JPH0699475B2 - コクシジウムのモノクロ−ナル抗体 - Google Patents

コクシジウムのモノクロ−ナル抗体

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JPH0699475B2
JPH0699475B2 JP12235585A JP12235585A JPH0699475B2 JP H0699475 B2 JPH0699475 B2 JP H0699475B2 JP 12235585 A JP12235585 A JP 12235585A JP 12235585 A JP12235585 A JP 12235585A JP H0699475 B2 JPH0699475 B2 JP H0699475B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明分野の背景 本特許出願は米国特許特許出願第617,483号(1984年6
月5日申請)の継続出願である。前記特許の詳細は本出
願に関連して本明細書に示してある。
本明細書では種々の引用文献を括弧内のアラビア数字で
しめしてあり、これらの文献の詳細は本明細書の最後に
示してある。本発明の申請時点における技術水準を詳し
く示すために、これらの文献の内容を本明細書に示して
ある。
アピコンプレキサ(Apicomplexa)門は、ユーコクシデ
イオリダ(Eucoccidiorida)目に属する数100種の異な
る微生物を含む。エイメリア(Eimeria)属は球中目に
含まれる。エイメリア属に含まれる幾つかの種は養鶏産
業に対し重要である。これらの種にはエイメリア・テネ
ラ(Eimeria tenella)、イー・マキシマ(E.maxim
a)、イー・アセルブリナ(E.acervulina)、イー・ネ
カトリツクス(E.necatrix)、イー・ブルネツテイ(E.
brunetti、イー・ミバーテイ(E.mivati),イー・ミテ
イス(E.mitis)、イー・プリーコツクス(E.praecox
などがある。
これらの種の分類は宿主内の感染部位及び接合子曩の形
態に基く。今日まで上記の各種において異なる生化学的
マーカーが認められているが、これらは種の分類には用
いられていない。
エイメリア(Eimeria)の全生活史は単一の宿主内で完
了する。生活史の実際の段階はエイメリア(Eimeria)
の種により異なる。イー・テネラ(E.tenella)は複雑
な生活史を有している。汚染された糞便、食物、又は水
と共に摂取されると、胞子形成した接合子曩はスポロキ
ストの機械的な破砕や酵素的加水分解により消化管内で
脱曩する。放出された種虫は盲曩内の特異的な部位の上
皮を通過し、リーベルキユーン陰窩内で増殖して第1世
代メロント(Meront)にまでなる。メロント(Meront)
とは1つの遷移期であり、形態は丸くなり核が一層顕著
になり、エネルギー産生及び蛋白合成能が増加してい
る。メロント(Meront)が何回も分裂して第1世代メロ
ゾイトとなる。第1世代メロゾイトが放出されて宿主細
胞が破壊され、この寄生虫は新しい宿主の所に移動し
て、2回目の無性生活史に入る。メロント(Meront)は
放出されるのに伴つて別の上皮細胞を破壊しながら、第
2世代メロゾイトまで増殖する。第3世代のメロゾイト
が放出されて宿主細胞がさらに破壊されていく。第2、
及び第3世代のメロゾイトがさらに別の腸内細胞に感染
して有性世代がはじまる。有性世代は配偶子形成により
小配偶子及び大配偶子を形成することにより始まる。放
出された小配偶子は大配偶子に授精し接合子をつくる。
未成熟接合子曩ができると宿主細胞が破裂する。腸管の
ルーメンに放出された接合子曩は、糞便を通して環境に
出て大気中の酸素の存在下で成熟(胞子形成)する。
宿主がそれ以上接合子曩を摂取しない場合は寄生虫の増
殖は自己制限的である。しかしこれは混雑している養鶏
場では実際にはおこりにくい。イー・テネラ(E.tenell
a)による疾病は大きな損失を招く。
イー・テネラ(E.tenella)及びその他の種によるコク
シジウム症の病状は、大部分メロゾイトの放出時の宿主
細胞の破裂に関係している。この場合腸管固有層内の組
織が主に破壊される。理論的には、単一の接合子曩の摂
取により120時間以内に2.5×106までの宿主細胞が破壊
される(45)。消化管内の出血は、上皮に致る毛細血管
の破裂に関係している。コクシジウム症は一旦かかると
抗コクシジウム剤を用いても病気の進行を押さえること
は難しい。又二次感染がエイメリア(Eimeria)による
疾病を複雑にすることがしばしばある。感染した鳥は普
通4−7日以内に死ぬ。
コクシジウムは組織の非常に特異的な部位で感染を開始
させるという性質があり(28,33,41)、この感染部位の
特異性は普通エイメリア(Eimeria)の種の分類に用い
られる特徴である。イー・テネラ(E.tenella)は盲曩
の後部の上皮細胞に侵入しやすいという性質がある。こ
のような感染の特異性は部分的には宿主細胞型の寄生虫
抗原決定基、即ち特異的表面成分との相互作用に依存し
ている(9,11,40)。この説は又遺伝的に「耐性のあ
る」鳥の研究からも支持されている。これらの鳥の細胞
は通常の侵入部位内ではエイメリア(Eimeria)に侵入
されない。他のコクシジウムの研究は、必須の宿主抗原
決定基の発現は宿主細胞の有糸分裂状態の時期以外に細
胞の由来組織に支配されることを明確に証明している
(11)。
コクシジウム症の免疫に関する研究の多くは液性免疫、
さらに詳しくは血清抗体に限られていた。これらの研究
は血清抗体とコクシジウム症との間に相関がないことを
示している(43)。しかし入手できるデータの多くはこ
の防御性応答には分泌性免疫系又は細胞性免疫(CMI)
又はその両者を含む局所応答が関与していることを示し
ている。
宿主細胞に対する病原菌の認識及び/又は付着に対する
妨害は、ウイルス、細菌、及び原生動物で証明されたよ
うに防御効果がある。主要な宿主細胞リセプター又は病
原菌付着部位の遺伝的欠損は、最初の侵入過程を防止す
ることができる(14,40)。又は分泌性抗体は必須の宿
主細胞抗原決定基に結合、従つてマスクすることによ
り、侵入を妨害する(22,54)。これまでに試験された
全てのクラスの免疫グロブリンは、エイメリアテネラ
(Eimeria tenella)の最初の侵入を妨害する能力があ
ると報告されている(10)。しかし最近の報告は分泌性
IgAの産生のみが自然の防御性免疫と相関していること
を示している(9,43)。ポーター(Porter)とデービス
(Davis)(10)及び他の研究者達(43)は、分泌性IgA
は寄生虫の通過を有意に制限して寄生虫の細胞外段階の
進行を中和するか、又は通過した寄生虫を減弱させて以
後の増殖を防止することを報告している。
鶏におけるコクシジウム症の破滅的な影響を防ぐため
に、鶏生産者達は世界中で毎年5−10億ドルにも達する
お金を使つていると推定されている(28,39)。現在使
用されている防止方法でも鶏の損失は大きく、数100万
ドルであると推定されている(45)。
現在最も広く使用されている鶏のエイメリア(Eimeri
a)の防止方法は、抗原生動物剤食品添加物である。そ
の具体的な組成は用いる抗コクシジウム剤により変わ
り、個々の物質はコクシジウムの生活史のある段階に作
用するのみである(28,38,42)。抗コクシジウム剤を用
いる欠点は、鳥における防御有効期間が短いこと、時時
作用が減弱すること、寄生虫において薬剤に対する耐性
が誘発されることなどたくさんある。薬剤耐性株が出現
するために、現在市場に出ている製品の寿命はほんの数
年である。これは有効な製品の開発及び連続的生産に対
して大きな負担となる(38)。
免疫を利用して鳥を守ることは幾らかの成功をおさめて
いる。死んだ微生物を用いて限定的防御を与えることも
うまくいつている(1,30,31)。鶏の免疫のためのさら
に良い方法は生きた原生動物(たとえばCoccivac)を用
いる方法である(13)。この製品は生きた接合子曩を少
量含有する多価組成物であり、飲料水中に投与して鳥に
軽い寄生虫血症をひきおこす。この製品の欠点は投与後
一週間以内に時々鳥に活動低下を起こすことである。過
剰の投与又は敷きわらの過剰の水分などもコクシジウム
症の大流行をひき起こしてきた。例えば米国特許明細書
第3,147,186号(1964年)では、イー・テネラ(E.tenel
la)の生きた胞子形成した接合子曩を用いて鶏を免疫し
ている。又米国特許明細書第4,301,148号(1981年)で
は、同様の目的のためにイー・テネラ(E.tenella)の
種虫を用いている。
養鶏場で生きたワクチンを導入する又別の方法は飼料に
よる。これは最近の英国特許(第2,008,404A号)で考察
されている。イー・テネラ(E.tenella)の十分な病原
性を有する接合子曩を、飼料と混合する前に乾燥を防ぐ
ために水溶性多糖でカプセル化している。この接合子曩
は無症候性感染を誘導することにのみ十分な量である。
この方法は免疫能に優れていることがわかつたが、現場
での許容性に問題があるため開発される見込みは少な
い。しかし重要なコクシジウムの全ての株で減弱された
ものが開発されるならば、この方法はもつと許容される
ようになるであろう。
実際病原性の低下したエイメリア(Eimeria)系を開発
する努力がなされている。鶏の胚を用いる移植によりう
まく減弱された種が幾つかある(15,26,29,48)。これ
らの株は疾病をひきおこす能力は低下しているが、免疫
を誘発するには十分な免疫原性を有している。しかしこ
れらの株の取り扱いには幾つかの問題がある。例えば、
イー・ネカトリツクス(E.ncatrix)の変種は移植の臨
界点があり、何回も胚の移植も行なうと免疫原性の消失
又は本来の病原型の維持につながる。さらに鶏を用いる
最小逆移植により、減弱した微生物が病原型に戻るもの
もある(27,50)。従つて減弱した微生物で一定の性質
を維持するという問題がそんざいする。
エイメリア(Eimeria)子様の卵が直ちに移植できない
時には早期選別による減弱も実施されている。この方法
では脱曩した接合子曩を本格的な脱曩の開始前の感染初
期無症候段階の後期に脱曩した接合子曩をあつめる(1
8,35,37,49)。このような選別をすると生活史が短くな
り、従つて病原性が減弱する(18,35,37,49)。イー・
テネラ(E.tenella)(19)及びイー・アセルブリナ
E.acervulina)(36)の早熟性は遺伝的に安定である
ことが証明されているが、養鶏産業においてこの方法の
有用性を評価するのに十分な情報はない。鳥類コクシジ
ウムの表面抗原の組成についてはほとんどわかつていな
い。エイメリア・テネラ(Eimeria tenella)の種虫の
表面の抗原に対するモノクローナル抗体を分泌するハイ
ブリドーマ細胞株の報告がある(58)。この抗原は分子
量が13から150キロダルトンの間であること以外は同定
されなかつた。さらに生物学的意義やワクチンの効力も
抗原と関係づけられなかつた。エム・エイチ・ウイツシ
ヤー(M.H.Wisher)の研究室での以前の仕事は、イー・
テネラ(E.tenella)の脱曩した種虫の表面ヨード化に
より同定される約16個の分子量が20,000から200,000以
上のポリペプチドが存在することを示唆している(5
7)。
ワクチン開発に対しサブユニツトによる方法がうまくい
くことが過去数年間証明された。この方法では最終的に
大規模に生産することを目的として防御抗原と思われる
ものが同定され特徴づけられた。ある研究グループは寄
生虫研究においてバベシア・ボービス(Babesia bovi
s)の表面の防御性抗原と思われるものを同定するため
にモノクローナル抗体を使用した(59)。44,000ダント
ンのこのビー・ボービス(B.bovis)抗原は同定され、
精製して実験動物に注射した時、最初の抗原投与に対し
てある程度の防御能をしめした。トキソプラズマ・ゴン
デイ(Toxoplasma gondii)の免疫学的に重要な30,000
ダルトンの蛋白も又モノクローナル抗体を使用して同定
された(21)。
1981年の半ば以来、ダンフオース(Danforth)と共同研
究者達は幾つかの文献を発表し、その中で彼らは鳥のエ
イメリア(Eimeria)種の抗原に対するモノクローナル
抗体を産生できる可能性を示している(6,7,8)。同様
にスピア(Speer)ら(51,52)は、イー・テネラ(E.te
nella)に対するモノクローナル抗体を開発しその生理
学的性質を証明した。抗体分泌性ハイブリドーマは間接
螢光抗体法により選択された(7)。紫外顕微鏡で観察
された反応のパターンは、使用したモノクローナル抗体
により異なつていた。パターンには種虫と反応対種虫及
びメロゾイトとの反応;種虫の前部の染色対全ての膜の
染色;明瞭な内部小器官対はつきりしない染色などがあ
つた(8)。
モノクローナル抗体を産生するネズミ由来のハイブリド
ーマの調製法は公知であるが、種虫中和性ハイブリドー
マの直接的及び特異的選択により、サブユニツトワクチ
ンの開発に有用なイー・テネラ(E.tenella)の病原性
抗原決定基が同定できるかどうかはわからない。
実際サブユニツトワクチンの開発に有用なエイメリア
Eimeria)の抗原の同定に関しては情報がない。同様
に、イー・テネラ(E.tenella)に対する受動免疫を与
えるためにモノクローナル抗体を含有する製剤及び製品
の使用に関しても情報がない。
本発明はエイメリア・テネラ(Eimeria tenella)又は
エイメリア・ネカトリツクス(Eimeria necatrix)によ
るコクシジウム症に対する免疫能の開発のためのポリペ
プチド抗原の同定、特徴化、調製及び使用に関する。本
抗原は直接的な抗原量で正確に投与され、そして疾病を
ひきおこさず、ワクチン株関連の病気の大発生又は免疫
学的性質の復帰や変化を避けることができる。
本発明は又抗原の精製、及び鶏にイー・テネラ(E.tene
lla)及びイー・ネカトリツクス(E.necatrix)による
コクシジウム症に対する受動的防御能を与えるために用
いられると共に、抗原の精製に使用できる前記の防御性
蛋白抗原に対するモノクローナル抗体生成物の調製、製
剤化、及び使用に関する。
発明の要約 鶏においてエイメリア・テネラ(Eimeria tenella)又
はエイメリア・ネカトリツクス(Eimeria necatrix)に
よる感染に対する防御能を与える免疫応答を誘導するこ
とのできる精製した抗原性蛋白(ここでは又A4蛋白又は
A4抗原と称する)が得られた。この蛋白の分子量は約2
5,000であり、ジスルフイド結合により結合した2つの
ポリペプチドよりなる。このポリペプチドの1つは分子
量が約17,000であり、N−末端アミノ酸はブロックされ
ている。もう1つのポリペプチドは分子量が約8,000で
ある。この2つのポリペプチドのアミノ酸配列は第3図
に示してある。
イー・テネラ(E.tenella)及びイー・ネカトリツクス
E.necatrix)による感染に対して鶏に防御能を与える
免疫応答を誘導することのできる、A4蛋白に関連するポ
リペプチドが得られる。このようなポリペプチドの2つ
が調製され、還元条件下でSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動により決定したこれらのポリペプチドの分子
量は、それぞれ約11,500と6,500である。
分子量が25,000の生成した蛋白抗原は、エイメリア・テ
ネラ(Eimeria tenella)のスポロキストから別々に回
収することにより調製される。1つの好適な態様では、
ハイブリドーマ細胞株ATCC No.HB8561により産生される
高度に特異的なモノクローナル抗体Ptn 7.2A4/4を用い
る免疫吸着クロマトグラフィー又は免疫沈降法により回
収する。又はこの蛋白は蛋白を暗号化するDNA分子を用
いる組み換えDNA技術により調製される。このようなDNA
分子のヌクレオチド配列を第3図にしめす。11,500およ
び6,500ダルトンのポリペプチドも同様に調製できる。
25,000ダルトンの蛋白抗原又は本発明の抗原性ポリペプ
チド(例えば11,500および6,500ダルトンのポリペプチ
ド)の有効な免疫量を鶏に投与することにより、イー・
テネラ(E.tenella)及びイー・ネカトリツクス(E.nec
atrix)による感染に対して鶏に能動免疫を与えること
ができる。好ましくはこの蛋白又はポリペプチドは適当
な担体と共にワクチンに取り込まれ、ワクチンの適量を
鶏に投与する。
モノクローナル抗体Ptn 7.2A4/4又はこのような他の抗
体は好ましくは適当な担体と共に、イー・テネラ(E.te
nella)及びイー・ネカトリツクス(E.necatrix)によ
る感染に対して受動免疫を与えるために用いられる。さ
らにこのモノクローナル抗体に対する抗イデイオタイプ
抗体を産生させ、これをイー・テネラ(E.tenella)及
びイー・ネカトリツクス(E.necatrix)による感染に対
して能動免疫を与えるために用いられる。好ましくは抗
イデイオタイプ抗体はワクチンの形で適当な担体と共に
投与される。
図の簡単な説明 第1図は微量配列決定法(Microsequencing)で決定し
たイー・テネラ(E.tenella)A4抗原の17,000ダルトン
のポリペプチド成分のアミノ酸配列を示す。第1図は又
種々の化学的及び酵素的分解により生じた重複するペプ
チドを示す。
第2図はA4抗原を暗号化するイー・テネラ(E.tenell
a)のゲノムのクローンの制限酵素地図を示す。第2図
は又5500塩基対のイー・テネラ(E.tenella)のEco RI
DNA断片の位置と配列を示す。
第3図は、第2図に示すゲノムのクローンのBGI II-Eco
RI DNA断片のDNAヌクレオチド配列を示す。第3図はA4
抗原の又シグナルペプチド及びのアミノ酸配列と17,000
ダルトン及び8,000ダルトンポリペプチド成分のアミノ
酸配列を示し、又遺伝子内のイントロンも示す。
発明の簡単な説明 本発明は、鶏においてエイメリア・テネラ(Eimeria te
nella)又はエイメリア・ネカトリツクス(Eimeria nec
atrix)による感染に対する防御能を与える免疫応答を
誘導することのできる精製した抗原性蛋白に関する。こ
の蛋白の分子量は約25,000であり、ジスルフイド結合に
より結合した2つのポリペプチドより成る。このポリペ
プチドの1つの分子量は約17,000であり、N−末端アミ
ノ酸はブロックされており、第3図に示すアミノ酸配列
を有する。もう1つのポリペプチドの分子量は約8,000
であり、第3図に示すアミノ酸配列を有する。
25,000ダルトンの蛋白(ここではA4蛋白又はA4抗原と称
する)は、エイメリア・テネラ(Eimeria tenella)の
スポロキストより得られた。この蛋白はイー・テネラ
E.tenella)より得られたが、他の多くの方法(例え
ば組み換えDN技術又は全有機合成)によつても調製でき
る。従つて本発明はイー・テネラ(E.tenella)から直
接得られる蛋白に限定されず、調製法に関係なく蛋白そ
れ自身を包含する。A4蛋白をイー・テネラ(E.tenell
a)のスポロキスト膜蛋白のヨード化で放射標識する
と、オートラジオグラフイーで検出し還元条件下でSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)(24)
で決定したヨード化蛋白の見掛けの分子量は17,000であ
る。この還元条件下では8,000ダルトンのポリペプチド
は17,000ダルトンのポリペプチドから分離され、オート
ラジオグラフイーで検出されない。リグレイ(Wrigle
y)の方法(45)で測定したA4蛋白の等電点は約5.2であ
る。この蛋白の17,000ダルトン成分のN−末端アミノ酸
はブロツクされている。この完全なアミノ酸配列がわか
るまでは微量配列決定法で特徴化され、その中に下記の
アミノ酸配列を有することが判明した: これらのアミノ酸配列の存在は完全なアミノ酸配列(第
1図、第3図)を解明することにより確認された。この
蛋白のN−末端アミノ酸がブロツクされていることも又
N−末端グルタミン分子の存在を示す完全なアミノ酸配
列により支持されている。このグルタミン残基は環状化
してピロリドンカルボン酸を生成することが知られてい
る。
完全なアミノ酸配列に基づくA4蛋白の真の分子量は約2
5,000であり、非還元条件下でのSDS-PAGEによる見掛け
の分子量は約21,000−23,000である。β−メルカプトエ
タノールで還元するとこの2つのポリペプチドはSDS-PA
GE(24)で観察できる。従つてA4蛋白は、お互いにジス
ルフイド結合で結合した2つのポリペプチド(17,000ダ
ルトンのペプチドと8,000ダルトンのペプチド)より成
る。17,000ダルトンのペプチドの完全なアミノ酸配列と
8,000ダルトンのペプチドの部分的なアミノ酸配列は微
量配列決定法により決定された。こうして決定された配
列は、蛋白を暗号化する染色体DNAから別に決定された
配列と一致する。
本発明は又、A4蛋白内に存在するアミノ酸配列を含み、
鶏においてエイメリア・テネラ(Eimeria tenella)又
はエイメリア・ネカトリツクス(Eimeria necatrix)に
よる感染に対する防御能を与える免疫応答を誘導するこ
とのできる、精製した抗原性蛋白に関する。このような
ポリペプチドは、A4蛋白の抗原決定基を含有し免疫応答
を誘導できる全てのアミノ酸配列を含む。
このような2つのポリペプチドを含有する調製物が得ら
れた。この調製物は、還元条件下のSDS−ポリアクリル
アミドゲルを電気泳動により、見掛けの分子量がそれぞ
れ約11,500と約6,500のポリペプチドがその中に存在す
ることにより特徴づけられた。これらの調製物は免疫学
的にA4蛋白に由来することが同定された。
A4蛋白に存在するアミノ酸配列を含む抗原性ポリペプチ
ドは種々の方法により作ることができる。例えば、化学
的又は酵素的に合成したり、組み換えDNA法で作成した
り、A4蛋白より調製したり、又はイー・テネラ(E.tene
lla)のスポロキスト又は種虫から調製される。ここで
用いられる「抗原性ポリペプチド」という語は、還元条
件下のSDS-PAGEに基づく見掛けの分子量を有するポリペ
プチドの調製物内に存在することを特徴とする、ここに
記載する非還元条件下で調製される調製物を含むものと
考える。このような調製物中にある時は、このポリペプ
チドは1つ以上の他の成分に結合している。例えば1つ
以上のジスルフイド結合により他のポリペプチドに、又
はポリペプチド内の2つ以上の領域が例えばジスルフイ
ド結合によりお互いに結合している。還元条件下でのSD
S-PAGEで見掛けの分子量が17,000以下のポリペプチドが
その中に存在することを特徴とする調製物についても、
このような調製物は完全なA4蛋白内のアミノ酸配列を含
有するが、蛋白全体を含有しないという仮定で、この調
製物を記述するのに「断片」という語を用いる。さらに
A4蛋白の蛋白分解的消化により得られるアミノ酸を記述
するのにも「断片」という語を用いる。
A4蛋白のアミノ酸配列内に含まれるアミノ酸配列以外
に、1つ以上の物質(例えばデキストランのような多糖
類、又は他のアミノ酸配列、即ち第3図に示すアミノ酸
配列に含まれていないアミノ酸配列)を含有することも
ある。
本発明は又A4蛋白の調製法にも関する。本法ではスポロ
キスト膜蛋白を可溶化するためにプロテアーゼ存在下で
適当な非還元条件下でイー.テネラ(E.tenella)のス
ポロキストを界面活性剤と接触させる。次に蛋白を分離
生成する方法を用いて、この蛋白を可溶化したスポロキ
スト膜蛋白から分離して回収する。これらの方法は本特
許の関係する当業者には公知であるが、例としては可溶
化したスポロキスト膜の(例えばDEAE−セルロースによ
る)イオン交感クロマトグラフイー及びハイドロキシア
パタイトHPLCによる部分的生成がある。
又はA4蛋白に対して作成したモノクローナル抗体(例え
ばモノクローナル抗体Ptn 7.2 A4/4)を用いる免疫沈降
法又は免疫吸着クロマトグラフイーによるイー.テネラ
E.tenella)のスポロキスト膜蛋白の抽出物から別に
回収することもできる。モノクローナル抗体Ptn 7.2 A4
/4は、アメリカンタイプカルチヤーコレクシヨン(Amer
ican Type Culture Collection)(Rockville,Marylan
d,U.S.A.20852)にATCC No.HB8561で寄託されたマウス
のハイブリドーマ細胞株により産生される。この寄託は
「微生物の寄託の国際的とりきめに関するブタペスト条
約」(the Budapest Treaty on the International Rec
ognition of the Deposit of Microorganisms)の規定
に従つてなされた。
A4蛋白の17,000ダルトンのポリペプチドは、A4蛋白に用
いた方法と同じ方法により調製される。次に(例えばDE
AE−セルロースによる)イオン交感クロマトグラフイー
による部分的生成に続いて還元条件下で調製SDS−電気
泳動を行なうことにより17,000ダルトンのポリペプチド
は別に回収される。
11,500ダルトンの抗原性ポリペプチドを調製するために
は、穏和な還元剤(例えば8−ヒドロキシキノリン)の
存在下でイー.テネラ(E.tenella)のスポロキストを
フエノールに接触させて、スポロキスト膜蛋白を抽出す
る。次に適当な抗体(たとえばモノクローナル抗体Ptn
7.2 A4/4)を用いる免疫沈降法又は免疫親和性クロマト
グラフイーにより抽出したポリペプチドを回収する。6,
500ダルトンの抗原性ポリペプチドは、トリプシンタウ
ロデオキシコレートで脱曩させた種虫(9)を界面活性
剤に接触させて蛋白を可溶化して調製する。次に再び適
当な抗体(たとえばモノクローナル抗体Ptn 7.2 A4/4)
を用いる免疫沈降法又は免疫親和性クロマトグラフイー
により、可溶化し脱曩した蛋白からポリペプチドを回収
する。
組み換えDNAの技術は、25,000ダルトンのA4蛋白、その1
7,000ダルトンのポリペプチド又は本発明の種々の抗原
性蛋白を調製するのに用いられる。この方法はA4蛋白又
はポリペプチドを暗号化するDNA分子を調製し適当な発
現ベクター(たとえばλPL又はlacプロモーター)を用
いて調製する。こうして得られる発現ベクターを、次に
適当な条件化でたとえば大腸菌(E.coli)のような適当
な宿主に挿入してDNAを発現させ蛋白又はポリペプチド
を産生させてからこれを回収する。
胞子形成中の色々な時期に、スポロキストよりメツセン
ジヤーRNAが単離できる。次にこのメツセンジヤーRNAを
インビトロ(in vitro)(32)又はインビボ(in viv
o)系で翻訳させる。この翻訳生成物を次にモノクロー
ナル抗体(Ptn 7.2 A4/4)又は抗種虫鶏血清を用いて免
疫沈降させる。A4抗原を暗号化するこのmRNA調製物を用
いて2本鎖のcDNAを産生させる。次に、cDNAを適当なク
ローニングベクターに挿入し、大腸菌を形質転換させて
cDNAライブラリーを作成する。次にこのcDNAライブラリ
ーを放射標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いる
コロニーハイブリダイゼーシヨン法によりスクリーニン
グする。このオリゴヌクレオチドプローブはA4抗原の1
7,000ダルトンポリペプチド成分のアミノ酸配列に基づ
いて作成する。17,000ダルトンポリペプチドのヌクレオ
チド配列を含有する細菌のコロニーからベクターDNAを
単離して、配列を決定したコクシヂウムDNAに挿入する
(34,44)。
あるいは、イー.テネラ(E.tenella)のゲノムDNAを単
離してEco RIのような制限酵素で切断する。この制限酵
素断片を適当なクローニングベクター(たとえばλgt w
es λB)に結合させゲノムライブラリーを作つた。次
にこのゲノムライブラリーをcDNAライブラリーで記載し
たようにプラークハイブリダイゼーシヨン法によりスク
リーニングした。A4蛋白を暗号化するゲノムクローンを
単離した結果、このDNA配列は、連続的なヌクレオチド
配列(第3図)に暗号化されるA4蛋白の2つのペプチド
を示した。したがつて17,000ダルトン及び8,000ダルト
ンペプチドは単一の25,000ダルトンペプチドの蛋白分解
により得られる。さらにこのDNA配列は多くの分泌性又
は膜性蛋白のアミノ末端に典型的に見られる「シグナ
ル」配列を暗号化している。
本発明は、有効な免疫量のA4抗原、抗原性ポリペプチド
又は本発明の他の抗原(11,500ダルトン又は6,500ダル
トンのポリペプチドを含む。しかしこれらに限定されな
い)を鶏に投与することより成る、鶏においてエイメリ
ア・テネラ(Eimeria tenella)又はエイメリア・ネカ
トリツクス(Eimeria necatrix)による感染に対して能
動免疫を与える方法を包含する。この方法により免疫さ
れていない鶏に能動免疫が付与される。さらにイー.テ
ネラ(E.tenella)またはイー・ネカトリツクス(E.nec
atrix)に接触した鶏の比較的低レベルの免疫を増強さ
せたり、追加ワクチンとしても用いられる。
A4抗原又は本発明の抗原性ポリペプチドの任意のものを
公知のいかなる方法により鶏に投与してもよい。好まし
くは頸の後部に皮下注射又は筋肉注射して投与する。有
効な免疫量より成る抗原量とは、約0.1マイクログラム
から約1mgまでの任意の量である。抗原量は約10マイク
ログラムより多いことが好ましい。好適な抗原量は体重
1キログラム当たり約500マイクログラムである。ある
いは経口的(たとえばカプセル)又は好ましくは注射
(皮下、皮内、又は好ましくは筋肉注射)により投与す
る。投与方法として注射を用いる場合は、薬理学的に許
容される任意の担体を使用できる。適当な担体として
は、0.01−0.1M(好ましくは0.05M)のリン酸緩衝液ま
たは0.8パーセントの食塩水がある。
本発明の有効免疫量の抗原性物質(即ちA4抗原、又は本
発明の抗原性ポリペプチド又は他の抗原)、及び適当な
担体より成る、エイメリア・テネラ(Eimeria tenell
a)又はエイメリア・ネカトリツクス(Eimeria necatri
x)の感染に対し鶏に能動免疫を与えるワクチンが与え
られる。好ましくはワクチン内の有効な免疫量の抗原性
物質とは鶏の体重1kg当たり約0.1マイクログラムを超え
る量である。
さらに担体は好ましくは保存剤を含有する。特に好適な
保存剤は、抗細菌活性及び抗かび活性を有するチメロサ
ール(ソデイウムエチルマーキユリチオサリチレート)
である。ワクチン内のチメロサールの最終濃度は好まし
くは10パーセントである。
さらに担体は又免疫増強剤(イムノポテンシエーター)
を含有することが好ましい。当該分野において種々の免
疫増強剤が知られている。現在使用されているアジユバ
ントは94%Drakeol 6−VR,5%Arlacel A,1%Tween-80で
ある。Arlacel Aはマナイドモノオレエート(サンドリ
ア社)である。これは刺激薬であり抗原ト組み合わせた
時強い免疫増強作用を示す。Drakeol 6−VRはアレルギ
ー誘発作用の小さい軽鉱物油製品(ペンレコ社)であ
る。Tween-80はポリオキシエチルソルビタンのモノオレ
イン酸誘導体であり、界面活性作用を有する。他の適当
な担体又は免疫増強剤としては、硫酸アルミニウムカリ
ウム、水酸化アルミニウム、リンフオカイン及び油中水
懸濁液がある。
このようなワクチンの適当な量を投与することにより、
イー.テネラ(E.tenella)またはイー.ネカトリツク
ス(E.necatrix)の感染から鶏を防御することができ
る。1回投与分の抗原性物質の量は、ワクチンを投与し
た動物において抗原性物質に対する抗体を産生するのに
十分な量でなければ成らない。抗体産生及び防御能を基
準にして測定した十分な免疫応答能を与えるためには、
投与量当たりの抗原性物質の量は、ワクチンを投与する
動物の体重1kg当たり20.0マイクログラムを超えること
が好ましい。従つて50グラムの1日令のヒヨコに対する
抗原性物質の量は約1.0マイクログラムを超える量であ
る。現在の所、抗原性物質10マイクログラムを含有する
ワクチンが好ましい。一般的に抗原は約0.002重量%か
ら約0.2重量%のワクチンを含有し、投与容量は約0.1ml
である。
本発明の他の態様は、A4蛋白に対するモノクローナル抗
体と本発明の抗原性ポリペプチドに対するモノクローナ
ル抗体を含有する。具体的態様は前記したハイブリドー
マ細胞株ATCC No.HB8561により産生されるモノクローナ
ル抗体Ptn 7.2 A4/4である。
A4抗原に対するモノクローナル抗体又はその抗原性断片
に対するモノクローナル抗体(たとえばPtn 7.2A4/4)
の有効量を鶏に投与することにより、鶏にイー.テネラ
E.tenella)またはイー.ネカトリツクス(E.necatri
x)の感染に対し受動免疫を与えることができる。この
目的に有用な組成物は、有効な防御量の適当なモノクロ
ーナル抗体(たとえばモノクローナル抗体Ptn 7.2A4/
4)及び適当な担体より成る。上記の組成物は十分な量
のモノクローナル抗体より成り、経口的に投与した時感
染に対する防御能を与える。抗体の典型的な投与量は、
水溶液又は凍結乾燥の形でも1日1羽当たり約100マイ
クログラムである。この組成物は好ましくは水を供給す
る意味で水溶液の形で与える。この抗体を0.15Mリン酸
緩衝生理食塩水、pH7(0.0001パーセントのチメロサー
ル含有)に、最終の蛋白含有量1−100mg/mlになるよう
に溶解させる。所期の抗体レベルを維持するためにこれ
を水に連続的に供給する。このような組成物の適当量を
鶏に投与することが、イー.テネラ(E.tenella)また
はイー.ネカトリツクス(E.necatrix)による感染に対
し受動免疫を与える方法である。
さらに別の態様では、A4抗原の主要な防御性構造に共通
な立体的特徴を有する複合構造を、前記した抗原の代わ
りに用いることができる。そのような組成物の1つとし
てはA4蛋白又は本発明の抗原性ポリペプチドの1つの構
造の抗体に対して作つた抗イデイオタイプ抗体(たとえ
ばモノクローナル抗体Ptn 7.2A4/4)があり、この構造
がそれぞれの抗原決定基に特異性を与える。この抗イデ
イオタイプ抗体は本来それ自体がモノクローナル抗体で
あつてもいいし、ポリクローナル抗体として作成しても
よい。前記の例では抗体Ptn 7.2A4/4はハイブリドーマ
細胞株ATCC No.HB8561より回収し精製して適当な担体蛋
白(例えばキーホールリンペツトヘモシアニン(KL
H))に結合させる。精製した抗体(好ましくは精製し
た抗体−KLH複合体)を適当なリンパ球供与ほ乳動物
(好ましくはBalb/c株マウス)に、好ましくはフロイン
ト完全アジユバントのようなアジユバントと共に繰り返
し注射する。免疫したマウスのリンパ球からハイブリド
ーマを作成する。モノクローナル抗体Ptn 7.2A4/4との
反応で、A4抗原と競合するがA4抗原及びPtn 7.2A4/4以
外のネズミの免疫グロブリンを認識しない抗体を産生す
るハイブリドーマをスクリーニングする。モノクローナ
ル抗体Ptn 7.2A4/4に対する抗イデイオタイプ抗体を分
泌するハイブリドーマをさらに拡張しクローニングす
る。抗イデイオタイプ抗体を産生するには、ハイブリド
ーマの増殖及びモノクローナル抗体の発現に適した任意
の培地中で細胞を培養するか、又は宿主動物(好ましく
はBalb/Cマウス)中で抗体産生ハイブリドーマを増殖さ
せる。抗イデイオタイプ抗体は又Ptn 7.2A4/4を動物に
注射することにより産生される。好適な1つの方法は、
精製し適当なアジユバント(たとえば完全なフロイント
アジユバント)に製剤化した500マイクログラムの7.2A4
/4を適当な動物(たとえばウサギ)に繰り返し投与する
ことである。充分注射した後適当な期間が経つてから動
物から血清を採る。次に血清からたとえばセフアロース
のような不溶性支持体に固定化した正常マウス血清蛋白
に吸着させて抗イデイオタイプ抗体を回収する。こうし
て得られる抗血清の特異性は、モノクローナル抗体Ptn
7.2A4/4とは反応するが正常ネズミγ3(K)とは反応
しないことを証明して確認する。
上記のように調製した抗イデイオタイプ抗体をさらにIg
Gのレベルまで精製する。精製した抗イデイオタイプ抗
体は、抗原自身に就て記載した任意の公知の方法で投与
される。
本発明の抗イデイオタイプ抗体の有効量を鶏に投与する
ことにより、鶏においてエイメリア・テネラ(Eimeria
tenella)又はエイメリアネ・カトリツクス(Eimeria n
ecatrix)による感染に対する能動免疫が与えられる。
この目的のためのワクチンは有効な免疫量の抗イデイオ
タイプ抗体と適当な担体よりなる。従つてこのようなワ
クチンの適当量を鶏に与えることにより、エイメリア・
テネラ(Eimeria tenella)又はエイメリア・ネカトリ
ツクス(Eimeria necatrix)による感染に対する防御能
が鶏に与えられる。
1回投与当たりの抗イデイオタイプ抗体の量はワクチン
を投与される動物において抗体の産生を誘発するのに充
分でなければならない。抗体産生により測定する免疫応
答誘導のためには、1回投与当たりの抗イデイオタイプ
抗体の量はワクチンを投与される鳥の体重1kg当たり50
μgを超える量でなければならない。従つて1日令の50
gのヒヨコに投与する抗イデイオタイプ抗体の量は2.5μ
gとなる。普通抗イデイオタイプ抗体は0.002重量%か
ら、0.2重量%のワクチンを含有し、投与容量は0.2ccで
ある。
本発明の別の態様はA4蛋白を暗号化する核酸分子(たと
えばDNA、cDNA、RNA又はmRNA)である。1つの実施態様
は第3図に示す核酸配列を有するDNA分子である。別の
実施態様は本発明の抗原性ポリペプチドの1つを暗号化
するDNA分子である。
さらに別の実施態様は本発明の(たとえばA4蛋白又は前
記した抗原性ポリペプチドの1つを暗号化する)核酸分
子より成るクローニング媒体である。このクローニング
媒体は宿主細胞(たとえば細菌宿主細胞)に含まれる。
第3図に示すアミノ酸配列を有する蛋白は、A4蛋白を暗
号化する核酸分子を含むクローニング媒体を含有する宿
主細胞を用いて産生される。本方法では宿主細胞を適当
な条件で増殖させて、蛋白を作らせ得られた蛋白を回収
する。ポリペプチドを暗号化する適当な核酸分子を用い
て、抗原性ポリペプチドも同様に調製される。
宿主細胞が細菌細胞の場合、得られるA4蛋白は天然のA4
蛋白と配列は同じであるが、細菌宿主での発現のため
(たとえばN−末端メチオニン分子の付加、又は単一の
切断されていない蛋白)アミノ酸配列又はアミノ酸末端
が異なる。また別の実施態様は、第3図に示す核酸配列
を有するDNA分子を得る方法に関する。この方法はエイ
メリア・テネラ(Eimeria tenella)の接合子曩からゲ
ノムDNAを単離し、単離したゲノムDNAから(たとえば制
限酵素により)DNA断片を調製することにより成る。こ
のDNA断片を適当なクローニングベクターに結合させ
る。このDNAを、第3図に示す核酸配列内に存在する核
酸配列を含有する(又は相補的な)オリゴヌクレオチド
とハイブリダイゼーシヨンさせて、適当なクローンを同
定する。このなクローンから、蛋白を暗号化し第3図に
示す核酸配列を有するDNAを単離する。
実施例1 エイメリア・テネラの接合子曩、スポロキスト及び種虫
の調製 コクシジウム エイメリア・テネラ(Eimeria tenell
a)の精製した野外分離株はオボーン(Auburn)大学の
アレンエドガー(Allen Edgar)博士により入手した。
このイー・テネラ(E.tenella)の純度は接合子曩の特
徴と感染した腸組織の組織診により確認した。接合子曩
の大きさと形のインデツクスはイー・テネラ(E.tenell
a)の範囲内にあつた。
ジヨンソンとレイド(Johnson and Reid)の方法(20)
により病変のスコアづけを行なつた。感染した鳥の病変
はイー・テネラ(E.tenella)に典型的なものであつ
た。病変は盲曩に限られており、多量の出血と組織の損
傷があつた。5日後の組織診では盲曩の表皮下により大
きな第2世代のシゾントが見られた。死亡数は重症の感
染に共通のものであつた(15,000)。定期的に単一の接
合子曩クローニングをおこない、イー・テネラ(E.tene
lla)分離株の純度を確認した。接合子曩の繁殖 4か
ら6週令のSPFホワイトレツグホーンチキンでこの分離
株の純粋培養を普通に行なつた。外からのコクシヂウム
の感染を防ぐため、鶏は1日目からプレクシガラス隔離
装置で育てた。感染後7日目に、シヤーレイ(Shirle
y)のトリプシン消化法(48)により盲曩から接合子曩
を集めた。胞子形成した接合子曩は代表的に24℃で2%
w/vK2Cr2O7中で保存した。
スポロキストの単離 塩浮上法で残査より部分的に精製
した胞子形成したイー・テネラ(E.tenella)の接合子
曩(1×108)を0.1Mのリン酸緩衝化生理食塩水、pH7.4
(PBS)で5回洗い重クロム酸カリウム保存剤を除去し
た。この接合子曩は1.05%次亜鉛素酸ナトリウム溶液中
で15分間攪拌した後PBSで5回洗い次亜鉛素酸ナトリウ
ム及び残査を除去した。最後の洗滌の後きれいな接合子
曩を10mlのPBSに浮遊させた。浮遊した接合子曩を等量
のガラスビーズ(1.0−1.05mm)とともに攪拌して機械
的に破壊した。ガラスウールのカラム中を通過させて放
出されたスポロキストを接合子曩膜より精製し、4℃、
10,000RPMで10分間遠心分離し10mlのリン酸緩衝化生理
食塩水に再浮遊させた。
種虫の調製 胞子形成した時期の新しい接合子曩を、塩
浮上法、洗滌の繰り返し、及び1.05%次亜鉛素酸ナトリ
ウムによる処理により洗 した。ガラスビーズ(1.0−
1.05mm)で接合子曩を機械的に破壊してスポロキストを
遊離させた。種虫を脱曩させるためにスポロキストをト
リプシンとタウロデオキシコール酸(それぞれ0.25及び
0.50%w/v)と共に41℃で1時間インキユベートした。
こうしてえられた種虫を洗滌して遠心分離による脱曩液
から遊離させ、Hank's培地に再浮遊させた。新鮮なHan
k's培地を用いて種虫を希釈し使用濃度を調製した。
実施例2 ハイブリドーマの生成、同定及び特徴化モノクローナル
抗体 モノクローナル抗体はバンドイセンとウエツトストーン
(Vandeusen and Whetstone)の方法(55)を用いて作
つた。簡単に説明すると、Balb/C ByJマウスを106−107
の完全なイー・テネラ(E.tenella)の種虫で繰り返し
免疫した。完全な種虫の最後の注射の3日後に、ランダ
ムに選んだマウスを殺し脾臓を摘出した。脾臓の繊維組
織から脾細胞を分離し、洗滌した細胞をネズミの形質細
胞腫細胞株SP2/OMに融合させた。
微量中和定量法 微量中和定量法はヒヨコの初期の腎臓の培養細胞株で行
なつた。1から2週令のヒヨコを殺し無菌的に腎摘出を
行なつた。腎臓をトリプシン処理し、細胞を5の%熱非
活性化した牛胎児血清を補つたEarle's LAH培地に約104
/ウエルの濃度でプレートに加えた。培養液を5%CO2
中で41℃で維持した。培養細胞のコンフルーエンシイ
(confluency)が約50%に達した時、プレートの全ての
ウエルに50μlのハイブリドーマ又は対照試料を加え
た。次にEarle's培地50μl中2.3×104の種虫をプレー
トの全てのウエルに加えた。12−16時間後培養上澄液を
2%の熱非活性化した牛胎児血清を含有するEarle's LA
H培地と交換した。感染後40−44時間後に培養を止め
た。この時培養上澄液を捨てた。次に5%氷酢酸で酸性
化したメタノールを添加して細胞をプレートに固定し
た。固定した培養液を0.1%トルイジンブルーで染色し
てから観察した。増員生殖の阻害の程度によりウエルの
スコアづけを行なつた。
間接けい光抗体法 イー・テネラ(E.tenella)の種虫(約1×106/ウエ
ル)を用いてIFAスライドを調製した。スライドを空気
乾燥してから、1%BSA10μlを各ウエルに加えた。BSA
添加5分後20μlの試験上澄液を加えた。上澄液を37℃
で20分間インキユベーシヨンした後、0.0005%Tween-20
を含む0.15M PBS(PBS-Tween)で3回洗滌した。試料に
けい光色素結合ウサギ抗マウス抗体(PBSで1:40に希釈
してある)を添加し37℃で20分間インキユベーシヨンし
た。結合物をPBS-Tweenで3回洗滌してから包理剤とカ
バースリツプを加えた。
結果 エイメリア・テネラ(Eimeria tenella)に対して作成
した数千のハイブリドーマのうち、24個が種虫段階に対
して中和抗体を産生していた。試験したハイブリドーマ
の全てが膜結合抗原を認識する抗体を産生していたが、
1つのハイブリドーマの産生する抗体のみが内部膜抗原
を認識した。他のモノクローナル抗体は細胞膜に関連し
た抗原を認識していた。
それぞれの細胞株の最初のクローニングの後幾つかの上
澄液についてインヒドロの中和力価を比較した。2つの
株の上澄液が最大のイー・テネラ(E.tenella)の種虫
中和能を示した。試験した各上澄液の抗体含量を測定し
た結果、種虫を中和するのに2番目に強い抗体は1番強
い抗体(Ptn 7.2A4とする)の20倍近い量が必要であつ
た。具体的には、イー・テネラ(E.tenella)を中和す
るのに必要なPtn 7.2A4抗体の量は約3.5×105分子/種
虫であつた。
実施例3 中和モノクローナル抗体及びエイメリアテネラ種虫特異
的鶏抗血清により認識されるイー・テネラ(E.tenell
a)の抗原の同定 エイメリア蛋白のI標識 全部で2×108のイー・テネラ(E.tenella)の接合子曩
をヨード化のために処理した。各場合に塩浮上させ次亜
鉛素酸ナトリウム処理した接合子曩を、ガラスビーズで
破壊しガラスウールカラムに通してスポロキストを精製
した。プロテアーゼ阻害剤:0.1mMフエニルメチルスルフ
オニルフルオライド(PMSF)、0.1mM N−トシル−L−
フエニルアラニンクロロメチルケトン(TPCK)、1mM N
−α−P−トシル−L−リジンクロロメチルケトン(TL
CK)及び10KIU/mlアブロチニンの存在下で1mlの10mMリ
ン酸ナトリウム、0.15M NaCl、pH7.2(PBS)中でガラス
ビーズと共に、機械的破壊によりスポロキストの半分か
らスポロキスト膜を調製した。残りのスポロキストはト
リプシン及びタウロデオキシコール酸(総量=1ml)で
処理して種虫を脱曩させた。両方の調製物を4℃で45,0
00RPMで45分間遠心分離してペレツトにして1mlのリン酸
緩衝化生理食塩水(pH7.4)(PBS)に再浮遊させた。超
遠心の前にPBSと1mMのPMSFで洗滌してスポロキストから
全てのトリプシン−デオキシコレート残査を除去するよ
うに注意した。
40μgの10DOGEN(1,3,4,6−テトラクロロ−3α,6α−
ジフエニルグリコウリル)固相ヨード化試薬で被覆した
ガラスシンチレーシヨンバイアルに試料を1ml加え、窒
素ガスで乾燥させ、PBSで洗滌した。各チユーブに0.5mC
iの125Iを添加し、試料を氷上で20分間インキユベーシ
ヨンさせた。次に100μlのKI(1M)を各チユーブに添
加し最終濃度を100mMにし、氷上でさらに15分間反応さ
せた。次に種虫とスポロキストの調製物を5mM KIを含有
するPBSで7mlに希釈し、4℃で45,000RPMで45分間遠心
分離してペレツトにした。
スポロキストと種虫膜蛋白の抽出 上記の高速遠心分離によりペレツト化した125I標識した
スポロキストと種虫を1mlの蛋白抽出緩衝液(20mMトリ
ス−HCl、pH7.5;50mM MgCl2;25mM NaCl、1%NP40、1mM
PMSF、0.1mM TPCK、1mM TLCK及び10KIU/mlアプロチニ
ン)に再浮遊させた。この浮遊液をさらに30分間氷上で
時々ボルテツクスしながらインキユベーシヨンする。微
量遠心機(Microfuge)中で遠心分離して、界面活性剤
で可溶化した蛋白から不溶性物質を除いた。上澄液を−
70℃で1晩保存した。125 I蛋白の沈降 各試料の10μlを90μlの5mM KI中に希釈した。希釈し
た各試料の10μlを1mlの5%トリクロロ酢酸(TCA)、
25μlのBSA(10mg/ml)及び5mM KIを含有する溶液に添
加し、氷の上で30分間インキユベーシヨンした。沈殿し
た試料をガラスフアイバーフイルターでろ過して集め、
5mlの5%TCA、5mM KIで2回洗滌し、5mlの95%エタノ
ールで3回洗滌し(いずれも0℃)、シンチレーシヨン
カウンターで計測した。
125I標識イ・テネラ(E.tenella)画分のSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE) 総125I標識スポロキスト、種虫及び可溶性膜蛋白及び免
疫沈降した蛋白(下記参照)を、120×100×0.75mm、5
−25%の指数濃度勾配のSDS−ポリアクリルアミドゲル
で20mAで3時間解析した。ゲルを乾燥させ、−70℃でX
線フイルムを感光するのに用いた。
染色用のゲルを銀染色して観察した。
モノクローナル抗体による免疫沈降 モノクローナル抗体を含有するハイブリドーマ上澄液50
μlを、25μlのモノクローナル抗体希釈緩衝液(MAB-
DIL)(50mMトリス−HCl、pH8.6;150mM NaCl;0.1%NP4
0;0.1%BSA、RIAグレード;1mM TLCK;1mM PMSF、10KIU/m
lアプロチニン)に添加した。次に125I標識蛋白を加
え、チユーブを激しく攪拌し4℃で1晩インキユベーシ
ヨンした。ウサギ抗−マウスIg血清(IgA、IgG、IgMに
反応する)をMAB-DILで1:2に希釈し、各免疫沈降チユー
ブに10μl加え、4℃で1時間インキユベーシヨンし
た。モノクローナル抗体洗滌緩衝液、pH8.6(MABW)(5
0mMトリス・HCl、0.05%NP40、0.05%トリトンX−10
0、150mM NaCl、0.02%NaN3、5mM KJ)でプロテインA
−セフアロース(10%v/v)を1:4に希釈し、400μlを
各チユーブに加えた。チユーブをゆつくり動かしながら
4℃で1時間インキユベーシヨンした。免疫沈降生成物
を冷MABWで2回洗つた後、室温でMABWで洗つた。ペレツ
トを50μlの1.5×SDS-PAG試料緩衝液(24)に再浮遊
し、5分間沸騰し、微量遠心をしてセフアロースを除去
した。上澄液を計測しSDS-PAGEで解析した。
イー.テネラ(E.tenella)種虫特異鶏抗血清 いくつかの例外を除いては、モノクローナル抗体による
免疫沈降法の部分と同じ方法を用いた。90μlの抗体希
釈緩衝液(AB-DIL)(10mMトリス−HCl、pH7.5;0.1%BS
A、RIAグレード;1mM PMSF;1mM TLCK;10KIU/mlアプロチ
ニン)で血清を1:10に希釈してから20μlの125I標識蛋
白に添加した。抗体洗滌緩衝液の組成は10mMトリス−HC
l、pH7.5、0.1%BSA RIAグレード;1mM PMSF;1mM TLCK;1
0KIU/mlアプロチニン;0.05%NP40;0.05%トリトンX−1
00、±5mM KIである。
イー.テネラ(E.tenella)抗原のPtn 7.2A4/4モノクロ
ーナル抗体による免疫沈降の結果 表面標識したイー.テネラ(E.tenella)種虫調製物は
2つの主要なヨード化ポリペプチド(1つは6,500ダル
トンそしてもう1つは25,000ダルトン)のところで濃縮
されている。6,500ダルトンのペプチドは、スポロキス
ト調製物中の17,000分子量ポリペプチドのプロテアーゼ
消化断片であることはすでにわかつており、モノクロー
ナル抗体Ptn 7.2A4/4で容易かつ特異的に免疫沈降す
る。スポロキストの膜は種々の分子量を有するいくつか
の蛋白が存在するが、17,000ダルトンと27,000ダルトン
のポリペプチドが濃縮されている。125I標識スポロキス
ト膜蛋白で免疫沈降させると、モノクローナル抗体Ptn
7.2A4/4により認識される唯一の抗原は、17,000分子量
のポリペプチド(そのアミノ酸配列は第5図に示す)で
ある。
イー・テネラ(E.tenella)種虫特異鶏抗血清によるイ
ー・テネラ(E.tenella)免疫沈降の結果 ハイブリドーマ細胞株HB8561由来のモノクローナル抗体
と同様に17,000ダルトンのポリペプチドを認識するか否
かを調べるために、死んだイー・テネラ(E.tenella)
種虫を繰り返し静脈注射して免疫した鶏の血清を用い
た。
ヨード化したスポロキスト及び種虫膜蛋白からそれぞれ
17,000及び6,500ダルトンのポリペプチドが、上記した
ように免疫した鶏の抗血清により特異的に免疫沈降され
た。特異的病原体を含まない対照の鶏の血清はイー・テ
ネラ(E.tenella)蛋白を認識しないようである。
Ptn 7.2A4/4モノクローナル抗体によるイー・テネラ
(E.tenella)抗原のウエスタンブロツトの結果 上記のSDS-PAGEで免疫沈降したヨード化ポリペプチドを
分析した条件と同じ条件で、ジスルフイド結合により結
合しているポリペプチドを分離した。しかしジスルフイ
ド結合の還元は、スポロキスト及び種虫膜蛋白のウエス
タンブロツトでのA4反応性を破壊してしまう。非還元条
件下でヨード化したスポロキスト及び種虫膜蛋白をSDS-
PAGEで分析すると、主要な放射性標識物は見かけの分子
量21−23,000のところに易動する。さらにこの21−23,0
00ダルトンの分子種はウエスタンブロツテイング(マウ
スIgG用のVectastain ABCキツト、Vectar Labs,Burling
ame,CA)でモノクローナル抗体A4と反応する。これらの
結果はスポロキスト膜の17,000ダルトンポリペプチド及
び種虫膜の6,500ダルトンポリペプチドは、A4抗原内で
他のポリペプチドと複合体を作つていることを示唆して
いる。A4抗原内のこの別のポリペプチドが観察されなか
つたという事実は、このポリペプチドはヨード化され得
るチロシンを1つも含まない(第5図及び第6図のA4抗
原の8,000ダルトンのポリペプチド成分の説明参照)と
いう観察により証明される。
実施例4 エイメリア・テネラ(Eimeria tenella)A4抗原とその
断片の精製、同定及び特徴化 A4抗原の17,000ダルトンのペプチド成分の精製 胞子形成したイー・テネラ(E.tenella)の接合子曩を1
09個当たり10mlのPBSに再浮遊し、等量のガラスビーズ
で攪拌し破壊した。遠心分離(100,000×g、60分、4
℃)により膜を単離し、1%NP-40、10mMトリス(pH7.
5)、25mM NaCl、1mM PMSF、1mM TLCK、0.1mM TPCKそし
て10KIU/mlアプロチニン中で蛋白を可溶化させた。さら
に100,000×g(60分、4℃)遠心して不溶性の物質を
ペレツト化した。この蛋白を、10mMトリス(pH7.7)、
0.05%NP-40で平衡化したDEAE−セルロースカラムに吸
着させた後、50mM NaClを含有するこの緩衝液で洗つ
た。200mM NaClを含有する緩衝液で洗滌した後、17,000
ダルトンペプチドをアセトン沈澱で濃縮し沈澱物を添加
用緩衝液に再浮遊し、沸騰させSDS−ポリアクリルアミ
ド(15%)で電気泳動をした。この実験及び他の実験に
使用した通常のSDS-PAGE試料用緩衝液は62.5mMトリス−
HCl(pH6.8)、2%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム、1
0%(w/v)グリセロール及び0.001%(w/v)ブロムフエ
ノールブルーを含有した。SDS-PAGEの実験で非還元状態
が必要な時以外はこの緩衝液は5%(w/v)β−メルカ
プトエタノールを含有していた。染色(クマジーブルー
又はKCl)して17,000ダルトンのポリペプチドを同定し
た。適当な領域を切り取り、蛋白を電気溶出させアセト
ン沈澱で濃縮した。これらの方法は蛋白を変性させ、ジ
スルフイド結合で結合しているペプチドは分離されてし
まう。この方法で精製された17,000ダルトンのペプチド
は基本的に純粋であつた。
A4抗原の精製と特徴化 ゲル電気泳動で精製するかわりにDEAE−セルロースカラ
ムから得られたスポロキスト膜蛋白を10mMトリスHCl、p
H8、0.05%NP-40で透析し、この緩衝液で平衡化させたD
EAE-HPLCカラム(BioRad)にかけた。同じ緩衝液中のNa
Clの濃度勾配でカラムを展開した。17,000ダルトンのポ
リペプチド(ゲル電気泳動上の易動度により同定され
る)は200mM NaClで溶出する物質中に見出された。この
蛋白を含む画分を、30mMリン酸カリウム、pH6.5、0.05
%Zwittergent3−12(Calbiochem−Behring,LaJolla,C
A)0.1mMジチオスレイトールで平衡化させたハイドロキ
シアパタイトカラム(HPHT-BioRad)にかけた。このカ
ラムを平衡化緩衝液で洗い、0.05%Zwittergentと0.1mM
ジチオスレイトールを含むリン酸カリウム濃度勾配(0
−300mM)で展開させた。この17,000ダルトンのポリペ
プチド(上記のゲル電気泳動で同定した)は約90mMリン
酸カリウム中に出現する物質中にあつた。
この方法で精製される17,000ダルトンポリペプチドを含
む画分は、第2の8,000ダルトンのペプチドも含んでい
た。このペプチドは17,000ダルトンのポリペプチドにジ
スルフイド結合で結合しているようである。17,000ダル
トンのペプチドを含む画分をモノクローナル抗体A4で免
疫沈降させ、沈降した蛋白を(上記の)還元条件下でゲ
ル電気泳動で分析すると、 17,000と8,000ダルトンのポリペプチド共に免疫沈降さ
れるようである。従つて強い還元条件下でないとこの2
つのペプチドは電気泳動上に出現してこないため、スポ
ロキストの膜蛋白の中で8,000ダルトンと17,000ダルト
ンのポリペプチドは(おそらくシステインによつて)ジ
スルフイド結合で結合しているようである。非還元条件
下ではA4反応性分子種は見かけの分子量が21−23,000の
ところに易動する。
A4抗原の11,500ダルトン断片の調製 イー・テネラ(E.tenella)スポロキスト膜を前記した
ように調製し、10mlのPBS+1%トリトンX−100中に浮
遊させた。この10mlの膜浮遊液に、0.1%8−ヒドロキ
シキノリンを含む80%フエノールを10ml加えた。この浮
遊液を最少のスピードで3分間ボルテツクスし、4000RP
Mで10分間遠心分離した。フエノールと凝集した界面を
取つて、5倍量のメタノール中100mMの酢酸アンモニウ
ムで希釈し−20℃で1晩沈澱させた。アセトンで2回洗
つてから不溶性蛋白を0.5%SDS中で8時間攪拌し、4
℃、20,000RPMで1時間遠心して不溶性物質を除いた。
この試料をAG501-X8混合床樹脂(1g/500ml)を含むPBS
(pH7.2)で透析した。次にモノクローナル抗体Ptn 7.2
A4/4を用いて上澄液からA4抗原の11,500ダルトン断片
を免疫吸着させた。マイクロタイターELISAによりこの
ポリペプチドはPtn 7.2 A4/4モノクローナル抗体に反応
することが証明された。
マイクロタイタープレートELISA用に96穴のポリスチレ
ンプレート(Immulon II)を10mMグリシン緩衝化生理食
塩水、pH9.6中の抗原で感作し、37℃で1晩インキユベ
ーシヨンした。穴を0.0005%Tween-20を含む0.15M PBS
で洗いPBS-Tween中3%のBSAでブロツクし、再び洗滌
し、PBSで希釈したPtn 7.2A4/4モノクローナル抗体と共
にインキユベーシヨンした。再び穴を洗い、PBSで希釈
したペルオキシダーゼ結合ウサギ抗マウスIgG血清と共
にインキユベーシヨンした。再び穴を洗い、H2O2の存在
下で基質(2,2′−アジノ−ジ−〔3−エチル−ベンズ
チアゾリンスルホネート〕)と共にインキユベーシヨン
した。発色は15分後にDynatech MR-580マイクロタイタ
ープレートELISAリーダーで測定した。
A4抗原の6,500ダルトン断片の調製 イー・テネラ(E.tenella)のスポロキストを調製し
た。次に0.25%トリプシンと0.5%タウロデオキシコー
ル酸を含有する溶液中でスポロキストを41℃で1時間イ
ンキユベーシヨンして種虫を放出させる。1mM PMSFを含
むPBS中で種虫を数回洗い、ガラスビーズで種虫を機械
的に破壊して種虫膜を調製した。A4抗原のこの6,500ダ
ルトン断片は、Ptn 7.2A4/4モノクローナル抗体又はイ
ー・テネラ(E.tenella)種虫特異的鶏抗血清で免疫沈
降された。
A4抗原の種々のペプチドと断片の関係 第5図及び第6図に示すようにA4抗原を暗号化する遺伝
子は25,000ダルトン蛋白を暗号化している。次にこの蛋
白を蛋白分解処理をすると、ジスルフイド結合で結合し
た17,000ダルトンと8,000ダルトンのペプチドが生成す
る。A4抗原の11,500ダルトン及び6,500ダルトンの断片
は共に、17,000ダルトンペプチドの断片であると考えら
れる。6,500ダルトン断片は充分にヨード標識されるが
8,000ダルトンペプチドはヨード化されないので、本発
明者らは6,500ダルトン断片は17,000ダルトンペプチド
に由来すると結論づけている。11,500ダルトン断片は還
元SDS-PAGEで見られるので17,000ダルトンペプチドに由
来するはずである。17,000ダルトンペプチド内のこの2
つの断片の正確な位置は不明である。
実施例5 A4抗原の17,000及び8,000ダルトンペプチド成分のアミ
ノ酸配列 A4抗原の17,000ダルトンペプチド成分のアミノ酸配列 N−末端アミノ酸がブロツされていた(すなわちエドマ
ン分解ができなかつた(12))のため、17,000ダルトン
ペプチドのアミノ酸配列の決定は複雑であつた。この問
題を回避するため種々の化学物質及び酵素を用いて蛋白
を還元しアルキル化し次に消化した。得られたペプチド
を逆相HPLC(17)で精製した。17,000ダルトンペプチド
又はA4抗原をCNBr(CN)、V8プロテアーゼ(V)、キモ
トリプシン(CH)及びArg−C(R)で消化した。
プロテアーゼで消化する前に17,000ダルトンポリペプチ
ド又はA4抗原を30mMジチオスレイトール、6Mグアニジン
−HCl(pH8)で室温で1時間処理した。最終濃度が100m
Mになるように固体ヨードアセトアミドを添加し、pHを
再び8に調製し室温で1時間インキユベーシヨンした。
還元及びアルキル化した後、0.1M MOPS、pH7.5、0.1%S
DSで平衡化させたP6DG(Bio-Rad、Richmond Co)スピン
カラムか又はHPLCを用いて試薬を除き試料を精製した。
CNBr分解のために蛋白試料を70%蟻酸中1%のCNBrで4
℃で20時間処理した。試料をセイバント スピーダグ
(Savant Speedav)遠心分離機で蒸発乾固し、0.1%ト
リクロロ酢酸(TFA)又は0.1%TFA、20%アセトニトリ
ル(CH3CN)に再溶解した。V8分解は0.1%SDS、0.1M MO
PS pH7.5で、50μg17,000ダルトンポリペプチド:1μgV8
の比で室温で2時間行なつた。分解後試料を4倍量のア
セトンで−20℃で1晩沈澱させた。アセトン沈澱物を再
溶解した。キモトリプシン消化は0.05%Zwittevgent3−
12、0.1MNH4HCO3、pH7.8中、50:1、17,000ダルトンペプ
チド:キモトリプシンの比で行なつた。ペプチド精製用
に試料をTFAで酸性化した。Arg−C消化は0.05%Zwitte
rgent3−12、0.1MNH4HCO3pH7.8で15:1、17,000ダルトン
ペプチド:Arg−Cの比で37℃で2時間行なつた。−20℃
で1晩アセトン沈澱をするとペプチドは主にアセトン上
澄液中に存在した。この上澄液を前記したように蒸発さ
せ試料を再溶解した。Vydac C4カラム(the Separation
s Group,Inc.,Hisparia,CA)でペプチドを精製し、0−
100%CH3CN勾配(0.1%TFA中)で溶出した。
アミノ酸配列はハンカピラー(Hunkapiller)らの方法
(16)に従いガス逆相シーケンサーを用いて決定した。
ブロツキング剤を除いてN末端アミノ酸を直接測定し
た。0.1Mリン酸カリウム(pH8.0)10mM EDTA、5%グリ
セロール、5mMジチオスレイトール、0.05%Zwittergent
3−12中のピログルタメートアミノペプチダーゼ(5:1蛋
白:PAP)で17,000ダルトンペプチドを37℃で1時間処理
した。処理後直接アミノ酸配列を決定し、N末端アミノ
酸グルタミンが還状化してブロツクされた残基ピロリド
ンカルボン酸を形成していることが示唆された。
A4抗原の17,000ダルトンペプチド成分の完全なアミノ酸
配列を第1図に示す。
A4抗原の8,000ダルトンペプチド成分の部分的アミノ酸
配列 精製した8,000ダルトンペプチド(還元及びアルキル化
によりA4抗原に由来)をエドマン配列決定を行ない、N
末端アミノ酸配列を直接決定した。N末端の部分的部分
的アミノ酸配列を以下に示す。
NH2−ala ala gly thr thr asp ala val ile cys leu t
hr asn pro ala pro leu glu ala arg ser gln pro phe
asp asp glu 実施例6 A4抗原を暗号化するゲノムDNAクローンの単離と特徴化 イー・テネラ(E.tenella)の胞子形成した接合子曩か
らのDNAの単離 胞子形成した接合子曩(5×108)を洗い、前記のよう
にスポロキストを単離した。単離したスポロキストを0.
1Mトリス−HCl(pH8.5)、0.2M NaCl、10mM EDTAで2回
洗つた。スポロキストを0.1Mトリス−HCl(pH8.5)、0.
2M NaCl、50mM EDTA、1%SDS、150μg/mlプロテイナー
ゼK中で65℃で30分間インキユベートして分解した。室
温まで冷やしてから、等量のフエノールでDNAをゆつく
り1時間抽出した。3000rpmで10分間遠心した後水層を
除去し、界面とフエノールを10mMトリス−HCl(pH8)、
1mM EDTAで再抽出した。水層を集めてフエノールで1回
そしてクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)で
2回抽出した。DNAはエタノール沈澱により単離した。D
NAペレツトを10mMトリス−HCl(pH8)、1mM EDTAに再溶
解し、0.15mg/ml DNaseフリーRNaseAで37℃で1時間処
理した。RNase消化の後試料をフエノールで1回、クロ
ロホルム:イソアミルアルコールで1回抽出し、エタノ
ールで沈澱させた。アガロースゲルでこのDNAは20キロ
塩基対よりも大きいと決定した。
バクテリオフアージλgt wes λBにおけるイー・テネ
ラ(E.tenella)ゲノムライブラリーの作成 マニアチスら(Manniatis et al.)らの方法(32)を用
いてバクテリオフアージλgt wes λB(25)における
イー・テネラ(E.tenella)のゲノムDNAライブラリーを
作成した。フアージはポリエチレングリコール沈澱、ク
ロロホルム抽出、CsCl勾配遠心法により精製した。精製
したフアージは1%SDS、50mM EDTA、150μg/mlプロテ
イナーゼKで破壊し、フエノール抽出、クロロホルム抽
出そしてエタノール沈澱により精製した。イー・テネラ
E.tenella)ゲノムDNAとフアージDNAはEcoRIで完全に
分解した。フアージDNAの左腕及び右腕を粘性末端でア
ニーリングさせ、腕をシヨ糖密度勾配遠心法により精製
した。T4DNAリガーゼを用いてEcoRI消化したDNAの30μ
gをEcoRI消化したイー・テネラ(E.tenella)6μgに
結合させた。結合したDNA20μgをインビトロでフアー
ジにパツケージ化して5×106組み換えフアージ粒子の
ライブラリーを作成した。
合成オリゴヌクレオチド A4抗原の17,000ダルトンペプチド成分を暗号化する遺伝
子部分に相補的と思われるオリゴヌクレオチドプローブ
を、Biosearch Sam I(Biosearch Inc.,San Rafael,C
A)を用いて合成した。適当な領域の予想されるDNA配列
は、17,000ダルトンペプチドのアミノ酸配列から推定し
た。遺伝暗号にはあいまいさがあるため正確なDNA配列
は予測できなかつた。DNA配列の混合物を含む「混合プ
ローブ」を設計し作成した。このうちの1つは17,000ダ
ルトンペプチドの遺伝子と完全に一致するはずである。
オリゴヌクレオチドCOD92はアミノ酸6−12のペプチドV
Iに基づく(実施例5の17,000ダルトンペプチドのアミ
ノ酸配列を参照)。これは256個の異なる配列を含んで
いた。オリゴヌクレオチドCOD92の構造は: アミノ酸配列: Gly Asn Phe Ala Tyr Tyr Pro オリゴヌクレオチドCD94は17,000ダルトンペプチドのペ
プチドV2のアミノ酸3−9を基準にした。
アミノ酸配列: Trp Lys Thr Glu Ile Cys オリゴヌクレオチドCOD108はペプチドVIのアミノ酸25-3
0を基準にした。これは16個の異なる配列を含有してい
た。オリゴヌクレオチドCD-108の構造は: アミノ酸配列: Glu Tyr Trp Lys Gly Gly イー・テネラ(E.tenella)ゲノムDNAライブラリーの配
列決定 イー・テネラ(E.tenella)ゲノムDNAライブラリーの組
み換えフアージを、(2−3×104フアージ/プレー
ト)までの高密度で15cmのプレートに広げた。ベントン
とデービス(Benton and Davis)の方法に従つて各プレ
ートのニトロセルロースフイルターのレプリカを作る
(2)。比活性を高く標識(32P−ATP使用)した適当な
合成オリゴヌクレオチドとT4ポリヌクレオチドキナーゼ
と共にこのフイルターをインキユベーシヨンする。陽性
のプラークをオートラジオグラフイーで同定した。オリ
ゴヌクレオチドCOD-92及び108ハイブリダイズしたもの
のみ陽性とした。ハイブリダイズするDNAを含むフイル
ターの領域に相当するブロツクの領域をプレートから切
り取つた。フアージを溶出し再びプレートに低密度(20
-100/プレート)で広げ3つの全てのヌクレオチドプロ
ーブで再スクリーニングした。純粋な単離した陽性プラ
ーク又はクローンを取つた。フアージ108−1はオリゴ
ヌクレオチドCOD-92と強くハイブリダイズし、オリゴヌ
クレオチドCOD-92とは中程度にハイブリダイズした。イ
ー・テネラ(E.tenella)挿入部の精製と特徴化用にフ
アージ108−1を大量に増殖させた。フアージ108−1DNA
は特徴化すると5,500塩基対のEcoRI挿入部分があつた。
17,000ダルトンペプチドを暗号化するゲノムクローンの
詳細な特徴化−制限地図 クローン108−1の5,500塩基対のEcoRI断片挿入部分を
λフアージベクターからプラスミドpUC9へサブクローニ
ングした(56)。ゲノムDNAクローンにおける重要な制
限部位を決めるために、この組み換えプラスミドを種々
の制限酵素で切断した。17,000ダルトンペプチド遺伝子
の位置や並び方を決めたり、EcoRIゲノムDNA断片の配列
を決めたりする方法を考えるためにDNA内における制限
部位の位置は重要である。第2図にその制限地図を示
す。17,000ダルトンペプチド遺伝子の位置や並び方がこ
の図に示してある。
クローン108−1のDNA配列の解析 A4抗原の17,000ダルトンペプチド成分の遺伝子を含むク
ローン108−1のBglII-EcoRI断片の配列を、種々の制限
酵素断片を用いるサンガー(Sanger)のジジオキシ法
(44)により決定した。DNA合成のプライマーとしてオ
リゴヌクレオチドCOD-92、94、108、そして他の合成オ
リゴヌクレオチドを用いた。そのDNA配列を第3図に示
す。
A4抗原を暗号化する遺伝子の構造 DNA配列はアミノ酸配列から予測されるものと一致す
る。さらに蛋白の配列からは不明である遺伝子の特徴が
3つある。蛋白の知見及び一般的な分泌性蛋白の構造に
関する知見を利用して、A4抗原の遺伝子の構造を導き出
した。
スポロキスト膜の17,000ダルトンペプチドのアミノ末端
(第5図参照)Gln-Asp-Tyr…から、この遺伝子は上流
に余分のアミノ酸を23個分暗号化していることがわか
る。このDNA配列は多くの分泌性又は膜蛋白の遺伝子の
アミノ末端にみられる典型的な「シグナル」配列である
(23、3)。これが暗号化しているペプチドは、蛋白が
合成の場(細胞質)から及び/又は原形質膜を通して外
へ出るのに必要である。このシグナルペプチドは普通そ
の分泌過程で除かれる。A4抗原は種虫の外表面で見出さ
れれるためには細胞質膜を通過する可能性が高いため、
シグナルペプチドがあつても当然であろう。全ての蛋白
の合成はメチオニンから始まるため、シグナル配列のア
ミノ末端はMetコドンと考えられる。
この遺伝子はDNA配列が蛋白配列と一致しない部分が3
固所ある。その最初のものは成熟した17,000ダルトン蛋
白配列のVal−7のコドン内にある101塩基対部分であ
る。第2は17,000ダルトンペプチドのGly-65とGly-66の
コドンの間の114塩基対部分である。第3は8,000ダルト
ンペプチドのAsp-186のコドン内の124塩基対部分であ
る。これらの3つの配列は多くの真核細胞生物の遺伝子
のコーデイング領域に典型的にみられるイントロン構造
である。これはmRNA前駆体中に存在し、「スプライシン
グ」というRNA組み換え機構により除去されて、妨害の
はいつていないコーデイング配列を有する成熟mRNAを与
える。「スプライス接合部」のまわりのDNA配列は他の
真核細胞生物の遺伝子にみられる構造と一致する。
17,000ダルトンペプチドの配列は、コドン157と158に対
応する配列Gly-Glyで終了するようである。本発明者ら
は又8,000ダルトンペプチドは、Ala-162で始まりGlu-18
8まで伸びている配列に対応することを証明した。コド
ン159から161に対応するペプチド配列Arg-Arg-Leuは見
つかつていない。このトリペプチドはインシユリンのよ
うな他の蛋白の切断に似た機械で除かれている可能性が
ある(53)。従つA4抗原のペプチドは連続的なヌクレオ
チド配列によつて暗号化されており、少なくとも1つの
蛋白分解過程がAla-162で始まる8,000ダルトンペプチド
を産生している。
実施例7 A4蛋白抗原に対する抗イデイオタイプ抗体 A4抗イデイオタイプ抗体はウサギを精製したA4モノクロ
ーナル抗体で感作して調製した。
A4モノクローナル抗体の調製 Ptn 7.2A4/4ハイブリド
ーマをHB101 無血清培地(HANA Biologics)で約2×1
06細胞/mlの密度になるまで増殖させた。上澄液は抗マ
ウスIgG及び抗マウスγG3に対して、アガロースゲル中
の二重放射免疫拡散法により試験した。陽性の上澄液は
集めて限外濾過法で約50倍濃縮し、50mMトリス、150mM
NaCl、0.2%NaN3、pH8.4に対して透析した。次に上澄液
をプロテインA−セフアロースカラムに通し、免疫グロ
ブリンを結合させた。15倍のベツド容量の上記緩衝液で
カラムを洗い、未結合の蛋白は全て除去した。結合した
抗体は、100mM酢酸ナトリウム、0.04%アジ化ナトリウ
ム、pH4.0、で2ml画分ずつ、500mMリン酸緩衝液、pH7.
5、を2ml含むチユーブの中へ溶出させた。次に抗体をDE
AE−アフイーゲル ブルーカラム(Bio-Rad Labs)中を
通過させてピーク画分を集め、硫酸アンモニウム沈澱に
より濃縮した。濃縮した抗体を透析して残つている塩を
除い、ローリー(Lowry)の蛋白定量法で定量した。8
−20%SDS-PAGポリアクリルアミドゲル中の電気泳動分
離により純度を測定した。
抗イデイオタイプ抗体産生 最初は完全フロイントアジユバンド中で500μgの精製
したPtn 7.2A4/4抗体をウサギに投与し、次に不完全フ
ロイントアジユバンド中で500μgの抗体を、10日間お
きに3回投与した。心臓穿刺によりウサギを出血させ、
出血を集めて直ちに−70℃で保存した。
マウス血清蛋白免疫吸着カラムの調製 非免疫マウスの血清を硫配アンモニウム(50%飽和)で
沈澱させ、沈澱した蛋白をPBSに再浮遊させ、セフアデ
ツクスG−25カラムに通し残存する塩を除いた。ピーク
画分を集め、100mM NaHCO3、500mM NaCl、pH8.3に対し
て透析し、CNBr活性セフアロースと共有結合させた。
A4抗イデイオタイプ抗体の精製 Ptn 7.2A4/4に対し免
疫のウサギの血清を、マウス血清蛋白で調製した免疫吸
着カラムにのせた。結合しなかつた抗体は2ml画分で集
めて、二重放射免疫拡散法でPtn 7.2A4/4に対する活性
を測定した。次に陽性画分をSDS-PAGEにより抗体の重鎖
及び軽鎖について調べた。この調製物は鶏をワクチン化
するのに使用できる。ワクチン化/防御化試験の代表的
なプロトコールは以下のようになる。5%Arlacel4、94
%Drakeol6−VR及び1%Tween-80より成る担体3倍量を
アジユバントとしたA4抗イデイオタイプ抗体100μgを
筋肉内投与して鳥をワクチン化する。対照の鳥はワクチ
ン化していないものか、又はA4抗イデイオタイプ抗体と
同様の方法で対照ウサギから精製した、アジユバントを
与えた抗体を投与されたものでもよい。14日後さらに10
0μgのアジユバントを抗体で再びワクチン化される。
2回目のワクチン化の14日後に、イー・テネラ(E.tene
lla)の接合子曩12,000個で鳥に抗原投与する。抗原投
与5日後に病変のスコア化を行なつた。対照に比較する
とA4抗イデイオタイプ抗体でワクチン化した鳥では病変
が50−60%減少する。
実施例8 モノクローナル抗体Ptn 7.2A4/4を用いる鶏の受動的保
護 モノクローナル抗体Ptn 7.2A4/4を用いるイー・テネラ
(E.tenella)及びイー・ネカトリツクス(E.necatri
x)種虫感染に対する防御 イー・テネラ(E.tenella)の種虫に対して作成し、イ
ンビトロでイー・テネラ(E.tenella)の種虫を中和す
ることの証明されたモノクローナル抗体Ptn 7.2A4/4
が、イー・テネラ(E.tenella)又はイー・ネカトリツ
クス(E.necatrix)の感染からそれぞれ排泄腔又は経口
的に鶏を受動的に防御できるか否かを調べるために2つ
の実験を行なつた。実験1では、4週令のSPFホワイト
レツグホーンチキン7羽の6群に、イー・テネラ(E.te
nella)の種虫を106、105又は104個排泄腔に植菌した。
種虫はPtn 7.2A4/4モノクローナル抗体の最小中和量
(1.75×106抗体分子/種虫)の8倍量又はSP2/0ミエロ
ーマ上澄液の等量と、あらかじめ1時間インキユベート
した。実験2では、4週令のSPFホワイトレツグホーン
チキン7羽の6群に、イー・ネカトリツクス(E.necatr
ix)の種虫を106、105又は104個、鶏に経口植菌した。
植菌の前に、Ptn 7.2A4/4の最小中和量の5倍量で1時
間インキユベートした。対称種虫はSP2/0ミエローマ培
養上澄液でインキユベートした。
種虫の排泄腔及び経口植菌にはシリンジと凝固チツプを
用いた。投与容量を0.5又は1mlにして適当な数の種虫を
与えた。
実験1では106個の種虫を与えた対照群の3羽が4日目
と5日目の間にコクジウム症で死んだ。処理群の中で死
んだ鶏はいなかつた。同様に病変スコアー及びヘマトク
リツト値共に、処理群より対照群の方が重症であつた。
実験2における結果は、Ptn 7.2A4/4モノクローナル抗
体で処理したイー・ネカトリツクス(E.necatrix)の種
虫を受けた鳥は、感染に対し防御能が付与されていたこ
とを示している。Ptn 7.2A4/4を受けた群の病変スコア
ーは各対照群より低かつた。
実施例9 鶏においてイー・テネラ(E.tenella)に対する種虫中
和性血清応答と防御応答を誘導するための、イー・テネ
ラ(E.tenella)A4抗原とその11,500ダルトン断片の使
用 A4抗原を使用してイー・テネラ(E.tenella)に対する
種虫中和性血清応答を誘導すること これらの実験で使用したA4抗原は、非還元完全A4抗原の
調製に関する実施例4に記載した方法によりスポロキス
トから調製した。蛋白の純度と本体は、鶏で使用する前
にSDS-PAGE及びモノクローナル抗体Ptn 7.2A4/4との免
疫反応性により確認した。
ワクチンの調製物は、抗原1部に対して5%ArlacelA,9
4%Drakeol6−VR,1%Tween-80より成る油担体3部の割
合で調製し、投与量0.1ml当たり約15μgのA4抗原が含
まれるようにした。必要な場合は抗原を所期のレベルま
でPBS(pH7.2)で希釈した。首の筋肉を通して鶏に0.1m
l投与した。抗原は2週間間隔で同じ量を同じ方法でさ
らに2回投与した。
各回の蛋白投与の3日前及び最終投与の11日後に鶏を出
血させて血清試料を集めた。実施例1で記載したよう
に、熱非活性化血清を単独に種虫微量中和法で試験し
た。
ここに示した結果は担体のみを与えられたワクチン接種
を受けていない鶏はイー・テネラ(E.tenella)の種虫
に対して中和抗血清力価を示さなかつたが、抗原を3回
接種された鶏は中和抗血清力価を示した。
A4抗原を用いて鶏において防御性応答を誘導すること 最後のワクチン化の63日後に、数羽の鶏に胞子形成した
イー・テネラ(E.tenella)の接合子曩を1,000個投与し
た。翌日さらに3,000個を経口投与した。最終の抗原投
与5日後に盲曩の病変をスコア化した。以下にその結果
を示す。
A4抗原の11,500ダルトン断片を用いるイー・テネラ(E.
tenella)に対して種虫中和血清応答を誘導すること これらの実験に使用した11,500ダルトンの免疫原は、実
施例4に記載したようにフエノール抽出によりスポロキ
ストから調製した。蛋白の純度と本体は、鶏で使用する
前にSDS-PAGE及びモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4との免
疫反応性により確認した。
凍結乾燥した精製抗原を0.15Mリン酸緩衝化生理食塩水
に溶解し、5%ArlacelA,94%Drakeol6−VR,1%Tween-8
0より成る3倍量の担体を、最終抗原濃度が70μg/mlに
なるように懸濁させた。鶏の首の筋肉から投与量0.2cc
当たり14μgの蛋白を与えた。2週間後に同じ方法で同
じ経路で投与した。
各回の蛋白投与の1日前及び2回目の投与の2日後鶏を
出血させて血清試料を集めた。熱非活性血清を単独に種
虫微量中和法で試験した。
下記の結果は、担体のみを与えられたワクチン接種を受
けていない鶏はイー・テネラ(E.tenella)種虫に対し
て中和抗血清力価を示さなかつたが、抗原を投与された
鶏は1:81までの中和抗血清力価を示した。
A4抗原の11,500ダルトン断片を用いて鶏に防御性応答を
誘導すること 前記の担体中の約3μgの抗原を鶏の首の筋肉に1回投
与した。第2群には担体物質のみ与えた。最終群は上記
2群と各々同じ小屋に入れた(混合)。イー・テネラ
E.tenella)で汚染された小屋の中へ鶏を入れてコク
シジウムに接触させた。約2週間後鶏を調べるとイー・
テネラ(E.tenella)に感染していることがわかつた。
以下の結果が見られた。
上記の条件は自然状態で野外でイー・テネラ(E.tenell
a)に接触する場合にそつくりなため、ここに示したデ
ータはイー・テネラ(E.tenella)によるコクシジウム
症に対する防御としての本発明の有用性を明瞭に示して
いる。
鶏の中和血清抗体は、A4抗原の17,000ダルトンポリペプ
チド成分を認識していることの証明 ウエスタンブロツト(4,46)を用いてA4抗原の17,000ダ
ルトンポリペプチド成分に対する血清抗体の特異性を解
析した。イー・テネラ(E.tenella)の種虫に対する中
和力価を有する鶏血清は全て、A4抗原の17,000ダルトン
ポリペプチド成分に対する特異性のある免疫グロブリン
を有していた。逆に非応答性すなわち対照鶏の血清はど
れも、17,000ダルトンポリペプチド又は他の種虫蛋白に
対して特異性を有していなかつた。
チキンの中和血清抗体がモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4
と拮抗することの証明 イー・テネラスポロゾイトに対し証明可能な中和力価を
もつワクチン化鳥由来の血清および相当するコントロー
ル血清は、スポロゾイト膜への結合部位について抗体Pt
n7.2A4/4と拮抗する能力に関し試験した。ポリスチレン
96ウエルクラスター(イムロンII)は、約100μg全タ
ン白質/mlレベルで、pH9.6の10mMグリシン緩衝塩水中ス
ポロゾイト膜タン白質50μlで感作させた。連続した2
倍稀釈血清は、Ptn7.2A4/4に結合したアルカリ性ホスフ
アターゼ1:80稀釈を含有する0.0005%ツイーン−20によ
り、0.15Mリン酸緩衝塩水中調製し、ついで最終容量75
μl/ウエルで感作プレートに移した。37℃/30分インキ
ユベーシヨン後、ツイーン−20(0.0005%)を有する0.
15Mリン酸緩衝塩水を使つて、未反応物質がなくなるま
でプレートを洗つた。その後、1mg/mlレベルで100mMジ
エタノリンバツフアーに溶解したホスホニトロフエノー
ルのナトリウム塩から成る基質を最終容量100μlまで
プレートの各ウエルに加えた。生成した反応生成物は分
光光度計によりモニターした。この実験から、中和とイ
ムノブロツトにより明かな様に、ワクチンに感応する鳥
由来血清にもモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4と拮抗する
抗体を有することが確認できた。この実験により直接明
らかになつたことは、モノクローナル抗体Ptn7.2A4/4を
使うイムノアフイニテイクロマトグラフイー又は常法の
クロマトグラフイによりスポロゾイト膜から精製した抗
原はモノクローナルPtn7.2A4/4により規定されたエピト
ープに対しチキンの免疫応答を刺激することができる。
例10 チキン中のイー・ネカトリツクスに対するスポロゾイト
中和血清応答を誘導するためのイー・テネラタン白質の
使用。
A4抗原の11,500ダルトン断片(例9)を接種した鳥由来
の熱不活性化血清を集め、豚胎児肺細胞を鶏胎児腎細胞
と置換して中和試験(例1)にてテストした。結果は次
表に示した。
このデータによれば、鳥がA4抗原の精製11,500ダルトン
断片を受容する場合、イー・ネカトリツクスに対する高
められた血清中和力価の進展を証明している。A4抗原又
はA4抗原の11,500ダルトン断片の投与により、イー・テ
ネラに対する血清中和力価の上昇を来たし、かつA4抗原
又はA4抗原の11,500ダルトン断片の投与により、イー・
テネラ攻撃の防御となることが予め証明されていたか
ら、およびイー・ネカトリツクススポロゾイト中和力価
はA4抗原の11,500ダルトン断片の投与により上昇するか
ら、イー・ネカトリツクスに対する防御はA4抗原又はA4
抗原の11,500ダルトン断片の投与の結果であると推論す
ることができる。
例11 イー・テネラに帰因する病気からチキンを保護するため
の抗原のホーミユレーシヨンおよび使用。
イー・テネラに原因するコクシジウムに対するチキン免
疫組成物はモノクローナル抗体Ptn7.2A4/4又はその断片
により同定される完全なA4抗原から調製することができ
る。抗原用のある適当なキヤリアーは5%アーラセル
A、94%ドラケオール6−VR、1%ツイーン−80であ
る。抗原水溶液1部をアーラセルA/ドラケオール6−VR
3部で処方して、最終濃度10μg抗原/ドースすること
によりワクチンを調製することができる。このワクチン
は筋肉内ルートにより任意年令のチキンに投与すること
ができる。適当に接種した鳥は、イー・テネラのフイー
ルド攻撃に帰因する病気、元気のない挙動又は死から防
御されよう。
例12 イー・ネカトリツクスに帰因する病気からチキンを保護
するための抗原のフオーミユレーシヨンおよび使用。
例10に記述のものをある組成物に含有させることができ
る。ワクチンは筋肉内ルートにより任意年令のチキンに
投与することができる。適当に接種した鳥はイー・ネカ
トリツクスのフイールド攻撃に帰因する病気、元気のな
い行動又は死から保護される。
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ア・ネカトリツクスの卵形(弱毒化)ライン:その再生
病原性および免疫性に対する研究、パラシトロジイ84,2
15。
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ルIgG抗体の影響、ジヤーナル・オブ・パラシトロジ
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テネラ接合子のう、スポロシストおよびスポロゾイトの
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【図面の簡単な説明】
第1図はA4抗原の17,000ダルトンポリペプチド成分のア
ミノ酸配列を示す。 第2図はA4抗原をコードするイー・テネラのゲノムクロ
ーンの制限酵素地図を示す。 第3図a〜cは、第2図に示したゲノムクローンのBgl
II-EcoRl DNA断片の配列を、A4抗原の17,000ドルトンお
よび8,000ドルトンポリペプチド成分、およびシグナル
ペプチドのアミノ酸配列および遺伝子内のイントロンを
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C 8214−4B (72)発明者 ゲイリイ アール・ピーターセン アメリカ合衆国アイオワ州チヤールズ シ イテイ,セカンド アベニユー 210 (72)発明者 ランデイ アール・シモンソン アメリカ合衆国アイオワ州チヤールズ シ イテイ,アールアール 1 (72)発明者 バージニア メリイ ブラザーズ アメリカ合衆国カリフオルニア州アルバニ イ,ペラルタ アベニユー 988 (72)発明者 ジエームス ゴードン フアイルズ アメリカ合衆国カリフオルニア州ベルモン ト,リヨン アベニユー 1911 (72)発明者 レランド シヨーン ポール アメリカ合衆国カリフオルニア州ウツドサ イド,スカイライン 14826 (56)参考文献 特開 昭60−67499(JP,A)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鶏においてエイメリア・テネラ(Eimeria
    tenella)又はエイメリア・ネカトリックス(Eimeria n
    ecatrix)による感染に対する防御能をあたえる免疫応
    答を誘導することのできる精製した抗原性蛋白におい
    て、分子量が約17,000であり、N−末端アミノ酸がブロ
    ックされている第(3)図に示すアミノ酸配列を有する
    1つのポリペプチドと、分子量が約8,000であり第
    (3)図に示すアミノ酸配列を有するもう1つのポリペ
    プチドが、ジスルフィド結合により結合した2つのポリ
    ペプチドより成る、エイメリア・テネラのスポロキスト
    から得られる分子量が約25,000の上記蛋白。
  2. 【請求項2】鶏においてエイメリア・テネラ(Eimeria
    tenella)又はエイメリア・ネカトリックス(Eimeria n
    ecatrix)による感染に対する防御能をあたえる免疫応
    答を誘導することのできる精製した抗原性蛋白であっ
    て、分子量が約17,000であり、N−末端アミノ酸がブロ
    ックされている第(3)図に示すアミノ酸配列を有する
    1つのポリペプチドと、分子量が約8,000であり第
    (3)図に示すアミノ酸配列を有するもう1つのポリペ
    プチドが、ジスルフィド結合により結合した2つのポリ
    ペプチドより成る、エイメリア・テネラのスポロキスト
    から得られる分子量が約25,000の上記蛋白のアミノ酸配
    列に含まれるフラグメントを有し、鶏においてエイメリ
    ア・テネラ(Eimeria tenella)又はエイメリア・ネカ
    トリックス(Eimeria necatrix)による感染に対する防
    御能をあたえる免疫応答を誘導することのできる抗原性
    ポリペプチドたる精製した抗原性蛋白。
  3. 【請求項3】鶏においてエイメリア・テネラ(Eimeria
    tenella)又はエイメリア・ネカトリックス(Eimeria n
    ecatrix)による感染に対する防御能をあたえる免疫応
    答を誘導することのできる精製した抗原性蛋白であっ
    て、分子量が約17,000であり、N−末端アミノ酸がブロ
    ックされている第(3)図に示すアミノ酸配列を有する
    1つのポリペプチドと、分子量が約8,000であり第
    (3)図に示すアミノ酸配列を有するもう1つのポリペ
    プチドが、ジスルフィド結合により結合した2つのポリ
    ペプチドより成る、エイメリア・テネラのスポロキスト
    から得られる分子量が約25,000の上記蛋白の調製方法に
    おいて、 a.スポロキスト膜蛋白を可溶化するためにプロテアーゼ
    阻害剤の存在下で適当な非還元条件下で、エイメリア・
    テネラ(Eimeria tenella)のスポロキストを界面活性
    剤と接触させ、 b.可溶化したスポロキスト膜蛋白を適当な非還元条件下
    で別々に回収し、又はさらに、 c.該スポロキスト膜蛋白から適当な還元条件下でポリペ
    プチドを別々に回収する、 ことより成る上記方法。
  4. 【請求項4】スポロキスト膜蛋白を別々に回収すること
    とは、可溶化されたスポロキスト膜蛋白をイオン交換及
    びハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーにより部
    分的に精製することである特許請求の範囲第3項に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】スポロキスト膜蛋白を別々に回収すること
    とは、モノクローナル抗体Rtn7.2A4/4を用いる免疫沈降
    法又は免疫親和性クロマトグラフィーより成る特許請求
    の範囲第3項に記載の方法。
  6. 【請求項6】ポリペプチドを別々に回収することとは、
    DEAEセルロースによるクロマトグラフィーの後適当な還
    元条件下で調製SDS電気泳動により、可溶化したスポロ
    キスト膜蛋白を部分的に精製することより成る特許請求
    の範囲第3項に記載の方法。
  7. 【請求項7】鶏においてエイメリア・テネラ(Eimeria
    tenella)又はエイメリア・ネカトリックス(Eimeria n
    ecatrix)による感染に対する防御能をあたえる免疫応
    答を誘導することのできる精製した抗原性蛋白であっ
    て、分子量が約17,000であり、N−末端アミノ酸がブロ
    ックされている第(3)図に示すアミノ酸配列を有する
    1つのポリペプチドと、分子量が約8,000であり第
    (3)図に示すアミノ酸配列を有するもう1つのポリペ
    プチドが、ジスルフィド結合により結合した2つのポリ
    ペプチドより成る、エイメリア・テネラのスポロキスト
    から得られる分子量が約25,000の上記蛋白の調製方法に
    おいて、該蛋白を暗号化するDNA分子を調製し、DNA分子
    を適当な発現ベクターに挿入し、こうして得られる発現
    ベクターを適当な条件下で適当な宿主に導入してDNAを
    発現させ及び蛋白を産生させ、こうして得られた蛋白を
    回収することより成る上記方法。
  8. 【請求項8】鶏においてエイメリア・テネラ(Eimeria
    tenella)又はエイメリア・ネカトリックス(Eimeria n
    ecatrix)による感染に対する防御能をあたえる免疫応
    答を誘導することのできる精製した抗原性蛋白であっ
    て、分子量が約17,000であり、N−末端アミノ酸がブロ
    ックされている第(3)図に示すアミノ酸配列を有する
    1つのポリペプチドと、分子量が約8,000であり第
    (3)図に示すアミノ酸配列を有するもう1つのポリペ
    プチドが、ジスルフィド結合により結合した2つのポリ
    ペプチドより成る、エイメリア・テネラのスポロキスト
    から得られる分子量が約25,000の上記蛋白の有効な免疫
    量を鶏に投与することより成る、エイメリア・テネラ
    Eimeria tenella)又はエイメリア・ネカトリックス
    Eimeria necatrix)による感染に対し鶏に能動免疫を
    与える方法。
  9. 【請求項9】有効な免疫量とは約0.1μgから約1.0mgで
    ある、エイメリア・テネラによる感染に対し鶏に能動免
    疫を与える特許請求の範囲第8項に記載の方法。
  10. 【請求項10】有効な免疫量とは約0.1μgから約1.0mg
    である、エイメリア・ネカトリックスによる感染に対し
    鶏に能動免疫を与える特許請求の範囲第8項に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】エイメリア・テネラ(Eimeria tenell
    a)又はエイメリア・ネカトリックス(Eimeria necatri
    x)による感染に対し鶏に能動免疫を与えるためのワク
    チンにおいて、1回の投与量当たり有効な免疫量の蛋白
    (ただしこの蛋白は鶏においてエイメリア・テネラ(Ei
    meria tenella)又はエイメリア・ネカトリックス(Eim
    eria necatrix)による感染に対する防御能をあたえる
    免疫応答を誘導することのできる精製した抗原性蛋白に
    おいて、分子量が約17,000であり、N−末端アミノ酸が
    ブロックされている第(3)図に示すアミノ酸配列を有
    する1つのポリペプチドと、分子量が約8,000であり第
    (3)図に示すアミノ酸配列を有するもう1つのポリペ
    プチドが、ジスルフィド結合により結合した2つのポリ
    ペプチドより成る、エイメリア・テネラのスポロキスト
    から得られる分子量が約25,000の上記蛋白である)と適
    当な担体を含有する上記ワクチン。
  12. 【請求項12】有効な免疫量とは鶏の体重1kg当たり約
    0.1μgを超える量である特許請求の範囲第11項に記載
    のワクチン。
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