JPH07104315B2 - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

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JPH07104315B2
JPH07104315B2 JP62180435A JP18043587A JPH07104315B2 JP H07104315 B2 JPH07104315 B2 JP H07104315B2 JP 62180435 A JP62180435 A JP 62180435A JP 18043587 A JP18043587 A JP 18043587A JP H07104315 B2 JPH07104315 B2 JP H07104315B2
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electron acceptor
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oxidoreductase
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史朗 南海
健一 森垣
真理子 河栗
佐知子 末次
きよみ 小松
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、種々の微量の生体試料中の特定成分につい
て、試料液を希釈することなく、迅速かつ簡易に定量す
ることのできるバイオセンサに関するものである。
従来の技術 従来、血液などの生体試料中の特定成分について、試料
液の希釈や撹拌などの操作を行なうことはなく高精度に
定量する方式としては、第3図に示すようなバイオセン
サが提案されている。第3図はセンサ構造の断面図であ
る。絶縁性基板8にスクリーン印刷により、導電性カー
ボンを印刷し、測定極6、対極7からなる電極系とリー
ド部とを形成する。次に電極系を部分的に覆い、一定の
電極面積が得られるように、絶縁性ペーストを印刷して
絶縁層5を形成する。多孔体1と孔径1μの濾過膜2
は、保持枠3,4に保持されている。前記多孔体1には、
酸化還元酵素と電子受容体が含浸されている。
以上のように構成されたバイオセンサについて、以下そ
の動作について説明する。試料液を多孔体1上へ滴下す
ると、試料液に多孔体中の電子受容体が溶解して試料液
中の基質との間で酵素反応が進行し、電子受容体が還元
される。反応が終了した試料液のうち、血液中の赤血
球、白血球のような測定を妨害するような巨大タンパク
質等を濾過膜2で濾別し、電子受容体、塩類などの低分
子量のものを含む試料反応液を電極6,7上へ降下する。
電極上で、前記の還元された電子受容体を電気化学的に
酸化し、この時得られた酸化電流値から、試料液中の基
質濃度が求められる。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の従来の電極系の構成では、センサの
保存性が悪い欠点と、試料の濾過液量が少ないため精度
が悪い欠点を有していた。
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、酸化還元
酵素と電子受容体を別々に含有させ、かつその間に濾過
膜を構成することにより、センサの保存性を改善し、さ
らに本構成によって濾過液量を増加させることにより、
精度の高い、バイオセンサを提供することを目的とす
る。
問題点を解決するための手段 この目的を達成するために、少なくとも測定極と対極か
らなる電極系を設けた絶縁性の基板を備え、酵素と電子
受容体と試料液の反応に際しての物質濃度変化を電気化
学的に前記電極系で検知し、前記試料液の基質濃度を測
定するバイオセンサにおいて、前記電極系上に酸化還元
酵素を含有する層と電子受容体を含有する層と多孔性の
濾過膜とを備え、 前記酸化還元酵素を含有する層と、電子受容体を含有す
る層の間に前記濾過膜を配したものである。
作用 この構成によれば、電子受容体の保存中の変化を防ぐこ
とができ、センサの保存性が改善されると共に、試料の
濾過液量が多くなり測定精度が向上することとなる。
実 施 例 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。
バイオセンサの一例として、グルコースセンサについて
説明する。第1図は、グルコースセンサの一実施例につ
いて示したもので、センサ構成の断面図である。ポリエ
チレンテレフタレートからなる絶縁性の基板8に、スク
リーン印刷によりカーボンペーストを印刷し測定極6、
対極7を形成する。次に電極系を部分的に覆い、前記の
測定極6及び対極7を露出するように、絶縁性ペースト
を前記同様印刷して絶縁層5を形成する。次に穴を開け
た樹脂製の保持枠4を絶縁層5に接着する。電極系上
に、水溶性高分子中に含有された酸化還元酵素層10を設
ける。水溶性高分子としてはカルボキシメチルセルロー
ス、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニールアルコールな
どが使用できる。酸化還元酵素として本実施例の場合、
グルコースオキシダーゼが用いられる。酸化還元酵素層
10の上に空隙部11を設け、空隙部11の上に孔径1μの濾
過膜2を設ける。濾過膜2はポリカーボネートからな
る。濾過膜2の上には電子受容体層9を設ける。電子受
容体層9はフェリシアン化カリウムを含有した多孔体1
から構成されていて、多孔体としてはパルプやナイロン
不織布が最適である。電子受容体層9の周囲に保持枠3
が設けられている。
以上のように構成されたグルコースセンサについて、以
下その動作を説明する。まず、上記の様に構成したグル
コースセンサの電子受容体層9へ試料液として、全血を
滴下する。電子受容体層中で、フェリシアン化カリウム
が全血中に溶解する。フェリシアン化カリウムを溶解し
た全血は、濾過膜を通過する際、赤血球などの固形分が
除去される。固形分が電極表面に達すると、測定精度が
悪くなる。次に濾過試料液に酸化還元酸素層のグルコー
スオキシダーゼが溶解し、次の酵素反応がおきる。
即ちフェリシアン化カリウムは、グルコースオキシダー
ゼにより、グルコースと反応して、フェロシアン化カリ
ウムに変化する。次にカーボン電極上でフェロシアン化
カリウムは電気化学的に酸化することによりフェリシア
ン化カリウムを生成する。この酸化電流が、基質である
グルコース濃度に対応する。このカーボン電極上での酸
化反応は次式で示される。
本発明により構成されたグルコースセンサの保存性を第
2図に示す。第2図は25℃の保存性を示す。横軸に経過
月数、縦軸に測定酸化電流値を示している。測定極の大
きさは1×1mm、酸化電位として0.1V、印加時間を5秒
としてこの時流れる酸化電流のピーク電流値を測定値と
する。試料にはグルコース100mg/dlを含む全血を用い
る。第2図の曲線Aは本発明の保存変化、曲線Bは従来
の保存変化である。本発明のグルコースセンサは保存性
に優れることがわかる。酵素と電子受容体が混在する
か、または酵素層と電子受容体層とが接触することによ
り、なぜ電子受容体に変化が起こるかその原因は明らか
でない。本来、基質が存在しない限り、酵素反応は進行
しないはずである。即ち(1)式の酵素反応は基質のグ
ルコースと電子受容体のフェリシアン化カリウムと酸化
還元酵素のグルコースオキシダーゼの3つが存在しない
限り、フェロシアン化カリウムは生じないはずである。
しかしながら25℃の保存中に僅かづつ、酸化還元酵素の
グルコースオキシダーゼと混在するフェリシアン化カリ
ウムがフェロシアン化カリウムに変化している。
本発明はこの変化の現象を起こさせないように、酸化還
元酵素層と電子受容体層との間に濾過層を設け、両者の
接触を防止している。従って本実施例では電極系上に酸
化還元酵素層を設け、濾過膜を介して電子受容体層が設
けられているが、その逆に電極系上に電子受容体層を設
け、濾過膜を介して酸化還元酵素層を設けてもよい。液
を十分に電極に降下させるには濾過膜の上に溶解し易す
い電子受容体をのせて、電極の上に酸化還元酵素を設け
る方がよい。
第2図に示すように、測定値の精度も本発明が優れてい
ることがわかる。この理由は濾過膜の上のパルプ層の含
有する物質が少ないため濾過反応液が十分電極に到達す
るからである。即ち、酸化還元酵素または電子受容体の
一方のみをパルプに含有させているので、パルプ中での
試料液の通過は容易となる。濾過反応液量が少ない場合
は、電極上の液が少なくなり、本来の測定値より低い値
が測定され、精度は悪くなる。
本発明ではグルコースセンサについて示したが、酸化還
元酵素と電子受容体との組合せも前記実施例に限定され
ることなく、本発明の主旨に合致するものであれば用い
ることができる。上記実施例においては、電極系として
2電極方式の場合について述べたが、参照電極を加えた
3電極方式でも測定は可能である。
発明の効果 以上のように本発明によれば、酸化還元酵素を含有する
層と電子受容体を含有する層との間に多孔性の濾過膜を
構成することにより、保存性の優れた、精度の高いバイ
オセンサを実現できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のバイオセンサの縦断面図、第2図は酸
化電流測定値の経時変化を示す図、第3図は従来のバイ
オセンサの縦断面図である。 1……多孔体(酸化還元酵素と電子受容体を含有する多
孔体)、2……濾過膜、3……保持枠、4……保持枠、
5……絶縁層、6……測定極、7……対極、8……基
板、9……電子受容体層、10……酸化還元酵素層、11…
…空隙部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河栗 真理子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 末次 佐知子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小松 きよみ 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも測定極と対極とからなる電極系
    を絶縁性の基板上に設け、 酵素と電子受容体と試料液の反応に際しての物質濃度変
    化を電気化学的に前記電極系で検知し、前記試料液の基
    質濃度を測定するバイオセンサにおいて、前記電極系上
    には酸化還元酵素を含有する層と電子受容体を含有する
    層と多孔性の濾過膜が備えられており、 前記酸化還元酵素を含有する層と、電子受容体を含有す
    る層の間に前記濾過膜を配したバイオセンサ。
  2. 【請求項2】酸化還元酵素を含有する層を電極系上に設
    け、かつこの酸化還元酵素層の上に順に濾過膜、電子受
    容体を含有する層が構成されている特許請求の範囲第1
    項記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】酸化還元酵素を含有する層が、水溶性高分
    子である特許請求の範囲第1項記載のバイオセンサ。
  4. 【請求項4】電子受容体を含有した層が多孔体である特
    許請求の範囲第1項記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】電極系が、絶縁性の基板上にスクリーン印
    刷で形成されたカーボンを主体とする材料からなる特許
    請求の範囲第1項記載のバイオセンサ。
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