JPH0695953B2 - ガスの産生の有無を一つの指標とする微生物の検査方法,該方法に用いるガス検出体及び微生物検査用培地密封体 - Google Patents

ガスの産生の有無を一つの指標とする微生物の検査方法,該方法に用いるガス検出体及び微生物検査用培地密封体

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JPH0695953B2
JPH0695953B2 JP19323790A JP19323790A JPH0695953B2 JP H0695953 B2 JPH0695953 B2 JP H0695953B2 JP 19323790 A JP19323790 A JP 19323790A JP 19323790 A JP19323790 A JP 19323790A JP H0695953 B2 JPH0695953 B2 JP H0695953B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ガスの産生の有無を一つの指標とする微生物
の検査方法、該方法に用いるガス産生検出体及び微生物
検査用培地密封体に関し、更に詳しくは、ガス産生の有
無及び特定の微生物の特徴的な物質産生の有無を指標と
して特定の微生物が存在するか否かを検出し、また検出
された微生物の同定を行う方法、該方法に用いるガス検
出体及び微生物検査用培地密封体に関する。
従来技術の問題点 食品の微生物検査における検査項目に、大腸菌及び大腸
菌群検査がある。大腸菌群は、その成育中に乳糖を分解
してガス及び酸を産生する。これらの性質を利用して、
従来ダーラム発酵管とpH指示薬とを用いて、大腸菌群の
検出が行われてきた。また赤痢菌やチフス菌はブドウ糖
を分解して酸を産生するが、ガスを産生しないことが特
徴とされ、それらの同定上ガス非産生性は必須の検査項
目となっている。
ダーラム発酵管は、一端を開放した小型の管であり、被
検物試料を混入し液体培地中において内部の気体を排除
して沈めておき、一定時間培養する。被検物中にガス産
生菌が存在すれば、ガスがダーラム発酵管内に気泡とし
て捕捉され(極端な場合にはダーラム発酵管が浮上す
る)、その気泡の発生またはダーラム発酵管の浮上によ
ってガス産生菌の存在を知ることができる。
各種の糖を含む液体培地にpH指示薬を混入しておき、培
養によってその糖が発酵されれば、酸が産生され、pH指
示薬を変色させ、それによって酸産生菌の存在を知る。
乳糖を発酵させて酸とガスとを産出する微生物は大腸菌
だけではないが、食品衛生学では、大腸菌群とは乳糖を
分解してガスを産生すると定義されている。かくて、食
品検査において、ダーラム発酵管とpH指示薬とを用いて
大腸菌群の検出が行われている。
しかしながら、ダーラム発酵管内の空気を排除して、か
つ管の開口部を下方に配置して液体培地中に沈める作業
は面倒であり、また熟練を要し、従ってまたその作業を
機械化することは困難であった。ダーラム発酵管は、培
養中においても、その開口部を下方に配置して保持する
ことが必要である。食品加工業者は取り扱い商品の各品
目について、日常的に検査を行うので、検査方法の簡便
化及び簡便な検査手段の開発が望まれていた。更に、液
体培地が色素によって着色されているときは、ダーラム
発酵管内に補足された気泡は目視によって検出するのが
容易でない場合があり、ガスの発生の有無の判定を自動
化することが望まれていた。また、これらの検査に用い
られる諸器具は、使用の前後に洗浄,滅菌を行っている
が、これらの作業は検査所要時間の多くの部分を占め、
またそれらの作業中に破損も発生する。従って、使い捨
てに適した検査用培地密封体を提供することが望まし
い。
本発明者等は、これらの問題の解決につき鋭意研究を重
ね、本発明に到達した。
問題点を解決する手段 本発明方法によれば、培養容器に液体培地を注入し、該
培地よりも大きい比重を有し,かつ該液体培地及び微生
物の侵入を許す気泡拘束空隙を有し,且つ導電性素材
(例えば金属薄層,磁性体)を付帯せしめられているガ
ス検出体の少なくとも一つを沈めておき、液体培地に被
検物試料を混入した後、培養して、微生物が産生したガ
スによってガス検出体の少なくとも一部が浮上したこと
を渦電流センサにより検出してガス酸性微生物の存在を
知る。勿論、ガス検出体の状態を目視によって観察する
ことも可能である。
上述のガス検出体の具体的構造としては、様々な変形が
あるので、それらの詳細は実施例に基づいて説明する
が、それらの共通の基本的要件は、ガス検出体の微生物
検査に用いられる液体培地に対する相対比重が1よりも
大きいこと(望ましくは僅かに大きいこと)、液体培地
及び微生物の侵入を許す気泡拘束空隙を有すること、及
び導電性素材が付帯せしめられていること、である。望
ましい付加的な要件としては、ガス検出体の外形が、重
力場において液体培地中でほぼ安定な姿勢をもち,その
安定姿勢において上記導電性素材がほぼ水平方向に沿っ
て配向される可及的に広い面を有すること、一般に導電
性素材が液体培地成分との間に化学反応を起こさないこ
と、特に導電性素材が耐腐食性を有するか,腐食に対し
て保護されていることである。
本発明による微生物検査用の培地密封体は、少なくとも
一つの培養容器と、上記培養容器を開封可能に密封する
蓋体とを有し、上記各培養容器内に,少なくとも液体培
地と,該液体培地に対する相対比重が1よりも大きく,
液体培地及び微生物の侵入を許す気泡拘束空隙を有し,
且つ導電性素材を付帯せしめられているガス検出体の少
なくとも一つとを無菌的に収容している。上記液体培地
の組成は、検出されるべき微生物の種類に応じて適切な
成分(例えば乳糖,ブドウ糖など)を含み、また適切な
指示薬(例えばpH指示薬)を混入させる。これにより、
ガスの産生の有無及び培地の変化(例えば変色,混濁,
沈澱,蛍光など)の有無の組み合わせによって、被検物
中に存在が予測される微生物群の中から特定の微生物
(例えば大腸菌群)の有無を判定し、あるいは不特定の
微生物群の中から一定の菌学的性質を有する微生物の存
否を判定し、あるいは特定の微生物を同定できる。尚、
上記pH指示薬以外の指示薬としては、限られた微生物群
又は特定の微生物が菌体外に排出する特異的または特徴
的な産生物質と反応して、可視的に識別可能な変化、例
えば変色,混濁,沈澱,蛍光を生ずる指示薬が存在する
ならば、かかる指示薬をpH指示薬に代えて用いることが
可能となり、それによって食品に限らず特定の種類の被
検物中の限られた範囲の微生物群を対象とした微生物検
査に応用できる。上記培養容器を樹脂で形成して使い捨
てとすることができる。
上記のガス検出体の素材には、下記の条件が必須であ
る。即ち、検出の目的となる微生物の成育を阻害する生
物活性をもたないこと、液体培地中で微生物が産生した
ガスの気泡を拘束する気泡拘束空隙を有すること、ガス
検出体が全体として液体培地よりも大きい(望ましくは
僅かに大きい)比重を有し,産生ガスを上記気泡拘束空
隙に捕捉することによって浮上することができること、
滅菌処理が可能であること、及び導電性素材が付帯して
いることである。その他の望ましい条件としては、液体
培地を容易に充満,含浸,浸透させることができるこ
と、低廉に製造できること、滅菌処理が容易であるこ
と、ガス検出体の外形が,重力場において液体培地中で
ほぼ安定な姿勢をもち,その安定姿勢において上記導電
性素材がほぼ水平面に沿って配向される可及的に広い面
を有すること、である。導電性素材としては、金属薄
板,金属フィルム,金属箔,金属蒸着膜,焼結金属粉末
素材など、一般に検出可能な渦電流を発生し得る導電性
素材、あるいはあらゆる形状の磁性材料であってよい。
導電性素材が付帯するガス検出体の浮上(少なくとも一
部の)は肉眼または渦電流センサにより検出可能であ
り、また培地の変色,混濁,沈澱,蛍光等は肉眼または
光学的検出装置によって検出可能である。
かくて、本発明の微生物検査用培地密封体への試料の接
種,孵卵器への搬入/搬出をロボットによって行い、渦
電流センサ及び光学検出装置から検出信号を発生させ
て、コンピュータにあらかじめ登録した各培養容器内の
試料に関する記録と関連して記録することにより、微生
物検査を自動化することができる。
以上に、本発明方法,該方法に用いるガス検出体及び微
生物検査用培地密封体の概要を述べたが、本発明をより
良く理解するために、実施例を通じて、本発明を更に詳
述する。
実施例 説明の便宜上、本発明によるガス検出体について先ず説
明する。
第1a図は、本発明によるガス検出体1の一実施例を模式
的に示す平面図、第1b図は、第1a図のA-A線における断
面図、第1c図はガス検出体を形成しているシート2の断
面図である。この実施例においては、ガス検出体1の外
形は、概して偏平な円盤状を有する。ガス検出体1は2
枚の円形シート2の間に気泡拘束空隙を形成するための
空隙形成素材3を挟んで重ね合わせ、それらの円周に沿
って断続的に接合4した構造となっている。円形シート
2は2層のポリプロピレンシート2aの間にステンレスの
フィルム2bを挟んだ積層シートである。空隙形成素材3
は、この実施例では樹脂繊維が絡み合った空隙率が比較
的大きい組織をもち,加熱によって見掛けの体積が膨張
する特殊な樹脂素材を用いている。
抽象的に記載すれば、この実施例においては、シート材
料で外面を覆われた中空構造によって液体培地及び微生
物の侵入を許す気泡拘束空隙を形成し、そのシート材料
に導電性素材を付帯せしめている。
使用に際して、ガス検出体1は液体培地中に浸漬した後
オートクレーヴ内で加圧下に加熱滅菌し、あるいは滅菌
用ガスによって滅菌する。前者の場合には、浸漬によっ
て某かの液体培地が断続的接合部分4の間に形成された
開口5から空隙形成素材3内に浸潤し、加熱時に空隙形
成素材3の見掛け体積の増大により液体培地を更に吸引
し、液体培地中に沈降する。開口5の寸法は20μm以上
とする。開口寸法が大きい場合には、ガス検出体1が傾
いた姿勢を取った場合に、気泡が逃げる可能性がある。
この場合には例えば、開口の数を3個以下とすること,
接合パターンを変形することなどにより、逃げ出すガス
量を減少させることが可能である。それらの変形につい
ての具体的構造は、以上の説明から当該技術の熟達者に
はもはや明らかであり、従って図解を省略する。
必要ならば、液体培地中で加熱冷却を反復して空気を更
に追い出すことができる。また、空隙形成素材3内に空
気の気泡が残存していても差し支えない。必要ならば、
独立気泡をもった多孔質素材(図示せず)または気嚢
(図示せず)などをガス検出体1内に封入して、空隙形
成素材3内の空気が完全に追い出された場合に、ガス検
出体1の全体の見掛け比重を、液体培地に対して僅かに
大きい価となるようにしても良い。また上述の実施例に
おいて、円形シート2は、必ずしも上述の積層シートを
用いる必要はなく、裸のステンレスフィルムを溶接など
の適切な接合手段によって同様の中空構造を形成しても
よい。また逆に、図示の実施例においてシート2の周辺
部にステンレスフィルム2bが露出することを回避するた
めに、ステンレスフィルム2bの全表面をポリプロピレン
その他の樹脂で被覆してもよく、この場合には、ステン
レスを他の導電性素材(例えば、金属薄板,磁性体顆粒
など)に置換してもよい。この場合には、導電性素材2b
と被覆シート2aとの間に空気を封入して比重を調節する
ことができる。
空隙形成素材4は、上述の特殊な樹脂素材である必要は
なく、他の素材に置換することができる。例えば、様々
な材質の多孔質素材,繊維塊(例えば綿状の),フェル
ト状繊維集合体,不織布状の繊維集合体,繊維束などで
あってよい。更に、空隙形成素材3は、それ自体が空隙
を有する必要はなく、中実の構造物であってもよい。こ
の場合には、中実の構造物がスペーサとして機能し、2
枚のシート2間に気泡拘束空隙を形成する。
更に、空隙形成素材3を封入することすらも必ずしも必
要ではなく、導電性素材2bまたはシート2a全体に所望の
成型を施して中空構造を形成させてもよい。
更なる変形として、第1a図の実施例において2枚の円形
シート2の円周部分を断続的に接合4する代わりに、中
心部のみを接合して、それらの間に空隙形成素材3を支
持させてもよい。この場合には空隙形成素材3はそれ自
体が気泡拘束機能を有することが必要である。
第1a〜1c図の実施例においては、ガス検出体1の外形が
概して偏平な円盤状となっているので、重力場におい
て、液体培地中に浸漬せしめられたとき、円盤状の導電
性素材(ステンレスフィルム2b)がほぼ水平面に沿って
配向され、従って、培養容器の底部に渦電流センサを配
置することによってガス検出体1の浮上を確実かつ容易
に検出できる。
第2a図は、第1a図の変形例を示す平面図、第2b図は、第
2a図のA-A線における断面図である。この変形例は、ガ
ス検出体1は円形シート2及び空隙形成素材3の全ての
層に亙って中央部が打ち抜かれて円形の開口5が形成さ
れており、また外側の円周部分は完全な円形状に接合さ
れていることを除けば、第1a図の実施例と同じである。
同様な部分は参照符号が付されている。
この実施例においては、空隙形成素材3の空隙組織が、
ガスの気泡を拘束するのに適した寸法,形状であること
が必要である。この実施例の利点は、ガス検出体1の姿
勢が傾いたとき、外側の円周部が完全に円形に接合され
ているので、ガスが逃げ出さないことである。その他の
利点は、第1a図の実施例と同様である。
第2a,2b図の実施例の異なる変形としては、内側の円周
部分を断続的に接合してドーナッツ型の浮袋状の外形と
することができる。これによって、第2a図の実施例にお
ける空隙形成素材3を除去して単なる中空構造とするこ
とが可能となる(第2a図の実施例では、中央の開口の寸
法及びその周辺部の形状に鑑みて、空隙形成素材3を省
略することができない)。第1a図に関して記載した変形
の多くが、この実施例においても適用できることは明ら
かである。
第3a図は、本発明の他の実施例によるガス検出体1の平
面図、第3b図は、第3a図のA-A線における断面図であ
る。この実施例においては、シート2で形成された円筒
状構造体の内部に空隙形成素材3が配置されている。シ
ート2は、第1a図に関して説明したものと同一の素材で
あってよい。この実施例においては、空隙形成素材3は
それ自体が気泡拘束機能を有する素材であることが必要
である。図示の実施例においては、ガス検出体1の外形
は、液体培地中において重力の作用下に安定な姿勢をも
たない。しかしながら、外形の寸法,形状を変更するこ
とにより、所望の安定姿勢を与え得ることは明らかであ
る。
第4a図は、本発明の更に他の実施例によるガス検出体1
の平面図、第4b図は第4a図のA-A線における断面図であ
る。この実施例は、第3a図の変形例と見ることができ
る。この実施例においては、空隙形成素材3は樹脂繊維
等の細い端繊維束の中間部をシート2で強く結束した構
造となっている。繊維束の両端部が開き気味となってお
り、毛管現象で液体培地を浸潤せしめることができる利
点がある。繊維束における端繊維間の空隙が気泡拘束構
造を与える。シート2は第1a図に関して説明したのと同
様な素材であってよい。
シート2には導電性素材2bを付帯せしめることは勿論で
ある。この実施例のガス検出体1の安定姿勢は、シート
2で形成された円筒状構造の中心軸を水平に配向した姿
勢である。
第4a,4b図の実施例に対する変形としては、シート2で
形成された円筒状構造を楕円円筒体あるいは偏平な断面
形状となるよう圧し潰した形状とすることである。これ
により姿勢は更に安定となる。
第5a図は第3a,3b図に示した実施例の変形例の平面図、
第5b図は、第5a図のA-A線における断面図である。この
実施例においては、シート2によって形成された円筒状
構造体の軸方向寸法を延長し、その中間部分を一様に中
心軸方向に絞り込んだ形状と表現することができる。こ
の実施例においても、空隙形成素材3は、それ自体が気
泡拘束機能を有することが必要である。シート2には導
電性素材2bが付帯せしめられている。
第5a,5b図の実施例の変形としては、円筒状構造体の圧
し潰し態様を、一様に中心軸方向に絞り込む代わりに、
中心軸に対して直交方向に偏平に圧し潰すことである。
これにより、製造が簡単になる。他の実施例に関して説
明した変形の多くが、この実施例にも適用可能である。
第6図は、本発明の更に他の実施例によるガス検出体1
の断面図である。この実施例においては、導電性素材2b
はポリプロピレン製の2枚のシート2aの間に、それらよ
りも一回り面積の小さい銅箔2bを挟んで、周辺部をヒー
トシールし、その全表面に発泡樹脂素材を塗布し、しか
る後発泡樹脂素材を発泡させた構造となっている。発泡
された層は空隙形成素材3として機能する。この実施例
の変形としては、銅箔を用いる代わりにポリプロピレン
のシート2の少なくとも一方の一側面に銅を析着せしめ
ることである。勿論、銅箔の代わりに他の導電性素材を
用いてもよい。発泡樹脂素材は、予め発泡させておく必
要はなく、液体培地に浸漬して滅菌される際に発泡させ
てもよい。
以上に本発明のガス検出体の若干の実施例及びそれらの
変形例について詳述して来たが、本発明のガス検出体
は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の
技術思想を逸脱することなく様々な変形が可能であるこ
とは、当業技術の熟達者には、もはや明らかである。
これらのガス検出体1の外形寸法形状は、用いられる培
養容器による制限を除けば、いかなる寸法形状であって
も良い。ガス検出体1の外形を例えばコンペイ糖状のよ
うな突出部を有する形状とすることにより、検出体が浮
上した際に液面上に検出体の一部が突出し、検出体の浮
上を光学系を用いて検出することも可能となる。
また、気泡拘束素材自体が気泡拘束機能を有する場合に
は、液体培地に関して親和性の低い素材で形成すること
が有利であり、それによって微生物によって産生された
ガスを拘束し易くする。また、気泡拘束素材に微生物が
吸着し易い素材を用いることも有利である。
以下に、本発明方法を第1a,1b図に示したガス検出体1
を用いて実施した実施例について説明する。
[試験材料] (1)液体培地 肉エキス 3g ペプトン 10g 乳糖 5g ブロムチモールブルー 0.024g 精製水 1000ml pH 7.2 (2)ガス検出体 第1a,1b図のガス検出体(見掛け比重1.2) (3)微生物検査用培地密封体(20ml容) 第7,8図に図解し、後に詳述する微生物検査用培地密封
体用の容器集合体3個を用意し、それらのうち11個の培
養容器の各々に、上記液体培地10ml及び上記ガス検出体
1個を投入し、密封したのち、オートクレーヴにより12
1℃,20分,1.3Kgf/cm2で滅菌処理して無菌的に保存して
おく。
(4)大腸菌懸濁液 大腸菌の標準菌株を普通寒天の斜面培地で1夜培養し、
その1白金耳を滅菌生理食塩水20mlに懸濁して、原液
(無希釈)を調製した。この原液1mlを滅菌生理食塩水9
mlに加え、攪拌して10倍希釈液を調製した。10倍希釈液
から1mlを取り出し、同様にして生理食塩水で10段階の
希釈を行い、1010倍希釈液まで調製して大腸菌の希釈系
列を用意した。
(5)検出装置: 渦電流サンサ(エヌディーアール株式会社製、EMAC-100
0) [試験方法] 予め用意された10個の培養容器(液体培地及びガス検出
体が入っている)に、上記各希釈段階の大腸菌懸濁液1m
lずつ投入し、常法(35℃,48時間)により培養した。途
中24時間目に観察を行った。48時間後、1〜106倍希釈
の培養においては培地は黄変し、ガス検出体は浮上して
いた。107〜1010倍希釈の培養においては培地は変色し
ておらず、またガス検出体も浮上していなかった。
また、追加実験として、ガス検出体1の浮上の過程を渦
電流センサで観測した所、沈んだ状態及び10mm浮上した
状態での電圧変位を検出できることが判った。しかしな
がら、この値は渦電流センサの感度、及びガス検出体の
変形によって、更に改善可能である。
第7図は、本発明による微生物検査用培地密封体10の実
施例の平面図、第8図は第7図のA-A線における立断面
図である。本発明の微生物検査用培地密封体及び本発明
の方法を、これらの図面を参照して詳述する。
図示の実施例においては、4個の培養容器11a,11b,11c,
11dの連接体11と、その上面をヒートシールまたは粘着
剤によって密封シールしている蓋体12とを有し、各培養
容器11a〜11dには、予め所定量の同一または複数種類の
液体培地13と滅菌済みのガス検出体14とが無菌的に封入
されている。液体培地には、検査の目的に応じてpH指示
薬またはその他の指示薬を加えることができる。
利用者は、無菌室内において蓋体をピペットチップで穿
孔し、一つの培養容器(例えば11a)に、食品の磨砕物
の懸濁液またはその希釈液の所定量を加えて常法により
培養し、培地の変色を目視判定する一方、検出体の浮上
の有無は渦電流センサによってモニタすることによりガ
スの産生及びpH変化を指標とする微生物検査を行うこと
ができる。
勿論、上記微生物検査用培地密封体10の各培養容器11a
〜11dに、4種類の異なった食品の磨砕物の懸濁液また
はその希釈液の適当量を加えて常法により培養し、検出
体の浮上の有無及び培地の変化をモニタすることにより
ガスの産生及びpH変化を指標とする微生物検査を行うこ
ともできる。
上記の微生物検査用培地密封体10を用い、孵卵器内で培
養を行うに当たり、各培養容器11a〜11dの直下に渦電流
センサ及び光学検出装置を夫々配置し、ガス検出体14の
浮上及び液体培地の変色,混濁,沈澱,蛍光を検出した
とき夫々の検出機から信号を発生させ、それを自動的に
記録することにより、ダーラム発酵管を1本1本目視検
査することなく、微生物検査を大幅に省力化することが
できる。この際、予め各容器内の試料をコンピュータに
記録し、検出データをそれらと関連付けて記録すること
も可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1a図は、本発明のガス検出体の一実施例の平面図、 第1b図は、第1a図のA-A線における断面図、 第1c図は、第1b図におけるシート2の断面部分図、 第2a図は、本発明のガス検出体の他の実施例の平面図、 第2b図は、第2a図のA-A線における断面図、 第3a図は、本発明のガス検出体の更に他の実施例の平面
図、 第3b図は、第3a図のA-A線における断面図、 第4a図は、本発明のガス検出体の更に他の実施例の平面
図、 第4b図は、第4a図のA-A線における断面図、 第5a図は、本発明のガス検出体の更に他の実施例の平面
図、 第5b図は、第5a図のA-A線における断面図、 第6図は、本発明のガス検出体の更に他の実施例の断面
図、 第7図は、本発明による微生物検査用培地密封体10の実
施例の平面図、 第8図は第7図のA-A線における立断面図である。 符号の説明 1:ガス検出体、2:シート、2a:ポリプロピレンシート、2
b:導電性素材、3:空隙形成素材、4:接合、5:開口、10:
微生物検査用培地密封体、11a,11b,11c,11d:培養容器、
12:蓋体、13:液体培地、14:ガス検出体。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】培養容器に液体培地を注入すること、該培
    地よりも大きい比重を有し,かつ該液体培地及び微生物
    の侵入を許す気泡拘束空隙を有し,且つ導電性素材を付
    帯せしめられているガス検出体の少なくとも一つを沈め
    ておくこと、該液体培地に被検物試料を混入したのち,
    所望の条件下に培養すること、ガス検出体の浮上の有無
    を目視または渦電流センサによって検出すること、を特
    徴とするガスの産生の有無を一つの指標とする微生物の
    検査方法。
  2. 【請求項2】微生物検査に用いられる液体培地に対する
    相対比重が1よりも大きく,該液体培地及び微生物の侵
    入を許す気泡拘束空隙を有し,且つ導電性素材を付帯せ
    しめられているガス検出体。
  3. 【請求項3】請求項第2項記載のガス検出体において、
    上記ガス検出体の外形が、重力場において液体培地中で
    ほぼ安定な姿勢をもち,その安定姿勢において上記導電
    性素材がほぼ水平面に沿って配向される可及的に広い面
    を有すること、を特徴とするガス検出体。
  4. 【請求項4】少なくとも一つの培養容器と、上記培養容
    器を開封可能に密封する蓋体とを有し、上記各培養容器
    内に,少なくとも液体培地と,該液体培地に対する相対
    比重が1よりも大きく,該液体培地及び微生物の侵入を
    許す気泡拘束空隙を有し,且つ導電性素材を付帯せしめ
    られているガス検出体の少なくとも一つとを無菌的に収
    容していること、を特徴とする微生物検査用培地密封
    体。
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