JPH07111852B2

JPH07111852B2 - 開閉器

Info

Publication number: JPH07111852B2
Application number: JP13019586A
Authority: JP
Inventors: 末信浜野; 博之笹尾; 裕村井; 勇一和田
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1986-06-06
Filing date: 1986-06-06
Publication date: 1995-11-29
Anticipated expiration: 2010-11-29
Also published as: JPS62287531A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は電気回路の開閉器に関するものであり、特
に、接触子の開離時に発生するアークを駆動するために
アークに対して交差磁束を形成するための磁石を備えた
磁力消弧形の開閉器に関するものである。

〔従来の技術〕

第２図は実開昭59−77742号公報に示された従来の開閉
器の開離状態を示す部分縦断面図である。

図において、符号（１）は第１の端子板、（２）は第１
の端子板（１）に取り付けられている１対の内の一方の
接触子である固定接触子、（３）は固定接触子（２）に
対して接離する他方の接触子である可動接触子、（４）
は可動接触子（３）に摺接する集電子、（５）は集電子
（４）が取り付けられている第２の端子板、（６）は一
方の端部が第１の端子板（１）に固着され、他方の端部
に開口部を有する固定外筒、（７）は固定外筒（６）の
上記開口部に固着された絶縁物から成る絶縁ノズルであ
つて、可動接触子（３）が挿入されて摺動可能に形成さ
れている貫通孔（7a）を有している。（８）は絶縁ノズ
ル（７）に設置されている環状の磁石、（９）は固定外
筒（６）に囲まれて形成されている絶縁消弧ガスの貯留
室、（9a）は貯留室（９）の絶縁消弧ガスが出入りする
貯留室口、（10）は可動接触子（３）が固定接触子
（２）から開離するときに発生するアークで、（11）は
円筒状に形成され、その一端面が固定外筒（６）の外表
面に取り付けられているシリンダ、（12）は可動接触子
（３）に取り付けられ、シリンダ（11）の内周面に摺接
するピストン、（13）はシリンダ（12）と固定外筒
（６）の底面とに囲まれて形成され、可動接触子（３）
の矢印Ａ方向の移動時に形成される負圧室である。

次に動作について説明する。

この開閉器が投入状態で、電流が第１の端子板（１）か
ら固定接触子（２）へ、そして可動接触子（３）から集
電子（４）を介して第２の端子板（５）へ流れている場
合、可動接触子（３）が駆動機構（図示しない）によつ
て矢印Ａ方向へ駆動されると、可動接触子（３）は固定
接触子（２）から開離し、両接触子間にアーク（10）が
発生する。

一方、環状の磁石（８）は、アーク（10）に対して、自
分の作る磁界と、アーク電流値との積に比例する駆動力
を与える。アーク（10）はこの駆動力によつて回転させ
られ、遠心力によつて貯留室（９）内部へ引き伸ばされ
る。

しや断時に発生するアーク（10）の電流位相が、電流ピ
ーク近傍の時は、アーク（10）によつて熱せられた絶縁
消弧ガスが貯留室口（9a）を通つて貯留室（９）内に蓄
積され、貯留室（９）内の絶縁消弧ガスは、温度および
圧力ともに増大する。

また、電流位相が、電流零点近傍になつたときは、アー
ク（10）の圧力は小さくなり、逆に貯留室（９）からア
ーク（10）への絶縁消弧ガスの吹付けが行なわれ、消弧
にいたる。

しかし、アーク電流実効値が小さいときには、先の貯留
室（９）への圧力上昇が十分でないために、貯留室
（９）内の絶縁消弧ガスの圧力が低く、従つて、消弧性
能が不足する。

これに対処するために、従来装置では、可動接触子
（３）のしや断動作によつて、圧力が低下する負圧室
（13）を設けて、貯留室（９）から、アーク（10）、絶
縁ノズル（７）を通つて負圧室（13）にいたる強制ガス
流を作り、また、アーク（10）に磁場をかけて、その回
転によつて絶縁消弧ガスとアークとの相対的流れを作る
ことによつて、小電流しや断時のアーク（10）を消弧さ
せている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来の装置は、上記のように構成されており、アーク電
流値に応じて適切なアーク駆動がなされないために、永
久磁石の効果が不十分であり、負圧発生装置を付加しな
ければならないなどの問題点があつた。また、磁石を環
状にしているので、従来のアルニコ磁石等の鋳造磁石で
は、導電率が高いために、通電電流によつてできる過電
流のために、磁石の劣化が早く、また、発熱するなどの
問題点があつた。

この発明は、上記のような問題点を解決するためされた
もので、磁石には渦電流が流れず、従つて、発熱するこ
ともなく、また、アークはアーク電流値に応じた適切な
アーク駆動を行なうようにされている構造単純で信頼性
の高い開閉器を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る開閉器は、その貯留室口が貯留室側へ末
広がりになつている円錐形に形成されているとともに、
絶縁ノズルの外周部の永久磁石を絶縁物で構成し、また
永久磁石の内面を固定外筒の内面よりも内側に位置さ
せ、貯留室口に半径方向に磁束を生じさせるようにした
ものである。

〔作用〕

この発明において、アークは、その電流値に応じて、円
錐形に形成された貯留室口のために、内部へ有効に駆動
されて不必要な貯留室のガス温度を上げることはなく、
また、このガス流は貯留室からアークへよどみなく吹き
付けられて効果的な吹消し作用を有し、また、磁石には
渦電流が流れないために、劣化することなく、また、発
熱による不具合も生じない。

〔実施例〕

以下、この発明をその一実施例を示す第１図に基づいて
説明する。なお、この第１図は開閉器の開離状態を示す
部分縦断面図である。

図において、磁石（８）、絶縁ノズル（７）および貯留
室口（9a）を除いて符号（１）〜（10）に示すものは従
来装置におけるものと同等のものである。

また、符号（21）はその内面が固定外筒６の内面よりも
内側に位置するように絶縁ノズル（22）の外周部に設け
られた環状の永久磁石であつて、絶縁性の材料で構成さ
れており、貯留室口（23）の近傍において半径方向の磁
束成分を発生するように軸方向に磁化されている。従つ
て、両接触子（２）（３）間に発生したアーク（10）を
回転方向に駆動し、その遠心力によつてこのアーク（1
0）を半径方向に駆動する。このとき、絶縁ノズル（2
2）の貯留室口（23）側とその反対側とでは、半径方向
逆向きの磁束成分が発生するため、アーク（10）の回転
駆動方向も反対向きとなり、アーク（10）がより効果的
に引き伸ばされる。

また、固定外筒（６）の下部と絶縁ノズル（22）の上部
とで構成されている貯留室口（23）は貯留室（９）側に
軸心とのなす角度がほぼ80゜以下に末広がりとなつてい
る円錐状に形成されているために、電流が大きい場合で
も、従来のようなよどみ点が存在せず、また、これに加
えて永久磁石（21）の軸方向の位置が開離した両接触子
（２）（３）間になっているので、半径方向に深く駆動
されると、磁石から遠ざかり、駆動力が小さくなつて不
必要に貯留室（９）へは侵入しないので部分的な高温ガ
スは発生せず、また、貯留室（９）からのアークへの吹
付けに際しても、ガス流を抵抗なく導くことができ、従
つて、大電流時の消弧性能は、安定する。

また、電流値が小さい場合には、場合には、駆動される
力は従来と同じであるが、貯留室口（23）が円錐状であ
るために、貯留室（９）の内側に駆動される。従つて、
貯留室（９）のガス圧力を上昇させる効果は、従来装置
よりも強くなり、安定した消弧性能が得られる。

また、永久磁石が環状である場合は、両接触子（２）
（３）の閉合時においては、両接触子（２）（３）間を
流れる通電電流によつて、永久磁石に交番磁界が発生す
るが、従来のようなアルニコ磁石のような導電性の磁石
にあつては、渦電流が流れるために発熱して劣化する。
しかし、この発明では、磁石（21）を、例えば、希土類
磁石のような絶縁性の磁石としたので、渦電流は発生せ
ず、従つて、発熱もなく、劣化もしない。また、その形
状も任意の形状とすることができる。

以上のように、永久磁石の効果が小電流から大電流の場
合まで有効に作用し、自力消弧特性を有効に補助するた
めに、他の消弧装置、例えば、バツフア装置や負圧バツ
フア装置を必要としない、構造簡単な開閉器を構成する
ことができる。

なお、磁石の材質としては、例えば、フエライト系，ア
ルニコ系，サマリウム系希土類およびネオジウム・鉄・
ボロン系磁石などがあるが、磁力の強い絶縁性の磁石で
あればより消弧効果は大きい。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、永久磁石を絶縁物で
構成した磁石とし、また、貯留室口を円錐状に形成して
構成したので、小電流から大電流まで、渦電流損を生ず
ることなく、従つて発熱もなく、更に、アークの駆動も
有効に行なうことができ、その結果、他の消弧装置を必
要とすることなく、構造が単純となり、従つて、安定し
たしや段性能を有して信頼性の高い開閉器が得られると
いう効果を有している。

また、絶縁ノズルの内面が貯留室側へ向けて末広がりに
なっているとともに、永久磁石の内面が固定外筒の内面
よりも内側に位置しているので、貯留室口の径方向磁界
を強め、アークを貯留室口で効果的に回転駆動すること
ができ、これにより貯留室のガス圧を効果的に高めるこ
とができ、このアーク駆動効果と絶縁ノズル内面の形状
によるガス流効果との相乗効果により、消弧性能を一層
向上させることができるという効果も得られる。

さらに、絶縁ノズルの貯留室口側とその反対側とで発生
する半径方向の磁束成分が逆向きとなるため、アークの
回転駆動方向も反対向きとなり、アークをより効果的に
引き伸ばすことができ、これによっても消弧性能を向上
させることができるという効果が得られる。

さらにまた、貯留室口の内面が貯留室へ向けて末広がり
になっている点と、内面が固定外筒の内面よりも内側に
位置するように、かつ開離した接触子間に位置するよう
に永久磁石が配置されている点との協調作用により、ア
ークが貯留室へ向けて深く駆動されると永久磁石から遠
ざかり、これにより駆動力が小さくなり、アークが必要
以上に貯留室に侵入するのが防止され、大電流遮断時に
部分的に過度な高温ガスが発生するのを防止することが
できるという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による磁力消弧形の開閉器
を示す縦断面図、第２図は従来の磁石を備えている開閉
器を示す縦断面図である。図において、（２）……接触子（固定接触子）、（３）
……接触子（可動接触子）、（６）……固定外筒、
（９）……貯留室、（10）……アーク、（21）……永久
磁石、（22）……絶縁ノズル、（23）……貯留室口。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者村井裕兵庫県尼崎市塚口本町８丁目１番１号三菱電機株式会社中央研究所内 (72)発明者和田勇一兵庫県尼崎市塚口本町８丁目１番１号三菱電機株式会社中央研究所内 (56)参考文献特開昭57−63733（ＪＰ，Ａ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】絶縁消弧ガスが貯留される貯留室を形成し
ている固定外筒と、この固定外筒の一端側に設けられ、かつ内面が上記貯留
室側へ向けて末広がりになるように傾斜しており、上記
固定外筒との間に上記貯留室へのガスの流路となる貯留
室口を形成する絶縁ノズルと、一方が上記固定外筒内に設けられ、他方が上記絶縁ノズ
ル内に挿入摺動して上記一方に接離動作をする一対の接
触子と、内面が上記固定外筒の内面よりも内側に位置するよう
に、かつ軸方向の位置が開離した上記一対の接触子間に
なるように上記絶縁ノズルの軸方向中央部の外周部に設
けられ、また軸方向に磁化されており、上記貯留室口に
半径方向に磁束を発生させる環状の若しくは環状に配置
された絶縁物からなる永久磁石とを備えていることを特徴とする開閉器。