JPH0690063B2 - 複合型流体速度測定用プロ−ブ - Google Patents

複合型流体速度測定用プロ−ブ

Info

Publication number
JPH0690063B2
JPH0690063B2 JP61225626A JP22562686A JPH0690063B2 JP H0690063 B2 JPH0690063 B2 JP H0690063B2 JP 61225626 A JP61225626 A JP 61225626A JP 22562686 A JP22562686 A JP 22562686A JP H0690063 B2 JPH0690063 B2 JP H0690063B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
sensor
rod
angle
support rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61225626A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6381268A (ja
Inventor
浩 佐藤
英行 本田
宏一 川崎
Original Assignee
本田工業株式会社
株式会社東京電子冶金研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 本田工業株式会社, 株式会社東京電子冶金研究所 filed Critical 本田工業株式会社
Priority to JP61225626A priority Critical patent/JPH0690063B2/ja
Priority to US07/039,198 priority patent/US4856330A/en
Publication of JPS6381268A publication Critical patent/JPS6381268A/ja
Publication of JPH0690063B2 publication Critical patent/JPH0690063B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Indicating Or Recording The Presence, Absence, Or Direction Of Movement (AREA)
  • Measuring Volume Flow (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は気体、液体、粒体及び粉体の移動速度を測定す
る流体速度測定用プローブに関する。
〔従来の技術〕
従来、ゲルマニウム単結晶を利用して流体の速度を測定
するものは、当該出願人が特願昭59−207780号、実願昭
61−57682号に示したものがある。
この発明及び考案は、ある温度領域を越えるとゲルマニ
ウムの抵抗値が一定関数に従って減少する特性を利用し
たものである。
即ち、ゲルマニウム単結晶の小片をセンサとし、これに
電流を流して一定温度に昇温させ、該昇温したセンサを
流体に接触させることにより流体の速度に応じてセンサ
が温度変化をし、抵抗値が変化する。
このセンサの抵抗変化に伴って変化する電流、電圧また
は電力の測定をすることによって流体の速度を測定する
ものである。
上記装置で使用されているプローブのうち、実願昭61−
57682号のものは、特願昭59−207780号のプローブを改
良したもので、第6図に示す如く、ゲルマニウム単結晶
でなるセンサaを、略同一の端面を有する電気絶縁材で
あり且つ断熱材でなる支持体bの上面に接着剤等を介し
て固着し、支持体bの両側を導電率の高い金属製の支柱
cで挾持し、この支柱cは下端面で流体の力に充分耐え
得る太さの電気絶縁体の基台d上面に立設されていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、上記の流体速度測定用プローブにあっては、セ
ンサの長さ方向を軸とした回りには出力の変化はない
が、流体の流れが軸となす傾斜角度によって、ある指向
特性を有する為、流体の流れの角度によっては、正確な
速度測定を行うことが困難であるという問題点を有す
る。
このような問題点に鑑み、本発明は一定角度範囲内から
到来してくる流体に対して一定出力特性を有するセンサ
を複数個設けて、本プローブが流体中において静止状態
では無指向的に流体速度の測定が可能であり、且つ縦支
杆を軸に回転させることにより、基台前面の全方向に対
して流体の方向および速度の測定を極めて正確に行うこ
とを可能にした複合型流体速度測定用プローブを提供せ
んとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成せんとして、縦支杆と横支杆
を十字状に組み合わせて構成した十字支杆の前記縦支杆
の一端を基台上に取付け、流体の流れとなす一定角度範
囲内で一定出力であり、一定角度範囲外では角度の増減
に応じて出力が低下する特性のゲルマニウム単結晶の小
片からなるセンサを前記十字支杆の3つの端部に固着し
て3つの単体プローブを形成してなり、前記センサに電
圧を印加して流体との接触による温度変化に伴い変化す
る抵抗値を電流、電圧または電力に変換し、流体の速度
及び流体の方向を測定することを可能にした複合型流体
速度測定用プローブを提供するものである。
〔作用〕
上述のように本発明に係る複合型流体速度測定用プロー
ブは、同一特性の指向性を有する3つのセンサを十字状
に組み合わせた十字支杆の端部の3箇所に取付けている
為、十字支杆の端部に配されたセンサは、それぞれの指
向範囲が基台上面を半球状にカバーしあい、無指向的に
は流体速度の測定を可能としたものであり、また、縦支
杆を軸にして回転させることにより、3つのセンサのう
ち流体の流れとなす角度が一定角度範囲外にあるセンサ
の出力特性及び縦支杆を軸に回転させた回転角度から流
体の流れの方向を求めることができるものである。
〔実施例〕
本発明の複合型流体速度測定用プローブの実施例を図面
に基づき詳説する。
第1図は、本発明の複合型流体速度測定用プローブの実
施例の説明用斜視図であり、図中1は電気絶縁材である
とともに断熱性に優れたセラミックを材料とし、3つの
端面に後述するセンサを固着する棒状の杆体を十字状に
形成した十字支杆である。
但し、十字支杆1の材料としてはこの他にもガラス等の
無機物または合成樹脂等を使用してもよい。
3a、3b、3c、3dは、液体中にセットされる基台4の上面
に平行に立設させたステンレス等の導電性が高く且つ腐
食する可能性が少ない金属製円筒の支柱であり、該支柱
3a、3b、3c、3dによって前記十字支杆1の一端を挟持し
て固着するものである。
5a、5b、5cは、十字支杆1の3つの端面に接着剤層6を
介して固着されたゲルマニウム単結晶の小片からなるセ
ンサである。
7a、7b、7c、7dは、一端がそれぞれセンサ5a、5b、5cの
1つの側面に蒸着する等して固着したリード線であり、
このリード線7a、7b、7c、7dはそれぞれ十字支杆1の側
面に沿って延長され、その内7a、7b、7cはそれぞれ支柱
3a、3b、3cに、また7dは十字支杆1の背面において1本
に統合されて支柱3dに導電性接着剤で接着または半田付
け等により固着している。
前記十字支杆1の立設された部分を縦支杆8とし、縦支
杆8と直交する支杆を横支杆9とする。
この縦支杆8及び縦支杆8の先端に取付けたセンサ5aを
プローブA1とし、横支杆9及び横支杆9の両端に取付け
たセンサ5b、5cをそれぞれプローブA2、A3とする。
但し、基台4はパルスモータやサーボ機構等の回転角を
検出し得る装置上に設けられ、回転させられるものであ
る。
上記プローブA1、A2、A3は、その長さ方向に対する一定
角度範囲で指向性を有している。
この点は更に後述されるが、第3図(b)で示される如
く、長さ方向に対し、45度の角度から90度の角度範囲に
おいては、本センサの出力はそれぞれ一定となり、本セ
ンサではこの指向性を有する点を利用して流体の速度及
び方向を測定する為に使用するものである。
第3図(b)中、各プローブの長さ方向の軸より45度の
角度は、図中Iとして示す想像線で、また、90度は図中
IIとして示す想像線によって理解される。
即ち、この2つの符号I、IIで示される一定角度範囲、
即ち45度〜90度の範囲において本プローブは一定出力で
ある この点は、第3図(c)に示す如く、45度〜90度の範囲
で出力電圧が一定となり、他の部分は低下していること
より理解される。
10は、センサ5a、5b、5cを略球形に外被するとともに、
当該プローブを基台4の端面11まで外被する外被材であ
り、この外被材10の材料として、少なくとも電気絶縁性
の材料であれば各種のものが利用でき、たとえば、エポ
キシ樹脂、シリコン樹脂、アニリン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂また
はセラミックやガラス等の無機材料が採用されるもので
ある。
ここに、本発明に係る複合型流体速度測定用プローブで
流体速度及び流体の方向を測定するための前提条件とし
て十字支杆1の内、一つの支杆について考え、これを単
体プローブとして実験した結果を以下に示す。
第2図は、この実験で使用した単体プローブの説明用斜
視図である。
図中5はゲルマニウム単結晶の小片からなる直方体状の
センサであり、このセンサ5の1つの側面の下端部及び
上端部に金、銀または白金等の電気良導体でなるリード
線7a、7dを蒸着等して固着している。
ここで、センサ5の形状は球、円筒等の各種のものが採
用され得るものであり、特に限定されるものではない。
2は、センサ5の長さ方向の一端にエポキシ樹脂等の接
着剤層6で固着された支持体で、該支持体2は電気絶縁
体であるとともに断熱性に優れたセラミックを棒状に形
成したものである。
但し、この他のガラス等の無機材料または合成樹脂等を
使用してもよい。
3a、3dはステンレス等の導電率が高く且つ腐食する可能
性が少ない金属製円筒を基台4の端面11に平行に立設し
た支柱であり、該支柱3a、3d上端よりやや下側に前記支
持体2の下端を位置せしめて支持体2を挟持して固着す
ると共に、リード線7a、7dを導電性接着剤で接着または
半田付等して固着するものである。
このように略円筒形の支柱3a、3dで支持体2を挾持する
のは、センサ5の熱が支持体を2を介して支柱3a、3dに
熱伝導されてセンサ5の温度が下がり、測定に誤差が生
じるのを、支柱3a、3dと支持体2と接触面積を極力小さ
くすることにより防止している。
10は絶縁性の外被材で、ここに使用される外被材10は、
少なくとも電気絶縁材の材料であれば各種のものが利用
でき、たとえば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アニリ
ン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン
樹脂等の合成樹脂またはセラミックやガラス等の無機材
料が採用されることは前述と同様であり、実施例のもの
は図例の如くセンサ5の外形を略球形に外被すると共
に、支持体2及び支柱3a、3dを外被するもので、基台4
の端面11までプローブ全体を外被している。
このようにセンサ5を略球形に外被することにより、セ
ンサ5の長さ方向の軸回りに対する指向性を無くすこと
を図っている。
この単体プローブを使用した実施例は、第3図(a)に
示す如く、直流電圧+30Vに抵抗300Ωを介して直列にセ
ンサ5を接続した直列抵抗回路を使用し、プローブの端
子間電圧を測定した結果である。
ここに使用したプローブは、センサ5としてゲルマニウ
ム単結晶を0.3mm×0.3mm×1mmの略直方体状に形成した
ものを採用し、支持体2を長さ5mmにし、支柱3a、3dを
直径0.5mm長さ6.5mmとしたプローブを合成樹脂の外被材
10を用いて外被したものである。
外部条件は流体速度5m/s、流体の流れの方向を一定と
し、第3図(b)に示す如く、センサ5の長さ方向にX
軸をとり、該X軸に対する流体の流れの角度をαとし、
この角度αが0〜180度の範囲をとるようにプローブを
実線位置から想像線II及びIで示す位置を介して矢印の
方向へ回転させた。
第3図(c)は上記条件に基づき縦軸をプローブの端子
間電圧V、横軸に角度αをとり、実験結果をプロットし
たものである。
なお、角度αが90度のとき、その位置でプローブを360
度回転させて、センサ5の端子間電圧Vを測定した結
果、常時一定出力であった。
なお、センサの形状および単体プローブの形状は上記実
施例の形状に限られるものではなく、センサの特性が角
度αの一定角度範囲即ち45度〜90度の範囲で一定の出力
を得られるものであれば、満足し得る。
この実験結果から、X軸に対する流体の流れの角度が0
〜45度が急速に立ち上がり、45度〜90度は一定出力で、
90度〜180度は立ち上がりより緩やかに立ち下がってい
る。
このことから角度αが45度〜90度の範囲内であれば、角
度αの値に関係なく、流体速度を正確に測定することが
可能であり、ここに用いた単体プローブの一定出力範囲
が長さ方向の軸に対して45度〜90度であることがわか
る。
また、この単体プローブのセンサ5の外周が外被材10に
より球形に外被されている為に、長さ方向の軸回り全方
向に対して上述の一定出力特性があらわれる。
しかして、上記単体プローブを第1図に示す複合型流体
速度測定用プローブに構成し、このプローブを流体中に
設置し、流体の速度及び方向を測定する。
第4図(a)は本発明に係る複合型流体速度測定用プロ
ーブの第1実施例を流体中に設置した状態説明用簡略図
であり、流体中に於いて、当該プローブの縦支杆8をX
軸、横支杆9をY軸とし、前記X軸及びY軸の交点を通
りX軸及びY軸に直交する軸をZ軸とする。
今、この第4図(a)に於いて、矢印で示すように流体
の流れを流体ベクトルWとする。
流体ベクトルWは、X軸、Y軸、Z軸に対してそれぞれ
傾きを持っており、この傾きである流体ベクトルWとX
軸がなす角度をα、流体ベクトルWとY軸がなす角度を
βとする。
また、第4図(b)に流体ベクトルWの拡大説明図を示
すように流体ベクトルWのX軸、Y軸、Z軸方向の成分
をWx、Wy、Wzとし、成分Wx+WyをベクトルWxy、成分Wy
+WzをベクトルWyz、成分Wz+WxをベクトルWzxとする。
この時、センサ5a、5b、5cと流体ベクトルWがなす角度
はそれぞれ、α、(180−β)、βである。
但し、各センサと流体ベクトルWのなす角度は、センサ
の長さ方向であり、各センサが固着されている支杆と反
対方向の延長線からの角度である。
また、第4図(c)に平面説明図で示すように、X軸を
通り流体ベクトルWがなす平面をP1、Y軸を通り流体ベ
クトルWがなす平面をP2とすれば、流体ベクトルWは平
面P1及びP2の交線上に存在する。
この平面P1及びP2がXY平面となす角度をそれぞれγ、δ
とすれば、この角度γ、δは、第4図(b)に示すよう
に、ベクトルWyzがY軸となす角度γ及びベクトルWzxが
X軸となす角度δである。
この複合型流体速度測定用プローブでは、基台4及び十
字支杆1等の影響により測定の誤差を生じる為、縦支杆
8に取付けられたセンサ5aと流体ベクトルWがなす角度
αが−90度〜90度の範囲で検討することとし、各単体プ
ローブA1、A2、A3の出力をそれぞれE0、E1、E2、流体速
度をUとする。
まず、本プローブを静止させた状態で流体速度を測定す
る場合を考える。
今、流体ベクトルWがXY平面上にある場合を考えて、こ
の時の十字支杆1の平面図を第4図(d)に示す。
この時、流体ベクトルWのZ成分であるWz=0となり、
ベクトルWxyは流体ベクトルWと一致し、ベクトルWyzと
Y軸がなす角度γ及びベクトルWzxとX軸がなす角度δ
は共に0度になる。
そして、縦支杆8及び横支杆9に配されたセンサ5a、5
b、5c並びに流体ベクトルWは同一平面上にある為、角
度β=(90度−α)となり、各センサ5a、5b、5cと流体
ベクトルWがなす角度は、図示した如く、それぞれα、
(90度+α)、(90度−α)である。
但し、各センサと流体ベクトルWのなす角度は、センサ
の長さ方向の延長からの角度である。
角度αが、45度〜90度及び−45度〜−90度の時はセンサ
5aが一定出力範囲内で、角度αが0度〜45度の時はセン
サ5cが一定出力範囲内、また角度αが0度〜−45度の時
はセンサ5bが一定出力範囲内であり、この一定出力範囲
内にあるセンサがそれぞれの場合に於ける各センサ5a、
5b、5cの出力E0、E1、E2のうち、最大値をとる。
このことより、センサ5a、5b、5cのうち少なくともいず
れか1つが一定出力範囲内にあり、3つのセンサ5a、5
b、5cの出力E0、E1、E2のうち最大のものを採用するこ
とによって流体速度Uを決定することができる。
次に、流体ベクトルWがXY平面に対して傾きをもってい
る場合を考えて、例として角度αが0度〜90度の範囲で
センサ5a及び5cの一定出力範囲がどのように流体ベクト
ルWの方向をカバーしあうかを調べる。
この時、角度α及びβは0度〜90度の範囲であることは
明らかであり、 即ち、0≦α≦90 ……… 0≦β≦90 ……… である。
流体ベクトルWがXY平面上にある時は、前述のように、
α+β=90であり、流体ベクトルWがXY平面に対して傾
きを増すに従って(α+β)は増大し、その最大値は、
流体ベクトルWがZ軸上に存在する時であり、その時、
α=β=90となり、α+β=180である。
側ち、90≦α+β≦180 ……… となる。
角度α及びβは上記の条件を満たす範囲で、それぞれ独
立であり、角度αが45度〜90度の範囲でセンサ5aが一定
出力範囲内であり、角度βが45度〜90度の範囲でセンサ
5cが一定出力範囲内となる。
ここで、角度αが0度〜45度の範囲にある場合を考える
と、0≦α≦45であるので、上記の不等式、より、
明らかに、 45≦β≦90 となる。
つまり、角度αが0度〜90度の範囲で、センサ5aが一定
出力範囲外にある場合も、センサ5cが一定出力範囲内に
あり、これは、角度βを基本に考えた場合にも、センサ
5cの一定出力範囲外でセンサ5aがカバーすることは明ら
かである。
図面に於いては、X軸、Y軸、Z軸がなす8つの象限の
内、1つの象限だけを考えたが、各センサの出力特性
は、XY平面に対して対称であることは明白であり、また
角度αが0度〜−90度の場合には、上述と同様にセンサ
5a及びセンサ5bが互いに一定出力範囲をカバーしあうこ
とも明白である為、基台4側の方向からの流体、つまり
YZ平面から基台4よりの4つの象限を考慮しない前提と
考え併せれば、図示した1つの象限だけを考えれば充分
である。
このことより、本プローブは、基台4上面の全方向から
の流体に対して、センサ5a、5b、5cの出力E0、E1、E2の
うち、少なくとも1つは一定出力であり、即ちE0、E1、
E2のうち最大値をとるものを採用すれば、流体速度を決
定することができるものである。
次にこの本発明に係る複合型流体速度測定用プローブを
用いて、流体速度及び方向を措定する場合を考えてみ
る。
今、概念的なことを述べれば、十字支杆1と流体ベクト
ルWとが同一平面上にある場合、十字支杆1の縦支杆8
及び横支杆9に直交する軸つまりZ軸方向の流体ベクト
の成分を考慮する必要がなく、十字支杆1の平面図を描
けば、第4図(d)に示すように角度αが縦支杆8に固
着したセンサ5aとベクトルWとながす角度としてあらわ
れる。
また、横支杆9に固着したセンサ5b、5cに対する流体ベ
クトルWの角度としては、それぞれ(90度+α)、(90
度−α)として表される。
但し、この時の角度は、各センサの長さ方向であり、各
センサが固着されている支杆と反対方向の延長線からの
角度である。
角度αが0度〜45度の場合、縦支杆8のセンサ5aの出力
はE0は、前述の単体プローブの実験結果である第3図
(c)より、一定出力範囲外であり、一定出力とこの時
のセンサ5aの出力E0を比較すれば、角度αを知ることが
できる。
角度αが45度〜90度の範囲にある場合には、縦支杆8の
センサ5aは一定出力範囲内にあり、また横支杆9のセン
サ5b、5cは一定出力範囲外にあることになり、図の場合
には、センサ5cと流体ベクトルWとがなす角度(90度−
α)が、0度〜45の範囲にあり、上述の場合と同様にセ
ンサ5cの出力E2を一定出力と比較すれば、角度(90度−
α)を決定することができ、これより、角度αを決定す
ることができる。
一般的には、流体ベクトルWはXY平面に対して傾きをも
っており、その傾きをベクトルWyzとY軸との角度γと
して表せば、上述の流体ベクトルWと十字支杆1とが同
一平面上にある状態にする為には、縦支持杆8を軸とし
て十字支杆1を角度γだけ回転させればよいことが明白
である。
縦支杆8及び横支杆9に直交する平面上に流体ベクトル
Wが存在する場合、即ち流体ベクトルWがZX平面に平行
である時、横支杆9に固着したセンサ5b、5cは横支杆9
の回りに指向性がない為、縦支杆8及び横支杆9に直交
する軸つまりZ軸方向の傾きに対して関係なく流体ベク
トルWとセンサ5b、5cとのなす角度はセンサの長さ方向
の延長から見て90度になり、これよりセンサ5b、5cは一
定出力である。
縦支杆8を軸とした十字支杆1の回転を考えると、この
状態は、前述の流体ベクトルWと十字支杆1とが同一平
面上にある状態から更に十字支杆1を90度回転した位置
にあるので、初期の状態から十字支杆1を(90度+γ)
だけ回転させたものであり、このときの回転角度φを測
定すれば、γ=φ−90により求めることができる。
そこでまず、角度γを求める為に、縦支杆8を軸に十字
支杆1を回転させ、センサ5b、5cと流体とのなす角度が
90度になる点を求める。
十字支杆1の回転に際して、センサ5b及び5cの出力E1、
E2は流体ベクトルWとなす角度に応じて変化し、その概
略を図示すれば第4図(e)のようになる。
即ち、センサ5b、5cの出力E1、E2は、流体とのなす角度
が90度になる時、共に最大値をとり、センサ5b、5cが互
いに180度の角度をもって配されている為、この点は180
度の回転内で一点に限られる。
このことから、角度γを求める為には、先ず、X軸を中
心として、十字支杆1を回転させ、横支杆9がX軸を通
り流体ベクトルWがなす平面に直交する状態にする。
即ち、横支杆9に配されたセンサ5b、5cが共に最大出力
を示す状態になるまで、回転させればよい。
この時の回転角度φ=90度+γである。
これより、初期の状態に於ける横支杆9とベクトルWyz
とがなす角度γは、γ=φ−90度により求められる。
次に、同じくX軸を中心として十字支杆1を90度回転さ
せて、横支杆9がX軸を通り流体ベクトルWがなす平面
上にある状態、つまり横支杆9が平面P1上にある状態に
する。
即ち、初期の状態から角度γだけ回転させた状態にす
る。
この時、センサ5b、5cは、X軸を通り流体ベクトルWが
作る平面上にあり、この時のセンサ5a、5b、5cの長さ方
向の軸と流体の方向とがなす角度はそれぞれ、α、(90
度+α)、(90度−α)となる。
今、十字支杆1が左右対称であること、基台4の影響等
による障害を考慮して、角度αが0度〜90度の範囲で検
討すれば充分である。
角度αが0度〜45度の場合、縦支杆8に取付けられたセ
ンサ5aの出力E0は、第3図(c)に示す出力特性の0度
〜45度の範囲にあり、この特性図より、一定出力とセン
サ5aの出力E0を比較して角度αは求められるものであ
る。
また角度αが、45度〜90度の場合には、センサ5aは一定
出力範囲内にあり、横支杆9に取付けられたセンサ5cと
流体ベクトルWとのなす角度(90度−α)が0度〜45度
の範囲にあり、第3図(c)に示す特性図より、一定出
力とセンサ5cの出力E2を比較すれば、角度(90度−α)
が求めることができ、これから角度αを求めることがで
きる。
次に、流体速度Uを決定する。
上述で求めた角度αが、45度〜90度の場合、センサ5aが
一定出力範囲内にあり、このセンサ5aの出力E0によっ
て、流体速度Uを決定することができる。
また、角度αが0度〜45度の範囲にある場合、本プロー
ブを初期の状態から角度(90度+γ)だけ回転させて、
センサ5b及び5cと流体ベクトルWとがなす角度を90度に
なるようにし、その出力E1及びE2により、流体速度Uを
決定する。
但し、念のためこの時のセンサ5b、5cの出力E1、E2の平
均をとり、 U=(E1+E2)/2で流体速度Uを決定する。
このように本発明の目的である流体の速度、方向の測定
が極めて容易になされるのでであり、センサ5a、5b、5c
がゲルマニウム単結晶で構成されているために、熱線と
相違して、酸化、断線することが無く、かつ丈夫である
ことと、合成樹脂等の外被材10で外被して電気絶縁性、
耐水性に対する保護をすることができ、殆どの流体の速
度及び方向の測定ができる。
また、外被材10で外被することにより、センサの特性に
変化を与えて、必要な特性のセンサを得ることが容易に
できるものである。
上述のような本発明に係る複合型流体速度測定用プロー
ブを用いて、流体の速度及び方向を測定するに際し、第
1実施例の場合よりも測定精度を更に向上させる為に
は、第5図に第2実施例の説明用簡略斜視図を示すよう
に、第1実施例で用いた十字状の複合型流体速度測定用
プローブの縦支杆8及び横支杆9の交差する中央部から
前後両方向に横支杆9′を突設し、外横支杆9′の両端
部に縦支杆8の先端及び横支杆9の両端に固着したセン
サ5a、5b、5cと同一のセンサ5d、5eを固着してなる複合
型流体速度測定用プローブを用いればよい。
この本発明に係る複合型流体速度測定用プローブの第2
実施例を用いれば、第1実施例の場合と同様に、センサ
5a、5b、5c、5d、5eの出力値の内、最大のものを採用す
ることにより、流体の速度を決定することができ、また
流体の方向を知る為に、縦支杆8を軸として回転させる
角度を第1実施例の場合に比して少なくできる。
また、5点による測定である為、情報量が増え、誤差を
小さくすることが可能になるものである。
〔発明の効果〕
本発明に係る複合型流体速度測定用プローブは上述のよ
うに、十字状に組み合わせた十字支杆の端部の3箇所に
取付けられた各センサが単体では流体の流れの方向に対
して一定角度範囲で一定出力であるとともに一定角度範
囲外に対して角度の増域に応じて出力が低下するという
同一特性を有するため、十字支杆の端部に配されたセン
サの守備範囲を総合すれば、基台上面の空間内における
全ての方向から到来してくる流体の速度を決定すること
ができるため、本プローブを流体中に静止した状態で、
流体の方向に関係なく流体の速度が測定できるうえに、
縦支杆を軸にして回転させることにより、流体の流れの
角度をセンサの特性である0〜45度の立ち上がり出力特
性及び縦支杆を軸に回転させた回転角度から流体の方向
及び流体速度を測定することができるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る複合型流体速度測定用プローブの
第1実施例の説明用斜視図、第2図は実験に用いた単体
プローブの説明用斜視図、第3図(a)は実施例の単体
プローブの実験に使用した回路図、第3図(b)は流体
の方向とセンサの状態説明図、第3図(c)は単体プロ
ーブの出力特性図、第4図(a)は流体中に第1実施例
のプローブを設置した状態説明用簡略図、第4図(b)
は流体ベクトル説明図、第4図(c)は平面説明図、第
4図(d)は十字支杆の説明用簡略平面図、第4図
(e)は回転によるセンサ5b、5cの出力変化説明図、第
5図は本発明に係る複合型流体速度測定用プローブの第
2実施例の説明用簡略斜視図、第6図は従来例の流体速
度測定用プローブの説明用斜視図である。 1:十字支杆、2:支持体、 3a,3b,3c,3d:支柱、4:基台、 5a,5b,5c,5d,5e:センサ、6:接着剤層、 7a,7b,7c,7d:リード線、8:縦支杆、 9:横支杆、10:外被材、 11:端面、 A1,A2,A3:プローブ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縦支杆と横支杆を十字状に組み合わせて構
    成した十字支杆の前記縦支杆の一端を基台上に取付け、
    流体の流れとなす一定角度範囲内で一定出力であり、一
    定角度範囲外では角度の増減に応じて出力が低下する特
    性のゲルマニウム単結晶の小片からなるセンサを前記十
    字支杆の3つの端部に固着して3つの単体プローブを形
    成してなり、前記センサに電圧を印加して流体との接触
    による温度変化に伴い変化する抵抗値を電流、電圧また
    は電力に変換し、流体の速度及び流体の方向を測定する
    ことを可能にした複合型流体速度測定用プローブ。
  2. 【請求項2】センサとして、プローブの軸と流体の流れ
    とのなす角度により45度〜90度の範囲で一定出力である
    ものを利用した特許請求の範囲第1項記載の複合型流体
    速度測定用プローブ。
  3. 【請求項3】杆体を十字状に配して十字支杆となし、該
    十字を杆の一端を基台上面に立設した4本の支柱間に挟
    持して固着し、他の端部にはゲルマニウム単結晶の小片
    を直方体状にしたセンサを固着してなる特許請求の範囲
    第1項または第2項記載の複合型流体速度測定用プロー
    ブ。
  4. 【請求項4】単体プローブとして、センサまたはプロー
    ブ全体を絶縁体でなる外被材で外被した特許請求の範囲
    第1項〜第3項記載の複合型流体速度測定用プローブ。
  5. 【請求項5】縦支杆と横支杆を十字状に組み合わせて構
    成した十字支杆の前記縦支杆及び横支杆の交差する部分
    より、前記縦支杆及び横支杆と直交する横支杆を突設
    し、前記縦支杆の一端を基台上に取付け、流体の流れと
    なす一定角度範囲内で一定出力であり、一定角度範囲外
    では角度の増減に応じて出力が低下する特性のゲルマニ
    ウム単結晶の小片からなるセンサを前記十字支杆の5つ
    の端部に固着して5つの単体プローブを形成してなり、
    前記センサに電圧を印加して流体との接触による温度変
    化に伴い変化する抵抗値を電流、電圧または電力に変換
    し、流体の速度及び流体の方向を測定することを可能に
    した複合型流体速度測定用プローブ。
JP61225626A 1986-04-17 1986-09-24 複合型流体速度測定用プロ−ブ Expired - Fee Related JPH0690063B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61225626A JPH0690063B2 (ja) 1986-09-24 1986-09-24 複合型流体速度測定用プロ−ブ
US07/039,198 US4856330A (en) 1986-04-17 1987-04-16 Fluid speed or direction measuring apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61225626A JPH0690063B2 (ja) 1986-09-24 1986-09-24 複合型流体速度測定用プロ−ブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6381268A JPS6381268A (ja) 1988-04-12
JPH0690063B2 true JPH0690063B2 (ja) 1994-11-14

Family

ID=16832255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61225626A Expired - Fee Related JPH0690063B2 (ja) 1986-04-17 1986-09-24 複合型流体速度測定用プロ−ブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0690063B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010518370A (ja) * 2007-02-01 2010-05-27 エアバス フランス ガス状流体の流れの速さおよび方向を測定する装置および方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01307667A (ja) * 1988-06-06 1989-12-12 Eagle Ind Co Ltd 鍍金液流速検出装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010518370A (ja) * 2007-02-01 2010-05-27 エアバス フランス ガス状流体の流れの速さおよび方向を測定する装置および方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6381268A (ja) 1988-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4583296A (en) Electrical inclination sensor and method for its manufacture
JP2825206B2 (ja) 金属酸化物電極
US4279147A (en) Directional heat loss anemometer transducer
WO1994022022A2 (en) Anemometer transducer wind set
US4856330A (en) Fluid speed or direction measuring apparatus
US4536967A (en) Tilt sensor and method of assembly
JPH0690063B2 (ja) 複合型流体速度測定用プロ−ブ
US6722199B2 (en) Sensor for detecting a rotational movement or an angular acceleration
US4000648A (en) High sensitivity flowmeter
US3114209A (en) Level sensor
JPH0439578Y2 (ja)
US4347738A (en) Oceanographic transducer
JPH0439577Y2 (ja)
US3898881A (en) Apparatus for measuring the velocity of flow of an electrically conductive fluid
US8118485B2 (en) Very high speed thin film RTD sandwich
US3079697A (en) Inclination measuring instrument
CN207730339U (zh) 一种外绕簧式镍电阻敏感元件
USRE24436E (en) Sensitive heat exchange detector
JPH07128282A (ja) 水素イオン濃度検出器
JPH0521019Y2 (ja)
US5979243A (en) Microfabricated multifunction strain-temperature gauge
JPH02110322A (ja) 流体速度測定用プローブ
JPH0580601B2 (ja)
JP2805176B2 (ja) 流速測定プローブ
JP2023028859A (ja) 電磁波センサ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees