JPH07112778A - 黒鉛材もしくは黒鉛製品の梱包または保管方法 - Google Patents

黒鉛材もしくは黒鉛製品の梱包または保管方法

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JPH07112778A
JPH07112778A JP6047659A JP4765994A JPH07112778A JP H07112778 A JPH07112778 A JP H07112778A JP 6047659 A JP6047659 A JP 6047659A JP 4765994 A JP4765994 A JP 4765994A JP H07112778 A JPH07112778 A JP H07112778A
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graphite
graphite material
box
wood
packing
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JP6047659A
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Masaki Okada
雅樹 岡田
Hiroaki Itami
弘明 伊丹
Chie Fujita
千恵 藤田
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Toyo Tanso Co Ltd
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Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 黒鉛材もしくは黒鉛製品の梱包または保管方
法において、雰囲気気体の収着量を少なくする梱包また
は保管方法を提供するものである。 【構成】 本発明は、黒鉛材もしくは黒鉛製品を木材、
好ましくは桐材から成る蓋付き容器に梱包または保管す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空容器、高温炉内部
品、半導体材料の熱処理炉内部品等の真空下や高温下で
使用される黒鉛材もしくは黒鉛製品の梱包または保管方
法に関する。さらに詳しく言えば、核融合炉用の第一
壁、ダイバータ、リミター、アーマーその他の内部部
品、シリコンや化合物半導体製造装置用のヒータ、ルツ
ボ、ヒートシールド、隔壁その他の内部部品、化学蒸着
(CVD)装置用や物理蒸着(PVD)装置用のボー
ト、ルツボその他の内部部品、気相や液相のエピタキシ
ャル成長装置用のサセプター、スライドボートその他の
内部部品、分子線エピタキシャル成長装置用のセル、ル
ツボその他の内部部品、イオン注入装置用の電極材その
他の内部部品、熱分解窒化ホウ素(PBN)製造装置用
の内部部品、原子吸光用のチーブやキュベット、金属不
純物分析装置用のルツボ、X線発生装置用のターゲット
等に代表されるような減圧下や高温下で使用される黒鉛
製品やそれら製品に加工する黒鉛材の梱包または保管方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】黒鉛は他の材料に比べ、化学反応性が低
いこと、高純度に精製できること、高温での比強度が他
の材料に比べて高い等の点で優れている。このため半導
体産業、冶金産業、セラミックス産業あるいは核エネル
ギー産業等において、黒鉛材もしくは黒鉛製品が広く用
いられている。その中でも真空炉内部品、プラズマ対向
材、または高純度金属、半導体、及び高純度セラミック
ス処理炉の炉内部品やそれら材料の保持容器として使用
されている。
【0003】また黒鉛単独で使用される他に、黒鉛基体
の表面を緻密な炭素膜や緻密な炭化ケイ素で被覆した複
合材、表層の一部分をケイ化した製品も同様の用途に一
部使用されている。
【0004】近年では、これらの産業水準が高度になっ
てきたことに伴い、使用される黒鉛製品の要求がますま
す厳しくなってきた。
【0005】例えば、その要求される項目の一つとし
て、黒鉛材や黒鉛製品に含まれる不純物レベルをより低
くすることが挙げられる。
【0006】不純物レベルが高い黒鉛材もしくは黒鉛製
品を、高清浄雰囲気下、例えば半導体製造装置の内部部
材として用いた場合には、該部材から不純物が揮散、放
出されるため製造された物の品質を低下させる。
【0007】また、高真空、極低圧雰囲気下、例えば核
融合反応関連設備の内部構造物として不純物レベルの高
い黒鉛材や黒鉛製品を用いると、装置内の到達真空度が
悪くなったり、揮散した不純物からの光輻射によりプラ
ズマのもつエネルギーが減殺され、装置全体の性能が低
下することがある。
【0008】最近では、不純物として、上記の無機物質
の不純物の他に、黒鉛材もしくは黒鉛製品に収着された
気体不純物が注目されつつある。黒鉛材もしくは黒鉛製
品中に収着された気体量が多いと、真空度が悪くなるば
かりでなく、その他に例えば、常圧高温炉に用いられた
りすると、高温に加熱した時に炉内が曇ったり、放出さ
れた水素、水、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素等が
炉内部品や被処理物に付着して不純物となったり、被処
理物の結晶欠陥の原因となったりして被処理物の品質を
低下させてしまう。
【0009】そこで、黒鉛材もしくは黒鉛製品(以下、
黒鉛材等ともいう)から放出するガス量を抑えるため
に、通常は、使用前に黒鉛材等を減圧下又は/更には高
温下にして、あらかじめ黒鉛材等に収着したガスを放出
させる、いわゆる脱ガス処理が行われている。
【0010】また、不純物レベルが高い黒鉛材等を、不
純物レベルの低いものにするために、通常は、ハロゲン
系ガスその他の高純度化を行うためのガスを含む雰囲気
下において、高温下で処理を行う、いわゆる黒鉛の高純
度化が行われている(例えば、特開昭63−79759
号)。
【0011】高純度化処理を行った黒鉛材等は、高純度
化処理を行うと脱離する気体の量すなわち収着気体量は
少なくなる。
【0012】したがって、このように減圧下、高温下で
高純度化処理を受けた黒鉛材等は、若干のハロゲン系ガ
スその他の高純度化を行うためのガスを収着している
が、高純度化処理を受けていないものよりも収着量が少
なく、脱ガス処理をされた黒鉛材等であるとみなすこと
もできる。
【0013】本発明者らは先に、黒鉛材や黒鉛製品を極
めて純度の高い水で超音波洗浄を行い、収着気体の少な
い黒鉛材もしくは黒鉛製品を製造する提案を行った(特
願平4−69147号)が、その後の梱包または保管方
法が悪く、例えば高分子有機物(ナイロン−ポリエチレ
ン)の袋に入れて梱包または保管されたため、梱包また
は保管中に雰囲気気体を収着し、再度、黒鉛製品を炉内
で加熱使用すると、収着した雰囲気気体を放出したり、
所定の真空度に到達するまでに時間がかかったり、炉内
に収着ガスが拡散して炉内雰囲気を汚染するという問題
点があった。さらに、高分子フィルムを使用して黒鉛製
品を真空パック包装した場合についても炭化水素の収着
量が増加するという問題があることが判明した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、黒鉛
材もしくは黒鉛製品の梱包または保管方法において、梱
包または保管中に雰囲気気体の収着量を少なくする方法
を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セラミッ
ク、金属、高分子有機物、布等の梱包または保管容器と
なり得る全ての材料の中から、雰囲気気体の収着量を少
なくし、かつ耐機械衝撃性、加工性、運搬性、及び形状
保持性の良い材料を選択するため、鋭意研究した結果、
木材が最適の材料であることを見い出し、本発明に到っ
たものである。
【0016】すなわち、脱ガス処理を行った黒鉛材等、
高純度化処理を行った黒鉛材等及びこれらの処理を行わ
なかった黒鉛材等を、木材製の蓋付きの容器に入れ、通
常の大気雰囲気で梱包または保管しておけば、その黒鉛
材等が高温雰囲気中にさらされたとき、黒鉛材等から発
生するガス、特にメタン、水、一酸化炭素、及び二酸化
炭素の発生を少なくできることをつきとめた。特に、桐
材は木材の中でも軽く、柔らかいため、梱包または保管
容器としては都合が良い材料である。
【0017】更には、被梱包物または被保管物である黒
鉛材等の純度が高くなる程、収着気体量が少なくなり、
特に黒鉛材等の灰分が40ppm以下になると顕著に本
発明の効果を奏することが分かった。
【0018】木材は、多孔質で軽いという点でも容器と
して優れている。また、木材は年輪とは垂直に管状繊維
からなっており、これは根から水、養分の通り道であっ
たものである。従って、容器を作る場合は、年輪とは垂
直になるように、言い換えれば、表面に正目の木目が見
られるように切断した板で製造する方がより効果があっ
た。木材は、黒鉛とは異なり、OH基やC=O基を大量
に持っているので、雰囲気中の水、一酸化炭素や二酸化
炭素を吸着するため、その中に梱包または保管された黒
鉛材等にそれら気体種が収着しにくいものと思われる。
メタンは分子寸法が小さいため、木材の気孔に吸収され
ると思われるが、詳細は不明である。特に、桐材は木材
の中でも、上記の性質の他に油脂分や吸湿性が少ないの
で、より一段の効果があることが今回分かった。
【0019】本発明の効果を奏する黒鉛材等としては、
少なくとも一部が炭素質から成るものであれば適用でき
る。例えば、後記の実施例に記載した等方性黒鉛材、異
方性黒鉛材、炭素繊維、炭素繊維強化炭素複合材や、そ
れらの表層に熱分解炭素や炭化ケイ素等の被覆層を設け
たもの、炭素質材の細孔にセラミック等が含浸されてい
るものを挙げることができる。また、製造段階における
最終熱処理温度その他の製造条件も問わない。もちろ
ん、炭素質部分の占める割合が多くなる程、本発明の効
果も大きくなるものである。また、黒鉛材等の純度につ
いても問わないが、灰分が40ppm以下の黒鉛材等が
特に効果がある。
【0020】本発明に係る容器は、一例を挙げると、図
1に示すごとき構成を有する。図1は蓋付きの木箱の中
に被梱包物または被保管物を入れた例を示しており、5
1は直方体の木箱本体、52は蓋、53は被梱包物また
は被保管物である。木箱本体51は複数の板を釘(図示
せず)で接合して作製されており、蓋52は簡単にずれ
ないように凸部を設けて本体51に嵌め合わされてい
る。本発明に係る容器は、この図に示す形状に限定され
るものではなく、円筒状などその他の形状でもよい。ま
た、容器の作製方法に制限はなく、接着剤などで複数の
部材を接合したものなどでも良い。また蓋は、容器中の
空気を必ずしも密封する必要はなく、図1に示された木
箱のように、蓋を容器本体に乗せる程度の気体遮断度で
も、本発明の効果を奏する。当然のことながら、蓋を本
体に固定するためにボルト締め等の締結手段を用いて、
容器内と外とのガス置換を極力抑えたものでも良い。本
発明に係る容器の厚みについては、容器の形状を保つこ
とができる程度であれば良く、厚みが1mm以上であれ
ば十分である。
【0021】また、高純度化処理がなされていたり不純
物の付着をきらう黒鉛材等を梱包または保管する場合
は、黒鉛材等と容器との接触を極力抑えた構造にしても
良い。例えば、図2に示すように、容器51の周壁と黒
鉛材等53との間に、縦断面がほぼL型で黒鉛材等53
の係止可能な保持具54を介在させるようにして、黒鉛
材等と容器との接触面積を少なくした構造にすれば良
い。さらに、図2は、黒鉛材等の入った容器を運搬する
際に生じる黒鉛材等と容器との衝撃を抑える観点からも
より好ましい構造になる。保持具54は木材、特に桐材
から製作されたものの方が好ましいが、運搬時における
衝撃性の低減を重視して発泡スチロール、硬質発砲ウレ
タン、紙その他の公知の緩衝材から製作されたもので
も、十分に本発明の効果がある。もちろん、保持具54
は、図2に示す形状のものに限定されるものではない。
すなわち、本発明に係る容器は、その内部構造に特徴が
あるものではなく、黒鉛材もしくは黒鉛製品の形状に合
わせて、容器との接触面積を少なくしたり、運搬時にお
ける耐衝撃性を増したりする任意の公知な内部保持構造
であれば足りる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。
【0023】なお、試験片として使用した黒鉛Aとは、
コークスとピッチから成る原料を静水圧プレスによって
成型し、非酸化性雰囲気中にて約3200Kで黒鉛化処
理を行った、いわゆる等方性黒鉛であり、灰分が320
ppmのものである。黒鉛Bとは、黒鉛Aをハロゲンガ
ス雰囲気下にて約2000Kで10時間保持して高純度
化処理を行った、いわゆる高純度等方性黒鉛であり、灰
分が10ppmのものである。黒鉛Cとは、黒鉛Aをハ
ロゲンガス雰囲気下にて約2000Kで2時間保持して
高純度化処理を行った高純度等方性黒鉛であり、灰分が
40ppmのものである。また、灰分は日本工業規格
(JIS)R 7223に準じて測定した値である。
【0024】実施例1 1×10×10(mm)の黒鉛B(灰分10ppm)の
試験片を図3に示す装置を用い、以下に記述した手順で
脱ガス処理と収着(放出)気体量を測定した。
【0025】まず、脱ガス処理について記述する。ステ
ンレス綱から成る試験片準備室(14)中の試験片導入
マニプレータ(17)に試験片(19)を置き、試験片
準備室(14)の圧力が10−4Paに到達するまでロ
ータリーポンプ(16)とターボ分子ポンプ(15)か
ら成る排気装置で排気した。また分析室(3)は、外寸
法φ21cm×L42cmのステンレス綱でできてお
り、ターボ分子ポンプ(4)とダイヤフラムポンプ
(7)からなる排気装置によって、あらかじめ10−7
Paの圧力にしてある。試験片(19)を準備室(1
4)から分析室(3)に移すために、ゲートバルブ(1
8)を開けて試験片導入マニプレータ(17)を分析室
(3)中のタンタル製ヒーター兼試験片ホルダー(1)
の近くまで移動し、回転して、試験片(19)をヒータ
ー兼試験片ホルダー(1)に落とし込んだ。なお、分析
室(3)中の試験片を試験片(2)とする。その後、導
入マニプレータ(17)を分析室(3)から引き抜きゲ
ートバルブ(18)を閉め、一晩排気装置で分析室
(3)を排気(排気速度55リットル/s)し続け、再
度10−7Paまで減圧にした。これで脱ガス処理準備
完了となる。
【0026】上記脱ガス処理準備完了後、まず試験片
(2)の温度をR型熱電対(9)でモニターして、PI
D温度コントローラー(図示せず)でタンタル製ヒータ
ー兼試験片ホルダー(1)に流す電流を制御して室温か
ら1273Kまで0.5K/sの昇温速度で昇温し、1
273Kで1時間保持し、脱ガスを行った。その後、放
冷を行い、ゲートバルブ(18)を開いて試験片導入マ
ニプレータ(17)を分析室(3)に入れ、試験片
(2)を試験片導入マニプレータ(17)に落とし込
み、準備室(14)まで移動させ、ゲートバルブ(1
8)を閉じた。以上で脱ガス処理完了となる。
【0027】準備室(14)に窒素ガスを導入し、常圧
に戻してから、試験片(19)を大気中に取り出し、厚
さ6mmで外寸法185mm×235mm×90mmの
桐箱に入れ、7カ月間(6月から翌年1月まで)室内に
て保管した。なお、保管に使用した桐箱は、図1に示し
た構成のものであり、木箱の内側壁表面と蓋の内側表面
のほぼ全体を正目の木目になるように作製したものであ
る。
【0028】7カ月後、試験片を桐箱から取り出し、前
述した図2の装置にて、放出気体量すなわち収着気体量
を測定した。
【0029】次に、収着気体量の測定方法を以下に記述
する。脱ガス処理準備と同じ操作で試験片を分析室
(3)に入れ測定準備を行った。分析室(3)を55リ
ットル/s(N換算)の一定速度で排気しながら、室
温から0.5K/sの昇温速度で1273Kまで加熱
し、試験片から放出される気体量を測定して、試験片の
収着気体量とした。
【0030】気体量の測定は、放出された気体量が多い
と分析室の圧力が高くなることを利用したものであり、
全圧はB−Aゲージ(5)で、分圧は四重極質量計
{(6)、以降QMSと略す}にて昇温中4秒、すなわ
ち2Kに一度測定した。分圧は質量/電荷比が1〜60
の気体種を測定した。
【0031】各種放出気体種{質量/電荷=m/e比、
15(メチルイオン、CH )、18(H)、
28(CO)、44(CO )}に対して脱離スペ
クトルを求めた。一例として、CO(m/e=28)
の脱離スペクトルを図4に示す。図3において、1Kが
2秒に対応するものであり、便宜上、全測定点のうち4
0秒毎、すなわち20K毎の測定点のみを記している。
【0032】比較例1 実施例1と同様に、同一製造工程の黒鉛B(灰分10p
pm)の別の試験片を図3の装置内において1273K
で1時間脱ガス処理を行い、同様にして大気中に取り出
し、φ30mm×30mmHの磁製ルツボ(超純水中で
5分間超音波洗浄し1073Kで2時間乾燥(前処理)
させたもの)中にそのまま入れ、該磁製ルツボと同材質
同一前処理した磁製蓋をして、実施例1と同一室内に同
一期間で7カ月(6月より翌年1月まで)保管した。そ
の後、実施例1と同様に、図3の装置で各種放出ガスの
脱離スペクトルを測定した。
【0033】実施例2 黒鉛Bの別の試験片(灰分10ppm)を、脱ガス処理
を行わずに実施例1の保管に使用した同一構成の別の桐
箱に入れ、実施例1と同一室内に同一期間で7か月間保
持した。その後、実施例1と同様に、図3の装置で各種
放出ガスの脱離スペクトルを測定した。
【0034】比較例2 黒鉛Bの別の試験片(灰分10ppm)を、脱ガス処理
を行わずに比較例1の保管に使用した同一前処理がなさ
れている磁製ルツボに入れ、実施例1と同一室内に同一
期間で7か月間保持した。その後、実施例1と同様に、
図3の装置で各種放出ガスの脱離スペクトルを測定し
た。
【0035】実施例3 黒鉛C(灰分40ppm)を、脱ガス処理を行わずに実
施例1の保管に使用した同一構成の別の桐箱に入れ、実
施例1と同一室内に同一期間で7か月間保持した。その
後、実施例1と同様に、図3の装置で各種放出ガスの脱
離スペクトルを測定した。
【0036】比較例3 黒鉛Cの別の試験片(灰分40ppm)を、脱ガス処理
を行わずに比較例1の保管に使用した同一前処理がなさ
れている磁製ルツボに入れ、実施例1と同一室内に同一
期間で7か月間保持した。その後、実施例1と同様に、
図3の装置で各種放出ガスの脱離スペクトルを測定し
た。
【0037】実施例4 黒鉛A(灰分320ppm)の試験片を、脱ガス処理を
行わずに実施例1の保管に使用した同一構成の別の桐箱
に入れ、実施例1と同一室内に同一期間で7か月間保持
した。その後、実施例1と同様に、図3の装置で各種放
出ガスの脱離スペクトルを測定した。
【0038】比較例4 黒鉛Aの別の試験片(灰分320ppm)の試験片を、
脱ガス処理を行わずに比較例1の保管に使用した同一前
処理がなされている磁製ルツボに入れ、実施例1と同一
室内に同一期間で7か月間保持した。その後、実施例1
と同様に、図3の装置で各種放出ガスの脱離スペクトル
を測定した。
【0039】一方、試験片のない状態で同様に放出ガス
測定を行い、この測定結果を本装置のバックグラウンド
とした。
【0040】実施例1〜4と比較例1〜4の各種放出気
体量のQMS信号強度(電流値で単位はA・g−1)の
うち、室温から1273Kまでの積分値(単位はA・s
・g−1)を表1〜4に示す。なお、表1〜4の値はバ
ックグラウンドを引いたQMS信号強度の時間積分値で
あり、収着率とは、桐箱に保管した試験片の各種放出ガ
ス量(各実施例値)を、磁製ルツボに保管した試験片の
各種放出ガス量(各比較例値)で割った値の百分率値で
ある。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】表1から明らかなように、実施例1〜4
は、m/e=15,18,28、及び44のQMS信号
強度の時間積分値が比較例1〜4より少ない。これは、
メチルイオン(m/e=15)、水(m/e=18)、
一酸化炭素(m/e=28)、二酸化炭素(m/e=4
4)の加熱中に黒鉛B、黒鉛A又は黒鉛Cから出てくる
量が少ないこと、すなわち保管中の収着量が少ないこと
を示している。更に、灰分が40ppm以下の試験片を
桐箱に保管した場合には、収着率は極めて小さくなって
いることが分かる。
【0046】杉材を使って図1に示す構成の容器を作製
して、実施例に記載の方法と同様に保管、測定してみた
ところ、保管後の収着量は桐箱に比べて若干多くなって
いたが、磁製ルツボよりも収着量が顕著に少なかった。
また、木箱の内側壁表面が正目の木目と板目の木目との
占める面積比率でほぼ50%になるように作製した容器
の方が若干効果が少なかったが、本発明の効果を十分に
奏した。
【0047】上記実施例では、等方性黒鉛を例示した
が、その他に異方性黒鉛材、天然黒鉛、炭素繊維、炭素
繊維強化炭素複合材でも同様に保管中の収着量が少なく
なることを見いだし、本発明を完成させたものである。
【0048】
【発明の効果】以上のように、黒鉛材や黒鉛製品を梱包
または保管する容器の材質に木材を使用すると、収着気
体量を低減させることができる。更に、灰分が40pp
m以下の黒鉛材等を梱包または保管する場合には、収着
率が極めて小さくなり顕著な効果が見られる。また木材
は、耐機械衝撃性に優れており、加工性も良い上に、軽
く、運搬性も良く、形状保持性にも優れている。特に桐
材を容器として使用すると、木材の中でも軽く、柔らか
く、油脂分や吸湿性も少ないため、より一層の効果が認
められ、梱包または保管容器としては非常に都合が良く
有用性が高く、産業上に寄与する影響は非常に大きいも
のと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】木箱の断面図である。
【図2】係止可能な保持具を設けた木箱の断面図であ
る。
【図3】収着気体量の測定装置の模式図である。
【図4】CO(m/e=28)のQMS信号強度を温
度に対してプロットした図である。
【符号の説明】
51 容器本体 52 容器の蓋 53 被梱包物または被保管物 54 保持具 8 オリフィス 10 試験片ホルダー用マニプレータ 11 覗窓 12 ピラニゲージ 13 ペニングゲージ O COのQMS信号強度

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材から成る蓋付きの容器で梱包するこ
    とを特徴とする黒鉛材もしくは黒鉛製品の梱包方法。
  2. 【請求項2】 木材から成る蓋付きの容器で保管するこ
    とを特徴とする黒鉛材もしくは黒鉛製品の保管方法。
  3. 【請求項3】 梱包または保管に使用する容器が桐材か
    ら成ることを特徴とする請求頂1または請求項2に記載
    の黒鉛材もしくは黒鉛製品の梱包または保管方法。
  4. 【請求項4】 梱包または保管に使用する容器の木材表
    面が正目の木目から成ることを特徴とする請求項1乃至
    請求項3のいずれか1項に記載の黒鉛材もしくは黒鉛製
    品の梱包または保管方法。
  5. 【請求項5】 灰分が40ppm以下の黒鉛材もしくは
    黒鉛製品を梱包または保管することを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のいずれか1項に記載の黒鉛材もしくは
    黒鉛製品の梱包または保管方法。
JP6047659A 1993-08-17 1994-02-08 黒鉛材もしくは黒鉛製品の梱包または保管方法 Pending JPH07112778A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117669999A (zh) * 2024-02-01 2024-03-08 嘉祥洪润电碳有限公司 一种石墨纯化生产的智能管理系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117669999A (zh) * 2024-02-01 2024-03-08 嘉祥洪润电碳有限公司 一种石墨纯化生产的智能管理系统
CN117669999B (zh) * 2024-02-01 2024-04-30 嘉祥洪润电碳有限公司 一种石墨纯化生产的智能管理系统

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