JPH0689681A - イオン源 - Google Patents

イオン源

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Publication number
JPH0689681A
JPH0689681A JP26283592A JP26283592A JPH0689681A JP H0689681 A JPH0689681 A JP H0689681A JP 26283592 A JP26283592 A JP 26283592A JP 26283592 A JP26283592 A JP 26283592A JP H0689681 A JPH0689681 A JP H0689681A
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JP
Japan
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chamber
ion source
flange
insulator
ion
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Application number
JP26283592A
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English (en)
Inventor
Masaaki Nukayama
正明 糠山
Junichi Tatemichi
潤一 立道
Yasunori Ando
靖典 安東
Eisuke Murasaka
英輔 村坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料を保持した真空チャンバとイオン源の間
は絶縁と真空保持の機能を持つセラミック製の円筒によ
って接続される。大きいイオン源になると、セラミック
円筒も大きくなって製作しにくいのでセラミック円筒を
用いないイオン源が提案される。この場合放射線が漏洩
する惧れがある。放射線漏れを防ぐイオン源を提案す
る。 【構成】 円筒形セラミックのかわりに複数の小さいセ
ラミック支柱を用いる。イオン源の全体をより大きい接
地された外套チャンバによって囲む。電力線の出入りは
絶縁碍子によって連結された一つの高電位フランジによ
って行う。絶縁碍子の周囲は放射線を遮断するためのシ
−ルドによって囲む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は組み立て保守が容易で
安全性が高く大型化に好適なイオン源に関する。イオン
源は原料ガスまたは原料蒸気を熱、放電等によって励起
しこれをプラズマとし電圧を掛けてイオンビ−ムとして
引き出すものである。イオン源はイオン照射装置、イオ
ン注入装置、イオンエッチング装置等に用いられる。こ
れはチャンバと電源、電極、フィラメントなどを備えて
いる。チャンバは高電圧が印加される。しかもチャンバ
は真空状態を保持しなければならない。
【0002】図2は従来例に係るイオン源の断面図であ
る。チャンバの出口には3枚の引出電極系の電極板が設
けられる。これらは複数または単数のイオン引き出し用
の孔が穿孔された導体の板である。チャンバ側から加速
電極1、抑制電極2、接地電極3という。円筒形の絶縁
物4がイオン源チャンバ11と、プロセス室チャンバ8
とを連結している。イオン源チャンバ11はプラズマを
発生する空間である。これも円筒形のイオン源側壁6と
これを閉ざすイオン源上蓋7からなっている。イオン源
上蓋7にはフィラメント12が挿通してある。これは陰
極電位にあって通電されることによって熱電子を発生す
る。
【0003】上蓋7には原料ガス入口15が設けられ
る。フィラメント12にはフィラメント電源16によっ
て電力が供給される。イオン源チャンバ11とフィラメ
ント12の間にはア−ク電源17が接続される。これに
よってイオン源チャンバ6とフィラメント12との間に
ア−ク放電が引き起こされる。
【0004】イオン源チャンバ11の他端フランジ部は
絶縁物18を介して大径のフランジ19に結合される。
このフランジ19に加速電極1が固定される。フランジ
19は前記の円筒形絶縁物4によってプロセス室チャン
バ8の側の中間フランジ20に連結される。中間フラン
ジ20の内方に斜め向きに円錐支持部21がある。この
先端に接地電極3が固定される。加速電源22の正極は
前記のア−ク電源17、フィラメント電源16の一方の
極に接続される。加速電源22の正極はさらにはフラン
ジ19及び加速電極1に接続されこれを高電圧に維持す
る。
【0005】前記の円錐支持部21の先には絶縁物23
を介して抑制電極2が取り付けられる。抑制電極2は抑
制電源24によって負電圧が印加される。これは試料か
ら放出された二次電子がイオン源に入るのを防ぐもので
ある。イオン源チャンバ11やプロセス室チャンバ8は
高真空に保持しなければならないので部材の接続箇所に
はOリングなどの気密部材が設けられる。イオン源上蓋
7とイオン源側壁6のフランジの間にはOリング30が
介装される。イオン源側壁6の他のフランジ部と絶縁物
18の間にはOリング31がある。絶縁物18とフラン
ジ19との間にはOリング32が設けられる。円筒形の
絶縁物4と、フランジ19及び中間フランジ20の間に
はOリング33、34がある。また中間フランジ20と
プロセス室チャンバ8の間にもOリング35がある。
【0006】プロセス室チャンバ8はイオンビ−ムを照
射すべき試料等が保持されている。このような構造にお
いて、フィラメント12とイオン源側壁6の間にア−ク
放電が起きる。原料ガスはこれによって励起されてプラ
ズマとなる。これが加速電極1、抑制電極2、接地電極
3の孔を通過してイオンビ−ムとして引き出される。引
き出されたイオンビ−ムはさまざまの用途に用いられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図2のイオン源は通常
よく用いられるものである。しかしこれは幾つかの難点
がある。 ひとつは気密部が多くて多数の気密部材を必要とする
ということである。この例でも多数のOリング30〜3
5が用いられている。多くの気密部で真空漏れが起こる
確率が高い。それは、イオン源チャンバ6もプロセス室
チャンバ8も内部がいずれも高真空であるのに対し、こ
れらのチャンバの外側は直ぐに大気であるからである。
これが第1の難点である。
【0008】装置が小型であれば良いのであるが、大
型化しようとすると中間の絶縁物4を作るのが難しくな
る。イオン源チャンバ11とプロセス室チャンバ8を絶
縁する絶縁物4は円筒形でしかも直径が大きく高さもか
なりのものである。これは例えばセラミックである。材
料を型に入れ成形して炉の中で加熱して作る。焼き物で
ある。これだけの大きさのものを初めから作らなくては
いけない。イオン源の全体が大きくなれば円筒形絶縁物
の寸法も大きくなる。するとこれを成形用の型や焼くた
めの炉も大きくなくてはならない。またセラミックは焼
くことにより体積が70〜80%に減少する。この減少
が必ずしも空間的に均一でない。ために焼く前に成形す
る型の設計が難しい。また焼き物としての歩留りも低
い。しかも絶縁物4は電気的な絶縁の他に気密性を保持
するための部材でもある。すると端面の平坦度が高精度
でなければならない。焼結と後加工が極めて難しくな
る。大型の絶縁物がたとえできたとしても大層高価なも
のになってしまう。これは、エポキシ樹脂などの熱硬化
性樹脂によって形成しても、略同様の傾向である。
【0009】大型のイオン源になるとこのような構造
では組み立て難い。気密部が多く組み立てに細心の注意
を払わなければならないからである。また保守点検の手
数もかかりメンテナンス性が劣る。
【0010】イオン源チャンバは高電圧が掛かってい
るし途中のフランジ19も加速電圧が掛かっている。こ
れと接地電位にあるプロセス室チャンバの部分は電圧の
差が大きいので両者の間に広い絶縁距離を取らなくては
ならない。すると軸方向に嵩高いものになる。
【0011】高圧部が外部に露出しており危険であ
る。このような難点を解決し、より大型のものにしても
製作組み立て容易で、より安価安全なイオン源を本発明
者らは特願平4−162102号によって提案してい
る。これは気密構造でないイオン源チャンバを気密性の
ある外套チャンバによって覆う二重構造にすることによ
り前記の難点を解決するものである。
【0012】つまりこのイオン源は、チャンバ間を隔て
るべき絶縁物を円筒形としない。この円筒形の絶縁物の
代わりに複数の支柱を用いる。支柱によってイオン源チ
ャンバとプロセス室チャンバを連結する。しかし支柱を
複数本立てるだけでは真空を維持できない。そこでイオ
ン源チャンバや絶縁物の全体をさらに大きい外套チャン
バでこれらを囲むようにする。外套チャンバが真空を保
持する。イオン源チャンバは最早外部に露出しない。こ
のためにイオン源チャンバや絶縁物、フランジを接続す
る部分に最早気密部材を必要としない。
【0013】しかしこのイオン源チャンバと外套チャ
ンバの二重構造のイオン源は原料ガス、冷却水、電力線
などの導入排出について未だ改良の余地を残している。
またイオン源チャンバの内部で発生する放射線などに対
する防護機構が完全ではない。放射線が外部に漏れない
ようにすることが必要である。
【0014】また電力線の導入口は高圧が印加されて
いる。作業者等がこれに触れないように防護してあるこ
とが望ましい。本発明はこのような難点を解決し、原料
ガス、冷却水、電力線などの導入部に改善を加えたイオ
ン源を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン源は、内
部に原料ガスを導入しこれを放電によって励起しプラズ
マとする空間であるイオン源チャンバと、イオン源チャ
ンバの出口に設けられイオンビ−ムを引き出すための引
出電極系と、引き出されたイオンビ−ムを試料の処理に
用いるためのプロセス室チャンバと、イオン源チャンバ
とプロセス室チャンバを絶縁しつつ連結するための複数
本の絶縁支柱と、イオン源チャンバを囲みプロセス室チ
ャンバに固結され内部を真空に引くことのでき接地され
た外套チャンバよりなり、外套チャンバには気密構造の
絶縁碍子とフランジによって閉られた導入穴があり、イ
オン源チャンバに原料ガスを導入する原料ガス導入管、
イオン源チャンバに励起電圧を印加し引出電極系に電圧
を印加する電力線、イオン源チャンバを冷却するための
冷却水パイプを前記の導入穴のフランジから外套チャン
バの内部に導入し、絶縁碍子の周囲には放射線の外部へ
の漏洩を防ぐための筒状のシ−ルドを設けたことを特徴
とする。
【0016】
【作用】本発明では、外套チャンバによってイオン源の
全体を覆い、外套チャンバにより真空を維持するように
している。このためにイオン源チャンバと真空チャンバ
を繋ぐ部分に気密保持できる大きい円筒形の絶縁物を必
要としない。かわりに複数の小さい支柱を立てれば良
い。寸法の大きい円筒形セラミックを作るのは極めて難
しい。しかし支柱であればこれを作るのは極めて容易で
ある。セラミック材料の量が少ない。小さいものである
から成形も簡単である。これを焼くための炉も小さくて
も良い。単純な形状でありしかも小さいので焼くことに
よる減量も僅かであり計算できる。歩留りが高い。さら
に外套チャンバでイオン源チャンバを囲むから、高電圧
の部分が外部に露出せず安全である。
【0017】また、本発明では、外套チャンバにはひと
つの導入穴があってここにフランジや絶縁碍子が設けら
れる。このフランジを貫いて、冷却水や原料ガスのパイ
プや電力線が導入される。そして、導入穴の周囲には筒
状のシ−ルドがあって、内部で発生する放射線(主にX
線)が外部へ出てゆくのを防止することができる。これ
が本発明の特徴である。
【0018】フランジと外套チャンバの導入穴の間に絶
縁碍子があるのは、フランジが高電位であるのに、外套
チャンバが大地電位であるからである。この電位差を保
持するために絶縁碍子が必要である。この絶縁碍子は電
気的な絶縁と真空保持の両方の役割を担う。
【0019】イオン源チャンバではプラズマが発生しこ
れが加速されて壁面などに衝突する。この時にX線が発
生する。X線は強力な電磁波であるので、外部に漏れて
はいけない。外套チャンバやイオン源チャンバの大部分
はステンレスやアルミ、特殊鋼などの金属でできてい
る。これらの金属壁はX線を遮断することができる。し
かし絶縁碍子はセラミックであるのでX線を遮断する能
力が不十分である。そこで絶縁碍子を囲むようにシ−ル
ドを設けて、X線が絶縁碍子を通って外部に漏れるのを
防ぐのである。このように内部で発生するX線をシ−ル
ドによって防ぐには、シ−ルドの大きさ形状に制限が課
される。
【0020】イオン源チャンバは金属であり適当な厚さ
を持つのでX線を防ぐことができる。プロセス室チャン
バも金属であるからX線を外部に漏らさないようにでき
る。本発明ではイオン源チャンバとプロセス室チャンバ
を絶縁支柱で結合している。この部分から発生したX線
は金属壁に妨げられずに絶縁碍子に到達する可能性があ
る。このようなX線を防ぐ必要がある。そこでシ−ルド
は、外套チャンバ内部の絶縁支柱で仕切られる空間と絶
縁碍子を結ぶ直線群が必ずシ−ルドを切るように配置さ
れているようにする必要がある。
【0021】またシ−ルドは別異の役割を持つことがで
きる。外套チャンバの導入穴に設けたフランジは電力線
を通す。電力線はイオン源チャンバでア−ク放電を起こ
させたり引出電極に加速電圧を与えたりするものである
から、100keV〜数十keVの電圧が掛かる。フラ
ンジに電力線を通す際は、絶縁体を用いてフランジから
電力線を絶縁するがそれでもフランジには高電圧がかか
る可能性がある。作業者がフランジに触れるのは危険で
ある。そこでシ−ルドの自由端を延長し、フランジ面を
も覆うようにする。こうすると、不用意にフランジに接
触するという可能性が減って安全性が高揚する。
【0022】このように本発明は、イオン源チャンバと
外套チャンバよりなる二重構造において、外套チャンバ
の導入穴より、冷却水、原料ガスパイプ、電力線を導入
するようにしてあり、導入穴の廻りにはシ−ルドを設け
て、X線が外部に放出されるのを防いでいる。また高電
圧の掛かる可能性のあるフランジを覆うようにシ−ルド
が設けられるから作業者等がフランジに接触する惧れも
少なくなる。安全性を高める上に効果的である。
【0023】またイオン源チャンバを外套チャンバの二
重構造にすることにより、大きい絶縁円筒を小さい絶縁
支柱に置き換えることができる。大きいセラミック円筒
は製造が難しく高価であるが小さい支柱は安価であり材
料費を削減できる。また真空は外套チャンバで保持する
から真空シ−ル部の箇所が減るのでリ−クの惧れが少な
い。また組み立てや保守点検が容易になる。又全体を外
套チャンバによって囲むから、高電圧部が露出せず安全
性も向上する。
【0024】
【実施例】図1によって本発明の実施例を説明する。イ
オン源の電極は従来のものと同様である。初めに加速電
極1、次に抑制電極2、最後に接地電極3が設けられ
る。イオン源をなす容器は円筒形のイオン源側壁6と上
蓋7である。イオン源側壁6と上蓋7を纏めてイオン源
チャンバ11という。以下においては側壁6によってイ
オン源チャンバ11を代表させることもある。イオン源
の前方に試料を設置すべき空間であるプロセス室チャン
バ8がある。プロセス室チャンバ8ではイオンビ−ムを
用いてエッチング、薄膜形成、物質の改質などの処理が
なされる。
【0025】この例では加速電極1はイオン源チャンバ
11の方に取り付けられ、その他の電極2、3はプロセ
ス室チャンバ8の方に取り付けられている。イオン源チ
ャンバ11の側壁6と上蓋7は円筒形の外套側壁9と外
套蓋10によって覆われる。外套側壁9の一端は外套蓋
10に固結される。外套側壁9の他端はプロセス室チャ
ンバ8に取り付けられた中間フランジ20に固定され
る。外套側壁9と外套蓋10を纏めて外套チャンバ13
と呼ぶことにする。イオン源チャンバ内の真空を維持す
るのは外套チャンバ13である。外套チャンバ13は金
属製でこれは接地される。
【0026】イオン源側壁6とプロセス室チャンバ8の
上の中間フランジ20を結合するものは複数のセラミッ
ク支柱5である。従来例に掛かるイオン源のように広い
セラミック円筒ではなく小さいセラミックの支柱であ
る。セラミック円筒に比較して体積は小さく製造容易で
ある。支柱5の一端はイオン源側壁6の電極側のフラン
ジ19に結合する。支柱5の他端はプロセス室チャンバ
8側の中間フランジ20に固結される。中間フランジ2
0のイオン源側の面には円錐支持部21がある。円錐支
持部21の先端には抑制電極2と、絶縁物23を介して
加速電極1が取り付けられる。加速電源22が加速電極
1にイオンビ−ム加速のための高電圧を印加している。
抑制電極2には抑制電源24によって負電圧が印加され
る。中間フランジ20、プロセス室チャンバ8などは接
地電位である。これは図2に示したものと同様である。
【0027】但しこれはフィラメントを使って直流ア−
クを発生させるイオン源ではなく、高周波放電を利用し
てプラズマを生成する例である。本発明はもちろんどの
ような放電励起機構を持つイオン源にも適用できる。こ
こでは高周波放電の例について説明する。イオン源側壁
6と上蓋7との間にRF電源41が接続されこれによっ
てRF放電が引き起こされる。イオン源側壁6と上蓋7
とは絶縁物43によって絶縁される。
【0028】外套チャンバの外套側壁9の側方の一箇所
には大きい導入穴44がある。これは外套チャンバの内
部にガス、電力など必要なもの全てをまとめて導入する
ためのものである。このように内外の連絡をひとつの導
入穴44に纏めているので構造的に簡略化される。導入
穴44の外端には開口縁45がある。
【0029】開口縁45の開口端には絶縁碍子46が取
り付けられる。これの更に先端には、高電位フランジ4
7が固定される。開口縁45の更に外側に、絶縁碍子4
6と同芯状に円筒状のシ−ルド50が設けられる。この
例では、シ−ルド50は、アルミ、ステンレスなどの構
造体金属部分48と、鉛被覆49とよりなっている。鉛
被覆49は特に放射線を有効に遮断するために設けられ
る。厚みは例えば3mm以上とする。鉛は比重が大きい
ので放射線の遮断には好適である。しかしこれは鉄など
で置き換えることもできる。この場合は厚みを鉛よりも
増す必要がある。シ−ルド50は外套側壁9に連続して
いるから接地電位である。
【0030】絶縁碍子46の他端に取り付けられた高電
位フランジ47は、電力線、冷却水や原料ガス導入管を
纏めて導入するためのフランジである。内外に連続する
部材が全てここに纏められている。電力線は高電圧が掛
かっているものもあるのでこのフランジは高電位になる
可能性がある。そこでここでは高電位フランジ47とい
っている。もちろん絶縁体を介するのであるから、高電
位フランジ47に直接に高電圧が掛かる訳ではないがそ
の可能性がある。
【0031】高電位フランジ47を通過するものは、原
料ガス、冷却水、電気等である。原料ガスは原料ガス導
入管42によって外部からイオン源チャンバに供給され
る。原料ガス導入管42は高電位フランジ47を通過し
た後、外套チャンバとイオン源チャンバの間を通り、イ
オン源チャンバの上蓋7の原料ガス導入口15からイオ
ン源チャンバの内部に連続している。
【0032】冷却水パイプ60は同様に高電位フランジ
47を貫いて内部の中間フランジ19に至りイオン源チ
ャンバの壁面等を冷却する。また必要があれが、電極な
どを冷却することもある。簡単のために冷却水パイプ6
0は1本しか書いていないが少なくとも送給、排出の2
本は必要である。複数の部材を冷却するために複数対の
冷却水パイプを設けることもある。冷却水は高電圧の部
材の内部を通るので導電性があってはならない。高抵抗
の純水を用いることができる。また絶縁性の高い有機化
合物よりなる冷媒を用いることもできる。この場合冷却
水と呼ぶのはおかしいがここでは有機冷媒も冷却水の範
疇に入れる。
【0033】原料ガスも高電圧部に供給されるから、ガ
スを通じて電流が流れないようにしなければならない。
そこで原料ガスのボンベは高電圧部に設置する。原料ガ
スは大地側と全く遮断されているので、原料ガスに電圧
が掛かることはなく、危険はない。
【0034】高電位フランジ47にはその他に電力線が
貫通している。高電位フランジ47を貫く電力線は、R
F電源41と、イオン源チャンバの上蓋7と側壁6とを
連結する電力線61、62、加速電源22の正極とフラ
ンジ19を接続する電力線63、抑制電源24の負極と
抑制電極2とを連結する電力線64等がある。これらは
電位が違うので、絶縁体65、66、67、68によっ
て、高電位フランジ47と絶縁されている。前記のシ−
ルド50は接地電位であり、高電位フランジ47は高電
圧であるので、両者の間には適当な幅の空隙部がある。
また高電位フランジ47に不用意に接触しては危険であ
るから、高電位フランジ47は、シ−ルド50の外端面
よりも内側に引っ込んだ位置にある。
【0035】気密機構について説明する。外套チャンバ
13の外套蓋10は外套側壁9のフランジ部にOリング
51を介して装着される。また外套側壁9と中間フラン
ジ20との間にもOリング52が設けられる。さらに中
間フランジ20とプロセス室チャンバ8の間にもOリン
グ53がある。前記導入穴44の開口縁45に取り付け
た絶縁碍子46との間に、Oリング55が設けられる。
絶縁碍子46と高電位フランジ47の間には0リング5
6がある。これらは何れも外套チャンバ13の内部の真
空を維持するためのものである。
【0036】さて、シ−ルド50の役割であるが、これ
は高電位フランジ47を囲み高電圧部が露出せず安全性
を高めているということを述べた。またこれは接地電位
であり、高電位フランジ47の周り高電界部分ができる
のを防ぎ、高電圧を加速電極に印加する場合でも安定に
動作する。もう一つのシ−ルド50の役目は放射線の遮
断ということである。既に述べたようにイオン源チャン
バの内部、プロセス室チャンバ8の内部では、イオンビ
−ムが壁面等に衝突するので、X線などの放射線が発生
する。金属壁で覆われていないセラミック支柱5の部分
と、絶縁碍子46の部分では放射線が外部に放出される
可能性がある。
【0037】図3に示すように、本発明では、セラミッ
ク支柱5の部分の何処で放射線が発生しどの方向に飛行
してもシ−ルド50によって遮断されるようになってい
る。絶縁支柱で仕切られる部分から放射線が出る可能性
がある。例えば絶縁支柱の存在する部分の最上部のA点
から出た放射線が上側の絶縁碍子46を通ると、シ−ル
ド50の裏面Eに当たる。最外の直線であっても裏面E
と交差するので、放射線は外部に漏れない。絶縁支柱の
存する領域の最下点Bから出た放射線も裏面Eに当た
る。点Cから下側の絶縁碍子46に至る直線も高電位フ
ランジ47の裏面Fに当たってしまい、外部には漏れな
い。放射線のエネルギ−によりシ−ルド50の厚さも変
えるべきであるが、鉛では3mm、鉄では数十mmの厚
みがあれば良い。
【0038】
【発明の効果】本発明のイオン源はイオン源チャンバと
プロセス室チャンバを絶縁しながら真空を維持して連結
する絶縁円筒を設けず、絶縁支柱で両者を結合してい
る。外套チャンバによって、イオン源チャンバと絶縁支
柱の部分を覆い、外套チャンバによって真空を維持して
いる。大きい絶縁円筒を作るのは難しく歩留りも悪く製
造コストが極めて高くなる。しかし小さい支柱なら製造
容易でありコストを削減できる。
【0039】外套チャンバの一箇所に導入穴を設け、こ
の絶縁碍子を介して高電位フランジを取り付ける。原料
ガス、冷却水パイプ、電力線が全て高電位フランジを通
る。絶縁支柱と絶縁碍子は放射線を通すので外側にシ−
ルドを設けて放射線が漏れないようにしている。またシ
−ルドは外套チャンバと同じ接地電位であるから、高電
界部が覆われて安全性が高揚する。
【0040】また外套チャンバで一括してイオン源チャ
ンバを囲むので、シ−ル構造が単純化される。当然真空
漏れの可能性も少なくなる。信頼性の高いイオン源装置
となる。また外部に高電圧部が殆ど露出しない。高電位
フランジを除き、露出した部分は全て接地電位である。
ために極めて安全性が高い。大型のイオン源を設計製造
しようとする場合本発明のイオン源が最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るイオン源の縦断面図。
【図2】従来例によるイオン源の縦断面図。
【図3】本発明のイオン源においてシ−ルドによって放
射線を防ぐことができることを示す図。
【符号の説明】
1 加速電極 2 抑制電極 3 接地電極 4 円筒形絶縁物 5 絶縁支柱 6 イオン源側壁 7 イオン源上蓋 8 プロセス室チャンバ 9 外套側壁 10 蓋 11 イオン源チャンバ 12 フィラメント 13 外套チャンバ 14 抜き穴 15 原料ガス入口 16 フィラメント電源 17 ア−ク電源 18 絶縁物 19 フランジ 20 中間フランジ 21 円錐支持部 22 加速電源 23 絶縁物 24 抑制電源 41 高周波電源 42 原料ガス導入管 44 導入穴 45 開口縁 46 絶縁碍子 47 高電位フランジ 48 構造体金属部分 49 鉛被覆 50 シ−ルド 60 冷却水パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村坂 英輔 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地日新 電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に原料ガスを導入しこれを放電によ
    って励起しプラズマとする空間であるイオン源チャンバ
    と、イオン源チャンバの出口に設けられイオンビ−ムを
    引き出すための引出電極系と、引き出されたイオンビ−
    ムを試料の処理に用いるためのプロセス室チャンバと、
    イオン源チャンバとプロセス室チャンバを絶縁しつつ連
    結するための複数本の絶縁支柱と、イオン源チャンバを
    囲みプロセス室チャンバに固結され内部を真空に引くこ
    とのできる接地された外套チャンバよりなり、外套チャ
    ンバには気密構造の絶縁碍子と高電位フランジによって
    閉られた導入穴があり、イオン源チャンバに原料ガスを
    導入する原料ガス導入管、イオン源チャンバに励起電圧
    を印加し引出電極系に電圧を印加する電力線、イオン源
    チャンバを冷却するための冷却水パイプを前記の導入穴
    のフランジから外套チャンバの内部に導入し、絶縁碍子
    の周囲には放射線の外部への漏洩を防ぐための筒状のシ
    −ルドを設けたことを特徴とするイオン源。
  2. 【請求項2】 内部に原料ガスを導入しこれを放電によ
    って励起しプラズマとする空間であるイオン源チャンバ
    と、イオン源チャンバの出口に設けられイオンビ−ムを
    引き出すための引出電極系と、引き出されたイオンビ−
    ムを試料の処理に用いるためのプロセス室チャンバと、
    イオン源チャンバとプロセス室チャンバを絶縁しつつ連
    結するための複数本の絶縁支柱と、イオン源チャンバを
    囲みプロセス室チャンバに固結され内部を真空に引くこ
    とのできる接地された外套チャンバよりなり、外套チャ
    ンバには気密構造の絶縁碍子と高電位フランジによって
    閉られた導入穴があり、イオン源チャンバに原料ガスを
    導入する原料ガス導入管、イオン源チャンバに励起電圧
    を印加し引出電極系に電圧を印加する電力線、イオン源
    チャンバを冷却するための冷却水パイプを前記の導入穴
    のフランジから外套チャンバの内部に導入し、絶縁碍子
    の周囲には放射線の外部への漏洩を防ぐための筒状のシ
    −ルドを設けてあり、シ−ルドの外端がフランジ面より
    外部にあり、かつ外套チャンバ内部の絶縁支柱で仕切ら
    れる空間と絶縁碍子を結ぶ直線群が必ずシ−ルドを切る
    ように配置されているたことを特徴とするイオン源。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005044975A1 (de) * 2005-09-20 2007-03-22 Torosyants, Artur Mixgetränk aus Kaffee und Tee
WO2013077483A1 (ko) * 2011-11-25 2013-05-30 한국기초과학지원연구원 가변형 이온 가이드 및 이를 포함하는 전자 맴돌이 공명 이온원 장치
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