JPH0711013Y2 - 車体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、自動車のボディベース全体が合成樹脂素材
で形成された車体構造の改良に関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種の自動車、特に、ステアリングサポートビ
ームの取付構造としては、例えば特開昭61-241263号公
報に開示されているような構成を有するものがある。

しかしながら、このような従来構造のものでは、第３図
に示すように、車体ａの両側のダッシュサイドパネルｂ
間に跨ってステアリングサポートビームｃを結合し、か
つ、その中央部をフロア部ｄのトンネル部ｅに結合させ
て立設したステイｆで支持させることにより剛性を確保
しているのが現状である。

［考案が解決しようとする課題］ このため、ステアリングサポートビームｃの中央部の車
体への支え位置Ｌが、スティｆを介してフロア部ｄから
大きく離れていることから、取付剛性が低く、特に、車
体のドア開口部前方の側壁をウエストラインとして、こ
のウエストラインより下方の前部構造体と後部構造体と
からなるボディベース全体を合成樹脂素材で形成してな
るものでは、充分な取付剛性を得ることができないとい
った問題があった。

この考案は、上記の事情のもとになされたもので、その
目的とするところは、ステアリングサポートビームの取
付剛性を充分に得ることができるように補剛した車体構
造を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記した課題を解決するために、この考案は、車幅方向
中央部の前後方向に沿ってパワートルクボックスとなる
トンネル部が縦通形成されたフロア部を含むウエストラ
インより下方の前部構造体と後部構造体とからなるボデ
ィベースを合成樹脂素材で一体形成し、かつ前記前部構
造体のトーボード部側におけるトンネル部の端部をウエ
ストライン高さとほぼ同一高さに迫り上げるとともに、
このトンネル部の迫り上がり端部と、前記前部構造体の
車幅方向両端部とにステアリングサポートビームを結合
させて架設してなる構成としたものである。

［作用］ すなわち、この考案は、上記した構成とすることによっ
て、ステアリングサポートビームの中央部がウエストラ
イン高さとほぼ同一高さに迫り上げたフロア部のトンネ
ル部の端部で支持されるために、ステアリングサポート
ビームの取付けが簡便に行なえるとともに、取付剛性の
向上が図れる。

［実施例］ 以下、この考案を第１図及び第２図に示す一実施例を参
照しながら詳細に説明する。

第１図はこの考案に係る自動車の車体構造を示し、図中
１はウエストラインより下方全体が合成樹脂素材で深底
バスタブ形状に一体形成されたボディベースである。こ
のボディベース１は、前部構造体２と後部構造体３とが
フロア部４を介して全体を一体化してなる構成を有する
とともに、前記前部構造体２のトーボード部21は、前記
フロア部４の車幅方向中央部の前後方向に沿って縦通形
成されたパワートルクボックスとなるトンネル部41と一
体形成されている。

そして、前記フロア部４のトンネル部41は、前記前部構
造体２のトーボード部21側における端部41aが、トーボ
ード部21の上端面の高さ、すなわち、ウエストライン高
さとほぼ同一高さに迫り上げ形成され、このトンネル部
41の迫り上がり端部41aには、第２図に示すように、前
記前部構造体２の車幅方向に跨って架設されるステアリ
ングサポートビーム５の中央部5aが、第１の取付用ブラ
ケット６、６を介して直接または近接させて結合されて
いる一方、このステアリングサポートビーム５の両端部
5b、5bを、第２の取付用ブラケット７、７を介して前記
前部構造体２の車幅方向両端部2a、2aにそれぞれ結合し
てなる構成を有するものである。

なお、図中８は車幅方向両端部にピラー8a、8a等を含む
上部構造体である。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、この考案によれば、車
幅方向中央部の前後方向に沿ってパワートルクボックス
となるトンネル部が縦通形成されたフロア部を含むウエ
ストラインより下方の前部構造体と後部構造体とからな
るボディベースを合成樹脂素材で一体形成し、かつ前記
前部構造体のトーボード部側におけるトンネル部の端部
をウエストライン高さとほぼ同一高さに迫り上げるとと
もに、このトンネル部の端部と、前記トーボード部の車
幅方向両端部とにステアリングサポートビームを結合さ
せて架設してなる構成としたことから、ステアリングサ
ポートビームの中央部をフロア部のトンネル部の端部で
支持することができ、これによって、ステアリングサポ
ートビームの取付けを簡便に行なうことができるととも
に、取付剛性の向上を図ることができるというすぐれた
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る車体構造の一実施例を示すボデ
ィベース全体の斜視図、 第２図は同じくボディベースの前部構造体へのステアリ
ングサポートビームの取付状態を示す要部斜視図、 第３図は従来の車体へのステアリングサポートビームの
取付状態を示す要部斜視図 である。 １……ボディベース、２……前部構造体、2a、2a……両
端部、21……トーボード部、３……後部構造体、４……
フロア部、41……トンネル部（パワートルクボック
ス）、41a……迫り上がり端部、５……ステアリングサ
ポートビーム、5a……中央部、5b、5b……両端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車幅方向中央部の前後方向に沿ってパワー
   トルクボックスとなるトンネル部が縦通形成されたフロ
   ア部を含むウエストラインより下方の前部構造体と後部
   構造体とからなるボディベースを合成樹脂素材で一体形
   成し、かつ前記前部構造体のトーボード部側におけるト
   ンネル部の端部をウエストライン高さとほぼ同一高さに
   迫り上げるとともに、このトンネル部の迫り上がり端部
   と、前記前部構造体の車幅方向両端部とにステアリング
   サポートビームを結合させて架設したことを特徴とする
   車体構造。