JPH07107926A - 揚げ物の製造方法 - Google Patents

揚げ物の製造方法

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JPH07107926A
JPH07107926A JP5254151A JP25415193A JPH07107926A JP H07107926 A JPH07107926 A JP H07107926A JP 5254151 A JP5254151 A JP 5254151A JP 25415193 A JP25415193 A JP 25415193A JP H07107926 A JPH07107926 A JP H07107926A
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JP
Japan
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tempura
fried
ethanol
liquid
colomo
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JP5254151A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Kurata
勝行 倉田
Minako Yumoto
三奈子 湯本
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STAR SHOKUHIN KOGYO KK
Original Assignee
STAR SHOKUHIN KOGYO KK
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  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天ぷら等の揚げ物を保存するに際し、凍結保
存もしくは乾燥保存等のコストがかかり、天ぷら等の揚
げ物本来の風味を損なう保存方法を用いずに天ぷら等の
揚げ物を製造できる揚げ物の製造方法を提供する。 【構成】 天ぷらのコロモとなる小麦粉及び水等を混合
するに際してエタノールを添加する(混合工程S1)。
そして、天ぷらを高温油中で揚げた(フライング工程S
2)後に、天ぷらの表裏面にエタノール液を噴霧する
(アルコール噴霧工程S4)。そして、エタノール液を
噴霧された天ぷらを包装して保存する(包装工程S
5)。上述のように製造された天ぷらは、上記添加され
たエタノールが天ぷら内部に残存するとともに、天ぷら
表面に噴霧されたエタノール溶液が浸透する。これら添
加及び噴霧されたエタノール溶液の殺菌作用により、製
造及び貯蔵中に混入する可能性がある微生物の増殖を防
止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物の繁殖を抑制し
て長期保存可能な天ぷら、フライ等の揚げ物の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、天ぷら等の揚げ物は、略三日で
カビ等が繁殖してしまい、揚げた後にそのまま状態で長
期保存することが困難であった。従来、天ぷらを長期保
存する際には、天ぷらを乾燥品として保存するようにし
ていた。例えば、天ぷらを乾燥する方法としては、天ぷ
らの材料となる揚げ種に、コロモとなるコロモ液を付着
もしくは混合せしめ、コロモ液が付着もしくは混合され
た揚げ種を高温湯中で油揚げして天ぷらにするととも
に、この油揚げ工程を継続することにより天ぷらを水分
量5%以下に脱水してしまうものがある。
【0003】また、天ぷらを乾燥する他の方法として
は、減圧下で油揚げして乾燥する方法や、油揚げした天
ぷらを、熱風乾燥、真空凍結乾燥、マイクロ波加熱等の
手段を用いて乾燥する方法がある。これらの乾燥された
天ぷらは、長期保存が可能となり、例えば、即席麺の具
などとして用いられている。また、天ぷら等の揚げ物を
長期保存する方法として、冷凍保存を行なうこともでき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記乾燥さ
れた天ぷらは、その揚げ種によってはそのままでも食用
可能であるが、基本的に、水分を加えることにより、乾
燥した状態から湿潤した状態に復元してから賞味するこ
とになる。天ぷらは、乾燥した状態において、当然、乾
燥していない状態の天ぷらと異なる風味を有するととも
に、水分を加えて復元しても、元の天ぷらと同様の風味
を得ることは困難であった。すなわち、天ぷらは、表面
部の水の含有率が内部に比較して低く、乾燥した状態に
なっていることにより、天ぷら独特の風味を得ることが
できるが、乾燥した天ぷらに外部から水分を加えて復元
した場合には、天ぷらの内部を水で復元した状態とし、
表面部だけを乾燥した状態にすることが困難であった。
【0005】また、乾燥された天ぷらが、上記即席麺の
具として良く用いられるのは、元々、そば、うどん等の
具となる天ぷらが、つゆ上に載置されることにより、少
しの時間経過により表面部も湿潤した状態となってしま
い、乾燥した天ぷらに水分を加えて復元した場合と比較
して違和感が少ないからである。以上のように、天ぷら
等の揚げ物を長期保存可能とするために乾燥してしまっ
たのでは、天ぷら等の揚げ物の本来の風味を損なうこと
になり、それによって長期保存可能な天ぷら等の揚げ物
の使用範囲を制限してしまうことになる。
【0006】また、天ぷら等の揚げ物の冷凍保存におい
ては、冷凍庫の使用等のコストがかかるとともに、解凍
する際に、天ぷら等の揚げ物の表面が湿潤してしまう可
能性が高く、上記乾燥品の天ぷらと同様に天ぷら等の揚
げ物の風味を損なうことになる。以上のことから、でき
るだけ天ぷら等の揚げ物の風味を損なわないように、揚
げ物を乾燥もしくは凍結しない状態で長期保存する方法
が求められているが、従来、それを実現する方法がなか
った。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、乾燥することなく揚げたままの状態で長期保存
可能な天ぷら等の揚げ物の製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の揚げ物の製造方
法は、揚げ物のコロモとなるコロモ液と、該コロモ液中
に分散もしくは該コロモ液を付着される揚げ種とからな
る揚げ物材料を高温油中で揚げるものであり、小麦粉及
び水等の原料を混合してなるコロモ液もしくは該コロモ
液と揚げ種との混合液を製造するに際し、上記コロモ液
もしくは上記混合液中にエタノールを添加し、上記コロ
モ液と揚げ種とからなる揚げ物材料を高温油中で揚げた
後に、揚げられた揚げ物にエタノール溶液を噴霧するこ
とを上記課題の解決手段とした。
【0009】天ぷら、フライ等の揚げ物の製造において
は、まず、揚げ物の原料と水(好ましくは5℃程度の冷
水)とを混合してバッター液(小麦粉などの濃厚な混合
液のこと)を調製する。なお、上記バッター液は、基本
的に揚げ物のコロモとなるコロモ液であるが、揚げ物を
例えばかき揚げとする場合には、上記バッター液中に揚
げ種も混合し、コロモ液中に揚げ種を分散した状態とす
る。そして、通常の天ぷらとする場合には、コロモ液の
原料だけを、バッター液として調製し、これを揚げ種に
付着させる。
【0010】上記揚げ物の原料は、揚げ物を例えばかき
揚げとした場合に、コロモ液の原料として、例えば、小
麦粉、クチナシ色素、食塩、乳化剤、酸味料、保存料等
を用い、揚げ種として、例えば、人参、ほうれん草、桜
エビ等を用いる。なお、本発明において、上記コロモ液
の材料は、上述のものに限定されるものではなく、さら
に他の材料を添加したり、小麦粉と水だけとしても良
い。また、揚げ種も、上述のものに限定されるものでは
なく、各種野菜類、魚介類、肉類等の食品を揚げ種とし
て用いることができるが、揚げ種として魚介類及び肉類
等を用いる場合には、上記桜エビ等のように加工するこ
とにより長期保存可能とされたものが好ましい。すなわ
ち、本発明は、主に揚げ物のコロモ部分の保存期間の長
期化を図ったものであり、腐敗しやすい揚げ種には、必
ずしも適用できない。
【0011】そして、上記バッター液(コロモ液)に
は、エタノールを添加する。エタノールの添加量は、上
記原料の水100重量部に対して、1重量部〜20重量
部の範囲で添加することが好ましい。すなわち、エタノ
ールの添加量が、水100重量部に対して1重量部より
低い場合には、エタノールの殺菌力が必ずしも充分でな
く、特に本発明においては、後述するフライング工程に
より、エタノールの一部が揮発し、最終的な製品中のエ
タノール量は減少することになるので、エタノールが1
重量部より多いことが好ましい。また、エタノール添加
量が20重量部以上では、できあがった天ぷらの風味等
に問題がでる可能性があり、20重量部よりも少ないこ
とが好ましい。
【0012】上記エタノールは、周知のように、強い殺
菌性を有し、殺菌剤として用いられるが、人に対して
は、酒として飲用されるように、大量摂取による急性症
状を除けば特に問題がない。また、エタノールは、比較
的揮発性が高く、コロモ液にエタノール溶液を添加した
場合に、高温油中において揮発することになるが、コロ
モ液中においてエタノールが水溶液となっており、水の
沸点を低下させることになる。従って、短時間のフライ
により、エタノールだけが蒸発してしまうことがなく、
揚げ物の水分中にエタノールが残存することになり、フ
ライ後もエタノールによる殺菌作用や微生物の増殖の抑
制を期待することができる。
【0013】また、上記食塩は、周知のように微生物の
成育に影響を与える水分活性を低下させることが知られ
ており、食塩により食品の保存性を高めることができ
る。また、ソルビン酸等の保存料を添加することによ
り、微生物の増殖を抑制することができる。なお、食塩
及び保存料等は、従来から食品に添加され、上述のよう
に微生物の増殖を抑制することが知られているが、単に
これら食塩及び保存料を一般的な量の範囲で添加しただ
けでは、天ぷら等の揚げ物の微生物による腐敗を防止で
きなかった。そして、本発明は、上記エタノールの添加
及び噴霧により天ぷら等の揚げ物の保存期間の延長を図
ったものであるが、さらなる保存期間の延長及び防腐効
果を確実なものとするために、これら食塩及び保存料を
使用している。
【0014】次に、かき揚げの場合には、上記揚げ種を
含む上記バッター液を、かき揚げ一つ分の量ずつに分け
て、高温油中に入浴させることにより、バッター液をフ
ライングするフライング工程を行なう。また、揚げ物が
かき揚げでない場合には、揚げ種に上記バッター液を付
着させてからフライング工程を行なう。なお、このフラ
イング工程においては、言うまでもなく、高温による殺
菌が行なわれることになる。
【0015】そして、フライングされたバッター液は、
揚げ物となり、高温油中から引き上げられ、揚げ物の余
分な油分を取り除く脱油を行なう。次に、脱油されると
ともに、高温油中から引き上げられて温度の低下した揚
げ物の表裏面に対して、エタノール溶液を噴霧するアル
コール噴霧工程を行なう。このエタノール溶液は、強い
殺菌力を有し、通常殺菌剤として用いられるエタノール
の約70%水溶液と同程度の濃度が好ましいが、必ずし
も70%程度の濃度に限定されるものではなく、殺菌効
果を期待できる濃度ならば良い。上記エタノール溶液の
噴霧により、揚げ物の表面にエタノール溶液が浸透し、
上述の添加され、かつ、揚げ物内部に残存したエタノー
ルとともに、微生物の増殖を防止する効果を果たす。
【0016】そして、アルコール噴霧工程が終了した揚
げ物を包装する包装工程を経て、揚げ物が製品化され
る。なお、揚げたての揚げ物を冷却せずにすぐに包装し
た方が、微生物が混入する可能性が減少し、揚げ物を長
期保存する上で好ましいが、揚げ物の天ぷらを冷却せず
に包装した場合には、包装用の容器内に油が溜まる現象
(油ダレ)がおき、製品として好ましくない状態となる
場合があるので、フライング工程後、常温程度まで冷却
した後に、エタノール溶液を噴霧し、包装工程を行なう
ことが好ましい。
【0017】以上のように、本発明の揚げ物の製造方法
においては、エタノールをフライング工程の前の段階に
おいて、コロモ液もしくはコロモ液と揚げ種の混合液に
添加することにより、水分濃度の高い揚げ物内部にエタ
ノールを残存させ、さらに、揚げ物を揚げた後に、エタ
ノール溶液を噴霧することにより、揚げ物の表面部にエ
タノール溶液を浸透させ、製造工程もしくは保存中にお
いて、混入する可能性のある微生物が、揚げ物保存中に
増殖するのを防止することができる。
【0018】例えば、後述する実験例からもわかるよう
に、天ぷらの原料中に、エタノールを添加しない場合に
は、天ぷらを冷却してから包装を行なうと、その保存性
が低下してしまう。従って、エタノールの添加もエタノ
ールの噴霧と同様に天ぷらの保存に大きな効果を有する
ことがわかる。すなわち、本発明においては、エタノー
ルを原料に添加することと、揚げられた揚げ物にエタノ
ール溶液を噴霧することとの相乗効果により、単に通常
の保存食品と同様に保存料や食塩を添加しただけの場合
に比較して、保存期間の延長を図ることができる。
【0019】そして、従来のように、乾燥や凍結を行な
うことなく生のまま(ここで言う生とは、加熱処理をし
ないという意味ではなく、乾燥もしくは凍結等の処理を
せずに調理したままの状態のこと)長期保存することが
可能であり、後述する実験例にも示されるように、常温
において、通常三日程度でカビが生育してしまう生のま
まの天ぷらを一ヶ月以上に渡って微生物の増殖を抑制し
て食用可能な状態に保つことができる。
【0020】従来、生の天ぷらを一箇月以上に渡って、
常温で長期保存する方法は存在せず、本発明は、エタノ
ールの添加及び噴霧という簡便かつ低コストな方法で、
天ぷら等の揚げ物の常温における一箇月以上の長期保存
を可能としたものであり、長期保存された天ぷら等の揚
げ物は、乾燥もしくは凍結等の処理がなされていないこ
とにより、天ぷら等の揚げ物としての風味を保持するこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を図面及び下記の
実験例を参照して説明する。なお、以下の実施例におい
ては、本発明の揚げ物の製造方法を天ぷらであるかき揚
げに応用している。また、本発明は、コロモ液中にエタ
ノールを添加するとともに、揚げられた揚げ物の表面に
エタノール溶液を噴霧することを特徴とするものであ
り、図1に示される工程図と図2ないし図4に示される
組成表とに限定されるものでないことは勿論である。
【0022】図1に示すように、まず、この実施例にお
いては、図2の表1に示す原料を混合する混合工程S1
を行ない、バッター液を製造する。なお、表1中のアル
コール製剤は、図3の表2に示す組成を有したアルコー
ル製剤(メイオール1号、メルシャン株式会社製)を用
いた。また、酸味料調製剤は、図4の表3に示す組成を
有した酸味料調製剤(ノンパス・S(N)、台商株式会
社製)を用いた。また、表1のソルビン酸は、保存料で
ある。
【0023】次に、150℃〜180℃の高温油中に上
記バッター液を天ぷら一つ分ずつ順次入浴させて揚げる
フライング工程S2を行なう。フライング工程S2にお
いては、1分から8分の間上記バッター液を揚げる。そ
して、揚げられることにより、上記バッター液は、かき
揚げ状の天ぷらとなる。
【0024】そして、揚げられた天ぷらを高温油中から
引き上げ、脱油工程S3を行なう。脱油工程S3におい
ては、遠心分離機を用いて余分な油分を高速に除去す
る。続いて、脱油された天ぷらの表裏面に表2に示すエ
タノール溶液を噴霧するアルコール噴霧工程S4を行な
う。なお、このエタノール溶液としては、上記表2にそ
の組成を示したアルコール製剤を用いた。
【0025】そして、エタノール溶液を噴霧された天ぷ
らを合成樹脂の袋に包装する包装工程S5を行なう。そ
して、かき揚げ状の天ぷらは、重量30〜40g、径が
80〜100mm、水分量約20%〜30%(水分量の
最高値は34%)のものが、上記表1に記載の原料から
800〜900枚程度得られた。また、これらの天ぷら
を賞味したところ、エタノール等の影響による味の劣化
は認められず、風味豊な天ぷらが得られた。
【0026】このようにして得られた天ぷらを用いて以
下の実験を行なった。 (実験例1)上述のようにして得られた天ぷらをサンプ
ルとして常温(25℃)及び冷蔵庫で放置し、その一般
生菌数を測定した。その測定結果を図5の表4に示す。
表4の結果からもわかるように、常温において43日間
放置した状態でも、天ぷら中の一般生菌数は300個/
g以下を保っており、微生物の増殖が抑止されていると
ともに、一般生菌数で見る限り、食用として問題がない
状態となっている。すなわち、本発明の製造方法により
製造された天ぷらは、常温において一箇月以上に渡って
長期保存することが可能である。
【0027】(実験例2)また、上述のようにして得ら
れた本発明の天ぷらA、すなわち、エタノールを原料に
添加して練り込み、エタノール溶液の噴霧を行なった天
ぷらAと、エタノールを原料に添加して練り込み、エタ
ノール溶液の噴霧を行なわなかった天ぷらBとを常温中
に放置し、目視によりカビの発生を測定した。また、エ
タノールの練り込みを行なわなず、天ぷらを冷却後、エ
タノール溶液の噴霧及び包装を行なった天ぷらCと、同
じくエタノールの練り込みを行なわなず、天ぷらを冷却
せずにアルコー噴霧及び包装を行なった天ぷらDとを冷
蔵庫中に放置し、目視によりカビの発生を測定した。
【0028】なお、天ぷらA及びCについては、揚げた
後に3時間放冷し、その後アルコール噴霧を行ない包装
し、天ぷらBについては、揚げた後に3時間放冷し、そ
の後アルコール噴霧を行なわずに包装し、天ぷらDにつ
いては、揚げられた直後に、アルコール噴霧及び包装
(HOT PACK)を行なった。
【0029】上記測定の結果を図6の表5に示す。表5
からもわかるように、本発明の天ぷらAは、製造されて
から常温中に放置して、一箇月後におていもカビの発生
が認められなかった。それに対して、アルコール噴霧を
行なわなかった天ぷらBについては、4日後にカビの発
生が認められ、エタノールの練り込みを行なわなかった
天ぷらCにおいては、冷蔵庫中いおいて6日後にカビの
発生が認められた。
【0030】以上のことから、エタノール溶液の噴霧も
しくはエタノールの原料への添加だけでは、常温におい
て一箇月以上の長期保存は困難であり、エタノールの練
り込みとエタノール溶液の噴霧との相乗効果により、天
ぷらの長期保存が可能となることがわかる。また、エタ
ノールの練り込みを行なわなかった天ぷらDにおいて
も、HOTPACKを行なうことにより、少なくとも冷
蔵庫中において14日目までカビの発生が抑止されるこ
とが確認されたが、上記天ぷらDにおいては、HOT
PACKを行なったことにより、包装用の袋中に、油が
溜まってしまう油ダレの現象がおき、製品として好まし
くない状態となっていることが観察された。
【0031】すなわち、エタノールの添加を行なわなく
ても、エタノール溶液の噴霧とHOT PACKとによ
って、天ぷらの保存期間の延長を図ることが可能である
が、油ダレを起こしてしまうという問題点がある。それ
に対して、エタノールを添加した場合には、エタノール
噴霧を行なうことにより、HOT PACKを行なわな
くとも、天ぷらの保存期間の延長を図ることができ、結
果的に上記油ダレを防止することができる。また、上述
のように長期保存された天ぷらを賞味したところ、保存
による味の劣化はほとんど認められず、少なくとも天ぷ
らを凍結もしくは乾燥保存したものを復元して賞味した
場合に比較して、天ぷらの風味を損なわないものであっ
た。
【0032】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
揚げ物の製造方法によれば、天ぷら等の揚げ物のコロモ
液となる原料にエタノールを添加して混合し、揚げられ
た揚げ物にエタノール溶液を噴霧することにより、乾燥
や凍結等の処理を行なっていない揚げ物を一箇月以上の
長期に渡って微生物の繁殖を抑止して保存することがで
きる。
【0033】従って、乾燥もしくは凍結保存した揚げ物
を復元する際に見られる天ぷら等の揚げ物の風味の低下
を伴わずに、揚げ物を長期保存することができ、上述の
ように製造されて保存食品とされた揚げ物においても、
通常の天ぷら等の揚げ物の風味を得ることができるとと
もにこの風味を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の天ぷらの製造方法を示す工
程図である。
【図2】上記実施例の天ぷらの製造方法における天ぷら
の原料を示す図表である。
【図3】上記実施例の天ぷらの製造方法における天ぷら
の原料を示す図表である。
【図4】上記実施例の天ぷらの製造方法における天ぷら
の原料を示す図表である。
【図5】上記実施例において製造された天ぷらを用いた
実験例1の実験結果を示す図表である。
【図6】上記実施例において製造された天ぷらを用いた
実験例2の実験結果を示す図表である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揚げ物のコロモとなるコロモ液と、該コ
    ロモ液中に分散もしくは該コロモ液を付着される揚げ種
    とからなる揚げ物材料を高温油中で揚げる揚げ物の製造
    方法であって、 小麦粉及び水等の原料を混合してなるコロモ液もしくは
    該コロモ液と揚げ種との混合液を製造するに際し、上記
    コロモ液もしくは上記混合液中にエタノールを添加し、 上記コロモ液と揚げ種とからなる揚げ物材料を高温油中
    で揚げた後に、揚げらた揚げ物にエタノール溶液を噴霧
    することを特徴とする揚げ物の製造方法。
JP5254151A 1993-10-12 1993-10-12 揚げ物の製造方法 Pending JPH07107926A (ja)

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JP5254151A JPH07107926A (ja) 1993-10-12 1993-10-12 揚げ物の製造方法

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