JPH07114691B2 - 細胞の培養方法 - Google Patents
細胞の培養方法Info
- Publication number
- JPH07114691B2 JPH07114691B2 JP59278996A JP27899684A JPH07114691B2 JP H07114691 B2 JPH07114691 B2 JP H07114691B2 JP 59278996 A JP59278996 A JP 59278996A JP 27899684 A JP27899684 A JP 27899684A JP H07114691 B2 JPH07114691 B2 JP H07114691B2
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- JP
- Japan
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- cells
- absorption
- culture medium
- culture
- ratio
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、細胞の培養方法に関し、更に詳しくは培養液
のpHを追跡することにより培養液の交換を行う細胞の培
養方法に関するものである。
のpHを追跡することにより培養液の交換を行う細胞の培
養方法に関するものである。
[従来の技術] 細胞の培養は、多量の栄養物質が含まれる培養液中にて
行われるが、培養中に培養液中の栄養物質の消費や代謝
によって培養液のpHは変化する。培養液中の栄養物が消
費されると細胞の増殖は行われなくなり、また代謝によ
って培養液のpHが変化すると、細胞の増殖適合pHの範囲
から外れ、増殖が行われにくくなる。そこで培養中はこ
れらの問題が生じてくると培養液の交換を行っている。
この培養液の交換時期の決定は、主に培養液中に含まれ
ているフェノールレッドのpHによる色変化を目視観察す
ることにより行われている。
行われるが、培養中に培養液中の栄養物質の消費や代謝
によって培養液のpHは変化する。培養液中の栄養物が消
費されると細胞の増殖は行われなくなり、また代謝によ
って培養液のpHが変化すると、細胞の増殖適合pHの範囲
から外れ、増殖が行われにくくなる。そこで培養中はこ
れらの問題が生じてくると培養液の交換を行っている。
この培養液の交換時期の決定は、主に培養液中に含まれ
ているフェノールレッドのpHによる色変化を目視観察す
ることにより行われている。
[発明が解決しようとする問題点] 培養液中のフェノールレッドの色変化を目で判断して培
養液のpHを推定する上述のような従来技術は、非常にあ
いまいなものであり、細胞溶液が細胞の増殖に不適な状
態のまま放置されたり、判断に時間がかかるため、長時
間培養環境外に放置されたりすることがあり、ひどいと
きには細胞が死滅してしまうことがあった。
養液のpHを推定する上述のような従来技術は、非常にあ
いまいなものであり、細胞溶液が細胞の増殖に不適な状
態のまま放置されたり、判断に時間がかかるため、長時
間培養環境外に放置されたりすることがあり、ひどいと
きには細胞が死滅してしまうことがあった。
[発明の構成] 本発明は、上述のような問題点を解決するためになされ
たもので、その要旨は、マイクロプレート,ディッシ
ュ,培養びんなどの透明な容器内の培養液中で容器壁に
成育する細胞を培養するにあたり、培養液に加えられた
フェノールレッドによる2つの吸収ピークからフェノー
ルレッドが殆どない波長での細胞による吸収を引いた後
に2つの吸収ピークの比をとり、その比から細胞を含む
培養液のpHを算出し、算出されたpHが細胞の成育に不適
であるときには培養液の交換を行うことを特徴とするも
のである。
たもので、その要旨は、マイクロプレート,ディッシ
ュ,培養びんなどの透明な容器内の培養液中で容器壁に
成育する細胞を培養するにあたり、培養液に加えられた
フェノールレッドによる2つの吸収ピークからフェノー
ルレッドが殆どない波長での細胞による吸収を引いた後
に2つの吸収ピークの比をとり、その比から細胞を含む
培養液のpHを算出し、算出されたpHが細胞の成育に不適
であるときには培養液の交換を行うことを特徴とするも
のである。
培養液中には通常細胞に害を与えないような希薄な濃度
にてフェノールレッドがpH変化の検出のため含まれてい
るが、このような希薄な濃度においてはフェノールレッ
ドは可視光の範囲において430〜440nm付近と560nm付近
に吸収ピークをもち、また480nmに等吸収点をもってい
る。細胞の成育可能なpH領域である6.8〜7.6の範囲で
は、pHが下がるにつれて430〜440nm付近の吸収ピークは
増大し、560nm付近の吸収ピークは減少していく。この4
30〜440nm付近の吸収と560nm付近の吸収の比をとると、
プロットは1本の曲線上にのる。従って、この2つのピ
ークの比から培養液のpHを算出することができる。
にてフェノールレッドがpH変化の検出のため含まれてい
るが、このような希薄な濃度においてはフェノールレッ
ドは可視光の範囲において430〜440nm付近と560nm付近
に吸収ピークをもち、また480nmに等吸収点をもってい
る。細胞の成育可能なpH領域である6.8〜7.6の範囲で
は、pHが下がるにつれて430〜440nm付近の吸収ピークは
増大し、560nm付近の吸収ピークは減少していく。この4
30〜440nm付近の吸収と560nm付近の吸収の比をとると、
プロットは1本の曲線上にのる。従って、この2つのピ
ークの比から培養液のpHを算出することができる。
マイクロプレート,ディッシュ,培養びんなどの容器
は、汚れなどに起因してある程度の吸収及び散乱をも
ち、また容器壁に生育する細胞自体も吸収及び散乱を起
こし、容器のまま培養液の吸収変化を測定するとこれら
の吸収及び散乱も含まれるが、650nmのようなフェノー
ルレッドの吸収が殆どない波長の吸収を2つのピークか
ら差し引いたものの比をとることによって、第1図の曲
線を用いてpHを算出することができる。
は、汚れなどに起因してある程度の吸収及び散乱をも
ち、また容器壁に生育する細胞自体も吸収及び散乱を起
こし、容器のまま培養液の吸収変化を測定するとこれら
の吸収及び散乱も含まれるが、650nmのようなフェノー
ルレッドの吸収が殆どない波長の吸収を2つのピークか
ら差し引いたものの比をとることによって、第1図の曲
線を用いてpHを算出することができる。
[発明の効果] 本発明の方法により培養液を交換し培養を行うことによ
り、培養液の細胞増殖適合性の判断が迅速に行うことが
でき、また細胞増殖適合性が正確に検出できるため、細
胞の増殖が安定に行われるようになった。
り、培養液の細胞増殖適合性の判断が迅速に行うことが
でき、また細胞増殖適合性が正確に検出できるため、細
胞の増殖が安定に行われるようになった。
[実施例] 96穴マイクロプレートに入れたマウス骨髄腫細胞と培養
液(ダルベッコMEM培地、pH6.8、フェノールレッド15mg
/)をCO2インキュベータ内で2日間培養した後、マイ
クロプレート用光度計で測定すると、440nmでは0.69、5
60nmでは0.18、650nmでは0.04の吸光度であった。440nm
の吸光度及び560nmの吸光度から650nmの吸光度を差し引
き、各々の値の比をとると、4.64となる。この値を図1
でpHに換算すると6.58となる。実際にpHをpHセンサーに
よって測定した結果pHは6.61であり、よい一致を示し
た。pH6.58は細胞の増殖に対し適合とはいえないので培
養液を交換した。
液(ダルベッコMEM培地、pH6.8、フェノールレッド15mg
/)をCO2インキュベータ内で2日間培養した後、マイ
クロプレート用光度計で測定すると、440nmでは0.69、5
60nmでは0.18、650nmでは0.04の吸光度であった。440nm
の吸光度及び560nmの吸光度から650nmの吸光度を差し引
き、各々の値の比をとると、4.64となる。この値を図1
でpHに換算すると6.58となる。実際にpHをpHセンサーに
よって測定した結果pHは6.61であり、よい一致を示し
た。pH6.58は細胞の増殖に対し適合とはいえないので培
養液を交換した。
さらに2日毎にpHを測定し、pHが不適であると培養液を
交換して2週間の培養を行った結果、細胞はよく増殖し
た。
交換して2週間の培養を行った結果、細胞はよく増殖し
た。
第1図は、フェノールレッド溶液の各pHにおける430nm
の吸光度と560nmの吸光度の比を表す曲線である。
の吸光度と560nmの吸光度の比を表す曲線である。
Claims (3)
- 【請求項1】透明の器具内の培養液中で容器壁に成育す
る細胞を培養するにあたり、培養液に加えられたフェノ
ールレッドによる2つの吸収ピークの吸収から波長650n
mでの細胞による吸収を引いた後に2つの吸収ピークの
比をとり、その比から細胞を含む培養液のpHを算出し、
算出されたpHが細胞の成育に不適であるときには培養液
の交換を行うことを特徴とする細胞の培養方法。 - 【請求項2】透明の器具内の培養液中で容器壁に成育す
る細胞を培養するにあたり、細胞による吸収および散乱
によって変化する培養液に加えられたフェノールレッド
の2つの吸収ピークの吸光度からフェノールレッドの吸
収が殆どない波長での細胞による吸光度を引いた後に2
つの吸収ピークの吸光度の比をとり、その比から細胞の
増殖状態に影響されることなく細胞を含む培養液のpHを
算出し、算出されたpHが細胞の成育に不適であるときに
は培養液の交換を行うことを特徴とする細胞の培養方
法。 - 【請求項3】フェノールレッドの吸収が殆どない波長が
650nmである特許請求の範囲第2項記載の培養方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59278996A JPH07114691B2 (ja) | 1984-12-27 | 1984-12-27 | 細胞の培養方法 |
EP85116625A EP0189599B1 (en) | 1984-12-27 | 1985-12-27 | Method and apparatus for incubating cells |
US06/814,246 US4812392A (en) | 1984-12-27 | 1985-12-27 | Method and apparatus for incubating cells |
DE8585116625T DE3568999D1 (en) | 1984-12-27 | 1985-12-27 | Method and apparatus for incubating cells |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59278996A JPH07114691B2 (ja) | 1984-12-27 | 1984-12-27 | 細胞の培養方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61152282A JPS61152282A (ja) | 1986-07-10 |
JPH07114691B2 true JPH07114691B2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=17604945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59278996A Expired - Lifetime JPH07114691B2 (ja) | 1984-12-27 | 1984-12-27 | 細胞の培養方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07114691B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6435347A (en) * | 1987-07-31 | 1989-02-06 | Sumitomo Electric Industries | Detection of intrusion of various bacteria |
US6284526B1 (en) * | 1998-03-07 | 2001-09-04 | Wardlaw Partners Lp | Method and apparatus for determining the sensitivity of a microorganism to a growth altering agent |
JP5857195B2 (ja) * | 2013-12-26 | 2016-02-10 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 細胞培養装置および細胞培養方法 |
US20220404286A1 (en) * | 2019-10-04 | 2022-12-22 | Kyocera Corporation | Ph measurement method and ph measurement device |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SU718767A1 (ru) | 1978-09-11 | 1980-02-28 | Институт биологической физики АН СССР | Устройство дл регулировани уровн рн |
-
1984
- 1984-12-27 JP JP59278996A patent/JPH07114691B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SU718767A1 (ru) | 1978-09-11 | 1980-02-28 | Институт биологической физики АН СССР | Устройство дл регулировани уровн рн |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61152282A (ja) | 1986-07-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |