JPH07108996A - 航空機の層流制御用外板及びその製造方法 - Google Patents

航空機の層流制御用外板及びその製造方法

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JPH07108996A
JPH07108996A JP27761593A JP27761593A JPH07108996A JP H07108996 A JPH07108996 A JP H07108996A JP 27761593 A JP27761593 A JP 27761593A JP 27761593 A JP27761593 A JP 27761593A JP H07108996 A JPH07108996 A JP H07108996A
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JP
Japan
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layer
holes
laminar flow
flow control
aircraft
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Pending
Application number
JP27761593A
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English (en)
Inventor
Hideshi Shima
英志 嶋
Kenji Sakai
謙二 酒井
Kenji Yoshida
憲司 吉田
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 航空機の機体外板の孔から吸い込まれた空気
が機体内部に配置されたダクトを流れ出る時の全圧損失
を小さくでき、また吸い込まれた空気中のゴミが詰まっ
て孔が目詰まりすることのない航空機の層流制御用外
板、およびその外板の孔を精度良く短時間に形成できる
製造方法を提供する。 【構成】 外板を二層以上の多層構造とし、表面層から
内側の層まで孔が連続するように各層に多数の孔を規則
的に設けると共に、表面層から内側の層までの各層の厚
さ及び孔の径を次第に大きくした航空機の層流制御用外
板。表面層から内側の層までの厚さを次第に大きくした
各層を作り、この各層に、次第に径の大きくなる孔を多
数規則的にエッチングにより貫通穿設し、然る後表面層
から内側の層まで各層を順次接着剤にて接着する航空機
の層流制御用外板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機の外表面上の境
界層制御を吸引によって行うための外板及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の航空機は、空力設計法の進歩によ
って、空力的に極めて洗練されてきており、航空機の性
能を更に向上させるために、機体表面の乱れた境界層を
積極的に吸い込む層流制御を行っている。
【0003】従来、上記の層流制御を行う技術は、機体
の外板に多数の小さな孔を設け、吸い込みポンプを使用
して機体内部に外部圧力より低い圧力を与えることによ
って機体の表面の乱れた境界層を積極的に吸い込み、吸
い込んだ空気を機体の内部に配置されたダクトを通して
吸い込みポンプに導き、大気に放出するものである(先
行技術として、特開昭58−224893号公報、特開
昭64−16497号公報がある)。
【0004】上記の機体外板は、電子ビームドリル工
法,放電加工法,レーザ加工法のいずれかにより板厚
0.6mmの外板に対して孔径0.06mm程度の細か
い孔を多数開けたものが一般的である。
【0005】ところで、この機体外板は、一層であるた
め外板の厚さ分の深さの孔径の小さな孔が開いているこ
とになる。この場合、機体外板の板厚と孔径の比が1
0:1になっているため、空気を吸い込むための負荷が
非常に大きくなる。また、吸い込まれた空気は、径の小
さな孔から機体内部に配置されたダクトに吸引ポンプに
よって勢いよく流れるため、孔からダクトへの出口にお
いて全圧損失が大きくなる。従って、吸引率が悪くな
り、層流制御がしにくくなるという問題点があった。ま
た、機体外板の孔は、深さが深いのに比べ孔の径が極め
て小さいので、吸い込む空気中のゴミが孔に詰まり、孔
の目詰まりが起こりやすいという問題点もあった。
【0006】更に、板厚と孔径の比が大きいため、電子
ビームドリル工法,放電加工法,レーザ加工法では、孔
明け加工に時間がかかるばかりではなく、精度の良い孔
明けが技術的に難しいという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、機
体外板の孔から吸い込まれた空気が機体内部に配置され
たダクトを流れ出る時の全圧損失を小さくでき、また吸
い込まれた空気中のゴミが詰まって孔が目詰まりするこ
とのない航空機の層流制御用外板、及びその外板の孔を
精度良く短時間に形成できる製造方法を提供しようとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の航空機の層流制御用外板は、二層以上の多層
構造とし、表面層から内側の層まで孔が連続するように
各層に多数の孔を規則的に設けると共に、表面層から内
側の層までの各層の厚さ及び前記孔の径を次第に大きく
したことを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の航空機の層流制御用外板の
製造方法は、表面層から内側の層までの厚さを次第に大
きくした各層を作り、この各層に次第に径の大きくなる
孔を多数規則的にエッチングにより貫通穿設し、然る後
表面層から内側の層まで各層を順次接着剤にて接着する
ことを特徴とするものである。
【0010】前記各層の孔の径と厚さの比は1:1〜
1:2が良い。
【0011】また、各層の孔は、円錐台形状が好まし
い。しかも円錐台形状の各層の孔は、各層を接着した
際、連続する1つの円錐台形状になることが好ましい。
【0012】
【作用】上記のように構成された本発明の航空機の層流
制御用外板は、表面層より内側の層までの各層の孔径が
順次大きくなっているので、機体表面より吸い込まれた
空気は、孔の出口で流速が落ち、それによって孔出口で
の全圧損失が小さくなる。従って、吸引率が良くなり、
層流制御がし易くなる。
【0013】また、外板が多層構造となっているので、
各層の板厚が、一般的な機体の外板の板厚より薄くな
り、各層の孔明け加工を精度良く行うことができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて説明する。
【0015】図1(a),(b),(c)は、航空機の
層流制御用外板1の一部を示すもので、板厚1mmの3
層構造であり、材質はアルミニウム,アルミニウム合金
等である。この3層構造の外板1には空気の吸い込み孔
2が設けられている。この3層構造の外板1の吸い込み
孔2において、表面層3の孔径はR1 、中間層4の孔径
はR2 、内面層5の孔径はR3 である。各層での孔は、
翼表面での吸い込み分布量を均等にするために、ピッチ
1 で規則的に並べて明けてある。各層の孔径と板厚の
比は1:1である。具体的には表面層3に板厚T1
0.1mm,孔径R1 =0.1mm,ピッチL1 =1m
mの孔、中間層4に板厚T2 =0.3mm,孔径R2
0.3mm,ピッチL1 =1mmの孔、内面層5に板厚
3 =0.6mm、孔径R3 =0.6mm,ピッチL1
=1mmの孔がエッチング加工により明けられている。
表面層3と中間層4、中間層4と内面層5がそれぞれ接
着剤によって接着されている。尚、3層の孔は、孔の中
心線が必ずしも一致する必要はなく、3層で連続するひ
とつの孔となっていればよい。
【0016】図2(a),(b),(c)は、本発明の
層流制御用外板を翼の上面側に適用した場合の一実施例
である。翼の上面部分は、外板1と構造部材6と内側表
面板7とダクト8から構成されている。上記翼では、上
面の乱流層を吸気ポンプ(図示省略)を作動させて図2
(c)のように孔から吸い込む。この吸い込まれた空気
は、外板1の各層の孔を通ってダクト8へと吸い込まれ
る。この時全圧損失が小さくなり、また空気中のゴミが
前記孔に詰まることがない。ダクト8へ吸い込まれた空
気は、吸気ポンプを通って大気へと放出される。この一
連の乱流層の吸気、大気への放出作用によって層流制御
が達成される。
【0017】図3は、上記各層3,4,5の孔を円錐台
形状にして、連続するひとつの円錐台形状となるように
各層3,4,5を接着した場合の外板1の断面を示して
いる。このように孔を円錐台形状にすることによって、
機体外表面から吸い込まれた空気は、孔中での圧力損失
がさらに小さくなる。
【0018】
【発明の効果】以上の通り本発明の航空機の層流制御用
外板は、多層構造とし、表面層から内側の層まで孔が連
続するように各層に多数の孔を規則的に設けると共に、
表面層から内側の層までの各層の厚さ及び孔径を次第に
大きくしているので、吸い込まれた空気が外板より内部
のダクトへ流れ出る時の全圧損失を小さくすることがで
き、従って吸気率が向上し、かつ、吸い込まれる空気中
のゴミが孔に詰まり孔が目詰まりを起こすことがなくな
る。
【0019】また、上記各層の孔径と板厚の比を1:1
〜1:2にしたことにより、吸い込まれた空気中のゴミ
が各層の孔中で詰まることがなくなり、かつ、エッチン
グ加工における孔明けの精度がよくなる。
【0020】また、上記各層の孔を円錐台形状にしたこ
とにより、吸い込まれた空気の孔中の全圧損失が小さく
なり、かつ、空気が上記外板よりダクトへ流れ出る時の
全圧損失も小さくなり吸気率がさらに向上する。
【0021】さらに、上記各層の孔を円錐台形状にし、
各層を接着した時孔が連続するひとつの円錐台形状とな
るようにしたことにより、吸い込まれた空気の外板の孔
中での全圧損失がさらに小さくなり、吸気率が格段の向
上をする。
【0022】また、本発明の航空機の層流制御用外板の
製造方法は、表面層から内側の層までの厚さを次第に大
きくした各層を作り、この各層に次第に径の大きくなる
孔を多数規則的にエッチングにより貫通穿設し、然る後
表面層から内側の層まで各層を順に接着剤で接着するの
で、外板の孔を精度良く短時間に形成でき、製造コスト
も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による航空機の層流制御用外板の一実施
例を示すもので、(a)は一部斜視図、(b)は(a)
図の一部拡大図、(c)は(b)図の断面図である。
【図2】図1の層流制御用外板を航空機の翼の上面側に
適用した例を示すもので、(a)は翼の断面図、(b)
は(a)図のA部拡大断面図、(c)は(b)図のB部
拡大図で空気の吸い込み状態を表わしている。
【図3】本発明による航空機の層流制御用外板の他の実
施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 機体外板 2 吸い込み孔 3 機体外板の表面層 4 機体外板の中間層 5 機体外板の内面層 6 翼の構造部材 7 翼の内側表面板 8 ダクト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機の層流制御用外板を二層以上の多
    層構造となし、表面層から内側の層まで孔が連続するよ
    うに各層に多数の孔を規則的に設けると共に、表面層か
    ら内側の層までの各層の厚さ及び前記の孔の径を次第に
    大きくしたことを特徴とする航空機の層流制御用外板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の層流制御用外板におい
    て、各層の孔の径と厚さの比が1:1〜1:2であるこ
    とを特徴とする航空機の層流制御用外板。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の層流制御用外板におい
    て、各層の孔が円錐台形状であることを特徴とする航空
    機の層流制御用外板。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の層流制御用外板におい
    て、各層を接着した時孔が連続する1つの円錐台形状と
    なることを特徴とする航空機の層流制御用外板。
  5. 【請求項5】 表面層から内側の層までの厚さを次第に
    大きくした各層を作り、この各層に、次第に径の大きく
    なる孔を多数規則的にエッチングにより貫通穿設し、然
    る後表面層から内側の層まで各層を順次接着剤で接着す
    ることを特徴とする航空機の層流制御用外板の製造方
    法。
JP27761593A 1993-10-08 1993-10-08 航空機の層流制御用外板及びその製造方法 Pending JPH07108996A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007537086A (ja) * 2004-05-13 2007-12-20 エアバス・ドイチュラント・ゲーエムベーハー 航空機のコンポーネント、特に翼

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007537086A (ja) * 2004-05-13 2007-12-20 エアバス・ドイチュラント・ゲーエムベーハー 航空機のコンポーネント、特に翼
JP4728325B2 (ja) * 2004-05-13 2011-07-20 エアバス オペラツィオンス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 航空機のコンポーネント

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