の振れ回りを電
動機内部の回転磁界のバランスの変化によって電気的に
検出する方法も電動機が停止している状態で摩耗検出を
行うことは不可能であるという問題があった。
【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、上記問題点を除去するため、滑り軸受外周に検出コ
イルを取付け、滑り軸受の摩耗による断面積の減少を検
出コイルのインダクタンスの変化として検出することで
滑り軸受の摩耗量を検出する回転機械の滑り軸受摩耗検
出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、軸柱(回転軸)13を滑り軸受部12により
回転自在に支持する回転機械の滑り軸受摩耗検出装置で
あって、図1に示すように滑り軸受部12の外周に導線
を巻いてなる検出コイル11を設け、該検出コイル11
に滑り軸受部12を形成する材料の磁気共振周波数と同
じ周波数の電圧を印加し、検出コイル11のインダクタ
ンスの変化を検出する検出手段及び、出力を表示する出
力表示部48を設け、更に、検出手段の出力信号を基準
レベルと比較する比較器を設け、回転機械の運転状態に
関係なく滑り軸受部12の摩耗量を検出コイル11のイ
ンダクタンスの変化として検出表示し、検出コイル11
の出力信号が基準レベルを超えた場合は比較器の出力で
回転機械を自動停止させる自動停止装置を設けたことを
特徴とする。
【0010】
【作用】本発明は、コイルのインダクタンスの値はコア
の透磁率によって変化することを応用したものである。
滑り軸受部12が摩耗すると空間部分が増加し磁束は減
少する。従って、滑り軸受部12の摩耗の度合いをコイ
ルのインダクタンスの変化として直接検出することが出
来る。従来の方法では滑り軸受部12の摩耗量は回転子
の振れ回りの検出により間接的に検出され検出精度も不
十分で、運転中しか検出できなかったが、本発明の装置
は滑り軸受部12をコアとするコイルのインダクタンス
の変化を検出するので滑り軸受部12の摩耗量を直接検
出し十分な精度で、しかも回転機の運転状態とは無関係
に検出可能となる。
【0011】なお、検出コイル11に印加する電圧の周
波数は滑り軸受部材料の固有の共振周波数を使用するこ
とによって、他の要素に影響されず滑り軸受部12の摩
耗量を感度よく検出することが可能となる。
【0012】また、上記検出信号を比較器で基準値と比
較し、基準値を超過した場合は、回転機械を自動停止す
ることにより、回転機械を損傷することなく安全に運転
できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明の回転機械の滑り軸受摩耗
検出装置の軸受部の構造を示す断面図、図2はその分解
斜視図である。図示するように、軸柱(回転軸)13は
滑り軸受部12により、間に軸受隙間14を介在させて
回転自在に支持されている。滑り軸受部12の外周には
検出コイル11が巻かれている。
【0014】図3は検出コイル中の媒質と磁力線を示す
図である。同図は長さl、透磁率μをもった媒質31の
回りにコイル11を巻いた場合の磁力線の様子を示した
ものでコイル11のインダクタンスは式1で表される。 L=4kμπ222/l・・・[H/107]・・・・・・・(1) ここで k:長岡係数 π:円周率 r:検出コイルの半径 N:コイルの巻数 μ:媒質中の透磁率 l:検出コイルの長
さ 式(1)によると検出用コイルのインダクタンスは、コ
アとなる媒質の断面積S=πr2、コイルの巻数Nの二
乗に比例し、コイルの長さlに反比例して変化すること
が分かる。
【0015】実際の滑り軸受構造は図1及び図2に示す
ように、滑り軸受部12の中に軸柱(回転軸)13があ
り、滑り軸受部12と軸柱13の間に軸受隙間14が存
在する。この状態で検出用コイル11のインダクタンス
1を求めるためには式(1)を式(2)のように変形
して求める。 L1=4kπ{S21×μ21+S31×μ31+S22×μ22}N2/l・・・[H/107]・・・・(2) ここで S21:滑り軸受の断面積 μ21:滑り軸受
材料の透磁率 S31:軸受隙間の断面積 μ31:軸受隙間の透磁率 S22:軸柱の断面積 μ22:滑り軸受材料の透
磁率 l:検出用コイルの長さ N:検出用コイルの巻数
【0016】滑り軸受部12が回転機械の運転等で摩耗
が進行し断面積に変化が生じた場合、この断面積変化に
よって検出用コイルのインダクタンスL2は式3で表さ
れる。 L2=4kπ{(S21-ΔS)×μ21+(S31-ΔS)×μ31+(S22-ΔS)×μ22}N2/l・・・[H/107]・・・ (3) ここで S21:滑り軸受の断面積 μ21:滑り軸受
材料の透磁率 S31:軸受隙間の断面積 μ31:軸受隙間の透磁率 S22:軸柱の断面積 μ22:滑り軸受材料の透
磁率 ΔS:摩耗の断面積 l:検出用コイルの長
さ N:検出用コイルの巻数
【0017】今、実際の滑り軸受を構成する条件とし
て、軸柱13と滑り軸受部12の隙間にある材料は空気
あるいは水と考えられるため式(2)、式(3)を通じ
て隙間の透磁率μ31は限りなく0に近い値と考えられ
る。近似値をL3、L4とすると式(2)、式(3)は式
(4)、式(5)のように近似される。 L3=kπ{S21×μ21+S22×μ22}N2/l・・・・・・[H/107]・・(4) L4=kπ{(S21−ΔS)×μ21+S22×μ22}N2/l・・[H/107]・(5)
【0018】以上のように、検出用コイルを設置した滑
り軸受部12は摩耗により断面積が変化した場合、検出
コイル11のインダクタンスは滑り軸受部12の断面積
ΔSに比例して変化することが、次に示す式(6)によ
って分かる。 L3−L4=4kπΔS×μ212/l・・・・[H/107]・・(6)
【0019】図4は滑り軸受部の摩耗検出回路の構成例
を示す図である。図示するように摩耗検出回路は電源4
1、検出コイル11、検出用補助コイル42、固定抵抗
器43、可変抵抗器44、差動アンプ45、バンドパス
フィルタ46、アンプ47、出力表示部48、比較器4
9、自動停止装置50で構成される。
【0020】検出コイル11は上述したように滑り軸受
部12の周囲に巻かれたコイルで、検出コイル11と検
出用補助コイル42と固定抵抗器43及び、可変抵抗器
44でブリッジ回路を構成している。ブリッジ間の電圧
は差動アンプ45に入力され、その出力はバンドパスフ
ィルタ46を介しアンプ47で増幅され出力表示部48
に表示される。更に、バンドパスフィルタ46の出力信
号は比較器49で基準電圧と比較されその出力信号は回
転機を停止させる自動停止装置50へ入力される。
【0021】電源41の周波数は滑り軸受部材料の共振
周波数と同じ周波数を使用することにより滑り軸受部1
2の断面積の変化に対して検出感度が高く、他の影響を
少なくすることが出来る。これは、加工不良などによっ
て発生することが予想される軸断面積の変動、また滑り
軸受部12と軸柱13の間に存在する空間に空気または
水以外の物質がある場合にも、滑り軸受部12の微小な
摩耗による断面積の変化に対して検出感度が高く、他の
影響が少いことを意味している。
【0022】本装置による滑り軸受部12の摩耗量検出
方法を説明する。先ず滑り軸受部12の新しい状態(摩
耗のない状態)で出力表示部48を見ながら可変抵抗器
44を調整してブリッジを平衡状態に調整する。回転機
の運転により滑り軸受部12に摩耗が生じた場合、上記
式6に示すように検出コイル11のインダクタンスは滑
り軸受部12の断面積ΔSに比例して変化しブリッジの
平衡状態が崩れ出力表示部48に表示される。更にこの
信号は比較器49で基準電圧と比較され、基準電圧を超
過した場合は自動停止装置50に信号を出力し回転機械
を自動停止する。
【0023】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によ
れば、下記のような優れた効果が期待される。 (1)従来、回転機械の滑り軸受部の摩耗は回転機械の
運転中の異常音によって判断したり回転機械の振れ回り
の大きさによって滑り軸受部の摩耗量を推定し表示する
と言った間接的な方法でしか検出できなかったが、本装
置は滑り軸受部をコアとするコイルのインダクタンスの
変化を検出するので、滑り軸受部の摩耗を直接検出し十
分な精度で回転機の運転状態に関係なく検出可能とな
る。
【0024】(2)検出コイルに印加する電圧の周波数
は軸受部材料の固有の共振周波数を使用することによっ
て、他の要素に影響されず軸受部の摩耗測定を感度よく
検出することが可能となる。
【0025】(3)また、検出信号を比較器で基準値と
比較し、基準値を超過した場合は自動停止するので回転
機械を損傷することなく安全に運転できる。
【0026】(4)また、滑り軸受部に検出コイルを設
置するため従来方法に較べ回転機械全体の構造の簡略化
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転機械の滑り軸受摩耗検出装置の軸
受部の構造を示す図である。
【図2】検出コイルと滑り軸受部の構造を示す図であ
る。
【図3】検出コイル中の媒質と磁力線を示す図である。
【図4】滑り軸受部の摩耗検出回路の構成例を示す図で
ある。
【符号の説明】
11 検出コイル 12 滑り軸受部 13 軸柱 14 軸受隙間 41 電源 42 検出用補助コイル 43 固定抵抗器 44 可変抵抗器 45 差動アンプ 46 バンドパスフィルタ 47 アンプ 48 出力表示部 49 比較器 50 自動停止装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 回転機械のすべり軸受摩耗検出装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機械の回転軸を回
転自在に支持するすべり油受の摩耗を検出するすべり軸
受摩耗検出装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、この種の技術としては特開平5−1
30762号公報に開示されたものがある。キャンドモ
−タポンプ等の回転機械においては、連続長期運転等に
よってすべり軸受部分に摩耗損傷が生じることは不可避
であり、摩耗損傷が発生した場合は回転機械本体に致命
的な損傷を与える原因となることがある。このためすべ
り軸受の摩耗を検出する方法は現在でもいろいろ提唱さ
れている。
【0003】上記特開平5−130762号公報に開示
された技術はその一例であり、キャンドモ−タポンプ等
の回転機械において、すべり軸受部分の摩耗の度合いを
検出し表示をする方法として、キャンドモ−タの回転子
の振れ回り量を検出し、この振れ回り量の大きさがすべ
り軸受の摩耗量によって変化することを利用して、この
回転子の振れ回り量をキャンドモ−タ内に設置した電気
的あるいは機械的検出機構によって検出し、この振れ回
り検出値をすべり軸受部分の摩耗量として表示するもの
である。
【0004】上記キャンドモ−タポンプ等のすべり軸受
を用いた回転機械は長期運転や異物の混入によってすべ
り軸受部分の摩耗が進行した場合、すべり軸受の交換を
必要とする。これまで、すべり軸受の交換時期は管理者
の経験等による勘に頼るか、あるいは上述したように回
転子の振れ回りを検知することですべり軸受の摩耗診断
を行い保守を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法ではすべり軸受摩耗量そのものを直接検出している
とは言えず、例えば回転機械の負荷変動などの要因によ
って回転子の振れ回り量が変化し、摩耗量検出信号にも
著しい変動が発生する場合が考えられるなど、すべり軸
受の摩耗量を検出する方法としては検出精度が不十分で
あった。
【0006】また、従来提唱されてきたすべり軸受の摩
耗を回転機械の運転による回転子の振れ回り量を機械的
に検出する方法は、回転機械を定格運転で駆動させ回転
子が回転している状態で検出するので運転前点検ですべ
り軸受の摩耗損傷を検出することが出来ないという問題
点もある。
【0007】また、誘導電動機の回転子の振れ回りを電
動機内部の回転磁界のバランスの変化によって電気的に
検出する方法も電動機が停止している無通電状態で摩耗
検出を行うことは不可能であるという問題があった。
【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、上記問題点を除去するため、すべり軸受外周に検出
コイルを取付け、すべり軸受の摩耗による断面積の減少
を検出コイルのインダクタンスの変化として検出するこ
とですべり軸受の摩耗量を検出する回転機械のすべり軸
受摩耗検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、軸柱(回転軸)13をすべり軸受部12によ
り回転自在に支持する回転機械のすべり軸受摩耗検出装
置であって、図1に示すようにすべり軸受部12の外周
に導線を巻いてなる検出コイル11を設け、該検出コイ
ル11にすべり軸受部12を形成する材料の摩耗検出に
対する最適な周波数のキャリア信号を印加し、検出コイ
ル11のインダクタンスの変化を検出する検出手段及
び、出力を表示する出力表示部48を設け、更に、検出
手段の出力信号を基準レベルと比較する比較器を設け、
回転機械の運転状態に関係なくすべり軸受部12の摩耗
量を検出コイル11のインダクタンスの変化として検出
表示し、検出コイル11の出力信号が基準レベルを超え
た場合は比較器の出力で回転機械を自動停止させる自動
停止装置を設けたことを特徴とする。
【0010】また、この検出コイルの摩耗検出の対象と
なるすべり軸受の外周に設置する方法としては、すべり
軸受本体の外周壁部に一体構造で検出コイルを内蔵する
方法、検出コイルを円筒状の別部品としてすべり軸受外
周に取り付ける方法等があり、何れにしても検出コイル
がすべり軸受の外周を空隙なく巻き付けた構造であり、
検出コイルより発生される磁束が、すべり軸受の軸方向
に対し平行となるようにすべり軸受外周に設置され、そ
の巻き数は検出に必要な適当な数であれば良い。
【0011】
【作用】本発明は、コイルのインダクタンスの値はコア
の透磁率によって変化することを応用したものである。
すべり軸受部12が摩耗すると空間部分が増加し磁束は
減少する。従って、すべり軸受部12の摩耗の度合いを
コイルのインダクタンスの変化として直接検出すること
が出来る。従来の方法ではすべり軸受部12の摩耗量は
回転子の振れ回りの検出により間接的に検出され検出精
度も不十分で、電動機の運転中しか検出できなかった
が、本発明の装置はすべり軸受部12をコアとするコイ
ルのインダクタンスの変化を検出するのですべり軸受部
12の摩耗量を直接検出する事を可能とし、十分な精度
でしかも回転機の運転状態とは無関係に検出可能とな
る。
【0012】なお、検出コイル11に印加するキャリア
信号の周波数は、すべり軸受部材料の摩耗検出に最適な
周波数を使用することによって、他の要素例えば誘導電
動機の回転磁界等に影響されず、すべり軸受部12の摩
耗量を感度よく検出することが可能となる。
【0013】また、上記検出信号を比較器で基準値と比
較し、基準値を超過した場合は、回転機械を自動停止す
ることにより、回転機械を損傷することなく安全に運転
できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明の回転機械のすべり軸受摩
耗検出装置の軸受部の構造を示す断面図、図2はその分
解斜視図である。図示するように、軸柱(回転軸)13
はすべり軸受部12により、間に軸受隙間14を介在さ
せて回転自在に支持されている。すべり軸受部12の外
周には検出コイル11が巻かれている。
【0015】図3は検出コイル中の媒質と磁力線を示す
図である。同図は長さl、透磁率μをもった媒質31の
回りにコイル11を巻いた場合の磁力線の様子を示した
ものでコイル11のインダクタンスは式1で表される。 L=4kμπ222/l・・・[H/107]・・・・・・・(1) ここで k:長岡係数 π:円周率 r:検出コイルの半径 N:コイルの巻数 μ:媒質中の透磁率 l:検出コイルの長
さ 式(1)によると検出用コイルのインダクタンスは、コ
アとなる媒質の断面積S=πr2、コイルの巻数Nの二
乗に比例し、コイルの長さlに反比例して変化すること
が分かる。
【0016】実際のすべり軸受構造は図1及び図2に示
すように、すべり軸受部12の中に軸柱(回転軸)13
があり、すべり軸受部12と軸柱13の間に軸受隙間1
4が存在する。この状態で検出用コイル11のインダク
タンスL1を求めるためには式(1)を式(2)のよう
に変形して求める。 L1=4kπ{S21×μ21+S31×μ31+S22×μ22}N2/l・・・[H/107]・・・・(2) ここで S21:すべり軸受の断面積 μ21:すべり軸
受材料の透磁率 S31:軸受隙間の断面積 μ31:軸受隙間の透磁率 S22:軸柱の断面積 μ22:すべり軸受材料の
透磁率 l:検出用コイルの長さ N:検出用コイルの巻数
【0017】すべり軸受部12が回転機械の運転等で摩
耗が進行し断面積に変化が生じた場合、この断面積変化
によって検出用コイルのインダクタンスL2は式3で表
される。 L2=4kπ{(S21-ΔS)×μ21+(S31-ΔS)×μ31+(S22-ΔS)×μ22}N2/l・・・[H/107]・・・ (3) ここで S21:すべり軸受の断面積 μ21:すべり軸
受材料の透磁率 S31:軸受隙間の断面積 μ31:軸受隙間の透磁率 S22:軸柱の断面積 μ22:すべり軸受材料の
透磁率 ΔS:摩耗の断面積 l:検出用コイルの長
さ N:検出用コイルの巻数
【0018】今、実際のすべり軸受を構成する条件とし
て、軸柱13とすべり軸受部12の隙間にある材料は空
気あるいは水と考えられるため式(2)、式(3)を通
じて隙間の透磁率μ31は限りなく小さい値と考えられ
る。近似値をL3、L4とすると式(2)、式(3)は式
(4)、式(5)のように近似される。 L3=kπ{S21×μ21+S22×μ22}N2/l・・・・・・[H/107]・・(4) L4=kπ{(S21−ΔS)×μ21+S22×μ22}N2/l・・[H/107]・(5)
【0019】以上のように、検出用コイルを設置したす
べり軸受部12は摩耗により断面積が変化した場合、検
出コイル11のインダクタンスはすべり軸受部12の断
面積ΔSに比例して変化することが、次に示す式(6)
によって分かる。 L3−L4=4kπΔS×μ212/l・・・・[H/107]・・(6)
【0020】図4はすべり軸受部の摩耗検出回路の構成
例を示す図である。図示するように摩耗検出回路は電源
41、検出コイル11、検出用補助コイル42、固定抵
抗器43、可変抵抗器44、差動アンプ45、バンドパ
スフィルタ46、アンプ47、出力表示部48、比較器
49、自動停止装置50で構成される。
【0021】検出コイル11は上述したようにすべり軸
受部12の周囲に巻かれたコイルで、検出コイル11と
検出用補助コイル42と固定抵抗器43及び、可変抵抗
器44でブリッジ回路を構成している。ブリッジ間の電
圧は差動アンプ45に入力され、その出力はバンドパス
フィルタ46を介しアンプ47で増幅され出力表示部4
8に表示される。更に、バンドパスフィルタ46の出力
信号は比較器49で基準電圧と比較されその出力信号は
回転機を停止させる自動停止装置50へ入力される。
【0022】電源41の周波数はすべり軸受部材料の摩
耗検出に最適な周波数を使用することによりすべり軸受
部12の断面積の変化に対して検出感度が高く、他の影
響を少なくすることが出来る。これは、加工不良などに
よって発生することが予想される軸断面積の変動、また
すべり軸受部12と軸柱13の間に存在する空間に空気
または水以外の物質がある場合にも、すべり軸受部12
の微小な摩耗による断面積の変化に対して検出感度が高
く、他の影響が少ないことを意味している。
【0023】本装置によるすべり軸受部12の摩耗量検
出方法を説明する。先ずすべり軸受部12の新しい状態
(摩耗のない状態)で出力表示部48を見ながら可変抵
抗器44を調整してブリッジを平衡状態に調整する。回
転機の運転によりすべり軸受部12に摩耗が生じた場
合、上記式6に示すように検出コイル11のインダクタ
ンスはすべり軸受部12の断面積ΔSに比例して変化し
ブリッジの平衡状態が崩れ出力表示部48に表示され
る。更にこの信号は比較器49で基準電圧と比較され、
基準電圧を超過した場合は自動停止装置50に信号を出
力し回転機械を自動停止する。
【0024】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によ
れば、下記のような優れた効果が期待される。 (1)従来、回転機械のすべり軸受部の摩耗損傷は回転
機械の運転中の異常音によって判断したり、回転機械の
振れ回りの大きさによってすべり軸受部の摩耗量を推定
し表示すると言った間接的な方法でしか検出できなかっ
たが、本装置はすべり軸受部をコアとするコイルのイン
ダクタンスの変化を検出するので、すべり軸受部の摩耗
を直接検出し十分な精度で回転機の運転状態に関係なく
検出可能となる。
【0025】(2)検出コイルに印加するキャリア信号
の周波数は軸受部材料の摩耗検出に最適な周波数を使用
することによって、他の要素に影響されず軸受部の摩耗
測定を感度よく検出することが可能となる。
【0026】(3)また、検出信号を比較器で基準値と
比較し、基準値を超過した場合は自動停止するので回転
機械を損傷することなく安全に運転できる。
【0027】(4)また、すべり軸受部に検出コイルを
設置するため従来方法に較べ回転機械全体の構造の簡略
化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転機械のすべり軸受摩耗検出装置の
軸受部の構造を示す図である。
【図2】検出コイルとすべり軸受部の構造を示す図であ
る。
【図3】検出コイル中の媒質と磁力線を示す図である。
【図4】すべり軸受部の摩耗検出回路の構成例を示す図
である。
【符号の説明】 11 検出コイル 12 すべり軸受部 13 軸柱 14 軸受隙間 41 電源 42 検出用補助コイル 43 固定抵抗器 44 可変抵抗器 45 差動アンプ 46 バンドパスフィルタ 47 アンプ 48 出力表示部 49 比較器 50 自動停止装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と軸受部により回転自在に支持す
    る回転機械の滑り軸受摩耗検出装置であって、 前記滑り軸受部の外周に導線を巻いてなる検出コイルを
    設け、 前記検出コイルに所定の周波数の電圧を印加し前記検出
    コイルのインダクタンスの変化を検出する検出手段を設
    け、 前記滑り軸受部の摩耗量を前記検出コイルのインダクタ
    ンスの変化として検出することを特徴とする回転機械の
    滑り軸受摩耗検出装置。
  2. 【請求項2】 前記検出コイルに前記滑り軸受を形成す
    る材料の磁気共振周波数と同じ周波数の電圧を印加し、
    前記滑り軸受材料の断面積変化を検出コイルのインダク
    タンスの変化として検出することを特徴とする請求項1
    に記載の回転機械の滑り軸受磨滅検出装置。
  3. 【請求項3】 前記検出コイルで前記滑り軸受の摩耗量
    を監視することによって、回転機械の運転状態とは無関
    係に滑り軸受の摩耗の検出することを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の回転機械の滑り軸受磨滅検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記検出コイルの出力信号を基準レベル
    と比較する比較手段を設け、 前記検出コイルの出力信号が基準レベルを超えた場合、
    前記比較手段の出力で回転機械を自動停止する自動停止
    手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の回転機械の滑り軸受磨滅検出装置。
  5. 【請求項5】 前記検出コイルのインダクタンスの変化
    として検出した出力信号を前記滑り軸受部の摩耗量とし
    て表示する表示手段を設けたことを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の回転機械の滑り軸受磨滅検出装
    置。
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JP2010063296A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Sanyo Electric Co Ltd エンジン駆動式発電装置および空気調和装置の室外ユニット
CN113447352A (zh) * 2021-06-28 2021-09-28 陕西大工旭航电磁科技有限公司 电磁加载新型中应变率冲击拉伸测试系统及其试验方法

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