JPH0691409B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JPH0691409B2
JPH0691409B2 JP9233286A JP9233286A JPH0691409B2 JP H0691409 B2 JPH0691409 B2 JP H0691409B2 JP 9233286 A JP9233286 A JP 9233286A JP 9233286 A JP9233286 A JP 9233286A JP H0691409 B2 JPH0691409 B2 JP H0691409B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一方向性電極を用いたフイルタとしての弾性
表面波装置に関するものであり、更に詳しくは、所要の
電力損失を低減し、更に電圧損失をも低減するようにし
たかかる弾性表面波装置に関する。
〔従来の技術〕
カラーテレビジヨン受信機の中間周波増幅段などに用い
られるIFフイルタとしての弾性表面波装置(以下、PIF
フイルタと略す)は、従来、入出力電極間を多重反射す
ることによつて生じる不要な遅延信号を抑圧するために
故意に不整合として用いていた。このとき、S/Nおよび
感度が低下するという不具合があり、この解決のため、
電力損失の低減を図ることが重要な課題であつた。電力
損失を低減し、かつ電極間多重反射を抑圧する方法とし
て次の手法が知られている。
送出電極と反射電極とを、弾性表面波伝播方向に、電極
中心間距離(即ち、幾何学的位相差)が、通過帯域の中
心周波数における1/4波長(位相差π/2)の奇数倍とな
るように配置し、両電極出力に対する上記距離の影響が
弾性表面波の伝播方向によつて逆転することを利用し
て、送出電極と反射電極に印加する電圧に90゜の電気的
位相差を持たせて、一方向にのみ弾性表面波を送出させ
るようにした電極は一方向性電極として公知の技術であ
る。
しかし、このような一方向性電極1組のみでは必ずしも
良好な特性が得られないとして、中心間距離が1/4波長
の奇数倍離れた位置に設置された比較的対数の少ない電
極指よりなる送出電極と反射電極が、電気的に90゜位相
差をもつて結合されることにより構成された一方向性電
極を1グループとして、弾性表面波伝播方向に2グルー
プ以上、各グループからの信号が同位相で加わるように
配列した「グループ構成一方向性弾性表面波フイルタ」
が特開昭51−138362号公報に開示されている。
なお、中心周波数100MHzで挿入損失2.5dB、通過帯域内
のリツプル0.3dB以下を得た実施例が記載されている
が、移相器および電極の接続方法については触れていな
い。
また、弾性表面波装置を構成するとき、少なくとも入力
電極と出力電極が必要であるが、日本音響学会講演論文
集2−6−13(昭和52年10月)における、西山らの「グ
ループ型一方向性電極を用いたUHF帯弾性表面波フイル
タ」と題する論文では、この入出力の各電極の構造を異
ならせることは記載されているが、移相器の構成につい
てはやはり触れていない。
また、これらの公知例としての諸文献は、装置自体のイ
ンピーダンスと電圧損失の関係などについて、何ら触れ
ていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術は、弾性表面波フイルタを構成する入力電
極と出力電極に接続する移相器の構成に関して配慮がさ
れておらず、特にPIFフイルタとしての弾性表面波装置
を用いたカラーテレビジヨン受信機で、電圧損失の改善
が図れないという問題があつた。
PIFフイルタでは、前述の通り、電力損失が増加する
と、S/Nが劣化してしまう。また、出力電極から出力信
号を電圧検出するため、電圧損失が増大すると感度が低
下してしまう。
このため、PIFフイルタとしての弾性表面波装置では電
力損失だけでなく電圧損失も低減することが重要であ
る。特に電圧損失は、弾性表面波装置の駆動側インピー
ダンス(入力インピーダンス)に対する負荷側インピー
ダンス(出力インピーダンス)の比を大きくすること
と、電力損失を低減することによつて達成される。
電力損失を低減するために一方向性電極が有効であるこ
とが知られているので、一方向性電極から成る弾性表面
波装置をそのまま用いたとすると、入力電極(一方向性
電極)のインピーダンスおよび出力電極(一方向性電
極)のインピーダンスは、ほぼ比帯域幅によつて定まる
ため、入出力共に同じ移相器を用いた場合、前記インピ
ーダンス比が小さく、電圧損失が増大していて、カラー
テレビジヨン受信機では感度が低下するという問題があ
つた。
また、入出力、各電極の電極対数を大きく異ならせ、イ
ンピーダンスの比を大きくして電圧損失を改善しようと
しても、今度は所望の周波数特性を得るのが非常に困難
になるという問題があつた。
なお、従来の双方向性電極を用いた場合では、弾性表面
波装置から見た外部のインピーダンスの比を大きくとる
ことで、電圧損失をある程度低減できるが、電力損失が
大きいため効果が小さく、またS/Nが劣化していた。
本発明は、PIFフイルタとしての弾性表面波装置におい
て、電力損失を低減させるだけでなく、入力インピーダ
ンスに対する出力インピーダンスの比を大きくすること
により、カラーテレビジヨン受信機での感度の向上を可
能にすること、を解決すべき問題点としている。従つて
本発明は、上述のことを可能にする弾性表面波装置を提
供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、入力電極および出力電極として、それぞれ
一方向性電極を用いた弾性表面波装置において、入出力
の各電極に接続する移相器の構成を異ならせ、装置自体
の入出力インピーダンス比を大きくすることで駆動側イ
ンピーダンスに対する負荷側インピーダンスの比を大き
くし、電力損失の低減を図るだけでなく、電圧損失をも
低減させることにより達成される。
以下、説明する。
まず、弾性表面波装置の駆動側インピーダンスおよび負
荷側インピーダンスと電力損失,電圧損失の関係を第9
図を用いて説明する。
第9図は2端子対回路網で表わした弾性表面波装置(PI
Fフイルタ)58とその駆動(チユーナ)側,負荷(映像
増幅)側の等価回路を示す回路図である。同図におい
て、駆動側および負荷側の各インピーダンスをそれぞれ
RS(59),RL(60)とし、信号源電圧をE、出力電圧をV
0とすると、電力透過係数|S21|2(信号源から取り出し
得る最大電力に対する、負荷RLで消費される電力の比)
は次式で表わせる。
これより、電圧透過係数は次式で表わせる。
第10図に、弾性表面波装置の内部インピーダンスと該装
置からみた外部のインピーダンスの比が一定であり、電
力損失をパラメータとしたときの、インピーダンス比
(RL/RS)に対する電圧損失の関係を示す。
第10図を参照することにより、電圧損失を小さくするた
めには、電力損失を小さくすること、および駆動側イン
ピーダンスRSに対する負荷側インピーダンスRLの比を大
きくすればよいことがわかる。
このうち、電力損失は、すでに述べたように一方向性電
極を用いることで低減できる。また、このとき、弾性表
面波装置の内部インピーダンスと、該装置からみた外部
インピーダンスを等しくして整合を図る必要がある。
即ち、一方向性電極を用いた弾性表面波装置において、
上記の電圧損失を低減するためには、入力側の装置内部
インピーダンスが出力側のそれよりも小さくなるよう
に、入力側と出力側にそれぞれ接続する各移相器の構成
を異ならせることにより達成される。
〔作用〕
本発明による弾性表面波装置では、入力電極となる一方
向性電極に接続される移相器と、出力電極となる一方向
性電極に接続される移相器との構成が異なつているた
め、すだれ状電極としての入,出力電極の放射抵抗(放
射コンダクタンスの逆数)に対する装置の内部インピー
ダンスの比が異なる。そのため、入力側でこの比が、出
力側のそれよりも小さくなるように移相器を用いること
で、入力側の内部インピーダンスを出力側のそれよりも
小さくでき、電圧損失を低減できる。
〔実施例〕
次に図を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は、本発明の一実施例(カラーテレビジヨン受信
機の中間周波増幅段に用いるIFフイルタとしての弾性表
面波装置)を示す説明図である。
同図において、1は圧電性基板、2は入力電極、3は出
力電極、4〜7はそれぞれインダクタンス、9と12はそ
れぞれ送出電極、10と13はそれぞれ反射電極、11と14は
それぞれミアンダ状電極、である。入出力電極2,3には
グループ型一方向性電極を用いており、第1図では、入
出力共に1グループのみを示している。
圧電性基板1としては、128度回転Y軸切断X伝播のニ
オブ酸リチウム単結晶が用いられる。入力電極2は電極
指対向部の長さである開口長43が一定で、1グループ当
たりの対数が4対で4個のグループから成つている。出
力電極3は開口長44が一定でなく、1グループ当たりの
対数が4対で15個のグループから成つている。
なお、中心周波数は56.5MHzである。
また、送出電極12と反射電極13の中心間距離8は154.6
μmである。これらの電極は6000Åのアルミニウム蒸着
膜より成り、ホトリソグラフ技術により形成されてい
る。また、入力電極2としてのすだれ状電極の開口長43
は2000μmである。
このような、すだれ状電極に接続する移相器としては、
入力側は、送出電極9とインダクタ4を直列に、反射電
極10とインダクタ5を直列にそれぞれ接続し、ミアンダ
状電極11を接地して、これらを並列に接続した構成であ
り、出力側は、走出電極12とミアンダ状電極14の間でイ
ンダクタ6を並列に、反射電極13とミアンダ状電極14の
間でインダクタ7を並列にそれぞれ接続し、反射電極13
を接地して、これらを直列に接続した構成である。
この構成における動作を第2図を用いて説明する。第2
図は、第1図に示した装置の等価回路図であり、入力側
が同図(a),出力側が同図(b)に示されている。
すだれ状電極は放射コンダクタンスと静電容量の並列等
価回路で表わしている。この値は、入力側がG1(16,1
8),およびC1(15,17)、出力側がG2(20,22),およ
びC2(19,21)であり、走出電極と反射電極でそれぞれ
等しい。
弾性表面波を一方向にのみ伝播させるための移相器とし
てのインダクタンス4,5,6,7の素子条件は次式で表わせ
る。
但し、ω中心周波数での角周波数である。
このとき一方向性が得られ、外部インピーダンスと整合
することによつて電力損失が最小で、電極間多重反射の
抑圧度が最大となる。整合する条件は次式で表わせる。
即ち放射抵抗(放射コンダクタンスの逆数)に対する装
置の内部インピーダンスの比が、入力側では 出力側では1であり、入力側が小さくなつていることが
わかる。
このとき、電圧透過係数 は次式で表わせる。
従来の構成では、例えば、出力側にも入力側と同じ移相
器を用いた場合、RLとなるので、本実施例は電力透過係数が等しければ電圧
透過係数は になつていることがわかる。
本実施例ではすだれ状電極の放射コンダクタンスおよび
静電容量は、入力側が、G1(16,18)は24mv,C1(15,1
7)は14.4pF,出力側が、G2(20,22)は1.4mv,C2(19,2
1)は8.5pFとなつた。移相器として用いるインダクタの
素子値はL15が0.66μH,L24が0.24μH,L37が0.64μH,L46
が1.76μHである。装置の入力インピーダンス(チユー
ナ出力インピーダンス)は75Ω,出力インピーダンス
(映像増幅段入力インピーダンス)は714Ωとなつた。
このとき、第3図に示す振幅周波数特性47が得られ、電
力損失は2.4dB,電極間多重反射(TTE)抑圧度は、帯域
内全域で40dB以上となり、振幅リツプルが0.1dB以下と
なつた。また群遅延平坦度も20nSと良好な特性が得られ
た。なお、このときの電圧損失は−1.4dBである。な
お、48は群遅延特性を示している。
従来の構成、即ち、入出力の各移送器を同一の構成とし
たとき、入力インピーダンスは75Ω、出力インピーダン
スは133Ω、電力損失は2.5dBであり、電圧損失は6.0dB
もあつた。
このように、電圧損失を増加させることなく、電圧損失
を従来に比べ7.4dB改善し、その結果、受信機のS/Nおよ
び感度は約2dB改善された。
本発明の第2の実施例を第4図を用いて説明する。
第4図において、電極の構造は第1図に示した本発明の
第1の実施例のそれと同じである。移相器は、入力側
は、反射電極10と直列に抵抗4A,インダクタ5を接続
し、これと並列に送出電極9を接続し、ミアンダ状電極
11は接地している。出力側は本発明の第1の実施例と同
じである。
なお、装置の入力リアクタンス分を相殺するため整合用
インダクタ66を設けている。
この構成によれば、抵抗4Aを用いているため若干の損失
の増加があるが、移相器に用いるインダクタが1個
(5)であるため、調整が容易であるという特徴があ
る。
弾性表面波を一方向にのみ伝播させるための移相器の素
子条件は次式で表わせる。
なお出力側は本発明の第1の実施例と同じである。また
整合条件は次式で表わせる。
即ち、放射抵抗に対する装置の内部インピーダンスの比
が、入力側では 出力側では1であり、入力側の方が小さくなつているこ
とがわかる。
本実施例で入力側に用いる素子の値は、抵抗4Aが236
Ω,インダクタ66が0.55μH,インダクタ5が0.24μHで
ある。装置の入力インピーダンスは133Ω,出力インピ
ーダンスは714Ωとなつた。
このとき、電力損失は4.3dB,TTE抑圧度は帯域内全体で4
0dB以上となり振幅リツプルが0.1dB以下となつた。ま
た、群遅延平坦度も20nSと良好な特性が得られた。な
お、電圧損失は3dBとなり、従来と比べて3dB改善され
た。
また、本実施例は入力側は抵抗を用いた移相器であるた
め、移相条件を容易に合わせることができた。
本発明第3の実施例を第5図を用いて説明する。第5図
は、タイミング抽出に用いる非常に狭帯域なフイルタと
して用いる弾性表面波装置に本発明を実施した例であ
る。
圧電性基板1としては、ST切断X伝播の水晶が用いられ
る。中心周波数は56.104MHz,入力電極67は開口長43が一
定で、1グループ当たりの対数が2対で、123個のグル
ープから成つている。出力電極68は開口長43が一定で、
1グループ当たりの対数が2対で、83個のグループから
成つている。また、送出電極69,72と反射電極70,73の各
中心間距離75は70.4μmである。なお電極の開口長43は
1250μmである。
ここでは、非常に狭帯域なフイルタであるためすだれ状
電極に接続する移相器は、入力側は、反射電極70と直列
にインダクタL1(77)を接続し、これと並列に静電容量
C(78)を接続し、これらと直列にインダクタL2(76)
を接続し、更に送出電極69を並列に接続し、ミアンダ状
電極71を接地した構成である。すなわち、これは、イン
ダクタ76,77と静電容量78よりなるT型回路を送出電極6
9と反射電極70との間で縦続接続した構成としている。
なお、出力側の移相器は本発明の第一の実施例と同じ構
成である。
弾性表面波を一方向にのみ伝播させるための移相器の素
子条件は、入力側では次式で表わせる。
また、入力側の整合条件は次式で表わせる。
即ち、放射抵抗に対する装置の内部インピーダンスの比
が、入力側では1/2,出力側では1であり入力側の方が小
さくなつていることがわかる。
本実施例では、すだれ状電極の放射コンダクタンスおよ
び静電容量は、入力側がG1は0.7m,C1は1.2pF,出力側
がG2は0.33m,C2は3.5pFとなつた。移相器として用い
る素子の値は、インダクタL2(76)およびL1(77)が2.
5μH,静電容量C(78)が1.24pF,インダクタL3(79)が
1.8μH,インダクタL4(80)が3.08μHである。装置の
入力インピーダンスは714Ω,出力インピーダンスは303
0Ωとなつた。
このとき、第6図に示す振幅周波数特性が得られ、電力
損失は2.9dB,TTE抑圧度は40dB以上となり振幅リツプル
が0.1dB以下となつた。また群遅延平坦度も30nSと良好
な特性が得られた。電圧損失は2.6dBとなつた。このよ
うに非常に狭帯域なフイルタでも本発明を適用できる。
なお、本発明の目的は、入力側の装置の内部インピーダ
ンスに対する出力側のそれの比を大きくし、電圧損失を
低減することにあるので、移相器の構成は前述に限られ
ない。
第7図に各種の移相器の構成を示す。すだれ状電極は放
射コンダクタンス24,26と静電容量23,25の並列等価回路
で示している。なお、同図(c),(d)のインダクタ
35,38は整合用に用いている。
またここでは移相器として用いるリアクタンス素子はイ
ンダクタで示しているが、すだれ状電極の放射コンダク
タンスに対するサセプタンスの比が1ならば全てインダ
クタ1個だけになり、1未満ではインダクタ28,30,32は
静電容量に置き換える必要があり、また同図(c),
(d)では抵抗が負値をとり実現できない。
これらの構成での内部インピーダンスZはそれぞれ第7
図における(a),(b),(c),(d)に対応し
て、次式で表わせる。
これらの移相器と、第2図の出力側に用いた移相器で
の、装置のインピーダンスを、第2図の入力側に用いた
移相器でのインピーダンスで規格化し、電極のアドミタ
ンス比 に対し表わしたものが第8図である。実線39が第2図の
出力側の場合、破線40が第7図(a),(b)の場合、
点線41が同(c)の場合、一点鎖線42が同(d)の場合
を示している。
このように、第2図の出力側の構成は、アドミタンス比
aに拘らず、インピーダンスが最大となる。インピーダ
ンスが最小となるのは、 となる。つまり、上記の条件で用いれば、同じ構成の電
極を用いて電圧損失が最小となる。PIFフイルタでは、
上記(iii)の条件となるので第2図の構成となる。
また、移相器の整合等の制約から、上記条件以外の移相
器を用いても、入力側を低インピーダンス、出力側を高
インピーダンスとするように構成すれば、従来の入出力
共に同じ移相器で構成したときよりも電圧損失が改善さ
れることは明らかである。
第7図および第2図に示した移相器構成を入力あるいは
出力側に用いて、放射抵抗に対する入力側の装置の内部
インピーダンスの比を出力側のそれよりも小さくする組
み合わせは以下のとおりである。
(i) 出力側に第2図(a)の移相器を用いるとき入
力側は次のとおりである。
a<1のとき第7図(a),(b)、 (ii) 出力側に第2図(b)の移相器を用いるとき入
力側は全ての移相器を適用できる。
(iii) 出力側に第7図(a)または(b)の移相器
を用いるとき、入力側は次のとおりである。
a>1のとき第2図(a),第7図(c),(d) (iv) 出力側に第7図(c)の移相器を用いるとき、
入力側は次のとおりである。
a>1のとき第7図(d),第2図(a) (v) 出力側に第7図(d)の移相器を用いるとき、
入力側は次のとおりである。
このように、すだれ状電極の放射コンダクタンスに対す
るサセプタンスの比aに拘らず、入力側の内部インピー
ダンスを出力側のそれよりも小さくするように、入出力
に用いる移相器を組み合わせれば本発明の目的が達成さ
れる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、入力側では弾性
表面波装置自体のインピーダンスを出力側のそれよりも
小さくするように移相器を構成し、かつ電極として一方
向性電極を用いることにより、電力損失を低減し、かつ
電圧損失を低減した良好な特性のPIFフイルタとしての
弾性表面波装置が得られ、これをカラーテレビ受信機な
どにおいて用いれば、感度を向上させ得るという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す説明図、第2図は第1
図に示した装置の等価回路図、第3図は第1図の実施例
で得られた周波数特性を示すグラフ、第4図,第5図は
それぞれ本発明の他の実施例を示す説明図、第6図は第
5図の実施例で得られた周波数特性を示すグラフ、第7
図は本発明において用い得る各種移相器を示す等価回路
図、第8図は移相器を接続した装置のインピーダンスの
アドミタンス比に対する変化を示す特性図、第9図は2
端子対回路網で表わしたPIFフイルタとしての弾性表面
波装置とその駆動側、負荷側の等価回路を示す回路図、
第10図はPIFフイルタにおける電圧損失のインピーダン
ス比に対する変化を示したグラフ、である。 符号の説明 1……圧電性基板、2……入力電極、3……出力電極、
4〜7,27〜32,34,35,37,38,64〜66,76,77,79,80……イ
ンダクタンス、8,75……中心間距離、9,12,69,72……送
出電極、10,13,70,73……反射電極、11,14,71,74……ミ
アンダ状電極、15,17,19,21,23,25……静電容量、16,1
8,20,22,24,26……放射コンダクタンス、33,36……抵
抗、39〜42……規格化インピーダンス特性、58……弾性
表面波装置、59……駆動側インピーダンス、60……負荷
側インピーダンス、61……電源、47,81……振幅特性、4
8,82……群遅延特性、78……静電容量

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電性基板上に入力電極(2)と出力電極
    (3)を設け、該入力電極に入力される信号周波数のう
    ち特定の周波数帯域のみを通過させて前記出力電極から
    出力させるようにしたフィルタとしての弾性表面波装置
    であって、 前記入力電極が、弾性表面波伝播方向において相互に特
    定距離だけ隔てて配置した送出電極(9)及び反射電極
    (10)と、前記両電極間に介在する、接地されたミアン
    ダ状電極(11)と、により構成した少なくとも一組の一
    方向性電極から構成され、 前記出力電極が、弾性表面波伝播方向において相互に特
    定距離だけ隔てて配置した送出電極(12)及び反射電極
    (13)と、前記両電極間に介在するミアンダ状電極(1
    4)と、により構成した少なくとも一組の一方向性電極
    から構成されて成る前記弾性表面波装置において、 入力側では、前記送出電極(9)にリアクタンス素子
    (4)を接続して、入力側−リアクタンス素子(4)−
    送出電極(9)−ミアンダ状電極(11)−地気に至る第
    1の直列回路を形成すると共に、前記反射電極(10)に
    リアクタンス素子(5)を接続して、入力側−リアクタ
    ンス素子(5)−反射電極(10)−ミアンダ状電極(1
    1)−地気に至る第2の直列回路を形成し、かつ前記第
    1の直列回路と第2の直列回路を並列接続し、 前記送出電極(9)に印加される電圧と前記反射電極
    (10)に印加される電圧との間に生じる電気的位相差
    が、前記通過帯域の中心周波数における1/4波長、即ち
    位相差π/2になる如く前記リアクタンス素子の値を決定
    することにより、入力電極としての前記一方向性電極に
    接続された入力側移相器回路を構成し、 出力側では、送出電極(12)とミアンダ状電極(14)と
    から成る回路に並列にリアクタンス素子(6)を接続し
    て第1の並列回路を形成し、かつ反射電極(13)とミア
    ンダ状電極(14)とから成る回路に並列にリアクタンス
    素子(7)を接続して第2の並列回路を形成し、かつ前
    記第1の並列回路と第2の並列回路を直列接続してその
    一端を接地すると共に他端を出力取り出し側とし、 前記送出電極(12)に印加される電圧と前記反射電極
    (13)に印加される電圧との間に生じる電気的位相差
    が、前記位相差π/2になる如く前記リアクタンス素子の
    値を決定することにより、出力電極としての前記一方向
    性電極に接続された出力側移相器回路を構成して成るこ
    とを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の弾性表面波装
    置において、すだれ状電極をなす前記送出電極または反
    射電極の放射コンダクタンスに対するすだれ状電極のサ
    セプタンスの比が であることを特徴とする弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】圧電性基板上に入力電極と出力電極を設
    け、該入力電極に入力される信号周波数のうち特定の周
    波数帯域のみを通過させて前記出力電極から出力させる
    ようにしたフィルタとしての弾性表面波装置であって、 前記入力電極が、弾性表面波伝播方向において相互に特
    定距離だけ隔てて配置した送出電極(69)及び反射電極
    (70)と、前記両電極間に介在する、接地されたミアン
    ダ状電極(71)と、により構成した少なくとも一組の一
    方向性電極から構成され、 前記出力電極が、弾性表面波伝播方向において相互に特
    性距離だけ隔てて配置した送出電極(72)及び反射電極
    (73)と、前記両電極間に介在するミアンダ状電極(7
    4)と、により構成した少なくとも一組の一方向性電極
    から構成されて成る前記弾性表面波装置において、 入力側では、反射電極(70)にリアクタンス素子(77)
    を接続して、リアクタンス素子(77)−反射電極(70)
    −ミアンダ状電極(71)−地気に至る直列回路を形成す
    ると共に、該直列回路と並列にリアクタンス素子(78)
    を接続して並列回路を形成し、該並列回路と入力側との
    間に直列にリアクタンス素子(76)を接続して直並列回
    路を形成し、該直並列回路に、入力側−送出電極(69)
    −ミアンダ状電極(71)−地気に至る直列回路を並列に
    接続し、 前記送出電極(69)に印加される電圧と前記反射電極
    (70)に印加される電圧との間に生じる電気的位相差
    が、前記通過帯域の中心周波数における1/4波長、即ち
    位相差π/2になる如く前記リアクタンス素子の値を決定
    することにより、入力電極としての前記一方向性電極に
    接続された入力側移相器回路を構成し、 出力側では、送出電極(72)とミアンダ状電極(74)と
    から成る回路に並列にリアクタンス素子(80)を接続し
    て第1の並列回路を形成し、かつ反射電極(73)とミア
    ンダ状電極(74)とから成る回路に並列にリアクタンス
    素子(79)を接続して第2の並列回路を形成し、かつ前
    記第1の並列回路と第2の並列回路を直列接続してその
    一端を接地すると共に他端を出力取り出し側とし、 前記送出電極(72)に印加される電圧と前記反射電極
    (73)に印加される電圧との間に生じる電気的位相差
    が、前記位相差π/2になる如く前記リアクタンス素子の
    値を決定することにより、出力電極としての前記一方向
    性電極に接続された出力側移相器回路を構成して成るこ
    とを特徴とする弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項記載の弾性表面波装
    置において、すだれ状電極をなす前記送出電極または反
    射電極の放射コンダクタンスに対するすだれ状電極のサ
    セプタンスの比が1以下であることを特徴とする弾性表
    面波装置。
  5. 【請求項5】圧電性基板上に入力電極と出力電極を設
    け、該入力電極に入力される信号周波数のうち特定の周
    波数帯域のみを通過させて前記出力電極から出力させる
    ようにしたフィルタとしての弾性表面波装置であって、 前記入力電極が、弾性表面波伝播方向において相互に特
    定距離だけ隔てて配置した送出電極(9)及び反射電極
    (10)と、前記両電極間に介在する、接地されたミアン
    ダ状電極(11)と、により構成した少なくとも一組の一
    方向性電極から構成され、 前記出力電極が、弾性表面波伝播方向において相互に特
    定距離だけ隔てて配置した送出電極(12)及び反射電極
    (13)と、前記両電極間に介在するミアンダ状電極(1
    4)と、により構成した少なくとも一組の一方向性電極
    から構成されて成る前記弾性表面波装置において、 入力側では、反射電極(10)に抵抗(4A)のリアクタン
    ス素子(5)を接続して、入力側−リアクタンス素子
    (5)−抵抗(4A)−反射電極(10)−ミアンダ状電極
    (11)−地気に至る第1の直列回路を形成すると共に、
    該第1の直列回路と並列に、入力側−送出電極(9)−
    ミアンダ状電極(11)−地気に至る第2の直列回路を接
    続し、 前記送出電極(9)に印加される電圧と前記反射電極
    (10)に印加される電圧との間に生じる電気的位相差
    が、前記通過帯域の中心周波数における1/4波長、即ち
    位相差π/2になる如く前記リアクタンス素子及び抵抗の
    値を決定することにより、入力電極としての前記一方向
    性電極に接続された入力側移相器回路を構成し、 出力側では、送出電極(12)とミアンダ状電極(14)と
    から成る回路に並列にリアクタンス素子(65)を接続し
    て第1の並列回路を形成し、かつ反射電極(13)とミア
    ンダ状電極(14)とから成る回路に並列にリアクタンス
    素子(64)を接続して第2の並列回路を形成し、かつ前
    記第1の並列回路と第2の並列回路を直列接続して、そ
    の一端を接地すると共に他端を出力取り出し側とし、 前記送出電極(12)に印加される電圧と前記反射電極
    (13)に印加される電圧との間に生じる電気的位相差
    が、前記位相差π/2になる如く前記リアクタンス素子の
    値を決定することにより、出力電極としての前記一方向
    性電極に接続された出力側移相器回路を構成して成るこ
    とを特徴とする弾性表面波装置。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第5項記載の弾性表面波装
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