JPH07104022A - 高調波の発生源探査装置 - Google Patents

高調波の発生源探査装置

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JPH07104022A
JPH07104022A JP5250785A JP25078593A JPH07104022A JP H07104022 A JPH07104022 A JP H07104022A JP 5250785 A JP5250785 A JP 5250785A JP 25078593 A JP25078593 A JP 25078593A JP H07104022 A JPH07104022 A JP H07104022A
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memory area
harmonic
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JP5250785A
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English (en)
Inventor
Hidekazu Yanagisawa
英一 柳沢
Takashi Sumiya
尚 角谷
Gen Ueda
玄 上田
Katsuro Ishihara
克朗 石原
Hidetaka Tomonou
英尊 友納
Fumiaki Kono
文昭 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chubu Electric Power Co Inc
Energy Support Corp
Original Assignee
Chubu Electric Power Co Inc
Energy Support Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】変電所内において複数の観測点から同時に探査
することにより、適確に高調波の発生源を突き止める。 【構成】変電所Sからの母線2と、母線2から分岐され
た二次側母線5a〜5c…及び二次側母線から分岐され
たフィーダ6a〜6f…に電圧センサPT1 ,PT2 …
及び電流センサCT1 〜CT8 …を設け、これらのセン
サPT1 ,PT2,CT1 〜CT8 にて各線路に流れる
交流の電圧値または電圧値をそれぞれ検出し、そのデー
タに基づいて高調波を適確に探査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は変電所にあって、その接
続系統中に発生した高調波発生源を探査する高調波の発
生源探査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、需要家にて使用される負荷にはイ
ンバータ回路等のスイッチング動作を行うものが急増し
ており、配電線にて各需要家に供給される電力中にはそ
れらの負荷の作動によって高調波が含まれる頻度が高く
なっている。そして、この高調波は需要家にて使用され
る進相コンデンサの破壊等の種々の弊害を引き起こすた
め、その発生原因を確実に突き止めるために高調波の発
生場所や、発生時間等を検出し、迅速に対処して、高品
質な電力供給を維持することが望まれている。
【0003】また、高調波の発生に伴う問題点として、
交流フィルタや進相用コンデンサ等の容量性インピーダ
ンスと送電線、変圧器、発電機等の系統の誘導性インピ
ーダンスによる共振現象が発生し、3次、5次あるいは
7次等の低次高周波が異常拡大することがある。従っ
て、起電電流に含まれる高調波は低次高調波(周波数が
小)になる程その含有率が大きくなる特性を有してお
り、起電回路の共振周波数が小さくなると、負荷電流の
高調波により高調波共振現象をおこす。そこで、変電所
の起電電流が著しく歪むため、共振の発生場所や、発生
時間等を速やかに検出し、対処することが望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、高調波の発
生場所をより確実に突き止めるためには、複数の観測点
から同時に探査する必要があるが、上記した方法では一
探査装置での観測であったため、高調波の発生源を適確
に突き止めることはできないという問題があった。
【0005】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものであって、その目的
とするところは、変電所内において複数の観測点から同
時に探査することにより、適確に高調波の発生源を突き
止めることの可能な高調波の発生源探査装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、変電所内において母線、二次側母線及び
二次側母線から分岐されるフィーダに設けられている複
数の子局と、前記各子局に設けられ、幹線及び分岐線に
流れる電圧値または電流値を検出する複数の検出手段
と、前記検出手段にて検出された電圧値または電流値を
親局に対し伝送する伝送手段と、前記親局に設けられ、
伝送手段にて伝送された電圧値または電流値に基づいて
高調波電力を演算する演算手段とを備えたことを要旨と
するものである。
【0007】
【作用】このように構成された本発明は、検出手段にて
母線、二次側母線及び幹線フィーダに流れている電流値
または電圧値が検出される。検出されたデータは検出さ
れたデータは伝送手段にて親局へ伝送され、親局の演算
手段にて高調波電力が演算される。
【0008】
【実施例】以下、本発明を変電所内における高調波の発
生源探査装置に具体化した一実施例を図面に従って説明
する。
【0009】図5に示すように、変電所S内において、
発電所1から延びる母線2は複数のバンク3a〜3c…
に分岐され、各バンク3a〜3c…にはトランス4が設
けられている。各バンク3a〜3c…における二次側母
線5a〜5c…は、複数のフィーダ6a〜6f(バンク
3aのフィーダ6a〜6fのみ図示する。)に分岐され
ている。また、母線2、二次側母線5a〜5c…及びフ
ィーダ6a〜6fはいずれも三相となっている。
【0010】次に、高調波発生源探査装置について説明
する。図1に示すように、高調波探査装置7は一つの親
局8と複数の子局9とから構成され、親局8と各子局9
とはそれぞれ伝送手段としての電話回線10で接続され
ている。各子局9は各バンク3a〜3c…毎に一つ設け
られている。
【0011】本実施例において、各子局9はそれぞれ検
出手段としての電圧センサPT1 ,PT2 と検出手段と
しての電流センサCT1 〜CT8 を備えている。そし
て、図5に示すように、電流センサCT1 〜CT8 は前
記各フィーダ6a〜6f、二次側母線5a〜5c…及び
母線2のU,V,W相(3ch)毎に取着されている。
また、電圧センサPT1 ,PT2 は母線2及び二次側母
線5a〜5c…の各相毎に取着されている。
【0012】図1及び図2に示すように、各々の電流セ
ンサCT1 〜CT8 及び電圧センサPT1 ,PT2 は、
インターフェース部13及を介して各センサCT1 〜C
T8,PT1 〜PT2 毎の信号処理部14に接続されて
いる。複数の信号処理部14は共通の制御部15に接続
されている。各制御部15はモデム16を介して前記電
話回線10と接続され、各電話回線10は親局8に設け
られたモデム17にそれぞれ接続されている。子局9に
はインターフェース部13、信号処理部14、及び制御
部15を作動させるための電源部18を内蔵している。
【0013】前記モデム17は共通の回線切換器19を
介して演算手段としてのコンピュータ20に接続されて
いる。コンピュータ20には光磁気ディスク21、プリ
ンタ出力装置22及びX−Yプロッタ出力装置23に接
続され、これらの各機器がコンピュータ20からの指令
によって作動するようになっている。
【0014】前記信号処理部14を図3に従って説明す
る。各相毎のデータを検出可能な電流センサCT1 〜C
T8 及び電圧センサPT1 ,PT2 はそれぞれ増幅アン
プ24とフィルタ25とを介してA/D変換回路26に
接続されている。各相のA/D変換回路26は各相毎の
FIFOメモリ(First in First ou
t メモリ)27に接続されている。FIFOメモリ2
7と、ROM(Read Only Memory)2
8、SRAM(Static RandomAcces
s Memory)29、SRAM30、デュアルポー
トRAM31、デコーダ32、及びDSP(Digit
al Signal Processer)33とはア
ドレスバス34を介して相互に接続されている。
【0015】前記デコーダ32はA/D変換回路26、
FIFOメモリ27、ROM28、SRAM29、SR
AM30及びデュアルポートRAM31に接続されてい
る。また、前記FIFOメモリ27、ROM28、SR
AM29、SRAM30、デュアルポートRAM31及
びDSP33はデータバス35を介して相互に接続され
ている。ROM28にはDSP33を制御するためのプ
ログラムが書き込まれている。そして、DSP33は信
号処理部14全体の処理を制御する。
【0016】次に、制御部15を図4に従って説明す
る。前記制御部15にはCPU(中央処理装置)36が
設けられ、CPU36はアドレスバス37を介してデコ
ーダ38、ROM39、SRAM40、DRAM(Dy
namic Random Access Memor
y)41及びリアルタイムクロック44に接続されてい
る。そして、ROM39にはCPU36を制御するため
のプログラムが書き込まれている。また、CPU36に
書き込まれるデータはSRAM40にてデータの書換え
が行われる。このアドレスバス37はアドレスバス接続
端子42を介して前記信号処理部14のデュアルポート
RAM31に接続されている。
【0017】また、CPU36はデータバス43を介し
てデコーダ38、ROM39、SRAM40、DRAM
41及びリアルタイムクロック44に接続されている。
このデータバス43はデータバス接続端子45を介して
前記信号処理部14のデュアルポートRAM31に接続
されている。
【0018】前記デコーダ38はROM39、SRAM
40、DRAM41及びリアルタイムクロック44に接
続されている。リアルタイムクロック44にはそれを所
定時間動作させるためのクロック47が接続されてい
る。そして、このクロック47のクロックに基づいてリ
アルタイムクロック44が計測され、本実施例では10
分間の電圧値及び電流値がサンプリングされる。
【0019】CPU36にはリセットボタン48が接続
され、接続端子49を介して信号処理部14のDSP3
3に接続されている。リセットボタン48のON・OF
F動作に伴い、前記信号処理部14及び前記制御部15
が再スタートされる。また、CPU36はシステムクロ
ック50が接続され、システムクロック50にてCPU
36の作動時間が制御される。さらに、CPU36は入
出力インターフェース51、入出力ポート52を介して
前記モデム17に、もしくはコンピュータ69に接続さ
れている。
【0020】制御部15にはDSPクロック53が設け
られている。DSPクロック53はクロック接続端子5
4を介して前記信号処理部14のDSP33に接続され
ている。そして、このDSPクロック53にて各信号処
理部14におけるDSP33が同期制御される。
【0021】制御部15にはサンプリングクロック55
が設けられている。サンプリングクロック55はクロッ
ク接続端子56を介して各信号処理部14のディバイダ
57に接続され、サンプリング周期を実現している。こ
のディバイダ57と各相のA/D変換回路26とは相互
に接続されている。そして、サンプリングクロック55
にて電圧値及び電流値の8サイクル(電圧値及び電流値
の基本周波数の8倍)の1/8192ポイント毎の時間
が計測される。
【0022】次に、このように構成された高調波探査装
置7による検出状況を図10〜図17のフローチャート
に従って説明する。なお、図10に示すフローチャート
は制御部15の動作を示し、図11〜図17に示すフロ
ーチャートは信号処理部14の動作を示す。
【0023】(制御部の処理)まず、制御部15の処理
について説明する。図10に示すように、電源をONあ
るいはリセットボタン48を操作するとステップ1の処
理を開始する。それとともに、CPU36は制御部15
のSRAM40及びDRAM41に記憶されていたデー
タを消去するとともに、SRAM40及びDRAM41
が正常に動作するか否かのチェックを行う。そして、制
御部15のプログラムを実行することにより必要な設定
を順次行っていく。
【0024】ステップ1で初期設定が完了したら、ステ
ップ2で親局8のコンピュータ20にて予め設定された
観測スタート時刻、どの観測モードで観測を行うのか
(後記するが、定時刻観測モード、最大値観測モード
1、最大値観測モード2、最大値観測モード3があ
る。)さらに、最大値観測モードの場合には、何次の高
調波を判定要素とするのか等の命令(以下、設定メニュ
ーという。)をパケット通信で受信する。
【0025】設定メニューを受信したら、CPU36は
制御部15の観測スタート準備が整ったと判断してステ
ップ3へ移行する。なお、高調波の判定要素は、1次か
ら50次(基本波からその基本波の50倍)の範囲で任
意に設定可能である。この実施例では第5次についての
高調波含有率比較を実施している。
【0026】ステップ3でリアルタイムクロック44に
て親局8のクロックと子局9のクロック47の時刻をあ
わせ、親局8と子局9の制御部15とが同期されたらス
テップ4へ移行する。ステップ4でCPU36は信号処
理部14に親局8から前記パケット通信にて受信された
設定メニューを信号処理部14のDSP33に設定する
(書き込む)。
【0027】次いで、ステップ5でCPU36が設定メ
ニューで設定された観測スタート時刻になったことを判
断すると、ステップ6に移行し、CPU36がリアルタ
イムクロック44のアラーム機能を10分毎に作動する
ように設定し、高調波の検出を開始する。その後、ステ
ップ7でCPU36が10分経過したことを判断する
と、リアルタイムクロック44はCPU36にて10分
間の観測が終了したことを知らせるアラームをセット
し、測定完了信号をCPU36に対し出力する。CPU
36に測定完了信号が入力された際、ステップ7−2で
アラームを再セットし、ステップ7−3で信号処理部1
4において説明するステップ20の処理を受けてCPU
36は10分間の測定が完了したと判断する。
【0028】ステップ8でCPU36はデータバス43
を介して信号処理部14で選出された全てのデータ(電
圧値及び電流値)を収集し、DRAM41へ書き込む。
そして、ステップ9でCPU36はその収集されたデー
タを10分経過する毎にモデム17により電話回線10
を介して親局9のコンピュータ20へ伝送する。
【0029】(信号処理部の処理)次に、信号処理部1
4の処理について説明する。図11に示すように、前記
制御部15の説明でステップ1の処理と同時進行して、
ステップ10(S10)の処理が行われる。すなわち、
DSP33は信号処理部14のFIFOメモリ27、S
RAM29、SRAM30及びデュアルポートRAM3
1を初期化するとともに、各種メモリ27,29,3
0,31内が正常に動作するか否かのチェックを行う。
【0030】次いで、前記制御部15で説明したステッ
プ4の処理を受けて、ステップ11でDSP33は制御
部15から設定メニューを受信したことを判断すると、
ステップ11−2に移行して前記制御部15からサンプ
リングクロックの供給がされる。その供給後、ステップ
12に移行し、10分間のサンプリングを開始する。
【0031】ステップ12で複数の電流センサCT1 〜
CT8 及び電圧センサPT1 ,PT2 にて検出された各
相のデータ(電流値及び電圧値)は、インターフェース
部13を介して信号処理部14に入力される。信号処理
部14に入力されたデータは増幅アンプ24を介してフ
ィルター25に入力され、フィルター25により50次
の周波数成分の数倍までが選出され、A/D変換回路2
6にてA/D変換される。このとき、サンプリングクロ
ック55にて8サイクルあたり8192ポイントのデー
タに区切られて出力される。(以下、この8サイクル分
のデータを生データという。)そして、各相の生データ
は順次FIFOメモリへ書き込まれる。
【0032】ステップ13で前記設定メニューで指定さ
れた観測モードが定時刻観測モードである場合には、図
12に示すステップ16へ移行し、そうでない場合には
ステップ14へ移行する。ステップ14で観測モードが
最大値観測モード1である場合には、図13に示すステ
ップ30へ移行し、そうでない場合にはステップ15へ
移行する。ステップ15で観測モードが最大値観測モー
ド2である場合には、図14に示すステップ50へ移行
し、そうでない場合、すなわち、最大値観測モード3で
ある場合には図15に示すステップ70へ移行する。
【0033】次に、個々の観測モードについて説明す
る。なお、ステップ16からステップ19までは定時刻
観測モードの処理を示し、ステップ30からステップ4
2までは最大値観測モード1の処理を示し、ステップ5
0からステップ61まで及びステップ42は最大値観測
モード2の処理を示し、ステップ70からステップ84
まで及びステップ42は最大値観測モード3の処理を示
す。さらに、ステップ20〜ステップ23は各種観測モ
ードの共通の処理を示す。
【0034】(定時刻観測モード)まず、定時刻観測モ
ードについて図12に基づいて説明する。ステップ16
でFIFOメモリ27の生データはDSP33にて、S
RAM29のメモリ領域内に書き込まれる。ステップ
17で各相の生データがSRAM29のメモリ領域へ
の書き込み処理が終了すると、ステップ18へ移行し、
10分間経過した場合にはステップ19へ移行する。ス
テップ19でDSP33は10分間のうち最初に取り込
まれた各相の生データを選出し、デュアルポートRAM
31へ書き込む。
【0035】また、ステップ20で制御部15へデータ
確定を通知することにより、前記制御部15のステップ
7−3にてこれを受ける。その後、ステップ20−2で
生データの収集終了を確認してステップ21でSRAM
29のメモリ領域に書き込まれた生データを全てクリ
アする。次いで、ステップ22で定時観測モードである
ので前記ステップ12に移行し、ステップ12〜23ま
での動作を繰り返し行う。
【0036】なお、図6は定時観測モードで観測した観
測結果を示す。aは各センサPT1,PT2 ,CT1 〜
CT8 の各相において、10分間(図6中に示すS)収
集された生データの内、最初に収集された生データを示
す。従って、定時観測モードで一定間隔のサンプリング
を行うことにより、定常的に現れている高調波を連続で
検出し、解析できる。 (最大値観測モード1)次に、最大値観測モード1につ
いて図13に基づいて説明する。ステップ30でFIF
Oメモリ27に書き込まれた生データの内、10分間の
計測を開始してから最初の生データである場合には、ス
テップ32へ移行し、DSP33がFIFOメモリ27
から最初の生データを読み出してSRAM29のメモリ
領域へ書き込む。
【0037】続いて、ステップ30でFIFOメモリ2
7に書き込まれた生データの内、2回目以降に取り込ま
れる生データである場合には、ステップ31へ移行し、
DSP33がSRAM29のメモリ領域が空いている
か否かを判断する。そして、空いている場合には、ステ
ップ32へ移行し、DSP33がFIFOメモリ27か
ら生データを選出してSRAM29のメモリ領域へ書
き込む。
【0038】また、ステップ31でDSP33がSRA
M29のメモリ領域が空いていないと判断した場合に
は、ステップ33へ移行し、DSP33がFIFOメモ
リ27から生データを選出してSRAM30のメモリ領
域へ書き込む。
【0039】ステップ34で各相の生データがSRAM
29のメモリ領域もしくはSRAM30のメモリ領域
へ書き込まれたら、ステップ34−1へ移行する。ス
テップ34−1でマスタ(電圧センサPT2 )の信号処
理部であれば、ステップ35でDSP33がメモリ領域
及びメモリ領域に書き込まれた生データの内、直前
に書き込み更新された生データについて、前記親局8か
ら受信したパケット内の高調波の判定要素となる特定次
数により高調波含有量をFFT(Fast Fouri
er Transform)演算して高調波含有率を演
算する。このFFT演算中においても、各相のFIFO
メモリ27には生データがサンプリング周期に従い順次
書き込まれる。なお、この高調波含有率の計算はFFT
演算の代わりに積和演算にて演算してもよい。
【0040】そして、ステップ36で現在値の生データ
(直前に書き込み更新された最新の生データ)と、現在
値の生データよりも過去に書き込まれた生データの高調
波含有率(比較値)の大小を比較し、現在値の生データ
の高調波含有率が前回値の生データよりも大きい場合に
は、ステップ37へ移行する。
【0041】ステップ37において、DSP33は現在
値の生データが書き込まれているメモリ領域を保持す
る。例えば、SRAM30のメモリ領域に現在値の生
データが保持されている場合には、メモリ領域を保持
する。それとともに、ステップ38でDSP33は高調
波含有率の低い生データが書き込まれた他方のメモリ領
域、この場合SRAM29のメモリ領域に相当し、そ
こに書き込まれた生データをクリアする。
【0042】そして、ステップ39でDSP33はクリ
アされた過去の生データの高調波含有率データ(以下、
単に含有率データという)をもクリアし、代わりに現在
値の生データの含有率データを新比較値として更新保持
する。そして、この更新された含有率データは次回にサ
ンプリングされる生データに付随する含有率データと比
較するための比較値となる。また、前記ステップ34−
1でマスタの信号処理部以外の場合(すなわちスレーブ
の信号処理部、電圧センサPT1 、電流センサCT1 〜
CT8 )は、ステップ34−2へ移行する。ステップ3
4−2でマスタのU,V,W相のうち何れか一つの相で
も更新されたときは、ステップ34−3で更新された相
における同一時間軸上の現在値の生データを格納するメ
モリ領域を保持し、ステップ34−4で他方のメモリ領
域をクリアする。一方、ステップ34−2で更新された
相がなければステップ40へ移行する。
【0043】このように、DSP33は順次サンプリン
グされる生データに基づいて高調波含有率を演算する。
そして、その含有率データが過去最大である時にはSR
AM29のメモリ領域とSRAM30のメモリ領域
内の生データと含有率データとをそれぞれ更新し、ステ
ップ40で各相の処理が終了するまで、このステップ3
5〜40での処理を繰り返す。また、ステップ41で1
0分(図7におけるS1 )経過するまで、このステップ
12〜14及びステップ30〜40での処理を繰り返し
た後にステップ42に移行する。
【0044】ステップ42で上記の測定方法によって得
られた生データ(SRAM29のメモリ領域、もしく
はSRAM30のメモリ領域に保存された生データ)
を制御部15へのデータ確定をするためにデュアルポー
トRAM31へ書き込む。そして、ステップ20で生デ
ータの確定を通知することにより、前記制御部15のス
テップ7−3にてこれを受ける。
【0045】その後、ステップ20−2で生データの収
集終了を確認して、ステップ21でSRAM29のメモ
リ領域及びSRAM30のメモリ領域内に保存され
た生データを全てクリアし、ステップ22へ以降する。
ステップ22でこのモードは定時観測モード以外のモー
ドであるので、ステップ23へ移行する。ステップ23
でメモリ領域及びメモリ領域内に保存された含有率
データを全てクリアする。次いで、ステップ12で設定
メニューで再度観測するように設定されている場合に
は、上述した動作を繰り返し行う。
【0046】なお、図7は最大値観測モード1での観測
結果を示す。本実施例においては親局9からの設定メニ
ューで含有率データの基準となるセンサを電圧センサP
T2に指定した。a1 ,b1 ,c1 は電圧センサPT2
におけるU相,V相及びW相各々の含有率データの最大
値を示す生データである。これらの生データa1 ,b1
,c1 と同一相かつ同一時間軸上の他の電圧センサP
T1 、電流センサCT1〜CT8 にて得られた生データ
を観測データ(ハッチングで示す部分のデータ)とす
る。従って、最大値観測モード1によれば、各相毎に現
れる突発的な高調波を検出することができる。 (最大値観測モード2)次に、最大値観測モード2につ
いて図14に基づいて説明する。ステップ50でFIF
Oメモリ27に書き込まれた生データの内、2回目以降
取り込まれた生データである場合には、ステップ51へ
移行し、DSP33がSRAM29のメモリ領域が空
いているか否かを判断する。そして、空いている場合に
は、ステップ52へ移行し、DSP33がFIFOメモ
リ27からSRAM29のメモリ領域へ書き込む。
【0047】続いて、ステップ51でDSP33がSR
AM29のメモリ領域が空いていないと判断した場合
には、ステップ53へ移行し、DSP33がFIFOメ
モリ27から生データを選出してSRAM30のメモリ
領域へ書き込む。
【0048】ステップ54で各相の2回目の生データが
SRAM29のメモリ領域もしくはSRAM30のメ
モリ領域への書き込み処理が終了すると、ステップ5
4−1へ移行する。ステップ54−1でマスタ(電圧セ
ンサPT2 )の信号処理部であれば、ステップ55でD
SP33がメモリ領域及びメモリ領域に書き込まれ
た生データの内、設定メニューで指定された(本実施例
においてはマスタの電圧センサPT2 におけるW相を指
定相とする。)生データについて高調波含有量をFFT
演算を実行して高調波含有率を演算する。このFFT演
算中においても、各相のFIFOメモリ27には次の8
サイクル生データが順次書き込まれている。
【0049】そして、ステップ56で現在値の生データ
(直前に書き込み更新された生データ)と、現在値の生
データよりも過去に書き込まれた生データの高調波含有
率の大小を比較し、現在値の生データの高調波含有率が
過去の生データよりも大きい場合には、ステップ57へ
移行する。
【0050】ステップ57で現在値の生データが書き込
まれているメモリ領域を保持する。例えば、SRAM3
0のメモリ領域に電圧センサPT2 におけるW相の現
在値生データが保持されている場合には、メモリ領域
を保持する。ステップ58でメモリ領域において、W
相と同一時間軸上のV相及びU相の生データをも保持す
る。ステップ59で高調波含有率の低い生データが書き
込まれたメモリ領域、この場合SRAM29のメモリ領
域に相当し、メモリ領域に書き込まれた生データを
クリアする。
【0051】そして、ステップ60でDSP33はクリ
アされた過去の生データの高調波含有率データをもクリ
アし、代わりに前記メモリ領域にメモリ保持された生
データの含有率データを更新する。そして、この更新さ
れた含有率データは次回にサンプリングされる生データ
に付随する含有率データと比較するための比較値とな
る。また、マスタの電圧センサPT2 以外の信号処理部
は、マスタの指定相生データが更新されるのを受けて同
一時間軸上の各相の生データを更新する。
【0052】このように、マスタの信号処理部におい
て、サンプリングした生データに基づいて高調波含有率
を演算し、その含有率データが過去最大である時にはS
RAM29のメモリ領域またはSRAM30のメモリ
領域内の生データと含有率データとをそれぞれ更新
し、ステップ61へ移行する。ステップ61で10分
(図8におけるS2 )経過するまでこのステップ12〜
15及びステップ50〜60での処理を繰り返した後
に、ステップ42に移行する。ステップ42以降は前記
最大値観測モード1で上述したのでその説明を省略す
る。
【0053】また、前記ステップ54−1の信号処理部
(電圧センサPT2 )でなければ、ステップ54−2で
マスタの信号処理部のW相における生データが更新され
たか否かが判断される。そして、更新されたのであれ
ば、ステップ54−3へ移行し、各相の現在値の生デー
タを格納するメモリ領域を保持し、ステップ54−4で
各相の他方のメモリ領域を開放後、前記ステップ61へ
移行する。一方、ステップ54−2で電圧センサPT2
のW相における生データが更新されていなければ、前記
ステップ61へ移行する。
【0054】なお、図8は最大観測モード2での観測結
果を示す。本実施例においては親局9からの設定メニュ
ーで含有率データの基準相を電圧センサPT2 のW相に
指定した。c2 は電圧センサPT2 におけるW相の含有
率データの最大値を示す生データであって、生データc
2 とその時間と同一時間軸上の電圧センサPT1 、電流
センサCT1 〜CT8 にて得られた他の相の生データを
観測データとする。なお、a2 は電圧センサPT2 のU
相の含有率データの最大値を示す生データを示し、b2
は電圧センサPT2 のV相の含有率データの最大値を示
す生データを示す。 (最大値観測モード3)次に、最大値観測モード3につ
いて図15〜図17に基づいて説明する。
【0055】図15に示すように、ステップ70でFI
FOメモリ27に書き込まれた生データの内、10分間
の計測を開始して最初の生データを取り込む場合には、
ステップ72へ移行し、DSP33がFIFOメモリ2
7から最初の生データを選出してSRAM29のメモリ
領域へ書き込む。
【0056】続いて、ステップ70でFIFOメモリ2
7に書き込まれた生データの内、2回以降に取り込まれ
る生データである場合には、ステップ71へ移行し、D
SP33がSRAM29のメモリ領域が空いているか
否かを判断する。空いている場合には、ステップ72へ
移行し、DSP33がFIFOメモリ27から生データ
を選出してSRAM29のメモリ領域へ書き込む。
【0057】また、ステップ71でDSP33がSRA
M29のメモリ領域が空いていないと判断した場合に
は、ステップ73へ移行し、DSP33がFIFOメモ
リ27から生データを選出してSRAM30のメモリ領
域へ書き込む。ステップ74で各相の2回目の生デー
タがSRAM29のメモリ領域及びSRAM30のメ
モリ領域への書き込み処理が終了すると、ステップ7
4−1へ移行する。ステップ74−1でマスタ(電圧セ
ンサPT2 )の信号処理部であれば、ステップ75でD
SP33が電圧センサPT2 のU相における生データの
内、直前に書き込み更新された生データについて高調波
含有量をFFT演算を実行して高調波含有率を演算す
る。このFFT演算中においても、FIFOメモリ27
にはU相の生データが順次書き込まれている。
【0058】また、ステップ76でDSP33が電圧セ
ンサPT2 のV相における生データの内、直前に書き込
み更新された生データについて高調波含有量をFFT演
算を実行して高調波含有率を演算する。このFFT演算
中においても、FIFOメモリ27にはV相の生データ
が順次書き込まれている。
【0059】さらに、ステップ77でDSP33が電圧
センサPT2 のW相における生データの内、直前に書き
込み更新された生データについて高調波含有量をFFT
演算を実行して高調波含有率を演算する。このFFT演
算中においても、FIFOメモリ27にはW相の生デー
タが順次書き込まれている。
【0060】そして、ステップ78でU相における現在
値の生データ(直前に書き込み更新された生データ)
と、現在値の生データよりも過去に書き込まれた生デー
タの高調波含有率の大小を比較し、現在値の生データの
含有率データが前回値の生データの含有率データよりも
大きい場合には、ステップ79へ移行する。
【0061】ステップ79において、U相の現在値の生
データが書き込まれているメモリ領域を保持する。例え
ば、SRAM30のメモリ領域に現在値の生データが
保持されている場合には、メモリ領域を保持する。ま
た、ステップ80において、U相以外の相の最大値を示
す相以外の相の生データをもメモリ領域に保持する。
例えば、前回値を示す現在値の高調波含有率の大小比較
により、更新される現在値の生データがU相であったと
するならば、その同一時間軸上のV相及びW相について
もメモリ領域内へ保持する。
【0062】それとともに、ステップ81で高調波含有
率の低い生データが書き込まれていることとなった他方
のメモリ領域、この場合SRAM29のメモリ領域に
相当し、メモリ領域に書き込まれた過去の生データを
クリアする。
【0063】そして、ステップ82でDSP33はクリ
アされた過去の生データの含有率データをクリアし、代
わりに前記メモリ領域にメモリ保持された生データの
含有率データ更新する。そして、この更新された含有率
データは次回に更新される生データに付随する含有率デ
ータと比較するための比較値となる。なお、前記ステッ
プ78において前回値より現在値が小さい時はステップ
78−1に移行する。
【0064】続いて、図16に示すように、ステップ7
8−1でV相における現在値の生データ(直前に書き込
み更新された生データ)と、現在値の生データよりも過
去に書き込まれた生データの高調波含有率の大小を比較
し、現在値の生データの含有率データが前回値の生デー
タの含有率データよりも大きい場合には、ステップ79
−1へ移行する。なお、図15に示すステップ78にお
いて、V相における現在値の生データの含有率データが
前回値の生データの含有率データよりも小さい場合に
は、ステップ78−1へ移行し、上述した処理が行なわ
れる。
【0065】ステップ79−1において、V相の現在値
の生データが書き込まれているメモリ領域を保持する。
例えば、SRAM30のメモリ領域に現在値の生デー
タが保持されている場合には、メモリ領域を保持す
る。また、ステップ80−1において、V相以外の相の
生データをもメモリ領域に保持する。例えば、前回値
と現在値の高調波含有率の大小比較により、更新される
現在値の生データがV相であったとするならば、その同
軸時間上のU相及びW相についてもメモリ領域内へ保
持する。
【0066】それとともに、ステップ81−1で高調波
含有率の低い生データが書き込まれていることとなった
他方のメモリ領域、この場合SRAM29のメモリ領域
に相当し、メモリ領域に書き込まれた過去の生デー
タをクリアする。
【0067】そして、ステップ82−1でDSP33は
クリアされた過去の生データの含有率データをクリア
し、代わりに前記メモリ領域にメモリ保持された生デ
ータの含有率データを更新する。そして、この更新され
た含有率データは次回に更新される生データに付随する
含有率データと比較するための比較値となる。
【0068】なお、ステップ78−1において、V相に
おける現在値の生データの含有率データが前回値の生デ
ータの含有率データよりも小さい場合には、ステップ7
8−2へ移行する。
【0069】続いて、ステップ78−2でW相における
現在値の生データ(直前に書き込み更新された生デー
タ)と、現在値の生データよりも過去に書き込まれた生
データの高調波含有率の大小を比較し、現在値の生デー
タの含有率データが前回値の生データの含有率データよ
りも大きい場合には、ステップ79−2へ移行する。
【0070】ステップ79−2において、W相の現在値
の生データが書き込まれているメモリ領域を保持する。
例えば、SRAM30のメモリ領域に現在値の生デー
タが保持されている場合には、メモリ領域に保持す
る。また、ステップ80−2において、W相以外の相の
生データをもメモリ領域に保持する。例えば、前回値
と現在値の高調波含有率の大小比較により、更新される
現在値の生データがW相であったとするならば、その同
軸時間上のU相及びV相についてもメモリ領域内へ保
持する。
【0071】それとともに、ステップ81−2で高調波
含有率の低い生データが書き込まれていることとなった
他方のメモリ領域、この場合SRAM29のメモリ領域
に相当し、メモリ領域に書き込まれた過去の生デー
タをクリアする。
【0072】そして、ステップ82−2でDSP33は
クリアされた過去の生データの含有率データをクリア
し、代わりに前記メモリ領域にメモリ保持された生デ
ータの含有率データを更新する。そして、この更新され
た含有率データは次回に更新される生データに付随する
含有率データと比較するための比較値となる。
【0073】このように、各相毎にサンプリングした生
データに基づいて高調波含有率を演算し、その含有率デ
ータが過去最大である時にはSRAM29のメモリ領域
とSRAM30のメモリ領域内の生データと含有率
データとをそれぞれ更新し、ステップ83で10分(図
9におけるS3 )経過するまでこのステップ12〜15
及びステップ70〜82での処理を繰り返した後に、ス
テップ84に移行する。
【0074】ステップ84−1でDSP33はU相、V
相及びW相において選出された生データの内、含有率デ
ータが最大である相(この場合W相)の生データを選出
し、選出された生データと同一時間軸上の他相データと
ともに観測データとする。その後、ステップ42に移行
する。ステップ42以降は前記最大値観測モード1で上
述したのでその説明を省略する。
【0075】また、図17に示すように、前記ステップ
74−1でマスタの信号処理部(電圧センサPT2 )で
なければ、ステップ74−2でマスタの信号処理部U相
における生データが更新されたか否かが判断される。そ
して、更新されたのであれば、ステップ74−3へ移行
し、同一時間軸上の各相の現在値の生データを格納する
メモリ領域を保持し、ステップ74−4で、前回値の生
データを格納するメモリ領域をクリアする。前記ステッ
プ74−2で生データが更新されなければ、ステップ7
4−5へ移行する。
【0076】続いて、ステップ74−5でマスタの信号
処理部V相における生データが更新されたか否かが判断
される。そして、更新されたのであれば、ステップ74
−6へ移行し、同一時間軸上の各相の現在値の生データ
を格納するメモリ領域を保持し、ステップ74−7で、
前回値の生データを格納するメモリ領域をクリアする。
前記ステップ74−5で生データが更新されなければ、
ステップ74−8へ移行する。
【0077】さらに続いて、ステップ74−8でマスタ
の信号処理部W相における生データが更新されたか否か
が判断される。そして、更新されたのであれば、ステッ
プ74−9へ移行し、同一時間軸上の各相の現在値の生
データを格納するメモリ領域を保持し、ステップ74−
10で、前回値の生データを格納するメモリ領域をクリ
アする。前記ステップ74−8で生データが更新されな
ければ、ステップ83−1へ移行する。
【0078】上述したように、マスタにおける生データ
の更新に伴いスレーブの生データをそれぞれ更新し、ス
テップ83−1で10分(図9におけるS3)経過する
までこのステップ12〜15及びステップ70〜82で
の処理を繰り返した後に、ステップ84−1に移行す
る。そして、このステップ84−1において、マスタ
(PT2 )の信号処理部にて決定された最大値相の他の
データ(PT1 ,CT1 〜CT8 )を保持する。その
後、ステップ42に移行する。ステップ42以降は前記
最大値観測モード1で上述したのでその説明を省略す
る。
【0079】なお、図9は最大観測モード3においての
10分間における観測結果を示す。生データa3 ,b3
,c3 は電圧センサPT2 における各相の含有率デー
タが最大値を示すデータである。その生データa3 ,b
3 ,c3 の内、生データc3 に付随する含有率データが
最大値を示した場合、含有率データの最大値を示すW相
の生データc3 の時間と同一時間軸上の電圧センサPT
1 、電流センサCT1 〜CT8 にて得られた他の相の生
データを観測データとする。
【0080】上述したように、信号処理部14では所望
の観測モードで生データが選出される。この生データは
コンピュータ20へ伝送され、コンピュータ20により
FFT演算にて高調波電力が演算される。そして、コン
ピュータ20はその演算結果を光磁気ディスク21に書
き込んだり、プリンタ出力装置22もしくはX−Yプロ
ッタ出力装置23に観測結果を出力する。
【0081】すなわち、これらの観測結果に基づいて、
下記に示すように、各フィーダ6a〜6fにおける高調
波の発生状況、各フィーダ6a〜6fにおける共振の発
生状況、各バンク3a,3b…における共振の発生状況
が検出される。以下、各種観測状況の具体例を図18〜
図21に基づいて説明する。なお、図18〜図21にお
いて示す矢印は高調波電力の流れる方向を示す。図18
に示すように、各フィーダ6a〜6fにおける高調波発
生状況を観測する場合、例えば、5次における同時刻の
観測結果について説明すると、フィーダ6cの高調波電
力が5KW、二次側母線5aの高調波電力が5KW及び
母線2の高調波電力が5KWを示したとする。この観測
結果より、高調波電力はフィーダ6cから二次側母線5
aを介して母線2に流れ込んでいるものと判断でき、高
調波の発生源はフィーダ6cにあると判断される。
【0082】また、図19に示すように、各フィーダ6
a〜6f…における共振状況を観測する場合、例えば、
5次における同時刻の観測結果について説明すると、フ
ィーダ6c,6dの高調波電力が5KW、二次側母線5
aの高調波電力が0KW及び母線2の高調波電力が0K
Wを示したとする。この観測結果より、高調波発生源は
フィーダ6cにあると判断されるとともに、フィーダ6
cとフィーダ6dの共振周波数が5次の周波数と一致し
たことで、発生源からの高調波電力はフィーダ6cから
フィーダ6dに流れ込み、両フィーダ6c,6dは共振
回路が形成された状態にあると判断される。
【0083】さらに、図20に示すように、各バンク3
a,3b…における共振状況を観測する場合、例えば、
5次における同時刻の観測結果について説明すると、二
次側母線5aの高調波電力が5KW及び二次側母線5b
の高調波電力が5KWを示したとする。この観測結果よ
り、高調波発生源はバンク3bにあると判断されるとと
もに、二次側母線5aと二次側母線5bの共振周波数が
5次の周波数と一致したことで、発生源からの高調波電
力は二次側母線5bから二次側母線5aに流れ込み、両
バンク3a,3bは共振回路が形成された状態にあると
判断される。従って、バンク3aとバンク3bとは共振
していることが判断される。
【0084】なお、図18〜図20において示した高調
波電力の流れる方向(同図矢印)の算出方法は以下のよ
うになっている。すなわち、図21に示すように、電圧
ベクトルに対する電流ベクトルの位相差をθとした場
合、一般に表1に示すようになっている。
【0085】
【表1】 例えば、5次において電圧ベクトルVに対する電流ベク
トルI1 の位相差が80°(θ1 )である場合には、高
調波電力が電源側から流入していると判断される。ま
た、電圧ベクトルVに対する電流ベクトルI2 の位相差
が−100°(θ2 )である場合には、高調波電力が負
荷側から電源側から流出していると判断される。つま
り、そのデータに基づいて観測者は観測した時刻に高調
波が電源側もしくは負荷側のどちら側で発生しているか
を方向判断する。
【0086】従って、変電所S内における母線2、二次
側母線5a〜5c…、各フィーダ6a〜6fに多数の電
圧センサPT1 ,PT2 及び電流センサCT1 〜CT8
を取着して各々の母線2,5a〜5c…,6a〜6fの
生データを同時刻に観測するようにした。この結果、い
ずれのフィーダ6a〜6fに高調波及び共振が発生して
いるか、または、いずれのバンク3a〜3c…に高調波
及び共振が発生しているかを適確に探査することができ
る。
【0087】また、子局9で10分間の間に選別された
生データにおいて、電圧ベクトルに対する電流ベクトル
の位相角が所定角進んでいるか、遅れているかを判断す
ることにより高調波の発生方向を判断することもでき
る。この結果、極めて短時間に高調波が発生しても必ず
検出されてそれらの発生場所、発生時間及び共振を判定
し、その発生原因を突き止めることが可能となる。
【0088】また、観測時において子局9と親局8との
同期をとるためにトリガ線等を網羅しなくても、観測開
始時刻を同期させることができて、複数の観測点から観
測データ(生データ)を連続的に収集して、高調波もし
くは共振の観測をすることができる。しかも、子局9に
は親局8と同様のコンピュータ20を省略できたので、
子局9の小型化に伴い設置スペースを確保することがで
きる。この結果、子局9は設定場所に制限を受けること
なく、任意の位置に複数配置することができる。
【0089】さらに、観測方法には定時刻観測モード及
び最大値観測モード1〜3の4種類の観測モードで測定
するようにした。よって、諸条件に応じた所望の観測デ
ータを収集することができ、高調波及び共振の発生原因
等を確実に突き止めることができる。
【0090】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
とはなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で以下のよ
うに適宜変更してもよい。 (1)上記実施例ではコンピュータ20が電圧ベクトル
と電流ベクトルの生データの位相角のずれを演算し、高
調波の発生方向を判別するようにしたが、その発生方向
をコンピュータ20のディスプレイに矢印等により表示
するようにしてもよい。
【0091】(2)上記実施例において、定時刻観測モ
ードで観測した場合には10分間の観測の内、最初の生
データを観測データとして収集したが、10分間の内ど
の時間帯を生データを収集するための定時刻として設定
してもよい。また、10分に限らず、任意の時間に設定
してもよい。
【0092】(3)前記実施例において生データは電圧
値及び電流値の基本周波数の8サイクル分を生データの
単位としたが、このサイクルを変更し、任意のサイクル
に設定してもよい。
【0093】(4)上記実施例において、各種モードで
の観測方法はいずれも第5次の高調波についてのみ含有
率を演算して生データを選出したが、複数の次数につい
て含有率を演算したり、全ての次数について含有率を演
算したりして生データを選出してもよい。
【0094】(5)上記実施例では通信回線として一般
の電話回線を利用したが、高調波観測のために特別に設
置された専用回線を使用してもよい。 (6)上記実施例では含有率を演算する高調波の次数を
親局8から指定するようにしたが、親局8から指令する
ことなく子局9における制御部15のROM28に特定
次数の高調波について演算を行うようにプログラムして
おいてもよい。
【0095】(7)上記実施例では通信の手段としてモ
デムを使用しているが、親局側のモデムは1台でもかま
わない。その場合、複数の子局との接続は交換器を利用
してもよい。
【0096】(8)上記実施例では通信回線として有線
を利用したが、親局・子局双方に無線器を設置し、無線
による通信を行ってもよい。
【0097】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、変
電所内において複数の観測点から同時に探査することに
より、適確に高調波の発生源を突き止めることができる
という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した高調波探査装置の電気的構
成を示すブロック図である。
【図2】同じく、子局における制御部と信号処理部の電
気的構成を示すブロック図である。
【図3】同じく、信号処理部の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】同じく、制御部の電気的構成を示すブロック図
である。
【図5】同じく、変電所内の系統を示す概略図である。
【図6】同じく、定時刻観測モードのサンプリング状況
を示すタイミングチャートである。
【図7】同じく、最大値観測モード1のサンプリング状
況を示すタイミングチャートである。
【図8】同じく、最大値観測モード2のサンプリング状
況を示すタイミングチャートである。
【図9】同じく、最大値観測モード3のサンプリング状
況を示すタイミングチャートである。
【図10】同じく、子局における制御部の観測処理を説
明するためのフローチャートである。
【図11】同じく、子局における信号処理部の観測処理
を説明するためのフローチャートである。
【図12】同じく、子局における信号処理部の観測処理
であって、定時刻観測モードでの観測処理を説明するた
めのフローチャートである。
【図13】同じく、子局における信号処理部の観測処理
であって、最大値観測モード1での観測処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図14】同じく、子局における信号処理部の観測処理
であって、最大値観測モード2での観測処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図15】同じく、子局における信号処理部の観測処理
であって、最大値観測モード3での観測処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図16】同じく、子局における信号処理部の観測処理
であって、最大値観測モード3での観測処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図17】同じく、子局における信号処理部の観測処理
であって、最大値観測モード3での観測処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図18】同じく、フィーダにおける高調波発生源の観
測状況を示す説明図である。
【図19】同じく、フィーダにおける共振の観測状況を
示す説明図である。
【図20】同じく、バンクにおける共振の観測状況を示
す説明図である。
【図21】同じく、高調波の電圧ベクトルと電流ベクト
ルの位相差を示す説明図である。
【符号の説明】
2…母線、5a〜5c…二次側母線、6a〜6f…フィ
ーダ、8…親局、9…子局、10…電話回線(伝送手
段)、20…コンピュータ(演算手段)、PT1,PT2
…電圧センサ(検出手段)、CT1 〜CT8 …電流セ
ンサ(検出手段)S…変電所
フロントページの続き (72)発明者 上田 玄 愛知県名古屋市瑞穂区大喜新町3−9 中 電堀田アパート 9−401 (72)発明者 石原 克朗 愛知県犬山市字上小針1番地 エナジーサ ポート 株式会社内 (72)発明者 友納 英尊 愛知県犬山市字上小針1番地 エナジーサ ポート 株式会社内 (72)発明者 河野 文昭 愛知県犬山市字上小針1番地 エナジーサ ポート 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変電所内において母線、二次側母線及び
    二次側母線から分岐されるフィーダに設けられている複
    数の子局と、 前記各子局に設けられ、幹線及び分岐線に流れる電圧値
    または電流値を検出する複数の検出手段と、 前記検出手段にて検出された電圧値または電流値を親局
    に対し伝送する伝送手段と、 前記親局に設けられ、伝送手段にて伝送された電圧値ま
    たは電流値に基づいて高調波電力を演算する演算手段と
    を備えたことを特徴とする高調波の発生源探査装置。
JP5250785A 1993-10-06 1993-10-06 高調波の発生源探査装置 Pending JPH07104022A (ja)

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