JPH07111016B2 - 三次元織物及びその製造方法 - Google Patents

三次元織物及びその製造方法

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JPH07111016B2
JPH07111016B2 JP1047987A JP4798789A JPH07111016B2 JP H07111016 B2 JPH07111016 B2 JP H07111016B2 JP 1047987 A JP1047987 A JP 1047987A JP 4798789 A JP4798789 A JP 4798789A JP H07111016 B2 JPH07111016 B2 JP H07111016B2
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義治 安居
明司 穴原
裕志 大森
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株式会社豊田自動織機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はパイプ、シリンダ等の円筒状の繊維強化複合材
の骨格材として好適な三次元織物及びその製造方法に関
するものである。
[従来の技術] 近年、軽量化を目的として金属部材を繊維強化プラスチ
ック(FRP)で代替することが盛んに行われており、FRP
製のパイプも使用されている。一方、三次元織物を骨格
材とし、樹脂あるいは無機物をマトリックスとした複合
材はロケット、航空機、自動車、船舶及び建築物の構造
材として幅広い用途が期待されており、環状(円筒状)
の三次元織物の製造方法も種々提案されている(例え
ば、特開昭56−142053号公報、特開昭61−201063号公
報)。
[発明が解決しようとする課題] ところが、従来の円筒状の三次元織物に樹脂を含浸させ
て製造したパイプ等はその内面の寸法精度を高く形成す
ることや高度に気密性を保つことが難しく、又、耐油
性、耐薬品性が厳しく要求される分野にも適用が難しく
これらの分野では依然としてその材質に金属が使用され
ている。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、
その目的は内面の寸法精度や耐油性、耐薬品性が厳しく
要求される分野にも適用できる三次元織物複合材の骨格
材として好適な三次元織物及びその製造方法を提供する
ことにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するため本発明の三次元織物は、中心
部に配置された円筒部材の少なくともその外周部に、軸
方向に沿って延びる多数の軸方向糸(z)と、軸方向糸
(z)の層間にその周方向に沿って挿入された周方向糸
(yθ)と、軸を含む断面内において周方向糸(yθ
の任意の層間を周方向糸(yθ)と直交する状態で周方
向糸(yθ)のみを巻き込むように軸方向及び放射方向
に連続して蛇行状態に挿入された多数の半径方向糸(y
rz)とが円筒状をなすように織成されている。
又、前記三次元織物の製造方法では、多数の軸方向糸
(z)及び半径方向糸(yrz)の端部を所定位置に配置
した円筒部材の周囲に多層状態をなすように糸支持体に
固定した状態で放射状に配置し、周方向糸(yθ)の端
部を織物中心部近傍に固定し、各層を形成する軸方向糸
(z)と半径方向糸(yrz)の外側から該層を中心部に
圧着するように周方向糸(yθ)を巻き付けて各層の一
つを形成し、各層ごとに該当する軸方向糸(z)と半径
方向糸(yrz)とを放射状位置を保ちながら軸方向に移
動させることにより開口位置を変更して周方向糸
(yθ)を巻き付け、半径方向糸(yrz)が軸方向に沿
って所定長さ配置されたのち軸方向糸(z)と直交する
方向に折り曲げられ開口位置の選定により一部は周方向
糸(yθ)の任意の層間で再び軸方向糸(z)に沿って
伸びるように直線状に配置され、残部が周方向糸
(yθ)の外側からの巻き付けを受けずに半径方向に配
置されて蛇行状態で織り込まれるように半径方向糸(y
rz)の開口位置を変更して周方向糸(yθ)を巻き付け
るようにした。
[作用] 本発明の三次元織物は中心部に配置された円筒部材の周
囲が軸方向糸(z)、周方向糸(yθ)、及び半径方向
糸(yrz)の3種類の糸で構成される織物によって囲繞
され、樹脂等をマトリックスとした複合材として使用す
る場合、複合材が円筒部材内に加わる圧力を支え、円筒
部材が内面の寸法精度や耐油性、耐薬品性等の条件を満
足させる。又、織物の周方向に沿って多層に巻装された
周方向糸(yθ)の任意の層間を周方向糸(yθ)と直
交する状態で軸方向及び放射方向に連続して蛇行状に挿
入された多数の半径方向糸(yrz)が存在するため、半
径方向糸(yrz)の周方向糸(yθ)に対する挿入位置
及び折返し位置を変更することにより外周部における半
径方向の糸密度を任意に選択することができ、従って内
周部と同様な密度とすることも容易に可能である。かか
る変更も含めて3種類の糸の配列状況を種々に変化せし
めることにより、織物の物性や織物形状も種々変更可能
となる。
又、第2請求項に記載の製造方法では、多数の軸方向糸
(z)及び半径方向糸(yrz)の端部を所定位置に配置
した円筒部材の周囲に多層状態をなすように糸支持体に
固定した状態で放射状に配置し、周方向糸(yθ)の端
部を織物中心部近傍に固定した状態で製織が開始され
る。周方向糸(yθ)は前記軸方向糸(z)の開口状態
に対応して軸方向糸(z)の各層間に順次挿入されると
ともに、対応する層の軸方向糸(z)の周囲に巻付けら
れる。そして、半径方向糸(yrz)の開口位置が変更さ
れて半径方向糸(yrz)の外側に周方向糸が半径方向糸
(yrz)を内層に圧着するように巻付けられることによ
り、周方向糸(yθ)の任意の層間に半径方向糸
(yrz)が周方向糸(yθ)と直交する状態すなわち軸
方向糸(z)と平行に織り込まれる。従って、半径方向
糸(yrz)の開口位置を変更することにより、半径方向
糸(yrz)の半径方向での折り返し位置を所望の位置で
変更することが可能となり、半径方向糸(yrz)の軸方
向の長さ及び半径方向の長さを適宜変更することにより
多様な構造の三次元織物の製造が可能となる。
[実施例1] 以下、本発明を具体化した第1の実施例を第1〜5図に
従って説明する。第1,2図に示すように、三次元織物F
は中心部に配置された円筒部材としての金属又はセラミ
ックス製のパイプPの外周部に、軸方向糸(z)、周方
向糸(yθ)及び半径方向糸(yrz)の3種類の糸が円
筒状をなすように織成されている。軸方向糸(z)はパ
イプPを中心とした同心円状で軸方向に沿って延びるよ
うに2層に張設され、軸方向糸(z)の層間及び外側に
周方向糸(yθ)が軸方向糸(z)と直交する状態に、
すなわちパイプPの周方向に沿って延びるように挿入さ
れている。又、パイプPの中心を含む断面内において周
方向糸(yθ)と直交する状態で軸方向及び放射方向に
連続して蛇行状態に挿入された多数の半径方向糸
(yrz)は、隣接する半径方向糸(yrz)同士が互いに位
相がずれた状態で周方向糸(yθ)の最内層の内側と最
外層の外側との間で交互に折り返すように挿入されてい
る。隣接する半径方向糸(yrz)の間隔が三次元織物F
の外側ほど拡がるので、各半径方向糸(yrz)の間に織
り込まれる軸方向糸(z)の本数が外側ほど多くなって
いる。この三次元織物Fに樹脂を含浸させることにより
パイプ状の複合材が形成される。
この三次元織物Fを骨格材とした複合材は油圧、空圧用
配管、薬液の輸送配管として使用される。パイプ内の流
体圧力は三次元織物Fで支えられるため、パイプPは流
体圧を支える必要はなく、その使用目的に応じてパイプ
P内面の寸法精度、面粗度、耐油性、耐薬品性の機能を
備えるだけでよく、薄肉化により軽量化が可能となる。
次に前記パイプPが内在された三次元織物Fの製造方法
を説明する。三次元織物を製織する装置は第3図に示す
ように、三次元織物の製織部を挟んで上下に分割された
状態に構成され、下部側中央には支持テーブル1がスプ
ライン軸2と一体的に昇降動及び回転可能に配設されて
いる。スプライン軸2には放射状に延びる多数のアーム
3を有する支持体4がスプライン軸2と所定の位置にお
いて一体回転可能に支持され、スプライン軸2は図示し
ない駆動機構により支持体4に対して上下方向に移動可
能となっている。前記各アーム3の先端にはエアシリン
ダ5が上方へ延びるように固定されている。エアシリン
ダ5のピストンロッド5aの先端には電磁石の作用により
磁性体製のボビンホルダ6を吸着保持するホルダ支持体
7が装着されている。ボビンホルダ6には軸方向糸
(z)あるいは半径方向糸(yrz)が巻き付けられたボ
ビンBが着脱可能に取り付けられている。
前記支持テーブル1の上方には糸支持体としての糸固定
テーブル8が支持テーブル1と対称な状態でスプライン
軸9と一体的に昇降動及び回転可能に配設されている。
前記両テーブル1,8間にはパイプPが固定可能となって
いる。スプライン軸9には前記支持体4と同様に放射状
に延びる多数のアーム10を有する支持体11が所定高さ位
置でスプライン軸9と一体回転可能に嵌合されている。
両スプライン軸2,9は完全に分離されているが、互いに
同期して所定方向に回転、及び昇降動されるようになっ
ている。前記各アーム10の先端にはエアシリンダ12が下
方へ延びるように固定され、そのピストンロッド12aの
先端には前記と同様に磁性体製のボビンホルダ6を電磁
石の作用により吸着保持するホルダ保持体13が装着され
ている。前記ホルダ保持体7,13はそれぞれ同じ上下一対
が常に対向する位置関係にあり、エアシリンダ5,12の作
動によるホルダ保持体7,13の昇降動と電磁石の励消磁に
より同じ1個のボビンホルダ6の受け渡しを行うように
なっている。
前記支持体4の中央上面には織成位置を規制するための
ガイドフレーム14が配設されている。ガイドフレーム14
の上端面とほぼ同じ高さ位置のボビンホルダ外周方向に
は、周方向糸供給部15が配設されている。周方向糸供給
部15を構成する支持フレーム16はスプライン軸2,9を中
心とした放射方向に配設形成され、その外周側には周方
向糸(yθ)が巻かれた周方向糸ボビン17が着脱可能に
装着されている。又、支持フレーム16の内周側には前記
周方向糸ボビン17から繰出される周方向糸(yθ)を織
成位置に導く糸ガイド18及び必要に応じて適当な糸張力
付与装置が設けられている。糸ガイド18は耐磨耗性の材
質で形成されている。
次に前記の装置による三次元織物の製織作用を説明す
る。
三次元織物の製織に先立って、まず、パイプPが両テー
ブル1,8の中心部間にその軸心がスプライン軸2,9の軸心
と一致する状態に固定され、各ボビンホルダ6に装着さ
れたボビンBから繰出された半径方向糸(yrz)及び軸
方向糸(z)の一端が上側の糸固定テーブル8にパイプ
Pを中心として多層(この実施例では3層)状態をなす
ように固定される。これにより、第4図に示すように軸
方向糸(z)及び半径方向糸(yrz)がスプライン軸2,9
を中心とした放射状に配置される。又、周方向糸ボビン
17から繰出された周方向糸(yθ)の一端が上側の糸固
定テーブル8に固定される。そして、各ボビンホルダ6
がそれぞれ製織条件に対応して上側、下側のホルダ支持
体7,13に保持された状態から製織が開始される。
第13図に示すように、ボビンホルダ6から繰出される軸
方向糸(z)及び半径方向糸(yrz)は、ボビンホルダ
6が上側のホルダ保持体13に保持された上昇位置に配置
された状態では周方向糸ボビン17から繰出される周方向
糸(yθ)より上方に位置し、ボビンホルダ6が下側の
ホルダ保持体7に保持された下降位置に配置された状態
では図中2点鎖線で示したように前記周方向糸(yθ
と交差する位置に配置される。従って、スプライン軸2,
9の回転に伴うホルダ保持体7,13の公転時に、ボビンホ
ルダ6が下降位置に配置された状態で周方向糸供給部15
と対応する位置を通過すると、軸方向糸(z)あるいは
半径方向糸(yrz)の織物側端部は周方向糸ボビン17よ
り繰出される周方向糸(yθ)により製織途中の三次元
織物の周面に軸方向に沿って延びる状態に固定される。
第5図(a1),(a2)は第1,2図に示した三次元織物を
製織し始める際の状態をそれぞれ第2図のY−Y線断面
図、Z−Z線断面図について示している。この状態から
同図(b1),(b2)に示すようにボビンB5,B6に連なる
半径方向糸(yrz5,yrz6)はボビンホルダ6が下降位置
にあるホルダ保持体7に保持されることによりガイドフ
レーム14の上端面に近接するように伸張され、他のボビ
ンB1,B2,B3,B4に連なる4本の半径方向糸(yrz1,yrz2,y
rz3,yrz4,)はそれぞれホルダ保持体13により糸固定テ
ーブル8に近接するように上昇位置に屈曲保持される。
スプライン軸2,9が2回転されると、周方向糸(yθ
の1層目が両糸固定テーブル1,8の中心間に固定された
パイプPの周囲に巻き付けられるとともに、下降位置に
配置されたボビンホルダ6に連なる半径方向糸(yrz5,y
rz6)が周方向糸(yθ)の内側に織り込まれ、第5図
(c1),(c2)に示すようにパイプPの周囲に周方向糸
(yθ)が2段に巻き付けられた状態となる。これによ
り1層目の周方向糸(yθ)の内側で半径方向糸
(yrz5,yrz6)は軸方向に圧着され、外側へ向かって折
り曲げられた状態にあった他の4本の半径方向糸は、そ
のまま拘束されない状態を保つ。次に第5図(d2)に示
すようにボビンB3,B4が上昇位置のホルダ保持体13から
下降位置のホルダ保持体7にそれぞれ移載され、各ボビ
ンに連なる半径方向糸(yrz3,yrz4)はガイドフレーム1
4上端面に近接する。この状態でスプライン軸2,9が回転
され、前記と同様に2層目の周方向糸(yθ)が2段に
巻き付けられると、半径方向糸(yrz3,yrz4)は軸方向
に圧着され、第7図(e1),(e2)に示す状態が得ら
れ、第1段階の織成が完了する。
次にスプライン軸2,9が上昇移動されて三次元織物Fが
所定量引上げられ、下降位置に配置されているボビン
B3,B4が上昇位置に移載されるとともに上昇位置に配置
されているいボビンB1,B2が下降位置に移載されて第5
図(f1),(f2)に示される半径方向糸の配置状態にな
った後に、周方向糸(yθ)がスプライン軸2,9の回転
によって巻き付けられる。これによりボビンB5,B6に連
なり1層目の周方向糸yθの内側で軸方向に延びる状態
にあった半径方向糸(yrz5,yrz6)は第5図(g2)に示
されるようにそのまま軸方向に延びるように配置され、
ボビンB1,B2に連なる半径方向糸(yrz1,yrz2)は第5図
(g1)に示されるように織物の最外層から周方向糸(y
θ)の第1層の内側にまで配設される。
次にボビンB3,B4が上昇位置から下降位置に移載され、
それぞれのボビンに連なる半径方向糸(yrz3,yrz4)が
ガイドフレーム14へ近接し第5図(h1),(h2)に示さ
れる半径方向糸の配置状態になった後に、スプライン軸
2,9の回転とともに周方向糸(yθ)によって内側へ圧
着され、第1段階の織成で周方向糸(yθ)の第1層と
第2層の間で軸方向に延びる状態にあった半径方向糸
(yrz3,yrz4)は共にそのまま軸方向に延長され第5図
(i1),(i2)の状態となり、第2段階の織成が完了す
る。
次にスプライン軸2,9が上昇移動されて三次元織物Fが
所定量引上げられ、下降位置に配置されているボビン
B1,B2,B3,B4が上昇位置に移載されて、第5図(j1),
(j2)に示される半径方向糸の配置状態になった後に、
周方向糸(yθ)がスプライン軸2,9の回転によって巻
き付けられ、ボビンB5,B6に連なる半径方向糸(yrz5,y
rz6)は第5図(k2)に示されるように1層目の周方向
糸yθの内側でそのまま軸方向に延びるように配置され
る。次いで第5図(l2)に示されるように、ボビンB3,B
4が上昇位置から下降位置に移載され、それぞれのボビ
ンに連なる半径方向糸(yrz3,yrz4)がガイドフレーム1
4へ近接し、スプライン軸2,9の回転とともに周方向糸
(yθ)によって内側へ圧着され、第1層と第2層の間
で軸方向に延びる状態にあった半径方向糸(yrz3,
yrz4)は共にそのまま軸方向に延長されて第5図(m
1),(m2)に示す糸配列となり第3段階を完了する。
以下、同様にして順次製織が継続され、中心部にパイプ
Pを有する円筒状の三次元織物Fが製織される。
この製織方法では特定のボビンホルダ6がその公転時に
常に下降位置に配置された状態に保持されるため、該ボ
ビンホルダ6から繰出される半径方向糸(yrz3,yrz4,y
rz5,yrz6)は、常に軸線方向に沿って延びるように織り
込まれ、製織後は三次元織物Fの軸方向糸(z)とな
る。又、その他の半径方向糸(yrz1,yrz2)は周方向糸
(yθ)の1層目の内側と2層目の外側との間で交互に
折り返される状態で織り込まれる。
[実施例2] 次に第2実施例を第6図に従って説明する。この実施例
では両端部にフランジPaを有するパイプPが三次元織物
Fに織り込まれている点と、パイプPとして肉厚パイプ
が使用されている点とが前記実施例の三次元織物Fと異
なっている。このような構造ではフランジPaの作用によ
り、各糸の端部がパイプPの軸方向にずれるのが防止さ
れ、樹脂含浸時まで各糸が製織直後の状態に保持されて
各糸とパイプPとの結合状態が向上する。又、パイプP
が肉厚のため、樹脂含浸により複合材とした後も機械加
工による仕上げが可能となり、高精度の嵌合を必要とす
る部品として使用するのに好適となる。
この三次元織物Fは、前記実施例の装置の両テーブル1,
8間にフランジPaを有するパイプPを固定した状態で、
前記実施例と同様に製織することにより得られる。
[実施例3] 次に第3実施例を第7図に従って説明する。この実施例
の三次元織物Fはオイルダンパのシリンダ用に使用され
る。三次元織物Fの中心部には開放側端部にフランジ19
aを有する有底の円筒部材19が織り込まれている。この
三次元織物Fに樹脂を含浸して複合材とした後、透孔20
aを有するピストン20及びオイルOを円筒部材19の内部
に収容するとともに、キャップ21をフランジ19a内に取
付けることによりオイルダンパ22が組立てられる。この
三次元織物Fも前記実施例1の装置の両テーブル1,8間
に円筒部材19を固定した状態で、前記実施例と同様に製
織することにより得られる。
[実施例4] 次に第4実施例を第8,9図に従って説明する。この実施
例の三次元織物Fもオイルダンパのシリンダ用に使用さ
れるが、三次元織物Fの中心部に織り込まれた有底の円
筒部材19の外周部だけでなく底部も織物により囲繞され
ている点が前記第3実施例と異なっている。この実施例
の場合には円筒部材19の底部の厚さをも薄くでき、より
軽量化が可能となる。
この三次元織物Fも前記実施例1の装置を使用して製造
できるが、前記各実施例の場合と異なり、円筒部材19は
底部側が糸固定テーブル8から所定間隔を置いた状態で
フランジ19側において前記支持テーブル1に固定され、
各ボビンホルダ6に装着されたボビンBから繰出され
た、半径方向糸(yrz)及び軸方向糸(z)の一端が糸
固定テーブル8に4層の同心円状に固定される。そし
て、第9図に示す順序で製織される。
第9図(a1)〜(o1),(a3)〜(o3),(a2)〜(o
2)はそれぞれ三次元織物の周方向糸(yθ)の最内層
の内側と最外層の外側の間で交互に折り返される半径方
向糸(yrz)あるいは軸方向糸(z)の織成状態を示す
断面について示している。第9図(a1),(a2),(a
3)は三次元織物を製織し始める際の状態を示し、この
状態から同図(b1),(b2),(b3)に示すようにボビ
ンB1,B2に連なる半径方向糸(yrz1,yrz2)はボビンホル
ダ6が下降位置にあるホルダ保持体7に保持されること
によりガイドフレーム14の上端面に近接するように伸張
され、他のボビンB3〜B8に連なる6本の半径方向糸(y
rz3〜yrz8)はそれぞれホルダ保持体13により糸固定テ
ーブル8に近接するように上昇位置に屈曲保持される。
スプライン軸2,9が3回転されると、周方向糸(yθ
の1層目が巻き付けられるとともに、下降位置に配置さ
れたボビンホルダ6に連なる半径方向糸(yrz1,yrz2
が周方向糸(yθ)の内側に織り込まれ、第9図(c1)
に示すように半径方向糸(yrz1,yrz2)はその周囲に周
方向糸(yθ)が3段に巻き付けられた状態で軸方向に
延びた後、円筒部材19の底面に沿って直角に屈曲された
状態となり、外側へ向かって折り曲げられた状態にあっ
た他の6本の半径方向糸は、そのまま拘束されない状態
を保つ。
次に第9図(d2)に示すようにボビンB5,B6が上昇位置
のホルダ保持体13から下降位置のホルダ保持体7にそれ
ぞれ移載され、各ボビンに連なる半径方向糸(yrz5,y
rz6)はガイドフレーム14上端面に近接する。この状態
でスプライン軸2,9が回転され、前記と同様に2層目の
周方向糸(yθ)が3段に巻き付けられると、半径方向
糸(yrz5,yrz6)は軸方向に圧着されてその周囲に周方
向糸(yθ)が3段に巻き付けられた状態で軸方向に延
びた後、円筒部材19の底面に沿って直角に屈曲された状
態となり、外側へ向かって折り曲げられた状態にあった
他の4本の半径方向糸は、そのまま拘束されずに第9図
(e1),(e2),(e3)に示す状態が得られる。次に第
9図(f2)に示すようにボビンB3,B4が上昇位置から下
降位置に移載された後、スプライン軸2,9が回転され、
3層目及び4層目の周方向糸(yθ)がそれぞれ3段に
巻き付けられて第9図(g1),(g2),(g3)に示す状
態が得られ、第1段階の織成が完了する。
次にスプライン軸2,9が上昇移動されて三次元織物Fが
所定量引上げられ、下降位置に配置されているボビン
B1,B2,B3,B4が上昇位置に移載されるとともに上昇位置
に配置されているボビンB7,B8が下降位置に移載されて
第9図(h1),(h2),(h3)に示される半径方向糸の
配置状態になった後に、周方向糸(yθ)がスプライン
軸2,9の回転によって2段に巻き付けられる。これによ
りボビンB5,B6に連なり1層目の周方向糸yθの内側で
軸方向に延びる状態にあった半径方向糸(yrz5,yrz6
は第9図(i2)に示されるように円筒部材19の外周面に
沿って軸方向に延びるように配置される。又、ボビン
B7,B8に連なる半径方向糸(yrz7,yrz8)は第9図(i3)
に示されるように織物の最外層から円筒部材19の外周面
に沿った周方向糸(yθ)の第1層の内側にまで配置さ
れる。
次にボビンB3,B4が上昇位置から下降位置に移載され、
それぞれのボビンに連なる半径方向糸(yrz3,yrz4)が
ガイドフレーム14へ近接し第9図(j2)に示される半径
方向糸の配置状態になった後に、スプライン軸2,9の回
転とともに周方向糸(yθ)によって内側へ圧着されて
円筒部材19の外周面に周方向糸(yθ)の第1層と第2
層の間で軸方向に延びる状態に配置され、第9図(k
1),(k2),(k3)の状態となり、第2段階の織成が
完了する。
次にスプライン軸2,9が上昇移動されて三次元織物Fが
所定量引上げられ、下降位置に配置されているボビン
B3,B4,B7,B8が上昇位置に移載され、一方、ボビンB1,B2
が下降位置に移載されて、第9図(l1),(l2),(l
3)に示される半径方向糸の配置状態になった後に、周
方向糸(yθ)がスプライン軸2,9の回転によって巻き
付けられ、ボビンB1,B2に連なる半径方向糸(yrz1,
yrz2)は第9図(m1)に示されるように織物の最外層か
ら周方向糸(yθ)の第1層の内側にまで配設される。
又、ボビンB5,B6に連なる半径方向糸(yrz5,yrz6)は第
9図(m2)に示されるように1層目の周方向糸(yθ
の内側でそのまま軸方向に延びるように配置される。次
いで第9図(n2)に示されるように、ボビンB3,B4が上
昇位置から下降位置に移載され、それぞれのボビンに連
なる半径方向糸(yrz3,yrz4)がガイドフレーム14へ近
接し、スプライン軸2,9の回転とともに周方向糸
(yθ)によって内側へ圧着し、第1層と第2層の間で
軸方向に延びる状態にあった半径方向糸(yrz3,yrz4
は共にそのまま軸方向に延長されて第9図(o1),(o
2)に示す糸配列となり第3段階を完了する。以下、前
記各実施例と同様にして円筒部材19の外周部に順次三次
元織物が製織される。
なお、本発明は前記各実施例に限定されるものではな
く、例えば、第10図に示すように、半径方向糸(yrz
が周方向糸(yθ)の1層目の内側と2層目の外側との
間で交互に折り返されるものと、2層目の内側と2層目
の外側との間で交互に折り返されるものとの2種類が規
則的に繰り返される状態で織り込まれる構造としたり、
軸方向糸(z)、周方向糸(yθ)及び半径方向糸(y
rz)の層数を増してもよい。又、パイプPや円筒部材19
を直接支持テーブル1に固定する代わりに支持テーブル
1に芯金を固定し、その芯金にパイプPや円筒部材19を
嵌挿した状態で製織を行ってもよい。この場合にはパイ
プPや円筒部材19が薄肉であっても、製織時にパイプP
や円筒部材19に加わる力を芯金が支え、パイプPや円筒
部材19が製織中に変形する虞がない。又、軸方向糸
(z)あるいは半径方向糸(yrz)の端部をパイプPや
円筒部材19の端部に固定した状態で製織を開始したり、
ホルダ保持体7,13の両者を昇降動可能に構成する代わり
に一方のみを昇降動可能に構成したり、周方向糸
(yθ)を巻き付けるのに支持体4,11側を回転させる代
わりに周方向糸供給部15側を支持テーブル1を中心とし
て公転させてもよい。さらには、周方向糸供給部15を複
数設けてもよい。
又、半径方向糸(yrz)用ボビンホルダ6を保持するた
めの機構はマグネットによらず、空圧式あるいは油圧式
等のホルダを使用してもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の三次元織物は中心部に配置
された円筒部材の周囲が軸方向糸(z)、周方向糸(y
θ)及び半径方向糸(yrz)の3種類の糸で構成される
織物によって囲繞され、樹脂等をマトリックスとした複
合材として使用する場合、円筒部材に寸法精度や耐油
性、耐薬品性の要求性能を満たすものを使用することに
より、内面の寸法精度や耐油性、耐薬品性が厳しく要求
される分野にも適用できる。又、円筒部材内に加わる圧
力は複合材により支えられるため、円筒部材自身には機
械的強度が要求されず、円筒部材として前記内面の寸法
精度や耐油性、耐薬品性等の機能を備えた薄肉のものの
使用が可能となり軽量化が可能となる。さらに、三次元
織物が軸方向、周方向及び半径方向の3成分の糸から構
成されているので、複合材を変形させる力が加わった場
合にも内外層の剥離が確実に防止され、全層の繊維が円
筒部材の保護に寄与する。
又、本発明の三次元織物では、カンヌキ糸を使用するこ
となく、軸方向糸(z)と周方向糸(yθ)の締め付け
を半径方向糸(yrz)のみで行い、かつ半径方向糸
(yrz)が周方向糸(yθ)のみを巻き込むように軸方
向及び放射方向に連続して蛇行状態に挿入されているの
で、連続して迅速に自動生産することができる。
又、本発明の三次元織物では、円筒部材を三次元織物の
中心部に後から挿入する方式と異なるので、円筒部材と
三次元織物との密着性を向上することができる。
又、第2請求項に記載の製造方法では、軸方向糸
(z)、半径方向糸(yrz)及び周方向糸(yθ)の3
種類の糸が連続的に円筒部材の外周部にその軸方向、放
射方向及び周方向に挿入されるので、生産性が向上する
とともに自動化が容易となり、しかも、製織された三次
元織物に樹脂等を含浸させることにより最終製品である
複合材を得ることができる。又、半径方向糸(yrz)の
半径方向での折り返し位置を所望の位置で変更すること
により、半径方向糸(yrz)の蛇行状態及び半径方向成
分の糸間に配置される周方向糸(yθ)の段数を容易に
変更できて多様な織成構造の三次元織物の製織が可能と
なり、多様な材料設計に対応できる。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図は本発明を具体化した一実施例を示すもので
あって、第1図は三次元織物の断面図、第2図は第1図
のX−X線断面図、第3図は三次元織機の一部破断略正
面図、第4図は第3図のA−A線断面図、第5図の(a
1)〜(m1)は第2図のY−Y線断面に対応した製織作
用を示す概略図、第5図の(a2)〜(m2)は第2図のZ
−Z線断面に対応した製織作用を示す概略図、第6図は
第2実施例の三次元織物の断面図、第7図は第3実施例
の三次元織物の断面図、第8図は第4実施例の三次元織
物の断面図、第9図の(a1)〜(o1),(a2)〜(o
2),(a3)〜(o3)は同じく製織作用を示す概略図、
第10図は変更例の三次元織物の断面図である。 支持テーブル1、アーム3,10、ボビンホルダ6、ホルダ
支持体7,13、糸支持体としての糸固定テーブル8、周方
向糸供給部15、周方向糸ボビン17、円筒部材19、円筒部
材としてのパイプP、ボビンB、軸方向糸(z)、半径
方向糸(yrz)、周方向糸(yθ)、三次元織物F。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−207657(JP,A) 特開 昭60−194145(JP,A) 特開 昭62−69848(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心部に配置された円筒部材の少なくとも
    その外周部に、軸方向に沿って延びる多数の軸方向糸
    (z)と、軸方向糸(z)の層間にその周方向に沿って
    挿入された周方向糸(yθ)と、軸を含む断面内におい
    て周方向糸(yθ)の任意の層間を周方向糸(yθ)と
    直交する状態で周方向糸(yθ)のみを巻き込むように
    軸方向及び放射方向に連続して蛇行状態に挿入された多
    数の半径方向糸(yrz)とが円筒状をなすように織成さ
    れた三次元織物。
  2. 【請求項2】多数の軸方向糸(z)及び半径方向糸(y
    rz)の端部を所定位置に配置した円筒部材の周囲に多層
    状態をなすように糸支持体に固定した状態で放射状に配
    置し、周方向糸(yθ)の端部を織物中心部近傍に固定
    し、各層を形成する軸方向糸(z)と半径方向糸
    (yrz)の外側から該層を中心部に圧着するように周方
    向糸(yθ)を巻き付けて各層の一つを形成し、各層ご
    とに該当する軸方向糸(z)と半径方向糸(yrz)とを
    放射状位置を保ちながら軸方向に移動させることにより
    開口位置を変更して周方向糸(yθ)を巻き付け、半径
    方向糸(yrz)が軸方向に沿って所定長さ配置されたの
    ち軸方向糸(z)と直交する方向に折り曲げられ開口位
    置の選定により一部は周方向糸(yθ)の任意の層間で
    再び軸方向糸(z)に沿って伸びるように直線状に配置
    され、残部が周方向糸(yθ)の外側からの巻き付けを
    受けずに半径方向に配置されて蛇行状態で織り込まれる
    ように半径方向糸(yrz)の開口位置を変更して周方向
    糸(yθ)を巻き付ける三次元織物の製造方法。
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