JPH06940A - 両面４色刷りオフセット印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷物の品質がシャープで色見当性に優れ、
ガイドローラがないため、インキで紙面を汚す恐れが少
なく、メンテナンスが容易な両面４色刷りオフセット輪
転機を提供することを目的とする。 【構成】 横に並べて配列した直径の等しい版胴３とブ
ランケット胴４の２対を、上下２段に間隔を置いて配置
し、これらの胴の３倍または４倍直径からなる圧胴７
を、前記上下両ブランケット胴４に共通の圧胴７として
連接させてなる５胴型輪転式２色刷り印刷ユニットＣ，
Ｄ，ＥおよびＦを、前記圧胴７に対する前記の版胴３お
よびブランケット胴４の関係位置が、左右勝手違いにな
るように配置したものを各２組ずつ設け、そして前記の
勝手違いの印刷ユニットを上下方向に交互に配列して、
その圧胴７軸心を結ぶ直線がジグザグ状を呈するように
各圧胴７を連接した胴配列構造を有し、その最下方の第
４段目印刷ユニットＦはウェブ２を供給するための給紙
装置Ｂに連接させ、そして最上位の第１段目の印刷ユニ
ットＣは乾燥装置Ｇに連接させた両面４色刷りオフセッ
ト輪転機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、商業用の両面多色刷り
オフセット輪転機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の印刷ユニットとして、従来、日
本印刷新聞社発行のオフ輪印刷に記載されるＢ−Ｂタイ
プが多用されている。このタイプはウェブが上下２本の
ブランケット胴の間を通過する際、上下のブランケット
胴はそれぞれインキを紙面に転写する印刷胴の働きと、
ウェブを支持して印圧を与える圧胴の働きを同時に果た
し、ウェブの両面に同時印刷を行うことが出来る。しか
し、圧胴がないために、印刷物の品質が、ツブレ不足の
ためシャープでないこと、色見当性が悪いという欠点が
あった。

【０００３】この他に、商業用及び新聞用として、サテ
ライトタイプと呼ばれる共通圧胴タイプの印刷ユニット
がある。このタイプも前述の日本印刷新聞社発行のオフ
輪印刷に記載される。このタイプでは最初のユニットで
ウェブの片面を印刷し、乾燥装置で乾燥後にウェブの他
の片面を印刷するが、何れのユニットの出口でもウェブ
をガイドするため、ガイドローラが必要である。このガ
イドローラには、新聞印刷では新聞用紙が使用されるの
で問題は少ないが、商業印刷でコート紙を使用する場合
には、インキがこのガイドローラに付着して紙面を汚す
ため、頻繁に掃除する必要がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、印刷物の品
質がシャープで色見当性に優れ、ガイドローラがないた
めに、インキで紙面を汚す恐れが少なく、メンテナンス
が容易な印刷ユニットを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】横に並べて配列した直径
の等しい版胴とブランケット胴２対を上下２段に間隔を
おいて配置するとともに、これらの胴の３倍または４倍
の直径からなる圧胴を前記上下両ブランケット胴に、共
通の圧胴として連接させてなる５胴型の輪転式２色刷り
印刷ユニットを、前記圧胴に対する前記の版胴及びブラ
ンケット胴の関係位置が左右勝手違いになるように配置
したものを各２組ずつ設ける。そして、上記の勝手違い
の印刷ユニットを上下方向に交互に配置して、その圧胴
軸心を結ぶ直線がジグザグ状を呈するように各圧胴を連
接した胴配列構造を有し、その最上方に位置する前記圧
胴にはウェブを供給するための給紙装置を連接させ、そ
して最下位の圧胴には乾燥装置を連接させることにより
解決するものである。

【０００６】

【作用】給紙装置から供給されたウェブは、印刷部最上
部のガイドローラを経て最上段の印刷ユニットを通る間
に片面２色が印刷され、次の段の印刷ユニットで反対側
の片面が印刷される。このようにしてウェブが最下段の
印刷ユニットを通過した時には両面４色印刷が完了す
る。印刷が完了したウェブは、ガイドローラを通さずに
直接乾燥室に導かれ、乾燥室で乾燥された後、排紙部に
送られる。

【０００７】

【実施例】図１は本発明の位置を示す全体図で、図２は
本発明の要部を示す正面図である。印刷部Ａの最上部に
は、ガイドローラ１が設けられ、給紙部Ｂから供給され
てきたウェブ２を、前記ガイドローラ１を介して最上段
の印刷ユニットＣに供給する。第１段目の印刷ユニット
Ｃは、横向きに配列された直径の等しい版胴３とブラン
ケット胴４の２対が、上下２段に間隔をおいて配置され
る。尚、前記版胴３には、それぞれ上方に湿し水装置５
を、下方にインキ装置６が連接され、版胴３へオフセッ
ト印刷に必要な適量の水とインキを供給する。前記２組
の胴の３倍または４倍の直徑からなる圧胴７は、前記上
下両ブランケット胴４に共通のものとして連接され、こ
の間をウェブ２が通過することにより、ウェブ２の片面
に２色印刷が行われる。

【０００８】第２段目の印刷ユニットＤでは、２対の版
胴３とブランケット胴４の位置が、最上段の印刷ユニッ
トＣとは勝手違いに配置され、この印刷ユニットを通過
したウェブ２の他の片面に２色印刷が行われる。つづい
て、第３段目の印刷ユニットＥと第４段目の印刷ユニッ
トＦを通過することにより、ウェブ２の両面に４色の印
刷が行われ、次の行程である乾燥部Ｇにてウェブ２は乾
燥され、排紙部Ｈに送られる構造となっている。

【０００９】各段目の印刷ユニットＣ，Ｄ，Ｅ及びＦに
は、十分なメンテナンススペースが保持でき、且つ頻繁
な調整を要する湿し水装置５を上方に、調整が比較的少
ないインキ装置６を下方に配置することにより、メンテ
ナンスを容易にしている。

【００１０】また、この印刷部Ａは、圧胴７がジグザグ
状に且つ縦型に配置されるので、従来のＢ−Ｂタイプに
較べ据付スペースは狭く、ウェブパスも短いため、見当
調整が容易な構成となっている。

【００１１】本装置は、通常は、定速運転にて印刷が行
われるが、印刷物のロッドの増減に対応するように可変
速運転を行ってもよい。また、乾燥部Ａに紫外線乾燥装
置を使用する場合、低速運転で使用することにより乾燥
装置の設備低減を計ってもよい。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、従来のサテライトタイプに較
べ、印刷ユニット出口にガイドローラが不要であるた
め、紙面の汚れが少なく、またガイドローラの掃除のた
めのメンテナンスはなくなる。またＢ−Ｂタイプと異な
り、ブランケット胴間の印刷ではなく、圧胴とブランケ
ット胴間の印刷であるため、Ｂ−Ｂタイプに比較してツ
ブレの良いシャープな印刷が可能であり、また見当精度
も向上するので、良い品質の印刷が可能である。更に本
発明は、Ｂ−Ｂタイプに較べて印刷ユニットの据付面積
の大幅な縮小が可能で、枚葉式に較べ爪送り機構がない
のでメンテナンスは容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の位置を示す全体図である。

【図２】本実施例の全体正面図を示す。

【符号の説明】

１ ガイドローラ ２ ウェブ ３ 版胴 ４ ブランケット胴 ５ 湿し水装置 ６ インキ装置 ７ 圧胴 Ａ 印刷部 Ｂ 給紙部 Ｃ 第１段目印刷ユニット Ｄ 第２段目印刷ユニット Ｅ 第３段目印刷ユニット Ｆ 第４段目印刷ユニット Ｇ 乾燥部 Ｈ 排紙部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横に並べて配列した直径の等しい版胴と
   ブランケット胴の２対を上下２段に間隔を置いて配置す
   るとともに、これらの胴の３倍または４倍の直径からな
   る圧胴を前記上下両ブランケット胴に共通の圧胴として
   連接させてなる５胴型輪転式２色刷り印刷ユニットであ
   って、前記圧胴に対する前記の版胴及びブランケット胴
   の関係位置が左右勝手違いになるように配置したものを
   各２組づつ設け、そして上記の勝手違いの印刷ユニット
   を上下方向に交互に配置して、その圧胴軸心を結ぶ直線
   がジグザグ状を呈するように各圧胴を連接した胴配列構
   造を有し、その最上方に位置する圧胴にはウェブを供給
   するための給紙装置を連接させ、そして最下位の圧胴に
   は乾燥装置を連接させていることを特徴とする両面４色
   刷りオフセット輪転機。