JPH0711520A - 円筒状黒鉛繊維と製造方法 - Google Patents

円筒状黒鉛繊維と製造方法

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JPH0711520A
JPH0711520A JP4108070A JP10807092A JPH0711520A JP H0711520 A JPH0711520 A JP H0711520A JP 4108070 A JP4108070 A JP 4108070A JP 10807092 A JP10807092 A JP 10807092A JP H0711520 A JPH0711520 A JP H0711520A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 円筒状黒鉛を基本構造とする炭素繊維で先端
が円錐形状の炭素繊維を提供する。 【構成】 炭素をその構成単位として、六員環を主構造
としたらせん構造で形成された円筒形状を有する外径1
0〜20nm以内の大きさの黒鉛繊維である。円筒の先
端付近には一または二個の五員環が形成されその部分か
ら先端部までは円錐形になる。五員環の代りに七員環が
形成されると円筒がろうと状に開く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、黒鉛を基本構造とし
た炭素元素からなる円筒状をもつ繊維の先端構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】先端の尖った針を用いる道具としては、
生物関係では医療用注射針、光学顕微鏡下で行う人工授
精に用いる針、細胞内にDNAを挿入する毛細管針など
色々な種類とサイズの針がある。それらの針の先端の曲
率は数百ミクロンからサブミクロの大きさである。針の
材料としては金属やガラスが使われる。一方、非生物関
係で使われる針には、電子顕微鏡や電界イオン顕微鏡の
電子源あるいはイオン源に使われるポイントフィラメン
ト、最近開発された走査型トンネル顕微鏡(STM)に
使われる探針などがある。これらのフィラメントの先端
は数十nmからサブnmの領域にある曲率半径の針が使
われ、これらの材料は高融点の金属が使われる。先端を
尖らせるためには電界研磨法が一般的に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】生物体の細胞レベルに
おける細胞内組織の操作、マイクロマシン技術における
ナノメーターレベルの加工操作技術等において、ナノメ
ータサイズの針を使用する技術分野の開発が望まれてい
る。人工的に加工可能な針の先端曲率は電界研磨法が最
も優れているが、針の先端曲率をサブnmにすることは
極めて難しい。たとえば、操作トンネル顕微鏡の針の作
成においては、電界研磨で得た曲率数十ナノメータの針
の先端を故意に機械的に損傷し、より小さい曲率を偶然
に得ているが、再現性は極めて低く、また作られた針全
体の形状を知ることが難しい。 最近本発明者は、黒鉛
を基本構造とした炭素元素からなるナノメータサイズの
極微細円筒構造(ナノチューブ)が存在することを発見
した(ネイチャー(Nature)、354、56(1
991)など)。これは炭素をその構成単位として六員
環を主構造としたらせん構造で形成された円筒形状を持
ち、外径が通常30nm以下という極めて小さな多重構
造の黒鉛繊維である。このナノチューブで前述の針に限
らず種々の形状を作ることができれば様々な応用が考え
られる。また従来は円筒形のまま長いナノチューブを作
製することが難しかった。
【0004】本発明の目的は様々な形状のナノチューブ
を提供することおよび長いナノチューブを製造する方法
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による円筒状構造で、かつその先端が円錐形
状の針においては、円筒構造でかつ円錐形状の先端をも
つ黒鉛繊維であり、円筒でかつ円錐形状の先端を構造
は、炭素元素をその構成単位として六員環を主構造とす
るらせん構造で形成されるものである。
【0006】円筒と円錐の境界部分には一個または二個
の五員環が存在し、円錐の先端には五個の五員環が存在
し、その間の円錐には五員環はなくすべて六員環であ
る。円錐の頂点の角度は10〜50度の間であるが、2
0度前後のものが多い。また円錐の曲率半径はサブナノ
メータである。
【0007】繊維の先端がろうと形状で開いている円筒
構造は、円筒の端に七員環が発生しそのため円筒がろう
と状に開くものである。
【0008】
【作用】本発明者の観測によれば、成長中のナノチュー
ブの先端は閉じておらず開いた状態であると考えられ、
開いた円筒の円周上には、完全に結合されない炭素原子
と、らせん構造によるキンク(ステップ)ができ、そこ
が炭素原子を捕獲し成長していくものと思われる。五員
環の発生はナノチューブが成長するプラズマ中の炭素原
子密度に依存するようであり、アーク放電の終了寸前ま
たは温度を下げた場合など炭素原子密度が減少するとき
に発生すると思われる。逆にいえば五員環は原料の供給
を減らすかあるいは温度を下げると発生することができ
る。一方七員環は原料ガスの供給量を増やすかあるいは
温度を上げると発生させることができる。
【0009】円錐の場合得られた黒鉛繊維の電顕像に
は、軸方向に平行にグラファイトのC面に相当する格子
像が見られ、先端の円錐部分にも格子像が見られるが、
その方向は円錐の辺に平行である。すなわち円筒部と円
錐部の六員環は完全に連続したグラファイト層構造をも
つ。
【0010】また、円錐部分の先端はアイスクリームコ
ーンの皮を数枚重ね合わしたような数枚のグラファイト
層の多重構造である。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を図によって説明す
る。図1は、アルゴンガス雰囲気で繊維状黒鉛を形成す
る装置の例を示したものである。図において、繊維状黒
鉛が成長する一対の炭素棒電極7、10を真空容器1の
中央に配置し、容器1内を真空排気系2で排気する。所
定圧力、例えば真空計3で計測して10- 6 Torr程
度になった段階で真空バルブ4を閉じ、ガス供給系5よ
りアルゴンガスを供給する。アルゴンに限らず炭化水素
ガスまたはそれらの混合ガスでもよい。圧力計6により
圧力を測定し、真空容器1内が所定圧力になるように設
定する。
【0012】一方の炭素棒電極7は、アーク放電8の正
導電端子9に、他方の炭素棒電極10を負導電端子11
に接続する。正の炭素棒電極7は、可動装置12により
電極間のギャップを適当に調整する。放電による発熱に
よる装置の温度上昇を防ぐために、真空容器1と放電電
流端子9、11には水冷管(図では省略)が付けられて
いる。炭素棒電極7、10に、直径1cmの2本の炭素
棒電極7、10を用い、アルゴン(100Torr)雰
囲気中で電極7、10間に直流アーク放電を起こさせ
る。放電電圧を30Vとし、放電電流は200Aに設定
して放電を5分間持続させた。その結果、負電極である
炭素棒電極10の先端には、直径2cmの炭素の堆積物
の塊が成長した。この堆積物は、部分的に黒鉛化したガ
ラス状部分と繊維状黒鉛の部分からなっている。繊維状
黒鉛の部分は、外径端数nm、繊維の長さは、長いもの
で1ミクロンに達する繊維状黒鉛の集合体である。この
製法によれば、円筒は、図2に示したような先端が円錐
形の繊維状黒鉛になる。
【0013】図は三重の円錐格子の模式図であるが、一
重のものもあり、また二重、五重、七重などの多重構造
も得られる。
【0014】多重構造の円錐の曲率Rは最外側が大きく
内側では小さくなる。三重構造では外側の円錐の曲率半
径R3 は1.4nmのものが得られた。最内側の円錐の
曲率R1 は小さく0.75nmであった。
【0015】七員環を発生させるには図1で示した成長
法で温度を上げるか炭素水素ガスの供給量を増やす。七
員環が発生すると円筒がろうと状に開くので、そこを物
質を吸着させるサイトとして用いることができる。
【0016】また円筒の端に円錐ができてもそのまま終
端するとは限らず、円錐の端部に七員環を発生させると
そこが開き、径の小さな円筒を成長させることができ
る。この小さな円筒の先端は六個の五員環を含む多面体
で囲まれている。
【0017】以上の実施例では五員環、七員環を発生さ
せたが、逆に五員環、七員環を発生させず六員環だけを
ナノチューブの先端に供給すれば円筒形を保ちながら成
長が持続し長いチューブができる。この場合らせん構造
が開いた円周上に絶えずキンクを供給し成長を続ける。
【0018】前述の実施例で述べたアーク放電法で形成
したナノチューブを種結晶にして、CVD法で温度を一
定に制御して原料ガスを流して成長すると五員環、七員
環が発生しにくくなり長い円筒形にナノチューブを作る
ことができる。ナノチューブを終端させたい場合には原
料ガスの供給を減らすか止めればよい。CVD成長時の
温度は例えば1500℃以上、原料ガスはメタンを使
い、成長時の真空度が10〜200Torr程度になる
ように流す。原料ガスはメタンに限らず他の炭化水素ガ
スも使うことができる。またキャリアガスとして水素や
アルゴンなどをメタンと混合して流してもよい。熱CV
DだけでなくプラズマCVDや光CVD法も使うことが
できる。もちろん熱とプラズマ、光を合わせて使っても
よい。種結晶は図1の直流放電の成長装置から取り出し
て、別のCVD装置に入れて成長させてもよい。しかし
図1の装置をCVD装置として兼ねると汚染などがなく
簡便である。つまり真空容器1内の炭素棒電極10付近
に加熱用の抵抗またはRF加熱用のコイルを巻くか、炭
素棒電極10の近くにプラズマ発生用の電極を設ける
か、容器1に紫外光照射用の窓を設置する。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の繊
維状黒鉛とは結晶構造の異なる円筒状で、繊維の先端が
円錐形で、その曲率半径が数nm以下の繊維状黒鉛が得
られ、その鋭利な先端を針として利用することが期待さ
れる。この針は繊維状黒鉛であることから、熱的、機械
的、化学的に極めて安定なこと、また、電導体であるこ
とを考慮すると、新しい原子レベル加工技術分野におい
て、新しい針の材料として提供できる効果をもつ。
【0020】さらに、この円錐形先端をもつ繊維表面
に、金属、無機物質、有機物質等を、真空蒸着法やCV
D法などによりコートすることによりグラファイト以外
の物質の針も製造することができる。
【0021】また円筒の端がろうと状に開いたものはそ
こを物質を吸着させる極微細なサイトとして用いること
ができる。
【0022】また長い円筒が得られると、ある箇所から
発生した光を円筒の中を通して他の場所に導くこともで
きる。逆に円筒の中に光を通してある場所に光を導くこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円錐形の先端をもつ黒鉛繊維形成装置の概略図
である。
【図2】円錐形の先端をもつ黒鉛構造の模式図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 真空排気系 3 真空計 4 真空バルブ 5 アルゴンガス供給系 6 圧力計 7 炭素棒電極 8 アーク放電電源 9 正導電端子 10 炭素棒電極 11 負導電端子 12 可動装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】先端の尖った針を用いる道具としては、
生物関係では医療用注射針、光学顕微鏡下で行う人工受
精に用いる針、細胞内にDNAを挿入する毛細管針など
色々な種類とサイズの針がある。それらの針の先端の
率半径は数百ミクロンからサブミクロンの大きさであ
る。針の材料としては金属やガラスが使われる。一方、
非生物関係で使われる針には、電子顕微鏡や電界イオン
顕微鏡の電子源あるいはイオン源に使われるポイントフ
ィラメント、最近開発された走査型トンネル顕微鏡(S
TM)に使われる探針などがある。これらのフィラメン
トの先端は数十nmからサブnmの領域にある曲率半径
の針が使われ、これらの材料は高融点の金属が使われ
る。先端を尖らせるためには電界研磨法が一般的に用い
られる。一方、特開昭58−197314号公報には、
「中心芯部と周円部の2層構造を有する繊維状炭素であ
って、芯部は円錐台様容器状の炭素六角網面を積み重ね
た形状であり、周円部は炭素の六角網面が年輪状に配列
していることを特徴とする繊維状炭素」が記載されてい
る。この繊維状炭素の中心芯部の形状は、直径約25n
mで細長い円錐台様容器を積み重ねた形態である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】生物体の細胞レベルに
おける細胞内組織の操作、マイクロマシン技術における
ナノメーターレベルの加工操作技術等において、ナノメ
ータサイズの針を使用する技術分野の開発が望まれてい
る。人工的に加工可能な針の先端曲率は電界研磨法が最
も優れているが、針の先端曲率をサブnmにすることは
極めて難しい。たとえば、操作トンネル顕微鏡の針の作
成においては、電界研磨で得た曲率数十ナノメータの針
の先端を故意に機械的に損傷し、より小さい曲率を偶然
に得ているが、再現性は極めて低く、また作られた針全
体の形状を知ることが難しい。最近本発明者は、黒鉛を
基本構造とした炭素元素からなるナノメータサイズの極
微細円筒構造(ナノチューブ)が存在することを発見し
た(ネイチャー(Nature)、354、56(19
91)など)。これは炭素をその構成単位として六員環
を主構造としたらせん構造で形成された円筒形状を持
ち、外径が通常30nm以下という極めて小さな多重構
造の黒鉛繊維である。このナノチューブで前述の針に限
らず種々の形状を作ることができれば様々な応用が考え
られる。また従来は円筒形のまま長いナノチューブを作
成することが難しかった。一方、特開昭58−1973
14号公報に記載の繊維状炭素の周円部を除いた中心芯
部のみを得ることができればナノメーターサイズの針と
して応用できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】本発明の目的は、様々な形状のナノチュー
ブおよびその製造方法を提供すること、また長いナノチ
ューブを製造する方法を提供することである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による円筒状構造で、かつその先端が円錐形
状の針においては、円筒構造でかつ円錐形状の先端をも
つ黒鉛繊維であり、円筒でかつ円錐形状の先端をもつ
造は、炭素元素をその構成単位として六員環を主構造と
するらせん構造で形成されるものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】円筒と円錐の境界部分には一個または二個
の五員環が存在し、円錐の先端には五個の五員環が存在
し、その間の円錐には五員環はなくすべて六員環であ
る。円錐の頂点の角度は10〜50度の間であるが、2
0度前後のものが多い。また、円錐の曲率半径はサブナ
ノメータである。この構造の黒鉛繊維の構造は、製造途
中で原料の供給を減らすか、または温度を下げることに
より実現できる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】繊維の先端がろうと形状で開いている円筒
構造は、円筒の端に七員環が発生しそのため円筒がろう
と状に開くものである。この構造の黒鉛繊維の製造は、
製造途中で原料の供給を増やすか、または温度を上げる
ことにより実現できる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】多重構造の円錐の曲率半径Rは最外側が大
きく内側では小さくなる。三重構造では外側の円錐の曲
率半径R3 は1.4nmのものが得られた。最内側の円
錐の曲率半径1 は小さく0.75nmであった。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】また円筒の端に円錐ができてもそのまま終
端するとは限らず、円錐の端部に七員環を発生させると
そこが開き、径の小さな円筒を成長させることができ
る。この小さな円筒の先端は六個の五員環を含む多面体
で囲まれている。この構造の膜式図を図3に示す。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】円錐形の先端をもつ黒鉛繊維形成装置の概略図
である。
【図2】円錐形の先端をもつ黒鉛繊維の模式図である。
【図3】大きな円筒と小さな円筒が円錐で接続された構
造を持つ黒鉛繊維の模式図 である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】追加
【補正内容】
【図3】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】前述の実施例で述べたアーク放電法で形成
したナノチューブを種結晶にして、CVD法で温度を一
定に制御して原料ガスを流して成長すると五員環、七員
環が発生しにくくなり長い円筒形にナノチューブを作る
ことができる。ナノチューブを終端させたい場合には原
料ガスの供給を減らすか止めればよい。CVD成長時の
温度は例えば1500℃以上、原料ガスはメタンを使
い、成長時の真空度が10〜200Torr程度になる
ように流す。原料ガスはメタンに限らず他の炭化水素ガ
スも使うことができる。またキャリアガスとして水素や
アルゴンなどをメタンと混合して流してもよい。熱CV
DだけでなくプラズマCVDや光CVD法だけでなくプ
ラズマCVDや光CVD法も使うことができる。もちろ
ん熱とプラズマ、光を合わせて使ってもよい。種結晶は
図1の直流放電の成長装置から取り出して、別のCVD
装置に入れて成長させてもよい。しかし図1の装置をC
VD装置として兼ねると汚染などがなく簡便である。つ
まり真空容器1内の炭素棒電極10付近に加熱用の抵抗
またはRF加熱用のコイルを巻くか、炭素棒電極10の
近くにプラズマ発生用の電極を設けるか、容器1に紫外
光照射用の窓を設置する。炭素棒を用いたアーク放電に
よるナノチューブの製造方法に於いて、放電条件を途中
で変化させてみることを実地に試みてみた。100To
rrのアルゴン雰囲気中でのアーク放電で、例えば放電
電圧を30Vから50Vに上げると、放電電流が増加し
炭素原料の対抗電極(陰極)への供給量が2〜3割増加
した。対抗電極中のナノチューブを電子顕微鏡で子細に
観察すると、明らかに上記放電条件の変化に対応した漏
斗状の広がりがナノチューブに観察された。一方、放電
電圧を30Vから25Vへ下げると、放電電流が減少
し、この放電条件の変化に対応して、ナノチューブは、
円錐状に終端する傾向が観察された。放電電圧を増大す
る事は、炭素原料の供給量の増大とともにプラズマの温
度の上昇につながる事になる。放電電圧を低下させる事
は、逆の効果を引き起こすと考えられる。炭化水素を原
料とするCVD法によるナノチューブ作製方法において
も同様の傾向が観察された。即ちメタン原料ガスを電気
炉中の2000℃に保た れた反応容器に供給して熱分解
するときメタンガスの供給量を途中から10〜50%増
加させたところ、明らかにその供給量を変化させた時点
から以降に成長したナノチューブの部分に漏斗状の広が
りが認められた。逆に原料ガスの供給量を30%以上減
らしたところ殆どすべてのナノチューブに円錐状に終端
する傾向が認められた。またメタンガスの供給量を一定
にしたまま、電気炉の温度を2000℃から200〜5
00度上昇させたところ、温度上昇時点以降に成長した
と判断されるナノチューブの部分に漏斗状の広がりが認
められた。またナノチューブの成長途上で電気炉の温度
を100〜200度低下させたところナノチューブが円
錐状に終端する傾向を示した。成長温度と炭素原料の供
給量を制御する事が円錐状に終端したナノチューブや漏
状に広がったナノチューブを作製する上で本質的に重
要であることが明かにされた。またこれらを適宜組み合
わせて、様々な断面を持つナノチューブが連結された形
状を持つグラファイト繊維状物質を作製する事も可能で
あることが確認された。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状構造をもつ黒鉛繊維であって、円
    筒構造は、炭素をその構成単位として六員環を主構造と
    したらせん構造で形成されたものであり、繊維の外径
    は、30nm以下の大きさであり、繊維の先端が円錐形
    状で終わる円筒構造をもつ黒鉛繊維。
  2. 【請求項2】 円錐形部分と円筒部分は連続した黒鉛層
    からなり、多重の構造であり、内外に隣接する円錐と円
    錐の間隔は、グラファイト構造のC面の間隔におおよそ
    相当するものであることを特徴とする請求項1に記載の
    円錐形状先端構造をもつ黒鉛繊維。
  3. 【請求項3】 円筒黒鉛先端の円錐形の曲率が数nm以
    下であることを特徴とする請求項1に記載の円錐形状先
    端構造をもつ黒鉛繊維。
  4. 【請求項4】 円筒状構造を持つ黒鉛繊維であって、円
    筒構造は炭素をその構成単位として六員環を主構造とし
    たらせん構造で形成されたものであり繊維の外径は30
    nm以下の大きさであり、繊維の先端がろうと状に開い
    ている円筒構造を持つ黒鉛繊維。
  5. 【請求項5】 円筒状構造を持つ黒鉛繊維であって、円
    筒構造は炭素をその構成単位として六員環を主構造とし
    たらせん構造で形成されたものであり繊維の外径は30
    nm以下の大きさであり、大きな円筒と小さな円筒が円
    錐で接続された構造を持つ黒鉛繊維。
  6. 【請求項6】 アーク放電で生成させた黒鉛繊維を種と
    し、円筒状構造を持つ長い黒鉛繊維を成長させることを
    特徴とする円筒状構造を持つ黒鉛繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 長い黒鉛繊維を成長させる方法として、
    炭化水素ガスを原料ガスとした気相成長法を用いる請求
    項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 気相成長法として熱、プラズマ、または
    光気相成長法を用いる請求項7に記載の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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