JPH07106222B2 - 二重カフ付き気管用チューブ - Google Patents

二重カフ付き気管用チューブ

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JPH07106222B2
JPH07106222B2 JP23426587A JP23426587A JPH07106222B2 JP H07106222 B2 JPH07106222 B2 JP H07106222B2 JP 23426587 A JP23426587 A JP 23426587A JP 23426587 A JP23426587 A JP 23426587A JP H07106222 B2 JPH07106222 B2 JP H07106222B2
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tube
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俊樹 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は医療用または獣医用の気管内チューブおよび気
管切開チューブ(以下、総称して気管用チューブとい
う)に関する。さらに詳しくは、口腔または鼻腔または
気管切開口から気管内に挿管し、人工呼吸器機と肺とを
結んで人工呼吸に用いるためのカフ付き気管用チューブ
に関する。
〔従来の技術〕
人などの気管に挿入されて換気に使用されるカフ付き気
管内チューブのカフは、食道などからの嘔吐物などが気
管内へ侵入するのを防ぎ、かつ当該チューブを接続して
間欠的陽圧呼吸などをするばあいにおける換気を充分に
行いながらしかも気管壁との隙間からのガスの洩れを防
ぐことができるように、気管内壁と気管内チューブとの
間を気密に保つために使用されるものであるが、従来の
カフ付き気管内チューブでは、人工呼吸器に接続して患
者の呼吸管理を行ったばあい、肺のコンプライアンスが
減少した時など人工呼吸器から送気する吸気用のガス圧
力を、通常のカフ内圧の数倍も高くすることが必要とな
ってくるために、所望の圧力で気管内壁に軽く密着して
気密性を保っているべきカフ付き気管内チューブのカフ
が、気道の肺側と喉咽頭側との間の圧力差によって変形
し、陽圧人工呼吸のたびにずれて、ついにはそのカフと
気管内壁の気密性も損なわれて送気ガスの洩れによる換
気量不足を生じたり気管内チューブの移動をきたしたり
して重大な結果を招来することがあった。
これを防ぐための方策として、予めカフの内圧を必要な
最高気道内圧よりもかなり高くまで上げておく方法もお
るが、この方法を行うと、カフの気管内壁に体する圧迫
圧力の恒常的な上昇を伴うために、気管内壁の毛細血管
を圧迫して血流を阻害し、カフとの接触部分の粘膜細胞
に機能障害を残したり、時には壊死に至らしめることが
あった。
この問題を解決するために、必要なとき、すなわち肺内
圧が上昇した時にはカフ圧も上昇させ、肺内圧が低下し
た時にはカフ圧も必要最低限にまで低下させることが出
来れば、カフ圧の上昇に伴って気管内壁が一時的に圧迫
されて毛細血管内の血流が阻害されても、呼気相中には
肺および気道内圧の急激な低下が生じるのでカフ圧も低
下し気管内壁の毛細血管の血流も改善されて気管内壁に
対する障害を防止することが出来るものとの考えのもと
に、カフ付き気管内チューブに連結して使用するカフ−
トローラ(米国レスピロニクス社製、商品名)や、呼吸
圧重畳式カフ圧調整装置(特願昭61−029098)などの発
明がなされている。
ここでカフ−トローラは、簡単に説明すれば、第2図に
示すように接続口(26)を有する小型のケース(21)の
中にスプリングで押された気嚢(23)を気密に配置した
ものであり、気嚢(23)には逆止弁(25)を備えたガス
注入口(24)および、気管内チューブ(T)のカフ
(C)と連結する接続口(27)が形成されている。この
接続口(27)とカフ(C)とを接続しておき、使用時に
ガス注入口(24)からガスを注入すると、カフ(C)と
連通されている気嚢(23)も膨張するためにスプリング
(22)が押されるが、このスプリング(22)の押し圧力
は、カフ(C)の所望の圧力付近に見合う力となるよう
作られているので、所望のカフ圧におけるスプリング
(22)の押し圧力は、このスプリング(22)の動作行程
内におさまるようになっており、一方小型ケース(21)
の接続口(26)を気管内チューブ(T)の気道内に連通
しておくことによって、その気道内の圧力変化を気嚢
(23)に伝達するので、気管内チューブ(T)の所望の
カフ圧に気道内圧が付加される。しかしながらこの方法
は、使い捨てにしては高価な装置の装着による価格の上
昇が問題である。
また、呼吸圧重畳式カフ圧調整装置は、医療用のガス配
管の酸素ガスや圧縮空気を動力源として、カフ圧力に気
道内圧を上乗せする装置を駆使した方法であるが、動力
源としてガス圧力を利用しているために、圧力ガスの無
いところでは使用することができなかった。
そこで上記問題点を解決するために、本出願人はすでに
二重カフ付き気管用チューブについて提案している(特
願昭62−65364号、特願昭62−65365号)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記二重カフ付き気管用チューブは、気
管内の圧力が上昇した時に、それに呼応して内側のカフ
が膨張して外側のカフ圧を高めることができるので、生
体の負担が少なく、また外側のカフと気道内壁の気密性
を保持されるという利点を有するものではあるが、その
後の研究で、外側のカフを膨張させる時に内側のカフが
チューブの外壁に密着することがあり、この場合には気
道内圧により内部カフが内側から押圧される面積は、気
道内圧上昇の初期の段階ではチューブに穿設された通気
孔とその周辺のごく限られた面積になってしまい、従っ
て内側のカフが膨らむ前に外側のカフが変形して内側の
カフの膨張が妨げられるという欠点があり、所期の目的
を充分に達することができないものであることが判明し
た。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、機構が簡
単で安全性に優れ、かつ、カフ付き気管用チューブのカ
フ圧を肺内圧に同期して確実に上昇下降を行わしめなが
らも、常に必要最低限度に調節したカフ圧レベル以上を
保ち、これに伴うカフの変形やずれの程度の少ない経済
的なカフ付き気管用チューブを提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の欠点を解消するために鋭意研究の
結果、内側のカフとチューブとの間に隙間を形成すれば
良いことを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、チューブの先端の近傍に該チューブ
の外周を取り巻くようにほぼ円筒状のヘルキシブルな薄
膜な配置され、該薄膜の両端部が前記チューブの外周に
気密に取り付けられてカフ形成されると共に、該カフ内
にガスを注入排出して該カフを任意に膨縮させるための
カフ膨張用チューブが接続されてなる気管用チューブに
おいて、前記カフ内に前記カフ膨張用チューブと連通し
ない第2の独立したカフを設けると共に、該第2のカフ
に包囲された前記チューブの管壁部分に、該チューブの
内部と第2のカフ内を連通する1個または2個以上の通
気孔を設け、かつ該チューブの外壁と第2のカフとの間
に、前記通気孔を介して該チューブの内部と連続する隙
間を形成するための隙間形成手段を設けたことを特徴と
する二重カフ付き気管用チューブに関する。
〔作 用〕
本発明の二重カフ付き気管用チューブは、内側のカフと
チューブとの間に隙間形成手段が設けられており、従っ
て内側のカフとチューブとの間に、通気孔を介してチュ
ーブの内側と連通する隙間が形成されているので、チュ
ーブ内の圧力が上昇した時には、その圧力が通気孔を介
して内側のカフに伝わり、そのカフを構成する薄膜の内
壁をカフを素早く膨張させるに十分な面積で押圧するこ
とになる。従って内側のカフの膨張と外側のカフの変形
とほぼ同時に進行し、内側のカフは、その膨張が外側の
カフの変形によって妨げられることなく、カフの内外で
圧力が釣り合う位置まで膨張する。
次に本発明の気管用チューブの全体の作用について第1
図を用いて説明する。
本発明の二重カフ付き気管用チューブは、上記のように
構成されているので、気管内に挿入された気管内チュー
ブ(1)の先端近傍に位置する外側のカフ(以下、気管
シール用カフという)(5)は、カフ膨張用チューブ
(6)からガスが注入されると膨張して気管内壁(7)
に密着して気管と気管内チューブ(1)との間をシール
する機能を有する。一方内側のカフ(以下、気管内圧付
加用カフという)(4)は、気道内ガス通路(2)内の
ガス圧力が上昇して気室(9)内の圧力以上になると、
気道内圧導入口(3)から気道内ガス通路(2)内のガ
スが流入してきて、この気道内ガスと気室(9)内のガ
スとを隔てている気道内圧付加用カフ(4)を、各々の
圧力が釣り合うところまで押し遣る。従って気管シール
用カフ(5)は、そのカフの中のガスを介して、その時
の気道内圧に相当する圧力で患者などの気管内壁(7)
を圧迫するので、高まった気管内圧に負けてカフの位置
がずれることはほとんどない。このばあい、気道内圧は
ガスを介して伝わるため、気管シール用カフ(5)は内
側から均等に押されることになり、カフ(5)が変形し
てもその位置がずれることはほとんどない。
〔実施例〕
次に本発明の実施例について図面にもとずいて説明す
る。
第1図は本発明の好ましい一実施例に係る気管用チュー
ブを示す図、第2図は隙間形成手段の他の例を示す説明
図である。
本発明の気管用チューブは、呼吸の管理を目的として患
者などの気管内へ挿入設置されるカフ付き気管用チュー
ブであって、その好適例を示すと第1図に示すように、
気管内チューブ(1)の先端近傍の一部に気道内ガス通
路(2)から外部に開口する気道内圧導入口(3)設け
られ、その気道内圧導入口(3)の設けられた気管内チ
ューブ(1)の外周に気道内圧付加用カフ(4)が気嚢
状に設置され、その気道内圧付加用カフ(4)がさらに
気管シール用カフ(5)で外部から気密に包み込まれた
形に形成されている。そして気管シール用のカフ(5)
には、気管内チューブ(1)の壁面に形成されたカフ膨
張用チューブ接続通路(8)を介して、ガスを注入した
り排出したりして気管シール用カフ(5)を膨張された
り縮小させたりするカフ膨張用チューブ(6)が接続さ
れており、2つのカフ(4)、(5)の間に形成された
気室(9)と連通している。また気管内チューブ(1)
の気道内圧付加用カフ(4)に包囲された部分の管外壁
には多数の突起(10)が形成されている。
気管内チューブ(1)可撓性樹脂たとえば軟質塩化ビニ
ル樹脂やシルコーンゴム、ポリウレタンなどで形成され
ており、適度の柔軟性と弾性とを有している。そして気
管内チューブ(1)には、両端の開口した内径の大きな
気道内ガス通路(2)と、先端側(患者側)で閉塞し基
端側(操作者側)の適当な部分で開口した、内径の小さ
なカ膨張用チューブ接続通路(8)とが形成されてお
り、気管内チューブ(1)の先端は気管に挿入し易いよ
うにべべルが形成され、この気管内チューブ(1)の先
端の近傍で気道内圧付加用カフ(4)に包囲される部分
に、気管内チューブ(1)の管壁の内外を連通する通気
孔としての単数または複数の気道内圧導入口(3)穿設
されている。
また気管内チューブ(1)の気道内圧付加用カフ(4)
に包囲された部分の管外壁には、隙間形成手段としての
多数の突起(10)が形成されている。
この隙間形成手段は、要は気道内圧付加用カフ(4)と
気管内チューブ(1)との間に気道内圧導入口(3)を
介してチューブ(1)の内部と連続する隙間を形成する
ものであれば良く、気管内チューブ(1)の外壁に形成
された多数の突起または溝状の凹凸や、気道内付加用カ
フ(4)の内壁に形成された微細な凹凸、気管内チュー
ブ(1)と気道内圧付加用カフ(4)の間に介在された
網や不織布、紙、綿、布など種々のものが利用可能であ
るが、衛生面やコストおよび高価を考慮した場合、第1
図に示す突起(10)や、気道内圧付加用カフ(4)の内
壁に形成された微細な凹凸、第2図に示すような網(1
2)の介在が好ましい。
尚網(12)のメッシュサイズは余り少くすると睡など患
者の分泌物や水蒸気などにより目詰まりを生ずる虞れが
あるので大略1mm以上に形成するのがよい。
気道内圧付加用カフ(4)および気管シール用カフ
(5)は、可撓性樹脂たとえば軟質塩化ビニル樹脂やシ
リコーンゴム、ポリウレタンなどで円筒状に形成され、
膨らませたばあい気嚢状薄膜になるように気管内チュー
ブ(1)の外周に配置形成されている。内側の気道内圧
付加用カフ(4)は気道内圧導入口(3)を介して気道
内ガス通路(2)と連通しており、気道内圧が気室
(9)内の圧力よりも大きくなると膨張して気道内圧を
気管シール用カフ(5)に付加する機能を有しており、
一方気管シール用カフ(5)はカフ膨張チューブ(6)
か予めガスを注入することによって膨張させられており
気管内壁(7)を軽く圧迫して気管と気管内チューブ
(1)の間をシールする機能を有している。
カフ膨張用チューブ(6)は可撓性樹脂たとえば軟質塩
化ビニル樹脂やシリコーンゴム、ポリウレタン、ポリエ
チレンなどで小径に形成されており、その一端はカフ膨
張用チューブ接続通路(8)の開口から挿入されこのカ
フ膨張用チューブ接続通路(8)に気密に接着固定され
る。カフ膨張用チューブ(6)の他端はガス供給手段
(図示されていない)との接続端であり、注射器の先端
に接続可能な形状に形成されるが、通常チューブ(6)
の途中に気管シール用カフ(5)の膨張状態を外から確
認するためのパイロツト・バルーン(11)が設けられて
いる。
次に本発明の二重カフ付き気管用チューブの利用例につ
いて説明する。
必要に応じてカフ膨張用チューブ(6)によりガスを注
入排出して気管シール用カフ(5)の気密性を試験した
後、その中のガスを排出して萎ませておいてから、二重
カフ付き気管用チューブを患者などの気管内の所望の位
置に挿入配置する。
それからカフ膨張用チューブ(6)を利用して気管内壁
(7)に対する気管シール用カフ(5)の圧迫圧力が所
望の圧力になるまでガスを注入した後、カフ膨張用チュ
ーブ(6)を閉塞し、人工呼吸器など(図示されていな
い)に気管内チューブ(1)の基端部を接続し、間欠式
陽圧人工呼吸などでその患者などの呼吸管理を行う。こ
のばあい自然呼吸で吸気相に相当する呼吸パターンは、
加圧呼吸では機械的に呼吸ガスを加圧して肺内部へ押し
込む動作にあたる。従ってこの時には当然のことながら
肺内圧やこれに連通する気管内チューブ(1)の気道内
ガス通路(2)内のガス圧力が上昇する。
気道内ガス通路(2)内のガス圧力が上昇して気室
(9)内の圧力以上になると、気道内圧導入口(3)か
ら気道内のガスが流入してきて、この気道内ガスと気室
(9)内のガスを隔てている気道内圧付加用カフ(4)
を各々の圧力が釣り合うところまで押し遣る。すなわち
気管シール用カフ(5)は、そのカフの中のガスを介し
て、その時の気管内圧に相当する圧力で患者などの気管
内壁(7)を圧迫する。この時当然のことではあるが、
気管シール用カフ(5)は肺側からの気道内圧によって
押圧され変形するが、気道内圧付加用カフ(4)の膨張
により気管シール用カフ(5)の変形が緩和される。従
って気道の肺側と喉咽頭側との間の圧力差が大きくなっ
ても気管シール用カフ(5)の歪みはそれほど大きくな
らず、またカフ(5)の位置がずれることを殆んどな
い。
また気道内ガス通路(2)内のガス圧力が気室(9)の
設定圧よりも低くなるばあいには、気道内圧付加用カフ
(4)が気室(9)内の圧力によって気管内チューブ
(1)の外周に押し付けられるが、気道内圧導入口
(3)の孔径を5mm程度のかなりの大きさに形成して
も、気道内圧付加用カフ(4)の薄膜は気管内ガス通路
(2)内へ侵入することがない。従って気道内圧導入口
(3)の孔計を余り大きくしすぎない限り気道内圧付加
用カフ(4)の移動はこの位置で止まるので、気室
(9)内の圧力は初期に設定した所望の圧力に落ち着
く。すなわち、気道内ガス通路(2)内の圧力が気室
(9)内の圧力以下に低下しても気管シール用カフ
(5)の気管内壁(7)に対する圧迫力は所望の設定圧
力を維持することが出来るので、充分の気密性が保たれ
る。
しかして、患者などの気管内壁(7)に対する圧迫圧力
は、気道内ガス通路(2)内の圧力が低いときには気管
シール用カフ(5)の初期の設定圧力になり、気道内ガ
ス通路(2)内の圧力が気管シール用カフ(5)の初期
の設定圧力よりも高くなったときはその時点の気道内圧
力になるので、陽圧呼吸に同調して気管シール用カフ
(5)の初期の設定圧力からその時点の気道内の圧力に
相当する圧力までの範囲で可変に圧迫動作を繰り返すこ
とになる。ただし、カフを適度に膨張させる際に要する
弾性が可及的に少ないようなカフ(4)および(5)を
均等に膨張するように好適な形状に作成することが望ま
しい。
実施例1 本発明の二重カフ付き気管用チューブとして、気管内チ
ューブおよびカフを軟質塩化ビニルで形成し、隙間形成
手段として気管内チューブ外壁に多数の突起を形成した
ものを用いて、気管モデルによる観察を行い、従来型の
二重カフ付き気管用チューブおよび通常のカフ付き気管
内チューブ(マギルタイプ)とを比較した。
尚、気管モデルとしてはポリプロピレン製の内径が220m
m×190mmの略円筒状の筒を用い、二重カフ付き気管用チ
ューブについては孔径5mmの気道内圧導入口を4個有
し、空気圧30mmHgを付加した時の気管シール用カフの外
径が300mm、気道内圧付加用カフの外径が200mmのものを
用いた。
A.本発明による二重カフ付き気管用チューブを使用した
場合: 気管シール用カフの内圧を30mmHgに設定して気管モデル
に送気を行った。
送気開始により気道内圧力が上昇すると、気道内圧付加
用カフが膨らみ、気管シール用カフも張力が増してい
き、同時に気管シール用カフの送気側(肺側に相当)は
やや凹状に変形してくる。やがて気管シール用カフの位
置が移動し始めるが、この気管シール用カフの移動が起
る直前の気管シール用カフの内圧は100mmHgまで上昇し
ていた。但しこのときチューブの位置は喉咽頭側に約3m
m移動したがカフの移動はないので気道内圧が下がると
元の位置に戻った。
このように気管シール用カフの内圧を極く低圧に設定し
ても、カフがずれることが無いので、生体のカフ密着部
分に与える損傷が大幅に軽減されるであろうことが予測
される。
B.従来の二重カフ付き気管用チューブ(隙間形成手段な
し)を使用した場合: 気管シール用カフの内圧が100mmHgのときにカフの位置
が移動しないようにするためには、気管シール用カフの
内圧を60mmHg以上に設定する必要があった。
C.通常のカフ付き気管内チューブを使用した場合: Bと同様の条件を満足させるためにはカフの内圧を80mm
Hg以上に設定する必要があった。
実施例2 実施例1と同様の気管モデルおよび改良二重カフ付き気
管チューブを用いて、気道内圧力を150mmHgまで上げた
ところ、気道内圧付加用カフの膨張はますます顕著にな
った。従って気道内圧の上昇に呼応して気管シール用カ
フの気管内壁を圧迫する力が増すことが確認された。
〔発明の効果〕
以上説明してきたことから明らかなように、本発明の二
重カフ付き気管用チューブは次のような利点を有する。
(1) 機構が単純であるために構成部分が少なく、ま
た、特別な動力源を必要としないので経済的である。
(2) 従来のカフでは低圧大容量なものが気管内壁を
柔らかく圧するので好まれるが、肺側の気道内圧がカフ
の膜を気管内で肺側から押してカフを変形させ、カフ内
圧を上昇させるので、カフが加圧呼吸の度に歪み押され
てずれるために、その摩擦で気管内壁の繊毛粘膜が傷付
きやすく、また気管内チューブも移動しやすいという問
題や、気管内チューブに連接して呼吸回路を形成してい
る吸収管やコネクターの連結部がたえず動くために外れ
やすくなるという欠点があったが、本発明の気管内チュ
ーブを用いることにより、このような事故を大巾に防ぐ
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す説明図、第2図は隙間
形成手段の他の例を示す説明図、第3図は一従来例の説
明図である。 〔図面の主要符号〕 (1):気管内チューブ (2):気道内ガス通路 (3):気道内圧導入口 (4):気道内圧付加用カフ (5):気管シール用カフ (6):カフ膨張用チューブ (7):気管内壁 (8):カフ膨張用チューブ接続通路 (9):気室 (10):突起 (11):パイロツト・バルーン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チューブの先端の近傍に該チューブの外周
    を取り巻くようにほぼ円筒状のフレキシブルな薄膜が配
    置され、該薄膜の両端部が前記チューブの外周に気密に
    取り付けられてカフが形成されると共に、該カフ内にガ
    スを注入排出して該カフを任意に膨縮させるためのカフ
    膨張用チューブが接続されてなる気管用チューブにおい
    て、前記カフ内に前記カブ膨張用チューブと連通しない
    第2の独立したカフを設けると共に、該第2のカフに包
    囲された前記チューブの管壁部分に、該チューブの内部
    と第2のカフ内を連通する1個または2個以上の通気孔
    を設け、かつ該チューブの外壁と第2のカフとの間に、
    前記通気孔を介して該チューブの内部と連続する隙間を
    形成するための隙間形成手段を設けたことを特徴とする
    二重カフ付き気管用チューブ。
  2. 【請求項2】隙間形成手段がチューブの外壁に形成され
    た多数の突起または溝状の凹凸である特許請求の範囲第
    1項記載の気管用チューブ。
  3. 【請求項3】隙間形成手段が第2のカフ内面に形成され
    た微小な凹凸である特許請求の範囲第1項記載の気管用
    チューブ。
  4. 【請求項4】隙間形成手段がチューブの外壁に巻き付け
    られた網である特許請求の範囲第1項記載の気管用チュ
    ーブ。
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CN104096304A (zh) * 2013-04-03 2014-10-15 迪斯珀舍医疗器材工业和贸易有限公司 消除气管损害的嵌套使用气管插管气囊系统

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